【解決手段】電線付きモジュール1は、電線束9を収容する収容部13、及び、収容部13の開口を塞ぐ蓋部61で構成されるプロテクタ10を備えている。収容部13における側壁部51は、底壁部41から起立する外側壁部53と、外側壁部53よりも内側に配されて配線空間9Sに面する内側壁部55とを含む。蓋部61は、内側壁部55の平行部551に形成された挿入口59に対して、収容部13の外側から内側に向かうように挿入されて、外側壁部53及び内側壁部55に介在する挿入部65を有している。内側壁部55は、収容部13に収容された電線束9に当接しており、収容部13の外側に向けて押されている。そして、この押された内側壁部55によって、挿入部65が、収容部13の外側に向けて押されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のプロテクタにおいては、蓋体の端部が、電線を収容するプロテクタ本体に設けられた閉鎖ロック部に固定されている。詳細には、閉鎖ロック部は、開口部が弾性変形することによって、蓋体端部に形成された長尺状の突部を内側に収納し、収納後に開口部が狭まることで、突部を保持する。このように、閉鎖ロック部は、弾性変形する素材で形成する必要があり、汎用性が低い。このため、汎用性の高いロック機構が求められている。
【0006】
そこで、本発明は、プロテクタに好適な、汎用性の高い蓋部のロック機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様は、電線と、前記電線を収容して保護するプロテクタとを含む電線付きモジュールである。前記プロテクタは、前記電線の配索方向に沿って延びる開口部を形成し、かつ、前記電線が収容される配線空間を形成する収容部と、前記収容部の前記開口部を覆う蓋部と、を備えており、前記収容部は、底壁部と、前記底壁部から起立する側壁部とを有している。前記蓋部は、前記側壁部に形成された挿入口に対して、前記収容部の外側から内側に向かって挿入される挿入部を有している。前記挿入部が、前記収容部に収容された前記電線によって、前記外側に向けて押されている。
【0008】
また、第2の態様は、第1の態様に係る電線付きモジュールの一態様である。第2の態様に係る電線付きモジュールにおいて、前記側壁部が、前記プロテクタの外側に面する外側壁部と、当該外側壁部よりも内側に配され、前記配線空間に面する内側壁部とを含む。前記挿入部は、前記外側壁部及び前記内側壁部の間に介在しており、前記内側壁部が、前記電線に当接することで前記収容部の外側に向けて押されることによって、前記挿入部に当接している。
【0009】
また、第3の態様は、第1または第2の態様に係る電線付きモジュールの一態様である。第3の態様に係る電線付きモジュールにおいて、前記挿入部が、前記底壁部に形成された挿入口に挿入されている。
【0010】
また、第4の態様は、第1から第3までの態様に係る電線付きモジュールの一態様である。第4の態様に係る電線付きモジュールにおいて、前記収容部は、前記底壁部の両端から起立する一対の前記側壁部を有し、前記蓋部の両端のそれぞれに、一対の前記挿入部が形成されている。
【0011】
また、第5の態様は、第1から第4までの態様に係る電線付きモジュールの一態様である。第5の態様に係る電線付きモジュールにおいて、前記収容部及び前記蓋部が、一対の板状部と、当該一対の板状部の間に介在する介在部とによって、中空構造を有する中空板材で構成されている。
【0012】
また、第6の態様は、第5の態様に係る電線付きモジュールの一態様である。第6の態様に係る電線付きモジュールにおいて、前記中空板材が、プラスチックで形成されている。
【発明の効果】
【0013】
第1の態様に係る電線付きモジュールによると、挿入部が外側に向けて押されることで、挿入部が挿入口に押し当てられる。これによって、挿入部が側壁部の挿入口から抜け難くなる。したがって、汎用性の高い簡単なロック機構によって、蓋部を収容部に強固に取り付けることができる。
【0014】
第2の態様に係る電線付きモジュールによると、内側壁部が電線に押されることによって、挿入部が内側壁部に当接して外側壁部に向けて押される。これによって、挿入部が側壁部の挿入口から抜け難くなるため、蓋部を収容部に強固に取り付けることができる。
【0015】
第3の態様に係る電線付きモジュールによると、蓋部の挿入部が、収容部における底壁部の挿入口にも挿入されることによって、挿入部を抜け難くすることができる。したがって、蓋部を収容部に強固に取り付けることができる。
【0016】
第4の態様に係る電線付きモジュールによると、電線によって両側の内側壁部が外側に向けてそれぞれ押されるため、両側の挿入部が収容部からよりいっそう抜け難くなる。これによって、蓋部を収容部に強固に取り付けることができる。
【0017】
第5の態様に係る電線付きモジュールによると、収容部及び蓋部を中空板材で構成することによって、プロテクタの強度を維持しつつ、プロテクタの軽量化を図ることができる。
【0018】
第6の態様に係る電線付きモジュールによると、中空板材が、プラスチックで形成されていることによって、プロテクタの剛性を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が誇張または簡略化して図示されている場合がある。
【0021】
<1.第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る電線付きモジュール1の斜視図である。
図2は、第1実施形態に係るプロテクタ10を分解して示す斜視図である。
図3は、
図1に示されるIII−III位置から見た電線付きモジュール1の概略断面図である。
図4は、分解されたプロテクタ10の概略断面図である。
【0022】
なお、以下の説明では、説明の便宜上、プロテクタ10における収容部13側を下側とし、蓋部61側を上側とする。ただし、この位置関係は、車両等におけるプロテクタ10の配置の向き等を限定するものではない。
【0023】
図1に示される電線付きモジュール1は、1本以上の電線を含む電線束9と、当該電線束9を収容するプロテクタ10とを備えている。プロテクタ10は、電線束9を外部(例えば、電線束9の配索経路の周辺にある部材のエッジ部分)から保護する役割、電線束9を所定の配線経路に沿って規制する役割、あるいは、電線束9の断面形状を配線経路における経路スペースに応じた形状に維持する役割等を果たす。
【0024】
プロテクタ10は、電線束9の配索方向に沿って延びる開口部13Sを形成しており、電線束9が配される配線空間9Sを形成する収容部13を備えている。
【0025】
収容部13は、底壁部41と、底壁部41の両端部のそれぞれから上方に起立する一対の側壁部51,51とを備えている。
【0026】
側壁部51は、収容部13の外側に面する外側壁部53と、外側壁部53よりも内側に配され、配線空間9Sに面する内側壁部55とを備えている。詳細には、側壁部51のうち、外側壁部53よりも先端側の部分が内側に折り曲げられることによって、内側側壁部55が形成されている。内側壁部55は、平行部551と垂下部553とを有している。平行部551は、直線状に延びる外側壁部53に対して90度の角度を成すことで底壁部41と略平行に延びる部分である。また、垂下部553は、当該平行部551の端部から下方に延びる部分である。
【0027】
また、プロテクタ10は、収容部13の開口部13Sを覆う蓋部61を備えている。蓋部61は、蓋本体部63、及び、蓋本体部63の両端部のそれぞれから下方に延びる一対の挿入部65を備えている。
【0028】
図3に示されるように、挿入部65は、側壁部51における内側壁部55の平行部551に形成された挿入口59、及び、底壁部41に形成された挿入口43に挿入されている。詳細には、挿入部65は、側壁部51の挿入口59に対しては、収容部13の外側から内側に向かうように挿入されており、底壁部41の挿入口43に対しては、収容部13の内側から外側に向かうように挿入されている。このため、
図3等に示されるように、挿入部65は、外側壁部53と内側壁部55の間に介在している。そして、挿入部65の先端部は、収容部13の外側に露出している。
【0029】
挿入部65は、収容部13に収容された電線束9によって、収容部13の外側に向けて押されている。詳細には、
図4に示されるように、電線束9が収容される前の収容部13における、配線空間9Sの幅W1(すなわち、両側の内側壁部55,55の間隔)は、電線束9の幅よりも狭くなっている。このため、
図3に示されるように、両側の内側壁部55,55のそれぞれが、電線束9に当接する。したがって、収容部13の外側に向けて押される。これによって、両側の内側壁部55,55が、隣接する挿入部65に当接している。したがって、挿入部65が、電線束9によって間接的に、収容部13の外側に向けて押されることとなる。
【0030】
このように、本実施形態に係る電線付きモジュール1によると、挿入部65が収容部13の外側に向けて押されることで、挿入部65が側壁部51の挿入口59から抜け難くなる。これによって、蓋部61を収容部13に強固に取り付けることができる。
【0031】
なお、挿入部65を外側壁部53に当接するように、挿入口59の位置等を設定してもよい。この場合、外側壁部53によっても、外側に向けて押される挿入部65を内側へ押し返して支えることができる。このため、挿入部65が収容部13から外れることを、よりいっそう抑制できる。
【0032】
また、挿入部65が、収容部13の外側に押されることによって、底壁部41に形成された挿入口43の内周面にも押し当てられる。このため、挿入部65が収容部13から抜け難くなっている。
【0033】
収容部13及び蓋部61は、好ましくは、複数の板状部分の間に中空構造が形成された中空板材で構成される。中空板材を形成する材質は特に限定されず、PP(ポリプロピレン)等のプラスチック樹脂によって形成されていてもよいし、紙によって形成されていてもよい。このような中空板材は、複数の板状部材が、中空構造を介して間隔をあけて配設されているため、曲り難く、また、中空構造を形成する構造体によって強度を向上させることができる。このため、中空板材は、強度的に優れる。しかも、中空板材内に中空構造が存在しているため、軽量化及び材料の削減を図ることもできる。
【0034】
また、プラスチック製の中空板材を採用することによって、プロテクタ10の剛性を高めることができる。プロテクタ10の剛性を高めることによって、プロテクタ10の保護性能を向上できるとともに、電線束9の経路規制を適切に行うことができる。
【0035】
<中空板材>
次に、中空板材の構成について説明する。
図5は、第1の例に係る中空板材20の部分切欠き斜視図である。
【0036】
中空板材20は、一対の板状部21,23と、当該一対の板状部21,23の間に挟み込まれて介在する介在部25とを備えている。
【0037】
板状部21,23および介在部25の材質は、特に限定されないが、例えば、PP(ポリプロピレン)等のプラスチック樹脂、紙、又は、これらの組み合わせ等が考えられる。板状部21,23および介在部25のうち少なくとも1つが紙によって形成される場合には、その表面に撥水処理等が施されることが好ましい。
【0038】
板状部21,23は、平板状に形成されている。介在部25は、板状部21,23の双方に連結されている。すなわち、板状部21,23が、介在部25を介して、所定の間隔をあけた状態で連結されている。
【0039】
介在部25は、凹凸形状を呈する板状に形成された部材である。かかる介在部25が、板状部21,23の間に挟み込まれた状態で、それぞれの内向き面に接合されている。板状部21,23及び介在部25の接合は、例えば、接着剤、粘着剤等によって行われる。これによって、介在部25が呈する凹凸形状に応じた中空構造が、一対の板状部21,23の間に形成される。
【0040】
介在部25は、山部27aと谷部27bとが波状に連続する形状に形成されている。山部27aの延在方向と谷部27bの延在方向とは、平行な位置関係にあり、従って、介在部25を平面視すると、複数の山部27aと複数の谷部27bとが交互に並列状に形成された構成とされている。山部27aの頂部と谷部27bの底部とは、湾曲していてもよいし、所定の角度をなして曲がっていてもよい。
【0041】
そして、介在部25が板状部21,23の間に挟み込まれ、谷部27bの底部の下面と板状部21とが接合されると共に、山部27aの頂部の上面と板状部23とが接合されている。
【0042】
このような中空板材20は、板状部21,23が間隔をあけて、介在部25によって連結されているため、曲り難い。また、板状部21,23間に介在部25が介在しているため、当該介在部25によっても中空板材20が曲り難くかつ凹み難いように補強される。特に、本例では、山部27a及び谷部27bの延在方向において、中空板材が曲り難くなっている。このため、本中空板材20は、強度的に優れる。
【0043】
また、中空板材20の板状部21,23の間に中空構造が形成されている分、プロテクタ10の軽量化及び材料費の低減を図ることもできる。
【0044】
上記中空板材20の一製造例について説明しておく。
【0045】
介在部25は、例えば、平板状の部材を、凹凸面を有するプレス型の間に挟み込むことで形成することができる。例えば、帯状をなす平板状の部材を所定の搬送路に沿って連続的に供給すると共に、当該搬送路に沿って一対のローラを配設する。この一対のローラの表面には、凹凸形状を形成しておく。そして、帯状をなす平板状の部材を所定の搬送路に沿って搬送しつつ、当該平板状の部材を一対のローラで連続的に挟み込んでいくことで、介在部25を連続的に形成することができる。
【0046】
また、上記所定の搬送路に沿って、一対のローラの下流側に、一対の帯状の板状部21,23を連続的に供給して、当該一対の帯状の板状部21,23の間に介在部25を順次挟、み込んで接着剤等で接合していく。これによって、中空板材20を連続的に製造することができる。
【0047】
なお、中空板材20に、電磁シールド部材が設けられていてもよい。電磁シールド部材としては、金属箔(アルミ箔)等を用いることができる。また、中空板材20に電磁シールド部材を取付ける構成としては、接着剤を用いた貼り合せ構成等を採用することができる。
【0048】
中空板材20の少なくとも一部に電磁シールド部材を設けることで、中空板材20によって形成されるプロテクタ内に収容される電線束9を、電磁的に遮蔽することができる。なお、電磁シールド部材は、中空板材20の一方主面に設けられていれば、ワイヤーハーネスに対する電磁シールドを行える。
【0049】
図6は、第2の例に係る中空板材20Aの部分切欠き斜視図である。中空板材20Aは、介在部25に代えて介在部25Aが用いられている点で、中空板材20とは異なっている。
【0050】
すなわち、介在部25Aは、凹凸形状を呈する板状に形成された部材であり、具体的には、介在部25Aの平面視において点在するように複数の突部29が形成された構成とされている。ここでは、介在部25Aを平面視した状態において、複数の突部29が縦横に一定間隔で並ぶように形成されている。
【0051】
突部29は、介在部25Aのうち平板状に延在する基板部31から一方主面側に突出するように形成されており、筒の上端部が閉じられた形状を呈している。ここでは、突部29は、上方に向けて徐々に狭まる形状、即ち、錐台形状に形成されている。突部29は、円錐台形状に形成されていてもよいし、角錐台形状に形成されていてもよいし、角錐台の角を丸めた形状に形成されていてもよい。
【0052】
そして、介在部25Aが板状部21,23の間に挟み込まれ、基板部31の下面が板状部21に接合され、突部29の頂部が上側の板状部23に接合されている。もちろん、基板部31の下面が板状部23に接合され、突部29の頂部が板状部21に接合されていてもよい。
【0053】
このような中空板材20Aによると、上記中空板材20と同様に、強度的に優れ、かつ、軽量化を図ることができる。特に、中空板材20Aは,点在する複数の突部29を備えているため、曲り難さの方向性を無くすることができる。
【0054】
図7は、第3の例に係る中空板材20Bの部分切欠き斜視図である。
【0055】
この中空板材20Bは、樹脂材料によって形成された部材であり、プロテクタ10の内側に面する板状部21Bと、プロテクタ10の外側に面する板状部23Bと、板状部21B,23Bの間に介在する複数の介在部25Bとを備えている。
【0056】
図7に示されるように、中空板材20Bは、はしご状断面を有する形状に形成されている。具体的には、板状部21B,23Bは、平板状に形成されている。そして、板状部21B,23Bが、介在部25Bを介して間隔をあけた状態で連結されている。
【0057】
そして、板状部21B,23Bの間に、複数の介在部25Bが相互間に間隔をあけた並列状態で設けられている。
【0058】
各介在部25Bは、細長い板状に形成されており、両側の板状部21B,23Bに対して直交する姿勢で立設されている。板状部21B,23B及び介在部25Bは、一体成型されている。
【0059】
このため、中空板材20Bを、介在部25Bの延在方向に対して直交する面で切断すると、その切り口が、一対の板状部21B,板状部23Bの間に複数の介在部25Bが延在するはしご状断面となっている。
【0060】
このような中空板材20Bは、例えば、はしご状断面に応じた押出孔から樹脂を押出す押出成型装置によって、連続的に製造することができる。このため、中空板材20Bは、低コストで製造することが容易となっている。
【0061】
このような中空板材20Bによっても、上記中空板材20と同様に、強度的に優れたものとすることができ、かつ、軽量化を図ることができる。また、このような中空板材20Bは、樹脂材料の押出成型によって効率よく製造できるというメリットもある。
【0062】
なお、複数の介在部25Bは、板状部21B,23B間において、例えば、三角柱等の多角柱状の中空形状を形成するものであってもよい。特に、ハニカム構造を形成するものであれば、中空板材20Bの強度を高めることができる。
【0063】
なお、中空板材20,20A,20Bの厚み寸法は、1.5mm〜15.0mm程度であることが好ましい。
【0064】
また、中空板材20、20Bのように、空間が並列状に形成されたタイプについては、並列状に形成された空間を仕切る部分のピッチが、4mm〜20mm程度であることが好ましい。
【0065】
さらに、中空板材20Aのように、点在する突部によって中空構造が形成されているタイプでは、各突部のピッチが、2mm〜6mm程度であることが好ましい。
【0066】
もちろん、収容部13及び蓋部61は、中空板材で構成されていなくてもよい。例えば、収容部13及び蓋部61が、不織布を加熱圧縮することによって、剛性を有する板状に成形されたもので構成されていてもよい。
【0067】
<2. 第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。なお、以降の説明において、既に説明した要素と同様の機能を有する要素については、同符号またはアルファベットを追加した符号を付して、詳細な説明を省略する場合がある。
【0068】
図8は、第2実施形態に係る電線付きモジュール1Aの概略断面図である。本実施形態に係る電線付きモジュール1Aは、収容部13A及び蓋部61Aが一体成形されたものとして構成されている。
【0069】
詳細には、収容部13Aの底壁部41における、一端部には、上方に起立する側壁部51が形成されており、他端部には、上方に起立する側壁部51Aが形成されている。側壁部51Aは、側壁部51における内側壁部55を有しておらず、蓋部61Aに連結している。蓋部61Aは、一端部のみに下方に延びる挿入部65を有しており、当該挿入部65が収容部13Aの内側壁部55に形成された挿入口59及び底壁部41に形成された挿入口43にそれぞれ挿入されている。蓋部61Aの他端部は、側壁部51Aに連結されている。
【0070】
電線束9が収容部13Aに収容される前の内側壁部55と側壁部51Aの幅は、電線束9の幅よりも短くなっている。このため、電線束9が収容部13に収容されると、電線束9が内側壁部55に当接する。これによって、挿入部65が、内側壁部55に外側へ押される。したがって、挿入口59及び挿入口43の内周面に押し当てられるため、挿入部65が抜け難くなる。なお、挿入口59及び43の位置を調整することによって、挿入部65が外側壁部53に接触するようにしてもよい。
【0071】
<3.第3実施形態>
図9は、第3実施形態に係る電線付きモジュール1Bの概略断面図である。電線付きモジュール1Bは、収容部13とは構成が異なる収容部13Bと、蓋部61とを備えている。詳細には、底壁部41の両側に起立する側壁部51Bにおいて、挿入口59が形成された平行部551を有するが、垂下部553が省かれている。
【0072】
また、収容部13に固定される前の蓋部61における両側の挿入部65,65間の長さは、電線束9の幅よりも短く設定されている。このため、挿入部65が収容部13に装着された状態である電線付きモジュール1Bにおいては、電線束9が、蓋部61における両側の挿入部65,65に直接当接している。したがって、挿入部65,65がそれぞれ収容部13の外側に向けて押されて、挿入口59及び43の内周面に押し当てられている。このため、蓋部61が、収容部13から外れ難くなっている。なお、挿入口59及び43の位置を調整することによって、挿入部65が外側壁部53に接触するようにしてもよい。
【0073】
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は上記のようなものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0074】
例えば、上記実施形態では、挿入部65が内側壁部55の平行部551に形成されているが、例えば、外側壁部53に形成されていてもよい。
【0075】
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。また、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。