【実施例】
【0144】
次に、以下に示す参考例、実施例及び試験例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの内容に限定されるものではなく、また、本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。
【0145】
本明細書中で用いられている略語は下記の意味を示す。
s : シングレット(singlet)
d : ダブレット(doublet)
t : トリプレット(triplet)
q : クァルテット(quartet)
quin : クィンテット(quintet)
sept : セプテット(septet)
dd : ダブルダブレット(double doublet)
dt : ダブルトリプレット(double triplet)
td : トリプレットダブレット(triplet doublet)
m : マルチプレット(multiplet)
br : ブロード(broad)
J : カップリング定数(coupling constant)
Hz : ヘルツ(Hertz)
CHLOROFORM−d : 重クロロホルム
DMSO−d
6: 重ジメチルスルホキシド
METHANOL−d
4 : 重メタノール
posi : positive(mode)
nega : negative(mode)
【0146】
1H−NMR(プロトン核磁気共鳴スペクトル)は下記のフーリエ変換型NMRで測定した。
200MHz: Gemini2000 (Agilent Technologies)
300MHz: Inova300 (Agilent Technologies)
600MHz: JNM−ECA600 (JEOL)
解析にはACD/SpecManager ver.12.01(商品名)、ACD/Spectrus Processor
TMなどを用いた。水酸基やアミノ基などのプロトンが非常に緩やかなピークについては記載していない。
【0147】
MS(マススペクトル)は以下の装置にて測定した。
PlatformLC (Waters)
LCMS−2010EV (Shimadzu)
LCMS−IT−TOF (Shimadzu)
GCT (Micromass)
Agilent6130 (Agilent)
LCQ Deca XP (ThermoFisher Scientific)
イオン化法としては、ESI(Electrospray Ionization、エレクトロスプレーイオン化)法、EI(Electron Ionization、電子イオン化)法、又は、ESI及びAPCI(Atmospheric Pressure Chemical Ionization、大気圧化学イオン化)法とのデュアルイオン化法を用いた。データは実測値(found)を記載した。通常、分子イオンピークが観測されるが、水酸基(−OH)を有する化合物の場合、フラグメントピークとしてH
2Oが脱離したピークが観測されることもある。塩の場合は、通常、フリー体の分子イオンピーク若しくはフラグメントイオンピークが観測される。
【0148】
分取高速液体クロマトグラフィー(分取HPLC)による精製は以下の条件により行った。ただし、塩基性官能基を有する化合物の場合、本操作でトリフルオロ酢酸を用いたときには、フリー体を得るための中和操作等を行う場合がある。
機械:Gilson社 preparative HPLC system
カラム:Waters SunFire
TM Prep C18 OBD
TM 5μm 30x50mm
流速:40mL/min、検出法:UV 254nm
溶媒:A液;0.1%トリフルオロ酢酸含有水、B液;0.1%トリフルオロ酢酸含有アセトニトリル
グラジエント:0分(A液/B液=90/10)、2分(A液/B液=90/10)、12分(A液/B液=20/80)、13.5分(A液/B液=5/95)、15分(A液/B液=5/95)
【0149】
X線結晶構造解析にはXR−AXIS RAPID II(Rigaku)装置を用いた。
【0150】
赤外線吸収スペクトル(KBr法)は、Spectrum One(Perkin Elmer)にて測定した。
【0151】
赤外線吸収スペクトル(ATR法)は、IRAffinity−1(Shimadzu)にて測定した。
【0152】
示差熱分析/熱質量測定(TG/DTA)は、Thermo Plus Evo TG8120(Rigaku)にて測定した。
【0153】
フェーズセパレーターは、バイオタージ社のISOLUTE(登録商標) Phase Separatorを用いた。
【0154】
マイクロウェーブ反応装置はBiotage社Initiatorを用いた。
【0155】
化合物の命名には、ACD/Name (ACD/Labs 12.01, Advanced Chemistry Development Inc.)等のソフトを使用している場合がある。
【0156】
元素分析は以下の装置にて測定した。
2400II (Perkin Elmer)
vario MICRO cube (elementar)
MT−6 (ヤナコ分析工業)
【0157】
イオンクロマト分析は以下の装置にて測定した。
DX500 (ダイオネクス)
XS100 (三菱化学)
ICS3000 (ダイオネクス)
【0158】
融点は以下の装置にて測定した。
MP−J3 (ヤナコ機器開発研究所)
【0159】
本明細書では、室温とは20℃〜30℃を指す。
氷冷下とは0℃〜5℃を指す。
【0160】
参考例1
6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−カルバルデヒド
【0161】
【化2】
4−クロロフェノール(277g)のN,N−ジメチルホルムアミド(2.00L)溶液へ炭酸カリウム(328g)を加え、室温にて攪拌した。反応系へ6−ブロモニコチンアルデヒド(401g)及びN,N−ジメチルホルムアミド(160mL)を加え、内温99℃にて2.5時間攪拌した。室温まで冷却した後、反応液を水(3.24L)へ加えた。さらに水(2.16L)を加えた後、室温にて17時間攪拌した。生じた析出物を濾取し、減圧下乾燥して表題化合物を茶色固体(451g)として得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 7.02 - 7.16 (m, 3 H) 7.35 - 7.46 (m, 2 H) 8.21 (dd, J=8.5, 2.3 Hz, 1 H) 8.61 (d, J=2.3 Hz, 1 H) 9.99 (s, 1 H).
MS ESI/APCI Dual posi: m/z 234[M+H]
+.
参考例2
エチル N−{[6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−β−アラニネート
【0162】
【化3】
6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−カルバルデヒド(290g)、β-アラニンエチルエステル塩酸塩(210g)及びクロロホルム(1.24L)の混合物へ氷冷下、酢酸(82.0g)及びトリエチルアミン(138g)を順次加えた後、30分攪拌した。反応液へナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(395g)を加え、室温にて3時間攪拌した後、水(3.00L)を加えた。炭酸水素ナトリウム(417g)を加えた後、1時間攪拌した。水層を分離した後、クロロホルムで抽出した。合わせた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別した後、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣(446g)へ酢酸エチル(1.78L)及びNHシリカゲル(447g)を加え、1.5時間攪拌した。沈殿物をセライト(登録商標)濾過にて濾別し、濾液を減圧下濃縮して表題化合物を茶色油状物(403g)として得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.20 - 1.30 (m, 3 H) 2.52 (t, J=6.4 Hz, 2 H) 2.84 - 2.92 (m, 2 H) 3.76 (s, 2 H) 4.07 - 4.20 (m, 2 H) 6.83 - 6.93 (m, 1 H) 7.01 - 7.11 (m, 2 H) 7.29 - 7.39 (m, 2 H) 7.61 - 7.75 (m, 1 H) 7.99 - 8.13 (m, 1 H).
MS ESI/APCI Dual posi: m/z 335[M+H]
+.
【0163】
なお、表題化合物のマレイン酸塩を、以下に示す手法で得ることができる。
【0164】
【化4】
参考例2で得られたエチル N−{[6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−β−アラニネート(300mg)を酢酸エチル(4.5mL)に溶解し、マレイン酸(104mg)のエタノール(0.45mL)溶液を加えた。エタノール(0.45mL)及び酢酸エチル(1.5mL)を加えて室温にて18時間攪拌した。不溶物を濾取し、エチル N−{[6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−β−アラニネートのモノマレイン酸塩を無色固体(357mg)として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 1.20(t,J=7.2 Hz,3 H)2.72(t,J=7.1 Hz,2 H)3.16(t,J=7.1 Hz,2 H)3.33(br s,1 H)4.11(q,J=7.2 Hz,2 H)4.18(s,2 H)6.02(s,2 H)7.13 - 7.22(m,3 H)7.45 - 7.53(m,2 H)7.97(dd,J=8.6,2.4 Hz,1 H)8.22(d,J=2.4 Hz,1 H)8.66(br s,2 H).
MS ESI/APCI Dual posi : m/z 335[(M-C
4H
4O
4)+H]
+.
【0165】
得られた表題化合物のマレイン酸塩は、塩基等を作用させてフリー体にして、参考例3の出発物質として用いることができる。
参考例3
エチル N−{[6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−N−(3−エトキシ−3−オキソプロパノイル)−β−アラニネート
【0166】
【化5】
エチル N−{[6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−β−アラニネート(403g)の酢酸エチル(4.02L)溶液へ、氷冷下トリエチルアミン(247g)を加え、続いてエチルマロニルクロリドを3回に分けて(219g、36.3g、39.2g)加えた。1時間攪拌した後、反応液へ水(2.00L)を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を9%炭酸水素ナトリウム水溶液及び10%食塩水で順次洗浄した。不溶物をセライト(登録商標)濾過にて濾別した後、濾液を減圧下濃縮して表題化合物を含む混合物を茶色油状物(590g)として得た。
MS ESI/APCI Dual posi: m/z 449[M+H]
+.
参考例4
ナトリウム 1−{[6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−3−(エトキシカルボニル)−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−4−オレート
【0167】
【化6】
参考例3で得られた混合物(590g)のエタノール(1.20L)溶液へ、ナトリウムエトキシド(約20%、エタノール溶液、820g)を加え、室温にて3時間攪拌した。tert−ブチルメチルエーテル(4.26L)を加えた後、13時間攪拌した。沈殿物を濾取し、表題化合物を淡黄色固体(313g)として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 1.02 - 1.20 (m, 3 H) 2.07 (t, J=6.5 Hz, 2 H) 3.02 - 3.18 (m, 2 H) 3.94 (q, J=7.1 Hz, 2 H) 4.43 (s, 2 H) 7.01 (d, J=8.4 Hz, 1 H) 7.10 - 7.19 (m, 2 H) 7.40 - 7.47 (m, 2 H) 7.74 (dd, J=8.4, 2.5 Hz, 1 H) 8.04 (d, J=2.2 Hz, 1 H).
MS ESI/APCI Dual posi: m/z 403[M+H]
+.
参考例5
tert−ブチル N−[(1−{[6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−イル)カルボニル]グリシネート
【0168】
【化7】
ナトリウム 1−{[6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−3−(エトキシカルボニル)−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−4−オレート(191g)の1,2−ジメトキシエタン(1.50L)懸濁液へ、グリシン tert−ブチル塩酸塩(90.4g)を加え、1時間還流した。室温まで冷却した後、シリカゲルパッドにて不溶物を濾別し、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をn−ヘキサン−酢酸エチル混合液にて粉末化し、析出物を濾取して表題化合物を無色固体(154g)として得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.49 (s, 9 H) 2.47 - 2.70 (m, 2 H) 3.25 - 3.41 (m, 2 H) 3.99 - 4.07 (m, 2 H) 4.56 (s, 2 H) 6.86 - 6.97 (m, 1 H) 7.02 - 7.13 (m, 2 H) 7.31 - 7.39 (m, 2 H) 7.64 - 7.74 (m, 1 H) 8.03 - 8.11 (m, 1 H) 10.06 - 10.52 (m, 1 H).
MS ESI/APCI Dual posi: m/z 488[M+H]
+.
参考例6
エチル N−[(1−{[6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−イル)カルボニル]グリシネート
【0169】
【化8】
参考例4で得られたナトリウム 1−{[6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−3−(エトキシカルボニル)−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−4−オレート(450g)、グリシンエチル塩酸塩(178g)及び1,2−ジメトキシエタン(3.53L)の混合物へ、トリエチルアミン(108g)を加え、内温79℃にて1時間攪拌した。室温まで冷却した後、10%塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を減圧下濃縮し、得られた濃縮物へ酢酸エチル(2.19L)及びシリカゲル(567g)を加え、1時間攪拌した。沈殿物をセライト(登録商標)濾過にて濾別し、濾液を減圧下濃縮した。得られた濃縮物をエタノールで再結晶し、表題化合物を無色固体(393g)として得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 1.30 (t, J=7.1 Hz, 3 H) 2.49 - 2.69 (m, 2 H) 3.29 - 3.42 (m, 2 H) 4.06 - 4.15 (m, 2 H) 4.24 (q, J=7.1 Hz, 2 H) 4.53 - 4.59 (m, 2 H) 6.88 - 6.97 (m, 1 H) 7.03 - 7.13 (m, 2 H) 7.30 - 7.40 (m, 2 H) 7.70 (dd, J=8.5, 2.4 Hz, 1 H) 8.04 - 8.11 (m, 1 H) 10.08 - 10.50 (m, 1 H).
MS ESI/APCI Dual posi: m/z 460[M+H]
+.
参考例7
メチル N−[(1−{[6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−イル)カルボニル]グリシネート
【0170】
【化9】
参考例4で得られた1−{[6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−3−(エトキシカルボニル)−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−4−オレート(1.63g)に対して、グリシンエチル塩酸塩の代わりにグリシンメチル塩酸塩(0.578g)を用いて、参考例6と同様な反応を行い、表題化合物を無色固体(0.940g)として得た。
1H NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d) δ ppm 2.49 - 2.71 (m, 2 H) 3.29 - 3.41 (m, 2 H) 3.78 (s, 3 H) 4.07 - 4.19 (m, 2 H) 4.52 - 4.59 (m, 2 H) 6.86 - 6.97 (m, 1 H) 7.03 - 7.11 (m, 2 H) 7.31 - 7.40 (m, 2 H) 7.70 (dd, J=8.4, 2.5 Hz, 1 H) 8.05 - 8.12 (m, 1 H) 10.06 - 10.50 (m, 1 H).
MS ESI/APCI Dual posi: m/z 446[M+H]
+.
実施例1
N−[(1−{[6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−イル)カルボニル]グリシン(A形結晶)
【0171】
【化10】
tert−ブチル N−[(1−{[6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−イル)カルボニル]グリシネート(175g)へ4mol/L塩化水素−1,4−ジオキサン溶液(1.50L)を加え、室温にて14時間攪拌した。減圧下溶媒を留去した後、得られた残渣へアセトンを加え、懸濁し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣へ再度アセトンを加え、沈殿物を濾取した。得られた濾取物へアセトン及び4mol/L水酸化ナトリウム水溶液(359mL)を順次加えた。30分攪拌した後、沈殿物を濾取した。得られた濾取物へ、20%クエン酸水溶液(1.04L)及び酢酸エチル(1.20L)を順次加え、15時間攪拌した。酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄した後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥剤を濾別した後、濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣をアセトン−酢酸エチル混合液にて再結晶し、析出物を濾取した。得られた固体をペンタン−酢酸エチル混合液にて1時間懸濁攪拌した。沈殿物を濾取し、表題化合物を無色固体(139g)として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 2.41 - 2.79 (m, 2 H) 3.34 - 3.54 (m, 2 H) 3.90 - 4.10 (m, 2 H) 4.44 - 4.65 (m, 2 H) 7.05 (d, J=8.4 Hz, 1 H) 7.12 - 7.21 (m, 2 H) 7.40 - 7.50 (m, 2 H) 7.79 (dd, J=8.4, 2.5 Hz, 1 H) 8.10 (d, J=2.0 Hz, 1 H) 9.90 - 10.27 (m, 1 H) 12.77 - 12.95 (m, 1 H).
MS ESI/APCI Dual posi: m/z 432[M+H]
+.
【0172】
上記固体の粉末X線回折パターン及び示差熱分析/熱質量測定(TG/DTA)を測定したところ、A形結晶であった。
粉末X線回折パターンについては、2θ=5.1度、13.7度、20.6度、及び23.4度にピークが認められた。
示差熱分析/熱質量測定(TG/DTA)については、171℃に吸熱ピークが認められた。
実施例2
N−[(1−{[6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−イル)カルボニル]グリシン(A形結晶)
【0173】
【化11】
エチル N−[(1−{[6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−イル)カルボニル]グリシネート(5.00g)のエタノール(10.0mL)懸濁液へ水(10.0mL)を加えた。反応液へ2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(11.4mL)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応液へ2mol/Lクエン酸水溶液(11.4mL)を加え、室温にて1時間攪拌した。沈殿物を濾取し、濾取物をエタノール−水混合溶液(1:3)及び水にて順次洗浄し、表題化合物を無色固体(4.57g)として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 2.40 - 2.77 (m, 2 H) 3.30 - 3.52 (m, 2 H) 3.92 - 4.11 (m, 2 H) 4.45 - 4.64 (m, 2 H) 7.05 (d, J=8.4 Hz, 1 H) 7.12 - 7.21 (m, 2 H) 7.39 - 7.50 (m, 2 H) 7.73 - 7.86 (m, 1 H) 8.06 - 8.16 (m, 1 H) 9.90 - 10.29 (m, 1 H).
MS ESI/APCI Dual posi: m/z 432[M+H]
+.
【0174】
上記固体の粉末X線回折パターン、赤外線吸収スペクトル及び示差熱分析/熱質量測定(TG/DTA)を測定したところ、A形結晶であった。
粉末X線回折パターンについては、2θ=5.1度、13.7度、20.7度、及び23.4度にピークが認められた。
赤外線吸収スペクトル(KBr法)については、1622cm
-1、1553cm
-1、1481cm
-1、及び1238cm
-1に特性吸収帯が認められた。
示差熱分析/熱質量測定(TG/DTA)については、169℃に吸熱ピークが認められた。
赤外線吸収スペクトル(ATR法、クリスタル:ダイヤモンド)については、1617cm
-1、1546cm
-1、1398cm
-1、及び1235cm
-1に特性吸収帯が認められた。
実施例3
N−[(1−{[6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−イル)カルボニル]グリシン(B形結晶)
【0175】
【化12】
N−[(1−{[6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−イル)カルボニル]グリシン(A形結晶)(30mg)へ水−エタノール混合液(5:4)を加え、80℃水浴で加熱し溶液とした後、室温にて終夜静置した。窒素気流下にて溶媒を留去し、表題化合物を無色固体(30mg)として得た。
【0176】
上記固体の粉末X線回折パターン及び示差熱分析/熱質量測定(TG/DTA)を測定したところ、B形結晶であった。
粉末X線回折パターンについては、2θ=4.2度、7.2度、12.5度、及び15.0度にピークが認められた。
示差熱分析/熱質量測定(TG/DTA)については、191℃に吸熱ピークが認められた。
【0177】
また、B形結晶の融点を測定したところ、191℃であった。
【0178】
なお、表題化合物は次の手法でも得ることができる。
N−[(1−{[6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−イル)カルボニル]グリシン(A形結晶)(130g)、N−[(1−{[6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−イル)カルボニル]グリシン(B形結晶)(6.95g)及びエタノール(2.74L)との混合物を室温下132時間攪拌した。沈殿物を濾取、減圧乾燥し、表題化合物を無色固体(134g)として得た。
【0179】
上記固体の粉末X線回折パターン、赤外線吸収スペクトル及び示差熱分析/熱質量測定(TG/DTA)を測定したところ、B形結晶であった。
粉末X線回折パターンについては、2θ=4.1度、7.2度、12.4度、及び15.0度にピークが認められた。
赤外線吸収スペクトル(KBr法)については、1646cm
-1、1567cm
-1、1483cm
-1、及び1235cm
-1に特性吸収帯が認められた。
示差熱分析/熱質量測定(TG/DTA)については、194℃に吸熱ピークが認められた。
赤外線吸収スペクトル(ATR法、クリスタル:ダイヤモンド)については、1647cm
-1、1560cm
-1、1482cm
-1、及び1228cm
-1に特性吸収帯が認められた。
実施例4
N−[(1−{[6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−イル)カルボニル]グリシン(C形結晶)
【0180】
【化13】
N−[(1−{[6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−イル)カルボニル]グリシン(A形結晶)(30mg)へメタノールを加え、80℃水浴で加熱し溶液とした後、終夜氷冷攪拌した。氷冷下窒素気流下にて溶媒を留去し、表題化合物を無色固体(30mg)として得た。
【0181】
上記固体の粉末X線回折パターン及び赤外線吸収スペクトルを測定したところ、C形結晶であった。
粉末X線回折パターンについては、2θ=15.4度、18.4度、21.8度、及び24.7度にピークが認められた。
赤外線吸収スペクトル(KBr法)については、1622cm
-1、1556cm
-1、1482cm
-1、及び1238cm
-1に特性吸収帯が認められた。
赤外線吸収スペクトル(ATR法、クリスタル:ダイヤモンド)については、1614cm
-1、1551cm
-1、1398cm
-1、及び1235cm
-1に特性吸収帯が認められた。
実施例5
N−[(1−{[6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−イル)カルボニル]グリシンナトリウム(ナトリウム塩の結晶)
【0182】
【化14】
N−[(1−{[6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−イル)カルボニル]グリシン(A形結晶)(29.1g)のアセトン(1L)懸濁液へ1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(67.5mL)を加え、室温にて13時間攪拌した。生じた析出物を濾取し、表題化合物を無色固体(29.7g)として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 2.40 - 2.60 (m, 2 H) 3.34 (t, J=6.9 Hz, 2 H) 3.47 (d, J=4.4 Hz, 2 H) 4.52 (s, 2 H) 7.04 (d, J=8.4 Hz, 1 H) 7.12 - 7.21 (m, 2 H) 7.40 - 7.49 (m, 2 H) 7.79 (dd, J=8.4, 2.3 Hz, 1 H) 8.09 (d, J=2.3 Hz, 1 H).
MS ESI/APCI Dual posi: m/z 432[M+H]
+.
MS ESI/APCI Dual nega: m/z 430[M-H]
-.
元素分析:C
20H
19ClN
3NaO
7の理論値:C,50.91, H,4.06, N,8.91. 実測値:C,50.75, H,4.07, N,8.86.
イオンクロマトグラフィー:C
20H
19ClN
3NaO
7の理論値:Cl,7.51, Na,4.87. 実測値:Cl,7.43, Na,4.90.
【0183】
上記固体の粉末X線回折パターン、赤外線吸収スペクトル及び示差熱分析/熱質量測定(TG/DTA)を測定したところ、ナトリウム塩の結晶であった。
粉末X線回折パターンについては、2θ=14.1度、17.3度、19.1度、及び26.9度にピークが認められた。
赤外線吸収スペクトル(KBr法)については、1566cm
-1、1478cm
-1、1266cm
-1、及び1246cm
-1に特性吸収帯が認められた。
示差熱分析/熱質量測定(TG/DTA)については、112℃に吸熱ピークが認められた。
赤外線吸収スペクトル(ATR法、クリスタル:ダイヤモンド)については、1559cm
-1、1477cm
-1、1414cm
-1、及び1264cm
-1に特性吸収帯が認められた。
実施例6
N−[(1−{[6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−イル)カルボニル]グリシンカリウム(カリウム塩の結晶)
【0184】
【化15】
N−[(1−{[6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−イル)カルボニル]グリシン(A形結晶)(1.00g)のアセトン(25.0mL)懸濁液へ1mol/L水酸化カリウム水溶液(2.32mL)を加え、室温にて30分間攪拌した。減圧下溶媒を留去した後、アセトン(25.0mL)を加えた。室温にて30分、続いて氷冷下30分攪拌した後、沈殿物を濾取し、表題化合物を無色固体(959mg)として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 2.43 - 2.62 (m, 2 H) 3.35 (t, J=7.1 Hz, 2 H) 3.42 (d, J=4.4 Hz, 2 H) 4.53 (s, 2 H) 7.05 (d, J=8.5 Hz, 1 H) 7.13 - 7.22 (m, 2 H) 7.40 - 7.49 (m, 2 H) 7.79 (dd, J=8.4, 2.5 Hz, 1 H) 8.09 (d, J=2.3 Hz, 1 H).
MS ESI/APCI Dual posi: m/z 432[M+H]
+.
元素分析:C
20H
17.6ClKN
3O
6.3の理論値:C,50.54, H,3.37, N,8.84. 実測値:C,50.59, H,3.70, N,8.85.
イオンクロマトグラフィー:C
20H
17.6ClKN
3O
6.3の理論値:Cl,7.46, K,8.23. 実測値:Cl,7.38, K,8.39.
【0185】
上記固体の粉末X線回折パターン、赤外線吸収スペクトル及び示差熱分析/熱質量測定(TG/DTA)を測定したところ、カリウム塩の結晶であった。
粉末X線回折パターンについては、2θ=12.8度、14.5度、20.0度、及び25.6度にピークが認められた。
赤外線吸収スペクトル(KBr法)については、1607cm
-1、1547cm
-1、1477cm
-1、及び1284cm
-1に特性吸収帯が認められた。
示差熱分析/熱質量測定(TG/DTA)については、235℃に吸熱ピークが認められた。
赤外線吸収スペクトル(ATR法、クリスタル:ダイヤモンド)については、1603cm
-1、1476cm
-1、1391cm
-1、及び1280cm
-1に特性吸収帯が認められた。
実施例7
N−[(1−{[6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−イル)カルボニル]グリシンカルシウム(カルシウム塩の結晶)
【0186】
【化16】
N−[(1−{[6−(4−クロロフェノキシ)ピリジン−3−イル]メチル}−4−ヒドロキシ−2−オキソ−1,2,5,6−テトラヒドロピリジン−3−イル)カルボニル]グリシンナトリウム(ナトリウム塩の結晶)(800mg)のエタノール懸濁液(12.5mL)へ、水(12.0mL)を加えた。塩化カルシウム(II)(純度90%、105mg)の水溶液(2.00mL)を加え、室温にて16時間攪拌した。水(4.00mL)及びエタノール(2.00mL)を加え、2時間攪拌した。沈殿物を濾取、減圧下乾燥し、表題化合物を無色固体(754mg)として得た。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d
6) δ ppm 2.35 - 3.70 (m, 4 H) 3.72 - 3.85 (m, 2 H) 4.51 (s, 2 H) 7.02 (d, J=8.5 Hz, 1 H) 7.11 - 7.20 (m, 2 H) 7.40 - 7.49 (m, 2 H) 7.79 (dd, J=8.5, 2.3 Hz, 1 H) 8.10 (d, J=2.0 Hz, 1 H).
MS ESI/APCI Dual posi: m/z 432[M+H]
+.
元素分析:C
20H
19Ca
0.5ClN
3O
7の理論値:C,51.23, H,4.08, N,8.96. 実測値:C,51.23, H,4.12, N,8.88.
イオンクロマトグラフィー:C
20H
19Ca
0.5ClN
3O
7の理論値:Cl,7.56, Ca,4.27. 実測値:Cl,7.31, Ca,4.26.
【0187】
上記固体の粉末X線回折パターン、赤外線吸収スペクトル及び示差熱分析/熱質量測定(TG/DTA)を測定したところ、カルシウム塩の結晶であった。
粉末X線回折パターンについては、2θ=4.9度、9.8度、12.4度、及び25.8度にピークが認められた。
赤外線吸収スペクトル(KBr法)については、1622cm
-1、1575cm
-1、1485cm
-1、及び1236cm
-1に特性吸収帯が認められた。
示差熱分析/熱質量測定(TG/DTA)については、198℃に吸熱ピークが認められた。
赤外線吸収スペクトル(ATR法、クリスタル:ダイヤモンド)については、1616cm
-1、1576cm
-1、1481cm
-1、及び1235cm
-1に特性吸収帯が認められた。
【0188】
本発明の化合物のPHD2に対する阻害活性を、以下に示す試験例1及び2に従って測定した。
試験例1
【0189】
(1)ヒトPHD2の発現・調製
ヒトPHD2の発現は、昆虫細胞(HighFive細胞)にて行った。ヒトPHD2登録配列(NM_022051)をpFastBac1ベクター(Invitrogen)に導入し、配列を確認した。当該ベクターをSf9昆虫細胞(Invitrogen)に導入し、ヒトPHD2バキュロウィルスを取得した。この組換えウィルスをHighFive昆虫細胞(Invitrogen)に感染させ、27℃で72時間培養後、各種プロテアーゼ阻害剤を含んだ細胞溶解溶液を加え破砕懸濁した。破砕懸濁溶液を4℃、100,000×g,30分間遠心し、上清を回収して細胞ライセートとした。ウエスタンブロット解析により、PHD2バキュロウィルス感染細胞ライセートにのみ、ヒトPHD2蛋白質の発現を確認した。
【0190】
(2)ヒトPHD2阻害活性の測定
ヒトPHD2酵素活性は、HIF−1αの配列を基にした19残基の部分ペプチドを基質として測定した。具体的には、ペプチド中に含まれるプロリン残基をPHD2酵素が水酸化する時に同時に起こる2−oxoglutarateからsuccinic acidへの変換反応を利用した。すなわち、[
14C]−2−oxoglutarateを反応系に添加して酵素反応を開始し、反応後に残存している[
14C]−2−oxoglutarateを2,4−dinitrophenylhydrazine(DNPH)と結合させ沈殿物としてフィルターで除去した。その後、生成した[
14C]− succinic acidの放射カウントを測定した。
酵素及び基質は、6.67mM KCl、2mM MgCl
2、13.3μM硫酸鉄、2.67mMアスコルビン酸、1.33mM DTTを含む20mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)で希釈し、試験化合物はジメチルスルホキシド(DMSO)で希釈した。
試験化合物、HIF−1αペプチドおよび[
14C]−2−oxoglutarateを96穴プレートにあらかじめ添加し、ヒトPHD2酵素溶液(4μg/well)を添加することにより反応を開始した。37℃で15分間インキュベーションした後、DNPHを含む停止液を添加し、室温で30分間静置した。その後過剰量の放射能ラベルしていない2−oxoglutarateを添加し、室温で60分間静置した。生成した沈殿物をフィルターで除去し、[
14C]−succinic acidの放射カウントを(マイクロベータにて)定量した。各ウェルの放射カウントを測定し、試験化合物のヒトPHD2阻害活性を、基質無添加群および試験物質無添加群の値に基づいて計算した。
【0191】
(3)結果
本発明化合物のヒトPHD2阻害率(%、試験化合物濃度は1μM)を以下の表1に示す。
【0192】
【表1】
【0193】
表1に示された結果より、化合物(A)は、優れたPHD2阻害作用を有することが示された。
試験例2
【0194】
(1)ヒトPHD2の発現・調製
ヒトPHD2の発現は、ヒト細胞(293FT細胞)にて行った。ヒトPHD2登録配列(NM_022051)をpcDNA3.1/Hygro(+)ベクター(Invitrogen)に導入し、配列を確認した。当該ベクターを293FT細胞(Invitrogen)に導入し、37℃、5%炭酸ガス存在下で48時間培養後、各種プロテアーゼ阻害剤を含んだ細胞溶解溶液を加え破砕懸濁した。破砕懸濁溶液を4℃、100,000×g、30分間遠心し、上清を回収して細胞ライセートとした。ウエスタンブロット解析により、細胞ライセートにヒトPHD2蛋白質の発現を確認した。
【0195】
(2)ヒトPHD2阻害活性の測定
ヒトPHD2酵素活性は、HIF−1αの配列を基にした19残基の部分ペプチドを基質として、ペプチド中に含まれるプロリン残基の水酸化をFP(Fluorescence Polarization)法にて測定した。
酵素及び基質は、12.5mM KCl、3.75mMMgCl
2、25μM硫酸鉄、5mMアスコルビン酸、2.5mM DTTを含む50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)で希釈し、試験化合物はジメチルスルホキシド(DMSO)で希釈した。
試験化合物及び基質溶液を384穴プレートにあらかじめ添加し、ヒトPHD2酵素溶液(40ng/ well)を添加することにより反応を開始した。30℃で20分間インキュベーションした後、EDTAを含む停止液を添加し、HIF−OH抗体溶液を添加・結合させて、水酸化されたプロリン残基の量を蛍光偏光測定法により定量した。
各ウェルの蛍光偏光を測定し、試験化合物のヒトPHD2阻害活性を、試験物質無添加群の値に基づいて計算した。
【0196】
(3)結果
本発明化合物のヒトPHD2阻害活性について、阻害率(%、試験化合物濃度は1μM)を以下の表2−1に、また、IC
50(nM)を以下の表2−2に示す。
【0197】
【表2-1】
【0198】
【表2-2】
【0199】
表2−1及び表2−2に示された結果からも、化合物(A)は、優れたPHD2阻害作用を有することが示された。