【解決手段】基板搬送部12と、電子部品供給装置90と、複数のノズルとヘッド支持体31とを備えるヘッド本体30と、ヘッド支持体31に固定されたヘッドカメラ52をノズルに対応して複数備えるヘッドカメラユニット35と、有し、ノズルで電子部品を保持して、電子部品供給装置から基板に搬送し、電子部品を基板に実装するヘッド15と、ヘッドを移動させるヘッド移動機構16と、ヘッドカメラ52で撮影した画像を処理するカメラ制御部214及びヘッドの動作を制御するヘッド制御部62を備える制御装置20と、を有し、カメラ制御部214は、複数のヘッドカメラ52で撮影した画像を合成し、ヘッドカメラの視野が繋がった画像を生成し、制御装置20は、カメラ制御部214で合成した画像に基づいて処理を決定する。
フラクサを貯留するフラクサ貯留部を有し、前記ノズルによって、前記電子部品が前記フラクサに接触されることで前記電子部品に前記フラクサを塗布するフラクサ塗布装置をさらに有し、
前記制御装置は、前記ヘッドカメラユニットで、前記フラクサ貯留部に貯留された前記フラクサの液面を撮影し、
合成した画像に基づいて、前記電子部品に前記フラクサを塗布する動作を制御することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の電子部品実装装置。
前記制御装置は、合成した画像に基づいて前記フラクサの液面を検出し、前記電子部品を接触させる位置を決定することを特徴とする請求項6に記載の電子部品実装装置。
前記制御装置は、合成した画像に基づいて、前記フラクサの液面を検出し、前記液面に前記電子部品を塗布できる領域がない場合、前記電子部品に前記フラクサを塗布する動作を停止することを特徴とする請求項6または7に記載の電子部品実装装置。
電子部品を保持する複数のノズル、前記ノズルを駆動するノズル駆動部、前記ノズルおよび前記ノズル駆動部とを支持するヘッド支持体を備えるヘッド本体、および、前記ヘッド支持体に固定され、前記ノズルで保持した電子部品または前記ノズルで保持する対象の電子部品を撮影するヘッドカメラを前記ノズルに対応して複数備えるヘッドカメラユニットを有し、前記ノズルで前記電子部品を保持して、電子部品供給装置から基板に搬送し、前記電子部品を前記基板に実装するヘッドと、前記ヘッドを移動させるヘッド移動機構と、を有し、基板に、前記電子部品を実装する電子部品実装装置の電子部品実装方法であって、
複数の前記ヘッドカメラで撮影した画像を合成し、前記ヘッドカメラの視野が繋がった画像を生成するステップと、
前記カメラ制御部で合成した画像に基づいて処理を決定するステップと、を有することを特徴とする電子部品実装方法。
フラクサを貯留するフラクサ貯留部と、前記ノズルによって、前記電子部品が前記フラクサに接触されることで前記電子部品に前記フラクサを塗布するフラクサ塗布装置をさらに有し、
前記ヘッドカメラユニットで、前記電子部品に塗布する前後の前記フラクサ貯留部に貯留された前記フラクサの液面を撮影するステップと、
前記カメラ制御部で合成した画像に基づいて、前記フラクサの液面の変化に基づいて前記電子部品への前記フラクサの塗布状態を判定するステップと、を有することを特徴とする請求項10に記載の電子部品実装方法。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、下記の発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)により本発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、下記実施形態で開示した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
【0020】
以下に、本発明にかかる電子部品実装装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
本実施形態の電子部品実装装置は、リード線(挿入部)を有し、当該リード線が、基板の基板孔(挿入穴、穴)に挿入されることで、基板に実装される電子部品、いわゆる挿入型電子部品、及び入穴(基板孔)に挿入されずに基板上に搭載される搭載型電子部品を実装する電子部品実装装置である。ここで、挿入型電子部品は、リード線が基板に形成された穴に挿入されることで実装されるものである。また、挿入穴(基板孔)に挿入されずに基板上に搭載される電子部品、例えばSOP、QFP等は、搭載型電子部品とする。なお、電子部品実装装置は、基板上に搭載される搭載型電子部品のみを実装する機能を備えていてもよいし、基板上に搭載される搭載型電子部品のみを実装する機能を備えていてもよいし、挿入型電子部品(リード型電子部品)を実装する機能のみを備えていてもよい。
【0021】
次に、本実施形態の電子部品実装装置10について説明する。電子部品実装装置10は、基板上に載せることで実装される搭載型電子部品とリードを基板の挿入穴に差し込んで実装する挿入型電子部品(リード型電子部品)との両方を実装することができる装置である。電子部品実装装置10は、1台で搭載型電子部品と挿入型電子部品の両方を実装することも、いずれか一方のみを実装することもできる。つまり電子部品実装装置10は、搭載型電子部品と挿入型電子部品の両方を実装することが可能で、製造する基板や他の電子部品実装装置のレイアウトに応じて、種々の用途で使用することができる。
【0022】
図1は、電子部品実装装置の概略構成を示す模式図である。
図1に示す電子部品実装装置10は、基板8の上に電子部品を搭載する装置である。電子部品実装装置10は、筐体11と、基板搬送部12と、部品供給ユニット14f、14rと、ヘッド15f、15rと、XY移動機構16と、VCSユニット17と、交換ノズル保持機構18と、部品貯留部19と、制御装置20と、操作部40と、表示部42と、フラクサ塗布装置100と、を有する。なお、XY移動機構16は、X軸駆動部22f、22rと、Y軸駆動部24と、を備える。ここで、本実施形態の電子部品実装装置10は、
図1に示すように、基板搬送部12を中心にしてフロント側とリア側に部品供給ユニット14f、14r、ヘッド15f、15r、X軸駆動部22f、22rを備える。電子部品実装装置10は、部品供給ユニット14f、ヘッド15f、X軸駆動部22fが電子部品実装装置10のフロント側に配置され、部品供給ユニット14r、ヘッド15r、X軸駆動部22rが電子部品実装装置10のリア側に配置される。また、以下では、2つの部品供給ユニット14f、14r、2つのヘッド15f、15r、2つのX軸駆動部22f、22rを特に区別しない場合、部品供給ユニット14、ヘッド15、X軸駆動部22とする。
【0023】
基板8は、電子部品を搭載する部材であればよく、その構成は特に限定されない。本実施形態の基板8は、板状部材であり、表面に配線パターンが設けられている。基板8に設けられた配線パターンの表面には、リフローによって板状部材の配線パターンと電子部品とを接合する接合部材であるはんだが付着している。また、基板8には、電子部品が挿入されるスルーホール(挿入穴、基板孔)も形成されている。
【0024】
基板搬送部12は、基板8を図中X軸方向に搬送する搬送機構である。基板搬送部12は、X軸方向に延在するレールと、基板8を支持し、基板8をレールに沿って移動させる搬送機構とを有する。基板搬送部12は、基板8の搭載対象面がヘッド15と対面する向きで、基板8を搬送機構によりレールに沿って移動させることで基板8をX軸方向に搬送する。基板搬送部12は、電子部品実装装置10に供給する機器から供給された基板8を、レール上の所定位置まで搬送する。ヘッド15は、所定位置で、電子部品を基板8の表面に搭載する。基板搬送部12は、前記所定位置まで搬送した基板8上に電子部品が搭載されたら、基板8を、次の工程を行う装置に搬送する。なお、基板搬送部12の搬送機構としては、種々の構成を用いることができる。例えば、基板8の搬送方向に沿って配置されたレールと前記レールに沿って回転するエンドレスベルトとを組合せ、前記エンドレスベルトに基板8を搭載した状態で搬送する。これは、搬送機構を一体としたベルト方式の搬送機構である。
【0025】
電子部品実装装置10は、フロント側に部品供給ユニット14fが配置され、リア側に部品供給ユニット14rが配置されている。フロント側の部品供給ユニット14fと、リア側の部品供給ユニット14rは、それぞれ基板8上に搭載する電子部品を多数保持し、ヘッド15に供給可能である。つまり、ヘッド15で保持(吸着又は把持)可能な状態で保持位置に供給する電子部品供給装置を備える。本実施形態の部品供給ユニット14f、14rはともに、本体と、本体に連結されたリードとを有するリード型電子部品を供給する。
【0026】
図2は、部品供給ユニットの一例の概略構成を示す模式図である。部品供給ユニット14は、
図2に示すように、複数の電子部品供給装置(以下、単に「部品供給装置」ともいう。)90、90aを有する。
【0027】
具体的には、部品供給ユニット14には、複数のラジアルリード型電子部品(ラジアルリード部品)をテープ本体に固定した電子部品保持テープ(ラジアル部品テープ)が装着されている。当該電子部品保持テープで保持したラジアルリード型電子部品のリードは、保持位置(第2保持位置)で切断され、ヘッドに備えた吸着ノズル又は把持ノズルで保持可能な状態となる。
【0028】
また、部品供給ユニット14には、複数の搭載型電子部品をテープ本体に固定した電子部品保持テープ(チップ部品テープ)が装着されている。そして、当該電子部品保持テープで保持した搭載型電子部品は、その保持位置(第1保持位置)でテープ本体から剥がされ、ヘッドに備えた吸着ノズル又は把持ノズルで保持可能な状態となる。
【0029】
部品供給ユニット14は、その他電子部品供給装置90aとしてスティックフィーダやトレイフィーダをリア側バンクに設置してもよい。
図2に示す複数の部品供給装置90、90aは、支持台(バンク)96に保持される。また、支持台96は、部品供給装置90、90aの他の装置(例えば、計測装置やカメラ等)を搭載することができる。
【0030】
部品供給ユニット14は、支持台96に保持されている複数の電子部品供給装置90、90aで構成されている。これらの電子部品供給装置90、90aは、搭載する電子部品の種類により、その電子部品を保持する機構や供給機構が異なる。また、部品供給ユニット14は、同一種類の電子部品供給装置90、90aを複数備えていてもよい。また、部品供給ユニット14は、装置本体に対して着脱可能な構成とすることが好ましい。
【0031】
部品供給装置90は、テープに複数のラジアルリード型電子部品のリードを貼り付けて構成される電子部品保持テープを使用してヘッド15にラジアルリード型電子部品を供給する。また、部品供給装置90は、電子部品保持テープを保持し、保持している電子部品保持テープを送り、保持しているラジアルリード型電子部品をヘッド15のノズルにより電子部品が保持できる保持領域(吸着位置、把持位置、保持位置)まで移動するテープフィーダである。さらに、部品供給装置90は、保持領域まで移動させたラジアルリード型電子部品のリードを切断して分離することで、当該テープでリードが固定されたラジアルリード型電子部品を所定位置に保持可能な状態とすることができ、当該ラジアルリード型電子部品をヘッド15のノズルにより保持(吸着、把持)することができる。
【0032】
なお、複数の部品供給装置90は、それぞれ異なる品種の電子部品を供給しても、別々の電子部品を供給してもよい。また、部品供給装置90は、テープに複数のラジアルリード型電子部品に限定されず、ボウルフィーダや、アキシャルフィーダ、スティックフィーダ、トレイフィーダ等を用いることもできる。
【0033】
電子部品供給装置90aは、テープに基板搭載するチップ型の電子部品を貼り付けて構成される電子部品保持テープを使用してヘッド15に電子部品を供給する。なお、電子部品保持テープは、テープに複数の格納室が形成されており、当該格納室に電子部品が格納されている。電子部品供給装置90aは、電子部品保持テープを保持し、保持している電子部品保持テープを送り、格納室をヘッド15のノズルにより電子部品が吸着できる保持領域まで移動させるテープフィーダである。なお、格納室を保持領域に移動させることで、当該格納室に収容されている電子部品を所定位置に露出した状態とすることができ、当該電子部品をヘッド15のノズルにより吸着、把持することができる。電子部品供給装置90aは、テープフィーダに限定されず、チップ型電子部品を供給する種々のチップ部品フィーダとすることができる。チップ部品フィーダとしては、例えば、スティックフィーダ、テープフィーダ、バルクフィーダを用いることができる。
【0034】
ヘッド15は、部品供給ユニット14fに保持された電子部品又は部品供給ユニット14rに保持された電子部品をノズルで保持(吸着又は把持)し、保持した電子部品を基板搬送部12によって所定位置に移動された基板8上に実装する機構である。また、ヘッド15は、部品供給ユニット14rが電子部品供給装置90aを備えている場合、電子部品供給装置90aに保持されたチップ型電子部品(搭載型電子部品)を基板8上に搭載(実装)する機構である。なお、ヘッド15の構成については、後述する。なお、チップ型電子部品(搭載型電子部品)とは、基板に形成された挿入穴(スルーホール)に挿入するリードを備えないリードなし電子部品である。搭載型電子部品としては、上述したようにSOP、QFP等が例示される。チップ型電子部品は、リードを挿入穴に挿入せずに、基板に実装される。
【0035】
XY移動機構(ヘッド移動機構とも称する)16は、ヘッド15f、15rを
図1中X軸方向及びY軸方向、つまり、基板8の表面と平行な面上で移動させる移動機構である。XY移動機構16は、X軸駆動部22f、22rとY軸駆動部24とを有する。X軸駆動部22fは、ヘッド15fと連結しており、ヘッド15fをX軸方向に移動させる。X軸駆動部22rは、ヘッド15rと連結しており、ヘッド15rをX軸方向に移動させる。Y軸駆動部24は、X軸駆動部22を介してヘッド15と連結しており、X軸駆動部22fをY軸方向に移動させることで、ヘッド15fをY軸方向に移動させる。また、Y軸駆動部24は、X軸駆動部22rをY軸方向に移動させることで、ヘッド15rをY軸方向に移動させる。XY移動機構16は、ヘッド15fをXY軸方向に移動させることで、ヘッド15fを基板8と対面する位置、または、部品供給ユニット14fと対面する位置に移動させることができる。
【0036】
XY移動機構16は、ヘッド15rをXY軸方向に移動させることで、ヘッド15rを基板8と対面する位置、または、部品供給ユニット14rと対面する位置に移動させることができる。
【0037】
また、XY移動機構16は、ヘッド15を移動させることで、ヘッド15と基板8との相対位置を調整する。これにより、ヘッド15が保持した電子部品を基板8の表面の任意の位置に移動させることができ、電子部品を基板8の表面の任意の位置に搭載することが可能となる。つまり、XY移動機構16は、ヘッド15f、15rを水平面(XY平面)上で移動させて、部品供給ユニット14f、14rの電子部品供給装置90、90aにある電子部品を基板8の所定位置(搭載位置、実装位置)に移送する移送手段となる。
【0038】
なお、X軸駆動部22としては、ヘッド15を所定の方向に移動させる種々の機構を用いることができる。Y軸駆動部24としては、X軸駆動部22を所定の方向に移動させる種々の機構を用いることができる。対象物を所定の方向に移動させる機構としては、例えば、リニアモータ、ラックアンドピニオン、ボールねじを用いた搬送機構、ベルトを利用した搬送機構等を用いることができる。
【0039】
VCSユニット17と、交換ノズル保持機構18と、部品貯留部19とは、XY平面において、ヘッド15の可動領域と重なる位置で、かつ、Z方向における位置がヘッド15よりも鉛直方向下側となる位置に配置されている。本実施形態では、VCSユニット17と、交換ノズル保持機構18と、部品貯留部19とは、基板搬送部12と部品供給ユニット14rとの間に、隣接して配置される。
【0040】
VCSユニット17は、画像認識装置であり、ヘッド15のノズル近傍を撮影するカメラや、撮影領域を照明する照明ユニットを有する。VCSユニット17は、ヘッド15のノズルで吸着された電子部品の形状や、ノズルによる電子部品の保持状態を認識する。より具体的には、VCSユニット17は、対面する位置にヘッド15が移動されると、ヘッド15のノズルを鉛直方向下側から撮影し、撮影した画像を解析することで、ノズルで吸着された電子部品の形状や、ノズルによる電子部品の保持状態を認識する。VCSユニット17は、取得した情報を制御装置20に送る。
【0041】
交換ノズル保持機構18は、複数種類のノズルを保持する機構である。交換ノズル保持機構18は、複数種類のノズルをヘッド15が着脱交換可能な状態で保持する。ここで、本実施形態の交換ノズル保持機構18は、電子部品を吸引することで保持する吸引ノズルと、電子部品を把持することで保持する把持ノズルと、を保持している。ヘッド15は、交換ノズル保持機構18で装着するノズルを変更し、装着されたノズルに対して空気圧を供給して駆動することで、保持する電子部品を適切な条件(吸引又は把持)で保持することができる。
【0042】
部品貯留部19は、ヘッド15がノズルで保持し、基板8に実装しない電子部品を貯留する箱である。つまり、電子部品実装装置10では、基板8に実装しない電子部品を廃棄する廃棄ボックスとなる。電子部品実装装置10は、ヘッド15が保持している電子部品の中に基板8に実装しない電子部品がある場合、ヘッド15を部品貯留部19と対面する位置に移動させ、保持している電子部品を解放することで、電子部品を部品貯留部19に投入する。
【0043】
制御装置20は、電子部品実装装置10の各部を制御する。制御装置20は、各種制御部の集合体である。操作部40は、作業者が操作を入力する入力デバイスである。操作部40としては、キーボード、マウスと、タッチパネル等が例示される。操作部40は検出した各種入力を制御装置20に送る。表示部42は、作業者に各種情報を表示する画面である。表示部42としては、タッチパネル、ビジョンモニタ等がある。表示部42は、制御装置20から入力される画像信号に基づいて各種画像を表示させる。
【0044】
なお、本実施形態の電子部品実装装置10は、基板搬送部12を平行に2つ配置することも好ましい。電子部品実装装置10は、2つの基板搬送部12で2つの基板8を交互に電子部品の搭載位置に移動させ、前記2つのヘッド15で交互に部品搭載すれば、効率よく基板8に電子部品を搭載することができる。
【0045】
次に、
図3から
図6を用いて、ヘッド15の構成について説明する。
図3は、電子部品実装装置のヘッド15の概略構成を示す模式図である。
図4は、電子部品実装装置のヘッド15の概略構成を示す模式図である。
図5は、電子部品実装装置の概略構成を示すブロック図である。
図6は、ヘッドカメラユニットの概略構成を示すブロック図である。なお、
図3には、電子部品実装装置10を制御する制御装置20の各種制御部と部品供給ユニット14rの1つの部品供給装置90もあわせて示す。
図5には、電子部品実装装置10を制御する制御装置20の各種制御部を合わせて示す。
【0046】
ヘッド15は、
図3及び
図4に示すように、ヘッド本体30とヘッドカメラユニット35と撮像装置36と高さセンサ37とレーザ認識装置38と、を有する。また、電子部品実装装置10は、
図3及び
図5に示すように、制御部60と、ヘッド制御部62と、部品供給制御部64と、カメラ制御部214と、撮像制御部220と、を有する。制御部60と、ヘッド制御部62と、部品供給制御部64と、カメラ制御部214と、撮像制御部220と、は、上述した制御装置20の一部である。また、電子部品実装装置10は、電源と接続されており電源から供給される電力を制御部60、ヘッド制御部62、部品供給制御部64、カメラ制御部214、撮像制御部220及び各種回路を用いて、各部に供給する。制御部60と、ヘッド制御部62と、部品供給制御部64と、カメラ制御部214と、撮像制御部220と、については後述する。
【0047】
電子部品供給装置90は、電子部品保持テープ(ラジアル部品テープ)にリードが保持された電子部品80の本体が上方に露出している。なお、電子部品80としては、アルミ電解コンデンサが例示される。なお、電子部品80として、アルミ電解コンデンサの他にも、リードを有する各種電子部品を用いることができる。電子部品供給装置90は、電子部品保持テープを引き出し、移動させることで、電子部品保持テープに保持された電子部品80を保持領域(吸着領域、把持領域)に移動させる。本実施形態では、部品供給装置90のY軸方向の先端近傍が、電子部品保持テープに保持された電子部品80をヘッド15のノズルが保持する保持領域となる。電子部品供給装置90の構成については後述する。また、電子部品供給装置90aの場合も同様に、所定の位置が、ヘッド15のノズルが電子部品保持テープに保持された電子部品80を保持する保持領域となる。
【0048】
ヘッド本体30は、各部を支持するヘッド支持体31と、複数のノズル32と、ノズル駆動部34と、を有する。本実施形態のヘッド本体30には、
図4に示すように、6本のノズル32が一列に配置されている。6本のノズル32は、X軸に平行な方向に並んでいる。なお、
図4に示すノズル32は、いずれも電子部品80を吸着して保持する吸着ノズルが配置されている。
【0049】
ヘッド支持体31は、X軸駆動部22と連結している支持部材であり、ノズル32及びノズル駆動部34を支持する。なお、ヘッド支持体31は、レーザ認識装置38も支持している。
【0050】
ノズル32は、電子部品80を吸着し、保持する吸着機構である。ノズル32は、先端に開口32aを有する。開口32aは、内部の空洞及びノズル支持部33の空洞を介してノズル駆動部34に連結されている。ノズル32は、この開口32aから空気を吸引することで、先端に電子部品80を吸着し、保持する。ノズル32は、ノズル支持部33に対して着脱可能であり、ノズル支持部33に装着されていない場合、交換ノズル保持機構18に保管(格納)される。また、ノズル32は、開口32aの形状や、大きさが種々のものがある。また、本実施形態では、電子部品80を吸着するための開口32aを備える吸着型のノズルを示したが、空気圧により稼動するアームを用い、電子部品80を挟み込むことで保持する把持型のノズルも用いることができる。
【0051】
ノズル支持部33は、鉛直方向下側の端部(先端)でノズル32を保持する機構であり、例えば、ノズル駆動部34にとってヘッド支持体31に対して移動されるシャフトと、ノズル32と連結するソケットと、を有する。シャフトは、棒状の部材であり、Z軸方向に延在して配置されている。シャフトは、鉛直方向下側の端部に配置されたソケットを支持する。シャフトは、ソケットに連結する部分がZ軸方向に移動可能な状態及びθ方向に回転可能な状態でヘッド支持体31に対して支持されている。ここで、Z軸は、XY平面に対して直交する軸であり、基板8の表面に対して直交する方向となる。θ方向とは、すなわち、ノズル駆動部34がノズル32を移動させる方向と平行な軸であるZ軸を中心とした円の円周方向と平行な方向である。θ方向は、ノズル32の回動方向となる。シャフトは、ソケットに連結する部分がノズル駆動部34によってZ軸方向及びθ方向に移動、回転される。
【0052】
ノズル駆動部34は、ノズル支持部33をZ軸方向に移動させることでノズル32をZ軸方向に移動させ、ノズル32の開口32aで電子部品80を吸着させる。また、ノズル駆動部34は、電子部品80の実装時等にノズル支持部33をθ方向に回転させることでノズル32をθ方向に回転させる。
【0053】
ノズル駆動部34は、ノズル32をZ軸方向に移動させる機構として、Z軸モータ34a、具体的には、Z軸方向が駆動方向となる直動リニアモータを有する機構がある。ノズル駆動部34は、Z軸モータ34aでノズル支持部33とともにノズル32をZ軸方向に移動させることで、ノズル32の先端部の開口32aのシャフトをZ軸方向に移動させる。また、ノズル駆動部34は、ノズル32をθ方向に回転させる機構として、例えばモータとノズル支持部33のシャフトに連結された伝達要素とで構成された機構がある。ノズル駆動部34は、モータから出力された駆動力を伝達要素でノズル支持部33のシャフトに伝達し、シャフトをθ方向に回転させることで、ノズル32の先端部もθ方向に回転させる。
【0054】
ノズル駆動部34は、ノズル32の開口32aで電子部品80を吸着させる機構、つまり吸引機構としては、例えば、ノズル32の開口32aと連結された空気管と、当該空気管と接続されたポンプと、空気管の管路の開閉を切り換える電磁弁と、を有する機構がある。ノズル駆動部34は、ポンプで空気管の空気を吸引し、電磁弁の開閉を切り換えることで開口32aから空気を吸引するか否かを切り換える。ノズル駆動部34は、電磁弁を開き開口32aから空気を吸引することで開口32aに電子部品80を吸着(保持)させ、電磁弁を閉じ開口32aから空気を吸引しないことで開口32aに吸着していた電子部品80を解放する、つまり開口32aで電子部品80を吸着しない状態(保持しない状態)とする。
【0055】
また、本実施形態のヘッド15は、電子部品80の本体を保持するときに本体上面がノズル(吸着ノズル)32で吸着できない形状である場合には、後述する把持ノズルを用いる。把持ノズルは、吸着ノズルと同様に空気を吸引解放することで固定片に対して可動片が開閉することで電子部品80の本体を上方から把持解放することができる。また、ヘッド15は、ノズル駆動部34でノズル32を移動させ、交換動作を実行することで、ノズル駆動部34が駆動させるノズルを換えることができる。
【0056】
ヘッドカメラユニット35は、ヘッド本体30のヘッド支持部31に固定されている。ヘッドカメラユニット35は、ノズル32で保持した電子部品80、ノズル32で保持する対象の電子部品80を撮影して、電子部品80の状態等を検出するユニットである。
ここで、電子部品80の状態とは、ノズル32で電子部品80を正しい姿勢で保持しているか、ノズル32で保持する対象の電子部品80が部品供給装置90、90aの所定位置に配置されているか、ノズル32で保持した電子部品80が基板8上の所定位置に搭載されたか、等である。ヘッドカメラユニット35は、複数のヘッドカメラ52を有する。複数のヘッドカメラ52は、対面する視野の画像を撮像する装置であり、撮像装置、照明部、バッフル等を有する。また、ヘッドカメラ52は、1つのノズル32に対して1つ配置されている。つまり本実施形態では、6つのノズル32に対して、6つのヘッドカメラ52が配置されている。ヘッドカメラ52は、対応するノズル32が保持する電子部品80を撮影する。また、ヘッドカメラ52は、Z方向に対して傾斜した向き、つまり、ノズル32の移動する経路に対して傾斜した向きで配置されている。したがって、ノズル32で保持された電子部品や搭載位置の基板をZ方向に対して傾斜した向き、つまり斜めから撮影する。
【0057】
図4に示す、撮像装置36は、ヘッド本体30のヘッド支持体31に固定されており、ヘッド15と対面する領域、例えば、基板8や電子部品80が搭載された基板8等を撮影する。撮像装置36は、カメラと、照明装置と、を有し、照明装置で視野を照明しつつ、カメラで画像を取得する。これにより、ヘッド本体30に対面する位置の画像、例えば、基板8や、部品供給ユニット14の各種画像を撮影することができる。例えば、撮像装置36は、基板8の表面に形成された基準マークとしてのBOCマーク(以下単にBOCともいう。)やスルーホール(挿入穴)の画像を撮影する。ここで、BOCマーク以外の基準マークを用いる場合、当該基準マークの画像を撮影する。撮像装置36は、1つのヘッド15に対して1つ設けられている。また、撮像装置36は、カメラがZ方向に平行に配置されており、Z方向に平行な方向から撮影する。
【0058】
高さセンサ37は、ヘッド本体30のヘッド支持体31に固定されており、ヘッド15と対面する領域、例えば、基板8や電子部品80が搭載された基板8との距離を計測する。高さセンサ37としては、レーザ光を照射する発光素子と、対面する位置で反射して戻ってくるレーザ光を受光する受光素子とを有し、レーザ光を発光してから受光するまでの時間で対面する部分との距離を計測するレーザセンサを用いることができる。また、高さセンサ37は、測定時の自身の位置及び基板の位置を用いて、対面する部分との距離を処理することで、対面する部分、具体的には電子部品80の高さを検出する。なお、電子部品80との距離の測定結果に基づいて電子部品80の高さを検出する処理は制御部60で行ってもよい。
【0059】
レーザ認識装置38は、光源38aと、受光素子38bと、を有する。レーザ認識装置38は、ブラケット50に内蔵されている。ブラケット50は、
図3に示すように、ヘッド支持体31の下側、基板8及び部品供給装置90側に連結されている。レーザ認識装置38は、ヘッド本体30のノズル32で吸着した電子部品80に対して、レーザ光を照射することで、電子部品80の状態を検出する装置である。ここで、電子部品80の状態とは、電子部品80の形状、ノズル32で電子部品80を正しい姿勢で吸着しているか等である。光源38aは、レーザ光を出力する発光素子である。受光素子38bは、Z軸方向における位置、つまり高さが同じ位置であり、光源38aに対向する位置に配置されている。レーザ認識装置38による形状の認識処理については後述する。
【0060】
次に、電子部品実装装置10の装置構成の制御機能について説明する。電子部品実装装置10は、
図3及び
図5に示すように、制御装置20として、制御部60と、記憶部61、ヘッド制御部62と、部品供給制御部64と、カメラ制御部214と、撮像制御部220と、を有する。各種制御部は、それぞれ、CPU、ROMやRAM等の演算処理機能と記憶機能とを備える部材で構成される。また、本実施形態では、説明の都合で複数の制御部としたが、1つの制御部としてもよい。また、電子部品実装装置10の制御機能を1つの制御部とした場合、1つの演算装置で実現しても複数の演算装置で実現してもよい。
【0061】
制御部60は、電子部品実装装置10の各部と接続されており、入力された操作信号や、電子部品実装装置10の各部で検出された情報に基づいて、記憶されているプログラムを実行し、各部の動作を制御する。制御部60は、例えば、基板8の搬送動作、XY移動機構16によるヘッド15の駆動動作、レーザ認識装置38による形状の検出動作等を制御する。また、制御部60は、上述したようにヘッド制御部62に各種指示を送り、ヘッド制御部62による制御動作も制御する。制御部60は、部品供給制御部64による制御動作も制御する。
【0062】
記憶部61は、制御部60と接続されており、ROMやRAM等の記憶機能を備えている。なお、記憶部61は、制御部60と一体で設けてもよいし、別体で設けてもよい。記憶部61は、制御部60が各部から取得したデータや、制御部60で演算して算出したデータを記憶する。記憶部61は、例えば、スルーホール座標設計値と、基準マーク座標設計値と、電子部品搭載座標設計値と、を含む設計図のデータや、各種電子部品の形状、吸着条件、吸着処理の補正条件、生産プログラム等を記憶する。なお、記憶部61は、制御部60の制御により、不要となったデータは削除することもできる。
【0063】
ヘッド制御部62は、ノズル駆動部34、ヘッド支持体31に配置された各種センサ及び制御部60に接続されており、ノズル駆動部34を制御し、ノズル32の動作を制御する。ヘッド制御部62は、制御部60から供給される操作指示及び各種センサ(例えば、距離センサ)の検出結果に基づいて、ノズル32の電子部品80の吸着(保持)/解放動作、各ノズル32の回動動作、Z軸方向の移動動作を制御する。ヘッド制御部62の制御については、後述する。
【0064】
部品供給制御部64は、部品供給ユニット14f、14rによる電子部品80の供給動作を制御する。部品供給制御部64は、電子部品供給装置90、90a毎に設けても、1つですべての電子部品供給装置90、90aを制御してもよい。例えば、部品供給制御部64は、電子部品供給装置90による電子部品保持テープの引き出し動作(移動動作)、リードの切断動作及びラジアルリード型電子部品の保持動作を制御する。また、部品供給制御部64は、部品供給ユニット14が電子部品供給装置90aを備えている場合、電子部品供給装置90aによる電子部品保持テープの引き出し動作(移動動作)等を制御する。部品供給制御部64は、制御部60による指示に基づいて各種動作を実行する。部品供給制御部64は、電子部品保持テープ又は電子部品保持テープの引き出し動作を制御することで、電子部品保持テープ又は電子部品保持テープの移動を制御する。
【0065】
ここで、上記実施形態では、ヘッド15に装着するノズルに吸着ノズルを用いる場合として説明したがこれに限定されない。ヘッド15に装着するノズルとしては、電子部品を把持する把持ノズルも用いることができる。電子部品実装装置10は、保持する電子部品80の種類に応じて、当該電子部品80を保持するノズルの種類を選択することで、電子部品80を適切に保持することができる。具体的には、保持する電子部品80に応じて、吸着ノズルを用いるか把持ノズルを用いるかを選択し、さらにそれぞれの種類のノズル中でもどのノズルを用いるかを切り換えることで、1台の電子部品実装装置でより多くの種類の電子部品80を実装することができる。
【0066】
カメラ制御部214は、各種演算処理を実行可能な演算処理部である。制御部60で取得した各種情報からヘッドカメラ52での撮影に必要な各種情報を取得し、ヘッドカメラ52の撮影条件を決定する。なお、撮影条件とは、撮影タイミング、具体的には、撮影を行うノズル32の位置や、ヘッドカメラ52の露出や倍率等の条件である。カメラ制御部214は、決定した撮影条件を撮像制御部220に送る。また、カメラ制御部214は、ヘッドカメラ52で取得し撮像制御部220から送られる画像データを解析する。カメラ制御部214は、画像データを解析した結果を制御部60に送る。カメラ制御部214は、解析した結果としてエラーが発生したか、またそのエラーの内容のみを送るようにしてもよい。
【0067】
ここで、カメラ制御部214は、制御部60と配線230で接続されている。配線230は、各種情報を送受信する信号線である。配線230としては、イーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))の配線を用いることが好ましい。
【0068】
撮像制御部220は、ヘッドカメラ52の撮影動作を制御し、ヘッドカメラ52で撮影した画像のデータを取得する。撮像制御部220は、カメラ制御部214から送られる指示に基づいて撮影条件を決定し、決定した撮影条件でヘッドカメラ52を制御し画像を取得する。なお、撮像制御部220は、制御部60、カメラ制御部214を介して、撮影対象のノズル32を駆動するノズル駆動部34のZ軸方向の駆動機構のエンコーダ信号を取得し、Z軸方向におけるノズル32の位置の情報を取得することができる。撮像制御部220は、エンコーダ信号に基づいて取得したノズル32の位置がカメラ制御部214で決定された所定位置であることを検出したら、画像の撮影および取得を行う。撮像制御部220は、画像を撮影することで、電子部品供給装置90の保持位置92に保持された電子部品80は、基板8に実装された電子部品80aを含む画像を撮影することができる。なお、本実施形態では、これら以外の対象物の撮影も行う。撮像制御部220は、撮影した画像のデータをカメラ制御部214に送る。
【0069】
ここで、撮像制御部220は、
図6に示すように、各ヘッドカメラ52に対応して1つずつ配置されている。1つの撮像制御部220は、対応するヘッドカメラ52での撮影動作を制御する。それぞれの撮像制御部220は、多重部222と配線232を介してカメラ制御部214と接続されている。
【0070】
多重部222は、マルチプレクサ(multiplexer)とデマルチプレクサ(demultiplexer)等で構成される。多重部222は、それぞれの撮像制御部220から出力される信号(データ)を多重化し、配線232を介してカメラ制御部214に送る。また、多重部222は、カメラ制御部214から1本の配線232で送られるそれぞれの撮像制御部220への信号を分割し、それぞれの撮像制御部220に対して送る。
【0071】
配線232は、1本の配線であり、カメラ制御部214と多重部222を介した6つの撮像制御部220とを接続する。ここで、配線232としては、IEEE1394方式の配線を用いることが好ましい。電子部品実装装置10は、多重部222および配線232を用いて、6つの撮像制御部220のそれぞれで取得した画像データをカメラ制御部214にシリアル転送で送信する。
【0072】
電子部品実装装置10は、このように、撮像制御部220とカメラ制御部214とを接続する配線232と、カメラ制御部214と制御部60とを接続する配線230とを別々の配線とすることで、各装置間での情報の送受信を別々に行うことができ、情報処理を円滑に実行することができる。
【0073】
また、電子部品実装装置10は、6つの撮像制御部220と接続する配線を1本に纏めカメラ制御部214と接続する配線232を1本の配線とすることで、装置間をつなげる配線の数を少なくすることができる。これにより、装置構成を簡単にすることができ省スペース化することができる。また、配線232にIEEE1394方式の配線を用い、シリアル転送で画像データの送信を行うことで、配線232を1本にしても、処理遅れを生じさせること無く画像をカメラ制御部214に送信することができる。
【0074】
次に、
図7を用いてフラクサ塗布装置100について説明する。フラクサ塗布装置100は、ノズル32が保持した電子部品80のフラクサを塗布する装置である。部品供給ユニット14fと基板搬送部12との間に配置されている。つまり、基板搬送部12を挟んでVCSユニット17、交換ノズル保持機構18、部品貯留部19の反対側に配置されている。ここで、フラクサ塗布装置100の配置位置は、これに限定されない。フラクサ塗布装置100は、ノズル32が保持した電子部品にフラクサを塗布できればよい。つまり、フラクサ塗布装置100は、ノズル32の移動範囲内で、ノズル32の移動を阻害しない位置に配置されていればよい。フラクサ塗布装置100は、例えば、部品供給ユニット14の一部として、電子部品供給装置90の近傍に配置してもよいし、電子部品供給装置90のそれぞれに対して設けてもよい。また、フラクサ塗布装置100は、VCSユニット17、交換ノズル保持機構18、部品貯留部19と並んだ位置に配置してもよい。
【0075】
フラクサ塗布装置100は、フラクサ貯留部102と、フラクサ平坦化機構104と、を有する。フラクサ貯留部102は、フラクサFが貯留され、上面が開放された箱である。フラクサFは、電子部品80に塗布されることで、電子部品80と基板との間のはんだを溶けやすくする材料である。フラクサFは、半田を含んでいてもよい。フラクサ貯留部102は、上面が開放されていることで、ノズル32に保持された電子部品をフラクサFの液面まで降下させることができ、電子部品とフラクサFを接触させ、電子部品にフラクサFを塗布させることができる。なお、フラクサFは、粘度が高い材料であり、電子部品が接触されると、液面の形状が変動し、凹凸が生じた状態が保持される。
【0076】
フラクサ平坦化機構104は、フラクサ貯留部102のフラクサFの液面を平坦化させる機構であり、バー112と、バー112を移動させる駆動部114と、を有する。バー112は、フラクサ貯留部102のフラクサFの液面と接する棒状の部材である。駆動部114は、バー112をフラクサFの液面に沿って移動させる。フラクサ平坦化機構104は、駆動部114でバー112を移動させ、バー112でフラクサFの表面を均すことで、フラクサFの液面を平坦化させる。
【0077】
次に、
図8から
図12を用いて、電子部品実装装置10の制御動作について説明する。
図8、10から
図12は、それぞれ電子部品実装装置の動作の例を示すフローチャートである。
図9は、基板の一例を示す模式図である。なお、以下では、電子部品として、搭載型電子部品を搭載点(実装点)に搭載する場合として説明するが、挿入型電子部品を挿入点(実装点)に搭載する場合も同様の処理を行う。
【0078】
図8を用いて電子部品実装装置10によって、電子部品が実装された基板を製造する処理について説明する。ここで、基板8は、1つの電子部品実装装置10によってすべての電子部品が実装されるようにしてもよいが、複数の電子部品実装装置10及び作業者による実装、実装前の処理、実装後の処理等で、1つの完成した基板となる。
【0079】
制御装置20は、基板搬送部12で基板8を所定位置に搬入する(ステップS12)。
図9を参照しながら、基板8の一例について説明する。基板8は、基板の外縁に表面実装する電子部品の搭載位置の基準マークとなるBOCマーク120が形成されている。本実施形態では、BOCマーク120が3か所に設けられている。基板8は、同じ形状の製品基板を1枚の基板で製造する、多面取りの基板である。基板8は、4つの単位基板122が2行2列で配置されている。1枚の基板8に設ける単位基板122の数はこれに限定されない。単位基板122は、バッドマークが配置されるバッドマーク形成位置124と、電子部品が搭載される実装点(搭載点)126と、を有る。バッドマークは、単位基板122が何らかの理由により、電子部品を搭載する対象から外れた場合に、当該単位基板122に形成されるマークである。バッドマーク形成位置124は、単位基板122にバッドマークを形成する場合に、当該バッドマークを形成する位置として設定されている部分である。図中左下の単位基板122は、バッドマーク形成位置124にバッドマーク128が形成されている。バッドマーク128は、単位基板に張り付けられてもよいし、塗布されてもよい。
図9では、1つの単位基板122に1つの実装点126を示しているが、実際の実装点126は、複数設けられている。また、4つの単位基板122は、同じ製品となる基板であるため、バッドマーク形成位置124と実装点126の相対位置は同じ位置となる。電子部品実装装置10は、
図9に示すような基板8に電子部品を実装する。
【0080】
図8に戻り説明を続ける。制御装置20は、基板8を搬入したら、基板8のBOCマーク120を検出し、位置補正処理を行う(ステップS14)。具体的には、電子部品実装装置10は、ヘッド15を移動させつつ、撮像装置36で基板8を撮像し、撮像装置36によって撮影された画像を解析して、BOCマーク120の位置を検出する。電子部品実装装置10は、BOCマーク120の位置に基づいて、基板8の位置(基準位置からのずれ)を補正する。
【0081】
制御装置20は、位置補正処理を行ったら、バッドマーク形成位置及び検査対象の搭載点の位置を特定する(ステップS16)。制御装置20は、BOCマーク座標設計値(BOCの設計位置)とバッドマーク形成位置124、搭載点126の設計位置との関係と、検出したBOCマーク120の位置に基づいて、搬入した基板8のバッドマーク形成位置124、搭載点126の座標を特定する。ここで、検査対象の搭載点とは、電子部品を実装する搭載点126のうち、画像を撮影して、搭載点の状態を検査する設定となっている搭載点である。検査対象の搭載点は、基板8の全ての搭載点としてもよいし、一部の搭載点としてもよい。本実施形態では、検査対象の搭載点は、電子部品の実装前と実装後の画像を取得し、実装前の状態の確認、実装前後での評価、実装後の状態の検査等を行う。
【0082】
制御装置20は、バッドマーク形成位置及び検査対象の搭載点の位置を特定したら、撮影対象のバッドマーク形成位置または検査対象の搭載点の位置を特定する(ステップS18)。制御装置20は、特定したバッドマーク形成位置及び検査対象の搭載点の位置から処理対象のバッドマーク形成位置または検査対象の搭載点の位置を特定する。
【0083】
制御装置20は、撮影対象のバッドマーク形成位置または検査対象の搭載点の位置の画像を取得する(ステップS20)。ここで、本実施形態の電子部品実装装置10は、ヘッドカメラユニット35で撮影対象のバッドマーク形成位置及び検査対象の搭載点の位置の画像を取得する。
【0084】
以下、
図9および
図10を用いて、ヘッドカメラユニット35による画像の取得処理について説明する。
図10を用いて、処理動作を説明する。制御装置20は、ヘッドカメラで取得した画像の処理対象範囲を決定する(ステップS60)。つまり、ヘッドカメラユニット35のヘッドカメラ52によって取得した画像(撮像素子で取得できる画像)のうち、解析対象、画像として実際に取得する範囲を決定する。
図9に示す基板では、範囲130を決定する。ここで、範囲130は、隣接するヘッドカメラ52にも設定した同じ範囲130と接する範囲である。これにより、
図9に示すように、ヘッドカメラユニット35の複数のヘッドカメラ52で撮影する範囲130は、つながった状態となる。範囲130は、隣接するヘッドカメラ52にも設定した同じ範囲130と一部が重なってもよい。ここで、ヘッドカメラ52は、基板8との相対位置が同じでも最大範囲134の画像を取得することができ、これより小さい範囲130を処理対象の範囲とすることで、画像の処理量を少なくすることができる。なお、ヘッドカメラ52は、対応するノズルで保持する電子部品を観察する場合、範囲130よりも小さい範囲132を解析対象としている。つまり、制御装置20は、バッドマーク形成位置または搭載点の画像を取得する場合、対応するノズルで保持する電子部品を観察する場合よりも広い範囲の画像を取得する。
【0085】
制御装置20は、処理対象範囲を特定したら、ヘッドに搭載されたヘッドカメラで画像を撮影する(ステップS62)。左下のバッドマーク124が対象となっている場合、
図9に示す範囲130の画像を取得する。この時、制御装置20は、ヘッドカメラユニット35の全てのヘッドカメラ52で画像を取得する。
【0086】
制御装置20は、画像を取得したら、取得した画像を合成する(ステップS64)。つまり、6つのヘッドカメラ52でそれぞれ撮影した範囲130の6つの画像を合成する。ここで、範囲130は接した範囲となるため、6つの範囲130の画像を合成した画像は、切れ目がなくつながった広い範囲の画像となる。
【0087】
制御装置20は、画像を取得したら、バッドマークの認識処理または検査対象の搭載点の検査処理を行う(ステップS22)。バッドマークの認識処理とは、画像に含まれるバッドマーク形成位置に、バッドマークが形成されているかを検出する処理である。制御装置20は、バッドマーク形成位置にバッドマークが形成されている場合、バッドマークが形成された単位基板を、電子部品を搭載する対象の単位基板から外す。検査対象の搭載点の検査処理とは、画像から、電子部品が実装される前の搭載点の画像を抽出し、搭載点の状態を特定する処理である。例えば、搭載点が電子部品を実装可能な状態であるか、異物がないか等を検査する。
【0088】
ここで、
図9に示すように、ヘッドカメラユニットで取得した画像は、特定したバッドマークまたは検査対象の搭載点に加え、他のバッドマークまたは検査対象の搭載点を複数含んでいる場合がある。この場合、制御装置は、画像に含まれる他のバッドマークまたは検査対象の搭載点についてもバッドマークの認識処理または検査対象の搭載点の検査処理を行う。
【0089】
制御装置20は、バッドマークの認識処理または検査対象の搭載点の検査処理を行ったら、認識処理及び検査処理が終了かを判定する(ステップS24)。基板8の全てのバッドマーク形成位置に対するバッドマークの認識処理が終了し、かつ、全ての検査対象の搭載点に対する検査対象の搭載点の検査処理が終了したかを判定する。制御装置20は、認識処理及び検査処理が終了していない(ステップS24でNo)と判定した場合、ステップS18に戻り、次のバッドマーク形成位置、または搭載点を特定し、上記の処理を行う。次のバッドマーク形成位置、または搭載点は、ヘッドカメラユニット35で画像を取得していない範囲のバッドマーク形成位置、または搭載点である。特定されたバッドマーク形成位置または搭載点を撮影した際に含まれ、認識処理、検査処理が行われたバッドマーク形成位置、または搭載点は、認識処理、検査処理が終了しているとされ、対象とならない。
【0090】
制御装置20は、認識処理及び検査処理が終了した(ステップS24でYes)と判定したら、全回路(単位基板)にバッドマークがあったかを判定する(ステップS26)。制御装置20は、全回路(単位基板)にバッドマークがある(ステップS26でYes)と判定した場合、全ての単位基板が電子部品を搭載する対象から外されているため、そのまま処理を終了する。なお、基板は搬出してもよい。
【0091】
制御装置20は、全回路(単位基板)にバッドマークがない(ステップS26でNo)、つまりバッドマークが形成されていない単位基板があると判定した場合、バッドマークが形成されていない単位基板への電子部品の搭載動作を行う。
【0092】
まず、制御装置20は、電子部品を搭載する搭載点を特定し(ステップS28)、特定した搭載点に電子部品を実装する電子部品実装処理を行う(ステップS30)。制御装置20は、搭載点に電子部品を実装したら、搭載終了かを判定する(ステップS32)。制御装置20は、搭載終了ではない(ステップS32でNo)と判定した場合、つまり、電子部品を搭載していない搭載点がある場合、ステップS28に戻り、次の搭載点を特定し、上記処理を行う。このように制御装置20は、全ての搭載点に電子部品を実装するまで、ステップS28からステップS32の処理を繰り返す。制御装置20は、搭載終了と判定したら(ステップS32でYes)、基板を搬出して、本処理を終了する。なお、制御装置20は、エラーが生じた場合や終了指示が入力された場合、処理を停止する場合もある。
【0093】
ここで、
図11を用いて、電子部品実装処理の一例について説明する。制御装置20は、実装する対象の電子部品を保持している電子部品供給装置にヘッドを移動させ(ステップS70)、ノズルで部品供給装置から供給される電子部品を保持する(ステップS72)。これにより、ノズルで電子部品を搬送できる状態となる。その後、制御装置20は、ヘッドを移動させて、ノズルで保持した電子部品を搭載点に移動させ(ステップS74)、搭載点に電子部品を搭載する(ステップS76)。制御装置20は、電子部品を搭載したら、電子部品を搭載した搭載点が、検査対象の搭載点であるかを判定する(ステップS78)。制御装置20は、検査対象の搭載点ではない(ステップS78でNo)と判定した場合、本処理を終了する。
【0094】
制御装置20は、検査対象の搭載点である(ステップS78でYes)と判定した場合、ヘッドカメラで搭載点の画像を撮影し(ステップS80)、電子部品の搭載状態の検査を行い(ステップS82)、本処理を終了する。制御装置20は、電子部品の搭載後の搭載点の画像を取得する場合、電子部品を搭載したノズルに対応するヘッドカメラのみで画像を撮影してもよいし、複数のヘッドカメラで画像を撮影してもよい。制御装置20は、電子部品の搭載後の搭載点の画像を取得することで、電子部品が適切に搭載されているかを検査する。
【0095】
このように、電子部品実装装置10は、ヘッドカメラユニット35の複数のヘッドカメラ52でバッドマーク形成位置または搭載点の画像を取得することで、1回の画像の取得で広い範囲の画像を取得することができる。具体的には、撮像装置36で画像を取得するよりも広い範囲の画像を取得できる。また、電子部品実装装置10は、ヘッドカメラ52の撮影する範囲を調整することで、つながった範囲の画像を取得することができる。
【0096】
これにより、1回の画像の取得で、複数のバッドマーク形成位置または搭載点の画像を取得することが可能となり、より多くのバッドマーク形成位置または搭載点の検出、検査を同時に行うことができる。これにより、バッドマークの認識処理、搭載点の搭載前の状態の検査にかかる時間を短くすることができ、基板の製造を効率よく行うことができる。また、1つの画像にバッドマーク形成位置と搭載点が含まれる場合、1つの画像で両方の処理を行うことで、効率よく処理を行うことができる。
【0097】
また、制御装置20は、撮影する対象に応じて、画像を取得する範囲を設定(変更)することで、それぞれの処理に合わせた画像処理量とすることができ、処理の負荷が増大することを抑制できる。
【0098】
次に、
図12と
図13を用いて、電子部品実装装置の動作の他の例について説明する。
図12は、電子部品実装装置の動作の例を示すフローチャートである。
図13は、電子部品実装装置の動作を説明するための説明図である。
図12及び
図13に示す処理は、部品供給ユニット14の電子部品を供給する位置、つまり部品供給装置が電子部品を保持している位置(保持位置)を特定する際に実行する処理である。つまり、ノズルで部品供給装置の電子部品を保持する場合、どの位置にノズルを移動させるかを設定するための処理である。
【0099】
制御装置20は、保持位置を検出する指示を検出したら、部品供給ユニットの保持位置検出処理を開始し(ステップS100)、ヘッドカメラで取得した画像の処理対象範囲を決定する(ステップS102)。つまり、ヘッドカメラユニット35のヘッドカメラ52によって取得した画像(撮像素子で取得できる画像)のうち、解析対象、画像として実際に取得する範囲を決定する。つまり、
図13に示す部品供給装置の保持位置92の周辺を撮影した場合に、解析対象とする範囲130aを決定する。ここで、範囲130aは、隣接するヘッドカメラ52にも設定した同じ範囲130aと一部が重なる範囲である。これにより、
図13に示すように、ヘッドカメラユニット35の複数のヘッドカメラ52で撮影する範囲130aは、つながった状態となる。
【0100】
制御装置20は、処理対象範囲を決定したら、ヘッドを撮影位置に移動させ(ステップS104)、ヘッドに搭載された複数のヘッドカメラで画像を撮影し(ステップS106)、取得した画像を合成する(ステップS108)。つまり、6つのヘッドカメラ52でそれぞれ撮影した範囲130aの6つの画像を合成する。ここで、範囲130aは一部が重なる範囲となるため、6つの範囲130aの画像を合成した画像は、切れ目がなくつながった広い範囲の画像となる。
【0101】
制御装置20は、画像を合成したら、検出範囲の撮影を終了したかを判定する(ステップS110)。つまり、保持位置を検出する対象の全ての範囲の画像を取得したかを判定する。制御装置20は、撮影が終了していない(ステップS110でNo)と判定した場合、ステップS104に戻り、次の撮影位置に移動し、画像を撮影し、撮影した画像を合成する。このように、制御装置20は、検出範囲の画像を取得する。なお、制御装置20は、合成した画像と合成した画像をさらに合成してもよいし、別々の画像としてもよい。
【0102】
制御装置20は、検出範囲の撮影が終了した(ステップS110でYes)と判定した場合、撮影画像に基づいて、保持位置を検出し(ステップS112)、本処理を終了する。
【0103】
電子部品実装装置10は、保持位置を検出する場合もヘッドカメラユニット35の複数のヘッドカメラ52で撮影した画像を合成することで、広い範囲の画像を取得することができ、効率よく処理を行うことができる。また、ヘッドカメラ52で撮影した画像を用いることで、保持位置を斜めから撮影することができる。これにより保持位置の立体形状や、電子部品の突出量等も検出することができる。これにより保持位置をより高い精度で検出することができる。
【0104】
次に、
図14から
図16を用いて、電子部品実装装置の動作の他の例について説明する。
図14は、電子部品実装装置の動作の例を示すフローチャートである。
図15は、電子部品実装装置の動作を説明するための説明図である。
図16は、電子部品実装装置の動作の例を示すフローチャートである。
図14から
図16に示す処理は、基板に実装する電子部品にフラクサを塗布する場合の処理である。フラクサを塗布せずに実装する電子部品は上述した
図11の処理で搭載すればよい。
【0105】
制御装置20は、実装する対象の電子部品を保持している電子部品供給装置にヘッドを移動させ(ステップS120)、ノズルで部品供給装置から供給される電子部品を保持する(ステップS122)。これにより、ノズルで電子部品を搬送できる状態となる。
【0106】
その後、制御装置20は、ヘッドを移動させて、ヘッド及び電子部品をフラクサ塗布装置100と対面する位置へ移動させる(ステップS124)。制御装置20は、ヘッド14をフラクサ塗布装置100と対面する位置に移動させたら、フラクサ液面の検査処理を行う(ステップS126)。具体的には、
図15に示すように、ヘッドカメラユニットで範囲130bの画像を取得し、液面の状態(各位置が平坦か凹凸があるか)等を検査する。以下
図16を用いて、処理の一例を説明する。
【0107】
制御装置20は、ヘッドで取得した画像の処理対象範囲を決定する(ステップS160)。つまり、ヘッドカメラユニット35のヘッドカメラ52によって取得した画像(撮像素子で取得できる画像)のうち、解析対象、画像として実際に取得する範囲を決定する。つまり、
図15に示すようにフラクサFの液面を撮影した場合に、解析対象とする範囲130bを決定する。ここで、範囲130bは、隣接するヘッドカメラ52にも設定した同じ範囲130bと接する範囲である。これにより、
図15に示すように、ヘッドカメラユニット35の複数のヘッドカメラ52で撮影する範囲130bは、つながった状態となる。
【0108】
制御装置20は、処理対象範囲を決定したら、ヘッドを撮影位置に移動させ(ステップS162)、ヘッドに搭載された複数のヘッドカメラで画像を撮影し(ステップS164)、取得した画像を合成する(ステップS166)。つまり、6つのヘッドカメラ52でそれぞれ撮影した範囲130bの6つの画像を合成する。ここで、範囲130bは互いに接する範囲となるため、6つの範囲130bの画像を合成した画像は、切れ目がなくつながった広い範囲の画像となる。
【0109】
制御装置20は、画像を合成したら、検出範囲の撮影を終了したかを判定する(ステップS168)。つまり、保持位置を検出する対象の全ての範囲の画像を取得したかを判定する。制御装置20は、撮影が終了していない(ステップS168でNo)と判定した場合、ステップS162に戻り、次の撮影位置に移動し、画像を撮影し、撮影した画像を合成する。このように、制御装置20は、検出範囲の画像を取得する。なお、制御装置20は、合成した画像と合成した画像をさらに合成してもよいし、別々の画像としてもよい。
【0110】
制御装置20は、検出範囲の撮影が終了した(ステップS168でYes)と判定した場合、撮影画像に基づいて、フラクサ液面の状態を検出し(ステップS170)、本処理を終了する。具体的には、各位置の凹凸の有無を検出する。
【0111】
制御装置20は、フラクサの液面の検査処理を行ったら、塗布可能位置があるかを判定する(ステップS128)。ここで、塗布可能位置とは、フラクサの液面のうち凹凸ではないと判定され、つまり平坦であると判定された位置である。制御装置20は、塗布可能位置がない(ステップS128でNo)と判定した場合、フラクサ液面の平坦化処理(ステップS130)を行い、ステップS126へ戻る。フラクサ液面の平坦化処理とは、フラクサ平坦化機構104でフラクサFの液面を均す処理である。これにおり、フラクサ液面の凹凸を低減、なくすことができ、液面に塗布可能な位置を設けることができる。
【0112】
制御装置20は、塗布可能位置あり(ステップS128でYes)と判定した場合、フラクサ塗布処理を実行する(ステップS132)。フラクサ塗布処理とは、電子部品を塗布可能位置まで移動させた後、ノズルにより電子部品を降下させ、電子部品を塗布可能位置のフラクサ液面と接触させる処理である。これにより、電子部品のフラクサの液面と接した部分は、フラクサが塗布された状態となる。
【0113】
制御装置20は、電子部品にフラクサを塗布したら、フラクサ液面の検査処理を行い(ステップS134)、電子部品にフラクサの塗布が完了したかを判定する(ステップS136)。制御装置20は、フラクサ塗布処理の前後のフラクサ液面の検査処理で検出した液面を比較し、電子部品と接触させたフラクサの塗布可能位置の変化を検出する。制御装置20は、塗布可能位置の電子部品と接触した位置の液面が変動している場合(凹凸が発生している場合)、電子部品にフラクサが塗布されたと判定する。制御装置20は、電子部品にフラクサの塗布が完了していない(ステップS136でNo)、つまりフラクサの液面に変化がないと判定した場合、ステップS128に戻り、電子部品にフラクサを塗布する処理を再度行う。
【0114】
制御装置20は、電子部品にフラクサの塗布が完了した(ステップS136でYes)と判定した場合、ヘッドを移動させて、ノズルで保持した電子部品を搭載点に移動させ(ステップS138)、搭載点に電子部品を搭載する(ステップS140)。これにより、フラクサが塗布された電子部品を基板に搭載することができる。制御装置20は、電子部品を搭載したら、電子部品を搭載した搭載点が、検査対象の搭載点であるかを判定する(ステップS142)。制御装置20は、検査対象の搭載点ではない(ステップS142でNo)と判定した場合、本処理を終了する。
【0115】
制御装置20は、検査対象の搭載点である(ステップS142でYes)と判定した場合、ヘッドカメラで搭載点の画像を撮影し(ステップS144)、電子部品の搭載状態の検査を行い(ステップS146)、本処理を終了する。制御装置20は、電子部品の搭載後の搭載点の画像を取得する場合、電子部品を搭載したノズルに対応するヘッドカメラのみで画像を撮影してもよいし、複数のヘッドカメラで画像を撮影してもよい。制御装置20は、電子部品の搭載後の搭載点の画像を取得することで、電子部品が適切に搭載されているかを検査する。
【0116】
電子部品実装装置10は、フラクサ塗布装置のフラクサの液面を検出し、検出した結果に基づいて、電子部品をフラクサの液面につける位置を決定することで、フラクサの液面の平坦な部分に電子部品を塗布することができる。これにより、電子部品にフラクサをより確実に塗布することができる。また、フラクサ塗布装置のフラクサの液面を検出し、平坦な部分を検出することで、フラクサの液面の平坦化処理を行っていない状態でも、フラクサを電子部品に好適に塗布することができる。これにより、フラクサの平坦化処理を行う頻度を少なくし(不要な平坦化処理を行うことを抑制し)、かつ、電子部品にフラクサを高い確率で塗布させることができる。これにより、フラクサの平坦化処理に係る時間を短くすることができ、かつ、フラクサが付着していない電子部品を基板に実装することを抑制することができる。これにより、生産性を向上させることができ、かつ歩留まりを高くすることができる。
【0117】
また、電子部品実装装置10は、電子部品にフラクサを塗布する処理の前後の画像を検出し、比較することで、画像の比較で電子部品にフラクサを塗布できているかを判定することができる。これにより、フラクサが塗布されていないまたは塗布が不十分な電子部品が基板に搭載されることを抑制することができ、この点でも歩留まりを向上させることができる。
【0118】
また、電子部品実装装置10は、フラクサの液面を検出した結果に基づいて、平坦化処理を実行したが、平坦化処理を行わずに、ユーザにフラクサが塗布できない状態であることを通知するようにしてもよい。
【0119】
電子部品実装装置10は、フラクサの液面を検出する場合もヘッドカメラユニット35の複数のヘッドカメラ52で撮影した画像を合成することで、広い範囲の画像を取得することができ、効率よく処理を行うことができる。また、ヘッドカメラ52で撮影した画像を用いることで、保持位置を斜めから撮影することができる。これにより液面の立体形状をより高い精度で検出することができる。なお、本実施形態のようにヘッドカメラユニット35の複数のヘッドカメラ52で撮影した画像を合成してフラクサの液面を検出することが好ましいが、撮像装置36を用いて液面を検出してもよい。