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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-163191(P2015-163191A)
(43)【公開日】2015年9月10日
(54)【発明の名称】カテーテル用クリップ
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/082 20060101AFI20150814BHJP
   A61M 25/02 20060101ALI20150814BHJP
   F16B 2/20 20060101ALI20150814BHJP
【FI】
   A61M25/082 500
   A61M25/02
   F16B2/20 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-19971(P2015-19971)
(22)【出願日】2015年2月4日
(31)【優先権主張番号】61/935,932
(32)【優先日】2014年2月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/597,382
(32)【優先日】2015年1月15日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ヨアヴ・リキテンスタイン
(72)【発明者】
【氏名】ロイ・ウルマン
【テーマコード(参考)】
3J022
4C167
【Fターム(参考)】
3J022DA11
3J022EA02
3J022FB04
3J022FB12
3J022HA02
3J022HA05
3J022HB04
4C167AA32
4C167BB51
4C167CC29
(57)【要約】      (修正有)
【課題】カテーテルを握るための装置を提供する。
【解決手段】装置10は、第1外側部20と第1径方向通路とを有する第1顎状構造体12を有する。また第1外側部に対向する第2外側部20Aと第2径方向通路とを有する第2顎状構造体14を有する。また、第1顎状構造体及び第2顎状構造体を結合する弾力性のあるジョイント16を有する。第1外側部を第2外側部に向かって手で圧縮することにより、ジョイントは第1顎状構造体と第2顎状構造体との間の相対回転を引き起こし、カテーテルを挿入することができるように、第1径方向通路及び第2径方向通路を互いに整列させる。また、手による圧縮を緩めることにより、第1径方向通路及び第2径方向通路が互いに整列していないように、且つカテーテルが互いに整列した第1中心軸線79及び第2中心軸線77に沿って装置を通過し、装置により掴まれるように、第1顎状構造体と第2顎状構造体とを回転させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルを握るための装置であって、
前記装置の第1外側部上に第1グリップ面を有する第1顎状構造体であって、前記第1顎状構造体の第1中心軸線と前記装置の外側表面上の第1出口点との間に前記第1顎状構造体を通って延びる、第1径方向通路を包含する、第1顎状構造体と、
前記装置の、前記第1外側部と対向する第2外側部上に第2グリップ面を有する第2顎状構造体であって、前記第2顎状構造体の第2中心軸線と前記装置の前記外側表面上の第2出口点との間に前記第2顎状構造体を通って延びる、第2径方向通路を包含する、第2顎状構造体と、
前記第1顎状構造体及び前記第2顎状構造体を結合する弾力性のあるジョイントであって、前記第1外側部を前記第2外側部に向けて手により圧縮することにより、前記第1径方向通路及び前記第2径方向通路を通じて前記第1中心軸線及び前記第2中心軸線に前記カテーテルが挿入され得るように、前記第1径方向通路及び前記第2径方向通路、並びに前記第1出口点及び前記第2出口点を互いに整列させるような、前記第1顎状構造体と前記第2顎状構造体との間の相対回転を引き起こし、前記手で圧縮することを緩めることにより、前記第1中心軸線及び前記第2中心軸線は互いに整列している一方で、前記第1径方向通路及び前記第2径方向通路がもう互いに整列していないように、且つ、前記カテーテルが、互いに整列した前記第1中心軸線及び前記第2中心軸線に沿って前記装置を通過し、前記装置により掴まれるように、前記第1顎状構造体と前記第2顎状構造体とを回転させる、弾力性のあるジョイントと、を備える装置。
【請求項2】
前記第1顎状構造体は、第1複数の第1顎状構造体板を含み、前記第2顎状構造体は、前記第1顎状構造体板と相互に綴り込まれる第2複数の第2顎状構造体板を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1顎状構造体及び前記第2顎状構造体は同じ幾何学的形状を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1グリップ面は隆起及び窪みの第1セットを有し、且つ前記第2グリップ面は隆起及び窪みの第2セットを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記手による圧縮が緩められると、前記第1セット及び前記第2セットは、前記第1出口点及び前記第2出口点近くの領域で整列する、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第1顎状構造体、前記第2顎状構造体、及び前記顎状構造体を結合する前記弾力性のあるジョイントはカテーテル用グリップを形成し、前記装置が、前記カテーテル用グリップを受容するように構成される受け台をさらに備える、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記受け台は、前記受け台内の適所に前記カテーテル用グリップを固定するように前記窪みに係合するように構成される歯止めを有する、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記手による圧縮を緩めることで、前記装置に、互いに整列した前記第1中心軸線及び前記第2中心軸線に対応する対称軸を有する開口部を形成させ、且つ前記開口部は、前記カテーテルを掴むように構成される直径を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記カテーテルはカテーテル直径を有し、且つ前記手による圧縮を緩めることで、前記第1外側部及び前記第2外側部に、前記カテーテル直径の少なくとも15倍大きい直径を有する湾曲した表面を形成させる、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
カテーテルを掴むための方法であって、
第1顎状構造体を提供することであって、前記第1顎状構造体は、前記第1顎状構造体の第1外側部上に第1グリップ面を有し、該第1顎状構造体の第1中心軸線と前記第1顎状構造体の外側表面上の第1出口点との間に前記第1顎状構造体を通って延びる、第1径方向通路を包含する、ことと、
第2顎状構造体を提供することであって、前記第2顎状構造体は、前記第2顎状構造体の、前記第1外側部と対向する第2外側部上に第2グリップ面を有し、前記第2顎状構造体の第2中心軸線と前記第2顎状構造体の外側表面上の第2出口点との間に前記第2顎状構造体を通って延びる、第2径方向通路を包含する、ことと、
前記第1外側部を前記第2外側部に向けて手により圧縮することにより、前記第1径方向通路及び前記第2径方向通路を通じて前記第1中心軸線及び前記第2中心軸線に前記カテーテルが挿入され得るように、前記第1径方向通路及び前記第2径方向通路、並びに前記第1出口点及び前記第2出口点を互いに整列させるような、前記第1顎状構造体と前記第2顎状構造体との間の相対回転を引き起こし、前記手で圧縮することを緩めることにより、前記第1中心軸線及び前記第2中心軸線は互いに整列している一方で、前記第1径方向通路及び前記第2径方向通路がもう互いに整列していないように、且つ、前記カテーテルが、互いに整列した前記第1中心軸線及び前記第2中心軸線に沿って前記第1顎状構造体及び前記第2顎状構造体を通過し、前記第1顎状構造体及び前記第2顎状構造体により掴まれるように、前記第1顎状構造体と前記第2顎状構造体とを回転させるように、弾力性のあるジョイントで前記第1顎状構造体及び前記第2顎状構造体を結合することと、を含む方法。
【請求項11】
前記第1顎状構造体は、第1複数の第1顎状構造体板を含み、前記第2顎状構造体は、前記第1顎状構造体板と相互に綴り込まれる第2複数の第2顎状構造体板を含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1顎状構造体及び前記第2顎状構造体は同じ幾何学的形状を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記第1グリップ面は隆起及び窪みの第1セットを有し、且つ前記第2グリップ面は隆起及び窪みの第2セットを有する、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記手による圧縮が緩められると、前記第1セット及び前記第2セットは、前記第1出口点及び前記第2出口点近くの領域で整列する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1顎状構造体、前記第2顎状構造体、及び前記顎状構造体を結合する前記弾力性のあるジョイントはカテーテル用グリップを形成し、前記方法が、前記カテーテル用グリップを受容するように構成される受け台を提供することをさらに備える、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記受け台は、前記受け台内の適所に前記カテーテル用グリップを固定するように前記窪みに係合するように構成される歯止めを有する、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記手による圧縮を緩めることで、前記装置に、互いに整列した前記第1中心軸線及び前記第2中心軸線に対応する対称軸を有する開口部を形成させ、且つ前記開口部は、前記カテーテルを掴むように構成される直径を有する、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記カテーテルはカテーテル直径を有し、且つ前記手による圧縮を緩めることで、前記第1外側部及び前記第2外側部に、前記カテーテル直径の少なくとも15倍大きい直径を有する湾曲した表面を形成させる、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許仮出願第61/935,932号(2014年2月5日出願)の利益を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は一般的にはカテーテルに関し、特に、カテーテルが患者に挿入されている間に、カテーテルを回転させたり並進させたりするのを容易にすることに関する。
【背景技術】
【0003】
カテーテルが挿入される患者に与える外傷を減らすためには、カテーテルが可能な限り小さい直径を有していることが有利である。そのようなカテーテルは、当該カテーテルを操作する医師にとって、操作するのが難しいという場合がある。
【0004】
上記のような直径の小さいものなどのカテーテルを操作するためのさまざまな方法が、当該分野においては周知である。例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれるスラーザス(Slazas)らによる米国特許出願第2005/0096688号には、カテーテルシャフトの一部分を包囲する可撓性のある管である、カテーテルシャフト用グリッパーが記載されている。医師はグリッパーを、カテーテルシャフト上の選択された位置に動かすことができ、続いて、グリッパーの外側表面を絞ることができるが、そうすると、グリッパーはカテーテルシャフトの周囲で弾力的につぶれることになる。グリッパーが絞られると、グリッパーの内側表面はカテーテルシャフトに接触し、カテーテルシャフトを回転させる力又は長手方向に押したり引いたりする力を含む、医師がグリッパーの外側にかける力を伝えることができるようになる。
【0005】
参照により本特許出願に組み込まれる文書は、いずれかの用語が、それらの組み込まれた文書内で、本明細書で明示的又は暗示的に行なわれる定義と相反するように定義される場合を除き、本出願の一体部分と見なされるべきであり、本明細書における定義のみが考慮されるべきである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の1つの実施形態は、カテーテルを握るための装置を提供するが、当該装置は、
前記装置の第1外側部上に第1グリップ面を有する第1顎状構造体であって、前記第1顎状構造体の第1中心軸線と前記装置の外側表面上の第1出口点との間に前記第1顎状構造体を通って延びる、第1径方向通路を包含する、第1顎状構造体と、
前記装置の、前記第1外側部と対向する第2外側部上に第2グリップ面を有する第2顎状構造体であって、前記第2顎状構造体の第2中心軸線と前記装置の前記外側表面上の第2出口点との間に前記第2顎状構造体を通って延びる、第2径方向通路を包含する、第2顎状構造体と、
前記第1顎状構造体及び前記第2顎状構造体を結合する弾力性のあるジョイントであって、前記第1外側部を前記第2外側部に向けて手により圧縮することにより、前記第1径方向通路及び前記第2径方向通路を通じて前記第1中心軸線及び前記第2中心軸線に前記カテーテルが挿入され得るように、前記第1径方向通路及び前記第2径方向通路、並びに前記第1出口点及び前記第2出口点を互いに整列させるような、前記第1顎状構造体と前記第2顎状構造体との間の相対回転を引き起こし、前記手で圧縮することを緩めることにより、前記第1中心軸線及び前記第2中心軸線は互いに整列している一方で、前記第1径方向通路及び前記第2径方向通路がもう互いに整列していないように、且つ、前記カテーテルが、互いに整列した前記第1中心軸線及び前記第2中心軸線に沿って前記装置を通過し、前記装置により掴まれるように、前記第1顎状構造体と前記第2顎状構造体とを回転させる、弾力性のあるジョイントと、を備える。
【0007】
通常、前記第1顎状構造体は、第1複数の第1顎状構造体板を含み、前記第2顎状構造体は、前記第1顎状構造体板と相互に綴り込まれる第2複数の第2顎状構造体板を含む。
【0008】
開示される1つの実施形態においては、前記第1顎状構造体及び前記第2顎状構造体は、同じ幾何学的形状を有する。
【0009】
開示される更なる1つの実施形態においては、前記第1グリップ面は隆起及び窪みの第1セットを有し、且つ前記第2グリップ面は隆起及び窪みの第2セットを有する。通常、前記手による圧縮が緩められると、前記第1セット及び前記第2セットは、前記第1出口点及び前記第2出口点近くの領域で整列する。
【0010】
前記第1顎状構造体、前記第2顎状構造体、及び前記顎状構造体を結合する前記弾力性のあるジョイントはカテーテル用グリップを形成してよく、前記装置が、前記カテーテル用グリップを受容するように構成される受け台をさらに備えていてよい。通常、前記受け台は、前記受け台内の適所に前記カテーテル用グリップを固定するように前記窪みに係合するように構成される歯止めを有する。
【0011】
更に他の実施形態においては、前記手による圧縮を緩めることで、前記装置に、互いに整列した前記第1中心軸線及び前記第2中心軸線に対応する対称軸を有する開口部を形成させ、且つ前記開口部は、前記カテーテルを掴むように構成される直径を有する。
【0012】
代替的な1つの実施形態においては、前記カテーテルはカテーテル直径を有し、且つ前記手による圧縮を緩めることで、前記第1外側部及び前記第2外側部に、前記カテーテル直径の少なくとも15倍大きい直径を有する湾曲した表面を形成させる。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、カテーテルを掴む方法が更に提供され、当該方法は、
第1顎状構造体を提供することであって、前記第1顎状構造体は、前記第1顎状構造体の第1外側部上に第1グリップ面を有し、該第1顎状構造体の第1中心軸線と前記第1顎状構造体の外側表面上の第1出口点との間に前記第1顎状構造体を通って延びる、第1径方向通路を包含する、ことと、
第2顎状構造体を提供することであって、前記第2顎状構造体は、前記第2顎状構造体の、前記第1外側部と対向するその第2外側部上に、第2グリップ面を有し、前記第2顎状構造体の第2中心軸線と前記第2顎状構造体の外側表面上の第2出口点との間に前記第2顎状構造体を通って延びる、第2径方向通路を包含する、ことと、
前記第1外側部を前記第2外側部に向けて手により圧縮することにより、前記第1径方向通路及び前記第2径方向通路を通じて前記第1中心軸線及び前記第2中心軸線に前記カテーテルが挿入され得るように、前記第1径方向通路及び前記第2径方向通路、並びに前記第1出口点及び前記第2出口点を互いに整列させるような、前記第1顎状構造体と前記第2顎状構造体との間の相対回転を引き起こし、前記手で圧縮することを緩めることにより、前記第1中心軸線及び前記第2中心軸線は互いに整列している一方で、前記第1径方向通路及び前記第2径方向通路がもう互いに整列していないように、且つ、前記カテーテルが、互いに整列した前記第1中心軸線及び前記第2中心軸線に沿って前記第1顎状構造体及び前記第2顎状構造体を通過し、前記第1顎状構造体及び前記第2顎状構造体により掴まれるように、前記第1顎状構造体と前記第2顎状構造体とを回転させるように、弾力性のあるジョイントで前記第1顎状構造体及び前記第2顎状構造体を結合することと、を含む。
【0014】
以下の実施形態の詳細な説明を、以下の図面と併せ読むことによって、本開示のより深い理解が得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の1つの実施形態に係る、カテーテル装置の模式的分解図である。
図2】本発明の1つの実施形態に係る、開いた状態の組み立てられた装置の模式図である。
図3】本発明の1つの実施形態に係る、開いた状態の組み立てられた装置の他の模式図である。
図4】本発明の1つの実施形態に係る、閉じた状態のカテーテル装置の模式図である。
図5】本発明の1つの実施形態に係る、閉じた状態のカテーテル装置の他の模式図である。
図6A】本発明の諸実施形態に係る、開いた状態のグリップの模式図である。
図6B】本発明の諸実施形態に係る、開いた状態のグリップの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(概論)
患者に与える外傷を減らすためには、医療処置の間患者に挿入されているカテーテルが可能な限り小さい直径を有していることが有利である。しかしながら、そのようなカテーテルの小さな直径は、通常ほぼ1m位になるその長さと相俟って、当該カテーテルが本質的に可撓性を有したものであることを要する。可撓性を有することは、例えば、当該カテーテルが直線状ではない管腔に挿入できるようになる等、有利な面もあるが、小さい直径で、比較的長いカテーテルを操作することは通常難しい。
【0017】
本発明の諸実施形態は、カテーテルを操作する医師に、カテーテルを掴み、大きな機械的利益を有する装置を提供することで、医師が容易にカテーテルを操作できるようにするものである。開示される実施形態の1つは、カテーテル用グリップとして1対の顎状構造体を用いるが、当該1対の顎状構造体は通常、多くの隆起を有し、交互に綴じこまれた顎状構造体が、ばねのような、弾力性のあるジョイントによって結合されたものである。当該顎状構造体を手で圧縮すると、顎状構造体内に設けた通路が整列し、カテーテルを顎状構造体の中央領域に挿入できるようになる。グリップのばねが「レスト」状態に戻るように圧縮している手を緩めると、本明細書ではグリップが圧縮されていない状態とも呼ぶ、グリップが弛緩した状態になり、そのような状態ではグリップはカテーテルを自動的に握るように構成されている。
【0018】
グリップの外径は、カテーテルの小さな直径と比べてかなり大きくなっているので、医師には、両直径の比に相当する機械的利益をもたらす。その結果、グリップが弛緩した状態では、医師がカテーテルを保持するために、事実上力を全く必要としないだけでなく、弛緩した状態のグリップは、医師がそれを容易に握るのが可能であり、医師がカテーテルを回転させること、及び/又は並進させることがほんのわずかな力で可能となる。
【0019】
グリップが弛緩した状態では、グリップは、自立式受け台に挿入することが可能で、医師はグリップ又はカテーテルを保持している必要がなくなる。グリップが弛緩した状態では、交互に綴じこまれた要素の多数の隆起が整列するように構成されていてよく、それによって、グリップ全体にわたって、隆起及び隆起間の窪みが形成されるようになっていてよい。ばね加圧されたストッパーが、受け台に取り付けられてもよい。そのような場合、グリップが受け台にある間、グリップの、整列した隆起及び窪みに、当該ストッパーが歯止めのように係合することができるようになっている。或いは、その他の窪みがグリップに形成され、ストッパーがそのような窪みに係合するように構成されていてもよい。
【0020】
通常、自立式受け台は、普通は多関節式のアームである自在アームに取り付けられている。それによって、グリップを受け入れるために適した任意の向き、及び/又は位置に受け台を配置することが可能となる。自在アームとばね加圧されたストッパーを組み合わせると、グリップの向きと位置とを調節すること、それによりカテーテルの向きと位置とを調節することが可能になる。ひとたび調整がなされたら、グリップ及びカテーテルを適所に固定するために、ストッパーを上記の窪みに係合するとよい。
【0021】
(発明の詳細)
図1図2図3は、それぞれ、本発明の1つの実施形態に係る、カテーテル装置10の模式的分解図、開いた状態の組み立てられた装置の模式図、及び開いた状態の組み立てられた装置の別の模式図である。装置10は、カテーテルを掴むように構成されており、本明細書ではグリップ10とも呼ぶ。グリップ10は、隆起を有する1対の顎状構造体12、14と、1つの弾力性のあるジョイント16という、3つの構成要素からなっている。なお、ジョイント16は、本明細書においてはばねを含むと想定されており、それゆえに、ばね16とも呼ぶ。顎状構造体12及び14は、グリップが組み立てられた形状においては、互いに綴じ合うように構成されている。その大きさは、組み立てられたグリップを操作する人が、その片手の親指とその他の指との間で、そのグリップを握るのに都合の良い大きさとなるように定められている。一例としては、隆起を有する顎状構造体12及び14は実質的に類似した形状であるが、必ずしもそうでなくてもよい。いくつかの実施形態においては、2つの顎状構造体は、その幾何学的形状が同一である。通常、顎状構造体12及び14は、それぞれが樹脂製の単一のピースであり、射出成形のような、樹脂形成法により、適宜作成することができる。グリップ10が組み立てられた状態では、グリップ10略円形の断面を有する。
【0022】
説明を簡略化するため以下では、隆起を有する顎状構造体の説明は顎状構造体12に対して行われるが、特にことわらない限り、同じ説明が顎状構造体14に対しても適用される。両顎状構造体のそれぞれ対応する部分を区別するために、顎状構造体14側の符号には文字「A」をつけるものとする。すなわち、顎状構造体12は、保持部位20を有し、他方、顎状構造体14は、保持部位20Aを有している。保持部位20及び20Aを、それぞれの顎状構造体の外側部20及び20Aとも呼ぶ。グリップを操作する人は、グリップを片手の親指及びその他の指を用いてその手で握るために、部位20及び20A用いることが可能である。
【0023】
外側部20は、略弧状区間24、並びに、当該外側部の幅を実質的に完全に横切るように形成されている隆起28及び窪み30により、その境が定められている。弧状区間24とは別に、外側部20は、1対の略直線状要素34、36によってもその境が定められている。ばね16の対応部位42を受け入れるような形状になっている溝40が、側部20の外側表面44内に形成されている。
【0024】
顎状構造体12はまた、保持部位20に取り付けられた多板構造部位50も有している。多板構造部位50は、複数の略類似の板54を備える。本明細書においては一例として、5枚の板54が想定され、そのうちの4枚はその幅が類似のものであり、残りの1枚、すなわち最も外側の板は、他の4枚よりも厚い板である。これらの板が保持部位20に取り付けられていない箇所では、それぞれの板は略弧状区間56によりその境が定められており、区間56の孤は、弧状区間24の孤と連続している。それぞれの板は、2つの略直線区間60、62によってもその境が定められている。隆起28及び窪み30が、弧状区間36に形成されている。加えて、通路70が各板に形成されている。当該通路の幅は、グリップ10によって保持されるカテーテルの直径よりも幾分大きくなっている。通路70は、それぞれの板54に略径方向の要素として形成され、それぞれの通路は、区間24及び56の孤によって定義される円73の中心72に相当する部分付近から、当該円の出口点75に相当する部分に延びている。中心72における通路70の終端部では、通路70には、2つの半円74、76が形成されている。両半円は、当該通路の幅とほぼ等しい、所定の距離だけ離れている。半円74、76は、その直径が等しく、それらの直径は、グリップ10が握るカテーテルの直径と対応している。半円74Aは、共通の中心軸線77を有し、半円74は、共通の中心軸線79を有している。軸線77及び79については、後で説明する。
【0025】
グリップ10は、隆起を有する顎状構造体12及び14を、それらの板54、54Aが互いに綴じ込まれるように、且つ、ばね16のばね部位42、42Aがそれぞれ溝40、40Aに嵌るように挿入することで組み立てられる。
【0026】
図2及び図3は、組み立て後のグリップ10であって、ばね16が圧縮された状態のグリップ10を模式的に図示している。グリップを手で圧縮することでもたらされる、この場合のグリップの状態は、グリップ圧縮状態と呼ぶ。グリップ圧縮状態は通常、外側部20及び20Aを片手の親指及びその他の指で握り、親指に向けてその他の指を絞ることで実現される。そのような動作によって、顎状構造体12及び14は、ばね16の軸線80の周りに相対的に回転する。この回転により、直線状要素60A及び62Aが、それぞれ直線状要素34及び36に出会うところまで回転する。また、上記の回転により、直線状要素60及び62が、それぞれ直線状要素34A及び36Aに出会うところまで回転する。
【0027】
グリップが圧縮された状態においては、通路70及び70Aと中心72及び72Aとがそれぞれ整列する。そうなると、この状態に置いては、グリップを操作する人は、通路70、70Aを通じて、カテーテルを中心72、72Aに移動したり、そこから移動させたりすることが可能になる。しかしながら、整列した出口点75、75Aに対応し、通路70、70Aの外周側端部近傍の領域78(図3)においては、隆起28及び28A、並びに窪み30及び30Aは、整列していない。
【0028】
グリップ10を操作する人が、部位20及び20Aを握る手を緩めると、グリップ10は圧縮された状態から、圧縮されていない状態に移行され得る。操作する人がその握る手を緩めると、顎状構造体12及び14は、圧縮された状態になるために回転するのと逆方向に、軸線80の周りに回転する。
【0029】
図4及び5は、本発明の1つの実施形態に係る、圧縮されていない状態のグリップ10の2つの模式図である。圧縮されていない状態においては、通路70及び70Aはその整列が解除され、半円74のセット及び半円76Aのセットの整列、並びに、半円74Aのセット及び半円76セットの整列も解除される。しかしながら、圧縮されていない状態へと回転すると、半円74A及び半円74の中心どうしが整列し、軸線77及び79どうしが整列し、当該半円の2つのセットが円筒形状の開口部82を形成する。カテーテル90が、圧縮状態のグリップ10の通路70、70A内に配置されると、カテーテルは整列した軸線77及び79に沿った開口部82へと移動し、グリップが圧縮されていない状態へと回転されると、その場でグリップによって握られることになる。加えて、圧縮された状態とは対照的に、圧縮されていない状態では、隆起28、28A及び窪み30、30Aは、領域78において整列する。
【0030】
グリップ10の外径のおかげで、医師がグリップ10によって握られたカテーテル90を回転すること、及び/又は並進することは、医師がカテーテルを直接握って回転する又は並進するように試みる場合と比べて、相当容易である。通常、顎状構造体12の外側部20及び顎状構造体14の外側部20Aに対応する、グリップ10の湾曲した表面の外径D(図5)は、当該グリップにより保持されるカテーテルの直径の、少なくとも15倍になるよう構成されている。本発明のいくつかの実施形態においては、グリップ10と略類似しており、しかし外径の異なる多くのグリップを医師が利用できるようにされ、カテーテルを操作するのに最適なグリップを医師が選択できるようになっていてもよい。代替的な実施形態においては、グリップ10の外径は、特定の医師の必要にしたがって、カスタムメイドされてもよい。
【0031】
図6A及び図6Bはそれぞれ、本発明の諸実施形態に係る、圧縮されていない状態のグリップ10を、医療処置の最中に医師100が保持している様を描いた模式図、及び処置の最中にグリップが受け台に載せられている様を描いた模式図である。グリップ10が使用され得る典型的な医療処置には、医師100が患者102に対して施術する焼灼処置が含まれるが、当該グリップを用いることができるようなその他の医療処置が、当業者には明らかであろう。処置の間、医師100はカテーテル90を患者に挿入し、最初に挿入した後の都合の良い任意のタイミングで、医師はカテーテルをグリップ10を用いて握る。グリップ10によってカテーテルを握るには、医師がグリップを圧縮して圧縮状態にしている間にカテーテルを通路70、70Aに挿入し、その後、グリップの圧縮を緩めて、グリップが圧縮されていない状態に復帰させる。
【0032】
図6Aに図示されるように、圧縮されていない状態のグリップ10を用いて、医師はカテーテルを所望の位置に操作する。ひとたび所定の位置に達すると、図6Bに図示されるように、グリップは、それが握っているカテーテルとともに、受け台110に置かれる。受け台110は、グリップ10の外径と略等しい内径を有する略U字形の要素112を含む。2つの平面要素116、118は略半円形状であり、要素112の両端部を塞いでいる。
【0033】
平面要素116、118はそれぞれ、当該要素に形成された、狭いU字形の開口部122、124を有する。U字形の開口部122、124は、カテーテル90が当該開口部内で自由に動くことができるように構成されており、グリップ10が、それが握っているカテーテル90とともに受け台に置かれる際に、受け台からカテーテルにほんのわずかな力しかかからないようになっている。
【0034】
受け台110はばね加圧されたストッパー130を備え、当該ストッパー130は通常、窪み30及び30Aの形状と一致する形状のヘッド132を有する。要素112は、ヘッド132がグリップの顎状構造体12、14の周辺、すなわち側部20、20Aに接触することを可能にする開口部を有する。ストッパー130はまた、ベース136も有する。当該ストッパーを作動するには、通常、それを操作する人がベース136を押圧する。操作する人がベース136を押圧すると、ヘッド132が隆起28、28Aにも窪み30、30Aにも係合していない、ストッパー非係合状態になる。操作する人がベース136を押圧する圧力を緩めると、ヘッド122が隆起28、28A又は窪み30、30Aに接触する、ストッパー係合状態になる。ストッパーのヘッドが窪み30、30Aに係合すると、グリップ10及びカテーテル90が事実上適所に固定される。このようにして、ストッパー130及びグリップ10が、歯止めとラチェットの組み合わせとして動作する。
【0035】
一例として、ストッパー130の上記説明は、ストッパーが受け台110のU字形の要素112に載置されていることを想定している。しかしながらストッパー130は、受け台の、平面要素116又は118のような任意の他の都合の良い要素上に載置されていてもよいということは理解されるであろう。ストッパーが、U字形の要素112以外の要素上に載置されている場合には、当業者は、ストッパーに関する上記の説明を、必要な変更を加えた上で応用して、その動作に必要な変更に順応させることができるであろう。そのような変更には、ストッパーが要素116又は118に載置される場合には、ストッパーが係合することができる隆起及び/又は窪みを、外側の板54及び/又は54Aに組み込むことが含まれ得るが、それらに限られない。
【0036】
受け台100は通常、自在アーム140上に載置されることが可能であり、自在アーム140は、その基部が固定されていてもよく、又は、その基部がレール上に置かれているようにして、調節可能であってもよい。受け台のマウントは、受け台が、医師によって選択される任意の位置に、都合よく固定的に位置決めされ得るように構成されている。グリップが所定の位置に固定されると、医師はその両手を他の仕事のために自由に使うことが可能となる。
【0037】
上述した実施形態は一例として記載されたものであり、本発明は、本明細書において上に具体的に図示及び説明した内容に限定されないことが明らかとなろう。むしろ、本発明の範囲には、上で説明した様々な特徴の組合わせと部分的組合わせの両方、並びにそれらの変形形態及び修正形態が含まれ、これらは、上述の説明を読めば当業者には想到するものであり、従来技術では開示されていないものである。
【0038】
〔実施の態様〕
(1) カテーテルを握るための装置であって、
前記装置の第1外側部上に第1グリップ面を有する第1顎状構造体であって、前記第1顎状構造体の第1中心軸線と前記装置の外側表面上の第1出口点との間に前記第1顎状構造体を通って延びる、第1径方向通路を包含する、第1顎状構造体と、
前記装置の、前記第1外側部と対向する第2外側部上に第2グリップ面を有する第2顎状構造体であって、前記第2顎状構造体の第2中心軸線と前記装置の前記外側表面上の第2出口点との間に前記第2顎状構造体を通って延びる、第2径方向通路を包含する、第2顎状構造体と、
前記第1顎状構造体及び前記第2顎状構造体を結合する弾力性のあるジョイントであって、前記第1外側部を前記第2外側部に向けて手により圧縮することにより、前記第1径方向通路及び前記第2径方向通路を通じて前記第1中心軸線及び前記第2中心軸線に前記カテーテルが挿入され得るように、前記第1径方向通路及び前記第2径方向通路、並びに前記第1出口点及び前記第2出口点を互いに整列させるような、前記第1顎状構造体と前記第2顎状構造体との間の相対回転を引き起こし、前記手で圧縮することを緩めることにより、前記第1中心軸線及び前記第2中心軸線は互いに整列している一方で、前記第1径方向通路及び前記第2径方向通路がもう互いに整列していないように、且つ、前記カテーテルが、互いに整列した前記第1中心軸線及び前記第2中心軸線に沿って前記装置を通過し、前記装置により掴まれるように、前記第1顎状構造体と前記第2顎状構造体とを回転させる、弾力性のあるジョイントと、を備える装置。
(2) 前記第1顎状構造体は、第1複数の第1顎状構造体板を含み、前記第2顎状構造体は、前記第1顎状構造体板と相互に綴り込まれる第2複数の第2顎状構造体板を含む、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記第1顎状構造体及び前記第2顎状構造体は同じ幾何学的形状を有する、実施態様1に記載の装置。
(4) 前記第1グリップ面は隆起及び窪みの第1セットを有し、且つ前記第2グリップ面は隆起及び窪みの第2セットを有する、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記手による圧縮が緩められると、前記第1セット及び前記第2セットは、前記第1出口点及び前記第2出口点近くの領域で整列する、実施態様4に記載の装置。
【0039】
(6) 前記第1顎状構造体、前記第2顎状構造体、及び前記顎状構造体を結合する前記弾力性のあるジョイントはカテーテル用グリップを形成し、前記装置が、前記カテーテル用グリップを受容するように構成される受け台をさらに備える、実施態様4に記載の装置。
(7) 前記受け台は、前記受け台内の適所に前記カテーテル用グリップを固定するように前記窪みに係合するように構成される歯止めを有する、実施態様6に記載の装置。
(8) 前記手による圧縮を緩めることで、前記装置に、互いに整列した前記第1中心軸線及び前記第2中心軸線に対応する対称軸を有する開口部を形成させ、且つ前記開口部は、前記カテーテルを掴むように構成される直径を有する、実施態様1に記載の装置。
(9) 前記カテーテルはカテーテル直径を有し、且つ前記手による圧縮を緩めることで、前記第1外側部及び前記第2外側部に、前記カテーテル直径の少なくとも15倍大きい直径を有する湾曲した表面を形成させる、実施態様1に記載の装置。
(10) カテーテルを掴むための方法であって、
第1顎状構造体を提供することであって、前記第1顎状構造体は、前記第1顎状構造体の第1外側部上に第1グリップ面を有し、該第1顎状構造体の第1中心軸線と前記第1顎状構造体の外側表面上の第1出口点との間に前記第1顎状構造体を通って延びる、第1径方向通路を包含する、ことと、
第2顎状構造体を提供することであって、前記第2顎状構造体は、前記第2顎状構造体の、前記第1外側部と対向する第2外側部上に第2グリップ面を有し、前記第2顎状構造体の第2中心軸線と前記第2顎状構造体の外側表面上の第2出口点との間に前記第2顎状構造体を通って延びる、第2径方向通路を包含する、ことと、
前記第1外側部を前記第2外側部に向けて手により圧縮することにより、前記第1径方向通路及び前記第2径方向通路を通じて前記第1中心軸線及び前記第2中心軸線に前記カテーテルが挿入され得るように、前記第1径方向通路及び前記第2径方向通路、並びに前記第1出口点及び前記第2出口点を互いに整列させるような、前記第1顎状構造体と前記第2顎状構造体との間の相対回転を引き起こし、前記手で圧縮することを緩めることにより、前記第1中心軸線及び前記第2中心軸線は互いに整列している一方で、前記第1径方向通路及び前記第2径方向通路がもう互いに整列していないように、且つ、前記カテーテルが、互いに整列した前記第1中心軸線及び前記第2中心軸線に沿って前記第1顎状構造体及び前記第2顎状構造体を通過し、前記第1顎状構造体及び前記第2顎状構造体により掴まれるように、前記第1顎状構造体と前記第2顎状構造体とを回転させるように、弾力性のあるジョイントで前記第1顎状構造体及び前記第2顎状構造体を結合することと、を含む方法。
【0040】
(11) 前記第1顎状構造体は、第1複数の第1顎状構造体板を含み、前記第2顎状構造体は、前記第1顎状構造体板と相互に綴り込まれる第2複数の第2顎状構造体板を含む、実施態様10に記載の方法。
(12) 前記第1顎状構造体及び前記第2顎状構造体は同じ幾何学的形状を有する、実施態様10に記載の方法。
(13) 前記第1グリップ面は隆起及び窪みの第1セットを有し、且つ前記第2グリップ面は隆起及び窪みの第2セットを有する、実施態様10に記載の方法。
(14) 前記手による圧縮が緩められると、前記第1セット及び前記第2セットは、前記第1出口点及び前記第2出口点近くの領域で整列する、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記第1顎状構造体、前記第2顎状構造体、及び前記顎状構造体を結合する前記弾力性のあるジョイントはカテーテル用グリップを形成し、前記方法が、前記カテーテル用グリップを受容するように構成される受け台を提供することをさらに備える、実施態様13に記載の方法。
【0041】
(16) 前記受け台は、前記受け台内の適所に前記カテーテル用グリップを固定するように前記窪みに係合するように構成される歯止めを有する、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記手による圧縮を緩めることで、前記装置に、互いに整列した前記第1中心軸線及び前記第2中心軸線に対応する対称軸を有する開口部を形成させ、且つ前記開口部は、前記カテーテルを掴むように構成される直径を有する、実施態様10に記載の方法。
(18) 前記カテーテルはカテーテル直径を有し、且つ前記手による圧縮を緩めることで、前記第1外側部及び前記第2外側部に、前記カテーテル直径の少なくとも15倍大きい直径を有する湾曲した表面を形成させる、実施態様10に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
【外国語明細書】
2015163191000001.pdf