【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成25年度独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「超低消費電力型光エレクトロニクス実装システム技術開発」委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【課題】Ge系半導体装置、その製造方法、及び光インターコネクトシステムに関し、薄い低温成長Ge層を用いてその上部に形成される高温成長Ge層の結晶性の劣化を抑制する。
前記基板の表面の単結晶Si層の一部を光導波路とするとともに、前記光導波路と前記光機能素子を光学的に結合したことを特徴とする請求項3に記載のGe系半導体装置。
表面が単結晶Si層である基板上に、減圧化学気相成長法により、300℃乃至400℃の成長温度で、少なくともGeを種元素とするガスを供給することにより突起状部と濡層部とを有する島状Si1-xGex層(但し、0<x≦1)を成長する第1の成長工程と、
前記島状Si1-xGex層上に、減圧化学気相成長法により、600℃乃至800℃の成長温度で少なくともGeを種元素とするガスを供給することにより二次元成長Si1-yGey層(但し、0<y≦1)を成長する第2の工程と
を有することを特徴とするGe系半導体装置の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0019】
ここで、
図1乃至
図3を参照して、本発明の実施の形態のGe系半導体装置を説明する。
図1は、本発明の実施の形態のGe系半導体装置の構成説明図であり、概念的断面図として示している。
図1に示すように、Si基板或いはSOI(Silicon on Insulator)基板等の表面が単結晶Si層である基板1上に、島状Si
i−xGe
x層2を介して、二次元成長Si
1−yGe
y層5を設ける。この場合、0<x≦1、0<y≦1であり、一般的にはx=yであるが、x≠yであっても良い。
【0020】
この島状Si
1−xGe
x層2は、破線の円内に拡大的模式図として示すように濡層部3と突起状部4とを有し、その平均高さは5nm〜15nmであり、典型的には約10nmである。なお、「平均高さ」とは、成長断面のTEM像における凹凸の高さを実測して平均値として求めた値である。
【0021】
図2は、島状Si
1−xGe
x層の成長直後の結晶状態の説明図であり、
図2(a)は断面のTEM像であり、
図2(b)は表面モホロジーを示すAFM(原子間力顕微鏡)像である。
図2(a)に示すように、平均厚さが10nm程度の成長では、濡層を伴った島状成長していることが分かる。また、
図2(b)は後述する実施例1の成長条件で得られたGe層のAFM像であり、突起状部の直径は100nm乃至200nmである。
【0022】
図3は、二次元成長Si
1−yGe
y層の成長後の状態の説明図であり、
図3(a)は成長直後のAFM像であり、
図3(b)は、二次元成長Si
1−yGe
y層上にショットキーバリア型の金属-半導体接合を形成した場合のI−V特性図である。
図3(a)に示すように、平均高さが10nmの島状Ge層(x=1)上に高温成長Ge層(y=1)を成長させてトータル厚さを500nmとした場合のエッチピットの密度は1×10
8cm
−2程度である。これは、
図21(a)に示した従来の60nm成長させた低温成長Ge層におけるエッチピットの密度と同程度であった。この結果は、平均高さが10nmの島状Ge層上への高温成長Ge層の成長において効果的な欠陥ルーピングが形成されていることを示している。
【0023】
図3(b)は、成長温度約300℃で形成した平均高さが10nmの島状Ge層上に、成長温度約600℃で成長させた高温成長Ge層にショットキーバリア接合を形成した場合のI-V特性図である。ここでは、比較のために、成長温度約400℃で形成された厚さ60nmの平坦な低温成長Ge層にショットキーバリア接合を形成した場合のI-V特性図も併せて示している。
【0024】
図から明らかなように、リバース側に電圧を印加した時の電流値(暗電流値)は従来例に比べて低くなっているのが分かる。例えば、リバース側に1V印加した時の暗電流値は0.124nA/μm
2であり、従来例の0.137nA/μm
2に比べて10%程度低い値が得られた。
【0025】
一般に暗電流値は結晶欠陥数に依存するとされており、欠陥の数が多いと欠陥準位での発生電流、リークパスが増加し、暗電流が増加する。一方で結晶欠陥の数が少ないと暗電流値は低く抑えられるため、結晶の品質を測る一つの指標となる。
図3(a)に示すように、平均高さが10nmの島状Ge層上に高温成長Ge層を形成した場合、効果的な欠陥ルーピングが形成されている。したがって、非常に高い欠陥を有する低温成長Ge層の厚さが低減された分だけGe層全体としての結晶欠陥の数が低減され、その結果がリークパスの低減や欠陥準位による発生電流の低下につながり、暗電流が低下したものと考えられる。
【0026】
このようなGe系半導体成長層を利用してPN接合或いはPIN接合を形成して光機能素子とすれば、電流は欠陥の多い島状Si
1−xGe
x層を10nm程度流れるだけであるので、欠陥による影響を低減することができる。この場合の光機能素子としては、半導体受光素子或いは電界吸収型光変調素子が典型なものである。なお、欠陥の多い島状Si
1−xGe
x層はp型化するので、この島状Si
1−xGe
x層をp型層の一部として用いても良い。
【0027】
例えば、半導体光受光素子の場合には、欠陥の多い低温成長Ge層の厚さの低減によって、p型化したGe層の厚さが低減される。それによって、空乏化したGe層の厚さが増加し、半導体受光素子の応答効率が増加する。同時に、Ge結晶全体に占める欠陥数の低減から暗電流の低減も実現が可能となる。
【0028】
また、これらの光機能素子は、表面が単結晶Si層である基板の単結晶Si層を利用して形成したパッシブ型光導波路と一体に集積化しても良い。特に、これらの光機能素子を複数並列に配置してアレイ化することにより、集積化光機能素子を形成することができる。なお、基板としてSi基板を用いた場合には、SiO
2膜を下部クラッド層として多結晶Siをコア層とした光導波路を形成して、光機能素子とバットジョイント結合により結合するようにすれば良い。
【0029】
例えば、半導体受光素子を集積化すれば、集積化光受信器とすることができ、また、電界吸収型光変調素子を集積化すれば集積化光送信器とすることができる。なお、集積化光送信器の場合には、半導体レーザ或いは半導体光増幅器をハイブリッド的に一体化すれば良い。また、これらの集積化光受信器或いは集積化光送信器を形成する際に、表面の単結晶Si層を利用してAWG(Arrayed−Waveguide Grating)波長合分波器を形成して一体化しても良い。また、単一の基板に半導体受光素子アレイと電界吸収型光変調素子アレイを併設して集積化光送受信器としても良い。これらの集積化光送信器と集積化光受信器を光ファイバにより結合することにより、光インターコネクトシステムを構築することができる。
【0030】
この様な島状Si
1−xGe
x層を成長させる場合には、減圧化学気相成長法(LP−CVD法)を用いれば良く、成長温度を300℃乃至400℃、より好適には、300℃乃至350℃にすれば良い。また、この島状Si
1−xGe
x層の平均高さは5nm乃至15nmとするものであり、5nm以下では下地層としての役割を果たすことができず、15nm以上であれば、結晶欠陥の多いSi
1−xGe
x層が厚く形成されることになる。また、この場合の成長ガスとしては、Ge原料としては、GeH
4を用い、Si原料としてはSiH
4或いはSiH
2Cl
2(ジクロロシラン)を用いれば良い。
【0031】
また、二次元成長Si
1−yGe
y層を成長させる場合には、減圧化学気相成長法を用いれば良く、成長温度を600℃乃至800℃、より好適には、600℃乃至700℃にすれば良い。この場合の成長ガスとしても、Ge原料としては、GeH
4を用い、Si原料としてはSiH
4或いはSiH
2Cl
2を用いれば良い。
【実施例1】
【0032】
次に、
図4乃至
図10を参照して、本発明の実施例1の半導体受光素子を説明する。
図4は、本発明の実施例1の半導体受光素子の透視斜視図であり、Si基板21上に厚さが3.0μmのBOX(埋込酸化膜)層22を介して厚さが300nmで(001)面を主面とするi型Si層23を設けたSOI基板を用いて作製する。この実施例1は、Siリブ型導波路24と導波路結合型PINフォトダイオードを一体化した半導体受光素子である。
【0033】
Siリブ型導波路24は、幅が500nmで高さが200nmの断面形状のコア層25とスラブ部26とを有し、テラス部28との接続部にはテーパ部27が設けられている。テラス部28には、Bのイオン注入によりp型Si層30が設けられており、このp型Si層30上に、平均高さが10nmの島状i型Ge層32及び二次元成長i型Ge層33が設けられ、二次元成長i型Ge層33の表面にPがイオン注入されてn型Ge層35になっている。このp型Si層30/島状i型Ge層32/二次元成長i型Ge層33/n型Ge層35によりPIN型フォトダイオードを形成している。なお、島状i型Ge層32は実質的にp型化している。
【0034】
このPIN型フォトダイオードには、SiO
2膜36に設けたコンタクトホールを介してn側電極37及びp側電極38が設けられており、このSiO
2膜36はSiリブ型導波路24の上部クラッド層を兼ねている。このPIN型フォトダイオードは、実効的にp型になり空乏層が形成されない島状i型Ge層32の厚さが薄く、厚い二次元成長i型Ge層33が空乏層となるので、感度が向上する。
【0035】
次に、
図5乃至
図10を参照して本発明の実施例1の半導体受光素子の製造工程を説明するが、各図における図(a)は斜視図であり、図(b)は図(a)における一点鎖線で示す平面で切った断面図である。まず、
図5に示すように、Si基板21上に厚さが3.0μmのBOX(埋込酸化膜)層22を介して厚さが300nmで(001)面を主面とするi型Si層23を設けたSOI基板を用いて、Siリブ型導波路を形成する。まず、SOI基板上にレジストを塗布しEB(電子線)リソグラフィによりSiリブ型導波路形状を露光して、ウェットエッチングによる現像を行ってレジストパターン(図示は省略)を形成する。次いで、レジストパターンをマスクとして、ICP(誘導結合プラズマ)ドライエッチングにより、幅が500nmで高さが200nmの断面形状のコア層25、テーパ部27及びスラブ部26とを有するSiリブ型導波路24を形成する。この時、残ったi型Si層23がフォトダイオードを形成するテラス部28となる。
【0036】
次いで、
図6に示すように、レジストを塗布しi線ステッパにより露光し、ウェットエッチングにより現像を行って、30μm×20μmの開口パターンを有するレジストパターン29を形成する。次いで、このレジストパターン29をマスクとして、ドーズ量6.0×10
14cm
−2、注入エネルギー30keVの条件でBイオン注入を行ってフォトダイオードのp側電極形成層となるp型Si層30を形成する。続いて、SOI基板をイオン注入装置から取り出し、O
2アッシング法によりレジストパターン29を剥離した後、アニール装置に投入し、1000℃で5秒間アニールを施し、注入したBイオンを活性化させる。この一連のBイオン注入工程及びアニール工程で凡そ1.0×10
19cm
−3のキャリア濃度が得られる。
【0037】
次いで、
図7に示すように、LP-CVD法を用いてSOI基板上にテラス部28上における厚さが0.1μmになるようにSiO
2膜を成長させる。次いで、レジストを塗布し、i線リソグラフィ法によりGe層を成長する領域を露光したのち現像して幅10μmで長さが20μmの開口部を有するレジストパターン(図示は省略)を形成する。次いで、このレジストパターンをマスクとしてICPドライエッチングによりSiO
2膜をエッチングし、O
2アッシング法によりレジストパターンを剥離することで10μm×20μmの開口部を有するSiO
2マスク31が形成される。
【0038】
次いで、ウェーハを成長チャンバ内に導入し、ランプヒータを加熱させて、H
2雰囲気下で成長温度を例えば900℃まで昇温し、5分間温度を保持し、表面に吸着したO
2を取り除く。引き続いて、同じくH
2雰囲気下で成長温度を300℃まで下げ、原料としてGeH
4を供給して島状i型Ge層32を形成する。この時、成長圧力は50Torrとし、GeH
4の流量を10ccm、H
2キャリアガスの流量を20LM、成長時間を10分間で行う。この成長により得られる表面モフォロジー(AFM像)が
図2(b)に示したものである。島状i型Ge層32の平均高さは10nm、突起状部の直径は100nm乃至200nmである。
【0039】
次いで、
図8に示すように、GeH
4の供給を停止し、H
2雰囲気下で成長温度を例えば650℃まで昇温する。引き続いて、成長温度が650℃で安定した時点で、再びGeH
4を供給し、二次元成長i型Ge層33を成長する。成長条件は、成長圧力は10Torrとし、GeH
4の供給量を20ccm、H
2キャリアガスの流量を10ccm、成長時間を15分間で行う。この時、成長速度は凡そ30nm/分となり、低温成長層である島状i型Ge層32と合わせてGe層の全体の膜厚は凡そ500nmとなる。この一連の成長工程で得られる厚さ500nmのGe表面の結晶欠陥の密度は
図3(a)に示したように、1×10
8cm
−2となる。
【0040】
次いで、
図9に示すように、SiO
2マスクを除去したのち、レジストを塗布し、i線ステッパにより露光したのち、ウェットエッチングにより現像し、5μm×18μmの開口パターンを有するレジストパターン34を形成する。次いで、このレジストパターン34をマスクとして、ドーズ量6.0×10
14cm
−2、注入エネルギー30keVの条件でPをイオン注入してn型Ge層35を形成する。次いで、SOI基板をイオン注入装置から取り出し、O
2アッシング法によりレジストパターン34を剥離した後、アニール装置に投入し、700℃で5秒間アニールを施し、注入したPイオンを活性化させる。この一連のPイオン注入工程及びアニール工程で凡そ1.0×10
19cm
−3のキャリア濃度が得られる。
【0041】
次いで、
図10に示すように、プラズマCVD法によりn型Ge層35上の厚さが500nmになるように、上部クラッド層を兼ねるSiO
2膜36を成膜する。次いで、レジストを塗布し、i線ステッパによりp型Si層30及びn型Ge層35に対するコンタクトホールのパターンの露光を行い現像してレジストパターン(図示は省略)を形成する。
【0042】
次いで、このレジストパターンをマスクとしてICPドライエッチングにより、コンタクトホールを形成する。この時、p型Si層30に対するコンタクトホールのサイズは、4μm×20μmとし、n型Ge層35に対するコンタクトホールのサイズは4μm×15μmとする。次いで、O
2アッシング法によりレジストパターンを除去する。
【0043】
次いで、スパッタリング法を用いて厚さが500nmのAl膜を蒸着する。次いで、レジストを塗布し、i線リソグラフィによって電極パターンを露光し現像してレジストパターン(図示は省略)を形成する。次いで、レジストパターンをマスクとしてAlエッチャー装置を用いてAl膜をパターニングすることによってn側電極37と一対のp側電極38を形成することで、本発明の実施例1の半導体受光素子の基本構造が完成する。
【0044】
このように、本発明の実施例1においては、Siリブ型導波路とPIN型Ge受光素子をSOI基板上に一体形成する際に、単結晶Si層上に薄い島状低温成長Ge層を介して二次元成長高温成長Ge層を形成しているので、欠陥を有意に低減することができる。なお、この実施例1においては、選択成長マスクとなるSiO
2マスク31を除去して上部クラッド層となるSiO
2膜36を形成しているが、SiO
2マスク31を除去せずにそのまま上部クラッド層の一部としても良い。また、半導体受光素子としては成膜工程で導電型決定不純物を添加してPN接合型のフォトダイオードとしても良い。
【実施例2】
【0045】
次に、
図11乃至
図17を参照して、本発明の実施例2の半導体光変調素子を説明する。
図11は、本発明の実施例2の半導体光変調素子の透視斜視図であり、Si基板21上に厚さが3.0μmのBOX層22を介して厚さが300nmで(001)面を主面とするi型Si層23を設けたSOI基板を用いて作製する。この実施例2は、Siリブ型導波路24と導波路結合型電界吸収型光変調器を一体化した半導体光変調素子である。
【0046】
Siリブ型導波路24はテラス部28の両側に設けられており、幅が500nmで高さが200nmの断面形状のコア層25とスラブ部26とを有し、テラス部28との接続部にはテーパ部27が設けられている。テラス部28には、Bのイオン注入によりp型Si層30が設けられており、このp型Si層30上に、平均高さが10nmの島状i型Si
0.01Ge
0.99層41及び二次元成長i型Si
0.01Ge
0.99層42が設けられ、二次元成長i型Si
0.01Ge
0.99層42の表面にPがイオン注入されてn型Si
0.01Ge
0.99層43になっている。このp型Si層30/島状i型Si
0.01Ge
0.99層41/二次元成長i型Si
0.01Ge
0.99層42/n型Si
0.01Ge
0.99層43により電界吸収型光変調器を形成している。なお、この場合も島状i型Si
0.01Ge
0.99層41は実質的にp型化している。
【0047】
この電界吸収型光変調器には、SiO
2膜36に設けたコンタクトホールを介してn側電極37及びp側電極38が設けられており、このSiO
2膜36はSiリブ型導波路24の上部クラッド層を兼ねている。この電界吸収型光変調器は、実効的にp型になり空乏層が形成されない島状i型Si
0.01Ge
0.99層41の厚さが薄いので、厚い二次元成長i型Si
0.01Ge
0.99層42が空乏層となるので、変調効率が向上する。
【0048】
次に、
図12乃至
図17を参照して本発明の実施例2の半導体光変調素子の製造工程を説明するが、各図における図(a)は斜視図であり、図(b)は図(a)における一点鎖線で示す平面で切った断面図である。まず、
図12に示すように、Si基板21上に厚さが3.0μmのBOX(埋込酸化膜)層22を介して厚さが300nmで(001)面を主面とするi型Si層23を設けたSOI基板を用いて、Siリブ型導波路を形成する。まず、SOI基板上にレジストを塗布しEBリソグラフィによりSiリブ型導波路形状を露光して、ウェットエッチングによる現像を行ってレジストパターン(図示は省略)を形成する。次いで、レジストパターンをマスクとして、ICPドライエッチングにより、幅が500nmで高さが200nmの断面形状のコア層25、テーパ部27及びスラブ部26とを有するSiリブ型導波路24をテラス部28の両側に形成する。なお、この時のテラス部28の光軸方向の長さは5μmとする。
【0049】
次いで、
図13に示すように、レジストを塗布しi線ステッパにより露光し、ウェットエッチングにより現像を行って、30μm×5μmの開口パターンを有するレジストパターン29を形成する。次いで、このレジストパターン29をマスクとして、ドーズ量6.0×10
14cm
−2、注入エネルギー30keVの条件でBイオン注入を行ってフォトダイオードのp側電極形成層となるp型Si層30を形成する。続いて、SOI基板をイオン注入装置から取り出し、O
2アッシング法によりレジストパターン29を剥離した後、アニール装置に投入し、1000℃で5秒間アニールを施し、注入したBイオンを活性化させる。この一連のBイオン注入工程及びアニール工程で凡そ1.0×10
19cm
−3のキャリア濃度が得られる。
【0050】
次いで、
図14に示すように、LP-CVD法を用いてSOI基板上にテラス部28上における厚さが0.1μmになるようにSiO
2膜を成長させる。次いで、レジストを塗布し、i線リソグラフィ法によりSiGe層を成長する領域を露光したのち現像して幅10μmで長さが5μmの開口部を有するレジストパターン(図示は省略)を形成する。次いで、このレジストパターンをマスクとしてICPドライエッチングによりSiO
2膜をエッチングし、O
2アッシング法によりレジストパターンを剥離することで10μm×5μmの開口部を有するSiO
2マスク31が形成される。
【0051】
次いで、ウェーハを成長チャンバ内に導入し、ランプヒータを加熱させて、H
2雰囲気下で成長温度を例えば900℃まで昇温し、5分間温度を保持し、表面に吸着したO
2を取り除く。引き続いて、同じくH
2雰囲気下で成長温度を300℃まで下げ、原料としてGeH
4及びSiH
2Cl
2(DCS)を供給して島状i型Si
0.01Ge
0.99層41を形成する。この時、成長圧力は50Torrとし、GeH
4の流量を10ccm、DCSの流量を5ccm、H
2キャリアガスの流量を20LM、成長時間を10分間で行う。この成長により得られる島状i型Si
0.01Ge
0.99層41の平均高さは10nm、突起状部の直径は100nm乃至200nmである。
【0052】
次いで、
図15に示すように、GeH
4及びDCSの供給を停止し、H
2雰囲気下で成長温度を例えば650℃まで昇温する。引き続いて、成長温度が650℃で安定した時点で、再びGeH
4及びDCSを供給し、二次元成長i型Si
0.01Ge
0.99層42を成長する。成長条件は、成長圧力は10Torrとし、GeH
4の供給量を20ccm、DCSの供給量を2ccm、H
2キャリアガスの流量を10ccm、成長時間を15分間で行う。この時、成長速度は凡そ30nm/分となり、低温成長層である島状i型Si
0.01Ge
0.99層41と合わせてSi
0.01Ge
0.99層の全体の膜厚は凡そ500nmとなる。
【0053】
次いで、
図16に示すように、SiO
2マスクを除去したのち、レジストを塗布し、i線ステッパにより露光したのち、ウェットエッチングにより現像し、5μm×3μmの開口パターンを有するレジストパターン34を形成する。次いで、このレジストパターン34をマスクとして、ドーズ量6.0×10
14cm
−2、注入エネルギー30keVの条件でPをイオン注入してn型Si
0.01Ge
0.99層43を形成する。次いで、SOI基板をイオン注入装置から取り出し、O
2アッシング法によりレジストパターン34を剥離した後、アニール装置に投入し、700℃で5秒間アニールを施し、注入したPイオンを活性化させる。この一連のPイオン注入工程及びアニール工程で凡そ1.0×10
19cm
−3のキャリア濃度が得られる。
【0054】
次いで、
図17に示すように、プラズマCVD法によりn型Si
0.01Ge
0.99層43上の厚さが500nmになるように、上部クラッド層を兼ねるSiO
2膜36を成膜する。次いで、レジストを塗布し、i線ステッパによりp型Si層30及びn型Si
0.01Ge
0.99層43に対するコンタクトホールのパターンの露光を行い現像してレジストパターン(図示は省略)を形成する。
【0055】
次いで、このレジストパターンをマスクとしてICPドライエッチングにより、コンタクトホールを形成する。この時、p型Si層30に対するコンタクトホールのサイズは、4μm×5μmとし、n型Si
0.01Ge
0.99層43に対するコンタクトホールのサイズは4μm×3μmとする。次いで、O
2アッシング法によりレジストパターンを除去する。
【0056】
次いで、スパッタリング法を用いて厚さが500nmのAl膜を蒸着する。次いで、レジストを塗布し、i線リソグラフィによって電極パターンを露光し現像してレジストパターン(図示は省略)を形成する。次いで、レジストパターンをマスクとしてAlエッチャー装置を用いてAl膜をパターニングすることによってn側電極37と一対のp側電極38を形成することで、本発明の実施例2の半導体光変調素子の基本構造が完成する。
【0057】
このように、本発明の実施例2おいては、Siリブ型導波路と電界吸収型光変調器をSOI基板上に一体形成する際に、単結晶Si層上に薄い島状S低温成長Ge層を介して二次元成長Si高温成長Ge層を形成しているので、欠陥を有意に低減することができる。なお、この実施例2においても、選択成長マスクとなるSiO
2マスク31を除去して上部クラッド層となるSiO
2膜36を形成しているが、SiO
2マスク31を除去せずにそのまま上部クラッド層の一部としても良い。
【実施例3】
【0058】
次に、
図18を参照して、本発明の実施例3の集積型光受信器を説明する。
図18は本発明の実施例3の集積型光受信器の説明図であり、
図18(a)は概念的平面図であり、
図18(b)はAWG分波器の概念的構成図である。
図18(a)に示すように、上記の実施例1に示した導波路結合型PINフォトダイオード40を複数個並列配置するとともに、リブ型Si導波路をAWG分波器50の出力導波路55に接続する。なお、ここでは、導波路結合型PINフォトダイオード40を一例として4つ図示している。
【0059】
図18(b)に示すように、AWG分波器50は、一本の入力導波路51、スラブ導波路52、アレイ導波路53、スラブ導波路54及び複数本に分岐した出力導波路55を備え、SOI基板20の表面のi型Si層を加工して形成する。なお、ここでは、導波路結合型PINフォトダイオード40の配列数に併せて出力導波路55を4本に分岐している。
【0060】
波長多重(MDW)化された信号光が入力導波路51に入射すると、アレイ導波路53において異なった波長毎に分岐されて出力導波路55から出力されて導波路結合型PINフォトダイオード40で電気信号に変換される。
【0061】
なお、ここでは、AWG分波器50を一体形成しているが、AWG分波器50を設けずに、導波路結合型PINフォトダイオードアレイにより集積型光受信器を形成しても良い。
【実施例4】
【0062】
次に、
図19を参照して、本発明の実施例4の集積型光送信器を説明する。
図19は本発明の実施例4の集積型光送信器の説明図であり、
図19(a)は概念的平面図であり、
図19(b)はAWG合波器の概念的構成図である。
図19(a)に示すように、上記の実施例2に示した電界吸収型光変調器45を複数個並列配置するとともに、出力側のリブ型Si導波路をAWG合波器60の入力導波路61に接続する。また、電界吸収型光変調器45の入力側のリブ型Si導波路には互いに異なった波長で発振する半導体レーザ70をハイブリッド的に一体接続する。ここでは、電界吸収型光変調器45及び半導体レーザ70を一例として4つ図示している。
【0063】
図19(b)に示すように、AWG合波器60は、複数本に分岐した入力導波路61、スラブ導波路62、アレイ導波路63、スラブ導波路64及び1本の出力導波路65を備え、SOI基板20の表面のi型Si層を加工して形成する。なお、ここでは、電界吸収型光変調器45の配列数に併せて入力導波路61を4本に分岐している。このAWG合波器60は、
図18(b)に示したAWG分波器50の入力側と出力側を入れ替えただけで実質的構造は同じである。
【0064】
半導体レーザ70から出力された互いに波長の異なる4つの連続光はリブ型導波路を介して夫々電界吸収型光変調器45で変調されて、AWG合波器60に入力されて波長多重化信号として出力導波路65から出力される。
【0065】
なお、ここでは、AWG合波器60を一体形成しているが、AWG合波器60を設けずに、電界吸収型光変調器アレイと半導体レーザアレイにより集積型光送信器を形成しても良い。さらには、同一のSOI基板上に、集積型光送信器と集積型光受信器を並列配置して、集積型光送受信器としても良い。この場合もAWG分波器或いはAWG合波器を設けるか否かは任意である。
【実施例5】
【0066】
次に、
図20を参照して、本発明の実施例5の光インターコネクトシステムを説明する。
図20は本発明の実施例5の光インターコネクトシステムの概念的構成図であり、
図19に示した集積型光送信器のAWG合波器60の出力導波路65と
図18に示した集積型光受信器のAWG分波器50の入力導波路51を光ファイバ80で接続したものである。
【0067】
半導体レーザ70から出力された互いに波長の異なる4つの連続光はリブ型導波路を介して夫々電界吸収型光変調器45で変調されて、AWG合波器60に入力されて波長多重化信号として出力導波路65から出力されて光ファイバ80を導波する。
【0068】
光ファイバ80を導波した波長多重化信号は、入力導波路51に入射すると、AWG分波器50のアレイ導波路53において異なった波長毎に分岐されて出力導波路55から出力されて導波路結合型PINフォトダイオード40で電気信号に変換される。
【0069】
本発明の実施例5においては、SOI基板を利用して高変調効率の集積型光送信器及び高感度の集積型光受信器を形成しているので、高性能の光インターコネクトシステムをコンパクトに形成することができる。
【0070】
ここで、実施例1乃至実施例5を含む本発明の実施の形態に関して、以下の付記を付す。
(付記1)表面が単結晶Si層である基板と、前記基板上の設けた突起状部と濡層部とを有する島状Si
1-xGe
x層(但し、0<x≦1)と、前記島状Si
1-xGe
x層上に設けられた二次元成長Si
1-yGe
y層(但し、0<y≦1)とを有することを特徴とするGe系半導体装置。
(付記2)前記島状Si
1-xGe
x層の平均高さが5nm乃至15nmであることを特徴とする付記1に記載のGe系半導体装置。
(付記3)前記基板が、Si基板、または、Si基板上に絶縁膜を介して単結晶Si層を設けたSOI基板のいずれかであることを特徴とする付記1または付記2に記載のGe系半導体装置。
(付記4)前記島状Si
1-xGe
x層をp型層とし、前記二次元成長Si
1-yGe
y層にn型領域を形成して、pn接合構造或いはpin接合構造のいずれかの光機能素子を形成したことを特徴とする付記1乃至付記3のいずれか1に記載のGe系半導体装置。
(付記5)前記基板の表面の単結晶Si層の一部を光導波路とするとともに、前記光導波路と前記光機能素子を光学的に結合したことを特徴とする付記5に記載のGe系半導体装置。
(付記6)複数の前記光機能素子を並列に配置したことを特徴とする付記5に記載のGe系半導体装置。
(付記7)表面が単結晶Si層である基板上に、減圧化学気相成長法により、300℃乃至400℃の成長温度で、少なくともGeを種元素とするガスを供給することにより突起状部と濡層部とを有する島状Si
1-xGe
x層(但し、0<x≦1)を成長する第1の成長工程と、前記島状Si
1-xGe
x層上に、減圧化学気相成長法により、600℃乃至800℃の成長温度で少なくともGeを種元素とするガスを供給することにより二次元成長Si
1-yGe
y層(但し、0<y≦1)を成長する第2の工程とを有することを特徴とするGe系半導体装置の製造方法。
(付記8)前記島状Si
1-xGe
x層の平均高さが5nm乃至15nmであることを特徴とする付記7に記載のGe系半導体装置の製造方法。
(付記9)前記第1の成長工程及び前記第2の成長工程におけるキャリアガスがH
2であり、前記第1の成長工程における成長温度が300℃乃至350℃であり、前記第2の成長工程における成長温度が600℃乃至700℃であることを特徴とする付記7または付記8に記載のGe系半導体装置の製造方法。
(付記10)前記第1の成長工程及び前記第2の成長工程におけるGeを種元素とするガスが、GeH
4であることを特徴とする付記7乃至付記9のいずれか1に記載のGe系半導体装置の製造方法。
(付記11)前記組成比x,yがx≠1且つy≠1であり、前記第1の成長工程及び前記第2の成長工程において供給するSiを種元素とするガスがSiH
4またSiH
2Cl
2のいずれかであることを特徴とする付記10に記載のGe系半導体装置の製造方法。
(付記12)表面が単結晶Si層である基板と、前記基板上に設けられ、付記6に記載の光機能素子を複数個並列配置して半導体受光素子としたGe系半導体装置と、前記単結晶Si層を加工して設けた光分波器とを有することを特徴とする集積型光受信器。
(付記13)表面が単結晶Si層である基板と、前記基板上に設けられ、付記6に記載の光機能素子を複数個並列配置して電界吸収型光変調器としたGe系半導体装置と、前記単結晶Si層を加工して設けた光合波器と前記電界吸収型光変調器の入力導波路に接続された半導体レーザとを有することを特徴とする集積型光送信器。
(付記14)付記13に記載の集積型光送信器の光合波器の出力導波路と付記12に記載の集積型光受信器の光分波器の入力導波路とを光ファイバで接続したことを特徴とする光インターコネクトシステム。
(付記15)付記6に記載のGe系半導体装置の光機能素子を電界吸収型変調器とした集積型光送信器と、付記6に記載のGe系半導体装置の光機能素子を半導体受光素子とした集積型光受信器と、前記集積型光送信器と前記集積型光受信器との間を接続する光ファイバとを備えたことを特徴とする光インターコネクトシステム。