【解決手段】SRモータ10は、ステータコア1と、巻線2Ua,2Va,2Wa,2Ub,2Vb,2Wbと、ロータ3と、を備える。ステータコア1は、ロータ3の周囲に配置されるヨーク11と、ヨーク11から内側に突出するステータティース12Ua,12Va,12Wa,12Ub,12Vb,12Wbと、を含む。ロータ3は、ロータ本体31と、ロータ本体31と一体的に形成されたロータティース32a,32bと、を有する。ロータ3にはスキューが施されている。ロータ本体31及びロータティース32a,32bは磁性材料で形成されている。一方のロータティース32aが1つのステータティースと対向した場合、他方のロータティース32bは他の1つのステータティースと対向する。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。以下の説明において、同一又は相当する構成については、同一符号を付し、同じ説明を繰り返さない。
【0015】
<モータの構成>
図1に示すように、本実施形態に係るスイッチトリラクタンスモータ(SRモータ)10は、ステータコア1と、巻線群2と、ロータ3と、を備える。
【0016】
[ステータコア]
図1に示すように、ステータコア1は、ヨーク11と、6つのステータティース12Ua,12Va,12Wa,12Ub,12Vb,12Wbと、を備える。なお、説明の便宜上、以下では、ステータティース12Ua,12Va,12Wa,12Ub,12Vb,12Wbを区別せず、単にステータティース12と称する場合がある。
【0017】
ヨーク11は、ロータ3の周囲に配置されている。本実施形態では、ヨーク11は筒状に形成されている。ただし、ヨーク11は、複数の部材から構成されていてもよい。例えば、ヨーク11は、1以上のステータティース12ごとに分割されていてもよい。
【0018】
6つのステータティース12は、ヨーク11から内側に突出している。より具体的には、ステータティース12Ua,12Va,12Wa,12Ub,12Vb,12Wbは、ヨーク11の周方向に沿って、この順序で等間隔に並べられている。各ステータティース12の幅Wsは、ステータティース12間の間隔dsよりも大きい。なお、幅Ws及び間隔dsは、それぞれ、ステータコア1の内側端における各ステータティース12の幅方向の寸法及びステータティース12間の間隔である。各ステータティース12には、絶縁材料で形成されたボビン(図示略)が装着される。
【0019】
ステータコア1は、例えば、複数の電磁鋼板(図示略)を中心軸方向に積層し、これらの電磁鋼板を互いに固定することによって形成することができる。各電磁鋼板の間には絶縁層が設けられる。電磁鋼板の形状は特に限定されるものではない。各電磁鋼板は、各ステータティース12に対応する部分ごとに分割されたものであってもよいし、そのような分割はせず、ステータ本体11に相当する部分及び6つのステータティース12に相当する部分全てを一体形成したものであってもよい。
【0020】
[巻線]
図1に示すように、巻線群2は、巻線2Ua,2Va,2Wa,2Ub,2Vb,2Wbを含む。巻線群2は、巻線同士を接続するための渡り線(図示略)も含んでいる。巻線群2は、公知のマグネットワイヤ等の電線で形成される。
【0021】
巻線2Ua,2Va,2Wa,2Ub,2Vb,2Wbは、集中巻形式で形成されている。巻線2Ua,2Va,2Wa,2Ub,2Vb,2Wbは、それぞれ、ステータコア1のステータティース12Ua,12Va,12Wa,12Ub,12Vb,12Wbに巻回される。巻線2Ua,2Va,2Wa,2Ub,2Vb,2Wbは、それぞれ、上述のボビン(図示略)によってステータティース12Ua,12Va,12Wa,12Ub,12Vb,12Wbと絶縁される。
【0022】
巻線2Uaは、渡り線(図示略)によって巻線2Ubと接続される。巻線2Vaは、渡り線(図示略)によって巻線2Vbと接続されている。巻線2Waは、渡り線(図示略)によって巻線2Wbと接続されている。
【0023】
巻線2Ua及び巻線2Ubには、U相電流が供給される。巻線2Va及び巻線2Vbには、V相電流が供給される。巻線2Wa及び巻線2Wbには、W相電流が供給される。
【0024】
[ロータ]
図1に示すように、ロータ3は、ステータコア1の内側に配置されている。ロータ3は、ロータ本体31と、2つのロータティース32a,32bと、を備えている。
【0025】
ロータ本体31は、略円柱状に形成されている。
図2に示すように、ロータ本体31には、回転軸4(
図1)を挿入するための貫通孔33が形成されている。ロータ本体31は、回転軸4によって回転可能に支持される。
【0026】
図1及び
図2に示すように、ロータティース32a,32bは、ロータ本体31の径方向外側に突出している。ロータティース32aは、ロータティース32bと逆向きに突出する。したがって、各ロータティース32a,32bの幅Wrは、ロータティース32a,32b間の間隔drよりも小さくなっている。なお、幅Wrは、各ロータティース32a,32bの外側端における幅方向の寸法であり、間隔drは、ロータティース32aの内側端とロータティース32bの内側端との間における、ロータ本体31の周方向の長さである。
【0027】
各ロータティース32a,32bの幅方向の寸法Wr(
図2)は、各ステータティース12の幅方向Ws(
図1)と実質的に等しい。このため、ロータティース32aが1つのステータティース12に対向した場合、ロータティース32bは、他の1つのステータティース12に対向する。
【0028】
具体的には、ロータティース32aがステータティース12Uaに対向した場合、ロータティース32bはステータティース12Ubに対向する。同様に、ロータティース32aがステータティース12Vaに対向した場合、ロータティース32bはステータティース12Vbに対向し、ロータティース32aがステータティース12Waに対向した場合、ロータティース32bはステータティース12Wbに対向する。
【0029】
ロータ本体31及びロータティース32a,32bは、ともに磁性材料で形成されている。ロータ本体31及びロータティース32a,32bは、一体的に形成されている。
【0030】
なお、本実施形態における「一体的に形成」とは、ロータ本体31とロータティース32a,32bとが一体成形される構成だけでなく、ロータ本体31とロータティース32a,32bとが二次的に接合されて一体化される構成も含む概念である。例えば、磁性体であるロータ本体31と、ロータ本体31と同一又は異なる種類の磁性体であるロータティース32a,32bとをそれぞれ作製した後、これらを結合してもよいし、後述のように、複数の電磁鋼板を積層することによってロータ本体31とロータティース32a,32bとが一体化されたロータ3を形成することもできる。
【0031】
ロータ3には、スキューが施されている。これにより、各ロータティース32a,32bは、ロータ3の中心軸方向の一方端部から他方端部に向かって、ロータ3の周方向における位置がずれるように形成される。
【0032】
ロータ3におけるスキュー角は、特に限定されるものではないが、360°/スロット数以下であることが好ましい。また、ロータ3におけるスキュー角は、360°/スロット数/スロット数以上であることが好ましい。すなわち、6つのステータティース12を有するSRモータ10において、好ましいスキュー角の範囲は10°〜60°である。なお、ここでいうスキュー角とは、ロータ3の中心軸方向の一方面と多方面とにおける、ロータティース32aの突出方向の角度差をいう。
【0033】
ロータ3に施されるスキューの構成は、特に限定されるものではない。例えば、各ロータティース32a,32bの周方向の位置を滑らかに変化させるものであってもよいし、階段状に変化させるもの(段スキュー)であってもよい。
【0034】
段スキューが施されたロータの例を
図3Aに示す。
図3Aに示すように、ロータ3Aは、5つの電磁鋼板5Aを有している。各電磁鋼板5Aは、円板部51Aと、円板部51Aから径方向外側に突出する突出部52Aa,52Abと、を有する。各円板部51Aには、回転軸4を挿入するための貫通孔53Aが形成されている。
【0035】
5つの電磁鋼板5Aは、ロータ3Aの中心軸方向に沿って積層される。5つの電磁鋼板5Aは、中心軸方向の端部EA1から端部EA2に向かって、一方向(
図3Aでは反時計回り)に所定角度ずつ回転させられながら積層されている。これにより、5つの電磁鋼板5Aの突出部52Aa,52Abは、それぞれ、端部EA1から端部EA2に向かって周方向の位置が徐々にずれるように配置される。各突出部52Aa,52Abにより、ロータティース32Aa,32Abが構成される。ロータ本体31Aは、電磁鋼板5Aの各円板部51Aによって構成される。ロータ3Aにおけるスキュー角は60°である。
【0036】
段スキューが施されたロータの別の構成例を
図3Bに示す。
図3Bに示すように、ロータ3Bは、複数の電磁鋼板5Bを有している。ロータ3Bにおいても、
図3Aのロータ3Aと同様、各電磁鋼板5Bは、貫通孔53Bが形成された円板部51Bと、円板部51Bから径方向外側に突出する突出部52Ba,52Bbと、を有する。ただし、ロータ3Bは、ロータ3Aよりも多数の電磁鋼板5Bを有している。各電磁鋼板5Bの厚さは、ロータ3Aの各電磁鋼板5Aの厚さよりも小さい。
【0037】
電磁鋼板5Bも、ロータ3Bの中心軸方向の端部EB1から端部EB2に向かって、周方向の一方向(
図3Bでは反時計回り)に所定角度ずつ回転させられながら積層される。よって、各突出部52Ba,52Bbは、端部EB1から端部EB2に向かって周方向の位置が徐々にずれるように配置される。各突出部52Ba,52Bbは、ロータティース32Ba,32Bbを構成する。各円板部51Bは、ロータ本体31Bを構成している。
【0038】
隣接する2つの電磁鋼板5Bにおける中心軸周りの角度の差は、
図3Aに例示したものよりも小さい。このようにすることで、電磁鋼板5Bの厚さが小さいロータ3Bにおいても、スキュー角が60°になるよう調整されている。
【0039】
<モータの制御>
次に、上述のように構成されたSRモータ10の制御について、他のモータの制御と比較しながら説明する。
【0040】
図4は、一般的な3相4極6スロットのSRモータにおいて、各相の巻線で発生するインダクタンスLua,Lva,Lwa、電流Iua,Iva,Iwa、及び電圧Vua,Vva,Vwaの波形を例示した図である。
図5は、3相2極6スロットのSRモータにおいて、各相の巻線で発生するインダクタンスLub,Lvb,Lwb、電流Iub,Ivb,Iwb、及び電圧Vub,Vvb,Vwbの波形を例示した図である。ただし、
図5の波形に係るSRモータでは、ロータにスキューが施されていない。
図6は、本実施形態に係るSRモータ10において、巻線群2で発生するインダクタンスLu,Lv,Lw、電流Iu,Iv,Iw、及び電圧Vu,Vv,Vwの波形を例示した図である。
図4〜
図6では、ロータの回転角度(機械角)を横軸にとっている。
【0041】
[3相4極6スロットのSRモータ]
3相SRモータの駆動時には、ロータの回転角度に応じて、U相、V相、及びW相のいずれかの巻線が励磁される。
図4の例では、V相電圧Vva及びV相電流Ivaの波形は、U相電圧Vua及びU相電流Iuaの波形から回転角度30°だけ遅れている。W相電圧Vwa及びW相電流Iwaの波形は、V相電圧Vva及びV相電流Ivaから回転角度30°だけ遅れている。よって、モータ1回転に対し、U相電圧Vua及びU相電流Iua、V相電圧Vva及びV相電流Iva、並びにW相電圧Vwa及びW相電流Iwaは4周期ずつ現れる。
【0042】
図4におけるU相インダクタンスLua、V相インダクタンスLva、及びW相インダクタンスLwaは、回転角度30°ずつずれている。
図4では、どの回転角度においても、U相インダクタンスLua、V相インダクタンスLva、及びW相インダクタンスLwaの波形のうちのいずれか2つがオーバーラップするようになっている。このように各相インダクタンスLua,Lva,Lwaのうちの2つが同時に発生するとき、モータにおいてトルクが発生する。
【0043】
[3相2極6スロットのSRモータ]
(ロータにスキューが施されていない場合)
上述した通り、
図5の波形に係るSRモータのロータにはスキューが施されていない。
図5において、V相電圧Vvb及びV相電流Ivbの波形は、U相電圧Vub及びU相電流Iubの波形から回転角度60°だけ遅れて現れている。W相電圧Vwb及びW相電流Iwbの波形は、V相電圧Vvb及びV相電流Ivbから回転角度60°だけ遅れている。よって、モータ1回転に対し、U相電圧Vub及びU相電流Iub、V相電圧Vvb及びV相電流Ivb、並びにW相電圧Vwb及びW相電流Iwbの波形は2周期ずつ現れる。
【0044】
このように、2極6スロットのSRモータであれば、4極6スロットのSRモータよりも励磁周波数(各相における単位時間当たりのパルス数)が小さくなるため、特に高周波領域における鉄損を抑制することが可能となる。しかしながら、
図5の例では、U相インダクタンスLub、V相インダクタンスLvb、及びW相インダクタンスLwbのいずれもがオーバーラップしていない回転角度の範囲Rが存在する。この範囲Rでは、インダクタンスLub,Lvb,Lwbのうち1つしか発生していないため、トルクがゼロになってしまう。
【0045】
(ロータにスキューが施されている場合)
図1に示すように、本実施形態に係るSRモータ10では、ロータ3にスキューが施されている。これにより、SRモータ10におけるインダクタンスLu,Lv,Lw、電流Iu,Iv,Iw、及び電圧Vu,Vv,Vwは、
図6に示すような波形となる。
【0046】
図6に示すように、U相電圧Vu及びU相電流Iu、V相電圧Vv及びV相電流Iv、並びにW相電圧Vw及びW相電流Iw電流の波形は、スキューが施されていない2極6スロットのSRモータと同様、回転角度60°ずつずれている。すなわち、SRモータ10を1回転させるとき、U相電圧Vu及びU相電流Iu、V相電圧Vv及びV相電流Iv、並びにW相電圧Vw及びW相電流Iwの波形は2周期ずつ現れる。よって、SRモータ10においても、4極6スロットのSRモータよりも励磁周波数を小さくすることができる。
【0047】
図6に示す例では、ロータ3が所定の基準位置(回転角度0°の位置)から回転し始めるときには、巻線2Va,2Vb(
図1)にV相電圧Vv及びV相電流Ivが供給される。これにより、巻線2Va,2VbにおいてV相インダクタンスLvが発生する。ロータ3が回転角度60°の位置になると、巻線2Va,2Vbに対するV相電圧Vv及びV相電流Ivが停止され、巻線2Wa,2WbにW相電圧Vw及びW相電流Iwが供給される。これにより、巻線2Wa,2WbにおいてW相インダクタンスLwが発生する。また、ロータ3が回転角度120°の位置になると、巻線2Wa,2Wbに対するW相電圧Vw及びW相電流Iwが停止され、巻線2Ua,2UbにU相電圧Vu及びU相電流Iuが供給される。これにより、巻線2Ua,2UbにおいてU相インダクタンスLuが発生する。
【0048】
インダクタンスLu,Lv,Lwの各波形は、
図5に示すインダクタンスLub,Lvb,Lwbの各波形と比較して、横軸方向の幅が広くなっている。すなわち、より広い範囲の回転角度において、各インダクタンスLu,Lv,Lwが発生する。このため、
図6の例では、スキューが施されていない2極6スロットのSRモータ(
図5)と異なり、U相インダクタンスLu、V相インダクタンスLv、及びW相インダクタンスLwのうちの2つが範囲Rにおいてもオーバーラップする。このように本実施形態に係るSRモータ10では、ロータ3がどの位置にあっても、U相インダクタンスLu、V相インダクタンスLv、及びW相インダクタンスLwのうちの2つが同時に発生するため、トルクがゼロになることがない。
【0049】
[相互インダクタンス]
次に、本実施形態に係るSRモータ10の相互インダクタンスについて、ロータにスキューが施されていない2極6スロットのモータと比較しつつ説明する。
【0050】
図7は、ロータにスキューが施されていない2極6スロットのモータについて、相が異なる巻線間の相互インダクタンスの波形W1a,W1bを例示している。波形W1aは、波形W2aと異なる組み合わせの巻線間の相互インダクタンスを示す。
図7に示すように、相互インダクタンスの値は、ロータの回転角度(機械角)の変化に伴って変動する。各波形W1a,W2aには乱れが生じている。
【0051】
図8は、本実施形態に係るSRモータ10について、相が異なる巻線間の相互インダクタンスの波形W1,W2を例示している。波形W1は、波形W2と異なる組み合わせの巻線における相互インダクタンスを例示する。上述の通り、SRモータ10のロータ3には、スキューが施されている
【0052】
図8に示す例でも、相互インダクタンスは、ロータの回転角度(機械角)の変化に伴って変動している。しかしながら、
図8では、
図7に示す相互インダクタンスの各波形W1a,W2aと比較して、相互インダクタンスの各波形W1,W2が滑らかになっている。これにより、相互インダクタンスを用いてロータ3の回転角度を精度よく検出することができる。ロータ3の回転角度は、例えば、波形W1と波形W2との交点や、各波形W1,W2のピークに基づいて検出することができる。
【0053】
<実施形態の効果>
以上のように、本実施形態に係るSRモータ10では、ロータ本体31及びロータティース32a,32bがともに磁性材料で形成されている。また、ロータティース32aが1のステータティース12に対向した場合、ロータティース32bは、他のステータティース12に対向する。このため、モータの駆動時において、1のステータティース12から他のステータティース12に向かう磁力線は、ロータティース32a、ロータ本体31、及びロータティース32bを通過する。すなわち、ロータ本体31によって磁束の量が制限されることがない。このため、ロータ3において、大きな磁束量を確保することができ、磁気飽和の発生を防止することができる。
【0054】
本実施形態に係るSRモータ10では、ロータ本体31とロータティース32a,32bとが一体的に形成されている。この構成によれば、ロータティース32a,32bがロータ本体31から分離するのを防止することができ、SRモータ10を高速回転させることができる。
【0055】
本実施形態に係るSRモータ10は、上述した通り、高速回転させることが可能である。また、SRモータ10は、永久磁石を用いないため、高温下等の厳しい環境で使用することができる。よって、SRモータ10は、例えば、自動車や航空機等のエンジンシステムに使用される電動ターボ又は電動チャージャ等、高速回転及び/又は厳しい環境に対する耐性が要求される機器に適用することができる。
【0056】
本実施形態に係るSRモータ10は、3相2極6スロットのモータであるため、4極6スロットのSRモータよりも励磁周波数を小さくし、特に高周波領域における鉄損を低減させることができる。また、SRモータ10は、2極6スロットであるものの、ロータ3にスキューが施されているため、上述の通り、トルクが全く発生しないタイミングが生じるのを防止することができる。
【0057】
また、ロータ3にスキューが施されていることにより、相互インダクタンスの波形の乱れを防止することもできる。このため、相互インダクタンスに基づくロータ3の位置の検出を精度よく行うことができる。
【0058】
本実施形態に係るSRモータ10では、ロータ3にスキューが施されていたが、ロータ3ではなく、ステータコア1にスキューを施すこともできる。すなわち、各ステータティース12は、ステータコア1の中心軸方向の一方端部から他方端部に向かって、周方向における位置がずれるように形成されていてもよい。このような構成であっても、SRモータ10において、トルクが発生しないタイミングが生じるのを防止することができる。ステータコア1に施されるスキューの構成は、特に限定されるものではない。例えば、各ステータティース12の周方向の位置を滑らかに変化させるものであってもよいし、階段状に変化させるもの(段スキュー)であってもよい。ステータコア1にスキューを施す場合も、スキュー角は、360°/スロット数/スロット数以上であることが好ましく、360°/スロット数以下であることが好ましい。ステータコア1のスキュー角とは、ステータコア1の中心軸方向の一方面と多方面とにおける、各ステータティース12の突出方向の角度の差をいう。
【0059】
本実施形態に係るSRモータ10では、巻線2Ua,2Va,2Wa,2Ub,2Vb,2Wbが集中巻形式で形成されている。このため、巻線2Ua,2Va,2Wa,2Ub,2Vb,2Wbの厚みを小さくし、トルクの発生に寄与しないコイルエンドを分布巻形式の場合よりも小さくすることができる。