【解決手段】インナーロータ型モータ用のステータ10は、筒状部11及び複数の突出部12a〜12fを有するボビン1と、ヨーク部31及びステータティース部32をそれぞれ有する複数のステータコア3a〜3fと、複数の突出部12a〜12fそれぞれに巻回される巻線2a〜2fと、を備える。複数の突出部12a〜12fは、筒状部11の周方向に沿って配置されるとともに、筒状部11から径方向外側に突出している。筒状部11は、中心軸方向に延び、複数の突出部12a〜12fの内側端部全体を支持している。ステータコア3a〜3fの各ヨーク部31は、ボビン1の周囲に配置される。ステータコア3a〜3fの各ステータティース32は、ヨーク部31から内側に突出し、各突出部12a〜12f内に挿入される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のステータでは、各コア構成部の上端部のみがインシュレータによって支持されている。このため、3つのステータ構成部を重ね合わせてステータを形成した際、各コア構成部において、インシュレータに支持されていない部分がステータの径方向内側に撓む可能性がある。この場合、ステータの内周面の真円度が低下し、その結果、ステータとロータとのギャップに基づく磁気抵抗が不均一になるという問題が生じる。
【0005】
そこで、本発明は、内周面の真円度を向上させることが可能なステータ、及びこれを用いたインナーロータ型モータを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るインナーロータ型モータ用のステータは、筒状部と、筒状部の周方向に沿って配置されるとともに、筒状部から径方向外側に突出する複数の突出部と、を有するボビンと、ボビンの周囲に配置されるヨーク部と、ヨーク部から内側に突出し、複数の突出部の1つに挿入されるステータティース部と、をそれぞれ有する複数のステータコアと、複数の突出部それぞれに巻回される巻線と、を備える。筒状部は、複数の突出部の内側端部全体を支持するよう、中心軸方向に延びている。
【0007】
上記ステータのボビンは、各突出部の内側端部全体が筒状部によって支持されるよう構成されている。この構成によれば、各突出部がステータの径方向内側に撓むのを防止することができるため、ステータの内周面の真円度を向上させることができる。
【0008】
上記ステータは、さらに、複数の突出部のうち1の突出部に巻回された巻線と他の突出部に巻回された巻線とを接続する渡り線、を備えていてもよい。渡り線は、筒状部に沿って配置されることが好ましい。つまり、渡り線は、ボビンの径方向内側端部に配置されることが好ましい。この構成によれば、渡り線をボビンの径方向外側端部近傍に配置する構成と比較して、渡り線に使用する電線の量を少なくすることができる。これにより、巻線抵抗を低減させることができるため、銅損を低減させ、モータ効率を向上させることができる。
【0009】
上記渡り線は、上記1の突出部の内側端部において、当該1の突出部に巻回された巻線と接続されるとともに、上記他の突出部の内側端部において、当該他の突出部に巻回された巻線と接続されていてもよい。この構成によれば、巻線及び渡り線を構成する電線の使用量をさらに減らすことができ、巻線抵抗をさらに低減させることができる。
【0010】
上記複数のステータコアは、それぞれ、絶縁層を介して積層された複数の電磁鋼板を有し、隣接するステータコアとヨーク部同士が接触しないよう配置されていてもよい。この構成によれば、隣り合うステータコアのヨーク部同士が接触することにより、各ステータコアで層間短絡が生じるのを防止することができる。
【0011】
上記筒状部は、円筒状に形成されていてもよい。すなわち、筒状部は、その内周面が角のない曲面をなすよう構成することができる。この構成によれば、ステータ内にロータを配置した場合、ロータの回転で発生した風が筒状部に当たることにより生じる気流の乱れを抑制することができる。また、筒状部の内周面に角が存在しないため、筒状部における応力集中の発生を防止することができ、ステータの強度を向上させることもできる。
【0012】
本発明に係るインナーロータ型モータは、上記ステータと、筒状部内に配置されるロータと、を備える。
【0013】
上記モータは、内周面の真円度が高い上述のステータを備えているため、ステータとロータとのギャップが均一になる。これにより、ギャップに基づく磁気抵抗を均一にすることができる。その結果、電磁振動を低減させるとともに、モータ特性を確保することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、インナーロータ型モータ用のステータにおいて、内周面の真円度を確保することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。以下の説明において、同一又は相当する構成については、同一符号を付し、同じ説明を繰り返さない。
【0017】
[ステータの構成]
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係るインナーロータ型モータ用のステータ10は、ボビン1と、巻線2a〜2fと、ステータコア3a〜3fと、を備えている。ステータ10は、例えば、永久磁石モータや、永久磁石を使用しないリラクタンスモータ(SRモータを含む)等、種々のモータに適用することができる。
【0018】
(ボビン)
図3Aに示すように、ボビン1は、筒状部11と、複数の突出部12a〜12fと、を有している。筒状部11及び複数の突出部12a〜12fは、例えばプラスチック等の絶縁材料で一体的に形成されている。
【0019】
本実施形態では、ボビン1は6つの突出部12a〜12fを有するが、ボビンに形成される突出部の数は特に限定されるものではない。すなわち、ボビンには、2以上の突出部が形成されていればよい。
【0020】
図3Aに示すように、本実施形態の筒状部11は正六角筒状に形成されている。すなわち、筒状部11は、その中心軸に垂直な断面(水平断面)が正六角形状をなす。筒状部11は、六角筒以外の多角筒状に形成することもできる。ただし、ステータ10の内周面の真円度を確保するという観点からは、筒状部11の水平断面は正多角形状であることが好ましい。なお、真円度は、例えば、JIS B 0621−1984の規定に従い、筒状部11を2つの同心円筒で挟んだとき、同心円筒間の間隔が最小となる場合の2つの同心円筒の半径の差で表すことができる。
【0021】
図3Bに例示するように、ボビン1Aの筒状部11Aは円筒状であってもよい。この構成によれば、ステータ10の内周面の真円度をより向上させることができる。また、モータ駆動時における気流の乱れを抑制することができる。
【0022】
図3Aに戻ってボビン1の説明を続ける。複数の突出部12a〜12fは、筒状部11から径方向外側に突出している。複数の突出部12a〜12fは、筒状部11の外表面において、筒状部11の周方向に沿って配置されている。本実施形態では、複数の突出部12a〜12fは、筒状部11の周方向において等間隔に配列されている。
【0023】
筒状部11の6つの側面上には、複数の突出部12a〜12fが1つずつ配置されている。複数の突出部12a〜12fのうち、突出部12aは突出部12dと逆方向に突出する。突出部12bは突出部12eと逆方向に突出し、突出部12cは突出部12fと逆方向に突出している。
【0024】
各突出部12a〜12fは、その内側端部全体が筒状部11によって支持されている。すなわち、ボビン1の中心軸方向において、筒状部11の寸法は、各突出部12a〜12fの寸法以上となっている。
【0025】
各突出部12a〜12fは、突出部本体121と、フランジ122と、を有している。各突出部本体121の内側端は、筒状部11の外表面と接続されている。各突出部本体121は、筒状に形成されている。各突出部本体121内の空間は、筒状部11内の空間と連通している。
【0026】
突出部本体121の形状は特に限定されるものではない。突出部本体121は、円筒状であってもよいし、多角筒状であってもよい。
図3Aの例では、突出部本体121は、全長に亘って径が一定の筒状となっているが、これに限定されるものではない。例えば、突出部本体121は、内側端から外側端に向かって径が小さく又は大きくなるテーパー状の筒であってもよい。
【0027】
フランジ122は、突出部本体121の外側端部に接続され、突出部本体121の径方向外側に突出している。フランジ122は、突出部本体121の周囲を取り囲むように設けられている。各フランジ122上には、後述するステータコア3a〜3fの各ヨーク部31が配置される。
【0028】
(巻線)
図4に示すように、ボビン1の突出部12a〜12fには、巻線2a〜2fが巻回される。より具体的には、突出部12a〜12fの各突出部本体121(
図3A)には、巻線2a〜2fが巻回されている。突出部12a〜12fの各フランジ122には、巻線2a〜2fは形成されない。各巻線2a〜2fは、突出部12a〜12fの各突出部本体121に集中巻形式で巻回される。
【0029】
巻線2aは、渡り線41によって巻線2dと接続されている。巻線2bは、渡り線42によって巻線2eと接続されている。巻線2cは、渡り線43によって巻線2fと接続されている。巻線2a〜2fは、それぞれ、突出部12a〜12fの内側端部において、渡り線41〜43に接続されている。
【0030】
各渡り線41〜43は、筒状部11に沿って配置されている。すなわち、各渡り線41〜43は、ボビン1の径方向内側端部に配置されている。よって、渡り線41〜43は、それぞれ、巻線2aと巻線2d、巻線2bと巻線2e、及び巻線2cと巻線2fとを実質的に最短距離で接続する。
【0031】
巻線2a、渡り線41、及び巻線2dは1本の電線で形成される。同様に、巻線2b、渡り線42、及び巻線2eも1本の電線で形成される。さらに、巻線2c、渡り線43、及び巻線2fも1本の電線で形成される。巻線2a〜2f及び渡り線41〜43の形成に使用される電線は、特に限定されるものではない。例えば、市販のマグネットワイヤ等から適当なものを選択し、電線として使用することができる。
【0032】
(ステータコア)
図5に示すように、ステータコア3a〜3fは、それぞれ、ヨーク部31と、ステータティース部32と、を有している。
【0033】
図2及び
図5に示すように、各ステータコア3a〜3fのヨーク部31は、ボビン1の周囲に配置される。各ステータコア3a〜3fは、隣接するヨーク部31同士が接触しないように配置される。すなわち、隣り合うヨーク部31間には隙間が形成されている。例えば、ヨーク部31間の隙間の大きさは、ステータ10の内側に配置されるロータと、ステータ10とのエアギャップ以下であることが好ましい。また、ヨーク部31間の隙間の大きさは、非磁性且つ非導電性材料によって各ステータコア3a〜3fと各巻線2a〜2fとを固着することが可能な大きさ以上とされることが好ましい。例えば、ヨーク部31間の隙間の大きさは、非磁性且つ非導電性材料として接着フィルムを使用する場合、接着フィルムの厚さ以上であることが好ましく、非磁性且つ非導電性材料として絶縁ワニスを使用する場合、各巻線2a〜2fに含浸される絶縁ワニスが当該隙間に固着することができるような大きさ以上であることが好ましい。
【0034】
図5に示すように、ステータティース部32は、ヨーク部31から内側に突出している。ステータコア3a〜3fのステータティース部32は、それぞれ、突出部12a〜12fの各突出部本体121(
図3A)内に挿入されている。
【0035】
ステータコア3a〜3fは、それぞれ、平面視で略T字形状の複数の電磁鋼板Pによって構成される。各ステータコア3a〜3fにおいて、複数の電磁鋼板Pは絶縁層を介して積層されている。本実施形態において、各電磁鋼板Pは貫通孔Hを有している。複数の電磁鋼板Pを積層した状態で貫通孔Hにボルト(図示略)を挿入し、複数の電磁鋼板Pを互いに締結することにより、各ステータコア3a〜3fが形成される。
【0036】
[ステータの製造方法]
次に、上述のように構成されるステータ10の製造方法の一例について説明する。
【0037】
まず、
図3Aに示すボビン1を準備する。そして、突出部12a〜12fの各突出部本体121に対し、ボビン1の径方向外側から電線を巻きつける。このとき、公知の自動巻線機によって、突出部12a〜12fの各突出部本体121に電線を巻くことができる。
【0038】
例えば、突出部12aの突出部本体121に電線を巻く場合、突出部12aの突出部本体121に対し、ボビン1の径方向外側から自動巻線機の先端ノズルを接近させる。そして、自動巻線機により、突出部12aの外側端部から内側端部に向かって突出部本体121に所定量の電線を巻いていく。これにより、巻線2aが形成される。巻線2aでは、電線の巻き始め側端部が突出部12a(突出部本体121)の外側端部に配置され、電線の巻き終わり側端部が突出部12a(突出部本体121)の内側端部に配置される。
【0039】
次に、筒状部11に沿うように電線を延ばしながらボビン1を中心軸周りに約180°回転させ、突出部12dの突出部本体121を自動巻線機の先端ノズルに近づける。そして、突出部12dの突出部本体121に対し、自動巻線機によって所定量の電線を巻きつける。突出部12dでは、その内側端部から外側端部に向かって突出部本体121に電線を巻き、巻線2dを形成する。すなわち、巻線2dでは、電線の巻き始め側端部が突出部12d(突出部本体121)の内側端部に配置され、電線の巻き終わり側端部が突出部12d(突出部本体121)外側端部に配置されることとなる。
【0040】
これにより、渡り線41によって接続された巻線2a,2dが形成される。巻線2a,2dと同様の方法で、巻線2b,2e及び巻線2c,2fも形成する。なお、巻線2a〜2fを形成する順序は特に限定されず、例えば、複数の巻線を同時に形成することもできる。
【0041】
全ての巻線2a〜2fを形成した後(
図4)、ボビン1に各ステータコア3a〜3fを取り付ける(
図5)。具体的には、突出部12a〜12fの各突出部本体121に、ステータコア3a〜3fの各ステータティース部32を挿入する。突出部12a〜12fの各フランジ122には、ステータコア3a〜3fの各ヨーク部31が当接する。このようにして、
図1に示すステータ10が製造される。
【0042】
[モータの構成]
次に、ステータ10をSRモータに適用した例について説明する。
【0043】
図6Aに示すモータ100Aは、3相2極6スロットのSRモータである。モータ100Aは、ステータ10と、ロータ20Aと、を備える。ロータ20Aは、ステータ10内に配置されている。より詳細には、ロータ20Aは、ボビン1の筒状部11内に配置される。モータ100Aの駆動時において、ロータ20Aは回転軸30A周りに回転する。
【0044】
ロータ20Aは磁性材料で形成されている。ロータ20Aは、略円柱状のロータ本体部21Aと、2つのロータティース部221A,222Aと、を有する。ロータティース部221A,222Aは、それぞれ、ロータ本体部21Aの径方向外側に突出している。ロータティース部221Aは、ロータティース部222Aと逆方向に突出している。
【0045】
ロータ20Aには、スキューが施されていることが好ましい。これにより、各ロータティース部221A,222Aは、ロータ本体部21Aの周方向における位置をずらしながら、ロータ本体21Aの中心軸方向一方端部から他方端部まで延びるよう形成される。2極6スロットのSRモータは、4極6スロットのSRモータと比較して励磁周波数を小さくすることができる一方で、ロータティース部の幅の拡大等に起因して、トルクが発生しないタイミングが生じる可能性がある。しかしながら、このようにロータ20Aにスキューを施すことにより、モータ100Aの駆動時において、トルクが発生しないタイミングが生じるのを抑制することができる。
【0046】
図6Bに示すモータ100Bは、3相4極6スロットのSRモータである。モータ100Bは、ステータ10と、ロータ20Bと、を備える。モータ100Bにおいても、ステータ10の筒状部11内にはロータ20Bが配置される。モータ100Bの駆動時において、ロータ20Bは回転軸30B周りに回転する。
【0047】
ロータ20Bも、ロータ20Aと同様に磁性材料で形成されている。ロータ20Bは、略円筒状のロータ本体部21Bと、ロータ本体部21Bの径方向外側に突出する4つのロータティース部221B〜224Bと、を有する。ロータティース部221B〜224Bは、ロータ本体部21Bの周方向において等間隔に配置されている。
【0048】
なお、ステータ10は、2極又は4極以外のSRモータにも適用可能である。すなわち、ステータ10が適用されるSRモータの極数(ロータティース部の数)は、4以上であってもよい。
【0049】
本実施形態では、ステータ10をSRモータに適用した例を説明したが、上述したように、ステータ10は、SRモータ以外のモータにも適用することができる。ステータ10をSRモータ以外のモータに適用する場合も、ボビン1の筒状部11内にはロータが配置される。ステータ10を含むモータは、例えば、自動車や航空機等のエンジンシステムに使用される電動ターボ又は電動チャージャに適用することができる。特に、上述のモータ100A,100BのようなSRモータは、高温等の厳しい環境に対する耐性が高いため、電動ターボ又は電動チャージャに適している。
【0050】
[実施形態の効果]
上記実施形態に係るステータ10のボビン1では、各突出部12a〜12fの内側端部全体が筒状部11によって支持されている。このため、各突出部12a〜12fが筒状部11の径方向に撓むことがなく、ステータ10の内周面の真円度を確実に確保することができる。このようなステータ10をインナーロータ型モータに適用すれば、ステータ10とロータとのギャップを均一にすることができる。その結果、ギャップに基づく磁気抵抗が均一になるため、電磁振動を低減させ、モータ特性を確保することができる。
【0051】
上記実施形態に係るステータ10のボビン1では、筒状部11が中心軸方向に延びている。これにより、ロータの回転で生じる風が筒状部11から漏れるのを抑制することができるため、ステータ10が適用されるモータ全体として、風量を低減することができる。結果として、風損及び風切音も低減することができる。
【0052】
上記実施形態に係るステータ10のボビン1は、各突出部12a〜12fが筒状部11の径方向外側に突出している。このため、各突出部12a〜12fの外側から自動巻線機によって突出部本体121に電線を巻きつけることができる。すなわち、隣接する巻線間において自動巻線機の作業エリアを確保する必要がないため、巻線占積率を向上させることができる。
【0053】
上記実施形態に係るステータ10において、各渡り線41〜43は、筒状部11に沿うように配置されている。すなわち、各渡り線41〜43は、ボビン1の径方向内側端部に配置されている。このため、各渡り線41〜43の長さは、ボビン1の径方向外側端部近傍に配置された場合と比較して短くなる。この結果、巻線抵抗が低減するため、銅損低減及びモータ効率向上を図ることができる。
【0054】
上記実施形態に係るステータ10では、巻線2a,2dは、それぞれ、突出部12a,12fの内側端部において渡り線41と接続されている。巻線2b,2eは、それぞれ、突出部12b,12eの内側端部において渡り線42と接続されている。巻線2c,2fは、それぞれ、突出部12c,12fの内側端部において渡り線43と接続されている。このため、巻線2a〜2f及び渡り線41〜43に使用される電線の量をさらに節約することができる。これにより、巻線抵抗及び銅損をより低減させることができる。
【0055】
上記実施形態に係るステータ10において、各ステータコア3a〜3fは、絶縁層を介して積層された複数の電磁鋼板Pを有している。また、各ステータコア3a〜3fは、隣接するステータコアとヨーク部31同士が接触しないように配置される。この構成によれば、隣り合うヨーク部31同士の接触により、各ステータコア3a〜3bにおいて層間短絡が生じるのを防止することができる。
【0056】
上記実施形態に係るステータ10では、筒状部11が多角筒状(正六角筒状)に形成されている。突出部12a〜12fは、筒状部11の各側面に形成されている。このような構成によれば、筒状部11の角を目安に各突出部12a〜12fに電線を巻くことができ、巻線12a〜12fを形成する作業をより簡易に行うことができる。
【0057】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
【0058】
上記実施形態では、複数の電磁鋼板Pはボルトによって固定されていたが、電磁鋼板の固定方法は特に限定されるものではない。例えば、
図7に示すように、ステータコア3Aa〜3Afの外周部分にリング部材5を装着することができる。この構成によれば、リング部材5により、ステータコア3Aa〜3Afの外周部分がステータ10Aの中心軸方向内側に押圧されるため、各ステータコア3Aa〜3Afを構成する複数の電磁鋼板を固定することができる。
【0059】
また、ステータコアの形態も適宜変更することができる。例えば
図8に示すように、ステータコア3Bにおいて、ステータティース部32Bの先端部を幅方向内側に折曲可能に構成することができる。この構成によれば、先端部を幅方向内側に折り曲げた状態でステータティース部32Bをボビンの突出部12Bに挿入し、その後、ステータティース部32Bの先端部を幅方向外側に広げることができる。ステータティース部32Bの先端部は、幅方向外側に広げた状態で突出部12B内を通過しない大きさに形成される。
【0060】
また、例えば
図9に示すように、ボビンの突出部12Cに挿入されたステータティース部32Cの先端部に、先端部材6を取り付けることもできる。先端部材6は、突出部12C内を通過しない大きさに形成される。先端部材6は、ステータコア3Cと同様、絶縁層を介して積層された複数の電磁鋼板によって構成される。