【発明の開示】
【0005】
1.本発明の化合物の一般的説明
本発明の化合物は、ガン(ガンの中でも、とりわけリンパ腫、充実性腫瘍及び白血病を含む)、中でも進行がん並びに1種若しくは2種以上の他の治療法に耐性又は治療抵抗性の症例を含むガンの治療用の薬剤組成物及び治療方法におけるそれらの使用を可能にする、有用な広範囲の生物学的及び薬理学的活性を有することができる。
【0006】
本発明は下記一般式Iで示される化合物、並びにその互変異性体及び薬剤に許容される塩及び溶媒和物を包含する。
【0007】
【化1】
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【0008】
式中、
X
1はNR
b1又はCR
bであり;
X
2はNR
c1又はCR
cであり;
X
3はNR
d1又はCR
dであり;
X
4はNR
e1又はCR
eであり;
環Aはアリール、又はN、O及びS(O)
rから選ばれた1〜4個のヘテロ原子を含有する5若しくは6員環のヘテロアリール環であり;
R
a、R
b、R
c、R
d、及びR
eは、出てくる毎に独立して、ハロゲン、−CN、−NO
2、−R
1、−OR
2、−O−NR
1R
2、−NR
1R
2、−NR
1−NR
1R
2、−NR
1−OR
2、−C(O)YR
2、−OC(O)YR
2、−NR
1C(O)YR
2、−SC(O)YR
2、−NR
1C(=S)YR
2、−OC(=S)YR
2、−C(=S)YR
2、−YC(=NR
1)YR
2、−YC(=N-OR
1)YR
2、−YC(=N−NR
1R
2)YR
2、−YP(=O)(YR
3)(YR
3)、−Si(R
3a)
3、−NR
1SO
2R
2、−S(O)
rR
2、−SO
2NR
1R
2、及び−NR
1SO
2NR
1R
2よりなる群から選ばれ、そしてR
b1、R
c1、R
d1及びR
e1は存在せず、各Yは独立して、単結合、−O−、−S−又は−NR
1−であるか;或いは
R
b、R
b1、R
c、R
c1、R
d、R
d1、R
e及びR
e1から選ばれた2つの隣接する置換基又は2つの隣接するR
a部分は、それらが結合している原子と共に、N、O及びS(O)
rから選ばれた0〜4個のヘテロ原子を含有し、1〜4個のR
f部分で置換された、飽和、部分飽和若しくは不飽和の5、6若しくは7員環を形成していてもよく;ここで
各R
f部分は、独立して、ハロゲン、=O、=S、−CN、−NO
2、−R
1、−OR
2、−O−NR
1R
2、−NR
1R
2、−NR
1−NR
1R
2、−NR
1−OR
2、−C(O)YR
2、−OC(O)YR
2、−NR
1C(O)YR
2、−SC(O)YR
2、−NR
1C(=S)YR
2、−OC(=S)YR
2、−C(=S)YR
2、−YC(=NR
1)YR
2、−YC(=N-OR
1)YR
2、−YC(=N−NR
1R
2)YR
2、−YP(=O)(YR
3)(YR
3)、−Si(R
3a)
3、−NR
1SO
2R
2、−S(O)
rR
2、−SO
2NR
1R
2、及び−NR
1SO
2NR
1R
2よりなる群から選ばれるか、又は2つの隣接するR
f部分が、それらが結合している原子と共に、N、O及びS(O)
rから選ばれた0〜4個のヘテロ原子を含有する、場合により置換されていてもよい、飽和、部分飽和若しくは不飽和の5、6若しくは7員環を形成していてもよく;
R
a、R
b、R
c、R
d、R
e、R
f、R
b1、R
c1、R
d1、及びR
e1の少なくとも1つは、それが存在する場合、−P(=O)(R
3)
2であるか又はそれを含むか、或いは環の構成部分として−P(=O)(R
3)−部分を含有する環系であるか、それを含み;
rは0、2又は2であり;
sは1、2、3、4又は5であり;
nは0又は1であり;
Yは出てくるごとに独立して、単結合、−O−,−S−又は−NR
1−であり;
R
1及びR
2は出てくるごとに独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロ環基(=ヘテロサイクル)及びヘテロアリールから選ばれ;
R
3は出てくるごとに独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロ環基及びヘテロアリールから選ばれるか、又は隣接する2つのR
3部分が一緒になってリン原子を含有する環系を形成していてもよく、
R
3aは出てくるごとに独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロ環基及びヘテロアリールから選ばれ;
或いは、各NR
1R
2部分は、N、O及びS(O)
rから選ばれた追加の0〜2個のヘテロ原子を含有する、場合により置換されていてもよい、飽和、部分飽和又は不飽和の5、6又は7員環であってもよく;
上記のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロ環部分は場合により置換されていてもよい。
【0009】
上記の各定義は、下記にさらに精密化及び例示され、特に指定のない範囲内においてその後に出てくる場合にもいつも適用される。
2.化合物の特定化された種類とそれらの用途、一般説明
本発明で使用するのに特に興味ある1つの種類の化合物は、X
2がCR
cであり、X
3がCR
dであり、X
4がCR
eである、上記パート1に記載した通りの一般式Iで示される化合物である。この種の化合物は次の一般式IAで示される化合物により例示される。
【0010】
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
【0011】
式中、
X
1はN又はCR
bであり、そして環A、R
a、R
b、R
c、R
d、R
e、n及びsは上で一般式Iにおいて定義した通りである。
【0012】
興味ある1種類の化合物としては環Aがフェニルである化合物が挙げられる。
別の種類の興味ある化合物としては、環Aが5又は6員環ヘテロアリールである化合物が挙げられる。
【0013】
本発明で使用するのに特に興味ある別の種類の化合物は、X
1がCR
bである上記一般式IAで示される化合物である。この種の化合物は次の一般式IBで示される化合物により例示される。
【0014】
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
【0015】
興味ある下位種としては、nが0である一般式IBで示される化合物が挙げられる。
興味ある別の下位種としては、nが1である一般式IBの化合物が挙げられる。
興味ある別の下位種としては、環Aがフェニルである一般式IBの化合物がある。
【0016】
特に興味ある別の種類の化合物は、X
1がNであるパート1において上述した通りの一般式IAで示される化合物である。この種の化合物は次の一般式IC示される化合物により例示される。
【0017】
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
【0018】
興味ある下位種としては、nが0である一般式ICで示される化合物が挙げられる。
興味ある別の下位種としては、nが1である一般式ICの化合物が挙げられる。
興味ある別の下位種としては、環Aがフェニルである一般式ICの化合物がある。
【0019】
一般式IB及びICにおいて、s、R
a、R
b、R
c、R
d及びR
eは一般式Iにおいて上に定義した通りである。前述した種類及び下位種の具体的な態様において、R
aの1つが−P(=O)(R
3)
2基であるか、又はこれを含有する。−P(=O)(R
3)
2基を含有するR
aの例としては、これらに限られないが、−(CH
2)
m−P(=O)(R
3)
2、−(CH
2)
m−NR
1−P(=O)(R
3)
2、−(CH
2)
m−O−P(=O)(R
3)
2、−(CH
2)
m−NR
1−(CH
2)
m−P(=O)(R
3)
2、−(CH
2)
m−NR
1−C(O)O−(CH
2)
m−P(=O)(R
3)
2、−(CH
2)
m−C(O)−(CH
2)
m−P(=O)(R
3)
2、−(CH
2)
m−C(O)NR
1−(CH
2)
m−P(=O)(R
3)
2(式中、mは0、1、2、3又は4)が挙げられる。
【0020】
この種の化合物の代表例は下記の一般式IAで示される化合物である。
【0021】
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
【0022】
一部の態様では、R
aは環式構造の一部として−P(=O)(R
3)
2置換基を含んでいる。例えば、2つのR
3基は一緒になってリン原子を含む環系を形成することができ、ここで、この環系は、場合により置換されていてもよい5、6又は7員環飽和環であり;そしてこの環系は場合によりN、O及びS(O)
rから選ばれた1個のヘテロ原子を含有することができる。一部の態様では、R
aは次式のいずれかで示される基であるか、その基を含んでいる。
【0023】
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
【0024】
この種の具体例は、次のものを包含する一般式IAの化合物である。
【0025】
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
【0026】
別の例では、R
aは環の構成要素として−P(=O)(R
3)−部分を含有する環系であり、例えば、場合により置換されていてもよい5、6又は7員環飽和環であって;この環系は1個のリン原子を含有し、さらに場合によりN、O及びS(O)
rから選ばれた1個のヘテロ原子を含有することができる。一部の態様では、R
aは次式のいずれかで示される基であるか、その基を含んでいる。
【0027】
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
【0028】
−
この種の具体例は、次のものを包含する一般式IAの化合物である。
【0029】
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
【0030】
興味ある1つの下位種では、R
aの1つが−(CH
2)
m−P(=O)(R
3)
2である。この種は次の一般式IIで示される化合物で例示される。
【0031】
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
【0032】
式中、R
3、R
a、n、環A、X
1、X
2、X
3及びX
4は上で一般式Iにおいて定義した通りであり、mは0、1、2、3又は4である。
本発明で使用するのに特に興味ある1つの種類の化合物は上記一般式IIで示される化合物において、X
2がCR
cであり、X
3がCR
dであり、X
4がCR
eであるものである。この種類は次の一般式IIAで示される化合物により例示される。
【0033】
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
【0034】
式中、R
3、R
a、環A、n、X
1、R
c、R
d及びR
eは上で一般式Iにおいて定義した通りであり、mは0、1、2、3又は4である。
興味ある1つの下位種は、mが0である一般式II又は一般式IIAで示される化合物である。別の下位種ではmは1である。
【0035】
興味ある別の下位種は、XがNである一般式II又は一般式IIAで示される化合物である。
興味ある別の下位種は、XがCR
bである一般式II又は一般式IIAで示される化合物である。
【0036】
興味ある別の下位種はnが0である上記種類又は下位種の化合物である。別の下位種では、nは1である。
特に興味ある1つの種類の化合物は、環Aがフェニルである一般式IIAで示される化合物である。
【0037】
この態様の制限しない例としては、下記一般式IIAで示される化合物が挙げられる。
【0038】
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
【0039】
1態様において、R
c1、R
d1、R
c及びR
dから選ばれた2つの隣接する置換基は、それらが結合している原子と共に、5、6若しくは7員環の飽和、部分飽和若しくは不飽和環Bを形成し、この環Bは1〜4個のR
fで置換され、そしてN、O及びS(O)
rから選ばれた0〜4個のヘテロ原子を含有する。この種類は次の一般式IIIで示される化合物により例示される。
【0040】
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
【0041】
式中、R
a、Rf、環A、n、s、X
1、X
2、X
3及びX
4は一般式Iにおいて記載した通りであり、tは1、2、3又は4である。
本発明で使用するのに特に興味ある1つの種類の化合物は、上記の通りの一般式IIIで示される化合物において、X
2がCR
cであり、X
3がCR
dであり、X
4がCR
eであり、R
c及びR
d部分は、それらが結合している原子と共に、5、6若しくは7員環の飽和、部分飽和若しくは不飽和環Bを形成している化合物である。この種類は次の一般式IIIAで示される化合物により例示される。
【0042】
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
【0043】
式中、R
a、X
1、環A、n、s、t、X
1、R
e及びR
fは一般式IIIにおいて上述した通りである。
ある特定の態様では、1つのR
aが−P(=O)(R
3)
2であるか又はそれを含むか、或いは環の構成部分として−P(=O)(R
3)−部分を含有する環系であるか又はそれを含む(例えば、−(CH
2)
m−P(=O)(アルキル)
2、ここでmは0、1、2、3又は4、並びに上に列挙した環式のものを含むリン含有置換基の他の例)。別の特定の態様では、R
fがP(=O)(R
3)
2であるか又はそれを含むか、或いは環の構成部分として−P(=O)(R
3)−部分を含有する環系であるか又はそれを含む(例えば、−(CH
2)
m−P(=O)(アルキル)
2、ここでmは0、1、2、3又は4、並びに上に列挙した環式のものを含むリン含有置換基の他の例)。
【0044】
特に興味ある1つの種類の化合物は、環Aフェニルである一般式III又はIIIAで示される化合物である。
この種類の化合物を例示すると、 下記の一般式IIIAで示される化合物である。
【0045】
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
【0046】
この種の化合物の他の例を例示すると、下記の一般式IIIで示される化合物である。
【0047】
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
【0048】
別の態様において、R
d1、R
e1、R
d及びR
dから選ばれた2つの隣接する置換基は、それらが結合している原子と共に、5、6若しくは7員環の飽和、部分飽和若しくは不飽和環Cを形成し、この環Cは1〜4個のR
fで置換され、そしてN、O及びS(O)
rから選ばれた0〜4個のヘテロ原子を含有する。この種類は次の一般式IVで示される化合物により例示される。
【0049】
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
【0050】
式中、環A、R
a、Rf、s、n、X
1、X
2、X
3及びX
4は一般式Iにおいて定義した通りであり、tは1、2、3又は4である。
この種類の代表例を例示すると、下記の一般式IVで示される化合物である。
【0051】
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
【0052】
本発明で使用するのに特に興味ある1つの種類の化合物は、上記の通りの一般式IVで示される化合物において、X
1がCR
bであり、X
2がCR
cであり、X
3がCR
dであり、X
4がCR
eであり、R
d及びR
e部分は、それらが結合している原子と共に、5、6若しくは7員環の飽和、部分飽和若しくは不飽和環Cを形成している化合物である。この種類は次の一般式IVAで示される化合物により例示される。
【0053】
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
【0054】
式中、環A、環C、R
a、s、n、R
b、R
c、R
f及びtは上で一般式IVにおいて定義した通りである。
この態様のある特定の形態では、1つのR
aが、−P(=O)(R
3)
2であるか又はそれを含み、或いは環の構成部分として−P(=O)(R
3)−部分を含有する環系であるか又はそれを含む。
【0055】
この態様の別の形態では、R
fの1つがP(=O)(R
3)
2であるか又はそれを含み、或いは環の構成部分として−P(=O)(R
3)−部分を含有する環系であるか又はそれを含む。
この態様の別の形態では、R
cがP(=O)(R
3)
2であるか又はそれを含み、或いは環の構成部分として−P(=O)(R
3)−部分を含有する環系であるか又はそれを含む。
【0056】
特に興味ある1つの種類の化合物は、環Aフェニルである一般式IV又はIVAで示される化合物である。
この種類の化合物を例示すると、下記の一般式IVAで示される化合物である。
【0057】
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
【0058】
別の態様において、R
b、R
c、R
b1及びR
c1から選ばれた2つの隣接する置換基は、それらが結合している原子と共に、5、6若しくは7員環の飽和、部分飽和若しくは不飽和環Dを形成し、この環Dは1〜4個のR
f基で置換され、そしてN、O及びS(O)
rから選ばれた0〜4個のヘテロ原子を含有する。この種類は次の一般式Vで示される化合物により例示される。
【0059】
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
【0060】
式中、R
a、s、n、X
1、X
2、X
3,X
4及びR
fは上で一般式Iにおいて定義した通りであり、tは1、2、3又は4である。
この種類の化合物例を例示すると、下記の一般式Vで示される化合物である。
【0061】
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
【0062】
本発明で使用するのに特に興味ある1つの種類の化合物は、上記の通りの一般式Vで示される化合物において、X
1がCR
bであり、X
2がCR
cであり、X
3がCR
dであり、X
4がCR
eであり、R
b及びR
bは、それらが結合している原子と共に、5、6若しくは7員環の飽和、部分飽和若しくは不飽和環Dを形成している化合物である。この種類は次の一般式IVAで示される化合物により例示される。
【0063】
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
【0064】
式中、R
a、s、n、t、環A、環D、R
d、R
e 及びR
fは上で一般式Vにおいて定義した通りである。
この態様のある特定の形態では、1つのR
aが、−P(=O)(R
3)
2であるか又はそれを含み、或いは環の構成部分として−P(=O)(R
3)−部分を含有する環系であるか又はそれを含む。
【0065】
この態様の別の形態では、R
fの1つがP(=O)(R
3)
2であるか又はそれを含むか、或いは環の構成部分として−P(=O)(R
3)−部分を含有する環系であるか又はそれを含む。
【0066】
特に興味ある1つの種類の化合物は、環Aフェニルである一般式V又はVAで示される化合物である。
この種類の化合物を例示すると、下記の一般式VAで示される化合物である。
【0067】
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
【0068】
本発明はまた次の一般式VIで示される化合物にも関する。
【0069】
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
【0070】
式中、
X
1はNR
b1又はCR
bであり;
X
3はNR
d1又はCR
dであり;
X
4はNR
e1又はCR
eであり;
環Aはアリール、又はN、O及びS(O)
rから選ばれた1〜4個のヘテロ原子を含有する5若しくは6員環ヘテロアリール環であり;
環Eは、アリール環、炭素環、又は炭素原子と独立してO、N及びS(O)
rから選ばれた1〜4個のヘテロ原子とを含む5、6若しくは7員ヘテロ環又はヘテロアリール環を表し、環Eは場合により5、6若しくは7員環の飽和、部分飽和若しくは不飽和環と縮合しており、そして環Eは、炭素原子上又はヘテロ原子上で1〜7個のR
g基により置換されている。
【0071】
Lは、単結合、O(CH
2)
y、NR
4(CH
2)
y、S(O)
r(CH
2)
y、(CH
2)
y、(CH
2)
ySO
2NR
4、(CH
2)
yNR
4SO
2、(CH
2)
yCH=CH、(CH
2)
yC≡C、
【0072】
【化26】
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【0073】
(CH
2)
yC(O)NR
4、(CH
2)
yNR
4C(O)であり、yは0、1、2、3又は4であり、pは1、2、3、4、5、6又は7であり、rは0、1又は2であり、R
4はH又はアルキルであり、リンカーLは、どちらの方向を向いて含まれていてもよい。
【0074】
R
a、R
b、R
d及びR
eは、出てくる毎に独立して、ハロゲン、−CN、−NO
2、−R
1、−OR
2、−O−NR
1R
2、−NR
1R
2、−NR
1−NR
1R
2、−NR
1−OR
2、−C(O)YR
2、−OC(O)YR
2、−NR
1C(O)YR
2、−SC(O)YR
2、−NR
1C(=S)YR
2、−OC(=S)YR
2、−C(=S)YR
2、−YC(=NR
1)YR
2、−YC(=N-OR
1)YR
2、−YC(=N−NR
1R
2)YR
2、−YP(=O)(YR
3)(YR
3)、−Si(R
3a)
3、−NR
1SO
2R
2、−S(O)
rR
2、−SO
2NR
1R
2、及び−NR
1SO
2NR
1R
2よりなる群から選ばれ、そしてR
b1、R
d1及びR
e1は存在せす、各Yは独立して、単結合、−O−、−S−又は−NR
1−であるか;或いは
R
b、R
b1、R
d、R
d1、R
e及びR
e1から選ばれた2つの隣接する置換基又は2つの隣接するR
a部分は、それらが結合している原子と共に、N、O及びS(O)
rから選ばれた0〜4個のヘテロ原子を含有し、1〜4個のR
f部分で置換された飽和、部分飽和若しくは不飽和の5、6若しくは7員環を形成していてもよく;ここで
各R
f部分は、独立して、ハロゲン、=O、=S、−CN、−NO
2、−R
1、−OR
2、−O−NR
1R
2、−NR
1R
2、−NR
1−NR
1R
2、−NR
1−OR
2、−C(O)YR
2、−OC(O)YR
2、−NR
1C(O)YR
2、−SC(O)YR
2、−NR
1C(=S)YR
2、−OC(=S)YR
2、−C(=S)YR
2、−YC(=NR
1)YR
2、−YC(=N-OR
1)YR
2、−YC(=N−NR
1R
2)YR
2、−YP(=O)(YR
3)(YR
3)、−Si(R
3a)
3、−NR
1SO
2R
2、−S(O)
rR
2、−SO
2NR
1R
2、及び−NR
1SO
2NR
1R
2よりなる群から選ばれるか、又は2つの隣接するR
f部分が、それらが結合している原子と共に、N、O及びS(O)
rから選ばれた0〜4個のヘテロ原子を含有する、場合により置換されていてもよい、飽和、部分飽和若しくは不飽和の5、6若しくは7員環を形成していてもよく;
各R
g部分は独立して、ハロゲン、=O、=S、−CN、−NO
2、−R
1、−OR
2、−O−NR
1R
2、−NR
1R
2、−NR
1−NR
1R
2、−NR
1−OR
2、−C(O)YR
2、−OC(O)YR
2、−NR
1C(O)YR
2、−SC(O)YR
2、−NR
1C(=S)YR
2、−OC(=S)YR
2、−C(=S)YR
2、−YC(=NR
1)YR
2、−YC(=N-OR
1)YR
2、−YC(=N−NR
1R
2)YR
2、−YP(=O)(YR
3)(YR
3)、−Si(R
3a)
3、−NR
1SO
2R
2、−S(O)
rR
2、−SO
2NR
1R
2、及び−NR
1SO
2NR
1R
2よりなる群から選ばれ、ここで各Yは独立して単結合、−O−、−S−又は−NR
1−であり;、そしてR
a、R
b、R
d、R
e又はR
gの少なくとも1つは、それが存在する場合、−P(=O)(R
3)
2であるか又はそれを含み、或いは環の構成部分として−P(=O)(R
3)−部分を含有する環系であるか、それを含み;
rは0、1又は2であり;
sは1、2、3、4又は5であり;
nは0又は1であり;
pは1、2、3又は4であり;
Yは出てくるごとに独立して、単結合、−O−,−S−又は−NR
1−であり;
R
1及びR
2は出てくるごとに独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロ環基及びヘテロアリールから選ばれ;
R
3は出てくるごとに独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロ環基及びヘテロアリールから選ばれるか、又は隣接する2つのR
3部分が一緒になってリン原子を含有する環系を形成していてもよく、
R
3aは出てくるごとに独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロ環基及びヘテロアリールから選ばれ;
或いは、各NR
1R
2部分は、N、O及びS(O)
rから選ばれた追加のヘテロ原子0〜2個を含有する、場合により置換されていてもよい、飽和、部分飽和又は不飽和の5、6又は7員環であってもよく;
上記のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロ環部分のそれぞれは場合により置換されていてもよい。
【0075】
1態様において、一般式VIで示される化合物ではR
aの1つが−P(=O)(R
3)
2であるか又はそれを含む。
別の態様において、一般式VIで示される化合物ではR
gの1つが−P(=O)(R
3)
2であるか又はそれを含む。
【0076】
1態様において、一般式VIで示される化合物ではLが単結合である。この種類の化合物の制限しない例としては下記の化合物が挙げられる。
【0077】
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
【0078】
別の態様では、一般式VIで示される化合物においてLはNR
4(CH
2)
yである。1つの具体的形態では、LはNR
4である。別の具体的形態では、LはNR
4(CH
2)
1-3である。リンカーLの制限しない具体例は、NHCH
2CH
2、NHCH
2、NH及びNCH
3である。この種類の化合物の制限しない例としては下記化合物が挙げられる。
【0079】
【化28】
[この文献は図面を表示できません]
【0080】
別の態様では、一般式VIの化合物においてLはO(CH
2)
yである。この種類の化合物の制限しない具体例としては下記化合物が挙げられる。
【0081】
【化29】
[この文献は図面を表示できません]
【0082】
別の態様では、一般式VIの化合物においてLが(CH
2)
yC(O)NR
4又は(CH
2)
yNR
4C(O)である。この種類の化合物の制限しない例としては下記化合物が挙げられる。
【0083】
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
【0084】
別の態様では、一般式VIの化合物において、LがS(CH
2)
yである。この種類の化合物の制限しない例としては下記化合物が挙げられる。
【0085】
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
【0086】
さらに別の態様では、一般式VIの化合物において、環Eは1〜5個のR
g基で置換されたアリール基である。この種類の化合物の制限しない例としては下記種類の化合物が挙げられる。
【0087】
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
【0088】
別の態様では、一般式VIで示される化合物において、環Eは、炭素原子とO、N及びS(O)
rから独立して選ばれた1〜3個のヘテロ原子とを含む、5、6若しくは7員ヘテロ環であり、環Eは炭素原子上又はヘテロ原子上で1〜7個のR
g基により置換されている。置換基R
gの総数が正規な利用可能な価数を超えることがないのは当然である。この種の化合物の制限しない例は、環Eが下記種類のものである一般式VIの化合物である。
【0089】
【化33】
[この文献は図面を表示できません]
【0090】
制限しない具体例は、次式で示される化合物である。
【0091】
【化34】
[この文献は図面を表示できません]
【0092】
別の態様では、一般式VIで示される化合物において、環Eが炭素環であり、環Eが1〜7個のR
g基により置換されている。この種類の化合物の制限しない例は、次式で示される化合物である。
【0093】
【化35】
[この文献は図面を表示できません]
【0094】
前述した態様の別の形態では、環Eは、炭素原子とO、N及びS(O)
rから独立して選ばれた1〜3個のヘテロ原子とを含む、5、6若しくは7員環ヘテロアリール環である。例えば、環Eは炭素原子と1〜3個の窒素原子とを含む5員環ヘテロアリールであることができる。この種類の化合物の制限しない例は、環Eが下記種類のものである化合物である。
【0095】
【化36】
[この文献は図面を表示できません]
【0097】
【化37】
[この文献は図面を表示できません]
【0098】
別の興味あるものは、R
gが−R
1及び−C(O)YR
2よりなる群から選ばれる上述した種類の化合物である。興味ある別の下位種は、R
gがアリール、ヘテロアリール、置換アルキル又はヘテロ環基である上記態様の化合物である。置換アルキルの制限しない例は、−(CH
2)
zC(=O)NR
1R
2、−(CH
2)
zNHC(=O)R
2、−(CH
2)
zNR
1R
2、−(CH
2)
zC(=O)OR
1、−(CH
2)
zヘテロ環、−(CH
2)
zアリール及び−(CH
2)
zヘテロアリールであり、ここでzは1、2、3又は4であり、アルキルは直鎖(すなわち、非分岐若しくは非環式)、分岐、及び環式アルキル基を包含し、そしてアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロ環基は場合により置換されていてもよい。
【0099】
置換基R
gを含有するこのような環Eの具体例としては、制限しないが、下記のものが挙げられる。
【0100】
【化38】
[この文献は図面を表示できません]
【0101】
この種類の化合物の制限しない具体例は、次式で示される化合物である。
【0102】
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
【0103】
別の態様では、環Eが炭素原子と1〜3個の窒素原子とを含有する5員環ヘテロアリール環であり、このヘテロアリール環が窒素原子を介してコア(核)部分に連結している。この態様の1つの好適形態において、Lは単結合又は(CH
2)
yである。
【0104】
別の興味ある種類は、R
gが−R
1、−OR
2、−P(=O)(R
3)
2、−NR
1R
2、−C(O)YR
2、−NR
1C(O)YR
2、−NR
1SO
2R
2、−S(O)
rR
2、−SO
2NR
1R
2、及び−NR
1SO
2NR
1R
2よりなる群から選ばれる上記種類の化合物である。別の興味ある下位種では、R
gがアリール、ヘテロアリール、置換アルキル又はヘテロ環基である上記態様の化合物である。R
gの制限しない例は、−(CH
2)
yC(=O)NR
1R
2、−(CH
2)
yNHC(=O)R
2、−(CH
2)
yNR
1R
2、−(CH
2)
yヘテロ環、−(CH
2)
yアリール、−(CH
2)
yヘテロアリール、−NH−アリール、−NH−ヘテロアリール及び−NHヘテロ環であり、ここでyは0、1、2、3又は4であり、アルキルは直鎖(すなわち、非分岐若しくは非環式)、分岐、及び環式アルキル基を包含し、そしてアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロ環基は場合により置換されていてもよい。
【0105】
このような化合物の制限しない具体例としては、環Eが次式で示されるトリアゾールである一般式VIの化合物が挙げられる。
【0106】
【化40】
[この文献は図面を表示できません]
【0107】
別の態様では、環Eは次式で示されるピラゾールである。
【0108】
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
【0109】
前述した態様の別の形態では、環Eは次式で示されるテトラゾールである。
【0110】
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
【0111】
別の態様では、環Eは、炭素原子とN及びOから選ばれた1〜3個のヘテロ原子とを含む5員環ヘテロアリールである。制限しないその例は、環Eが次式で示される種類のものである一般式VIで示される化合物である。
【0112】
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
【0113】
上記式中、pは既に定義した通りであり、置換基R
gの総数は正規の利用可能な価数を超えない。
ある特定の態様では、環Eは次式で示される。
【0114】
【化44】
[この文献は図面を表示できません]
【0115】
上記式中、環Eは1〜2個のR
g置換基で置換されている。
別の興味ある種類は、R
gが−R
1、−P(=O)(R
3)
2、−OR
2、−NR
1R
2、−C(O)YR
2、−NR
1C(O)YR
2、−NR
1SO
2R
2、−S(O)
rR
2、−SO
2NR
1R
2及び−NR
1SO
2NR
1R
2よりなる群から選ばれる上記種類の化合物である。別の興味ある下位種では、R
gが−NHC(O)R
1、−NHC(O)NR
1R
2、−C(O)NHR
1、−C(O)NR
1R
2、−NR
1R
2、アリール、ヘテロアリール、置換アルキル又はヘテロ環基である上記態様の化合物である。R
gの制限しない例は、−(CH
2)
yC(=O)NR
1R
2、−(CH
2)
yNHC(=O)R
2、−(CH
2)
yNR
1R
2、−(CH
2)
yOR
2、−(CH
2)
yヘテロ環、−(CH
2)
yアリール、−(CH
2)
yヘテロアリール、−NH−アリール、−NH−ヘテロアリール及び−NHヘテロ環、−(CH
2)
mP(=O)(アルキル)
2であり、ここでy及びmは独立して0、1、2、3及び4から選ばれ、アルキルは直鎖(すなわち、非分岐若しくは非環式)、分岐、及び環式アルキル基を包含し、そしてアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロ環基は場合により置換されていてもよい。
【0116】
この種類の化合物の制限しない例としては、環Eが次式で示される一般式VIで示される化合物が挙げられる。
【0117】
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
【0118】
この種類の化合物の制限しない具体例としては、置換された環Eが次式で示されるものである一般式VIの化合物が挙げられる。
【0119】
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
【0120】
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
【0121】
別の具体的な態様では、環Eは、次式に例示するように炭素原子とN及びSから選ばれた1〜3個のヘテロ原子とを含む5員ヘテロアリール環である。
【0122】
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
【0123】
上記式中、pは既に定義した通りであり、置換基R
gの総数は正規の利用可能な価数を超えない。
特に興味あるのは、R
gが−R
1、−P(=O)(R
3)
2、−OR
2、−NR
1R
2、−C(O)YR
2、−NR
1C(O)YR
2、−NR
1SO
2R
2、−S(O)
rR
2、−SO
2NR
1R
2及び−NR
1SO
2NR
1R
2よりなる群から選ばれる上記種類の化合物である。別の興味ある下位種では、R
gが−NHC(O)R
1、−C(O)NHR
1、−C(O)NR
1R
2、−NHC(O)NHR
1、−NR
1R
2、アリール、ヘテロアリール、置換アルキル又はヘテロ環基である上記態様の化合物である。R
gの制限しない例は、−(CH
2)
yC(=O)NR
1R
2、−(CH
2)
yNHC(=O)R
2、−(CH
2)
yNR
1R
2、−(CH
2)
yOR
2、−SO
2NR
1R
2、−(CH
2)
ySR
2、−(CH
2)
yヘテロ環、−(CH
2)
yアリール、−(CH
2)
yヘテロアリール、−NH−アリール、−NH−ヘテロアリール、−NHヘテロ環及び−(CH
2)
mP(=O)(アルキル)
2であり、ここでy及びmは独立して0、1、2、3及び4から選ばれ、アルキルは直鎖(すなわち、非分岐若しくは非環式)、分岐、及び環式アルキル基を包含し、そしてアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロ環基は場合により置換されていてもよい。
【0124】
この種類の化合物の制限しない例としては、環Eが次式で示される一般式VIで示される化合物が挙げられる。
【0125】
【化49】
[この文献は図面を表示できません]
【0126】
この種の化合物の制限しない具体例としては、置換された環Eが次式で示されるものである一般式VIで示される化合物が挙げられる。
【0127】
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
【0128】
別の制限しない例としては、環Eが次式で示されるフラン又はチオフランである一般式VIで示される化合物が挙げられる。
【0129】
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
【0130】
上記式中、pは既に定義した通りであり、置換基R
gの総数は正規の利用可能な価数を超えない。
この種の化合物の制限しない具体例としては、置換された環Eが次式で示されるものである一般式VIで示される化合物が挙げられる。
【0131】
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
【0132】
別の態様では、環Eは6員環ヘテロアリール環である。例えば、環Eは次式で示される種類のピリミジンであってもよい。
【0133】
【化53】
[この文献は図面を表示できません]
【0134】
上記式中、pは既に定義した通りであり、置換基R
gの総数は正規の利用可能な価数を超えない。
特に興味あるのは、R
gが−R
1、−P(=O)(R
3)
2、−OR
2、−NR
1R
2、−C(O)YR
2、−NR
1C(O)YR
2、−NR
1SO
2R
2、−S(O)
rR
2、−SO
2NR
1R
2及び−NR
1SO
2NR
1R
2よりなる群から選ばれる上記種類の化合物である。別の興味ある下位種では、R
gが−NHC(O)R
1、−NHC(O)NHR
1、−C(O)NHR
1、−C(O)NR
1R
2、−NR
1R
2、アリール、ヘテロアリール、置換アルキル又はヘテロ環基である上記態様の化合物である。R
aの制限しない例は、−OCH
2CH
2NR
1R
2、−OCH
2C(O)NR
1R
2、−NR
1C(O)NR
1R
2、−(CH
2)
yC(=O)NR
1R
2、−(CH
2)
yNHC(=O)R
2、−(CH
2)
yNR
1R
2、−(CH
2)
yOR
2、−SO
2NR
1R
2、−(CH
2)
ySR
2、−(CH
2)
yヘテロ環、−(CH
2)
yアリール、−(CH
2)
yヘテロアリール、−NH−アリール、−NH−ヘテロアリール、−NHヘテロ環及び−(CH
2)
mP(=O)(アルキル)
2であり、ここでy及びmは独立して0、1、2、3及び4から選ばれ、アルキルは直鎖(すなわち、非分岐若しくは非環式)、分岐、及び環式アルキル基を包含し、そしてアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロ環基は場合により置換されていてもよい。
【0135】
この種類の化合物の制限しない例としては、環Eが次式で示される一般式VIで示される化合物が挙げられる。
【0136】
【化54】
[この文献は図面を表示できません]
【0137】
この種類の化合物の制限しない具体例としては、環Eが次式のものである一般式VIで示される化合物が挙げられる。
【0138】
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
【0139】
別の態様では、環Eは1〜4個のR
g基で置換されたピリジンである。特に興味あるのは、R
gが−R
1、−P(=O)(R
3)
2、−OR
2、−NR
1R
2、−NR
1C(O)R
2、−NR
1SO
2R
2よりなる群から選ばれる上記種類の化合物である。別の興味ある下位種では、R
gが−NHC(O)R
2、−NR
1R
4、アリール、ヘテロアリール、置換アルキル又はヘテロ環基である上記態様の化合物である。R
gの制限しない例は、−(CH
2)
yC(=O)NR
1R
2、−(CH
2)
yC(=O)アリール、−(CH
2)
yC(=O)ヘテロアリール、−(CH
2)
yC(=O)ヘテロ環、−(CH
2)
yNHC(=O)R
2、−(CH
2)
yNR
1R
2、−(CH
2)
yOR
2、−(CH
2)
ySR
2、−(CH
2)
yヘテロ環、−(CH
2)
yアリール、−(CH
2)
yヘテロアリール、−NH−アリール、−NH−ヘテロアリール、−NHヘテロ環及び−(CH
2)
mP(=O)(アルキル)
2であり、ここでy及びmは独立して0、1、2、3及び4から選ばれ、アルキルは直鎖(すなわち、非分岐若しくは非環式)、分岐、及び環式アルキル基を包含し、そしてアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロ環基は場合により置換されていてもよい。
【0140】
この種類の化合物の制限しない例としては、環Eが次式で示される一般式VIで示される化合物が挙げられる。
【0141】
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
【0142】
この種類の化合物の制限しない具体例としては、環Eが次式のものである一般式VIで示される化合物が挙げられる。
【0143】
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
【0144】
別の態様では、環Eは1〜3個のR
g基で置換されたピラジンである。この種類の化合物の制限しない例としては、環Eが次式で示される化合物が挙げられる。
【0145】
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
【0146】
この種類の化合物の制限しない具体例としては、環Eが次式のものである一般式VIで示される化合物が挙げられる。
【0147】
【化59】
[この文献は図面を表示できません]
【0148】
別の態様では、環Eは1〜2個のR
g基で置換されたトリアジンである。例としては、環Eが次式で示される化合物が挙げられる。
【0149】
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
【0150】
上記式中、pは既に定義した通りであり、置換基R
gの総数は最大の利用可能な価数を超えない。トリアジンの場合、pは0、1又は2である。
1態様において、環Eは、5、6若しくは7員環の飽和、部分飽和若しくは不飽和環と縮合しているアリール、炭素環又は5、6若しくは7員環ヘテロ環若しくはヘテロアリール環であって、環Eは場合により1〜5個のR
g基により置換されている。
【0151】
一部の態様において、環Eは5,6−又は5,5−二環式縮合環系である。制限しない例としては、環Eが次式で示される一般式VIの化合物が挙げられる。
【0152】
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
【0153】
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
【0154】
そして、上に示した縮合環系はさらにR
g基で置換されうる。
興味ある別の一部の態様では、環Eは6,6−又は6,5−二環式縮合環系である。この種の化合物の制限しない例としては、環Eが次式で示される一般式VIの化合物が挙げられる。
【0155】
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
【0156】
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
【0157】
そして、上に示した縮合環系はさらにR
g基で置換されうる。
この種の化合物の制限しない具体例としては、置換された環Eが次式で示されるものである一般式VIの化合物が挙げられる。
【0158】
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
【0159】
他の興味ある一部の態様では、環Eは、5、6若しくは7員環の飽和、部分飽和若しくは不飽和環と縮合しているアリールであって、環Eは1〜5個のR
g基により置換されている。この種の化合物の制限しない例としては、環Eが次式で示される一般式VIの化合物が挙げられる。
【0160】
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
【0161】
この種類の化合物の制限しない具体例としては、置換された環Eが次式で示されるものである一般式VIの化合物が挙げられる。
【0162】
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
【0163】
一般式VIで示される化合物の一部の態様において、環Aは6員環ヘテロアリールである。この種の化合物の例は、上記の種類及び下位種の化合物において環Aがピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン又はトリアジンである化合物である。
【0164】
さらに別の態様では、環Aは5員環ヘテロアリールである。この種の化合物の例は、上記の種類及び下位種の化合物において環Aがイミダゾール、ピラゾール、テトラゾール、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール、ピロールなどである化合物である。
【0165】
特に興味あるのは、R
aがハロゲン、−P(=O)(R
3)
2、−R
1、−OR
2、−NR
1R
2、−NR
1C(O)R
2、−NR
1C(O)NR
2、−C(O)NR
1R
2、−C(O)OR
1、−SO
2NR
1R
2、−SO
2R
1、及び−NR
1SO
2R
2よりなる群から選ばれる上記種類の化合物である。別の興味ある下位種では、R
aが−P(=O)(アルキル)
2、アルキル、アルキニル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、−O−アルキル(例、OMeなど)、−CN、−C(O)NH−アルキル、−C(O)NH−アリール、−C(O)NH−ヘテロ環、−OH、−NR
1R
2、−NHS(O)
2−アルキル又は−NHS(O)
2−アリールである上記態様の化合物である。R
aの制限しない例は、−(CH
2)
mP(=O)(Me)
2、−(CH
2)
mP(=O)(Et)
2、−F、−Cl、−CF
3、−OCF
3、−(CH
2)
yC(=O)NR
1R
2、−(CH
2)
yC(=O)アリール、−SO
2NR
1R
2、−NHSO
2R
1、低級アルキル、−(CH
2)
yC(=O)ヘテロアリール、−(CH
2)
yC(=O)ヘテロ環、−(CH
2)
yNHC(=O)R
2、−(CH
2)
yNR
1R
2、−(CH
2)
yOR
2、−(CH
2)
ySR
2、−(CH
2)
yヘテロ環、−(CH
2)
yアリール、−(CH
2)
yヘテロアリール、−NH−アリール、−NH−ヘテロアリール、又は−NHヘテロ環であり、ここでy及びmは独立して0、1、2、3及び4から選ばれ、アルキルは直鎖(すなわち、非分岐若しくは非環式)、分岐、及び環式アルキル基を包含し、そしてアルキル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロ環基は場合により置換されていてもよい。
【0166】
本発明はまた下記一般式VIaで示される化合物にも関する。
【0167】
【化68】
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【0168】
式中、
X
1はNR
b1又はCR
bであり、
X
3はNR
d1又はCR
dであり、
X
4はNR
e1又はCR
eであり、
環A及び環Eはそれぞれ独立してアリール又はヘテロアリール環から選ばれ、該ヘテロアリール環はN、O及びS(O)
rから選ばれた1〜4個のヘテロ原子を含有する5若しくは6員環であり;
R
a、R
b、R
d、R
e及びR
gは、出てくる毎に独立して、ハロゲン、−CN、−NO
2、−R
1、−OR
2、−O−NR
1R
2、−NR
1R
2、−NR
1−NR
1R
2、−NR
1−OR
2、−C(O)YR
2、−OC(O)YR
2、−NR
1C(O)YR
2、−SC(O)YR
2、−NR
1C(=S)YR
2、−OC(=S)YR
2、−C(=S)YR
2、−YC(=NR
1)YR
2、−YC(=N−OR
1)YR
2、−YC(=N−NR
1R
2)YR
2、−YP(=O)(YR
3)(YR
3)、−Si(R
3a)
3、−NR
1SO
2R
2、−S(O)
rR
2、−SO
2NR
1R
2、及び−NR
1SO
2NR
1R
2よりなる群から選ばれ;又はR
a及びR
gは、それぞれ独立して選ばれた−P(=O)(R
3)
2部分であるか又はそれを含み、或いは環の構成部分として−P(=O)(R
3)−部分を含んだ環系であるか、それを含んでいてもよく;
R
b1、R
d1及びR
e1は存在せず;
或いは、R
d、R
d1、R
e及びR
e1から選ばれた2つの隣接する置換基又は2つの隣接するR
a部分は、それらが結合している原子と共に、N、O及びS(O)
rから選ばれた0〜4個のヘテロ原子を含有し、ヘテロ環に適した置換基(下記参照)(その多様な例が本書に開示した例示化合物中に示されている)を4個まで含有しうる、飽和、部分飽和若しくは不飽和環の縮合5、6若しくは7員環を形成していてもよく;
R
aとR
gの少なくとも一方は、−P(=O)(R
3)
2部分であるか又はそれを含んでいるか、或いは環の構成部分として−P(=O)(R
3)−部分を含んだ環系であるか、それを含んでおり;
LはO又はNHであり;
rは0、1又は2であり;
sは1、2、3、4又は5であり;
pは1、2、3又は4であり;
Yは出てくるごとに独立して、単結合、−O−,−S−又は−NR
1−であり;
R
1及びR
2は出てくるごとに独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロ環基及びヘテロアリール基から選ばれ;
R
3は出てくるごとに独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロ環基及びヘテロアリール基から選ばれるか、又は隣接する2つのR
3部分が一緒になってリン原子を含有する環系を形成していてもよく、
R
3aは出てくるごとに独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロ環基及びヘテロアリールから選ばれ;
或いは、各NR
1R
2部分は、N、O及びS(O)
rから選ばれた追加のヘテロ原子0〜2個を含有する、場合により置換されていてもよい、飽和、部分飽和又は不飽和の5、6又は7員環であってもよく;
上記のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、及びヘテロ環基は場合により置換されていてもよい。
【0169】
一般式VIAで示される化合物の一部の態様では、さらに次のように定義される:
(1)X
1がNである;(2)X
3がNで、X
4がCR
eである;(3)X
3がCR
dで、X
4がCR
eである;(4)X
1がCR
bである;(5)X
3がNで、X
4がCR
eである;又は(6)X
3がCR
dで、X
4がCR
eである。
【0170】
一般式VIAで示される化合物の一部の特定態様では、X
3がCR
dであり、R
dはCl、F、C
1〜C
4アルキル、トリハロアルキル、シクロアルキル、C
2〜C
4アルケニル、及びアルキニルから選ばれる。かかる態様において、Cl、F、Me及びシクロプロピルが特に興味ある基である。
【0171】
一般式VIAで示される化合物の別の態様では、X
3がCR
d、X
4がCR
eであって、R
dとR
eは、それらが結合している原子と共に、N、O及びS(O)
rから選ばれた0〜4個のヘテロ原子を含有し、4個までの置換基を含有しうる、飽和、部分飽和若しくは不飽和の縮合5、6若しくは7員環を形成している。
【0172】
上述した個々の態様を包含する全体として一般式VIAで示される化合物で特に興味あるものとしては、sが1、2、3又は4であり、置換基R
aのそれぞれが、ハロゲン、−R
1、−OR
2、−NR
1R
2及び−P(=O)(R
3)
2から独立して選ばれ、ここで各R
1及びR
2基はさらに置換されていても、非置換でもよい化合物が挙げられる。一部の態様では、この化合物は少なくとも1つのR
a置換基が−OR
2であるものを含み、ここでR
2はC
1〜C
6アルキル、C
2〜C
6アルケニル及びC
2〜C
6アルキニルから選ばれる。このような場合、本書に示した化合物において例示されるように、R
a基としてしばしばMeO−、EtO−及びiPrO−が選択される。
【0173】
これまでに述べた個々の態様を包含する、全体として一般式VIAで示される化合物はまた、少なくとも1つのR
a置換基が、直接又はエーテル結合を介して環Aに連結した4、5、6若しくは7員環ヘテロ環部分又は5若しくは6員環ヘテロアリール部分である化合物を包含する。このR
a置換基は、ハロゲン、−CN、−NO
2、−R
1、−OR
2、−O−NR
1R
2、−NR
1R
2、−NR
1−NR
1R
2、−NR
1−OR
2、−C(O)YR
2、−OC(O)YR
2、−NR
1C(O)YR
2、−SC(O)YR
2、−NR
1C(=S)YR
2、−OC(=S)YR
2、−C(=S)YR
2、−YC(=NR
1)YR
2、−YC(=N−OR
1)YR
2、−YC(=N−NR
1R
2)YR
2、−YP(=O)(YR
3)(YR
3)、−Si(R
3a)
3、−NR
1SO
2R
2、−S(O)
rR
2、−SO
2NR
1R
2、及び−NR
1SO
2NR
1R
2から独立して選ばれた1〜3個の置換基でさらに置換されていてもよく、ここで各Yは、独立して単結合、−O−、−S−又は−NR
1−である。
【0174】
例えば、一般式VIAの化合物としては、下記から選ばれたヘテロ環又はヘテロアリール置換基R
aを有するものが挙げられる。
【0175】
【化69】
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【0176】
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
【0177】
やはりこれまでに述べた個々の態様を包含する、全体として一般式VIAで示される化合物はまた、少なくとも1つの置換基R
aが−P(=O)(R
3)
2部分であるか、又はこれを含有し、ここでR
3がC
1〜C
4アルキルである一般式VIAで示される化合物を包含する。
【0178】
やはりこれまでに述べた個々の態様を包含する、全体として一般式VIAで示される化合物はまた、LがNHであり、環Eがアリールであり、そして各R
gが独立して、ハロゲン、−R
1、−OR
2、−S(O)
rR
2及び−P(=O)(R
3)
2から選ばれる一般式VIAの態様も包含する。一部の態様では、環Eは、Lに結合している環原子に対してオルト位置にそのような少なくとも1つのR
g部分を含んでいる。別の態様では、そのR
g部分はLに結合している環原子に対してメタ位置にあり、さらに別の態様では、そのR
g部分はLに結合している環原子に対してパラ位置にある。
【0179】
やはりこれまでに述べた個々の態様を包含する、全体として一般式VI及びVIAで示される化合物の態様はまた、−P(=O)(R
3)
2基が−P(=O)(CH
3)
2及び−P(=O)(CH
2CH
3)
2から選ばれたそのような化合物を包含する。
【0180】
一般式Iで示される化合物の別の態様では、2つの隣接するR
a基が、1〜4個のR
f基で置換された5、6又は7員環の飽和、部分飽和又は不飽和環Fを形成している。この種の化合物は次の一般式VIIで示される化合物により代表される。
【0181】
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
【0182】
上記式中、環A、R
a、R
f、n、X
1、X
2、X
3及びX
4は一般式Iにおいて定義した通りであり、tは1、2、3又は4であり、そして環Fは、1〜4個のR
f基で置換されたアリール、炭素環、5若しくは6若しくは7員環のヘテロアリール又はヘテロ環である。
【0183】
本発明で使用するのに特に興味ある1つの種類の化合物は、一般式VIIにおいてX
2がCR
cであり、X
3がCR
dであり、そしてX
4がCR
eである化合物である。この種の化合物は次の一般式VIIAで示される。
【0184】
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
【0185】
上記式中、環A、環F、R
a、R
f、t、n、X
1、R
c、R
d及びR
eは一般式VIIにおいて既に定義した通りである。
さらに興味ある別の種類の化合物は、環Aがフェニルである一般式VIIAで示される化合物である。この種の化合物は、次の一般式VIIBで示される化合物により代表される。
【0186】
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
【0187】
上記式中、環F、R
a、R
f、t、n、X
1、R
c、R
d及びR
eは一般式VIIにおいて記載した通りである。
一般式VII、VIIA及びVIIBにおいて、環Aと環Fとは一緒に縮合環系を形成している。一般式VII、VIIA及びVIIBで示される化合物に利用できる縮合環系としては、制限されないが、一般式VIの環Eについて示したもの(下記を参照)及び下記の縮合環系が挙げられる。
【0188】
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
【0189】
これらの縮合環系は、場合により追加のR
a又はR
f基で置換されていてもよい。特に興味のあるのは、R
fが−P(=O)(R
3)
2であるか、これを含んでいる一般式VII又はVIIA又はVIIBで示される化合物である。−P(=O)(R
3)
2を含むR
fの例は、制限されないが、−(CH
2)
mP(=O)(R
3)
2、−(CH
2)
m−NR
1−P(=O)(R
3)
2、−(CH
2)
m−O−P(=O)(R
3)
2、−(CH
2)
m−NR
1−(CH
2)
m−P(=O)(R
3)
2、−(CH
2)
m−NR
1C(O)O−(CH
2)
m−P(=O)(R
3)
2、及び−(CH
2)
m−C(O)NR
1−(CH
2)
m−P(=O)(R
3)
2(式中、mは0、1、2、3又は4)、並びに環の構成部分として−P(=O)(R
3)−部分を含む環系が挙げられる。
【0190】
別の特に興味あるのは、R
eが−P(=O)(R
3)
2であるか、これを含んでいる一般式VII又はVIIA又はVIIBで示される化合物である。
上述した全ての種類及び下位種の化合物の1態様において、環Aは1〜5個のR
a部分で置換されたフェニル基である。上述した全ての種類及び下位種の化合物のある態様において、環Aは6員環ヘテロアリール(例、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン又はトリアジン環)である。上述した全ての種類及び下位種の化合物のさらに別の態様において、環Aは5員環ヘテロアリール(例、イミダゾール、ピラゾール、テトラゾール、オキサゾール、チアゾール、イソオキサゾール又はピロール環)である。
【0191】
上記全ての種類及び下位種の化合物の別の態様においては、R
aは、ハロゲン、−P(=O)(R
3)
2、−R
1、−OR
2、−NR
1R
2、−NR
1C(O)R
2、−NR
1C(O)NR
2、−C(O)NR
1R
2、−C(O)OR
1、−SO
2NR
1R
2、−SO
2R
1、及び−NR
1SO
2R
2から選ばれる。
【0192】
興味ある別の下位種は、すぐ上に述べた態様の化合物において、R
aが−P(=O)(アルキル)
2、アルキル、アルキニル、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、−O−アルキル(例、OMeなど)、−CN、−C(O)NH−アルキル、−C(O)NH−アリール、−C(O)NH−ヘテロ環、−OH、−NR
1R
2、−NHS(O)
2−アルキル、又は−NHS(O)
2−アリールであるものである。R
aの制限しない例として、−(CH
2)
mP(=O)(Me)
2、−(CH
2)
mP(=O)(Et)
2、−F、−Cl、−CF
3、−OCF
3、−(CH
2)
yC(=O)NR
1R
2、−(CH
2)
yC(=O)アリール、−SO
2NR
1R
2、−NHSO
2R
1、低級アルキル、−(CH
2)
yC(=O)ヘテロアリール、−(CH
2)
yC(=O)ヘテロ環、−(CH
2)
yNHC(=O)R
2、−(CH
2)
yNR
1R
2、−(CH
2)
yOR
2、−(CH
2)
ySR
2、−(CH
2)
yヘテロ環、−(CH
2)
yアリール、−(CH
2)
yヘテロアリール、−NH−アリール、−NH−ヘテロアリール、及び−NHヘテロ環が挙げられ、ここでy及びmは独立して0、1、2、3及び4から選ばれる。
【0193】
上述した全ての種類及び下位種の化合物のさらに別の態様では、R
aは−P(=O)(アルキル)
2、−(CH
2)
1-2P(=O)(アルキル)
2、−O−低級アルキル(例、OMeなど)、低級アルキル(例、メチル、エチル、シクロプロピルなど)、ハロゲン、−CF
3、−OCF
3、−CN、−NH(アルキル)、アルケニル及びアルキニル(例、アセチレン)から選ばれる。
【0194】
R
aで置換されたフェニル部分の具体例としては、制限されないが、下記のフェニル部分が例示される。
【0195】
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
【0196】
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
【0197】
上述した全ての種類及び下位種の化合物のいずれにおいても、R
aは、−(CH
2)
mP(=O)(R
3)
2、−(CH
2)
m−NR
1−P(=O)(R
3)
2、−(CH
2)
m−O−P(=O)(R
3)
2、−(CH
2)
m−NR
1−(CH
2)
m−P(=O)(R
3)
2、−(CH
2)
m−NR
1C(O)O−(CH
2)
m−P(=O)(R
3)
2、及び−(CH
2)
m−C(O)NR
1−(CH
2)
m−P(=O)(R
3)
2から選ばれ、ここでmは0、1、2、3又は4である。或いは、R
aは次式で示されるいずれかの部分である。
【0198】
【化77】
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【0199】
本発明のこれらの種類及び他の種類並びに下位種について、興味ある化合物としては、とりわけR
aの1つが−P(=O)(R
3)
2であるか、それを含んでいる化合物が挙げられる。−P(=O)(R
3)
2を含むR
aの例としては、制限されないが、−(CH
2)
mP(=O)(R
3)
2、−(CH
2)
m−NR
1−P(=O)(R
3)
2、−(CH
2)
m−O−P(=O)(R
3)
2、−(CH
2)
m−NR
1−(CH
2)
m−P(=O)(R
3)
2、−(CH
2)
m−NR
1C(O)O−(CH
2)
m−P(=O)(R
3)
2、及び−(CH
2)
m−C(O)NR
1−(CH
2)
m−P(=O)(R
3)
2(式中、mは0、1、2、3又は4)、並びに上に示したような−P(=O)を含有する環式構造が挙げられる。現時点で特に興味があるのは、一般式Ia又はVIaにおいて、環Aがフェニルであり、X
1がN、nが0、sが2、pが1、R
eがH、そしてR
dがハロゲン(例、F、Cl)、低級アルキル(例、メチル、エチル、イソプロピルなど)、シアノ、ニトロ、アルコキシ(例、メトキシなど)又はCF
3であって、一方のR
aが−P(=O)(R
3)
2であるか、それを含み、他方のR
aが低級アルキル、ハロゲン、シアノ及びアルコキシ(例、メトキシ)から選ばれ、そしてR
gは−S(O)
2アルキルである化合物である。
【0200】
本発明で使用するのに特に興味ある別の化合物は、一般式IIIAにおいて環Aがフェニルである化合物である。この下位種の化合物の制限しない例を例示すると、次式で示される化合物である。
【0201】
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
【0202】
本発明で使用するのに特に興味あるのは、一般式IIIAにおいてR
aの1つが−P(=O)(R
3)
2であるか、それを含んでいる(例、−CH
2P(=O)Me
2、−P(=O)Me
2、−P(=O)Et
2、−OP(=O)Me
2、−NHP(=O)Me
2、−NHCH
2P(=O)Et
2など)化合物である。現時点で特に興味あるのは、この下位種において、X
1がN、nが0、R
eがH、そしてR
fがアルキル、H、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環、ハロゲン(例、F、Cl)、NHR
1、OR
2、CF
3、SO
2−低級アルキル(例、SO
2−iPrなど)、SO
2NR
1R
2及びC(O)NR
1R
2から選ばれる化合物である。
【0203】
興味ある他の化合物としては、とりわけ、一般式IIIAにおいてR
fが−(CH
2)
mP(=O)(アルキル)
2(例、−CH
2P(=O)Me
2、−P(=O)Me
2、−P(=O)Et
2など)である化合物が挙げられる。現時点で特に興味があるのは、この下位種においてX
1がN、nが0、R
aがメトキシ、そしてR
eがHである化合物である。
【0204】
興味ある別の化合物としては、とりわけ、既に述べた種類及び下位種の化合物において、R
dがH、ハロゲン(例、クロロ、フルオロ、ブロモ)、−CF
3、場合により置換されていてもよい低級アルキル基(例、メチル、エチル、イソプロピル、シクロプロピルなど)、−CN、場合により置換されていてもよいアセチレン、−NO
2、−O−アルキル、−S−アルキル、−C(=O)アルキル、−NH−アルキル及び−C(=O)N(アルキル)
2から選ばれる化合物が挙げられる。さらに興味あるのは、R
dがハロゲン又はCF
3であるこの種の化合物である。
【0205】
興味ある他の化合物としては、とりわけ、一般式I及びIA並びに既に述べた種類及び下位種の化合物において、R
eがハロゲン、−CN、−NO
2、−R
1、−OR
2、−O−NR
1R
2、−C(O)YR
2、−OC(O)YR
2、−SC(O)YR
2、−NR
1C(=S)YR
2、−OC(=S)YR
2、−C(=S)YR
2、−YC(=NR
1)YR
2、−YC(=N−OR
1)YR
2、−YC(=N−NR
1R
2)YR
2から選ばれる化合物が挙げられる。さらに興味あるのは、この種類において、R
eがH、CN、NO
2、低級アルキル又はハロゲンである化合物である。ここで、R
1、R
2、及びYは一般式Iにおいて定義されている通りである。さらに興味あるのはR
eがH,低級アルキル及びハロゲンから選ばれる化合物である。
【0206】
特に興味ある本発明の化合物としては、下記の特性の1又は2以上を有するものが挙げられる:
・分子量が質量単位1000未満、好ましくは750未満、より好ましくは600未満である(溶媒和若しくは共析している分子種がある場合のその重量、塩である場合の対イオンの重量を含まないで);或いは
・野生型もしくは変異型(特に臨床に関連する変異型)キナーゼ、特にALK、Met、Jak2、bRaf、EGFR、Tie−2、FLT3又は興味ある他のキナーゼに対する阻害活性が、(任意の科学的に許容されるキナーゼ阻害検定を用いて測定した)IC50値で、1μM以下であり、IC50値は好ましくは500nM又はそれより良好、最適にはIC50値は250nM又はそれより良好である;或いは
・ある特定のキナーゼに対する阻害活性のIC50値が、興味ある他のキナーゼに対するそのIC50値より少なくとも100倍は低い;或いは
・ALK、Met、Jak2、又はb−Rafに対する阻害活性のIC50値がそれぞれについて1μM又はそれより良好である;或いは
・in vitroで維持されているがん細胞系に対する、又は科学的に許容されるがん細胞異種移植片モデルを用いた動物試験における、細胞毒性又は細胞増殖阻害効果がある(特に好ましいのは、Ba/F3 NMP-ALK、Ba/F3 EML4-ALK、Karpas 299および/又はSU-DHL-1細胞の増殖を阻害する効力が、とりわけNVP-TAE684及びPF2341066のような既知のALK阻害剤の効力に対して、比較試験で測定して、少なくとも同等の高さであり、好ましくは既知ALK阻害剤の抗力の少なくとも2倍、より好ましくは既知ALK阻害剤の抗力の少なくとも10倍である本発明の化合物である)。
【0207】
やはり提供されるのは、本発明の少なくとも1種の化合物又はその塩、水和物もしくは他の溶媒和物と、少なくとも1種の薬剤に許容される賦形剤又は添加剤とを含有する組成物である。このような組成物は、がんの増殖、発生及び/又は転移を阻害するために、そして広義には、本発明の化合物により阻害される1種又は2種以上のキナーゼが媒介する疾患又は望ましくない症状(状態)の治療及び予防のために、それを必要とする個体に対して投与することができる。「がん」とは、充実性腫瘍(例、特に、前立腺がん、大腸がん、膵臓がん、卵巣がん、乳がん、非小細胞型肺がん(NSCLS)、グリア芽細胞腫や神経芽細胞腫などの神経腫瘍、食道がん、横紋筋肉腫のような軟部組織がん);未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)と呼ばれる非ホジキンリンパ腫(NHL)のような各種形態のリンパ腫;各種形態の白血病を含み;また、他のキナーゼ阻害剤による治療に対して耐性のがんをはじめとする、他の治療に対して耐性のがんを含む。
【0208】
本発明はがんの治療方法にも関する。この方法は、レシピエントにおける充実性腫瘍又は白血病のような他の形態のがんを含むがんの増殖、発生又は広がりの阻害、遅速化又は逆転のために、それを必要とするヒト又は動物に治療有効量の本発明の化合物を投与する(単独療法として、或いは1種又は2種以上の他の抗がん剤、1種又は2種以上の副作用改善剤、放射線等と組み合わせて)ことを含む。このような投与は、ここに開示した化合物の1種又はその薬剤に許容される誘導体により阻害される1種又は2種以上のキナーゼが媒介する疾患の治療又は予防方法となる。本発明の化合物の「投与」は、ここに説明するように任意の適当な処方組成物又は投与経路を用いて、ここに記載した種類の化合物又はそのプロドラッグもしくは薬剤に許容される他の誘導体をレシピエントに送り込むことを包含する。典型的には、本化合物は月に1回以上、多くは週に1回以上、例えば、毎日、隔日、週に5回などの頻度で、投与される。経口及び静脈内投与が現在特に興味がある投与経路である。
【0209】
ここで用いた「薬剤に許容される誘導体」とは、かかる化合物の任意の薬剤に許容される塩、エステル、又はかかるエステルの塩、或いは任意の他の付加生成物又は誘導体であって、患者に投与されると、ここに記載された化合物、又はキナーゼ阻害剤として薬理学的に活性はその代謝産物(MW>300)を供給(直接的又は間接的に)することができるものを意味する。従って、薬剤に許容される誘導体は、とりわけプロドラッグを包含する。プロドラッグとは、in vivoで除去され易い追加部分を含んだ目的化合物の誘導体であって、この除去により薬理学的活性種である親分子を生ずる、通常は薬理学的活性が著しく低減した誘導体のことである。プロドラッグの1例は、in vivoで開裂して対象化合物(親化合物)を生ずるエステルである。多様な化合物のプロドラッグ、並びに親化合物を誘導体化してプロドラッグを作成するための材料及び方法は公知であり、本発明に適用されうる。
【0210】
親化合物の特に好ましい誘導体及びプロドラッグは、親化合物に比べて、哺乳動物に投与した時の化合物の生物学的利用能を増大させる(例、経口投与後の血液中への吸収を増大させることにより)又は対象となる生物学的部位(例、脳又はリンパ系)への送り込みを増大させる誘導体及びプロドラッグである。好ましいプロドラッグとしては、親化合物に比べて水溶性又は腸管膜を通る能動輸送が増大している本発明の化合物の誘導体が挙げられる。
【0211】
本発明の1つの重要な側面は、本発明の化合物を含有する治療有効量の組成物を、治療を必要とする個体に投与することからなる、該個体におけるがんの治療方法である。治療は1種又は2種以上の他のがん治療法と併用して実施してもよい。他の治療法としては、手術、放射線治療(例、ガンマ線、中性子線放射線治療、電子線放射線治療、陽子線治療、小線源治療、及び全身放射性同位元素治療等)、内分泌療法、生体応答調節剤(例、インターフェロン、インターロイキン、及びいくつもないが腫瘍壊死因子(TNF))、温熱療法、低温療法、副作用軽減剤(例、制吐剤)、並びに他のがん化学療法薬が挙げられる。他の薬剤は、本発明の化合物で使用するのと同じ又は異なる処方組成物、投与経路及び投与計画を用いて投与されうる。
【0212】
このような他の薬剤としては、それらに限られないが、下記の1種又は2種以上が挙げられる:抗がん性アルキル化又はインターカレーティング(挿入)剤(例、メクロレサミン、クロラムブシル、シクロホスファミド、メルファラン、及びイフォスファミド);代謝拮抗剤(例、メトトレキセート);プリン拮抗剤又はピリミジン拮抗剤(例、6−メルカプトプリン、5−フルオロウラシル、シタラビン、及びゲムシタビン);紡錘体毒(例、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビノレルビン及びパクリタキセル);ポドフィロトキシン(例、エトポシド、イリノテカン、トポテカン);抗生物質(例、ドキソルビシン、ブレオマイシン及びミトマイシン);ニトロソウレア(例、カルムスチン、ロムスチン);無機イオン(例、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチンもしくはオキシプラチン);酵素(例、アスパラギナーゼ);ホルモン(例、タモキシフェン、ロイプロリド、フルタミド及びメゲストロール);mTOR阻害剤(例、シロリムス(ラパマイシン)、テムシロリムス(CCI779)、エベロリムス(RAD001)、AP23573又は米国特許第7,091,213号に開示の他の化合物);プロテアソーム阻害剤(例えば、ベルケイド、他のプロテアソーム阻害剤(例、WO 02/096933を参照)又は他のNF−kB阻害剤(例、lkK阻害剤を含む)):他のキナーゼ阻害剤(例、下記キナーゼの阻害剤:Src、BRC/Abl、kdr、flt3、オーロラ2、グリコーゲン合成キナーゼ3(GSK−3),EGF−Rキナーゼ(例、イレッサ、タルセバ等)、VEGF−Rキナーゼ、PDGF−Rキナーゼ等);がんに関係する受容体又はホルモンに対する抗体、可溶性受容体又は他の受容体拮抗剤(EGFR、ErbB2、VEGFR、PDGFR、及びIGF−Rなどの受容体;並びにヘルセプチン、アバスチン、エルビタクス等の薬剤を含む);など。最新のがん治療のより包括的な説明については http://www.nci.nih.gov/を、FDA認可腫瘍薬のリストはhttp://www.fda.gov/cder/cancer/druglistframe.htm及び The Merck Manual, 第17版, 1999年を参照(その全内容をここに参考文献として援用する)。
【0213】
他の治療剤の例は本明細書のいずれかに記載されているが、とりわけ、ザイロプリム、アレムツズマブ、アルトレタミン、アミフォスチン、ナストロゾール、前立腺特異的膜抗原の抗体(MLN−591、MLN591RL及びMLN2704など)、三酸化ヒ素、ベキサロテン、ブレオマイシン、ブスルファン、カペシタビン、グリアデル・ウェーハ、セレコキシブ、クロラムブシル、シスプラチン−エピネフリン・ゲル、クラドリビン、リポソーマルシタラビン、リポソーマルダウノルビシン、ダウノルビシン、ダウノマイシン、デクスラゾキサン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エリオットB液、エピルビシン、エストラムスチン、リン酸エトポシド、エトポシド、エキセメスタン、フルダラビン、5−FU、フルベストラント、ゲムシタビン、ゲムツヅマブ−オゾガミシン、酢酸ゴセレリン、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イダマイシン、イフォスファミド、イマチニブ・メシレート、イリノテカン(もしくはMLN576(XR11576)のような抗体をはじめとする他のトポイソメラーゼ阻害剤)、レトロゾール、ロイコボリン、ロイコボリン・レバミゾール、リポソーマルダウノルビシン、メルファラン、L−PAM、メスナ、メトトレキセート、メトクスサレン、ミトマイシンC、ミトキサントロン、MLN518もしくはMLN608(もしくはflt−3受容体チロシンキナーゼの他の阻害剤、PDFG−R又はcキット)、イトキサントロン、パクリタキセル、ペガデマーゼ、ペントスタチン、プロフィマー・ナトリウム、リツキシマブ(リツキサン<登録商標>)、タルク、タモキシフェン、テモゾラミド、テニポシド、VM−26,トポテカン、トレミフェン、2C4(もしくはHER2媒介シグナル化を妨げる他の抗体)、トレチノイン、ATRA、バルルビシン、ビノレルビン、又はパミドロネート、ゾレドロネート又は他のビスホスホネートが挙げられる。
【0214】
本発明はさらに、ここに記載した方法を用いる、式I、Ia、II、IIa、III、IIIa、IV、IVa、V、Va、VI、VIa、VII、VIIa及びVIIbで示される化合物、又は本発明に係る任意の他の化合物の製造をさらに包含する。
【0215】
本発明はまた、がん(原発性又は転移性のリンパ腫及び充実性腫瘍を含み、本明細書のいずれかに記載されたようながんを含み、かつ1又は2以上の他の治療法に対して耐性又は抵抗性のがんを含む)の急性又は慢性治療用の医薬の製造における本発明の化合物又は薬剤に許容されるその誘導体の使用も包含する。本発明の化合物は抗がん薬の製造に有用でありうる。本発明の化合物はまた、ALK、jak2、b−raf、met、Tie−2、EGFR、FLT3、FAK、Pim−1、P13k等の1種又は2種以上のキナーゼの阻害により疾患(異常)を緩和又は予防するための医薬の製造にも有用でありうる。
【0216】
本発明はさらに、好ましくは治療有効量の本発明の化合物(とりわけ、上述したあらゆる種類もしくは下位種の化合物を含み、上記すべての一般式の化合物を含む)を、少なくとも1種の薬剤に許容される担体、賦形剤又は希釈剤と組み合わせて含有する組成物をさらに包含する。
【0217】
本発明の化合物はまた各種のキナーゼ、それに制限されないが特にALK、Met、jak2、b−raf、Tie−2、EGFR、FLT3を含む各種キナーゼの特性決定を行うための、並びに生物学的及び病理学的現象におけるかかるキナーゼの役割を研究するための、かかるキナーゼにより媒介される細胞内情報伝達経路を研究するための、新規キナーゼ阻害剤の比較評価のための、そして細胞系及び動物モデルにおける各種がんの研究のための標準物質及び試薬としても有用でありうる。
【0218】
3.定義
本書を読むにあたって、特に指示がない限り、下記の情報及び定義があてはまる。
「アルキル」なる用語は、直鎖(すなわち、非分岐又は非環式)、分岐、環式又は多環式の非芳香族炭化水素基を包含する意味であり、場合により1又は2以上の官能基で置換されていてもよい。特に指定しない限り、アルキル基は、1〜8個、好ましくは1〜6個の炭素原子を含有する。C
1-6アルキルとはC
1、C
2、C
3、C
4、C
5、及びC
6アルキル基を包含する意味である。低級アルキルとは炭素数1〜6のアルキルを意味する。アルキルの例としては、それらに限られないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロブチル、ペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、シクロヘキシルなどが挙げられる。アルキルは置換されていても、非置換でもよい。置換アルキル基の例としては、それらに限られないが、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、ベンジル、置換ベンジル、フェネチル、置換フェネチルなどが挙げられる。
【0219】
「アルコキシ」なる用語は、上に定義した通りの指定炭素数のアルキル基が酸素架橋を介して結合しているアルキルの下位群を表す。例えば、「アルコキシ」は−O−アルキル基を意味し、ここでアルキル基は直鎖、分岐又は環式形態の1〜8個の炭素原子を含有する。「アルコキシ」の例としては、それらに限られないが、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、t−ブトキシ、n−ブトキシ、s−ペントキシなどが挙げられる。
【0220】
「ハロアルキル」は、1又は2以上の炭素がハロゲンで置換されている分岐及び直鎖の両方の飽和炭化水素を包含するものである。ハロアルキルの例としては、それらに限られないが、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチルなどが挙げられる。
【0221】
「アルケニル」なる用語は、炭素鎖又は環に沿った任意の安定な箇所において可能な1又は2以上の不飽和炭素−炭素結合を有する、直鎖、分岐又は環式形態の炭化水素鎖を包含するものである。特に指定しない限り、「アルケニル」は通常は炭素数2〜8、多くは炭素数2〜6の基を意味する。例えば、「アルケニル」は、プロプ−2−エニル、ブト−2−エニル、ブト−3−エニル、2−メチルプロプ−2−エニル、ヘキス−2−エニル、ヘキス−5−エニル、2,3−ジメチルブト−2−エニルなどを意味しうる。また、アルケニル基は置換されていても、非置換でもよい。
【0222】
「アルキニル」なる用語は、炭素鎖に沿った任意の安定な箇所において可能な1又は2以上の不飽和炭素−炭素三重結合を有する、直鎖又は分岐のいずれかの形態の炭化水素鎖を包含するものである。特に指定しない限り、「アルキニル」基は炭素数2〜8、好ましくは2〜6の基を意味する。「アルキニル」の例としては、これらに限られないが、プロプ−2−イニル、ブト−2−イニル、ブト−3−イニル、ペント−2−イニル、3−メチルペント−4−イニル、ヘキス−2−イニル、ヘキス−5−イニル等が挙げられる。また、アルキニル基は置換されていても、非置換でもよい。
【0223】
シクロアルキルはアルキルの下位群であって、いずれも飽和の炭素数3〜13の安定な任意の環式又は多環式炭化水素基を包含する。このようなシクロアルキルの例としては、これらに限られないが、シクロプロピル、ノルボルニル、[2.2.2]ビシクロオクタン、[4.4.0]ビシクロデカンなどが挙げられ、これらは他のアルキル基の場合と同様に、場合により置換されていてもよい。用語「シクロアルキル」は用語「カルボサイクル」(炭素環)と互換可能に使用されうる。
【0224】
シクロアルケニルはアルケニルの下位群であって、環に沿ったいずれの地点でも可能な1又は2以上の炭素−炭素二重結合を含有する炭素数3〜13、好ましくは5〜8の安定な任意の環式又は多環式炭化水素基を包含する。このようなシクロアルケニルの例としては、これらに限られないが、シクロペンテニル、シクロヘキセニルなどが挙げられる。
【0225】
シクロアルキニルはアルキニルの下位群であって、環に沿ったいずれの地点でも可能な1又は2以上の炭素−炭素三重結合を含有する炭素数5〜13の安定な任意の環式又は多環式炭化水素基を包含する。他のアルケニル及びアルキニル基の場合と同様に、シクロアルキル及びシクロアルケニルは場合により置換されていてもよい。
【0226】
「ヘテロアルキル」なる用語は、N、O、S、及びPよりなる群から独立して選ばれた1、2、3又は4個のヘテロ原子に加えて1〜7個の炭素原子を有する分岐又は非分岐のアルキル、アルケニル、又はアルキニル基を意味する。ヘテロアルキルとしては、制限されないが、第3級アミン、第2級アミン、エーテル、チオエーテル、アミド、チオアミド、カルバメート、チオカルバメート、ヒドラゾン、イミン、ホスホジエステル、ホスホルアミド、スルホンアミド、並びにジスルフィドが挙げられる。ヘテロアルキルは場合により望ましくは各環が3〜6員環である単環、二環又は三環を含んでいてもよい。ヘテロアルキル基は置換されていても、非置換でもよい。ヘテロアルキルの例としては、制限されないが、メトキシメチル及びエトキシエチルなどのポリエーテルが挙げられる。
【0227】
ここで用いた用語「ヘテロ環」(=複素環)、「ヘテロサイクリル」又は「ヘテロ環式」は、1個以上、好ましくは1〜4個の環炭素原子がN、O、又はSのようなヘテロ原子によりそれぞれ置換されている、環原子数が5〜14の非芳香族環系を意味する。ヘテロ環基は置換されていても、又は非置換でもよく、また1、2又は3個の縮合又は非縮合環系を含むことができる。ヘテロ環の制限しない例としては、3−1H−ベンゾイミダゾール2−オン、(1−置換)−2−オキソ−ベンゾイミダゾール3−イル、2−テトラヒドロフラニル、3−テトラヒドロフラニル、2−テトラヒドロチオフェニル、3−テトラヒドロチオフェニル、2−モルホリニル、3−モルホリニル、4−モルホリニル、2−チオモルホリニル、3−チオモルホリニル、4−チオモルホリニル、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル、4-チアゾリジニル、ジアゾロニル、N−置換ジアゾロニル、1−フタルイミジニル、ベンゾオキサニル、ベンゾピロリジニル、ベンゾピペリジニル、ベンゾオキソラニル、ベンゾチオラニル及びベンゾチアニルが挙げられる。ヘテロ環基は上に列挙した環系を2以上含むことができる。ここに用いた用語「ヘテロ環」又は「ヘテロ環式」基にやはり包含されるのは、インドリニル、クロマニル、フェナントリジニル又はテトラヒドロキノリニルのように、非芳香族ヘテロ原子含有環が1又は2以上の芳香族又は非芳香族環に縮合している基であって、基部すなわち結合位置が非芳香族ヘテロ原子含有環上にある基である。「ヘテロ環」、「ヘテロサイクリル」又は「ヘテロ環式」基もまた、飽和と部分的不飽和のいずれであろうと、場合により置換されていてもよい環を意味する。
【0228】
「アリール」なる用語は、単独で使用されるか、或いは「アラルキル」、「アラルコキシ」、又は「アリールオキシアルキル」のように、より大きな基の部分として使用されるが、いずれもフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントラシル及び2−アントラシルのように、6〜14の環原子を有する芳香族環基を意味する。「アリール」環は1又は2以上の置換基を含有しうる。「アリール」なる用語は「アリール環」なる用語と互換可能に使用されうる。「アリール」はまた、芳香環が1又は2以上の環に縮合している縮合多環芳香環系も包含する。有用なアリール環基の制限しない例としては、フェニル、ヒドロキシフェニル、ハロフェニル、アルコキシフェニル、ジアルコキシフェニル、トリアルコキシフェニル、アルキレンジオキシフェニル、ナフチル、フェナントリル、アントリル、フェナントロなど、並びに1−ナフチル、2−ナフチル、1−アントラシル及び2−アントラシルが挙げられる。ここで用いた用語「アリール」の範囲内にやはり包含されるのは、インダニル、フェナントリジニル又はテトラヒドロナフチルのように、芳香環が1又は2以上の非芳香環に縮合している基であって、基部すなわち結合位置が芳香環上にあるものである。
【0229】
ここで用いた用語「ヘテロアリール」は、5〜14の環原子を有する安定なヘテロ環式及び多ヘテロ環式の芳香族基を意味する。ヘテロアリール基は置換でも非置換でもよく、1又は2以上の環を含みうる。代表的なヘテロアリール環基の例としては、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、フリル、イソチアゾリル、フラザニル、イソオキサゾリル、チアゾリル等の5員単環基;ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル等の6員単環基;並びにベンゾ[b]チエニル、ナフト[2,3−b]チエニル、チアントレニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサチエニル、インドリジニル、イソインドリル、インドリル、インダゾリル、プリニル、イソキノリル、キノリル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、テトラヒドロキノリン、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ペリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、イソチアゾリル、フェノチアジニル、フェノキサジニルなどの多環ヘテロ環基が挙げられる(例えば、Katritzky ヘテロ環化学ハンドブック (Handbook of Heterocyclic Chemistry)を参照)。
【0230】
ヘテロアリール環基のさらなる具体例としては、2−フラニル、3−フラニル、N−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、2−オキサジアゾリル、5−オキサジアゾリル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ピリミジル、3−ピリダジニル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、5−テトラゾリル、2−トリアゾリル、5−トリアゾリル、2−チエニル、3−チエニル、カルバゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、インドリル、キノリニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、イソキノリニル、インドリル、イソインドリル、アクリジニル又はベンゾイソオキサゾリルが挙げられる。
【0231】
ヘテロアリール基はさらに、ヘテロ芳香族環が1又は2以上の芳香族又は非芳香族環に縮合している基であって、基部すなわち結合位置がヘテロ芳香族環上にある基も包含する。例としては、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、並びにピリド[3,4−d]ピリミジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリミジル、イミダゾ[1,2−a]ピラジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、イミダゾ[1,2−c]ピリミジル、ピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジニル、ピラゾロ[1,5−c]ピリミジル、イミダゾ[1,2−b]ピリダジニル、イミダゾ[1,5−a]ピリミジル、ピラゾロ[1,5−b][1,2,4]トリアジン、キノリル、イソキノリル、キノキサリル、イミダゾトリアジニル、ピロロ[2,3d]ピリミジル、トリアゾロピリミジル、ピリドピラジニルが挙げられる。「ヘテロアリール」なる用語はまた、任意に置換されている基も意味する。「ヘテロアリール」なる用語は、「ヘテロアリール環」又は「ヘテロ芳香族」なる用語と互換可能に使用されうる。
【0232】
アリール基(アラルキル、アラルコキシ、又はアリールオキシアルキル基などのアリール部位も包含する)或いはヘテロアリール基(ヘテロアラルキル又はヘテロアリールアルコキシ基等のヘテロアリール部位も包含する)は、1又は2以上の置換基を含んでいてもよい。アリール又はヘテロアリール基の不飽和炭素原子上の適当な置換基の例としては、ハロゲン(F,Cl,Br又はI)、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、−CN、−R
1、−OR
2、−S(O)
rR
2、(ここでrは0、1又は2の整数)、−SO
2NR
1R
2、−NR
1R
2、−O−NR
1R
2、−NR
1−NR
1R
2、−(CO)YR
2、−O(CO)YR
2、−NR
1(CO)YR
2、−S(CO)YR
2、−NR
1C(=S)YR
2、−OC(=S)YR
2、−C(=S)YR
2が挙げられる。ここで、各Yは、出てくるごとに独立して−O−、−S−、−NR
1−又は化学的単結合であり、従って、−(CO)YR
2は、−C(=O)R
2、−C(=O)OR
2及び−C(=O)NR
1R
2を包含する。追加の置換基としては、−YC(=NR
1)YR
2、−YC(=NOR
1)YR
2、−YC(=N−NR
1R
2)YR
2、−COCOR
2、−COMCOR
2(式中、Mは炭素数1〜6のアルキル基)、YP(=O)(YR
3)(YR
3)(とりわけ、−P(=O)(R
3)
2を含む)、−Si(R
3a)
3、−NO
2,−NR
1SO
2R
2、及び−NR
1SO
2NR
1R
2が挙げられる。さらに例示すると、Yが−NR
1である置換基としては、従って、とりわけ、−NR
1C(=O)R
2、−NR
1C(=O)NR
1R
2、−NR
1C(=O)OR
2、及び−NR
1C(=NH)NR
1R
2が挙げられる。
【0233】
R
3置換基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロ環基から選ばれ;R
1及びR
2置換基は、出てくる毎にそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロ環基から選ばれ、R
1、R
2、及びR
3置換基は、それら自体が置換されていても、非置換でもよい。R
1、R
2及びR
3上で可能な置換基の例としては、とりわけ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニル、ハロゲン、アルキル、アリール、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、炭素環基、ヘテロ環基、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、ニトロ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロアルコキシ基が挙げられる。別の例をさらに挙げると、保護OH(アシルオキシなど)、フェニル、置換フェニル、−O−フェニル、−O−(置換)フェニル、ベンジル、置換ベンジル、−O−フェネチル(例、−OCH
2CH
2C
6H
5)、−O−(置換)フェネチルである。
【0234】
置換R
1、R
2、又はR
3基の制限しない例としては、ハロアルキル及びトリハロアルキル、アルコキシアルキル、ハロフェニル、−M−ヘテロアリール、−M−ヘテロ環基、−M−アリール、−M−OR
2、−M−SR
2、−M−NR
1R
2、−M−OC(O)NR
1R
2、-M−C(=NR
2)NR
1R
2、−M−C(=NR
1)OR
3、−M−P(=O)(R
3)
2、−Si(R
3a)
3、−M−NR
1C(O)R
2、−M−NR
1C(O)OR
2、−M−C(O)R
2、−M−C(=S)R
2、−M−C(=S)NR
1R
2、−M−C(O)NR
1R
2、−M−C(O)NR
2−M−NR
1R
2、−M−NR
2C(NR
1)NR
1R
2、−M−NR
1C(S)NR
1R
2、−M−S(O)
2R
1、−M−C(O)R
1、−M−OC(O)R
1、−MC(O)SR
2、−M−S(O)
2NR
1R
2、−C(O)−M−C(O)R
2、−MCO
2R
2、−MC(=O)NR
1R
2、−M−C(=NH)NR
1R
2及び-M−OC(=NH)NR
1R
2(式中、Mは炭素数1〜6のアルキル基である)が挙げられる。
【0235】
より具体的な例の一部を挙げると、それらに限られないが、クロロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロメチル、メトキシエチル、アルコキシフェニル、ハロフェニル、−CH
2−アリール、−CH
2−ヘテロ環、−CH
2C(O)NH
2、−C(O)CH
2N(CH
3)
2、−CH
2CH
2OH、−CH
2OC(O)NH
2、−CH
2CH
2NH
2、−CH
2CH
2CH
2NEt
2、−CH
2OCH
3、−C(O)NH
2、−CH
2CH
2−ヘテロ環、−C(=S)CH
3、−C(=S)NH
2、−C(=NH)NH
2、−C(=NH)OEt、−C(O)NH−シクロプロピル、C(O)NHCH
2CH
2−ヘテロ環、−C(O)NHCH
2CH
2OCH
3、−C(O)CH
2CH
2NHCH
3、−CH
2CH
2F、−C(O)CH
2−ヘテロ環、−CH
2C(O)NHCH
3、−CH
2CH
2P(=O)(CH
3)
2、Si(CH
3)
3などである。
【0236】
環系(例、シクロアルキル、ヘテロ環、アリール又はヘテロアリール)が特に定義されている範囲内で変動しうる複数の置換基で置換されている場合、置換基の総数は当然ながらその化合物の状態での正規の利用可能な価数を超えることがない。従って、例えば、n個(nは1〜5の範囲内)の置換基で置換されたフェニル環は、1〜5個の置換基を有することができるのに対し、n個の置換基で置換されたピリジニル環では置換基の数は1〜4個となるのは当然である。本発明の化合物におけるある基が有することができる置換基の最大数は容易に決定することができる。
【0237】
アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル基もしくは非芳香族ヘテロ環基も、従って1又は2以上の置換基を含有しうる。かかる基に存在しうる適当な置換基の例としては、これらに限られないが、アリール又はヘテロアリール基の炭素原子に対する置換基として上に列挙したものが挙げられ、それに加え、飽和炭素原子に対しては下記の置換基も挙げられる:=O、=S、=NH、=NNR
2R
3、=NNHC(O)R
2、=NNHCO
2R
2、又は=NNHSO
2R
2。ここで、R
2及びR
3は、出てくる毎に独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、ヘテロアルキル、アリール、ヘテロアリール又はヘテロ環基である。
【0238】
脂肪族、ヘテロ脂肪族又はヘテロ環基上の置換基の代表例としては、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アミノカルボニル、ハロゲン、アルキル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニルオキシ、ジアルキルアミノカルボニルオキシ、アルコキシ、ニトロ、−CN、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニル、−OH、ハロアルコキシ又はハロアルキル基が挙げられる。
【0239】
例えば、ヘテロアリール又は非芳香族ヘテロ環における窒素上の置換基の例としては、−R
1、−NR
1R
2、−C(=O)R
2、−C(=O)OR
2、−C(=O)SR
2、−C(=O)NR
1R
2、−C(=NR
2)NR
1R
2、−C(=NR
2)OR
2、−C(=NR
1)R
3、−COCOR
2、−COMCOR
2、−CN、−SO
2R
2、−S(O)R
2、−P(=O)(YR
3)(YR
3)、−NR
1SO
2R
2及び−NR
1SO
2NR
1R
2が挙げられる。ここで、R
3は、出てくる毎に独立して、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロ環基から選ばれ、R
1及びR
2は、出てくる毎にそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール及びヘテロ環基から選ばれる。
【0240】
環系(例、シクロアルキル、ヘテロ環、アリール又はヘテロアリール)が特に定義された範囲内で変動しうる複数の置換基で置換されている場合、置換基の総数は、当然ながら、その化合物の条件下で正常な利用可能な価数を超えることはない。例えば、m個の置換基(ここで、mは0〜5の範囲内)で置換されたフェニル環は、0〜5個の置換基を有することができるのに対し、m個の置換基で置換されたピリジニル環の置換基数は、当然ながら0〜4の範囲内となる。本発明の化合物におけるある基が有することができる置換基の最大数は容易に決定することができる。
【0241】
本発明の一部の化合物は互変異性体の形態で存在しうる。本発明は、特に指定しない限り、それらの化合物のそのような互変異性体の全てを包含する。
特に指摘しない限り、ここに示した構造は、その構造の全ての立体化学的形態、すなわち、各不斉中心に対してR配置とS配置の両方、を包含するものである。従って、本発明の化合物の単独の立体化学異性体並びにエナンチオマー(鏡像異性体)混合物及びジアステレオマー混合物が本発明の範囲内である。すなわち、本発明は、他の異性体を実質的に含まないそれぞれのジアステレオマー又はエナンチオマー(モル基準で90%超、好ましくは95%超が他の立体異性体を含まない)、並びにこのような異性体の混合物を包含する。
【0242】
常法に従ったラセミ混合物の分割、例えば、ジアステレオ異性体塩の生成により、又は光学活性の酸もしくは塩基での処理により、特定の光学異性体を得ることができる。適当な酸の例は、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオイル酒石酸、及びショウノウスルホン酸であり、次いで結晶化(晶析)によりジアステレオ異性体の混合物を分離した後、これらの塩から光学活性の塩基を遊離させる。光学異性体の別の分離方法は、エナンチオマーの分離を最大にするように最適に選択されたキラルクロマトグラフィーカラムを使用する方法である。さらに別の方法は、本発明の化合物を活性化形態の光学的に純粋な酸又は光学的に純粋なイソシアネートと反応させることにより共有ジアステレオ異性体分子を合成する方法である。合成されたジアステレオ異性体は、クロマトグラフィー、蒸留、結晶化又は昇華のような常套手段により分離した後、加水分解してエナンチオマーとして純粋な化合物を遊離させることができる。
【0243】
本発明の光学活性な化合物は、光学活性な出発物質を使用することにより得ることもできる。これらの異性体は遊離酸、遊離塩基、エステル又は塩の形態をとりうる。
本発明の化合物は、放射化標識(放射性同位体標識)された形態でも存在しうる。すなわち、該化合物は、自然界に通常見られる原子質量又は質量数とは異なる原子質量又は質量数を持つ1又は2以上の原子を含有していてもよい。水素、炭素、リン、フッ素及び塩素の放射性同位体としては、それぞれ
3H、
14C、
32P、
35S、
18F、及び
36Clが挙げられる。このような放射性同位体及び/又は他の原子の他の放射性同位体を含有する本発明の化合物も本発明の範囲内である。トリチウム(即ち、
3H)と炭素14(即ち、
14C)が、製造及び検出が容易であることから特に好ましい放射性同位体である。
【0244】
本発明の放射化標識化合物は一般に当業者に周知の方法により製造することができる。好都合には、このような放射化標識化合物は、非放射化標識試薬に代えて、容易に入手可能な放射化標識試薬を使用することを除いて、ここに開示した合成手順を実施することにより製造することができる。
【0245】
4.合成の概括
当業者は、R
a、R
b、R
c、R
d、R
e、R
b1、R
c1、R
d1、R
e1、R
f、R
g、並びに環A、B、C、D、E、及びFの各種の選択枝を含む化合物を包含する本発明の化合物の合成、回収及び特性決定に対して有用な合成戦略、保護基並びに他の材料及び方法の指針について、後述の実施例に含まれる情報と組み合わせて採用されうる、複素環及び他の関連する化学的変換、回収及び精製技術についての確立した文献を持っている。
【0246】
下に反応図式を示す手法を含む各種の合成手法を用いてここ(本明細書)に記載した化合物を製造することができる。当業者であれば、これらの手法に保護基を使用してもよいことは理解していよう。「保護基」は、多官能性の化合物において、潜在的に反応性の部位(例、アミン、ヒドロキシ、チオール、アルデヒド等)での化学反応を一時的に阻止して、反応が別の部位で選択的に行われることができるようにするのに使用される部分(基)である。好適態様においては、保護基は、計画した反応に適した保護置換基を生ずるように良好な収率で選択的に反応し;保護基は、存在する他の官能基を過度に攻撃しない容易に入手できる好ましくは無毒な試薬によって良好な収率で選択的に除去可能であり;保護基は、好ましくは容易に分離可能な誘導体を(より好ましくは新たな立体異性中心を発生させずに)形成し;そして保護基は、好ましくは反応の別の部位の複雑化を避けるために追加の官能基を最小限しか有していない。
【0247】
多様な保護基、並びにそれらを配置及び除去するための戦略、試薬及び条件が本技術分野において公知である。例えば、T.W. Greene及びP.G. Wuts編、「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」第3版, John Wiley & Sons, New York, 1999を参照。ここに記載した化合物を製造するのに有用な保護基の方法論(保護及び脱保護の材料、方法及び戦略)及び他の合成化学変換については、R. Larock「有機変換総論(Comprehensive Organic Transformations)」 VCH Publishers (1989); T.W. Greene及びP.G.M. Wuts編、「有機合成における保護基」第3版, John Wiley & Sons (1999); L. Fieser and M. Fieser「フィーザー及びフィーザーの有機合成試薬(Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis)」John Wiley & Sons (1994); 及びL. Paquette編「有機合成試薬辞典(Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis)」John Wiley & Sons (1995)を参照。これらの文献の全内容をここに参考文献として援用する。
【0248】
また、所望の同位体、例えば、水素の代わりに重水素(ジューテリウム)が富化された試薬を選択して、そのような同位体を含有する本発明の化合物を作成することもできる。1又は2以上の位置において水素の代わりに重水素を含有するか、或いはC,N,P,及びOの各種同位体を含有する化合物も本発明に包含され、例えば、その化合物の代謝及び/又は組織分布を研究するため、或いは代謝速度もしくは経路又は生物学的機能の他の側面を変化させるために使用できる。
【0249】
本発明の化合物は、下に説明する方法を、有機合成化学の分野で公知の合成法と組み合わせて用いるか、又は当業者には理解されるその変更によって合成することができる。好ましい方法としては、それらに限られないが、下に説明する方法が挙げられる。反応は、使用する試薬及び材料に適切で、かつ行われる転化に適した溶媒中で行われる。分子上に存在する官能基は、提案された転化(化学反応)と適合すべきであることは有機合成の分野の当業者にとっては理解されよう。そのため、本発明の所望の化合物を得るために、合成工程の順序を変更するか又は他の方法ではなくある特定の方法を選択するように何らかの判断が必要となることがあるかもしれない。
【0250】
本発明の化合物は、反応図式 (スキーム) 1〜反応図式57aに概観されるようにして当業者に公知の標準的方法を用いて合成することができる。本発明のある種の化合物については、マイクロ波補助合成法を、後述する実施例に記載した条件と慣用の手法を用いて実施することができる。反応は、後述する実施例でも使用したBiotage Initiator 2.0
TM (Biotage AB, Kungsgatan 76, SE-753, 18 Uppsala, Sweden又は1725 Discovery Drive, Charlottesville, Virginia 22911)、或いはCEM Discover
TMシステム (CEM Corporation, Matthews, North Carolina) のような市販のマイクロ波反応器を用いて実施することができる。
【0251】
以下の反応図式中の用語の意味は次の通りである:
intermediate:中間体
microwave又はmw:マイクロ波(加熱); microwave heating:マイクロ波加熱
Ethanol:エタノール; pyridine:ピリジン; toluene又はTol:トルエン
dioxane:ジオキサン; solvent:溶媒
r.t.又はrt:室温
2-methoxyethanol:2-メトキシエタノール
Suzuki coupling:スズキ・カップリング
base:塩基; Hunig's base:ヒューニッヒ塩基 (=DIPEA)
heat:加熱; reflux:還流加熱
hydrogenation:水素化
overnight:一晩
N,N-dimethylaniline:N,N-ジメチルアニリン
nが0で、XがNである一般式Ia又はVIAの化合物は、反応図式1に示すような2段合成により製造することができる。まず、[環A]−NH
2をジイソプロピルエチルアミン (DIPEA) のような塩基の存在下、高温で2,4−ジクロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンと反応させることにより中心ピリミジン部分に[環A]部分を導入して、中間体1を形成することができる。次に、[環E]−L−部分を中間体1に、リンカーLの性質に応じて異なる条件を用いて導入することができる。中間体の[環E]−L−及び[環A]における各種可変記号の意味は既に定義した通りであり、環A及び環Eはそれぞれ所定のR
a及びR
g基により置換されている。
【0252】
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
【0253】
中間体1の合成手法を環Aがフェニルである場合について下の反応図式1Aに示す。
【0254】
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
【0255】
LがOである一般式VIAの化合物は、反応図式2に示すように、マイクロ波化学を利用して、中間体1を[環E]−OHとジメチルホルムアミド(DMF) のような溶媒中、高温で反応させることにより調製できる。
【0256】
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
【0257】
LがOである一般式VIAの化合物の合成手法を、環A及び環Eがともにフェニルである例について下の反応図式2Aに示す。
【0258】
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
【0259】
LがNHである一般式VIAの化合物は、反応図式3に示すように、マイクロ波化学を利用して、中間体1を[環E]−NH
2とエタノール (ethanol) のような極性溶媒中で高温を用いて応させることにより調製できる。この置換反応を促進させるために、塩基(例、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンなど)又は酸を添加してもよい。
【0260】
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
【0261】
LがNHである一般式VIAのいくつかの化合物の合成手法を、環Eがフェニル又はアダマンタンアミンである例について下の反応図式3A及び3Bに示す。
【0262】
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
【0263】
LがNH(CH
2)
1-4である一般式VIAの化合物は、反応図式4に示すように、マイクロ波化学を利用して、中間体1をトリエチルアミンのような塩基の存在下、エタノールのような極性溶媒中で高温を用いて、[環E]−(CH
2)
1-4NH
2と反応させることにより調製できる。
【0264】
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
【0265】
LがNH(CH
2)
1-4である一般式VIAで示されるいくつかの化合物の合成手法を下の反応図式4A及び4Bに示す。反応図式4Aは環Eがフェニルで、LがNHCH
2である一般式VIAの化合物の合成を示し、反応図式4Bは環Eが3−1H−インドールで、LがNH(CH
2)
2である一般式VIAの化合物の合成を示す。
【0266】
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
【0267】
LがS(CH
2)
yである一般式VIAの化合物は、反応図式5に示すように、マイクロ波化学を利用して、中間体1を炭酸セシウムのような塩基の存在下、ジメチルホルムアミドのような溶媒中、高温で、[環E]−(CH
2)
ySHと反応させることにより調製できる。可変記号yの意味は上に定義した通りである。
【0268】
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
【0269】
LがS(CH
2)
yである一般式VIAの化合物の合成手法を下の反応図式5Aに示す。
【0270】
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
【0271】
Lが単結合で、[環E]がアリール又はヘテロアリールである一般式VIAの化合物は、スズキカップリング条件を用いて調製できる。反応図式6はこのスズキカップリング反応を示す。
【0272】
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
【0273】
制限しない例として、反応図式6Aは、Lが単結合で[環E]がフェニルである一般式VIAの化合物の合成を示す。
【0274】
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
【0275】
Lが単結合で、[環E]がN−結合型のヘテロ環である一般式VIAの化合物は、反応図式7に示すように、マイクロ波化学を利用して、中間体1をトリエチルアミンのような塩基の存在下、エタノールのような極性溶媒中で高温を用いて、該ヘテロ環化合物と反応させることにより調製できる。
【0276】
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
【0277】
制限しない例として、反応図式7Aは、Lが単結合で[環E]がN−フェニルピペラジンである一般式VIAの化合物の合成を示す。
【0278】
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
【0279】
LがNHである一般式VIAで示される化合物の合成には別の反応経路も使用することができる。[環A]−NH部分を導入する前に、中心ピリミジン部分にまず[環E]−NH部分を導入することができる。反応図式8は、中間体2を生成させるためにジメチルホルムアミド又はエタノールのような溶媒中、塩基(例、炭酸カリウム又は水素化ナトリウムなど)の存在下で2,4,5−トリクロロピリミジンを[環E]−NH
2部分と反応させることを示している。この反応は室温 (r.t.) で実施できるか、又はより高い温度 (high temperature) を必要とすることもある。
【0280】
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
【0281】
この反応の別の例を下の反応図式9に示す。ここでは、2,4−ジクロロ−5−(トリフルオロメチル)ピリミジンを[環E]−NH
2部分とジメチルホルムアミド中で水素化ナトリウムの存在下、より低い温度で反応させることにより中間体3を合成する。
【0282】
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
【0283】
中間体2又は3をその後、下の反応図式10に示すように、一般的な置換条件を用いて[環A]−(CH
2)
nNH
2部分と反応させることができる。
【0284】
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
【0285】
制限しない例として、反応図式10A及び10Bは、一般式VIAにおいてLがNHであり、環A及び環Eが置換フェニルである化合物の合成を例示する。
【0286】
【化96】
[この文献は図面を表示できません]
【0287】
反応図式1〜10において提示した合成指針は本発明の多様な環A及び環Eに適用可能であって、本発明に係る全ての化合物の調製を可能にする。
反応図式11は、一般式IA及びVIAにおいてnが0、LがNH、そしてX
1がCHである化合物の合成を示す。
【0288】
反応図式11では、パラジウムカップリング反応条件を用いて2−クロロ−4−ヨード−5−(トリフルオロメチル)ピリジンを[環E]−NH
2と反応させることによりピリジンの中心骨格上に[環E]−NH部分を導入する。次いで、上の反応図式において既に述べたような置換化学反応により[環A]−NH部分を導入する。この置換反応を完結まで促進又は駆動させるためにマイクロ波及び熱も使用することができる。
【0289】
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
【0290】
制限しない例として、反応図式11Aは一般式VIAにおいてLがNH、X
1がCH、そして環A及び環Eが置換フェニルである化合物の合成を示す。
【0291】
【化98】
[この文献は図面を表示できません]
【0292】
反応図式12は、一般式IVAにおいてX
1がCHで、R
d及びR
eがフェニル環を形成している化合物の合成を示す。
【0293】
【化99】
[この文献は図面を表示できません]
【0294】
制限しない例として、反応図式12Aは、一般式IVAにおいてX
1がCH、R
d及びR
eがフェニル環を形成し、環A及び環Eが置換フェニルである化合物の合成を示す。
【0295】
【化100】
[この文献は図面を表示できません]
【0296】
反応図式13は、一般式IIIAにおいてX
1がCHで、R
b及びR
cがさらにフェニル環で置換されているフェニル環を形成している化合物の合成を示す。
【0297】
【化101】
[この文献は図面を表示できません]
【0298】
制限しない例として、反応図式13Aは、一般式VAにおいてX
1がCHで、R
b及びR
cがフェニル環を形成し、環Aが置換フェニルであって、R
fが置換フェニルである化合物の合成を示す。
【0299】
【化102】
[この文献は図面を表示できません]
【0300】
反応図式14は、一般式IIIAにおいてX
1がNで、R
c及びR
dがピロール環を形成している化合物の合成を示す。
【0301】
【化103】
[この文献は図面を表示できません]
【0302】
上記式中、環A及びR
aはパート1において定義した通りであり、R−Xにおいて、Rはアルキル、ヘテロアリール、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロ環及び置換基R
fのリストから選ばれた他の基であり、Xはハロゲン化物又は他の脱離基である。
【0303】
一般式IIIAで示される化合物の別の合成例を下の反応図式15に示す。ここで、反応図式14に描かれた置換基Rはフェニルである。
【0304】
【化104】
[この文献は図面を表示できません]
【0305】
上記式中、R'はR
fのリストから選ばれた置換基であり、環A及びR
aはパート1において定義した通りである。
制限しない例として、反応図式15Aは、一般式IIIAにおいてX
1がNで、R
c及びR
dがピロール環を形成し、環Aが置換フェニルであって、R
fも置換フェニルである化合物の合成を示す。
【0306】
【化105】
[この文献は図面を表示できません]
【0307】
制限しない例として、反応図式16は、一般式IIIAにおいてX
1がNで、R
c及びR
dがフェニルで置換されたイミダゾール環を形成している化合物の合成を示す。
【0308】
【化106】
[この文献は図面を表示できません]
【0309】
上記式中、R'はR
fのリストから選ばれた置換基であり、環A及びR
aはパート1において定義した通りである。
本発明の化合物において、R
a、R
b、R
b1、R
c、R
c1、R
d、R
d1、R
e、R
e1、R
f、又はR
gの1つは、存在する場合、−P(=O)(R
3)
2であるか、それを含んでいる。
【0310】
反応図式17〜24は、現時点で興味あるリン含有置換基又はリン含有部分の合成を例示する。
反応図式17は、環Aが−P(=O)(R
3)
2で置換されたピリジンである[環A]−NH
2部分の合成を例示する。
【0311】
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
【0312】
上記式中、R
3はパート1で定義した通りである。同様の合成経路を用いて、フェニル又はヘテロアリール環に(その環が環Aと環Eのいずれであろうと)−P(=O)(R
3)
2置換基を導入することもできよう。この合成反応図式は、LがNHで、環Eがアリール又はヘテロアリールである[環E]−L部分の合成も示す。この反応図式は一般式I〜VIの本発明の化合物の合成に使用することができる。
【0313】
別の興味ある化合物はR
a置換基がリン含有置換基である化合物である。反応図式18は、環Aが−P(=O)(R
3)
2で置換されたフェニルである中間体[環A]−NH
2の合成を示す。
【0314】
【化108】
[この文献は図面を表示できません]
【0315】
反応図式19は、環Aが−(CH
2)
mP(=O)(R
3)
2で置換されたフェニルであって、mが1である[環A]−NH
2中間体の合成を示す。
【0316】
【化109】
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【0317】
反応図式20は、環AがR
fとして−P(=O)(R
3)
2で置換されたナフタレンのような二環構造である[環A]−NH
2部分の合成を示す。
この反応図式はまた、環Eがナフタレンで、LがNHであり、R
gが−P(=O)(R
3)
2である[環E]−L部分の合成にも使用できよう。この反応図式はまた一般式VIIAで示される本発明の化合物の合成にも使用することができる。
【0318】
【化110】
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【0319】
反応図式21は、環Aが−P(=O)(R
3)
2で置換されたフェニルである[環A]−(CH
2)
n−NH
2中間体(nは1である)の合成を示す。
【0320】
【化111】
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【0321】
反応図式21はまた、LがCH
2NHで、環Eが−P(=O)(R
3)
2で置換されたフェニルである[環E]−L部分の合成にも使用できる。
一部の態様では、−P(=O)(R
3)
2置換基を含有するR
a、R
f又はR
gが、環式構造のものとなりうる。
【0322】
反応図式22〜23は、−P(=O)(R
3)
2を含有する興味ある環式構造の合成を示す。
反応図式22は、−P(=O)(R
3)
2を含有する環式置換基R
a(又はR
f又はR
g)の合成を示す。
【0323】
【化112】
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【0324】
反応図式22A及び22Bは環A又は環Eへのこの環式置換基の導入を示す。
反応図式22Aは、環Aがメトキシ基と−P(=O)(R
3)
2含有環式置換基とで置換されたフェニルである[環A]−NH
2部分の合成を示す。この反応図式は、LがNHで、環Eがメトキシ基と−P(=O)(R
3)
2含有環式置換基とで置換されたフェニルである[環E]−L部分の合成にも使用することができよう。
【0325】
【化113】
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【0326】
反応図式23は、環Aがメトキシ基と−P(=O)(R
3)
2基とで置換されたフェニルであって、2つのR
3基が、これらが結合しているリン原子と一緒に6員環の飽和環を形成している[環A]−NH
2中間体の合成を示す。
【0327】
【化114】
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【0328】
反応図式24は、さらに−CH
2P(=O)(CH
3)
2で置換されたピペラジン置換基の合成を示す。この反応図式は、環Aがリン含有ピペラジン基で置換されたフェニルである[環A]−NH
2中間体の合成に使用することができる。この図式また、置換基の1つ(R
a、R
b、R
c、R
d、R
e、R
f又はR
g)がNR
1R
2であり、NR
1R
2が−CH
2P(=O)(CH
3)
2で置換されたピペラジン環を形成している本発明におけるあらゆる一般式の化合物の合成にも使用できよう。
【0329】
【化115】
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【0330】
一般式IB又はVIで示される化合物は、反応図式1に示したような2段合成で合成できる。まず[環A]−NH
2をジイソプロピルエチルアミンのような塩基の存在下、高温で置換又は非置換の4,6−ジクロロピリミジンと反応させることにより中心のピリミジン部分に[環A]部分を導入して、中間体1aを形成することができる。次に、[環E]−L−部分を、リンカーLの性質に応じて異なる条件を用いて中間体1aに導入することができる。形成された中間体[環E]−[L]−及び[環A]における各種可変記号の意味は既に定義した通りであり、環A及び環Eはそれぞれ所定のR
a及びR
g基で置換されている。
【0331】
【化116】
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【0332】
中間体1aの合成手法を、環Aがフェニルである例について下の反応図式1Aに示す。
【0333】
【化117】
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【0334】
LがNHである一般式IB又はVIIの化合物は、反応図式26に示すように、n−ブタノールのような溶媒中、酸性条件下で中間体1aを[環E]−NH
2と反応させることにより、マイクロ波化学を用いて合成することができる。
【0335】
【化118】
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【0336】
LがNHである一般式VIの化合物の合成手法を、環A及び環Eがフェニルである例について下の反応図式26Aに示す。
【0337】
【化119】
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【0338】
Lが単結合で、[環E]がN−結合型ヘテロ環である一般式IB又はVIIの化合物は、反応図式27に示すように、イソプロパノールのような極性溶媒中、ジイソプロピルジエチルアミンのような塩基の存在下、高温を用いて中間体1aをヘテロ環と反応させることにより合成することができる。
【0339】
【化120】
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【0340】
制限しない例として、反応図式27Aは、R
cが[L]−[環E]であって、Lが単結合であり、[環E]がN−フェニルピペラジンである一般式VII又はIBの化合物の合成を示す。
【0341】
【化121】
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【0342】
R
cが[L]−[環E]であって、LがOである一般式IB又はVIIの化合物は、反応図式28に示すように、ジメチルホルムアミドのような溶媒中、水素化ナトリウムの存在下で4,6−ジクロロピリミジンを場合により置換されていてもよいフェノールと反応させることにより合成することができる。その後、置換反応を促進する目的で添加された塩基(例、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンなど)又は酸の存在下、[環A]−(CH
2)
n−NH
2を反応させることにより中心ピリミジン部分に[環A]部分を導入することができる。
【0343】
【化122】
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【0344】
LがNHである一般式IB又はVIIで示されるいくつかの化合物の合成手法を、環A及び環Eがフェニルである例について下の反応図式28Aに示す。
【0345】
【化123】
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【0346】
LがNH(CH
2)
1-4である一般式IB又はVIIの化合物は、反応図式29に示すように、エタノールのような極性溶媒中でトリエチルアミンのような塩基の存在下、高温を用いて、中間体1aを[環E]−(CH
2)
1-4NH
2と反応させることにより、マイクロ波化学を用いて合成することができる。
【0347】
【化124】
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【0348】
LがNH(CH
2)
1-4である一般式VIIで示されるいくつかの化合物の合成手法を、下の反応図式29A及び29Bに示す。反応図式29Aは、環Eがフェニルで、LがNHCH
2である一般式VIIの化合物の合成を示し、反応図式29Bは環Eが3−1H−インドールで、LがNH(CH
2)
2である一般式VIIの化合物の合成を示す。
【0349】
【化125】
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【0350】
LがS(CH
2)
yである一般式IB又はVIIの化合物は、反応図式30に示すように、マイクロ波化学を利用して、中間体1aを炭酸セシウムのような塩基の存在下、ジメチルホルムアミドのような溶媒中、高温で、[環E]−(CH
2)
ySHと反応させることにより合成できる。可変記号yの意味は上に定義した通りである。
【0351】
【化126】
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【0352】
X
3がCHで、X
2がNで、LがS(CH
2)
yで、環A及び環Eが置換フェニルである一般式VIIの化合物の合成手法を下の反応図式30Aに示す。
【0353】
【化127】
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【0354】
Lが単結合で、[環E]がアリール又はヘテロアリールである一般式IB又はVIIの化合物は、スズキカップリング条件を用いて調製できる。反応図式31はこのスズキカップリング反応を示す。
【0355】
【化128】
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【0356】
制限しない例として、反応図式31Aは、X
3がCH、X
2がN、Lが単結合、[環E]及び[環A]がフェニルである一般式VIIの化合物の合成を示す。
【0357】
【化129】
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【0358】
R
cが[L]−[環E]であって、LがOである一般式IC又はVIの化合物は、反応図式32に示すような2段合成により調製することができる。まず、水素化ナトリウムのような塩基の存在下で[環E]−OHを置換又は非置換3,5−ジクロロピリダジンと反応させることにより中心のピリダジン部分に[環E]−L−部分を導入して中間体2aを形成することができる。その後、置換反応を促進する目的で添加された塩基(例、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンなど)又は酸の存在下、[環A]−(CH
2)
n−NH
2を中間体2aと反応させることができる。
【0359】
【化130】
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【0360】
制限しない例として、反応図式32Aは、LがO、X
3がN、X
2がCH、[環E]及び[環A]が置換フェニルである一般式VIIの化合物の合成を示す。
【0361】
【化131】
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【0362】
R
cが[L]−[環E]であって、LがNH(CH
2)
yである一般式ICの化合物は、反応図式33に示すように4段階の反応で調製することができる。まず、エタノールのような溶媒中、トリエチルアミンの存在下で、[環E]−(CH
2)
y−NH
2を4,5−ジクロロピリダジン−3(2H)−オンと反応させることにより、中心ピリダジン部分に[環E]−(CH
2)
y−NH
2部分を導入して中間体3aを形成することができる。その後、中間体3aを水素化し、オキシ塩化リンと反応させて中間体4aを形成する。その後、置換反応を促進する目的で添加された塩基(例、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンなど)又は酸の存在下、中間体4aに[環A]−(CH
2)
nNH
2部分を反応させることができる。
【0363】
【化132】
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【0364】
制限しない例として、反応図式33Aは、LがNH、X
3がN、X
2がCH、[環E]及び[環A]が置換フェニルである一般式VIIの化合物の合成を示す。
【0365】
【化133】
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【0366】
同様に、R
cが[L]−[環E]であって、LがOである一般式IC又はVIの化合物は、炭酸カリウムの存在下で [環E]−OHを4,5−ジクロロピリダジン−3(2H)−オンと反応させた後、反応図式33に記載したのと同じ工程順序に従って合成することができる。この変更合成例を反応図式34に示す。
【0367】
【化134】
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【0368】
同様に、R
cがN−結合型ヘテロ環である一般式ICの化合物は、置換ピペリジンのようなヘテロ環化合物を4,5−ジクロロピリダジン−3(2H)−オンと反応させた後、反応図式9に記載したのと同じ工程順序に従って合成することができる。この合成を反応図式35に示す。
【0369】
【化135】
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【0370】
下の反応図式36は、R
e及びR
bがHで、R
cとR
dとがフェニル基で置換されたイミダゾールを形成している一般式IIIAの化合物の合成を示す。
【0371】
【化136】
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【0372】
上記式中、RはR
fから選ばれた置換基であり、環A、R
a及びnは上に定義されている通りである。
制限しない例として、反応図式36Aは、R
cとR
dとがイミダゾールを形成し、環Aが置換フェニルであり、R
fが置換フェニルである一般式IIIAの化合物の合成を示す。
【0373】
【化137】
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【0374】
nが0である一般式I、IB、IIB又はIVAの化合物は、反応図式37に示すような2段合成で調製することができる。まず、ブッフバルト−ハートウィッグ・クロスカップリング条件下で[環A]−Brを5−クロロ−6−置換−1,2,4−トリアジン−3−アミンと反応させることにより[環A]部分を中心トリアジン部分に導入して、中間体1(I−1)を形成することができる。その後、[環E]−L−部分を、リンカーLの性質に応じて異なる条件を用いて中間体I−1に導入することができる。中間体の[環E]−[L]−及び[環A]における可変記号の意味はすでに定義した通りであり、環A及び環Eはそれぞれ所定のR
a及びR
g基で置換されている。
【0375】
【化138】
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【0376】
中間体I−1aの合成手法を環Aがフェニルである例について下の反応図式37Aに示す。
【0377】
【化139】
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【0378】
中間体I−1aを次いで反応図式37Bに示すように置換アニリンと反応させて、LがNH、環A及び環Eがフェニル、nが0、R
dがメチルである一般式VIAの化合物を形成する。
【0379】
【化140】
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【0380】
中間体I−1aは、反応図式37Cに示すように、置換フェノール又はチオフェノールと反応させて、LがO又はS、環A及び環Eがフェニル、nが0、R
dがメチルである一般式VIAの化合物を形成することもできる。
【0381】
【化141】
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【0382】
一般式I、IB、IIB又はVIAで示される化合物の別の合成法を反応図式38に示す。中心のトリアジン部分には、[環A]−NH部分の導入より前に、まずLがO、S又はNHである[環E]−LH部分を導入することができる。反応図式38及び39は、中間体I−2及びI−3を形成するために、例えば、ジメチルホルムアミド、塩化メチレン又はテトラヒドロフランのような適当な溶媒中、塩基(例、トリエチルアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水素化ナトリウムなど)の存在下での、3,5−ジクロロ−6−置換−1,2,4−トリアジンと[環E]−LH部分との反応を示している。この反応は室温で実施することができるか、又はより高温を必要とすることもある。その後、中間体I−2又はI−3を、例えばテトラヒドロフランのような適当な溶媒の存在下、高温で酸性条件下(例、ショウノウスルホン酸)に[環A]−NH
2と反応させる。この反応経路はPCT特許出願WO 2006/015985に記載されている。
【0383】
【化142】
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【0384】
R
dがクロロである場合、3,5,6−トリクロロ−1,2,4−トリアジンは、PCT特許出願WO 2004/074266に記載された方法に従って、1,2,4−トリアジン−3,5(2H,4H)ジオンを、例えば水のような適当な溶媒の存在下で臭素と反応させて一般式I−4aの中間体を形成することにより調製することができる。3,5,6−トリクロロ−1,2,4−トリアジンの合成を反応図式40に示す。中間体I−4aをその後、例えば、N,N−ジエチルアニリンなどの塩基の存在下、POCl
3及びPCl
5と反応させる。
【0385】
【化143】
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【0386】
R
dがメチルである場合、3,5−ジクロロ−6−メチル−1,2,4−トリアジンは、PCT特許出願WO 2005/054199に記載された方法に従って調製することができる。
R
dがHである場合、3,5−ジクロロ−1,2,4−トリアジンは、Journal of Organic Chemistry, 23, 1522-4; 1958に記載された方法に従って調製することができ、この方法では、1,2,4−トリアジン−3,5(2H,4H)ジオンをPOCl
3と反応させる。3,5−ジクロロ−1,2,4−トリアジンの合成を反応図式41に示す。
【0387】
【化144】
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【0388】
一般式I、IA、IC、IIC又はVIBで示される化合物は、反応図式42に示すような2段合成により調製することができる。[環A]−(CH
2)
n−NH
2を適当な溶媒中、例えば、ジイソプロピルエチルアミンのような塩基の存在下で2,4−ジクロロ−6−置換−1,3,5−トリアジンと反応させることにより、中心のトリアジン部分にまず[環A]−(CH
2)
n−NH−部分を導入することができる。その後、[環E]−L−部分を、リンカーLの性質に応じて異なる条件を用いて中間体I−6に導入することができる。中間体の[環E]−[L]−及び[環A]における可変記号の意味は既に定義した通りであり、環A及び環Eはそれぞれ所定のR
a及びR
g基により置換されている。
【0389】
【化145】
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【0390】
R
eがメチルである場合、2,4−ジクロロ−6−メチル−1,3,5−トリアジンは、Bioorganic Medicinal Chemistry Letters 16(21), 5664-5667, 2006に記載された方法に従って調製することができる。反応図式42Aに示すように、2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンを臭化メチルマグネシウムと反応させて2,4−ジクロロ−6−メチル−1,3,5−トリアジンを生成させる。
【0391】
【化146】
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【0392】
制限しない例として、R
eがH、nが0、環Aがフェニルである一般式I−6の中間体を反応図式42Bに示す。
【0393】
【化147】
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【0394】
LがOである一般式VIBの化合物は、反応図式43に示すように、中間体I−6をジメチルホルムアミドのような溶媒中、高温で[環E]−OHと反応させることにより、マイクロ波化学を用いて調製することができる。
【0395】
【化148】
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【0396】
LがOである一般式VIBの化合物の合成手法を、環A及び環Eがフェニルである場合について反応図式43Aに示す。
【0397】
【化149】
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【0398】
LがNHである一般式VIBの化合物は、反応図式44に示すように、中間体I−6をエタノールのような極性溶媒中、高温を用いて[環E]−NH
2と反応させることにより、マイクロ波化学を用いて合成することができる。この置換反応を促進させるために、塩基(例、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンなど)又は酸を添加してもよい。類似の置換反応はPCT特許出願WO 2005//047279に記載されている。
【0399】
【化150】
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【0400】
LがNHである一般式VIBで示されるいくつかの化合物の合成手法を、環Eがフェニル又はアダマンタンである場合についてそれぞれ下の反応図式44A及び44Bに示す。
【0401】
【化151】
[この文献は図面を表示できません]
【0402】
LがNH(CH
2)
1-4である一般式VIBの化合物は、反応図式45に示すように、エタノールのような極性溶媒中でトリエチルアミンのような塩基の存在下、高温を用いて、中間体I−6を[環E]−(CH
2)
1-4NH
2と反応させることにより、マイクロ波化学を用いて合成することができる。
【0403】
【化152】
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【0404】
LがNH(CH
2)
1-4である一般式VIBで示されるいくつかの化合物の合成手法を下の反応図式45A及び45Bに示す。反応図式45AはR
eがCl、環Eがフェニル、LがNHCH
2である一般式VIBの化合物の合成を示し、反応図式45BはR
eがCl、環Eが3−1H−インドール、LがNH(CH
2)
2である一般式VIBの化合物の合成を示す。
【0405】
【化153】
[この文献は図面を表示できません]
【0406】
LがS(CH
2)
yである一般式VIBの化合物は、反応図式46に示すように、マイクロ波化学を利用して、中間体I−6を炭酸セシウムのような塩基の存在下、ジメチルホルムアミドのような溶媒中、高温で、[環E]−(CH
2)
ySHと反応させることにより調製できる。可変記号yの意味は上に定義した通りである。
【0407】
【化154】
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【0408】
LがS(CH
2)
yである一般式VIBの化合物の合成手法を下の反応図式46Aに示す。
【0409】
【化155】
[この文献は図面を表示できません]
【0410】
Lが単結合で、[環E]がアリール又はヘテロアリールである一般式VIBの化合物は、スズキカップリング条件を用いて調製できる。反応図式11はこのスズキカップリング反応を示す。塩素の1つのアリールグリニャール又はアリールボロン酸による置換は、PCT特許出願WO 01/25220及びHelv. Chim. Acta, 33, 1365(1950)に記載されている。塩素の1つのヘテロアリール環による置換は、PCT特許出願WO 01/25220、J. Het. Chem. 11, 417(1974); 及びTetrahedron 31, 1879(1975)に記載されている。これらの反応はマイクロ波化学を用いることにより促進することができる。マイクロ波で促進させたスズキカップリング反応はJournal of Medicinal Chemistry, 2007, 50(17), 3497にも記載されている。
【0411】
【化156】
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【0412】
R
eがクロロである場合のスズキカップリング反応は、PCT特許出願WO 2002/22605にも記載されている。
制限しない例として、反応図式47Aは、Lが単結合で、[環E]が置換フェニルである一般式VIBの化合物の調製を示す。
【0413】
【化157】
[この文献は図面を表示できません]
【0414】
Lが単結合で、[環E]がアリール又はヘテロアリール環である一般式I、IB又はVIAの化合物は、スズキカップリング条件を用いて同様の方法で調製することができる。同様の反応経路がPCT特許出願WO 2005/054199に記載されており、それを下記の反応図式48に示す。
【0415】
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
【0416】
Lが単結合で、[環E]がN−結合型のヘテロ環である一般式VIAの化合物は、反応図式49に示すように、マイクロ波化学を利用して、中間体I−6をトリエチルアミンのような塩基の存在下、エタノールのような極性溶媒中で高温を用いて、該ヘテロ環化合物と反応させることにより調製できる。
【0417】
【化159】
[この文献は図面を表示できません]
【0418】
制限しない例として、反応図式49Aは、Lが単結合、R
eがクロロ、[環E]がN−フェニルピペラジンである一般式VIAの化合物の合成を示す。
【0419】
【化160】
[この文献は図面を表示できません]
【0420】
反応図式50は、R
cがL−[環E]、LがNH、X
3がN、X
4がC、そして環Cがトリアゾールである一般式IVAの化合物の合成を示す。同様の反応経路は、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 16(5), 1353-1357, 2006にも記載されている。この置換反応を促進させるためにマイクロ波化学を使用することもできる。
【0421】
【化161】
[この文献は図面を表示できません]
【0422】
制限しない例として、反応図式50Aは、LがNH、X
3がN、X
4がC、環Cがトリアゾール、そして環A及び環Eが置換フェニルである一般式IVAの化合物の合成を示す。
【0423】
【化162】
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【0424】
環Cがトリアゾールである一般式IVAの化合物の違う合成経路を反応図式51に示す。一般式I−15の化合物を例えば炭酸セシウムのような塩基の存在下、そして酢酸パラジウム及びリン配位子(例、Xantphos <4,5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9-ジメチルキサンテン>)の存在下で、ハロゲン化アリール(例えば、臭化アリール)又はハロゲン化ヘテロアリールと反応させることができる。この反応で中間体I−15aが生成する。次いで、中間体I−15aにm−CPBAを作用させ、酸化イオウを環A−NH
2部分で置換する。中間体I−15の合成は、Journal of Heterocyclic Chemistry, 37(6), 1587-1590, 2000に記載されている。
【0425】
【化163】
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【0426】
制限しない例として、反応図式51Aは、R
cがL−[環E]、LがNH、X
3がN、X
4がC、環Cがトリアゾール、R
fがMe、そして環A及び環Eが置換フェニルである一般式IVAの化合物の合成を示す。
【0427】
【化164】
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【0428】
反応図式52は、X
3がN、X
4がC、環Cがピラゾールである一般式IVAの化合物の合成を示す。反応図式52に示すように、出発物質のアミノピラゾールからピラゾロ[1,5−a][1,3,5]トリアジン環系を合成することができる。多様なアミノピラゾール類の合成及び閉環条件が米国特許出願公開US 2008/187219及びBioorganic & Medicinal Chemistry Letters 17(15), 4191-4195, 2007に記載されている。
【0429】
【化165】
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【0430】
制限しない例として、反応図式52Aは、X
3がN、X
4がC、環Cがピラゾール、環A及び環Eが置換フェニルである一般式IVAの化合物の合成を示す。
【0431】
【化166】
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【0432】
反応図式53は、X
4がN、X
3がC、R
cがL−[環E]、LがNH、そして[環C]がピロールである一般式IVAの化合物の合成を示す。この合成はPCT特許出願WO 2008/057994に記載されている。
【0433】
【化167】
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【0434】
制限しない例として、反応図式53Aは、X
4がN、X
3がC、R
cがL−[環E]、LがNH、[環C]がピロール、そして環A及び環Eが置換フェニルである一般式IVAの化合物の合成を示す。
【0435】
【化168】
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【0436】
反応図式54は、環Bがピロールである一般式IIIAの化の合成を示す。3,6−ジクロロ−N−置換1,2,4−トリアジン−5−アミンをソノガシラ条件下で置換アルキンと反応させて、3−クロロ−5−置換−ピロロ[2,3−e][1,2,4]トリアジンを生成させる。ソノガシラ反応を用いた同様の合成経路はTetrahedron Letters, 48(29), 5069-5072, 2007に記載されている。
【0437】
【化169】
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【0438】
上記式中、環A及びR
a、n及びsはパート1において定義した通りであり、R及びR'はアルキル、ヘテロアリール、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロ環並びに置換基R
fのリストから選ばれた他の基である。R'の例は、メチル、エチル、メチルジアルキルアミノ、フェニルなどである。Rの例は、置換フェニル、置換ベンジル、置換ピリジンなどである。
【0439】
制限しない例として、反応図式54Aは、環Bがピロール、R'がメチル基、Rが置換フェニル、そして環Aが置換フェニルである一般式IIIAの化合物の合成を示す。
【0440】
【化170】
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【0441】
一般式IIIAで示される化合物の別の合成例を下の反応図式55に示す。ここで、環Bはイミダゾールである。中間体I−19をアミンと反応させて中間体I−19aを形成し、SOCl
2及びトリメトキシメタンの存在下で閉環させると中間体I−19bが生成する。この閉環工程はLiebigs Annalen de Chemie, 7, 631-40, 1990に記載されている。中間体I−19bのメチルチオエーテルを次いで、先に反応図式52に記載したように、m−CPBAにより酸化し、[環A]−(CH
2)
nNH
2部分と置換することができる。
【0442】
【化171】
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【0443】
上記式中、Rはアルキル、ヘテロアリール、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、ヘテロ環並びに置換基R
fのリストから選ばれた他の基である。Rの例は、メチル、エチル、メチルジアルキルアミノ、フェニルなどである。Rの例は、置換フェニル、置換ベンジル、置換ピリジンなどである。環A及びR
aはパート1において定義した通りである。
【0444】
制限しない例として、反応図式55Aは、環Bがイミダゾール、環Aが置換フェニル、Rが置換フェニルである一般式IIIAの化合物の合成を示す。
【0445】
【化172】
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【0446】
一般式IIIAで示される化合物の別の合成例を下の反応図式56に示す。ここで、環Bはピラゾールである。中間体I−20をヒドラジンカルボチオアミドと反応させ、炭酸カリウムの存在下で閉環させると、中間体I−20aが生成する。この閉環工程は、Journa of Heterocyclic Chemistry, 21(3), 923-6, 1984に記載されている。中間体I−20aを次に[環A]−(CH
2)
nNH
2部分と反応させる。同様の置換反応がPraktische Chemie (Leipzig), 326(6), 994-8, 1984に記載されている。
【0447】
【化173】
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【0448】
上記式中、R”はR
fのリストから選ばれた置換基であり、環A及びR
aはパート1において定義した通りである。
制限しない例として、反応図式56Aは、環Bがピラゾール、環Aが置換フェニル、そしてR”がメトキシ基である一般式IIIAの化合物の合成を示す。
【0449】
【化174】
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【0450】
一般式IIIAで示される化合物の別の合成例を下の反応図式57に示す。ここで、環Bはフェニルである。Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 17(21), 5818, 2007に記載されているように、置換2−ニトロアニリンをラネーニッケルの存在下で閉環を受けさせることができる。2−ニトロアニリンを臭化物又は塩化物と置換させた後、スズキカップリング反応を用いて縮合フェニル環B上にアリール又はヘテロアリールを導入することができる。 [環A]−NH
2部分は、ブックバルト−ハートウィッグ・クロスカップリング反応を用いて導入することができる。
【0451】
【化175】
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【0452】
制限しない例として、反応図式57Aは、環B及び環Aが置換フェニルである一般式IIIAの化合物の合成を示す。
【0453】
【化176】
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【0454】
上述したような合成手法を、後述する実施例、本書に提供する別の情報及び慣用の方法及び材料と組み合わせることにより、当業者は本書に開示した全範囲の化合物を製造することができるはずである。
【0455】
5.用途、処方組成物、投与
医薬用途;適応症
本発明は、キナーゼが関与している可能性のある疾患、かかる疾患の徴候、又はキナーゼが媒介する他の生理学的事象の作用を治療又は改善するのに有益となる生物学的性質を有する化合物を提供する。例えば、本発明の多くの化合物は、がんの成長(増殖)、発生及び/又は転移を媒介すると考えられているチロシンキナーゼ、とりわけALK、fak及びc−metのチロシンキナーゼ活性を阻害することが示された。本発明の多くの化合物はまた、とりわけKarpas 299細胞を含むがん細胞系に抗する強力なin vitro活性を有することが認められた。従って、かかる化合物は充実性腫瘍並びにリンパ腫を含み、また他の治療法に耐性であるがんを含むがんの治療に興味あるものとなる。
【0456】
このようながんとしては、とりわけ、胸部がん(乳がん)、非小細胞型肺がん(NSCLS)、グリア芽細胞腫や神経芽細胞腫などの神経腫瘍;食道がん、とりわけ横紋筋肉腫のような軟部組織がん;未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)と呼ばれる非ホジキンリンパ腫(NHL)のような各種形態のリンパ腫、各種形態の白血病を包含し;またALK又はc−metが媒介するがんを含む。
【0457】
未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)は、細胞膜貫通型(cell membrane-spanning)受容体チロシンキナーゼであり、これはインスリン受容体のサブファミリーに属する。ALK受容体チロシンキナーゼ(RTK)は、最初は未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)と呼ばれるヒト非ホジキンリンパ腫サブタイプへのその関与のために同定された。ALKは、正常では哺乳動物細胞における分布が限定され、胚発生段階の神経系だけに有意なレベルで認められ、これは脳の発達におけるALKの可能な役割を示唆している(Duyster, J. et al., Oncogene, 2001, 20, 5623-5637)。
【0458】
正常な発達におけるその役割に加えて、正常な全長ALKの発現は、下記の腫瘍を含む多様な腫瘍に由来する細胞系にも検出されてきた:神経芽腫、神経外胚葉腫瘍(Lamant L. et al., Am. J. Pathos., 2000, 156, 1711-1721; Osajima-Hakomori Y. et al., Am. J. Pathol., 2005, 167, 213-222)及びグリア芽腫 (Powers C. et al., J. Biol. Chem. 2002, 277, 14153-14158; Grzelinski M. et al., Int. J. Cancer, 2005, 117, 942-951; Mentlein R. et al., J. Neurochem., 2002, 83, 747-753); 並びに乳がん及びメラノーマ細胞系(Dirk WG et al., Int. J. Cancer, 2002, 100, 49-56)。
【0459】
他のRTKと同じように、転座はALK遺伝子に影響を及ぼし、発がん性の融合キナーゼ(その最も一般的なものはNPM−ALK)の発現を生ずる。例えば、未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)の約60%は、ヌクレオホスミン(NMP)とALKの細胞内ドメインとからなる融合タンパク質を発生させる染色体突然変異に関連している(Armitage, J.O. et al, Cancer, Principle and Practice of Oncology, 第6版, 2001, 2256-2316; Kutok, J.L. & Aster, J.C., J. Clin. Oncol., 2002, 20, 3691-3702; Wan, W. et al., Blood, 2006, 107, 1617-1623)。この変異タンパク質NMP−ALKは、下流のエフェクターの活性化によりその発がん性の原因となる構成的に活性なチロシンキナーゼドメインを有している(Falini, B et al., Blood, 1999, 94, 3509-3515; Morris, S.W. et al., Brit. J. Haematol., 2001, 113, 275-295)。
【0460】
実験データは、構成的に活性なALKの異常発現がALCLの病理発生に直接関与しており、ALKの阻害はALK陽性リンパ腫細胞の成長を著しく低減できることを実証した(Kuefer, MU et al., Blood, 1997, 90, 2901-2910; Bai, R.Y. et al., Exp. Hematol., 2001, 29, 1082-1090; Slupianek, A. et al., Cancer Res., 2001, 61, 2194-2199; Turturro, F. et al., Clin. Cancer. Res., 2002, 8, 240-245)。構成的活性化キメラALKは、主に小児及び若年成人を冒す遅増殖性肉腫である炎症性筋線維芽細胞性腫瘍(IMT)の約60%においても実証された(Lawrence, B. et al., Am. J. Pathol., 2000, 157, 377-384)。さらに、最近の報告には、食道の扁平上皮がん(SCC)の症例における変異ALK融合体であるTPM4−ALKの発生も記載されている (Jazzi F.R. et al., World J. Gastroenterol., 2006, 12, 7104-7112; Du X., et al., J. Mol. Med., 2007, 85, 863-875; Aklilu M., Semin. Radiat. Oncol., 2007, 17, 62-69)。
【0461】
このように、ALKは非造血性及び造血性の両方の悪性病変における腫瘍形成に関与するRTKの数少ない例の1つである。より最近になり、非小細胞型肺がん(NSCLC)細胞において、染色体2p内の小さな逆位が微小管会合タンパク質様4(EML4)遺伝子と未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)遺伝子の部分を含む融合遺伝子の生成を生ずることが示された(Soda M. et al., Nature, 2007, 448, 561-567)。
【0462】
従って、ALK阻害剤は、単独治療剤として、又はALCL、IMT、増殖性疾患、グリオ芽腫及びその他の本書に引用した考えられる充実性腫瘍のための現在の化学療法と併用して使用した場合に、耐用性のある治療を可能にするか、或いは単独治療剤として、そのような治療を必要とする患者における再発を防止するために維持的役割で使用できると本発明者らは想定している。
【0463】
製薬学的方法:
本発明は、がんに罹患しているか、罹患の危険性がある個体を、該個体に治療有効量の本発明の化合物を投与することにより治療する方法を提供する。
【0464】
「治療有効量」とは、がん細胞の成長(増殖)又は広がり、腫瘍の大きさ又は数、或いはがんのレベル、ステージ、進行又は重症度に関する他の尺度の検出可能な消滅又は抑制(阻害)に有効な量である。厳密な必要量は、個体の種、年齢、及び全身状態、病状の重症度、抗がん剤の種類、その投与方式、他の療法との併用治療などに応じて、個体ごとに変動しよう。
【0465】
本化合物又は本化合物を含有する組成物は、腫瘍又は他の形態のがんの成長を消滅又は抑制するのに有効な任意の量及び任意の投与経路を用いて投与しうる。
本発明の抗がん剤化合物は、好ましくは投与の容易さと投与量の均一さのために単位剤形の形態で処方される。ここで用いた「単位剤形」とは、抗がん剤が治療を受ける患者に適した形で物理的に分かれている単位を意味する。普通そうであるように、本発明の化合物及び組成物の総日用量は、健全な医学的判断への通常の信頼性を用いて主治医により決定されよう。任意の個々の患者又は生体に対する具体的な治療有効投与量レベルは、治療される疾患の種類;その疾患の重症度;採用された具体的化合物の効力;採用された具体的組成物;患者の年齢、体重、全身健康状態、性別及び食事;投与の経路及び計画;その化合物の代謝及び/又は排泄の速度;治療期間;本発明の化合物の投与と組み合わせて又は同時に使用される薬剤;並びに医学分野で周知の同様な因子を包含する多様な因子に応じて変動しよう。
【0466】
また、所望の投薬量で適当な薬剤に許容される担体を用いて処方された後、本発明の組成物を、経口、直腸、非経口、槽内(脳槽内)、鞘膜内もしくは膣内、腹腔内、局所(経皮パッチ、散剤、軟膏、もしくは滴剤など)、舌下、バッカル、口もしくは鼻スプレイ剤、その他の経路でヒト及び他の動物に投与することができる。
【0467】
本化合物の有効全身用量は典型的には、患者体重1kg当たり化合物量で、0.01〜500mg、好ましくは0.1〜125mg/kg、場合によっては1〜25mg/kgの範囲内であり、それを1回又は多数回で投与する。一般に、本化合物はそのような治療を必要とする患者に一人あたり約50〜2000mgの日用量範囲内で投与されうる。投与は1日に1回又は複数回、1週間(又は他の数日おき間隔)ごと、或いは間欠的投与計画でよい。例えば、本化合物の投与を、1週間基準(例、月曜ごと)で1日に1回又は複数回、期限を定めずに、又はある一定の週数(例、4〜10週)にわたって行ってもよい。別の方法として、その化合物を、一定の日数(例、2〜10日)にわたって毎日投与した後、一定の日数(例、1〜30日)はその投与を行わず、このサイクルを、期限を定めずに、又は所定の反復数だけ(例、4〜10サイクル)反復するのでもよい。1例として、本発明の化合物を5日間毎日投与した後、9日間中止し、次いでさらに5日間毎日投与した後、9日間中止するというサイクルで、このサイクルを、期限を定めずに、又は合計4〜10回繰り返すのでもよい。
【0468】
ある特定の障害又は症状の治療又は予防に有効な化合物の量は、投薬量に影響する周知の因子に部分的には依存しよう。また、最適の投与量範囲を確定するのを助けるために、in vitro又はin vivo検定を場合により採用してもよい。有効用量の大まかな目安を、in vitro又は動物モデル試験システムから得られた用量−反応曲線から外挿してもよい。正確な投与量レベルは主治医又は他の健康管理提供者により決定されるべきであり、それは投与経路、並びに個体の年齢、体重、性別及び全身健康状態;疾患の性質、重症度及び臨床段階;併用療法の使用の有無;並びに患者の細胞の遺伝子工学の性質及び程度を含む周知の因子に応じて変動しよう。
【0469】
特定の疾病状態又は障害の治療又は阻害のために投与する場合、本発明の化合物の有効投与量は、利用する化合物の種類、投与方式、治療する症状の種類とその重症度、並びに治療される個体に関係する各種の身体的因子に依存して変動することがある。多くの場合、本化合物を約0.01mg/kg〜500mg/kg、好ましくは0.1〜125mg/kg、そしてより好ましくは1〜25mg/kgの日用量で投与すると満足すべき結果を得ることができよう。決定される日用量は投与経路により変動することが予測される。例えば、非経口投与量は経口投与量水準のほぼ10〜20%の水準となることが多い。
【0470】
本発明の化合物を併用投与計画の一部として使用する場合、併用される各成分の投与量が所望の治療期間中それぞれ投与される。併用される複数成分は、それら両成分を含んだ一体化した単一の剤形で、又は別々の剤形単位として、同時に投与してもよく、或いは併用される複数成分をそれぞれ治療期間中の異なる時点で投与することもでき、また一方の成分を他方の成分のための予備治療として投与してもよい。
【0471】
本化合物に関して:
本発明の化合物は、治療のために遊離形態で存在することができ、或いは、適当であれば、薬剤に許容される塩、エステル又はプロドラッグとして存在することもできる。ここで用いた用語「薬剤に許容される塩」は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等を伴わずにヒト及びより下等な動物の組織との接触に使用するのに適していて、妥当な便益/危険比と釣り合っている塩を意味する。アミン、カルボン酸、リン酸エステルもしくは塩、並びに他の種類の化合物の薬剤に許容される塩は本技術分野において周知である。例えば、S.M. Berge et alは、ここに参考文献として援用する J. Pharmaceutical Science, 66: 1-19 (1977)において、薬剤に許容される塩について詳述している。塩は、本発明の化合物の単離及び精製中にその場で調製するか、又は遊離塩基もしくは遊離酸形態の本発明の化合物をそれぞれ適当な酸もしくは塩基と反応させることにより別に調製することができる。
【0472】
薬剤に許容される無毒な酸付加塩の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸及び過塩素酸のような無機酸又は酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸もしくはマロン酸のような有機酸との反応により形成された、或いはイオン交換のような本技術分野で使用されている他の方法を用いて形成された、アミノ基の塩である。他の薬剤に許容される塩としては、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、ショウノウスルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ラクトビオネート(lactobionate)、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモイン酸塩(パモエート)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩などが挙げられる。
【0473】
代表的なアルカリ又はアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどの塩が挙げられる。さらなる薬剤に許容される塩としては、適当であれば、ハロゲンイオン、水酸イオン、カルボン酸イオン、硫酸イオン、リン酸イオン、硝酸イオン、低級アルキルスルホン酸イオン、及びアリールスルホン酸イオンなどの対イオンを用いて形成された、無毒なアンモニウム、第4級アンモニウム及びアミンカチオンの塩が挙げられる。
【0474】
また、ここで用いた用語「薬剤に許容されるエステル」は、好ましくはin vivoで加水分解し、ヒトの体内で容易に分解して親化合物又はその塩を遊離させるものを含むエステルを意味する。適当なエステル基として、例えば、薬剤に許容される脂肪族カルボン酸、特にアルカン酸、アルケン酸、シクロアルカン酸及びアルカン二酸から誘導されたものが挙げられる。ここで、各アルキル又はアルケニル部分は有利には炭素数6以下のものである。具体的なエステルの例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、アクリル酸及びエチルコハク酸のエステルが挙げられる。もちろん、エステルは本発明の化合物のヒドロキシル基又はカルボン酸基との反応により形成することができる。
【0475】
さらに、ここで用いた用語「薬剤に許容されるプロドラッグ」は、本発明の化合物のプロドラッグであるものを意味する。「プロドラッグ」とは、in vivoで、例えば、血中での加水分解によって、上式の親化合物を生ずるように変換される化合物を意味する。例えば、T. Higuchi and V. Stella, 新規薬剤供給システムとしてのプロドラッグ(Pro-drugs as Novel Delivery Systems), A.C.S Symposium Series, Vol. 14及びEdward B. Roche編、薬剤設計における生可逆的担体(Bioreversible Carriers in Drug Design), アメリカ製薬協会(American Pharmaceutical Association)及びPergamon Press, 1987 (両者をここに参考文献として援用する)を参照。
【0476】
薬剤組成物:
本発明により、本発明の化合物、又はそのプロドラッグ、薬剤に許容される塩若しくは他の薬剤に許容されるエステルと、1種又は2種以上の薬剤に許容される担体又は賦形剤とを含有する薬剤組成物が提供される。これらの薬剤組成物は場合により1種又は2種以上の追加の治療剤をさらに含有していてもよい。場合により、本発明の化合物を、1種又は2種以上の他の治療介入(例、グリーベック又は他のキナーゼ阻害剤、インターフェロン、骨髄移植、ファルネシルトランスフェラーゼ阻害剤、ビスホスホネート、サリドマイド、がんワクチン、ホルモン療法、抗体、放射線など)を受けている個体に投与してもよい。例えば、本発明の化合物を、併用療法の1成分として使用することができ、この場合、追加の1種又は2種以上の治療剤(例、抗がん剤)が、本発明の化合物と一緒に又は別個に処方されて、該個体に投与される。
【0477】
本発明の薬剤組成物は、薬剤に許容される担体又は賦形剤を含有する。本発明の薬剤組成物中に使用できる薬剤に許容される担体及び賦形剤としては、それらに限られないが、所望の具体的剤形に適したものであれば、溶媒、希釈剤、もしくは他のビヒクル、分散もしくは懸濁助剤、界面活性剤、等張剤、増粘もしくは乳化剤、保存剤、固体結合剤、滑剤などが挙げられる。Remington's Pharmaceutical Science、第15版、E.W. Martin (Mack Publishing Co., ペンシルバニア州イーストン、1975) は、薬剤組成物の処方に使用される各種担体と、その製造のための公知技法とを開示している。
【0478】
薬剤に許容される担体又は賦形剤として使用しうる材料の例をいくつか挙げると、それらに限られないが、乳糖、ブドウ糖及び蔗糖のような糖;コーンスターチ及び馬鈴薯デンプンのようなデンプン;セルロースやナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロース及び酢酸セルロースのようなその誘導体;粉末化トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;カカオ脂及び座剤ワックスのような賦形剤;落花生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油及び大豆油などの油;プロピレングリコールのようなグリコール;オレイン酸エチル及びラウリン酸エチルのようなエステル;寒天;水酸化マグネシウム及び水酸化アルミニウムのような緩衝剤;アルギン酸:発熱物質を含有しない水;等張食塩水;リンゲル液;エチルアルコール;及びリン酸緩衝液;並びに他の無毒で適合性の滑剤(ラウリル硫酸ナトリウム及びステアリン酸マグネシウムなど)がある。また、着色剤、離型剤、被覆剤、甘味剤、香味料及び芳香剤、保存剤、及び酸化防止剤も組成物中に存在させることができる。
【0479】
本発明の化合物は、任意の適当な経路により、好ましくはそのような経路に適合した薬剤組成物の形態で、かつ目的とする治療に有効な用量で投与されうる。本発明の化合物は、例えば、経口、粘膜、局所、直腸、吸入スプレーのような肺、又は血管内、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、胸骨内、及び輸注法を含む非経口の経路で、慣用の薬剤に許容される担体、佐剤及びビヒクルを含有する投与量単位の製剤(処方組成物)として投与されうる。
【0480】
経口投与用としては、薬剤組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、懸濁液剤又は液剤の形態でよい。薬剤組成物は特定量の有効成分を含有する投与量単位(dosage unit)の形態で調製することが好ましい。各単位投与量は、約1〜2000mg、好ましくは約1〜500mg、より 普通には約5〜200mgの範囲内のある量の有効成分を含有しうる。本発明の化合物の投与量は、体重1kg当たり化合物0.01〜500mgの範囲内であり、好ましくは0.1〜125mg/kg体重、場合によっては1〜25mg/kg体重である。既に述べたように、この日用量は1回の投与で投薬されることができ、或いは2、3、4又はそれ以上の回数に分けることもできる。
【0481】
皮膚症状の場合、本発明の化合物の局所製剤を患部に1日に2〜4回塗布することが好ましいかもしれない。局所投与に適した処方組成物としては、皮膚を通した浸透に適した液体又は半液体製剤(例、擦剤[リニメント]、ローション、軟膏、クリーム、又はペースト)並びに眼、耳もしくは鼻への投与に適した滴剤が挙げられる。本発明の化合物の有効成分の適当な局所用量は0.1〜150mgで、日に1〜4回、好ましくは1又は2回投与される。局所投与のためには、有効成分は製剤 (処方組成物) の0.001〜10%w/w、例えば、1〜2重量%の含有量でよい。含有量は処方組成物の10%w/wといった高さとすることもできるが、好ましくは5%w/w以下であり、より好ましくは0.1〜1%である。
【0482】
軟膏として処方する場合、有効成分をパラフィン系又は水混和性のいずれかの軟膏基剤と共に使用してもよい。あるいは、有効成分を水中油型クリーム基剤と共にクリームとして処方してもよい。所望により、クリーム基剤の水性相は、例えば、プロピレングリコール、ブタン−1,3−ジオール、マンニトール、ソルビトール、グリセロール、ポリエチレングリコール及びそれらの混合物のような多価アルコールを30%w/w以上含有していてもよい。局所用処方組成物は、望ましくは皮膚又は他の患部を通る有効成分の吸収又は浸透を高める化合物を含有していてもよい。このような皮膚浸透向上剤としてはジメチルスルホキシド及び関連類似物が挙げられる。
【0483】
本発明の化合物は経皮器具により投与することもできる。好ましくは、貯槽/多孔質膜型又は固体マトリックス型のいずれかのパッチを用いて経皮投与が達成されよう。いずれの場合も、活性剤(有効成分)は、貯槽又はマイクロカプセルから膜を介して、レシピエントの皮膚又は粘膜に接触している活性剤透過性の粘着剤へと連続的に送り込まれる。活性剤が皮膚から吸収される場合には、制御かつ予定された流量の活性剤がレシピエントに投与される。マイクロカプセルの場合は、カプセル化(封入)剤は膜としても機能しうる。
【0484】
本発明のエマルジョン剤の油相は公知の成分から公知の方法で構成されうる。この相は単に乳化剤から構成してもよいが、少なくとも1種の乳化剤と脂肪もしくは油又は脂肪と油の両方との混合物から構成してもよい。好ましくは、親水性乳化剤を、安定剤として作用する親油性乳化剤と一緒に含有させる。油と脂肪の両方を含有させることも好ましい。また、安定剤が共存又は共存していない乳化剤がいわゆる乳化ワックスを構成し、このワックスが油及び脂肪と一緒に、クリーム処方組成物の油性分散相を形成するいわゆる乳化軟膏基剤を構成することも好ましい。本発明の処方組成物に使用するのに適した乳化剤及び乳化安定剤としては、Tween 60、Span80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ラウリル硫酸ナトリウム、二ステアリン酸グリセリルの単独使用、又はワックスとの併用、或いは他の本技術分野で周知の材料が挙げられる。
【0485】
薬用エマルジョン処方組成物に使用される可能性のある大部分の油中における本活性化合物の溶解度は非常に低いので、処方組成物のための適当な油又は脂肪の選択は所望の美容上の特性を達成することに基づく。すなわち、クリームは、油ぎっておらず、しみができず、洗い落とすことが可能なものとすべきであり、かつチューブ又は他の容器からの漏れを避けるのに適した稠度(コンシステンシー)を有したものであることが好ましい。ジイソアジペート、ステアリン酸イソセチル、ヤシ油脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル又は分岐鎖エステルの混合物のような直鎖又は分岐鎖の一塩基性又は二塩基性アルキルエステル類を使用してもよい。これらは必要な特性に応じて単独で、又は組み合わせて使用することができる。
【0486】
或いは、白色軟質パラフィン(ワセリン)及び/又は流動パラフィンもしくは他の鉱油のような高融点脂質を使用することができる。
眼への局所投与に適した処方組成物は、有効成分を適当な担体、特に有効成分のための水性溶媒に溶解又は懸濁させた点眼剤も包含する。本有効成分は、かかる処方組成物中に0.5〜20%w/w、有利には0.5〜10%、特に約1.5%の濃度で存在することが好ましい。
【0487】
非経口投与用の処方組成物は、水性又は非水の等張滅菌注射用溶液剤又は懸濁液剤の形態でよい。これらの溶液剤又は懸濁液剤は、滅菌粉末又は顆粒から、経口投与用の処方組成物中での使用について上述した1種又は2種以上の担体又は希釈剤を用いて、或いは他の適当な分散若しくは湿潤剤並びに懸濁剤を用いて調製することができる。本化合物は、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、コーン油、綿実油、落花生油、ゴマ油、ベンジルアルコール、塩化ナトリウム、トラガカントゴム及び/又は各種緩衝液に溶解させてもよい。
【0488】
他の佐剤及び投与方式も製薬技術分野で広くよく知られている。本有効成分は、食塩水、デキストロース、又は水をはじめとする適当な担体を用いた組成物、或いはシクロデキストリン(例、Captisol)、共溶媒可溶化(例、プロピレングリコール)、又はミセル可溶化(例、Tween 80)を用いた組成物として注射により投与してもよい。
【0489】
滅菌注射製剤は、無毒な非経口投与に許容される希釈剤又は溶媒中の滅菌注射用溶液剤又は懸濁液剤、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液剤であってもよい。使用しうる許容できるビヒクル及び溶媒としては、水、リンゲル液、及び等張食塩水がある。また、滅菌固定油も溶媒又は懸濁用媒質として便利に使用される。この目的には、合成モノ又はジグリセリドをはじめとする任意の銘柄の固定油を使用しうる。また、オレイン酸のような脂肪酸も注射液の調製に有用である。
【0490】
肺投与のために、本薬剤組成物はエアゾール(剤)の形態で、又は乾燥粉末エアゾールを入れた吸入器により投与してもよい。
薬剤の直腸投与のための座剤は、常温では固体であるが、直腸温度では液体となり、したがって直腸内で融解して薬剤を放出する、カカオバター及びポリエチレングリコール類のような適当な非刺激性賦形剤と薬剤を混合することにより調製することができる。
【0491】
本薬剤組成物は、滅菌のような慣用の製剤操作に付してもよく、及び/又は保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝剤などの慣用の佐剤を含有していてもよい。錠剤及び丸剤は腸溶被覆を用いて製剤化することもできる。かかる組成物は、湿潤剤、甘味剤、香味剤、及び香料のような佐剤を含有していてもよい。
【0492】
併用療法
本発明の化合物は、これが唯一の有効薬剤成分である治療計画の部分として投与することもできるが、併用療法の部分として、他の1種又は2種以上の治療剤と組み合わせて使用することもできる。併用療法の1成分として投与する場合、それら複数の治療剤は、同時に又は異なる時点(例、互いに72時間、48時間、24時間の間隔)で逐次的に投与されるそれぞれ別個の組成物として処方することができ、或いはそれら治療剤を単一の薬剤組成物として一緒に処方して同時に投与することもできる。
【0493】
従って、本発明の化合物の投与は、放射線治療又は細胞増殖抑制剤、細胞毒性剤、他の抗がん剤、並びにがんの症状若しくはいずれかの薬剤の副作用を改善する他の薬剤といった、がんの予防又は治療において当業者に公知の追加の治療と併用してもよい。
【0494】
固定された用量として処方する場合、このような併用製品は本発明の化合物を許容された投与量範囲内で使用する。本発明の化合物はまた、併用処方が不適当であれば、他の抗がん剤又は細胞毒性剤と逐次的に投与してもよい。本発明は投与順序については制限されず、本発明の化合物は他の抗がん剤又は細胞毒性剤の前に、同時に、又は後に投与することができる。
【0495】
現在、原発性腫瘍の標準的な治療は、適切であれば外科的切除と、その後の放射線又は、典型的には静脈内(IV)により投与される化学療法のいずれかからなる。典型的な化学療法計画は、DNAアルキル化剤、DNAインターカレート剤、CDK阻害剤、又は微小管毒剤からなる。化学療法の使用用量は最大耐量(許容用量)よりわずかに少ない量であるので、用量制限毒性の症状として、典型的には悪心、嘔吐、下痢、脱毛、好中球減少などが挙げられる。
【0496】
併用薬剤化学療法によるがん治療に対して選択されうる、市販品、臨床評価中及び臨床前開発中の利用可能な抗腫瘍薬は多数にのぼる。このような抗腫瘍薬には、いくつかの主要カテゴリーがある。即ち、抗生物質型薬剤、アルキル化剤、代謝拮抗剤、ホルモン剤、免疫剤、インターフェロン型薬剤、並びにその他薬剤のカテゴリーである。
【0497】
本発明の化合物と併用(組み合わせ使用)されうる第1の種類の抗腫瘍薬は、代謝拮抗型/チミジレート・シンターゼ阻害剤抗腫瘍薬を包含する。適当な代謝拮抗抗腫瘍薬は、これらに限られないが、下記よりなる群から選ぶことができる:5-FUフィブリノーゲン、アカンサス葉酸(acanthifolic acid)、アミノチアジアゾール、ブレキナー・ナトリウム、カルモフール、チバ・ガイギーCGP-30694、シクロペンチル・シトシン、リン酸シタラビンステアレート、シタラビン共役物、リリー(Lilly) DATHF、メレル・ダウDDFC、デザグアニン、ジデオキシシチジン、ジデオキシグアノシン、ジドックス、吉富DMDC、ドキシフルリジン、ウェルカムEHNA、メルク社EX-015、ファザラビン、フロクスウリジン、リン酸フルダラビン、5-フルオロウラシル、N-(21-フラニジル)フルオロウラシル、第一製薬FO-152、イソプロピルピロリジン、リリーLY-188011、リリーLY-264618、メトベンザプリム、メトトレキセート、ウェルカムMZPES、ノルスペルミジン、NCI NSC-127716、NCI NSC-264880、NCI NSC-39661、NCI NSC-612567、ワーナー・ランバートPALA、ペントスタチン、ピリトレキシム、プリカマイシン、旭化成PL-AC、武田TAC788、チオグアニン、チアゾフリン、エルバモントTIF、トリメトレキセート、チロシンキナーゼ阻害剤、大鵬UFT、及びウリシチン。
【0498】
本発明の化合物と併用しうる第2の種類の抗腫瘍薬はアルキル化剤型抗腫瘍薬からなる。適当なアルキル化剤型抗腫瘍薬は、これらに限られないが、下記よりなる群から選ぶことができる:シオノギ254-S、アルドホスファミド・アナログ、アルトレタミン、アナキシロン、ベーリンガー・マンハイムBBR-2207、ベストラブシル、ブドチタン、湧永CA-102、カルボプラチン、カルムスチン、キノイン-139、キノイン-153、クロラムブシル、シスプラチン、シクロホスファミド、アメリカン・シアナミドCL-286558、サノフィCY-233、サイプラテート、デグサD384、住友DACHP(Myr)2、ジフェニルスピロムスチン、二白金サイトスタチン、エルバ・ジスタマイシン誘導体、中外DWA-2114R、ITI E09、エルムスチン、エルバモントFCE-24517、リン酸エストラムスチンナトリウム、フォテムスチン、ウニメドG M、キノインGYKI-17230、ヘプスルファム、イフォスファミド、イプロプラチン、ロムスチン、マフォスファミド、ミトラクトルフ、日本化薬NK-121、NCI NSC-264395、NCI NSC-342215、オキサリプラチン、アップジョンPCNU、プレドニムスチン、プロターPTT-119、ラニムスチン、セムスチン、スミスクラインSK&F-101772、ヤクルト本社SN-22、スピロムスチン、田辺製薬TA-077、タウロムスチン、テモゾロミド、テロキシロン、テトラプラチン及びトリメラモール。
【0499】
本発明の化合物と併用しうる第3の種類の抗腫瘍薬は抗生物質型抗腫瘍薬からなる。適当な抗生物質型抗腫瘍薬は、これらに限られないが、下記よりなる群から選ぶことができる:大鵬4181-A、アクラルビシン、アクチノマイシンD、アクチノプラノン、エルバモントADR-456、アエロプリシニン誘導体、味の素AN II、味の素AN3、日本曹達アニソマイシン類、アントラサイクリン、アジノマイシンA、ビスカベリン、ブリストル・マイヤーズBL-6859、ブリストル・マイヤーズBMY-25067、ブリストル・マイヤーズBNY-25551、ブリストル・マイヤーズBNY-26605、ブリストル・マイヤーズBNY-27557、ブリストル・マイヤーズBMY-28438、硫酸ブレオマイシン、ブリオスタチン-1、大鵬C-1027、カリケマイシン、クロモキシマイシン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、協和発酵DC-102、協和発酵DC-79、協和発酵DC-88A、協和発酵DC89-Al、協和発酵DC92-B、ジトリサルビシンB、シオノギDOB-41、ドキソルビシン、ドキソルビシン-フィブリノーゲン、エルサミシン-A、エピルビシン、エルブスタチン、エソルビシン、エスペラミシン-Al、エスペラミシン-Alb、エルバモントFCE21954、藤沢FK-973、フォストリエシン、藤沢FR-900482、グリドバクチン、グレガチン-A、グリンカマイシン、ヘルビマイシン、イダルビシン、イルジン類、カズサマイシン、ケサリロージン類、協和発酵KM-5539、キリンビールKRN-8602、協和発酵KT-5432、協和発酵KT-5594、協和発酵KT-6149、アメリカン・シアナミドLL-D49194、明治製菓ME2303、メノガリル、ミトマイシン、ミトキサントロン、スミスクラインM-TAG、ネオエナクチン、日本化薬NK-313、日本化薬NKT-01、SRIインターナショナルNSC-357704、オキサリシン、オキサウノマイシン、ペプロマイシン、ピラチン、ピラルビシン、ポロスラマイシン、ピリンダマイシンA、トビシRA-1、ラパマイシン、リゾキシン、ロドルビシン、シバノミシン、シウェンマイシン、住友SM5887、雪印SN-706、雪印SN-07、ソランギシン-A、スパルソマイシン、エスエス製薬SS-21021、エスエス製薬SS-7313B、エスエス製薬SS-9816B、ステフィマイシンB、大鵬4181-2、タリソマイシン、武田TAN-868A、テルペンテシン、トラジン、トリクロザリンA、アップジョンU-73975、協和発酵UCN-10028A、藤沢WF-3405、吉富Y-25024及びゾルビシン。
【0500】
本発明の化合物と併用しうる第4の種類の抗腫瘍薬は、チューブリン相互作用剤、トポイソメラーゼII阻害剤、トポイソメラーゼI阻害剤、及びホルモン剤を含む雑多な群の抗腫瘍薬からなる。これらは、それに限られないが、下記よりなる群から選ぶことができる:α-カロテン、α-ジフルオロメチルアルギニン、アシトレチン、ビオテックAD-5、杏林AHC-52、アルストニン、アモナフィド、アンフェチニル、アムサクリン、アンギオスタット、アンキノマイシン、アンチネオプラストンA10、アンチネオプラストンA2、アンチネオプラストンA3、アンチネオプラストンA5、アンチネオプラストンAS2-1F、ヘンケルAPD、グリシン酸アフィジコリン、アスパラギナーゼ、アバロール、バッカリン、バトラシリン、ベンフルロン、ベンゾトリプト、イプセン・ボーフールBIM-23015、ビスアントレン、ブリストル・マイヤーズBNY-40481、ベスター・ボロン-10、ブロモフォスファミド、ウェルカムBW-502、ウェルカムBW-773、カラセミド、塩酸カルメチゾール、味の素CDAF、クロルスルファキノキサロン、ケメスCHX-2053、ケメックスCHX-100、ワーナー・ランバートCI-921、ワーナー・ランバートCI-937、ワーナー・ランバートCI-941、ワーナー・ランバートCI-958、クランフェヌール、クラビリデノン、ICN化合物1259、ICN化合物4711、コントラカン、ヤクルト本社CPT-11、クリスナトール、クラデルム、シトチャラシンB、シタラビン、シトシチン、メルズD-609、マレイン酸DABIS、ダカルバジン、ダテリプチニウム、ジデムニン-B、ジヘマトポルフィリンエーテル、ジヒドロレンペロン、ジナリン、ジスタマイシン、東洋ファルマDM-341、東洋ファルマDM-75、第一製薬DN-9693、ドセタキセル、エリプラビン、酢酸エリプチニウム、津村EPMTC、エポチロン類、エルゴタミン、エトポシド、エトレチネート、フェンレチニド、藤沢FR-57704t、硝酸ガリウム、ゲンカダフニン、中外GLA-43、グラクソGR-63178、グリフォランNMF5N、ヘキサデシルホスホコリン、グリーン・クロスHO-221、ホモハリントニン、ヒドロキシ尿素、BTG ICRF-187、イルモフォシン、イソグルタミン、イソトレチノイン、大塚JI-36、ラモットK-477、大塚K-76COONa、呉羽化学K-AM、MECT社KI-8110、アメリカン・シアナミドL-623、ロイコレグリン、ロニダミン、ルンドベックLU 1121、リリーLY-186641、NCI (US) MAP、マリシン、メレル・ダウMDL-27048、メドコMEDR-340、メルバロン、メロシアニン誘導体、メチルアニリノアクリジン、モレキュラー・ジェネティックスMGI136、ミナクチビン、ミトナフィド、ミトキドン、モピダモール、モトレチニド、全薬工業MST-16、N-(レチノイル)アミノ酸類、日清製粉N-021、N-アシル化デヒドロアラニン類、ナファザトロム、大正NCU-190、ノコダゾール誘導体、ノルモサング、NCI NSC-145813、NCI NSC-361456、NCI NSC-604782、NCI NSC-95580、オクレオチド、小野ONO-112、オキザノシン、アクゾOrg-10172、パクリタキセル、パンクラチスタチン、パゼリプチン、ワーナー・ランバートPD-111707、ワーナー・ランバートPD-115934、ワーナー・ランバートPD-131141、ピエール・ファーブルPE-1001、ICRTペプチドD、ピロキサントロン、ポリヘマトポルフィリン、ポリプレイン酸、エファモル・ポルフィリン、プロビマン、プロカルバジン、プログルミド、インビトロン・プロテアーゼ・ネキシンI、トビシRA-700、ラゾキサン、札幌ビールRBS、レストリクチン-P、レテリプチン、レチノイン酸、ローヌ・プーランRP-49532、ローヌ・プーランRP-56976、スミスクラインSK&F-104864、住友SM-108、クラレSMANCS、シーファームSP10094、スパトール、スピロシクロプロパン誘導体、スピロゲルマニウム、ユニメド、エスエス製薬SS-554、ストリポルジノン、スチポルジオン、サントリーSUN 0237、サントリーSUN 2071、スーパーオキシド・ディスムターゼ、富山T-506、富山T-680、タキソール、帝人TEI-0303、テニポシド、タリブラスチン、イーストマン・コダックTJB-29、トコトリエノール、トポテカン、トポスチン、帝人TT82、協和発酵UCN-01、協和発酵UCN-1028、ウクライン、イーストマン・コダックUSB-006、硫酸ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビネストラミド、ビノレルビン、ビントリプトール、ビンゾリジン、ウイザノリド並びに山ノ内YM。
【0501】
或いは、本化合物は他の抗腫瘍薬との共治療に使用してもよい。そのような抗腫瘍薬の例としては、下記を挙げることができる:アセマンナン、アクラルビシン、アルデスロイキン、アレムツズマブ、アリトレチノイン、アルトレタミン、アミフォスチン、アミノレブリン酸、アムルビシン、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、アンサー(ANCER)、アンセスチン、アルグラビン、三酸化ヒ素、BAM 002 (ノベロス)、ベキサロテン、ビカルタミド、ブロクスウリジン、カペシタビン、セルモロイキン、セトロレリックス、クラドリビン、クロトリマゾール、シタラビン・オクホスフェート、DA 3030 (Dong-A)、ダクリズマブ、デニロイキン・ディフィトックス、デスロレリン、デクスラゾキサン、ジラゼプ、ドセタキセル、ドコサノール、ドキセルカルシフェロール、ドキシフルリジン、ドキソルビシン、ブロモクリプチン、カルムスチン、シタラビン、フルオロウラシル、HIT ジクロフェナック、インターフェロンα、ダウノルビシン、ドキソルビシン、トレチノイン、エデルフォシン、エドレコロマブ、エフロルニチン、エミテフール、エピルビシン、エポエチンβ、リン酸エトポシド、エキセメスタン、エキシスリンド、ファドロゾール、フィルグラスチム、フィナステリド、リン酸フルダラビン、フォルメスタン、フォテムスチン、硝酸ガリウム、ゲムシタビン、ゲムツズマブ・オゾガマイシン、ギメラシル/オテラシル/テガフール配合剤、グリコピン、ゴセレリン、ヘプタプラチン、ヒト絨毛性ゴナドトロピン、ヒト胎児性αフェトプロテイン、イバンドロン酸、イダルビシン、イミキモド、インターフェロンα、天然インターフェロンα、インターフェロンα-2、インターフェロンα-2a、インターフェロンα-2b、インターフェロンα-NI、インターフェロンα-n3、インターフェロンα-con1、天然インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンβ-1a、インターフェロンβ-1b、インターフェロンγ、天然インターフェロンγ-1a、インターフェロンγ-1b、インターロイキン-1β、イオベングアン、イリノテカン、イルソグラジン、ランレオチド、LC 9018 (ヤクルト)、レフルノミド、レノグラスチム、硫酸レンチナン、レトロゾール、白血球αインターフェロン、ロイプロレリン、レバミゾール+フルオロウラシル、リアロゾール、ロバプラチン、ロニダミン、ロバスタチン、マソプロコール、メラルソプロール、メトクロプラミド、ミフェプリストン、ミルテフォシン、ミリモスチム、不適合二本鎖RNA、ミトグアゾン、ミトラクトール、ミトキサントロン、モルグラモスチム、ナファレリン、ナロキソン+ペンタゾシン、ナルトグラスチム、ネダプラチン、ニルタミド、ノスカピン、新規赤血球産生刺激性タンパク質、NSC 631570、オクトレオチド、オプレルベキン、オサテロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロン酸、ペガスパルガーゼ、ペグインターフェロンα-2b、多硫酸ペントサンナトリウム、ペントスタチン、ピシバニル、ピラルビシン、ウサギ抗胸腺細胞ポリクローナル抗体、ポリエチレングリコールインターフェロンα-2a、ポルフィマー・ナトリウム、ラロキシフェン、ラルチトレキセド、ラスブリカーゼ、レニウム(Re 186)エチドロナート、RIIレチナミド、リツキシマブ、ロムルチド、サマリウム(153 Sm)レキシドロナム、サルグラモスチム、シゾフィラン、ソブゾキサン、ソネルミン、塩化ストロンチウム-89、スラミン、タソネルミン、タゾロテン、テガフール、テモポルフィン、テモゾロミド、テニポシド、テトラクロロデカオキシド、サリドマイド、チマルファシン、チロトロピンα、トポテカン、トレミフェン、トシツモマブ−ヨウ素131、トラスツズマブ、トレオスルファン、トレチノイン、トリロスタン、トリメトレキセート、トリプトレリン、天然腫瘍壊死因子α、ウベニメクス、膀胱がんワクチン、丸山ワクチン、メラノーマ溶解産物ワクチン、バルルビシン、ベルテポルフィン、ビノレルビン、ビルリジン、ジノスタチン・スティマラマー(stimalamer)、又はゾレドロン酸;アバラリックス、AE 941 (エテルナ)、アンバムスチン、アンチセンスオリゴヌクレオチド、bcl-2 (ゲンタ)、APC 8015 (デンドレオン)、セツキシマブ、デシタビン、デキサミノグルテチミド、ジアジコン(diaziquone)、EL 532 (エラン)、EM 800 (アンドルシェルシュ)、エニルウラシル、エタニダゾール、フェンレチニデル、フィルグラスチム SDO1 (アムジェン)、フルベストラント、ガロシタビン、ガストリン17免疫原、HLA-17遺伝子治療 (ビカル)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子、二塩酸ヒスタミン、イブリツモマブ・チウキセタン、イロマスタット、IM 862 (サイトラン)、インターロイキン・イプロキシフェン、LDI 200 (ミルクハウス)、レリジスチム、リンツズマブ、CA 125 MAb (バイオミラ)、がんMAb (日本薬品開発)、HER-2及びFc MAb (メダレックス)、イディオタイプ105AD7 MAb (CRCテクノロジー)、イディオタイプCEA MAb (トリレックス)、LYMヨウ素131 MAb (テクニクローン)、多形上皮ムチン−イットリム90 MAb (アンチゾーマ)、マリマスタット、メノガリル、ミツモマブ、モテキサフィン、ガドリニウム、MX 6 (ガルデルマ)、ネララビン、ノラトレキセド、P 30タンパク質、ペグビゾマント、ペメトレキセド、ポルフィロマイシン、プリノマスタット、RL 0903 (シャイア)、ルビテカン、サトラプラチン、フェニル酢酸ナトリウム、スパルフォシック・アシッド、SRL 172 (SRファーマ)、SU 5416 (スジェン)、SU 6668 (スジェン)、TA 077 (田辺)、テトラチオモリブデート、サリブラスチン、トロンボポイエチン、錫エチル・エチオプルプリン、チラパザミン、がんワクチン (バイオミラ)、メラノーマ・ワクチン(ニューヨーク大学)、メラノーマ・ワクチン (スローン・ケッタリング研究所)、メラノーマ腫瘍溶解物(oncolysate)ワクチン (ニューヨーク医大)、ウイルス性メラノーマ細胞溶解物ワクチン (王立ニューキャッスル病院)、又はバルスポダール。
【0502】
治療キット
別の態様では、本発明は、本発明に係る方法を便利かつ効果的に実施するためのキットに関する。一般に、薬剤パック又はキットは、本発明の薬剤組成物の1又は2以上の成分が充填された1又は2以上の容器と、その薬剤組成物をここに記載した方法の一部として投与するための使用説明書(例、ラベル又はパッケージ封入物)とを含んでいる。このようなキットは、特に錠剤又はカプセルのような固体経口剤形の供給に適している。この種のキットは好ましくは複数の単位剤形を含んでいて、それらの剤形を意図したそれらの使用順序に向けさせるカードを含んでいてもよい。所望により、その剤形を投与することができる治療スケジュールの日にちを指定する、例えば、数字、文字、もしくは他のマークの形態で、又はカレンダーにページを、記憶補助具として提供することができる。場合によりかかる容器に組み合わせることができるのは、医薬品の製造、使用又は販売を規制する監督官庁により規定された形態の注意書きであり、この注意書きはヒト用医薬品の製造、使用又は販売官庁による認可事項を反映する。
【0503】
以下の代表的な実施例は、本発明の各種態様及びその均等態様の実施に適用することができる重要な追加情報、例示及び指針を含んでいる。これらの実施例は本発明の例示を助けることを意図したものであり、その範囲を制限することを意図しておらず、またそのように解すべきものでもない。実際、ここに示しかつ説明した態様に加えて、本発明の各種変更及びその多くのさらなる実施態様が、以下の実施例並びに本書に引用した科学文献及び特許文献への言及を含む本書の検討により当業者には明らかとなろう。現状技術の例示を助けるために、明細書中で引用した文献の内容をここに参考として援用する。また、本発明の目的にとって、化学元素は、Handbook of Chemistry and Physics, 第75版、内表紙に掲げられたCAS版の元素周期表に従って指定される。さらに、有機化学の原則並びに具体的な官能基若しくは部分及び反応性は、「Organic Chemistry」Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito: 1999及び「Organic Chemistry」Morrison & Boyd (第3版)に説明されており、この両方の全内容をここに参考のために援用する。
【実施例】
【0504】
(実施例1)
N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン
【0505】
【化177】
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【0506】
4-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン: N,N-ジメチルアセトアミド15 mL及びジイソプロピルエチルアミン3.6 mL中の4-アミノ-ジメチルフェニルホスフィンオキシド (3.7 g, 2.2 mmol) の懸濁液を、透明な溶液が得られるまで室温で15分間撹拌した。2,4-ジクロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン (5.7 g, 2.6 mmol) を5分間かけて4回に分けて加えた。この反応混合物を60℃で1時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、濾過して白色固体を得た。この白色固体を、50 mLの水で3回、その後50 mLのエチルエーテルで3回洗浄した。白色固体を減圧乾燥して目的生成物を得た (3.8 g, 収率49%)。MS/ES+: m/z=350。
【0507】
N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン: エタノール1.5 mL中の4-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン(25 mg, 0.072 mmol) の溶液に、トリエチルアミン10μLと1-メチルピペラジン (7.2 mg, 0.072 mmol) とを加えた。この混合物を120℃で20分間マイクロ波加熱した。反応混合物をシリンジフィルターで濾過し、分取用HPLC (Waters Sunfire C18カラム、移動相はACN/水) で精製して、生成物の白色固体を得た (24 mg, 収率79%)。MS/ES+: m/z=414。
【0508】
(実施例2)
N
2-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N
4-(トリシクロ「3.3.1.1
3,7」デク-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-ジアミン
【0509】
【化178】
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【0510】
エタノール1.5 mL中の4-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン (実施例1に記載のようにして調製: 27 mg, 0.078 mmol) の溶液に、トリエチルアミン10μLと1-アダマンタンアミン (12 mg, 0.078 mmol) とを加えた。この混合物を120℃で20分間マイクロ波加熱した。反応混合物をシリンジフィルターで濾過し、分取用HPLC (Waters Sunfire C18カラム、移動相はACN/水) で精製して、生成物の白色固体を得た (3 mg, 収率8%)。MS/ES+: m/z=465。
【0511】
(実施例4)
N
2-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N
4-(モルホリン-4-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-ジアミン
【0512】
【化179】
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【0513】
エタノール2 mL中の4-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン (実施例1に記載のようにして調製: 40 mg, 0.12 mmol) の溶液に、トリエチルアミン50μLと4-(2-アミノエチル)モルホリン (15 mg, 0.12 mmol) とを加えた。この混合物を120℃で20分間マイクロ波加熱した。反応混合物をシリンジフィルターで濾過し、分取用HPLC (Waters Sunfire C18カラム、移動相はACN/水) で精製して、生成物の白色固体を得た (42 mg, 収率81%)。MS/ES+: m/z=430。
【0514】
(実施例5)
4-(2-{[2-{[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]アミノ}-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル]アミノ}エチル)ベンゼンスルホンアミド
【0515】
【化180】
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【0516】
エタノール2 mL中の4-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン (実施例1に記載のようにして調製: 40 mg, 0.12 mmol) の溶液に、トリエチルアミン50μLと4-(2-アミノエチル)ベンゼンスルホンアミド (23 mg, 0.12 mmol) とを加えた。この混合物を120℃で20分間マイクロ波加熱した。反応混合物をシリンジフィルターで濾過し、分取用HPLC (Waters Sunfire C18カラム、移動相はACN/水) で精製して、生成物の白色固体を得た (30 mg, 収率49%)。MS/ES+: m/z=514。
【0517】
(実施例6)
N
2-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N
4-(テトラヒドロフラン-2-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-ジアミン
【0518】
【化181】
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【0519】
エタノール2 mL中の4-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン (実施例1に記載のようにして調製: 40 mg, 0.12 mmol) の溶液に、トリエチルアミン50μLと(s)-3-アミノテトラヒドロフラン塩酸塩 (14 mg, 0.12 mmol) とを加えた。この混合物を120℃で20分間マイクロ波加熱した。反応混合物をシリンジフィルターで濾過し、分取用HPLC (Waters Sunfire C18カラム、移動相はACN/水) で精製して、生成物の白色固体を得た (27 mg, 収率59%)。MS/ES+: m/z=401。
【0520】
(実施例7)
N
2-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N
4-(ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-ジアミン
【0521】
【化182】
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【0522】
エタノール2 mL中の4-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン (実施例1に記載のように調製: 40 mg, 0.12 mmol) の溶液に、トリエチルアミン50μLと3-アミノ-3-アザビシクロ[3.3.0]オクタン塩酸塩 (19 mg, 0.12 mmol) とを加えた。この混合物を120℃で20分間マイクロ波加熱した。反応混合物をシリンジフィルターで濾過し、分取用HPLC (Waters Sunfire C18カラム、移動相はACN/水) で精製して、生成物の白色固体を得た (34 mg, 収率67%)。MS/ES+: m/z=440。
【0523】
(実施例8)
N
2-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N
4-(モルホリン-4-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-ジアミン
【0524】
【化183】
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【0525】
エタノール2 mL中の4-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン (実施例1に記載のようにして調製: 40 mg, 0.12 mmol) の溶液に、トリエチルアミン50μLと4-アミノモルホリン (12 mg, 0.12 mmol) とを加えた。この混合物を120℃で20分間マイクロ波加熱した。反応混合物をシリンジフィルターで濾過し、分取用HPLC (Waters Sunfire C18カラム、移動相はACN/水) で精製して、生成物の白色固体を得た (6 mg, 収率12%)。MS/ES+: m/z=416。
【0526】
(実施例9)
N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-4-(4-フェニルピペラジン-1イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン
【0527】
【化184】
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【0528】
エタノール2 mL中の4-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン (実施例1に記載のようにして調製: 40 mg, 0.12 mmol) の溶液に、トリエチルアミン50μLと1-フェニルピペラジン (19 mg, 0.12 mmol) とを加えた。この混合物を120℃で20分間マイクロ波加熱した。反応混合物をシリンジフィルターで濾過し、分取用HPLC (Waters Sunfire C18カラム、移動相はACN/水) で精製して、生成物の白色固体を得た (40 mg, 収率73%)。MS/ES+: m/z=476。
【0529】
(実施例10)
N
2-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N
4-[2-(1H-インドール-3-イル)エチル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-ジアミン
【0530】
【化185】
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【0531】
エタノール2 mL中の4-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン (実施例1に記載のようにして調製: 40 mg, 0.12 mmol) の溶液に、トリエチルアミン50μLとトリプタミン (18 mg, 0.12 mmol) とを加えた。この混合物を120℃で20分間マイクロ波加熱した。反応混合物をシリンジフィルターで濾過し、分取用HPLC (Waters Sunfire C18カラム、移動相はACN/水) で精製して、生成物の白色固体を得た (44 mg, 収率81%)。MS/ES+: m/z=474。
【0532】
(実施例11)
N
2-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N
4-[4-メチルピペラジン-1-イル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-ジアミン
【0533】
【化186】
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【0534】
エタノール2 mL中の4-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン (実施例1に記載のようにして調製: 40 mg, 0.12 mmol) の溶液に、トリエチルアミン50μLと1-アミノ-4-メチルピペラジン (13 mg, 0.12 mmol) とを加えた。この混合物を120℃で20分間マイクロ波加熱した。反応混合物をシリンジフィルターで濾過し、分取用HPLC (Waters Sunfire C18カラム、移動相はACN/水) で精製して、生成物の白色固体を得た (17 mg, 収率34%)。MS/ES+: m/z=429。
【0535】
(実施例12)
N
2-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N
4-[4-トリシクロ[3.3.1.1
3.7]デク-1-イルメチル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-ジアミン
【0536】
【化187】
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【0537】
エタノール2 mL中の4-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン (実施例1に記載のようにして調製: 40 mg, 0.12 mmol) の溶液に、トリエチルアミン50μLと1-アダマンタンメチルアミン (19 mg, 0.12 mmol) とを加えた。この混合物を120℃で20分間マイクロ波加熱した。反応混合物をシリンジフィルターで濾過し、分取用HPLC (Waters Sunfire C18カラム、移動相はACN/水) で精製して、生成物の白色固体を得た (40 mg, 収率73%)。MS/ES+: m/z=479。
【0538】
(実施例13)
N
2-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N
4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンジル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-ジアミン
【0539】
【化188】
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【0540】
エタノール2 mL中の4-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン (実施例1に記載のようにして調製: 40 mg, 0.12 mmol) の溶液に、トリエチルアミン50μLと4-(4-メチルピペラジン)ベンジルアミン (24 mg, 0.12 mmol) とを加えた。この混合物を120℃で20分間マイクロ波加熱した。反応混合物をシリンジフィルターで濾過し、分取用HPLC (Waters Sunfire C18カラム、移動相はACN/水) で精製して、生成物の白色固体を得た (21 mg, 収率73%)。MS/ES+: m/z=519。
【0541】
(実施例14)
N
4-(3,5-ジメチルフェニル)-N
2-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-ジアミン
【0542】
【化189】
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【0543】
エタノール2 mL中の4-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2-アミン (実施例1に記載のようにして調製: 40 mg, 0.12 mmol) の溶液に、塩酸メタノール溶液 (2M) 10μLと3,5-ジメチルアニリン (14 mg, 0.12 mmol) とを加えた。この混合物を120℃で20分間マイクロ波加熱した。反応混合物をシリンジフィルターで濾過し、分取用HPLC (Waters Sunfire C18カラム、移動相はACN/水) で精製して、生成物の白色固体を得た (32 mg, 収率65%)。MS/ES+: m/z=435。
【0544】
(実施例15)
5-クロロ-N
2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N
4-フェニルピリミジン-2,4-ジアミン
【0545】
【化190】
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【0546】
2,5-ジクロロ-N-フェニルピリミジン-4-アミン: エタノール5 mL中のアニリン (205 mg, 2.2 mmol)及び2,4,5-トリクロロピリミジン (500 mg, 2.7 mmol) の溶液に、炭酸カリウム500 mgを加えた。この反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧除去した。残渣をヘプタン中10%酢酸エチルでのシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、目的生成物を油状物として得た (370 mg, 収率70%)。
【0547】
(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)(ジメチル)ホスファンオキシド: DMF 5 mL中の5-クロロ-2-ニトロアニソール (0.5 g, 2.67 mmol) の溶液に、ジメチルホスフィンオキシド(0.229 g, 2.93 mmol)、酢酸パラジウム (30 mg, 0.13 mmol)、Xantphos (0.092 g, 0.16 mmol)、及びリン酸カリウム(0.623 g, 2.93 mmol) を加えた。この混合物をアルゴンでパージし、120℃に18時間加熱した。反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で塩基性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を濃縮し、分取用HPLCで精製して、最終生成物を得た (0.16 g, 収率30%)。MS/ES+: m/z=229。
【0548】
4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシアニリン: EtOH 5 mL中の(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)(ジメチル)ホスファンオキシド(0.1 g, 0.44 mmol)の溶液に、炭素担持10重量%パラジウム (0.2 g) を加えた。この混合物をアルゴンでパージし、30 psi下で2時間水素化した。得られた混合物を、セライト (Celite、濾材) を通して、HClエタノール溶液が入っているフラスコの中に濾過した。この濾液を濃縮して最終生成物を得た (0.088 g, 収率86%)。MS/ES+: m/z=199。
【0549】
5-クロロ-N2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N4-フェニルピリミジン-2,4-ジアミン: DMF 1 mL中の2,5-ジクロロ-N-フェニルピリミジン-4-アミン (84 mg, 0.35 mmol) 及び4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシアニリン (60 mg, 0.30 mmol) の溶液に、2.5M HClエタノール溶液0.36 mLを加えた。反応混合物を封管内で140℃に一晩加熱した。反応混合物をシリンジフィルターで濾過し、分取用HPLC (Waters Sunfire C18カラム、移動相はACN/水) で精製して、目的生成物を白色固体として得た (23 mg, 収率16%)。MS/ES+: m/z=403。
【0550】
(実施例16)
N
2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-ジアミン
【0551】
【化191】
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【0552】
2-クロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-アミン:N,N-ジメチルホルムアミド4 mL中の1-アミノ-2-(イソプロピルスルホニル)ベンゼン(350 mg, 1.6 mmol) の0℃の溶液に、水素化ナトリウム (100 mg) を加え、この反応混合物を0℃で20分間撹拌した。2,4-ジクロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン (350 mg, 1.6 mmol) を一度に加え、反応混合物を室温まで昇温させた。反応混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を水で反応停止させ、酢酸エチルで抽出した。合わせた酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去した。残渣を分取用HPLCで精製して、目的生成物を白色固体として得た (10 mg, 収率2%)。
【0553】
N2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-ジアミン:2-メトキシエタノール1 mL中の2-クロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-アミン (7.5 mg, 0.02 mmol) 及び4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシアニリン (実施例15に記載のように調製:15 mg, 0.7 mmol) の溶液に、2.5M HClエタノール溶液1 mLを加えた。反応混合物を封管内で140℃に一晩加熱した。反応混合物をシリンジフィルターで濾過し、分取用HPLC (Waters Sunfire C18カラム、移動相はACN/水) で精製して目的生成物を白色固体として得た (0.9 mg, 収率8%)。MS/ES+: m/z=543。
【0554】
(実施例17)
5-クロロ-N
2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン
【0555】
【化192】
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【0556】
2,5-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミン: DMF 2 mL中の1-アミノ-2-(イソプロピルスルホニル)ベンゼン (0.955 g, 4.80 mmol) の0℃の溶液に、NaH (油中60%、0.349 g, 8.72 mmol) を一度に加えた。20分間撹拌後、2,4,5-トリクロロピリミジンを加えた。この混合物を0℃で30分間撹拌し、次に室温で2時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液で反応を停止した後、混合物を水/酢酸エチル混合液中に投入した。黄色の懸濁液を濾過して最終生成物とした (0.3 g, 収率20%)。MS/ES+: m/z=346。
【0557】
5-クロロ-N2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン: 2-メトキシエタノール1 mL中の2,5-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (0.050 g, 0.14 mmol) の溶液に、4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシアニリン (実施例15に記載のようにして調製:0.029 g, 0.14 mmol) と、2.5M HClエタノール溶液0.12 mLとを加えた。この混合物を封管内で140℃に1時間加熱した。混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で塩基性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を分取用HPLCで精製して最終生成物を得た (20 mg, 収率24%)。MS/ES+: m/z=508。
【0558】
(実施例18)
5-クロロ-N
2-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン
【0559】
【化193】
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【0560】
2-メトキシエタノール1 mL中の2,5-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (実施例17に記載のようにして調製、50 mg, 0.14 mmol) の溶液に、4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシアニリン (実施例15に記載のようにして調製:0.029 g, 0.14 mmol) と2.5M HClエタノール溶液0.12 mLとを加えた。この混合物を封管内で140℃に1時間加熱した。混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で塩基性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を分取用HPLCで精製して最終生成物を得た (0.100 g, 収率15%)。MS/ES+: m/z=478。
【0561】
(実施例19)
5-クロロ-N
4-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N
2-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}ピリミジン-2,4-ジアミン
【0562】
【化194】
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【0563】
2,5-ジクロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]ピリミジン-4-アミン: DMF 1 mL中の2,4,5-トリクロロピリミジン (0.15 mL, 1.31 mmol) の溶液に、4-(ジメチルホスホリル)アニリン (0.221 g, 1.31 mmol) 及び炭酸カリウム (0.217 g, 1.57 mmol) を加えた。この混合物を110℃で4時間加熱した。これを飽和重炭酸ナトリウム溶液で塩基性にした。得られた懸濁液を濾過し、酢酸エチルで洗浄して、最終生成物を得た (0.15 g, 収率36%)。MS/ES+: m/z=316。
【0564】
1-[1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル]-4-メチルピペラジン: DMF 3 mL中の5-フルオロ-2-ニトロアニソール (0.5 g, 2.92 mmol) の溶液に、1-メチル-4-(ピペリジン)ピペラジン(0.536 g, 2.92 mmol) 及び炭酸カリウム (0.808 g, 5.84 mmol) を加えた。この混合物を120℃に18時間加熱した。混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で塩基性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層をクロマトグラフィーで精製して、最終生成物を黄色固体として得た (0.95 g, 収率95%)。MS/ES+: m/z=334。
【0565】
2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]アニリン: アルゴンでパージしたエタノール10 mL中の1-[1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル]-4-メチルピペラジン (0.3 g, 0.90 mmol) の溶液に、炭素担持10%パラジウム (0.060 g) を加えた。30 psi下で4時間後に水素化を終了した。得られた混合物を、セライトを通して、HClエタノール溶液が入っているフラスコの中に濾過した。この濾液を濃縮して最終生成物を得た (0.15 g, 収率88%)。MS/ES+: m/z=334。
【0566】
5-クロロ-N4-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N2-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}ピリミジン-2,4-ジアミン:2-メトキシエタノール1 mL中の化合物2,5-ジクロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (0.005 g, 0.16 mmol) に、2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]アニリン (0.71 g, 0.16 mmol) を加えた。この混合物を110℃で18時間撹拌した。この混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で塩基性にし、限られた量の酢酸エチルで抽出した。水層をクロマトグラフィーにより精製して、最終生成物を得た (0.015 g, 収率20%)。MS/ES+: m/z=583。
【0567】
(実施例20)
N
2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン
【0568】
【化195】
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【0569】
2-クロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミン: 室温のDMF 2.0 mL中のNaH (鉱油中60%分散液、40 mg, 1.0 mmol)の懸濁液に、固体の1-アミノ-2-(イソプロピルスルホニル)ベンゼン (0.20 g, 1.0 mmol) を3回に分けて加えた。室温で30分間撹拌後、2,4-ジクロロピリミジン (0.15 g, 1.0 mmol) をDMF 1.0 mL中の溶液として加えた。この反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応を飽和重炭酸ナトリウム溶液で停止させた後、溶液を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた粗製残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (0〜30%酢酸エチル:ヘプタン) で精製して、目的化合物をオフホワイト固体として得た (53 mg, 収率17%)。MS/ES+: m/z=312。
【0570】
N2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン: バイアルに入れた2-メトキシエタノール0.5 mL中の2-クロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (0.017 g, 0.054 mmol) の溶液に、4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシアニリン (0.010 g, 0.044 mmol) をHCl塩として加えた。このバイアルを密封し、反応混合物を90℃に16時間加熱した。1N NaOH溶液で反応を停止させ、溶液を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた粗製残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (0〜10% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的化合物を得た (15 mg, 収率72%)。MS/ES+: m/z=475。
【0571】
(実施例21)
N
2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-5-メチル-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン
【0572】
【化196】
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【0573】
2-クロロ-5-メチル-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミン: 室温のDMF 2 mL中のNaH (鉱油中60%分散液、40 mg, 1.00 mmol)の懸濁液に、固体の1-アミノ-2-(イソプロピルスルホニル)ベンゼン (0.20 g, 1.0 mmol) を3回に分けて加えた。室温で30分間撹拌後、2,4-ジクロロ-5-メチルピリミジン (0.17 g, 1.0 mmol) をDMF 1 mL中の溶液として加えた。この反応混合物を室温で3時間撹拌した。反応を飽和重炭酸ナトリウム溶液で停止させた後、溶液を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた粗製残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (0〜30%酢酸エチル:ヘプタン) で精製して、目的化合物をオフホワイト固体として得た (78 mg, 収率24%)。MS/ES+: m/z=326。
【0574】
N2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-5-メチル-N4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン: バイアルに入れた2-メトキシエタノール1 mL中の2-クロロ-5-メチル-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (0.035 g, 0.11 mmol) の溶液に、4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシアニリン (0.020 g, 0.085 mmol) をHCl塩として加えた。このバイアルを密封し、反応混合物を90℃に16時間加熱した。1N NaOH溶液で反応を停止させ、溶液を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた粗製残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (0〜10% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的化合物を得た (12 mg, 収率29%)。MS/ES+: m/z=489。
【0575】
(実施例22)
5-クロロ-N
2-[5-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン
【0576】
【化197】
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【0577】
5-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシアニリン: DMF 8 mL中の5-ブロモ-2-メトキシアニリン (0.404 g, 2.00 mmol) の溶液に、ジメチルホスフィンオキシド(0.171 g, 2.20 mmol)、酢酸パラジウム (22.4 mg, 0.0100 mmol), Xantphos (69.4 mg, 0.120 mmol)、及びリン酸カリウム (0.467 g, 2.20 mmol) を加えた。得られた混合物を窒素でパージし、150℃に20分間マイクロ波加熱した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (0〜20% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的生成物を得た (0.365 g, 収率85%)。
【0578】
5-クロロ-N2-[5-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン: 2-メトキシエタノール1.5 mL中の2,5-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (実施例17に記載のようにして調製、0.077 g, 0.22 mmol) の溶液に、5-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシアニリン (0.050 g, 0.21 mmol) をその塩酸塩として加えた。この混合物を封管内で90℃に16時間加熱した。混合物を1N NaOH溶液で塩基性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた粗製残渣を分取用HPLCで精製して最終化合物を得た (52 mg, 収率48%)。MS/ES+: m/z=509。
【0579】
(実施例23)
5-クロロ-N
2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メチルフェニル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン
【0580】
【化198】
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【0581】
4-(ジメチルホスホリル)-2-メチルアニリン: DMF 8 mL中の4-ブロモ-2-メチルアニリン (0.372 g, 2.00 mmol) の溶液に、ジメチルホスフィンオキシド(0.171 g, 2.20 mmol)、酢酸パラジウム (22.4 mg, 0.0100 mmol), Xantphos (69.4 mg, 0.120 mmol)、及びリン酸カリウム (0.467 g, 2.20 mmol) を加えた。得られた混合物を窒素でパージし、150℃に20分間マイクロ波加熱した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (0〜20% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的生成物を得た (0.313 g, 収率85%)。
【0582】
5-クロロ-N2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メチルフェニル]-N4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン: 2-メトキシエタノール1.5 mL中の2,5-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (実施例17に記載のようにして調製、0.083 g, 0.24 mmol) の溶液に、4-(ジメチルホスホリル)-2-メチルアニリン (0.050 g, 0.23 mmol) をその塩酸塩として加えた。この混合物を封管内で90℃に16時間加熱した。混合物を1N NaOH溶液で塩基性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた粗製残渣を分取用HPLCで精製して最終化合物を得た (20 mg, 収率18%)。MS/ES+: m/z=493。
【0583】
(実施例24)
5-クロロ-N
2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-エチルフェニル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン
【0584】
【化199】
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【0585】
4-(ジメチルホスホリル)-2-エチルアニリン: DMF 8 mL中の4-ブロモ-2-エチルアニリン (0.400 g, 2.00 mmol) の溶液に、ジメチルホスフィンオキシド(0.171 g, 2.20 mmol)、酢酸パラジウム (22.4 mg, 0.0100 mmol), Xantphos (69.4 mg, 0.120 mmol)、及びリン酸カリウム (0.467 g, 2.20 mmol) を加えた。得られた混合物を窒素でパージし、150℃に20分間マイクロ波加熱した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (0〜20% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的生成物を得た (0.308 g, 収率78%)。
【0586】
5-クロロ-N2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-エチルフェニル]-N4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン: 2-メトキシエタノール1.5 mL中の2,5-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (実施例17に記載のようにして調製、0.079 g, 0.22 mmol) の溶液に、4-(ジメチルホスホリル)-2-エチルアニリン (0.050 g, 0.21 mmol) をその塩酸塩として加えた。この混合物を封管内で90℃に16時間加熱した。混合物を1N NaOH溶液で塩基性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた粗製残渣を分取用HPLCで精製して最終化合物を得た (43 mg, 収率40%)。MS/ES+: m/z=507。
【0587】
(実施例25)
5-クロロ-N
2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン
【0588】
【化200】
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【0589】
4-(ジメチルホスホリル)-2-(トリフルオロメトキシ)アニリン: DMF 8 mL中の4-ヨード-2-(トリフルオロメトキシ)アニリン (0.606 g, 2.00 mmol) の溶液に、ジメチルホスフィンオキシド(0.171 g, 2.20 mmol)、酢酸パラジウム (22.4 mg, 0.0100 mmol), Xantphos (69.4 mg, 0.120 mmol)、及びリン酸カリウム (0.467 g, 2.20 mmol) を加えた。得られた混合物を窒素でパージし、150℃に20分間マイクロ波加熱した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (0〜20% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製し、HClのメタノール溶液で酸性化して、目的生成物をその塩酸塩として得た (0.573 g, 収率98%)。
【0590】
5-クロロ-N2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-N4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン: 2-メトキシエタノール1 mL中の2,5-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (実施例17に記載のようにして調製、0.040 g, 0.12 mmol) の溶液に、4-(ジメチルホスホリル)-2-(トリフルオロメトキシ)アニリン(0.035 g, 0.12 mmol) をその塩酸塩として加えた。この混合物を封管内で90℃に16時間加熱した。混合物を1N NaOH溶液で塩基性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた粗製残渣を分取用HPLCで精製して最終化合物を得た (5.8 mg, 収率9%)。MS/ES+: m/z=563。
【0591】
(実施例26)
5-クロロ-N
2-[2-クロロ-4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン
【0592】
【化201】
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【0593】
2-クロロ-4-(ジメチルホスホリル)アニリン: DMF 8 mL中の2-クロロ-4-ヨードアニリン(0.507 g, 2.00 mmol) の溶液に、ジメチルホスフィンオキシド (0.171 g, 2.20 mmol)、酢酸パラジウム (22.4 mg, 0.0100 mmol), Xantphos (69.4 mg, 0.120 mmol)、及びリン酸カリウム (0.467 g, 2.20 mmol) を加えた。得られた混合物を窒素でパージし、150℃に20分間マイクロ波加熱した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (0〜20% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的生成物を得た (0.340 g, 収率83%)。
【0594】
5-クロロ-N2-[2-クロロ-4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン: 2-メトキシエタノール1 mL中の2,5-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (実施例17に記載のようにして調製、0.040 g, 0.12 mmol) の溶液に、2-クロロ-4-(ジメチルホスホリル)アニリン(0.025 g, 0.12 mmol) 及び2.5M HClエタノール溶液49μLを加えた。この混合物を封管内で90℃に16時間加熱した。混合物を1N NaOH溶液で塩基性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた粗製残渣を分取用HPLCで精製して最終化合物を得た (5.9 mg, 収率10%)。MS/ES+: m/z=513。
【0595】
(実施例27)
5-クロロ-N
2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-フルオロフェニル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン
【0596】
【化202】
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【0597】
4-(ジメチルホスホリル)-2-フルオロアニリン: DMF 8 mL中の4-ブロモ-2-フルオロアニリン (0.380 g, 2.00 mmol) の溶液に、ジメチルホスフィンオキシド(0.171 g, 2.20 mmol)、酢酸パラジウム (22.4 mg, 0.0100 mmol), Xantphos (69.4 mg, 0.120 mmol)、及びリン酸カリウム (0.467 g, 2.20 mmol) を加えた。得られた混合物を窒素でパージして、150℃に20分間マイクロ波加熱した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (0〜20% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的生成物を得た (73.5 mg, 収率20%)。
【0598】
5-クロロ-N2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-フルオロフェニル]-N4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン: 2-メトキシエタノール1 mL中の2,5-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (実施例17に記載のようにして調製、0.040 g, 0.12 mmol) の溶液に、4-(ジメチルホスホリル)-2-フルオロアニリン (0.023 g, 0.12 mmol) 及び2.5M HClエタノール溶液49μLを加えた。この混合物を封管内で90℃に16時間加熱した。混合物を1N NaOH溶液で塩基性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた粗製残渣を分取用HPLCで精製して最終化合物を得た (9.0 mg, 収率22%)。MS/ES+: m/z=497。
【0599】
(実施例28)
N
2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4,5-トリアミン
【0600】
【化203】
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【0601】
N
2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-5-ニトロ-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン (461 mg, 0.89 mmol) のエタノール懸濁液に、炭素担持10%Pd 184 mgを加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌し、セライトで濾過した。濾液を減圧濃縮して粗生成物を得た。この粗生成物を、DCM中10%メタノールを用いたシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、N
2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4,5-トリアミンを固体として得た。MS/ES+: m/z=490。
【0602】
(実施例29)
2-{[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]アミノ}-9-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-7,9-ジヒドロ-8H-プリン-8オン
【0603】
【化204】
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【0604】
N
2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4,5-トリアミン (実施例28に記載のようにして調製、40 mg, 0.082 mmol) のTHF溶液に、N,N'-カルボニルジイミダゾール (40 mg, 0.25 mmol)を加えた。この溶液を室温で一晩撹拌した。溶液を減圧濃縮し、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。有機層を減圧濃縮し、残渣をRP分取用HPLCで精製して、目的生成物をオフホワイト固体として得た。MS/ES+: m/z=516。
【0605】
(実施例30)
N
2-[2-メトキシ-4-(4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-4-イル)フェニル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン
【0606】
【化205】
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【0607】
(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)(ジメチル)ホスファンオキシド: DMF 20 mL中の5-クロロ-2-ニトロアニソール (1.00 g, 5.33 mmol) の溶液に、ジエチルホスファイト (0.809 g, 5.86 mmol)、酢酸パラジウム (0.060 g, 0.27 mmol), Xantphos (0.185 g, 0.320 mmol)、及びリン酸カリウム (1.24 g, 5.86 mmol) を加えた。得られた混合物を窒素でパージし、150℃に20分間マイクロ波加熱した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (0〜45% 酢酸エチル:ヘプタン) で精製して、目的生成物を得た (0.504 g, 収率33%)。
【0608】
(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ホスホン酸ジクロリド: DMF 1.2 mL中の(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)(ジメチル)ホスファンオキシド (4.54 g, 15.7 mmol) の溶液に、塩化チオニル (5.7 mL, 78.5 mmol) を加えた。反応フラスコに還流冷却器を取り付け、フラスコ内の混合物を還流加熱した。2時間の還流後、反応液を室温に冷却し、減圧濃縮した。得られた粗製油状物をCH
2Cl
2に再溶解し、ヘプタンを加えて目的化合物を沈殿させた。透明な溶液をデカンテーションし、沈殿を集めて乾燥すると、目的化合物が白色固体として得られた (1.39 g, 収率33%)。
【0609】
ジエテニル(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ホスファンオキシド: THF 15 mL中の(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ホスホン酸ジクロリド (1.39 g, 5.15 mmol) の窒素下−78℃の溶液に、臭化ビニルマグネシウム (10.3 mL, THF中1.0M) をゆっくり加えた。添加完了後、反応液を−78℃でさらに1時間撹拌した。この冷反応混合物に飽和NH
4Cl (20 mL) を加えて反応を停止させ、混合物をCH
2Cl
2で抽出した。合わせた有機層を1M NaOHと食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥した。この有機抽出液を濾過し、濃縮して、目的化合物を得た (0.982 g, 75%)。
【0610】
1-ベンジル-4-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)-1,4-アザホスフィナン 4-オキシド: ジエテニル(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ホスファンオキシド(0.480 g, 1.90 mmol) 及びベンジルアミン (0.23 mL, 2.08 mmol) を50%THF水溶液 (6 mL) に溶解し、窒素下で105℃に加熱した。1時間後、追加のベンジルアミンを反応混合物に加えた。この反応混合物をさらに2時間還流させた後、室温に冷却した。反応混合物を飽和NaHCO
3水溶液とCH
2Cl
2との間で分配した。水相をCH
2Cl
2で一回洗浄し、有機層を合わせた。この有機抽出液を食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (0〜5% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的生成物を得た (0.449g, 収率66%)。
【0611】
4-(1-ベンジル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-4-イル)-2-メトキシアニリン: エタノール:水の4:1混合溶媒0.6 mL中の1-ベンジル-4-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)-1,4-アザホスフィナン 4-オキシド (0.224 g, 0.622 mmol) の溶液に、鉄粉 (0.348 g, 6.22 mmol) 及びHClエタノール溶液 (2.5M) 0.30 mLを加えた。反応容器を密封し、95℃に1時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、濾過し、濃縮した。得られた粗製残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (0〜5% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的生成物を得た (86.1 mg, 収率42%)。
【0612】
N2-[4-(1-ベンジル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-4-イル)-2-メトキシフェニル]-5-クロロ-N4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン: 2-メトキシエタノール1.5 mL中の2,5-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (47.3 mg, 0.137 mmol) の溶液に、4-(1-ベンジル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-4-イル)-2-メトキシアニリン(43.0 mg, 0.13 mmol) 及び HClエタノール溶液 (2.5M, 0.10 mL) を加えた。この混合物を密封バイアル内で90℃に16時間加熱した。反応液をさらに100℃で2時間加熱した。混合物を1N NaOH溶液で塩基性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた粗製残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (0〜12% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して目的生成物を得た (43.0 mg, 収率52%)。
【0613】
N2-[2-メトキシ-4-(4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-4-イル)フェニル]-N4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン: フラスコにN
2-[4-(1-ベンジル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-4-イル)-2-メトキシフェニル]-5-クロロ-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン (40.0 mg, 0.0625mmol) 及び10% Pd-C (40.0 mg) を入れた。フラスコを排気し、窒素を充填した。フラスコに無水メタノール (2 mL) を加え、窒素導入管を取り付けた還流冷却器をフラスコに装着した。ギ酸アンモニウム (31.5 mg, 0.500 mmol) を室温で一度に加えた。得られた混合物を3時間還流下に撹拌した。反応混合物をセライトのパッドで濾過し、セライトを2×5 mlのメタノールで洗浄した。合わせた濾液と洗液を減圧蒸発させた。得られた粗製残渣を分取用HPLCで精製して、最終化合物を得た (13.6 mg, 収率42%)。MS/ES+: m/z=516。
【0614】
(実施例31)
N
2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン
【0615】
【化206】
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【0616】
2,4-ジクロロ-7-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン: DMF (5 mL) 中のNaH (119 mg、油中60%, 2.98 mmol) の懸濁液に、2,4-ジクロロ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン (400 mg, 2.13 mmol) を0℃で加えた。得られた混合物を30分間撹拌してから、2-(トリメチルシリル)エトキシメチルクロリド (0.42 mL, 1.1当量) を加えた。その後、この混合物を室温まで昇温させ、1時間撹拌した。水を加えて反応を停止させた。CH
2Cl
2で抽出した後、合わせた有機層を乾燥し、蒸発させ、シリカゲルでクロマトグラフィー精製 (溶離液:EtOAcの20%ヘプタン溶液) して、目的生成物を収率84% (570 mg) で得た。
【0617】
2-クロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-7-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン: DMF 2 mL中の1-アミノ-2-(イソプロピルスルホニル)ベンゼン (199 mg, 1 mmol) の溶液に、0℃でNaH (油中60%、44 mg, 1.1 mmol) を一度に加えた。反応混合物を20分間撹拌した後、2,4-ジクロロ-7-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン (317 mg, 1 mmol) を0℃で加えた。反応混合物をその後、室温まで昇温させ、さらに2時間撹拌した。水を加えて反応を停止させた。EtOAcで抽出した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー (EtOAcの20%ヘプタン溶液) で処理して、目的生成物 (202 mg, 収率42%) を得た。MS/ES+: m/z=481。
【0618】
N2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-7-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン: マイクロ波反応管に、2-クロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-7-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン(180mg, 0.374 mmol)、4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシアニリン塩酸塩 (105 mg, 0.45 mmol)、Pd
2(dba)
3(34 mg, 0.0374 mmol)、Xantphos (26 mg, 0.045 mmol)、及びt-BuONa (129 mg, 1.346 mmol) を入れた。この混合物を3回の減圧操作で脱気した後、N
2を再充填した。無水1,4-ジオキサン (確実に密封されたボトルから2 mL) を加え、反応を140℃で20分間のマイクロ波照射で進行させた。水とEtOAcを加えて抽出を促進させた。シリカゲルクロマトグラフィー (溶離液:CH
2Cl
2中の10%MeOH) により、目的生成物を収率54% (130 mg) で得た。MS/ES+: m/z=644。
【0619】
N2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミン: THF (1 mL) 中の化合物 N
2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-7-{[2-(トリメチルシリル)エトキシ]メチル}-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-2,4-ジアミンの溶液に、フッ化テトラブチルアンモニウム (TBAF) THF溶液 (1.0M 3 mL) 及びエチレンジアミン (0.1 mL) を加えた。得られた溶液を60℃に24時間加熱した。HPLC監視で約40%の転化率であることが認められた。回転蒸発器 (rotavap) で揮発性成分を除去し、残渣を分取用HPLC精製で処理した。NMRで目的生成物にTBAFが不純物として混入していることが判明したので、この不純物を水洗 (4回) で除去した。EtOAcの除去後に純粋な目的化合物が得られた (14 mg)。MS/ES+: m/z=514。
【0620】
(実施例32)
5-クロロ-N
2-[6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン
【0621】
【化207】
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【0622】
6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イルアミン: DMF 4 mL中の6-ブロモ-2-メトキシピリジン-3-イルアミン (0.203 g, 1.00 mmol) の溶液に、ジメチルホスフィンオキシド(0.171 g, 1.10 mmol)、酢酸パラジウム 11.0 mg, 0.0490 mmol), Xantphos (35.0 mg, 0.0600 mmol)、及びリン酸カリウム (0.233 g, 1.10 mmol) を加えた。この混合物を窒素でパージし、150℃で20分間のマイクロ波加熱を受けさせた。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜10% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的生成物を得た (77.2 mg, 収率39%)。
【0623】
2,5-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミン: DMF 2 mL中の1-アミノ-2-(イソプロピルスルホニル)ベンゼン (0.955 g, 4.80 mmol) の0℃の溶液に、NaH (油中60%、0.349 g, 8.72 mmol) を一度に加えた。20分間撹拌した後、2,4,5-トリクロロピリミジンを加えた。この混合物を0℃で30分間、次に室温で2時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム溶液で反応を停止させた後、混合物を水と酢酸エチルとの混合液に投入した。得られた黄色の懸濁液を濾過して最終生成物とした (0.3 g, 収率20%)。MS/ES+: m/z=346。
【0624】
5-クロロ-N2-[6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イル]-N4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン: 2-メトキシエタノール1 mL中の2,5-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (86.0 mg, 0.250 mmol) の溶液に、6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イルアミン (50.0 mg, 0.250 mmol) 及び2.5M HClエタノール溶液0.15 mLを加えた。この混合物を封管内で90℃に16時間加熱した。混合物を1N NaOH溶液で塩基性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた粗製残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (0〜10% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、最終生成物を得た (16.7 mg, 収率22%)。MS/ES+: m/z=510。
【0625】
(実施例33)
5-クロロ-N
2-[5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-イル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン
【0626】
【化208】
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【0627】
5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-アミン: DMF 4 mL中の5-ブロモ-3-メトキシピラジン-3-イルアミン (0.204 g, 1.00 mmol) の溶液に、ジメチルホスフィンオキシド(0.171 g, 1.10 mmol)、酢酸パラジウム (11.0 mg, 0.0490 mmol), Xantphos (35.0 mg, 0.0600 mmol)、及びリン酸カリウム (0.233 g, 1.10 mmol) を加えた。この混合物を窒素でパージし、150℃で20分間のマイクロ波加熱を受けさせた。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜10% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的生成物を得た (126 mg, 収率63%)。
【0628】
5-クロロ-N2-[5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-イル]-N4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン: 2,5-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (実施例32に記載のように調製、0.120 g, 0.348 mmol) と5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-アミン (70.0 mg, 0.348 mmol) との混合物に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)−クロロホルム付加物 (17.6 mg, 0.017 mmol)、Xantphos (23.3 mg, 0.040 mmol)、及び炭酸セシウム (0.228 g, 0.700 mmol) 及びジオキサン (3.5 mL) を加えた。この混合物を密封し、120℃に加熱した。16時間後、反応混合物を室温に冷却し、濃縮した。得られた粗製残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (0〜10% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して目的生成物を得た (11.4 mg, 収率6%)。MS/ES+: m/z=511。
【0629】
(実施例34)
5-クロロ-N
2-[6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イル]-N
4-フェニルピリミジン-2,4-ジアミン
【0630】
【化209】
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【0631】
本化合物は、実施例32と同様にして、2,5-ジクロロ-N-フェニルピリミジン-4-アミンを6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イルアミン(実施例32で調製) と反応させることにより調製できる。
【0632】
2,5-ジクロロ-N-フェニルピリミジン-4-アミン: エタノール5 mL中のアニリン (205 mg, 2.2 mmol) 及び2,4,5-トリクロロピリミジン (500 mg, 2.7 mmol) の溶液に炭酸カリウム 500 mgを添加した。この反応混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を減圧除去した。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより酢酸エチルの10%エプタン溶液で精製すると、目的生成物が油状物として得られた (370 mg, 収率70%)。
【0633】
(実施例35)
N
2-[6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-ジアミン
【0634】
【化210】
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【0635】
4-クロロ-2-[6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン: N,N-ジメチルアセトアミド15 mL及びジイソプロピルエチルアミン3.6 mL中の6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イルアミン (実施例32で調製、2.2 mmol) の懸濁液を、透明な溶液が得られるまで室温で15分間撹拌する。2,4-ジクロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン (5.7 g, 2.6 mmol) を5分間かけて4回に分けて加える。この反応混合物を60℃で1時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、濾過して白色固体を得る。この白色固体を、50 mLの水で3回、その後50 mLのエチルエーテルで3回洗浄する。白色固体を減圧乾燥して、4-クロロ-2-[6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジンを得る。
【0636】
N2-[6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イル]-N4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-ジアミン: エタノール1.5 mL中の4-クロロ-2-[6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン (0.072 mmol) の溶液に、トリエチルアミン10μLと1-アミノ-2-(イソプロピルスルホニル)ベンゼン(0.072 mmol) とを加える。この混合物を120℃で20分間マイクロ波加熱した。反応混合物をシリンジフィルターで濾過し、分取用HPLC (Waters Sunfire C18カラム、移動相はACN/水) で精製すると、目的化合物が生成する。
【0637】
(実施例36)
N
2-[5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-イル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-ジアミン
【0638】
【化211】
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【0639】
4-クロロ-2-[5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-イル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン: N,N-ジメチルアセトアミド15 mL及びジイソプロピルエチルアミン3.6 mL中の5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-アミン (実施例33で調製、2.2 mmol) の懸濁液を、透明な溶液が得られるまで室温で15分間撹拌する。2,4-ジクロロ-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン (5.7 g, 2.6 mmol) を5分間かけて4回に分けて加える。この反応混合物を60℃で1時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、濾過して白色固体を得る。この白色固体を、50 mLの水で3回、その後50 mLのエチルエーテルで3回洗浄した。白色固体を減圧乾燥して、4-クロロ-2-[5-(ジメチルホスホリル)-3メトキシピラジン-2-イル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジンを得る。
【0640】
N2-[5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-イル]-N4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-ジアミン: エタノール1.5 mL中の4-クロロ-2-[5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-イル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン (0.072 mmol) の溶液に、トリエチルアミン10μLと1-アミノ-2-(イソプロピルスルホニル)ベンゼン (0.072 mmol) とを加える。この混合物を120℃で20分間マイクロ波加熱した。反応混合物をシリンジフィルターで濾過し、分取用HPLC (Waters Sunfire C18カラム、移動相はACN/水) で精製すると、目的化合物が生成する。
【0641】
(実施例37)
5-クロロ-N
2-[6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イル]-N
4-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン
【0642】
【化212】
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【0643】
本化合物は、実施例32と同様にして、2,5-ジクロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]ピリミジン-4-アミンを2,6-ジメトキシピリジン-3-アミンと反応させることにより調製できる。
【0644】
2,5-ジクロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]ピリミジン-4-アミン: DMF 1 mL中の2,4,5-トリクロロピリミジン (0.15 mL, 1.31 mmol) の溶液に、4-(ジメチルホスホリル)アニリン(0.221 g, 1.31 mmol) 及び炭酸カリウム (0.217 g, 1.57 mmol) を加えた。この混合物を110℃で4時間加熱した。これを飽和重炭酸ナトリウム溶液で塩基性にした。得られた懸濁液を濾過し、酢酸エチルで洗浄して、最終生成物を得た (0.15 g, 収率36%)。MS/ES+: m/z=316。
【0645】
(実施例38)
5-クロロ-N
2-[5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-イル]-N
4-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}ピリミジン-2,4-ジアミン
【0646】
【化213】
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【0647】
本化合物は、実施例32のようにして、2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]アニリンを2,4,5-トリクロロピリミジンと反応させて、2,5-ジクロロ-N-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}ピリミジン-4-アミンを生成させることにより調製できる。2,5-ジクロロ-N-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}ピリミジン-4-アミンをその後、実施例32に記載した手順に従って5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-アミン (実施例33で調製)と反応させる。
【0648】
1-[1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル]-4-メチルピペラジン: DMF 3 mL中の5-フルオロ-2-ニトロアニソール (0.5 g, 2.92 mmol) の溶液に、1-メチル-4-(ピペリジン)ピペラジン(0.536 g, 2.92 mmol) 及び炭酸カリウム (0.808 g, 5.84 mmol) を加えた。この混合物を120℃に18時間加熱した。混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で塩基性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層をクロマトグラフィーで精製して、最終生成物を黄色固体として得た (0.95 g, 収率95%)。MS/ES+: m/z=334。
【0649】
2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]アニリン: アルゴンでパージしたエタノール10 mL中の1-[1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル]-4-メチルピペラジン (0.3 g, 0.90 mmol) の溶液に、炭素担持10%パラジウム (0.060 g) を加えた。30 psi下で4時間後に水素化を終了した。得られた混合物を、セライトを通して、HClエタノール溶液が入っているフラスコの中に濾過した。濾液を濃縮して最終生成物を得た (0.15 g, 収率88%)。MS/ES+: m/z=334。
【0650】
(実施例39)
5-クロロ-N-[6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イル]-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリミジン-2-アミン
【0651】
【化214】
[この文献は図面を表示できません]
【0652】
本化合物は、実施例32に記載したようにして、2,4,5-トリクロロピリミジンを1-メチルピペラジンと反応させて、2,5-ジクロロ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリミジンを生成させることにより調製できる。2,5-ジクロロ-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリミジンをその後、実施例32に記載したようにして、6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イルアミン (実施例32で調製) と反応させる。
【0653】
(実施例40)
N
2-[6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イル]-N
4-(モルホリン-4-イルメチル)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-ジアミン
【0654】
【化215】
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【0655】
本化合物は、実施例35に記載したようにして、1-(モルホリン-4-イル)メタンアミンを4-クロロ-2-[6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジンと反応させることにより調製できる。
【0656】
(実施例41)
4-(2-{[2-{[6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イル]アミノ}-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-イル]アミノ}エチル)ベンゼンスルホンアミド
【0657】
【化216】
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【0658】
本化合物は、実施例35に記載したようにして、4-(2-アミノエチル)ベンゼンスルホンアミドを4-クロロ-2-[6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジンと反応させることにより調製できる。
【0659】
(実施例42)
2-[5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-イル]-4-(4-フェニルピペラジン-1-イル)-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン
【0660】
【化217】
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【0661】
本化合物は、実施例36に記載したようにして、1-フェニルピペラジンを4-クロロ-2-[5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-イル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジンと反応させることにより調製できる。
【0662】
(実施例43)
2-[5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-イル]-N-[2-(1H-インドール-3-イル)エチル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-4-アミン
【0663】
【化218】
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【0664】
本化合物は、実施例36に記載したようにして、トリプタミンを4-クロロ-2-[5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-イル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジンと反応させることにより調製できる。
【0665】
(実施例44)
N
2-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N
4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンジル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジン-2,4-ジアミン
【0666】
【化219】
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【0667】
本化合物は、実施例36に記載したようにして、4-(4-メチルピペラジン)-ベンジルアミンを4-クロロ-2-[5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-イル]-5-(トリフルオロメチル)ピリミジンと反応させることにより調製できる。
【0668】
(実施例45)
N
2-[6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン
【0669】
【化220】
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【0670】
本化合物は、実施例32に記載したようにして、2-クロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミンを6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イルアミン (実施例32で調製) と反応させることにより調製できる。
【0671】
2-クロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミン: 室温のDMF 2.0 mL中のNaH (60%鉱油中分散液、40 mg, 1.0 mmol) の懸濁液に、1-アミノ-2-(イソプロピルスルホニル)ベンゼン (0.20 g, 1.0 mmol) を固体として3回に分けて加えた。室温で30分間撹拌した後、2,4-ジクロロピリミジン (0.15 g, 1.0 mmol)をDMF 1.0 mL中の溶液として加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。飽和重炭酸ナトリウム溶液で反応を停止させた後、得られた溶液を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた粗製残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (0〜30%酢酸エチル:ヘプタン)で精製すると、目的化合物がオフホワイト固体として得られた (53 mg, 収率17%)。MS/ES+: m/z=312。
【0672】
(実施例46)
N
2-[6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イル]-5-メチル-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン
【0673】
【化221】
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【0674】
本化合物は、実施例32に記載したようにして、2-クロロ-5-メチル-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミンを6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イルアミン (実施例32で調製) と反応させることにより調製できる。
【0675】
2-クロロ-5-メチル-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミン: DMF 2 mL中のNaH (60%鉱油中分散液、40 mg, 1.00 mmol) の室温の懸濁液 に、1-アミノ-2-(イソプロピルスルホニル)ベンゼン(0.20 g, 1.0 mmol) を固体として3回に分けて加えた。室温で30分間撹拌した後、2,4-ジクロロ-5-メチルピリミジン (0.17 g, 1.0 mmol)をDMF 1 mL中の溶液として加えた。反応混合物を室温で3時間撹拌した。飽和重炭酸ナトリウム溶液で反応を停止させた後、得られた溶液を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせて、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮した。得られた粗製残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (0〜30%酢酸エチル:ヘプタン)で精製すると、目的化合物がオフホワイト固体として得られた (78 mg, 収率24%)。MS/ES+: m/z=326。
【0676】
(実施例47)
5-クロロ-N
4-[2-メトキシ-4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)フェニル]-N
2-(チオフェン-2-イルメチル)ピリミジン-2,4-ジアミン
【0677】
【化222】
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【0678】
本化合物は、実施例32に記載したようにして、2-メトキシ-4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)アニリンを2,4,5-トリクロロピリミジンと反応させて、2,5-ジクロロ-N-[2-メトキシ-4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)フェニル]ピリミジン-4-アミンを生成させることにより調製できる。2,5-ジクロロ-N-[2-メトキシ-4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)フェニル]ピリミジン-4-アミンは次いで、実施例32に記載したようにして、1-(チオフェン-2-イル)メタンアミンと反応させる。
【0679】
2-メトキシ-4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)アニリン
【0680】
【化223】
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【0681】
1-ベンジル-4-メチル-1,4-アザホスフィナン 4-オキシド: −78℃のメチルホスホン酸ジクロリド (10.0 g, 75.2 mmol) のCH
2Cl
2溶液に、臭化ビニルマグネシウム(175 mL, THF中1.0M) を4時間かけて滴下漏斗から添加した。得られた溶液を0℃まで昇温させ、最少量の飽和NH
4Cl を加えて反応を停止させた。この混合物をシリカゲルのパッドで濾過し、シリカを10%メタノール中7Nアンモニア液:ジクロロメタンで抽出した。得られた溶液を減圧濃縮すると、メチルジビニルホスフィンオキシドが粘稠な黄色油状物として得られ、これを精製せずに使用した。
【0682】
1:1 THF/水 (25 mL) 中のメチルジビニルホスフィンオキシド (1.16 g, 10.0 mmol) 及びベンジルアミン (1.20 mL, 11.0 mmol) の溶液を16時間還流加熱した。得られた反応混合物を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (0〜10% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、1-ベンジル-4-メチル-[1,4]アザホスフィナン-4-オキシドを白色固体として得た (1.57 g, 収率70%)。
【0683】
4-メチル-[1,4]アザホスフィナン-4-オキシド: フラスコに、1-ベンジル-4-メチル-[1,4]アザホスフィナン-4-オキシド (1.00 g, 4.47 mmol) 及び10% Pd/C (100 mg) を入れた。このフラスコを排気し、窒素を充填した。このフラスコに無水メタノール (18 mL) を加え、窒素導入管を取り付けた還流冷却器をフラスコに装着した。ギ酸アンモニウム (2.25 g, 35.8 mmol) を室温で一度に加えた。得られた混合物を2時間還流下に撹拌した。反応混合物をセライトのパッドで濾過し、セライトを2×5 mlのメタノールで洗浄した。合わせた濾液と洗液を減圧蒸発させた。得られた粗製残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (0〜10% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、4-メチル-[1,4]アザホスフィナン-4-オキシドを黄色ゲル状物として得た (0.589 g, 収率99%)。
【0684】
1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチル-1,4-アザホスフィナン4-オキシド: 4-メチル-[1,4]アザホスフィナン-4-オキシド (133 mg, 1.00 mmol)、5-フルオロ-2-ニトロアニソール(340 mg, 2.00 mmol)、K
2CO
3 (345 mg, 2.50 mmol)、及びDMF (5 mL) の混合物を50℃に加熱した。2時間後、反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (0〜5% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチル-1,4-アザホスフィナン4-オキシドを鮮黄色固体として得た (272 mg, 収率96%)。
【0685】
2-メトキシ-4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)アニリン: 加圧容器に1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチル-1,4-アザホスフィナン 4-オキシド (272 mg, 0.960 mmol)、エタノール (5 mL)、及び10% Pd/C (50 mg) を入れた。この容器をParr装置に接続し、排気した後、窒素を再充填した。容器をまた排気して、水素ガスを50 psiの圧力まで充填した。この反応混合物を50 psi下で4時間振盪した。反応混合物を、セライトを通して、HClエタノール溶液が入っているフラスコの中へ濾過した。濾液を濃縮すると、2-メトキシ-4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)アニリンが灰色固体として得られた (211 mg, 収率87%)。
【0686】
(実施例48)
5-クロロ-N
4-[2-メトキシ-4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)フェニル]-N
2-[5-(プロパン-2-イル)-1,3-オキサゾール-2-イル]ピリミジン-2,4-ジアミン
【0687】
【化224】
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【0688】
本化合物は、実施例32に記載したようにして、2,5-ジクロロ-N-[2-メトキシ-4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (実施例47に記載) を5-(プロパン-2-イル)-1,3-オキサゾール-2-アミンと反応させることにより調製できる。
【0689】
(実施例49)
5-クロロ-N
2-[1-(4-フルオロベンジル)-1H-ピロール-3-イル]-N
4-[2-メトキシ-4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン
【0690】
【化225】
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【0691】
本化合物は、実施例32に記載したようにして、2,5-ジクロロ-N-[2-メトキシ-4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (実施例47に記載) を1-(4-フルオロベンジル)-1H-ピロール-3-アミンと反応させることにより調製できる。
【0692】
(実施例50)
2-{[(5-クロロ-4-{[2-メトキシ-4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)フェニル]アミノ}ピリミジン-2-イル)アミノ]メチル}-N,N-ジエチルチオフェン-3-スルホンアミド
【0693】
【化226】
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【0694】
本化合物は、実施例32に記載したようにして、2,5-ジクロロ-N-[2-メトキシ-4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (実施例47に記載) を2-(アミノメチル)-N,N-ジエチルチオフェン-3-スルホンアミドと反応させることにより調製できる。
【0695】
(実施例51)
N
2-[5-(1,4'-ビピペリジン-1'-イル)-1,3,4-チアジアゾール-2-イル]-5-クロロ-N
4-[5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-イル]ピリミジン-2,4-ジアミン
【0696】
【化227】
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【0697】
本化合物は、実施例32に記載したようにして、5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-アミン (実施例33に記載) を2,4,5-トリクロロピリミジンと反応させて、2,5-ジクロロ-N-[5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-イル]ピリミジン-4-アミンを生成させることにより調製できる。2,5-ジクロロ-N-[5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-イル]ピリミジン-4-アミンは次いで、実施例32に記載した手順に従って、5-(1,4'-ビピペリジン-1'-イル)-1,3,4-チアジアゾール-2-アミンと反応させる。
【0698】
(実施例52)
5-クロロ-N
4-[5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-イル]-N
2-{[5-(4-メチルピペラジン-1-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル]メチル}ピリミジン-2,4-ジアミン
【0699】
【化228】
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【0700】
本化合物は、実施例32に記載したようにして、2,5-ジクロロ-N-[5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-イル]ピリミジン-4-アミン (実施例51に記載) を1-[5-(4-メチルピペラジン-1-イル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル]メタンアミンと反応させることにより調製できる。
【0701】
(実施例53)
5-クロロ-N
4-[4-(ジメチルホスホリル)-2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-N
2-{5-[4-(ピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル]-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル}ピリミジン-2,4-ジアミン
【0702】
【化229】
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【0703】
本化合物は、実施例32に記載したようにして、4-(ジメチルホスホリル)-2-(プロパン-2-イルスルホニル)アニリンを2,4,5-トリクロロピリミジンと反応させて、2,5-ジクロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)-2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミンを生成させることにより調製できる。2,5-ジクロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)-2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミンは次いで、実施例32に記載した手順に従って、5-[4-(ピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル]-1,3,4-オキサジアゾール-2-アミンと反応させる。
【0704】
4-(ジメチルホスホリル)-2-(プロパン-2-イルスルホニル)アニリン
【0705】
【化230】
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【0706】
4-ブロモ-1-ニトロ-2-(プロパン-2-イルスルファニル)ベンゼン: 0℃で撹拌されている4-ブロモ-2-フルオロニトロアニリン (2.0 g, 9.1 mmol) のDCM溶液に、ナトリウムイソプロポキシド (2.0 g, 20 mmol) を2回に分けて加えた。反応混合物を室温まで昇温させ、一晩撹拌した。反応混合物をシリンジフィルターで濾過した。生成物を分取用HPLC (水/アセトニトリル) により鮮黄色固体として単離した (0.8 g, 2.9 mmol, 収率32%)。
【0707】
4-ブロモ-1-ニトロ-2-(プロパン-2-イルスルホニル)ベンゼン: 酢酸 (10 mL) 中の4-ブロモ-1-ニトロ-2-(プロパン-2-イルスルファニル)ベンゼン (0.8 g, 2.9 mmol) の撹拌溶液に、過酸化水素 (30%水溶液、0.6 mL, 5.8 mmol) を加えた。反応混合物を油浴中で110℃に2時間加熱した。反応混合物を飽和硫化ナトリウム水溶液で処理し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で塩基性にした。得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。有機溶媒を減圧除去し、残渣をそれ以上は精製せずに次工程に使用した。
【0708】
ジメチル[4-ニトロ-3-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ホスファンオキシド: DMF 1 mL中の4-ブロモ-1-ニトロ-2-(プロパン-2-イルスルホニル)ベンゼン (0.44 g, 1.6 mmol) 及びジメチルホスフィンオキシド (0.15 g, 1.9 mmol) の撹拌溶液に、リン酸カリウム (0.37 g, 1.8 mmol)、Pd(OAc)
2 (18 mg, 0.08 mmol)、Xantphos (55 mg, 0.10 mmol) を加えた。この反応混合物を110℃で一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、セライトで濾過した。目的生成物を分取用HPLCで単離して、褐黄色固体を得た (0.24 g, 収率55%)。
【0709】
4-(ジメチルホスホリル)-2-(プロパン-2-イルスルホニル)アニリン: ジメチル[4-ニトロ-3-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ホスファンオキシド(0.24 g, 0.88 mmol) のエタノール溶液に、炭素担持Pd (10% w/w、24 mg) を添加し、水素下で一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、有機溶媒を減圧除去した。残渣を分取用HPLCで精製して、目的生成物100 mgを得た (収率50%)。
【0710】
(実施例54)
5-クロロ-N
4-[4-(ジメチルホスホリル)-2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-N
2-{[2-(モルホリン-4-イル)-1,3-チアゾール-4-イル]メチル}ピリミジン-2,4-ジアミン
【0711】
【化231】
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【0712】
本化合物は、実施例32に記載したようにして、2,5-ジクロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)-2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (実施例53に記載) を1-[2-(モルホリン-4-イル)-1,3-チアゾール-4-イル]メタンアミンと反応させることにより調製できる。
【0713】
(実施例55)
N
2-ベンジル-5-クロロ-N
4-[4-(ジメチルホスホリル)-2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン
【0714】
【化232】
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【0715】
本化合物は、実施例32に記載したようにして、2,5-ジクロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)-2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (実施例53に記載) をベンジルアミンと反応させることにより調製できる。
【0716】
(実施例56)
5-クロロ-N
2-(5-シクロプロピル-1,3-オキサゾール-2-イル)-N
4-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}ピリミジン-2,4-ジアミン
【0717】
【化233】
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【0718】
本化合物は、実施例32に記載したようにして、2-メトキシ-4-[4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)ピペリジン-1-イル]アニリンを2,4,5-トリクロロピリミジンと反応させて、2,5-ジクロロ-N-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}ピリミジン-4-アミンを生成させることにより調製できる。2,5-ジクロロ-N-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}ピリミジン-4-アミンは次いで、実施例32に記載した手順に従って、5-シクロプロピル-1,3-オキサゾール-2-アミンと反応させる。
【0719】
2-メトキシ-4-[4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)ピペリジン-1-イル]アニリン
【0720】
【化234】
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【0721】
4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル: 1:1 THF/水 (3 mL) 中のメチルジビニルホスフィンオキシド (140 mg, 1.21 mmol) 及び1-Boc-4-アミノピペリジン (265 mg, 1.33 mmol) の溶液を16時間還流加熱した。得られた反応混合物を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (0〜10% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的化合物を白色固体として得た (178 mg, 収率38%)。
【0722】
1-[1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル]-4-メチル-1,4-アザホスフィナン 4-オキシド: CH
2Cl
2 (2 mL) 中の4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル (178 mg, 0.563 mmol) の撹拌溶液に、トリフルオロ酢酸 (0.5 mL) を加えた。20分後、溶液を濃縮し、得られた残渣をDMF (2 mL) に再溶解した。得られた溶液を撹拌しながら、炭酸カリウム (160 mg, 1.16 mmol)、次に5-フルオロ-2-ニトロアニソール(158 mg, 0.930 mmol) を少しずつ加えた。反応混合物を50℃に加熱した。2時間後、反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (0〜10% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的化合物を鮮黄色固体として得た (176 mg, 収率86%)。
【0723】
2-メトキシ-4-[4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)ピペリジン-1-イル]アニリン: 加圧容器に1-[1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル]-4-メチル-1,4-アザホスフィナン 4-オキシド(176 mg, 0.485 mmol)、エタノール (5 mL)、及び10% Pd/C (50 mg) を入れた。この容器をParr装置に接続し、排気した後、窒素を再充填した。容器をまた排気して、水素ガスを50 psiの圧力まで充填した。この反応混合物を50 psi下で4時間振盪した。反応混合物を、セライトを通して、HClエタノール溶液が入っているフラスコの中へ濾過した。濾液を濃縮すると、目的化合物が灰色固体として得られた (178 mg, 収率98%)。
【0724】
(実施例57)
5-クロロ-N
2-(5-シクロプロピル-1,3-オキサゾール-2-イル)-N
4-[4-(1-エチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-4-イル)-2-メトキシフェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン
【0725】
【化235】
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【0726】
本化合物は、実施例32に記載したようにして、4-(1-エチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-4-イル)-2-メトキシアニリンを2,4,5-トリクロロピリミジンと反応させて、2,5-ジクロロ-N-[4-(1-エチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-4-イル)-2-メトキシフェニル]ピリミジン-4-アミンを生成させることにより調製できる。2,5-ジクロロ-N-[4-(1-エチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-4-イル)-2-メトキシフェニル]ピリミジン-4-アミンは次いで、実施例32に記載した手順に従って、5-シクロプロピル-1,3-オキサゾール-2-アミンと反応させる。
【0727】
4-(1-エチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-4-イル)-2-メトキシアニリン
【0728】
【化236】
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【0729】
(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ホスホン酸ジエチル: DMF 20 mL中の5-クロロ-2-ニトロアニソール(1.00 g, 5.33 mmol) の溶液に、ジエチルホスファイト (0.809 g, 5.86 mmol)、酢酸パラジウム (0.060 g, 0.27 mmol), Xantphos (0.185 g, 0.320 mmol)、及びリン酸カリウム (1.24 g, 5.86 mmol) を加えた。この混合物を窒素でパージし、150℃に20分間マイクロ波加熱した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (0〜45% 酢酸エチル:ヘプタン) で精製して、目的生成物を得た (0.504 g, 収率33%)。
【0730】
(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ホスホン酸ジクロリド: DMF 1.2 mL中の(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ホスホン酸ジエチル (4.54 g, 15.7 mmol) の溶液に、塩化チオニル (5.7 mL, 78.5 mmol) を加えた。反応フラスコに還流冷却器を取り付け、フラスコ内の混合物を還流加熱した。2時間の還流後、反応液を室温に冷却し、減圧濃縮した。得られた粗製油状物をCH
2Cl
2に再溶解し、ヘプタンを加えて目的化合物を沈殿させた。透明な溶液をデカンテーションし、沈殿を集めて乾燥すると、目的化合物が白色固体として得られた (1.39 g, 収率33%)。
【0731】
ジエテニル(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ホスファンオキシド: THF 15 mL中の(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ホスホン酸ジクロリド (1.39 g, 5.15 mmol) の窒素下−78℃の溶液に、臭化ビニルマグネシウム (10.3 mL, THF中1.0M) をゆっくり加えた。添加完了後、反応液を−78℃でさらに1時間撹拌した。この冷反応混合物に飽和NH
4Cl (20 mL) を加えて反応を停止させ、混合物をCH
2Cl
2で抽出した。合わせた有機層を1M NaOHと食塩水とで洗浄し、MgSO
4で乾燥した。この有機抽出液を濾過し、濃縮して、ジエテニル(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ホスファンオキシドを得た (0.982 g, 75%)。
【0732】
1-エチル-4-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)-1,4-アザホスフィナン 4-オキシド: ジエテニル(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ホスファンオキシド(0.480 g, 1.94 mmol)、エチルアミン塩酸塩 (0.174 g, 2.12 mmol) 及び1N NaOH (2 mL) を50%THF水溶液 (5 mL) に溶解し、窒素下105℃に加熱した。1時間後、追加のベンジルアミンを反応混合物に加えた。この反応混合物をさらに2時間還流させた後、室温に冷却した。反応混合物を飽和NaHCO
3水溶液とCH
2Cl
2との間で分配した。水相をCH
2Cl
2で一回洗浄し、有機層を合わせた。この有機抽出液を食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (0〜10% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的化合物を得た (0.267g, 収率46%)。
【0733】
4-(1-エチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-4-イル)-2-メトキシアニリン: フラスコ内でエタノール5 mL中の1-エチル-4-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)-1,4-アザホスフィナン 4-オキシド (0.267 g, 0.895 mmol) の溶液に、10% Pd/C (27 mg) 及び2.M HClエタノール溶液 (1.43 mL) を加えた。フラスコにセプタムを取り付け、排気した後、水素を再充填した。フラスコに水素バルーンを取り付け、反応液を3時間撹拌した。次いで、フラスコを排気し、窒素を再充填した。反応混合物をセライトで濾過し、濃縮して、粗生成物を塩酸塩として得た。この粗生成物を精製せずに使用した。
【0734】
(実施例58)
5-クロロ-N
2-(2-シクロプロピル-1,3-オキサゾール-5-イル)-N
4-[4-(ジエチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン
【0735】
【化237】
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【0736】
本化合物は、実施例32に記載したようにして、4-(ジエチルホスホリル)-2-メトキシアニリンを2,4,5-トリクロロピリミジンと反応させて、2,5-ジクロロ-N-[4-(ジエチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]ピリミジン-4-アミンを生成させることにより調製できる。2,5-ジクロロ-N-[4-(ジエチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]ピリミジン-4-アミンは次いで、実施例32に記載した手順に従って、5-シクロプロピル-1,3-オキサゾール-2-アミンと反応させる。
【0737】
4-(ジプロピルホスホリル)-2-メトキシアニリン
【0738】
【化238】
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【0739】
DMF 2 mL中の4-ブロモ-2-メトキシアニリン (0.100 g, 0.495 mmol) の溶液に、ジプロピルホスフィンオキシド (0.0730 g, 0.544 mmol)、酢酸パラジウム (5.6 mg, 0.025 mmol), Xantphos (17.2 mg, 0.030 mmol)、及びリン酸カリウム(0.116 g, 0.544 mmol) を加えた。この混合物を窒素でパージし、150℃で20分間のマイクロ波加熱を受けさせた。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜12% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製し、所定画分を濃縮した。残渣を2.5M HClエタノール溶液で酸性化し、得られた溶液を濃縮して、4-(ジプロピルホスホリル)-2-メトキシアニリンを塩酸塩として得た (0.132 g, 収率91%)。
【0740】
(実施例59)
N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-6-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリミジン-4-アミン
【0741】
【化239】
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【0742】
6-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]ピリミジン-4-アミン: N,N-ジメチルホルムアミド15 mL及びジイソプロピルエチルアミン3.6 mL中の4-アミノ-ジメチルフェニルホスフィンオキシド (2.2 mmol) の懸濁液を、透明な溶液が得られるまで室温で撹拌する。4,6-ジクロロピリミジン (2.6 mmol) を5分間かけて4回に分けて加える。この反応混合物を目的化合物が生成するまで高温で撹拌する。
【0743】
N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-6-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリミジン-4-アミン: エタノール1.5 mL中の6-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (0.072 mmol) の溶液に、トリエチルアミン10μLと1-メチルピペラジン (0.072 mmol) とを加える。この混合物を120℃でマイクロ波加熱することができる。反応混合物を次いでシリンジフィルターで濾過し、分取用HPLCで精製することができる。
【0744】
(実施例60)
N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N'-(トリシクロ「3.3.1.1
3,7」デク-1-イル)ピリミジン-4,6-ジアミン
【0745】
【化240】
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【0746】
エタノール1.5 mL中の6-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (実施例59に記載のように調製、0.078 mmol) の溶液に、トリエチルアミン10μLと1-アダマンタンアミン (12 mg, 0.078 mmol) とを加える。この混合物を目的化合物が生成するまで120℃でマイクロ波加熱することができる。反応混合物を次いでシリンジフィルターで濾過し、分取用HPLCで精製することができる。
【0747】
(実施例61)
N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N'-(モルホリン-4-イルメチル)ピリミジン-4,6-ジアミン
【0748】
【化241】
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【0749】
エタノール2 mL中の6-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (実施例59に記載のように調製、0.12 mmol) の溶液に、トリエチルアミン50μLと4-(2-アミノエチル)モルホリン(15 mg, 0.12 mmol) とを加える。この混合物を、目的化合物が生成するまで120℃でマイクロ波加熱することができる。得られた反応混合物をシリンジフィルターで濾過し、分取用HPLCで精製することができる。
【0750】
(実施例62)
4-{2-[(6-{[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]アミノ}ピリミジン-4-イル)アミノ]エチル}ベンゼンスルホンアミド
【0751】
【化242】
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【0752】
エタノール2 mL中の6-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (実施例59に記載のように調製、0.12 mmol) の溶液に、トリエチルアミン50μLと4-(2-アミノエチル)ベンゼンスルホンアミド(23 mg, 0.12 mmol) とを加える。この混合物を、目的化合物が生成するまで120℃でマイクロ波加熱することができる。得られた反応混合物をシリンジフィルターで濾過し、分取用HPLCで精製することができる。
【0753】
(実施例63)
N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N'-(テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-4,6-ジアミン
【0754】
【化243】
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【0755】
エタノール2 mL中の6-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (実施例59に記載のように調製、0.12 mmol) の溶液に、トリエチルアミン50μLと(s)-3-アミノテトラヒドロフラン塩酸塩 (14 mg, 0.12 mmol) とを加える。この混合物を、目的化合物が生成するまで120℃でマイクロ波加熱することができる。得られた反応混合物をシリンジフィルターで濾過し、分取用HPLCで精製することができる。
【0756】
(実施例64)
N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N'-(ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)ピリミジン-4,6-ジアミン
【0757】
【化244】
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【0758】
エタノール2 mL中の6-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (実施例59に記載のように調製、0.12 mmol) の溶液に、トリエチルアミン50μLと3-アミノ-3-アザビシクロ[3.3.0]オクタン塩酸塩 (19 mg, 0.12 mmol) とを加える。この混合物を、目的化合物が生成するまで120℃でマイクロ波加熱することができる。得られた反応混合物をシリンジフィルターで濾過し、分取用HPLCで精製することができる。
【0759】
(実施例65)
N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N'-(モルホリン-4-イル)ピリミジン-4,6-ジアミン
【0760】
【化245】
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【0761】
エタノール2 mL中の6-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (実施例59に記載のように調製、0.12 mmol) の溶液に、トリエチルアミン50μLと4-アミノモルホリン(12 mg, 0.12 mmol) とを加える。この混合物を、目的化合物が生成するまで120℃でマイクロ波加熱することができる。得られた反応混合物をシリンジフィルターで濾過し、分取用HPLCで精製することができる。
【0762】
(実施例66)
N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-6-(4-フェニルピペラジン-1-イル)ピリミジン-4-アミン
【0763】
【化246】
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【0764】
エタノール2 mL中の6-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (実施例59に記載のように調製、0.12 mmol) の溶液に、トリエチルアミン50μLと1-フェニルピペラジン (19 mg, 0.12 mmol) とを加える。この混合物を、目的化合物が生成するまで120℃でマイクロ波加熱することができる。得られた反応混合物をシリンジフィルターで濾過し、分取用HPLCで精製することができる。
【0765】
(実施例67)
N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N'-[2-(1H-インドール-3-イル)エチル]ピリミジン-4,6-ジアミン
【0766】
【化247】
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【0767】
本化合物は、実施例59と同様にして、6-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]ピリミジン-4-アミンとトリプタミンとを反応させることにより調製される。
(実施例68)
N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N'-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピリミジン-4,6-ジアミン
【0768】
【化248】
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【0769】
本化合物は、実施例59と同様にして、6-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]ピリミジン-4-アミンと1-アミノ-4-メチルピペラジンとを反応させることにより調製される。
【0770】
(実施例69)
N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N'-(トリシクロ「3.3.1.1
3,7」デク-1-イルメチル)ピリミジン-4,6-ジアミン
【0771】
【化249】
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【0772】
本化合物は、実施例59と同様にして、6-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]ピリミジン-4-アミンと1-アダマンタンメチルアミンとを反応させることにより調製される。
【0773】
(実施例70)
N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N'-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンジル]ピリミジン-4,6-ジアミン
【0774】
【化250】
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【0775】
本化合物は、実施例59と同様にして、6-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]ピリミジン-4-アミンと4-(4-メチルピペラジン)ベンジルアミンとを反応させることにより調製される。
【0776】
(実施例71)
N-(3,5-ジメチルフェニル)-N'-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]ピリミジン-4,6-ジアミン
【0777】
【化251】
[この文献は図面を表示できません]
【0778】
本化合物は、実施例59と同様にして、6-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]ピリミジン-4-アミンと3,5-ジメチルアニリンとを反応させることにより調製される。
(実施例72)
N-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-2-メチル-N'-フェニルピリミジン-4,6-ジアミン
【0779】
【化252】
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【0780】
6-クロロ-2-メチル-N-フェニルピリミジン-4-アミン: エタノール5 mL中のアニリン (205 mg, 2.2 mmol) 及び4,6-ジクロロ-2-メチルピリミジン(2.7 mmol) の溶液に、炭酸カリウム500 mgを加える。この反応混合物を目的化合物が生成するまで室温で撹拌する。溶媒を減圧除去する。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製することができる。
【0781】
(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)(ジメチル)ホスファンオキシド: DMF 5 mL中の5-クロロ-2-ニトロアニソール (0.5 g, 2.67 mmol) の溶液に、ジメチルホスフィンオキシド(0.229 g, 2.93 mmol)、酢酸パラジウム (30 mg, 0.13 mmol)、Xantphos (0.092 g, 0.16 mmol)、及びリン酸カリウム(0.623 g, 2.93 mmol) を加えた。この混合物をアルゴンでパージし、120℃に18時間加熱した。反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で塩基性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を濃縮し、分取用HPLCで精製して、最終生成物を得た (0.16 g, 収率30%)。MS/ES+: m/z=229。
【0782】
4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシアニリン: EtOH 5 mL中の(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)(ジメチル)ホスファンオキシド(0.1 g, 0.44 mmol)の溶液に、炭素担持10重量%パラジウム (0.2 g) を加えた。この混合物をアルゴンでパージし、30 psi下で2時間水素化した。得られた混合物を、セライトを通して、HClエタノール溶液が入っているフラスコの中に濾過した。濾液を濃縮して最終生成物を得た (0.088 g, 収率86%)。MS/ES+: m/z=199。
【0783】
N-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-2-メチル-N'-フェニルピリミジン-4,6-ジアミン: DMF 1 mL中の6-クロロ-2-メチル-N-フェニルピリミジン-4-アミン(0.35 mmol) 及び4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシアニリン (60 mg, 0.30 mmol) の溶液に、2.5M HClエタノール溶液0.36 mLを加える。反応混合物を封管内で目的化合物が生成するまで140℃に加熱することができる。反応混合物をシリンジフィルターで濾過した後、分取用HPLCで精製することができる。
【0784】
(実施例73)
N
3-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N
5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリダジン-3,5-ジアミン
【0785】
【化253】
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【0786】
6-クロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリダジン-4-アミン: N,N-ジメチルホルムアミド4 mL中の1-アミノ-2-(イソプロピルスルホニル)ベンゼン (350 mg, 1.6 mmol) の0℃の溶液に、水素化ナトリウム (100 mg) を加え、反応混合物を0℃で20分間撹拌する。3,5-ジクロロピリダジン (1.6 mmol) を加え、反応混合物を室温まで昇温させる。この反応混合物を目的化合物が生成するまで室温で撹拌する。反応混合物を水で反応停止させ、酢酸エチルで抽出する。合わせた酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去する。残渣を分取用HPLCで精製することができる。
【0787】
N3-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリダジン-3,5-ジアミン: 2-メトキシエタノール1 mL中の6-クロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリダジン-4-アミン (0.02 mmol) 及び4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシアニリン (実施例72に記載のように調製:15 mg, 0.7 mmol) の溶液に、2.5M HClエタノール溶液1 mLを加える。反応混合物を封管内で目的化合物が生成するまで140℃に加熱する。反応混合物をシリンジフィルターで濾過した後、分取用HPLCで精製することができる。
【0788】
(実施例74)
N-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-5-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピリダジン-3-アミン
【0789】
【化254】
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【0790】
3-クロロ-5-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピリダジン: N,N-ジメチルホルムアミド4 mL中の3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェノール (1.6 mmol) の0℃の溶液に、水素化ナトリウム (100 mg) を加え、この反応混合物を0℃で20分間撹拌する。3,5-ジクロロピリダジン (1.6 mmol) を加え、反応混合物を室温まで昇温させる。この反応混合物を目的化合物が生成するまで室温で撹拌する。反応混合物を水で反応停止させ、酢酸エチルで抽出する。合わせた酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧除去する。残渣を分取用HPLCで精製することができる。
【0791】
N-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-5-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェノキシ]ピリダジン-3-アミン: 2-メトキシエタノール1 mL中の3-クロロ-5-[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェノキシピリダジン (0.02 mmol) 及び4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシアニリン (実施例72に記載のように調製:15 mg, 0.7 mmol) の溶液に、2.5M HClエタノール溶液1 mLを加える。反応混合物を封管内で目的化合物が生成するまで140℃に加熱する。反応混合物をシリンジフィルターで濾過した後、分取用HPLCで精製することができる。
【0792】
(実施例75)
N-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-2-メチル-N'-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4,6-ジアミン
【0793】
【化255】
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【0794】
6-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-2-メチルピリミジン-4-アミン: DMF 1 mL中の4,6-ジクロロ-2-メチルピリミジン (1.31 mmol) の溶液に、4-(ジメチルホスホリル)アニリン (0.221 g, 1.31 mmol) 及び炭酸カリウム (0.217 g, 1.57 mmol) を加える。この混合物を目的化合物が生成するまで110℃に加熱する。得られた反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で塩基性にする。得られた懸濁液を濾過し、酢酸エチルで洗浄する。
【0795】
1-[1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル]-4-メチルピペラジン: DMF 3 mL中の5-フルオロ-2-ニトロアニソール (0.5 g, 2.92 mmol) の溶液に、1-メチル-4-(ピペリジン)ピペラジン(0.536 g, 2.92 mmol) 及び炭酸カリウム (0.808 g, 5.84 mmol) を加えた。この混合物を120℃に18時間加熱した。混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で塩基性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層をクロマトグラフィーで精製して、最終生成物を黄色固体として得た (0.95 g, 収率95%)。MS/ES+: m/z=334。
【0796】
2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]アニリン: アルゴンでパージしたエタノール10 mL中の1-[1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル]-4-メチルピペラジン (0.3 g, 0.90 mmol) の溶液に、炭素担持10%パラジウム (0.060 g) を加えた。30 psi下で4時間後に水素化を終了した。得られた混合物を、セライトを通して、HClエタノール溶液が入っているフラスコの中に濾過した。濾液を濃縮して最終生成物を得た (0.15 g, 収率88%)。MS/ES+: m/z=334。
【0797】
N-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-2-メチル-N'-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4,6-ジアミン: 2-メトキシエタノール1 mL中の化合物6-クロロ-2-メチル-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (0.16 mmol) に、2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]アニリン (0.71 g, 0.16 mmol) を加える。この混合物を目的化合物が生成するまで110℃で撹拌する。この混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で塩基性にし、限られた量の酢酸エチルで抽出する。得られた化合物をクロマトグラフィーにより精製することができる。
【0798】
(実施例76)
N-[6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イル]-N'-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4,6-ジアミン
【0799】
【化256】
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【0800】
6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イルアミン: DMF 4 mL中の6-ブロモ-2-メトキシピリジン-3-イルアミン (0.203 g, 1.00 mmol) の溶液に、ジメチルホスフィンオキシド (0.171 g, 1.10 mmol)、酢酸パラジウム 11.0 mg, 0.0490 mmol), Xantphos (35.0 mg, 0.0600 mmol)、及びリン酸カリウム (0.233 g, 1.10 mmol) を加えた。この混合物を窒素でパージし、150℃で20分間のマイクロ波加熱を受けさせた。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (0〜10% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的生成物を得た (77.2 mg, 収率39%)。
【0801】
6-クロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミン: DMF 2 mL中の1-アミノ-2-(イソプロピルスルホニル)ベンゼン (0.955 g, 4.80 mmol) の0℃の溶液に、NaH (油中60%、0.349 g, 8.72 mmol) を一度に加える。20分間撹拌した後、4,6-ジクロロピリミジンを加えることができる。この混合物を0℃で30分間、次に室温で目的化合物が生成するまで撹拌する。飽和塩化アンモニウム溶液で反応を停止させた後、混合物を水と酢酸エチルとの混合液に投入する。得られた化合物をHPLCで精製できる。
【0802】
N-[6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イル]-N'-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4,6-ジアミン: 2-メトキシエタノール1 mL中の6-クロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (0.250 mmol) の溶液に、6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イルアミン(50.0 mg, 0.250 mmol) 及び2.5M HClエタノール溶液0.15 mLを加える。この混合物を封管内で目的化合物が生成するまで90℃に加熱する。混合物を1N NaOH溶液で塩基性にし、酢酸エチルで抽出する。有機層を合わせて、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。得られた粗製残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製することができる。
【0803】
(実施例77)
N-[5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-イル]-N'-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4,6-ジアミン
【0804】
【化257】
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【0805】
5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-アミン: DMF 4 mL中の5-ブロモ-3-メトキシピラジン-3-イルアミン (0.204 g, 1.00 mmol) の溶液に、ジメチルホスフィンオキシド(0.171 g, 1.10 mmol)、酢酸パラジウム (11.0 mg, 0.0490 mmol), Xantphos (35.0 mg, 0.0600 mmol)、及びリン酸カリウム (0.233 g, 1.10 mmol) を加えた。この混合物を窒素でパージし、150℃で20分間のマイクロ波加熱を受けさせた。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜10% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的生成物を得た (126 mg, 収率63%)。
【0806】
5-クロロ-N2-[5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-イル]-N4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン: 6-クロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (実施例76で調製、0.348 mmol) と5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-アミン(70.0 mg, 0.348 mmol) との混合物に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)−クロロホルム付加物(17.6 mg, 0.017 mmol)、Xantphos (23.3 mg, 0.040 mmol)、及び炭酸セシウム (0.228 g, 0.700 mmol) 及びジオキサン (3.5 mL) を加える。この混合物を封管内で目的化合物が生成するまで120℃に加熱する。その後、反応混合物を室温に冷却し、濃縮する。得られた粗製残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製できる。
【0807】
(実施例78)
N-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N'-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4,6-ジアミン
【0808】
【化258】
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【0809】
N2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-2,4-ジアミン:
バイアルに入れた2-メトキシエタノール0.5 mL中の6-クロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (実施例76で調製、0.054 mmol) の溶液に、4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシアニリン (実施例73で調製、0.044 mmol) をHCl塩として加える。このバイアルを密封し、反応液を目的化合物が生成するまで90℃に加熱する。1N NaOH溶液で反応を停止させ、溶液を酢酸エチルで抽出する。有機層を合わせて、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。得られた粗製残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製することができる。
【0810】
(実施例79)
N
2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリジン-2,4-ジアミン
【0811】
【化259】
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【0812】
2-クロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリジン-4-アミン: トルエン8 mL中の2-クロロ-4-ヨード-5-メチルピリジン (2.00 mmol) の溶液に、1-アミノ-2-(イソプロピルスルホニル)ベンゼン(2.20 mmol)、酢酸パラジウム (22.4 mg, 0.0100 mmol), Xantphos (69.4 mg, 0.120 mmol)、及び炭酸セシウム (2.20 mmol) を加える。この混合物を窒素でパージし、2-クロロ-5-メチル-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリジン-4-アミンが生成するまで100℃でのマイクロ波加熱を行うことができる。反応混合物を次いで濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製することができる。
【0813】
N2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリジン-2,4-ジアミン: 2-メトキシエタノール1 mL中の2-クロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリジン-4-アミン (0.12 mmol) の溶液に、4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシアニリン (実施例72に記載のように調製、0.12 mmol) 及び2.5M HClエタノール溶液49μLを加える。この混合物を封管内で目的化合物が生成するまで90℃に加熱する。混合物を次いで1N NaOH溶液で塩基性にし、酢酸エチルで抽出する。有機層を合わせて、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮することができる。得られた粗製残渣を分取用HPLCで精製して最終生成物を得ることができる。
【0814】
(実施例80)
N
2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2,4-ジアミン
【0815】
【化260】
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【0816】
2-クロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン: トルエン8 mL中の2-クロロ-4-ヨード-5-(トリフルオロメチル)ピリジン(2.00 mmol) の溶液に、1-アミノ-2-(イソプロピルスルホニル)ベンゼン (2.20 mmol)、酢酸パラジウム (22.4 mg, 0.0100 mmol), Xantphos (69.4 mg, 0.120 mmol)、及び炭酸セシウム (2.20 mmol) を加える。この混合物を窒素でパージし、2-クロロ-5-メチル-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリジン-4-アミンが生成するまで100℃でのマイクロ波加熱を行うことができる。反応混合物を次いで濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製することができる。
【0817】
N2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-5-メチル-N4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリジン-2,4-ジアミン: 2-メトキシエタノール1 mL中の2-クロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミン (0.12 mmol) の溶液に、4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシアニリン (実施例72に記載のように調製、0.12 mmol) 及び2.5M HClエタノール溶液49μLを加える。この混合物を封管内で目的化合物が生成するまで90℃に加熱する。混合物を次いで1N NaOH溶液で塩基性にし、酢酸エチルで抽出する。有機層を合わせて、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮することができる。得られた粗製残渣を分取用HPLCで精製して最終生成物を得ることができる。
【0818】
(実施例81)
N
2-[5-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2,4-ジアミン
【0819】
【化261】
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【0820】
本化合物は、実施例80に記載したようにして、2-クロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミンを5-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシアニリンと反応させることにより調製できる。
【0821】
5-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシアニリン: DMF 8 mL中の5-ブロモ-2-メトキシアニリン (0.404 g, 2.00 mmol) の溶液に、ジメチルホスフィンオキシド(0.171 g, 2.20 mmol)、酢酸パラジウム (22.4 mg, 0.0100 mmol), Xantphos (69.4 mg, 0.120 mmol)、及びリン酸カリウム (0.467 g, 2.20 mmol) を加えた。この混合物を窒素でパージし、150℃で20分間のマイクロ波加熱を受けさせた。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (0〜20% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的生成物を得た (0.365 g, 収率85%)。
【0822】
(実施例82)
N
2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メチルフェニル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2,4-ジアミン
【0823】
【化262】
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【0824】
本化合物は、実施例80に記載したようにして、2-クロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミンを4-(ジメチルホスホリル)-2-メチルアニリンと反応させることにより調製できる。
【0825】
4-(ジメチルホスホリル)-2-メチルアニリン: DMF 8 mL中の4-ブロモ-2-メチルアニリン (0.372 g, 2.00 mmol) の溶液に、ジメチルホスフィンオキシド(0.171 g, 2.20 mmol)、酢酸パラジウム (22.4 mg, 0.0100 mmol), Xantphos (69.4 mg, 0.120 mmol)及びリン酸カリウム (0.467 g, 2.20 mmol) を加えた。この混合物を窒素でパージし、150℃に20分間マイクロ波加熱した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (0〜20% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的生成物を得た (0.313 g, 収率85%)。
【0826】
(実施例83)
N
2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-エチルフェニル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2,4-ジアミン
【0827】
【化263】
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【0828】
本化合物は、実施例80に記載したようにして、2-クロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミンを4-(ジメチルホスホリル)-2-エチルアニリンと反応させることにより調製できる。
【0829】
4-(ジメチルホスホリル)-2-エチルアニリン: DMF 8 mL中の4-ブロモ-2-エチルアニリン (0.400 g, 2.00 mmol) の溶液に、ジメチルホスフィンオキシド(0.171 g, 2.20 mmol)、酢酸パラジウム (22.4 mg, 0.0100 mmol), Xantphos (69.4 mg, 0.120 mmol)及びリン酸カリウム (0.467 g, 2.20 mmol) を加えた。この混合物を窒素でパージし、150℃に20分間マイクロ波加熱した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (0〜20% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的生成物を得た (0.308 g, 収率78%)。
【0830】
(実施例84)
N
2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2,4-ジアミン
【0831】
【化264】
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【0832】
本化合物は、実施例80に記載したようにして、2-クロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミンを4-(ジメチルホスホリル)-2-(トリフルオロメトキシ)アニリンと反応させることにより調製できる。
【0833】
4-(ジメチルホスホリル)-2-(トリフルオロメトキシ)アニリン: DMF 8 mL中の4-ヨード-2-(トリフルオロメトキシ)アニリン (0.606 g, 2.00 mmol) の溶液に、ジメチルホスフィンオキシド(0.171 g, 2.20 mmol)、酢酸パラジウム (22.4 mg, 0.0100 mmol), Xantphos (69.4 mg, 0.120 mmol)及びリン酸カリウム (0.467 g, 2.20 mmol) を加えた。この混合物を窒素でパージし、150℃に20分間マイクロ波加熱した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (0〜20% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製し、HClのメタノール溶液で酸性化して、目的生成物をその塩酸塩として得た (0.573 g, 収率98%)。
【0834】
(実施例85)
N
2-[2-クロロ-4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2,4-ジアミン
【0835】
【化265】
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【0836】
本化合物は、実施例80に記載したようにして、2-クロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミンを2-クロロ-4-(ジメチルホスホリル)アニリンと反応させることにより調製できる。
【0837】
2-クロロ-4-(ジメチルホスホリル)アニリン: DMF 8 mL中の2-クロロ-4-ヨードアニリン(0.507 g, 2.00 mmol) の溶液に、ジメチルホスフィンオキシド (0.171 g, 2.20 mmol)、酢酸パラジウム (22.4 mg, 0.0100 mmol), Xantphos (69.4 mg, 0.120 mmol)及びリン酸カリウム (0.467 g, 2.20 mmol) を加えた。この混合物を窒素でパージし、150℃に20分間マイクロ波加熱した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (0〜20% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的生成物を得た (0.340 g, 収率83%)。
【0838】
(実施例86)
N
2-[4-(ジメチルホスホリル)-2-フルオロフェニル]-N
4-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2,4-ジアミン
【0839】
【化266】
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【0840】
本化合物は、実施例80に記載したようにして、2-クロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-5-(トリフルオロメチル)ピリジン-4-アミンを4-(ジメチルホスホリル)-2-フルオロアニリンと反応させることにより調製できる。
【0841】
4-(ジメチルホスホリル)-2-フルオロアニリン: DMF 8 mL中の4-ブロモ-2-フルオロアニリン (0.380 g, 2.00 mmol) の溶液に、ジメチルホスフィンオキシド(0.171 g, 2.20 mmol)、酢酸パラジウム (22.4 mg, 0.0100 mmol), Xantphos (69.4 mg, 0.120 mmol)、及びリン酸カリウム (0.467 g, 2.20 mmol) を加えた。この混合物を窒素でパージして、150℃に20分間マイクロ波加熱した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (0〜20% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的生成物を得た (73.5 mg, 収率20%)。
【0842】
(実施例87)
N-[4-(ジメチルホスホリル)-2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-N'-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}ピリミジン-4,6-ジアミン
【0843】
【化267】
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【0844】
4-(ジメチルホスホリル)-2-(プロパン-2-イルスルホニル)アニリン
【0845】
【化268】
[この文献は図面を表示できません]
【0846】
4-ブロモ-1-ニトロ-2-(プロパン-2-イルスルファニル)ベンゼン: 0℃で撹拌されている4-ブロモ-2-フルオロニトロベンゼン (2.0 g, 9.1 mmol) のDCM溶液に、2-プロパンチオール酸ナトリウム (2.0 g, 20 mmol) を2回に分けて加えた。反応混合物を室温まで昇温させ、一晩撹拌した。反応混合物をシリンジフィルターで濾過した。生成物を分取用HPLC (水/アセトニトリル) により鮮黄色固体として単離した (0.8 g, 2.9 mmol, 収率32%)。
【0847】
4-ブロモ-1-ニトロ-2-(プロパン-2-イルスルホニル)ベンゼン: 酢酸 (10 mL) 中の4-ブロモ-1-ニトロ-2-(プロパン-2-イルスルファニル)ベンゼン (0.8 g, 2.9 mmol) の撹拌溶液に、過酸化水素 (30%水溶液、0.6 mL, 5.8 mmol) を加えた。反応混合物を油浴中で110℃に2時間加熱した。反応混合物を飽和硫化ナトリウム水溶液で処理し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で塩基性にした。得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。有機溶媒を減圧除去し、残渣をそれ以上は精製せずに次工程に使用した。
【0848】
ジメチル[4-ニトロ-3-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ホスファンオキシド: DMF 1 mL中の4-ブロモ-1-ニトロ-2-(プロパン-2-イルスルホニル)ベンゼン (0.44 g, 1.6 mmol) 及びジメチルホスフィンオキシド (0.15 g, 1.9 mmol) の撹拌溶液に、リン酸カリウム (0.37 g, 1.8 mmol)、Pd(OAc)
2 (18 mg, 0.08 mmol)、Xantphos (55 mg, 0.10 mmol) を加えた。この反応混合物を110℃で一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、セライトで濾過した。目的生成物を分取用HPLCで単離して、褐黄色固体を得た (0.24 g, 収率55%)。
【0849】
4-(ジメチルホスホリル)-2-(プロパン-2-イルスルホニル)アニリン: ジメチル[4-ニトロ-3-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ホスファンオキシド(0.24 g, 0.88 mmol) のエタノール溶液に、炭素担持Pd (10% w/w、24 mg) を添加し、水素下で一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、有機溶媒を減圧除去した。残渣を分取用HPLCで精製して、目的生成物100 mgを得た (収率50%)。
【0850】
6-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)-2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミン:DMF 1 mL中の4,6-ジクロロピリミジン (1.31 mmol) の溶液に、4-(ジメチルホスホリル)-2-(プロパン-2-イルスルホニル)アニリン(1.31 mmol) 及び炭酸カリウム (0.217 g, 1.57 mmol) を加える。この混合物を目的化合物が生成するまで110℃に加熱する。得られた反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で塩基性にする。得られた懸濁液を濾過し、酢酸エチルで洗浄する。
【0851】
N-[4-(ジメチルホスホリル)-2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-N'-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}ピリミジン-4,6-ジアミン:2-メトキシエタノール1 mL中の化合物6-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)-2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリミジン-4-アミン (0.16 mmol) に、2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]アニリン (実施例75で調製、0.71 g, 0.16 mmol) を加える。この混合物を目的化合物が生成するまで110℃で撹拌する。この混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で塩基性にし、限られた量の酢酸エチルで抽出する。得られた化合物をクロマトグラフィーにより精製することができる。
【0852】
(実施例88)
N
3-[4-(1-エチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-4-イル)-2-メトキシフェニル]-N
5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリダジン-3,5-ジアミン
【0853】
【化269】
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【0854】
4-(1-エチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-4-イル)-2-メトキシアニリン
【0855】
【化270】
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【0856】
(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ホスホン酸ジエチル: DMF 20 mL中の5-クロロ-2-ニトロアニソール(1.00 g, 5.33 mmol) の溶液に、ジエチルホスファイト (0.809 g, 5.86 mmol)、酢酸パラジウム (0.060 g, 0.27 mmol), Xantphos (0.185 g, 0.320 mmol)、及びリン酸カリウム (1.24 g, 5.86 mmol) を加えた。この混合物を窒素でパージし、150℃に20分間マイクロ波加熱した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (0〜45% 酢酸エチル:ヘプタン) で精製して、目的生成物を得た (0.504 g, 収率33%)。
【0857】
(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ホスホン酸ジクロリド: DMF 1.2 mL中の(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ホスホン酸ジエチル (4.54 g, 15.7 mmol) の溶液に、塩化チオニル (5.7 mL, 78.5 mmol) を加えた。反応フラスコに還流冷却器を取り付け、フラスコ内の混合物を還流加熱した。2時間の還流後、反応液を室温に冷却し、減圧濃縮した。得られた粗製油状物をCH
2Cl
2に再溶解し、ヘプタンを加えて目的化合物を沈殿させた。透明な溶液をデカンテーションし、沈殿を集めて乾燥すると、目的化合物が白色固体として得られた (1.39 g, 収率33%)。
【0858】
ジエテニル(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ホスファンオキシド: THF 15 mL中の(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ホスホン酸ジクロリド (1.39 g, 5.15 mmol) の窒素下−78℃の溶液に、臭化ビニルマグネシウム (10.3 mL, THF中1.0M) をゆっくり加えた。添加完了後、反応液を−78℃でさらに1時間撹拌した。この冷反応混合物に飽和NH
4Cl (20 mL) を加えて反応を停止させ、混合物をCH
2Cl
2で抽出した。合わせた有機層を1M NaOHと食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥した。この有機抽出液を濾過し、濃縮して、ジエテニル(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ホスファンオキシドを得た (0.982 g, 75%)。
【0859】
1-エチル-4-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)-1,4-アザホスフィナン 4-オキシド: ジエテニル(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ホスファンオキシド(0.480 g, 1.94 mmol)、エチルアミン塩酸塩 (0.174 g, 2.12 mmol) 及び1N NaOH (2 mL) を50%THF水溶液 (5 mL) に溶解し、窒素下105℃に加熱した。1時間後、追加のベンジルアミンを反応混合物に加えた。この反応混合物をさらに2時間還流させた後、室温に冷却した。反応混合物を飽和NaHCO
3水溶液とCH
2Cl
2との間で分配した。水相をCH
2Cl
2で一回洗浄し、有機層を合わせた。この有機抽出液を食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (0〜10% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的化合物を得た (0.267g, 収率46%)。
【0860】
4-(1-エチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-4-イル)-2-メトキシアニリン: フラスコ内のエタノール5 mL中の1-エチル-4-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)-1,4-アザホスフィナン 4-オキシド (0.267 g, 0.895 mmol) の溶液に、10% Pd/C (27 mg) 及び2.M HClエタノール溶液 (1.43 mL) を加えた。フラスコにセプタムを取り付け、排気した後、水素を再充填した。フラスコに水素バルーンを取り付け、反応液を3時間撹拌した。次いで、フラスコを排気し、窒素を再充填した。反応混合物をセライトで濾過し、濃縮して、粗生成物を塩酸塩として得た。この粗生成物を精製せずに使用した。
【0861】
N3-[4-(1-エチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-4-イル)-2-メトキシフェニル]-N5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリダジン-3,5-ジアミン: 2-メトキシエタノール1 mL中の6-クロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリダジン-4-アミン (実施例73で調製、0.02 mmol) 及び4-(1-エチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-4-イル)-2-メトキシアニリン (0.7 mmol) の溶液に、2.5M HClエタノール溶液1 mLを加える。反応混合物を封管内で目的化合物が生成するまで140℃に加熱する。反応混合物をシリンジフィルターで濾過した後、分取用HPLCで精製することができる。
【0862】
(実施例89)
N
3-[2-メトキシ-4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)フェニル]-N
5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリダジン-3,5-ジアミン
【0863】
【化271】
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【0864】
2-メトキシ-4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)アニリン
【0865】
【化272】
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【0866】
1-ベンジル-4-メチル-1,4-アザホスフィナン 4-オキシド: −78℃のメチルホスホン酸ジクロリド (10.0 g, 75.2 mmol) のCH
2Cl
2溶液に、臭化ビニルマグネシウム(175 mL, THF中1.0M) を4時間かけて滴下漏斗から添加した。得られた溶液を0℃まで昇温させ、最少量の飽和NH
4Cl を加えて反応を停止させた。この混合物をシリカゲルのパッドで濾過し、シリカを10%メタノール中7Nアンモニア液:ジクロロメタンで抽出した。得られた溶液を減圧濃縮すると、メチルジビニルホスフィンオキシドが粘稠な黄色油状物として得られ、これを精製せずに使用した。
【0867】
1:1 THF/水 (25 mL) 中のメチルジビニルホスフィンオキシド (1.16 g, 10.0 mmol) 及びベンジルアミン (1.20 mL, 11.0 mmol) の溶液を16時間還流加熱した。得られた反応混合物を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (0〜10% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、1-ベンジル-4-メチル-[1,4]アザホスフィナン-4-オキシドを白色固体として得た (1.57 g, 収率70%)。
【0868】
4-メチル-[1,4]アザホスフィナン-4-オキシド: フラスコに、1-ベンジル-4-メチル-[1,4]アザホスフィナン-4-オキシド (1.00 g, 4.47 mmol) 及び10% Pd/C (100 mg) を入れた。このフラスコを排気し、窒素を充填した。フラスコに無水メタノール (18 mL) を加え、窒素導入管を取り付けた還流冷却器をフラスコに装着した。ギ酸アンモニウム (2.25 g, 35.8 mmol) を室温で一度に加えた。得られた混合物を2時間還流下に撹拌した。反応混合物をセライトのパッドで濾過し、セライトを2×5 mlのメタノールで洗浄した。合わせた濾液と洗液を減圧蒸発させた。得られた粗製残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (0〜10% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、4-メチル-[1,4]アザホスフィナン-4-オキシドを黄色ゲル状物として得た (0.589 g, 収率99%)。
【0869】
1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチル-1,4-アザホスフィナン4-オキシド: 4-メチル-[1,4]アザホスフィナン-4-オキシド (133 mg, 1.00 mmol)、5-フルオロ-2-ニトロアニソール(340 mg, 2.00 mmol)、K
2CO
3 (345 mg, 2.50 mmol)、及びDMF (5 mL) の混合物を50℃に加熱した。2時間後、反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (0〜5% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチル-1,4-アザホスフィナン4-オキシドを鮮黄色固体として得た (272 mg, 収率96%)。
【0870】
2-メトキシ-4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)アニリン: 加圧容器に1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチル-1,4-アザホスフィナン 4-オキシド (272 mg, 0.960 mmol)、エタノール (5 mL)、及び10% Pd/C (50 mg) を入れた。この容器をParr装置に接続し、排気した後、窒素を再充填した。容器をまた排気して、水素ガスを50 psiの圧力まで充填した。この反応混合物を50 psi下で4時間振盪した。反応混合物をセライトを通して、HClエタノール溶液が入っているフラスコの中へ濾過した。濾液を濃縮すると、2-メトキシ-4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)アニリンが灰色固体として得られた (211 mg, 収率87%)。
【0871】
N3-[2-メトキシ-4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)フェニル]-N5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリダジン-3,5-ジアミン: 2-メトキシエタノール1 mL中の6-クロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリダジン-4-アミン (実施例73で調製、0.02 mmol) 及び2-メトキシ-4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)アニリン (0.7 mmol) の溶液に、2.5M HClエタノール溶液1 mLを加える。反応混合物を封管内で目的化合物が生成するまで140℃に加熱する。反応混合物をシリンジフィルターで濾過した後、分取用HPLCで精製することができる。
【0872】
(実施例90)
N
3-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-N
5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリダジン-3,5-ジアミン
【0873】
【化273】
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【0874】
2-メトキシ-4-[4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)ピペリジン-1-イル]アニリン
【0875】
【化274】
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【0876】
4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル: 1:1 THF/水 (3 mL) 中のメチルジビニルホスフィンオキシド (140 mg, 1.21 mmol) 及び1-Boc-4-アミノピペリジン (265 mg, 1.33 mmol) の溶液を16時間還流加熱した。得られた反応混合物を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (0〜10% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的化合物を白色固体として得た (178 mg, 収率38%)。
【0877】
1-[1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル]-4-メチル-1,4-アザホスフィナン 4-オキシド: CH
2Cl
2 (2 mL) 中の4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル (178 mg, 0.563 mmol) の撹拌溶液に、トリフルオロ酢酸 (0.5 mL) を加えた。20分後、溶液を濃縮し、得られた残渣をDMF (2 mL) に再溶解した。得られた溶液を撹拌しながら、炭酸カリウム (160 mg, 1.16 mmol)、次に5-フルオロ-2-ニトロアニソール(158 mg, 0.930 mmol) を少しずつ加えた。反応混合物を50℃に加熱した。2時間後、反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (0〜10% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的化合物を鮮黄色固体として得た (176 mg, 収率86%)。
【0878】
2-メトキシ-4-[4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)ピペリジン-1-イル]アニリン: 加圧容器に1-[1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル]-4-メチル-1,4-アザホスフィナン 4-オキシド(176 mg, 0.485 mmol)、エタノール (5 mL)、及び10% Pd/C (50 mg) を入れた。この容器をParr装置に接続し、排気した後、窒素を再充填した。容器をまた排気して、水素ガスを50 psiの圧力まで充填した。この反応混合物を50 psi下で4時間振盪した。反応混合物を、セライトを通して、HClエタノール溶液が入っているフラスコの中へ濾過した。濾液を濃縮すると、目的化合物が灰色固体として得られた (178 mg, 収率98%)。
【0879】
N3-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-N5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリダジン-3,5-ジアミン: 2-メトキシエタノール1 mL中の6-クロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリダジン-4-アミン (実施例73で調製、0.02 mmol) 及び2-メトキシ-4-[4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)ピペリジン-1-イル]アニリン (0.7 mmol) の溶液に、2.5M HClエタノール溶液1 mLを加える。反応混合物を封管内で目的化合物が生成するまで140℃に加熱する。反応混合物をシリンジフィルターで濾過した後、分取用HPLCで精製することができる。
【0880】
(実施例91)
N
3-[4-(ジエチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N
5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリダジン-3,5-ジアミン
【0881】
【化275】
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【0882】
4-(ジプロピルホスホリル)-2-メトキシアニリン
【0883】
【化276】
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【0884】
DMF 2 mL中の4-ブロモ-2-メトキシアニリン (0.100 g, 0.495 mmol) の溶液に、ジプロピルホスフィンオキシド (0.0730 g, 0.544 mmol)、酢酸パラジウム (5.6 mg, 0.025 mmol), Xantphos (17.2 mg, 0.030 mmol)、及びリン酸カリウム(0.116 g, 0.544 mmol) を加えた。この混合物を窒素でパージし、150℃で20分間のマイクロ波加熱を受けさせた。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜12% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製し、所定画分を濃縮した。残渣を2.5M HClエタノール溶液で酸性化し、得られた溶液を濃縮して、4-(ジプロピルホスホリル)-2-メトキシアニリンを塩酸塩として得た (0.132 g, 収率91%)。
【0885】
N3-[4-(ジエチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリダジン-3,5-ジアミン: 2-メトキシエタノール1 mL中の6-クロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ピリダジン-4-アミン (実施例73で調製、0.02 mmol) 及び4-(ジプロピルホスホリル)-2-メトキシアニリン (0.7 mmol) の溶液に、2.5M HClエタノール溶液1 mLを加える。反応混合物を封管内で目的化合物が生成するまで140℃に加熱する。反応混合物をシリンジフィルターで濾過した後、分取用HPLCで精製することができる。
【0886】
(実施例92)
N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-1,3,5-トリアジン-2-アミン
【0887】
【化277】
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【0888】
4-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2-アミン: N,N-ジメチルアセトアミド15 mL及びジイソプロピルエチルアミン3.6 mL中の4-アミノ-ジメチルフェニルホスフィンオキシド (3.7 g, 2.2 mmol) の懸濁液を、透明な溶液が得られるまで室温で15分間撹拌することができる。2,4-ジクロロ-1,3,5-トリアジン(2.6 mmol) を5分間かけて4回に分けて加える。この反応混合物を60℃で1時間撹拌する。反応混合物を室温に冷却し、濾過し、分取用HPLCで精製する。
【0889】
N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-1,3,5-トリアジン-2-アミン: エタノール1.5 mL中の4-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2-アミン (0.072 mmol) の溶液に、トリエチルアミン10μLと1-メチルピペラジン (7.2 mg, 0.072 mmol) とを加える。この混合物を目的化合物が生成するまで120℃でマイクロ波加熱することができる。反応混合物をシリンジフィルターで濾過した後、分取用HPLCで精製する。
【0890】
(実施例93)
N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N'-(トリシクロ[3.3.1.1
3.7]デク-1-イル)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン
【0891】
【化278】
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【0892】
エタノール1.5 mL中の4-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2-アミン(実施例92に記載のように調製、0.078 mmol) の溶液にトリエチルアミン10μLと1-アダマンタンアミン (12 mg, 0.078 mmol) とを加える。この混合物を目的化合物が生成するまで120℃でマイクロ波加熱することができる。反応混合物をシリンジフィルターで濾過した後、分取用HPLCで精製する。
【0893】
(実施例94)
N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N'-(モルホリン-4-イルメチル)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン
【0894】
【化279】
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【0895】
エタノール2 mL中の4-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2-アミン(実施例92に記載のように調製、0.12 mmol) の溶液に、トリエチルアミン50μLと4-(2-アミノエチル)モルホリン (15 mg, 0.12 mmol) とを加える。この混合物を目的化合物が生成するまで120℃でマイクロ波加熱することができる。反応混合物をシリンジフィルターで濾過した後、分取用HPLCで精製する。
【0896】
(実施例95)
4-{2-[(4-{[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]アミノ}-1,3,5-トリアジン-2-イル)アミノ]エチル}ベンゼンスルホンアミド
【0897】
【化280】
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【0898】
エタノール2 mL中の4-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2-アミン(実施例92に記載のように調製、0.12 mmol) の溶液に、トリエチルアミン50μLと4-(2-アミノエチル)ベンゼンスルホンアミド (23 mg, 0.12 mmol) とを加える。この混合物を目的化合物が生成するまで120℃でマイクロ波加熱することができる。反応混合物をシリンジフィルターで濾過した後、分取用HPLCで精製する。
【0899】
(実施例96)
N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N'-(テトラヒドロフラン-2-イル)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン
【0900】
【化281】
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【0901】
エタノール2 mL中の4-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2-アミン(実施例92に記載のように調製、0.12 mmol) の溶液に、トリエチルアミン50μLと(s)-3-アミノテトラヒドロフラン塩酸塩 (14 mg, 0.12 mmol) とを加える。この混合物を目的化合物が生成するまで120℃でマイクロ波加熱することができる。反応混合物をシリンジフィルターで濾過した後、分取用HPLCで精製する。
【0902】
(実施例97)
N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N'-(ヘキサヒドロシクロペンタ[c]ピロール-2(1H)-イル)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン
【0903】
【化282】
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【0904】
エタノール2 mL中の4-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2-アミン(実施例92に記載のように調製、0.12 mmol) の溶液に、トリエチルアミン50μLと3-アミノ-3-アザビシクロ[3.3.0]オクタン塩酸塩 (19 mg, 0.12 mmol) とを加える。この混合物を目的化合物が生成するまで120℃でマイクロ波加熱する。反応混合物をシリンジフィルターで濾過した後、分取用HPLCで精製する。
【0905】
(実施例98)
N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N'-(モルホリン-4-イル)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン
【0906】
【化283】
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【0907】
エタノール2 mL中の4-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2-アミン(実施例92に記載のように調製、0.12 mmol) の溶液に、トリエチルアミン50μLと4-アミノモルホリン (12 mg, 0.12 mmol) とを加える。この混合物を目的化合物が生成するまで120℃でマイクロ波加熱する。反応混合物をシリンジフィルターで濾過した後、分取用HPLCで精製する。
【0908】
(実施例99)
N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-4-(4-フェニルピペラジン-1-イル)-1,3,5-トリアジン-2-アミン
【0909】
【化284】
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【0910】
エタノール2 mL中の4-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2-アミン(実施例92に記載のように調製、0.12 mmol) の溶液に、トリエチルアミン50μLと1-フェニルピペラジン (19 mg, 0.12 mmol) とを加える。この混合物を目的化合物が生成するまで120℃でマイクロ波加熱する。反応混合物をシリンジフィルターで濾過した後、分取用HPLCで精製する。
【0911】
(実施例100)
N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N'-[2-(1H-インドール-3-イル)エチル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン
【0912】
【化285】
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【0913】
エタノール2 mL中の4-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2-アミン(実施例92に記載のように調製、0.12 mmol) の溶液に、トリエチルアミン50μLとトリプタミン (18 mg, 0.12 mmol) とを加える。この混合物を目的化合物が生成するまで120℃でマイクロ波加熱する。反応混合物をシリンジフィルターで濾過した後、分取用HPLCで精製する。
【0914】
(実施例101)
N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N'-(4-メチルピペラジン-1-イル)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン
【0915】
【化286】
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【0916】
エタノール2 mL中の4-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2-アミン(実施例92に記載のように調製、0.12 mmol) の溶液に、トリエチルアミン50μLと1-アミノ-4-メチルピペラジン (13 mg, 0.12 mmol) とを加える。この混合物を目的化合物が生成するまで120℃でマイクロ波加熱する。反応混合物をシリンジフィルターで濾過した後、分取用HPLCで精製する。
【0917】
(実施例102)
6-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N'-(トリシクロ[3.3.1.1
3.7]デク-1-イルメチル)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン
【0918】
【化287】
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【0919】
4,6-ジ-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2-アミン: N,N-ジメチルホルムアミド15 mL及びジイソプロピルエチルアミン3.6 mL中の4-アミノ-ジメチルフェニルホスフィンオキシド (3.7 g, 2.2 mmol) の懸濁液を0℃に冷却する。2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジン (2.6 mmol) を5分間かけて4回に分けて加える。得られた反応混合物を室温まで昇温させ、目的化合物が生成するまで撹拌する。この反応混合物を濾過し、分取用HPLCで精製する。
【0920】
6-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N'-(トリシクロ[3.3.1.13.7]デク-1-イルメチル)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン: エタノール1.5 mL中の4,6-ジ-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2-アミン (0.072 mmol) の溶液に、トリエチルアミン10μLと1-(1-アダマンチル)-メタンアミン (7.2 mg, 0.072 mmol) とを加える。この混合物を120℃で20分間マイクロ波加熱することができる。得られた反応混合物をシリンジフィルターで濾過した後、分取用HPLCで精製する。
【0921】
(実施例103)
6-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N'-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンジル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン
【0922】
【化288】
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【0923】
エタノール2 mL中の4,6-ジ-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2-アミン(実施例102に記載のように調製、0.12 mmol) の溶液に、トリエチルアミン50μLと4-(4-メチルピペラジン)ベンジルアミン (24 mg, 0.12 mmol) とを加える。この混合物を目的化合物が生成するまで120℃でマイクロ波加熱する。反応混合物をシリンジフィルターで濾過した後、分取用HPLCで精製する。
【0924】
(実施例104)
6-クロロ-N-(3,5-ジメチルフェニル)-N'-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2,4-ジアミン
【0925】
【化289】
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【0926】
エタノール2 mL中の4,6-ジ-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-1,3,5-トリアジン-2-アミン(実施例102に記載のように調製、0.12 mmol) の溶液に、トリエチルアミン50μLと3,5-ジメチルアニリン (24 mg, 0.12 mmol) とを加える。この混合物を目的化合物が生成するまで120℃でマイクロ波加熱する。反応混合物をシリンジフィルターで濾過した後、分取用HPLCで精製する。
【0927】
(実施例105)
6-クロロ-N
3-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N
5-フェニル-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン
【0928】
【化290】
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【0929】
3,6-ジクロロ-N-フェニル-1,2,4-トリアジン-5-アミン: アニリン (205 mg, 2.2 mmol) 及び3,5,6-トリクロロ-1,2,4-トリアジン (2.7 mmol) のCH
2Cl
2溶液に、トリエチルアミン (3 mmol) を加える。この反応混合物を目的化合物が生成するまで室温で撹拌する。溶媒を減圧除去する。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより精製することができる。
【0930】
(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)(ジメチル)ホスファンオキシド: DMF 5 mL中の5-クロロ-2-ニトロアニソール (0.5 g, 2.67 mmol) の溶液に、ジメチルホスフィンオキシド(0.229 g, 2.93 mmol)、酢酸パラジウム (30 mg, 0.13 mmol)、Xantphos (0.092 g, 0.16 mmol)、及びリン酸カリウム(0.623 g, 2.93 mmol) を加えた。この混合物をアルゴンでパージし、120℃に18時間加熱した。反応混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で塩基性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を濃縮し、分取用HPLCで精製して、最終生成物を得た (0.16 g, 収率30%)。MS/ES+: m/z=229。
【0931】
4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシアニリン: EtOH 5 mL中の(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)(ジメチル)ホスファンオキシド (0.1 g, 0.44 mmol)の溶液に、炭素担持10重量%パラジウム (0.2 g) を加えた。この混合物をアルゴンでパージし、30 psi下で2時間水素化した。得られた混合物を、セライトを通して、HClエタノール溶液が入っているフラスコの中に濾過した。濾液を濃縮して最終生成物を得た (0.088 g, 収率86%)。MS/ES+: m/z=199。
【0932】
6-クロロ-N3-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N5-フェニル-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン: 3,6-ジクロロ-N-フェニル-1,2,4-トリアジン-5-アミン (1 mmol) と4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシアニリン (1 mmol) とショウノウスルホン酸 (0.7当量) との混合物を2-プロパノール中で20〜48時間還流加熱する。得られた反応混合物を室温に放冷し、ジクロロメタンに溶解し、Na
2CO
3水溶液で洗浄する。ジクロロメタン抽出液をMgSO
4で乾燥し、蒸発させる。得られた粗生成物を分取用HPLCで精製する。
【0933】
(実施例106)
6-クロロ-N
3-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N
5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン
【0934】
【化291】
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【0935】
3,6-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-5-アミン: 1-アミノ-2-(イソプロピルスルホニル)ベンゼン (350 mg, 1.6 mmol) 及び3,5,6-トリクロロ-1,2,4-トリアジン (1.6 mmol) のCH
2Cl
2溶液に、トリエチルアミン (2 mmol) を加える。得られた反応混合物を室温に放冷し、ジクロロメタンに溶解し、Na
2CO
3水溶液で洗浄する。ジクロロメタン抽出液をMgSO
4で乾燥し、蒸発させる。得られた粗生成物を分取用HPLCで精製する。
【0936】
6-クロロ-N3-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン: 3,6-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-5-アミン (1 mmol) と4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシアニリン (実施例105に記載のように調製、1 mmol) とショウノウスルホン酸 (0.7当量) との混合物を2-プロパノール中で20〜48時間還流加熱する。得られた反応混合物を室温に放冷し、ジクロロメタンに溶解し、Na
2CO
3水溶液で洗浄する。ジクロロメタン抽出液をMgSO
4で乾燥し、蒸発させる。得られた粗生成物を分取用HPLCで精製する。
【0937】
(実施例107)
6-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-5-{[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]スルファニル}-1,2,4-トリアジン-3-アミン
【0938】
【化292】
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【0939】
3,6-ジクロロ-5-{[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]スルファニル}-1,2,4-トリアジン: 窒素雰囲気下−78℃での乾燥THF (30 mL) 中3,5,6-トリクロロ-1,2,4-トリアジン (3 mmol) の溶液に、3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)ベンゼンチオール (3 mmol) と炭酸ナトリウム (3 mmol) とを加える。反応混合物を室温に昇温させ、目的化合物が生成するまで室温で撹拌する。溶媒を蒸発させる。得られた残渣を水に懸濁させ、CH
2Cl
2で抽出する。得られたジクロロメタン溶液をMgSO
4で乾燥し、蒸発させる。残渣をシリカゲルカラムでクロマトグラフィー処理する。
【0940】
6-クロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-5-{[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]スルファニル}-1,2,4-トリアジン-3-アミン: 3,6-ジクロロ-5-{[3-フルオロ-5-(トリフルオロメチル)フェニル]スルファニル}-1,2,4-トリアジン (0.7 mmol) と4-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシアニリン (実施例105に記載のように調製、15 mg, 0.7 mmol) とショウノウスルホン酸 (0.7当量) との混合物を2-プロパノール中で20〜48時間還流加熱する。得られた反応混合物を室温に放冷し、ジクロロメタンに溶解し、Na
2CO
3水溶液で洗浄する。ジクロロメタン抽出液をMgSO
4で乾燥し、蒸発させる。得られた粗生成物を分取用HPLCで精製する。
【0941】
(実施例108)
6-クロロ-N
5-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N
3-{2-メトキシ-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン
【0942】
【化293】
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【0943】
3,6-ジクロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-5-アミン: 4-アミノ-ジメチルフェニルホスフィン オキシド (1.6 mmol) 及び3,5,6-トリクロロ-1,2,4-トリアジン (1.6 mmol) のCH
2Cl
2溶液に、トリエチルアミン (2 mmol) を加える。得られた反応混合物を室温に放冷し、ジクロロメタンに溶解し、Na
2CO
3水溶液で洗浄する。ジクロロメタン抽出液をMgSO
4で乾燥し、蒸発させる。得られた粗生成物を分取用HPLCで精製する。
【0944】
1-[1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル]-4-メチルピペラジン: DMF 3 mL中の5-フルオロ-2-ニトロアニソール (0.5 g, 2.92 mmol) の溶液に、1-メチル-4-(ピペリジン)ピペラジン(0.536 g, 2.92 mmol) 及び炭酸カリウム (0.808 g, 5.84 mmol) を加えた。この混合物を120℃に18時間加熱した。混合物を飽和重炭酸ナトリウム溶液で塩基性にし、酢酸エチルで抽出した。有機層をクロマトグラフィーで精製して、最終生成物を黄色固体として得た (0.95 g, 収率95%)。MS/ES+: m/z=334。
【0945】
2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]アニリン: アルゴンでパージしたエタノール10 mL中の1-[1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル]-4-メチルピペラジン (0.3 g, 0.90 mmol) の溶液に、炭素担持10%パラジウム (0.060 g) を加えた。30 psi下で4時間後に水素化を終了した。得られた混合物を、セライトを通して、HClエタノール溶液が入っているフラスコの中に濾過した。濾液を濃縮して最終生成物を得た (0.15 g, 収率88%)。MS/ES+: m/z=334。
【0946】
6-クロロ-N5-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N3-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン: 3,6-ジクロロ-N-[4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-5-アミン (0.7 mmol) と2-メトキシ-4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)ピペリジン-1-イル]アニリン (0.7 mmol) とショウノウスルホン酸 (0.7当量) との混合物を2-プロパノール中で20〜48時間還流加熱する。得られた反応混合物を室温に放冷し、ジクロロメタンに溶解し、Na
2CO
3水溶液で洗浄する。ジクロロメタン抽出液をMgSO
4で乾燥し、蒸発させる。得られた粗生成物を分取用HPLCで精製する。
【0947】
(実施例109)
6-クロロ-N
3-[6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イル]-N
5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン
【0948】
【化294】
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【0949】
6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イルアミン: DMF 4 mL中の6-ブロモ-2-メトキシピリジン-3-イルアミン (0.203 g, 1.00 mmol) の溶液に、ジメチルホスフィンオキシド(0.171 g, 1.10 mmol)、酢酸パラジウム 11.0 mg, 0.0490 mmol), Xantphos (35.0 mg, 0.0600 mmol)、及びリン酸カリウム (0.233 g, 1.10 mmol) を加えた。この混合物を窒素でパージし、150℃で20分間のマイクロ波加熱を受けさせた。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜10% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的生成物を得た (77.2 mg, 収率39%)。
【0950】
6-クロロ-N3-[6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イル]-N5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン: 3,6-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-5-アミン (実施例106に記載のように調製、0.7 mmol) と6-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシピリジン-3-イルアミン (0.7 mmol) とショウノウスルホン酸 (0.7当量) との混合物を2-プロパノール中で20〜48時間還流加熱する。得られた反応混合物を室温に放冷し、ジクロロメタンに溶解し、Na
2CO
3水溶液で洗浄する。ジクロロメタン抽出液をMgSO
4で乾燥し、蒸発させる。得られた粗生成物を分取用HPLCで精製する。
【0951】
(実施例110)
6-クロロ-N
3-[5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-イル]-N
5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン
【0952】
【化295】
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【0953】
5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-アミン: DMF 4 mL中の5-ブロモ-3-メトキシピラジン-3-イルアミン (0.204 g, 1.00 mmol) の溶液に、ジメチルホスフィンオキシド(0.171 g, 1.10 mmol)、酢酸パラジウム (11.0 mg, 0.0490 mmol), Xantphos (35.0 mg, 0.0600 mmol)、及びリン酸カリウム (0.233 g, 1.10 mmol) を加えた。この混合物を窒素でパージし、150℃で20分間のマイクロ波加熱を受けさせた。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(0〜10% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的生成物を得た (126 mg, 収率63%)。
【0954】
6-クロロ-N3-[5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-イル]-N5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン: 3,6-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-5-アミン (実施例106に記載のように調製、0.7 mmol) と5-(ジメチルホスホリル)-3-メトキシピラジン-2-アミン (0.7 mmol) とショウノウスルホン酸 (0.7当量) との混合物を2-プロパノール中で20〜48時間還流加熱する。得られた反応混合物を室温に放冷し、ジクロロメタンに溶解し、Na
2CO
3水溶液で洗浄する。ジクロロメタン抽出液をMgSO
4で乾燥し、蒸発させる。得られた粗生成物を分取用HPLCで精製する。
【0955】
(実施例111)
N
5-[4-(ジメチルホスホリル)-2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-N
3-{2-メトキシ-4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]フェニル}-6-メチル-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン
【0956】
【化296】
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【0957】
4-(ジメチルホスホリル)-2-(プロパン-2-イルスルホニル)アニリン
【0958】
【化297】
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【0959】
4-ブロモ-1-ニトロ-2-(プロパン-2-イルスルファニル)ベンゼン: 0℃で撹拌されている4-ブロモ-2-フルオロニトロベンゼン (2.0 g, 9.1 mmol) のDCM溶液に、プロパン2-チオール酸ナトリウム (2.0 g, 20 mmol) を2回に分けて加えた。反応混合物を室温まで昇温させ、一晩撹拌した。反応混合物をシリンジフィルターで濾過した。生成物を分取用HPLC (水/アセトニトリル) により鮮黄色固体として単離した (0.8 g, 2.9 mmol, 収率32%)。
【0960】
4-ブロモ-1-ニトロ-2-(プロパン-2-イルスルホニル)ベンゼン: 酢酸 (10 mL) 中の4-ブロモ-1-ニトロ-2-(プロパン-2-イルスルファニル)ベンゼン (0.8 g, 2.9 mmol) の撹拌溶液に、過酸化水素 (30%水溶液、0.6 mL, 5.8 mmol) を加えた。反応混合物を油浴中で110℃に2時間加熱した。反応混合物を飽和硫化ナトリウム水溶液で処理し、飽和重炭酸ナトリウム溶液で塩基性にした。得られた混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。有機溶媒を減圧除去し、残渣をそれ以上は精製せずに次工程に使用した。
【0961】
ジメチル[4-ニトロ-3-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ホスファンオキシド: DMF 1 mL中の4-ブロモ-1-ニトロ-2-(プロパン-2-イルスルホニル)ベンゼン (0.44 g, 1.6 mmol) 及びジメチルホスフィンオキシド (0.15 g, 1.9 mmol) の撹拌溶液に、リン酸カリウム (0.37 g, 1.8 mmol)、Pd(OAc)
2 (18 mg, 0.08 mmol)、Xantphos (55 mg, 0.10 mmol) を加えた。この反応混合物を110℃で一晩加熱した。反応混合物を室温に冷却し、セライトで濾過した。目的生成物を分取用HPLCで単離して、褐黄色固体を得た (0.24 g, 収率55%)。
【0962】
4-(ジメチルホスホリル)-2-(プロパン-2-イルスルホニル)アニリン: ジメチル[4-ニトロ-3-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]ホスファンオキシド(0.24 g, 0.88 mmol) のエタノール溶液に、炭素担持Pd (10% w/w、24 mg) を添加し、水素下で一晩撹拌した。反応混合物を濾過し、有機溶媒を減圧除去した。残渣を分取用HPLCで精製して、目的生成物100 mgを得た (収率50%)。
【0963】
5-クロロ-N-{2-メトキシ-4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]フェニル}-6-メチル-1,2,4-トリアジン-3-アミン: トルエン8 mL中の5-クロロ-6-メチル-1,2,4-トリアジン-3-アミン (2.00 mmol) の溶液に、4-(ジメチルホスホリル)-2-(プロパン-2-イルスルホニル)アニリン(2.20 mmol)、酢酸パラジウム (22.4 mg, 0.0100 mmol), Xantphos (69.4 mg, 0.120 mmol)、及び炭酸セシウム (2.20 mmol) を加える。この混合物を窒素でパージし、目的化合物が生成するまで100℃でのマイクロ波加熱を行うことができる。反応混合物を次いで濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製することができる。
【0964】
N5-[4-(ジメチルホスホリル)-2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-N3-{2-メトキシ-4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]フェニル}-6-メチル-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン: バイアルに入れた2-メトキシエタノール1 mL中の5-クロロ-N-{2-メトキシ-4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]フェニル}-6-メチル-1,2,4-トリアジン-3-アミン (0.035 g, 0.11 mmol) の溶液に、2-メトキシ4-[(4-メチルピペラジン-1-イル)スルホニル]アニリン (0.020 g, 0.085 mmol) を加える。このバイアルを密封し、反応液を目的化合物が生成するまで90℃に加熱する。1N NaOH溶液で反応を停止させ、溶液を酢酸エチルで抽出する。有機層を合わせて、飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮する。得られた粗製残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製する。
【0965】
(実施例112)
6-クロロ-N
3-[5-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N
5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン
【0966】
【化298】
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【0967】
5-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシアニリン: DMF 8 mL中の5-ブロモ-2-メトキシアニリン (0.404 g, 2.00 mmol) の溶液に、ジメチルホスフィンオキシド(0.171 g, 2.20 mmol)、酢酸パラジウム (22.4 mg, 0.0100 mmol), Xantphos (69.4 mg, 0.120 mmol)、及びリン酸カリウム (0.467 g, 2.20 mmol) を加えた。この混合物を窒素でパージし、150℃で20分間のマイクロ波加熱を受けさせた。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (0〜20% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的生成物を得た (0.365 g, 収率85%)。
【0968】
6-クロロ-N3-[5-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン: 3,6-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-5-アミン (実施例104に記載のように調製、0.7 mmol) と5-(ジメチルホスホリル)-2-メトキシアニリン (0.7 mmol) とショウノウスルホン酸 (0.7当量) との混合物を2-プロパノール中で20〜48時間還流加熱する。得られた反応混合物を室温に放冷し、ジクロロメタンに溶解し、Na
2CO
3水溶液で洗浄する。ジクロロメタン抽出液をMgSO
4で乾燥し、蒸発させる。得られた粗生成物を分取用HPLCで精製する。
【0969】
(実施例113)
6-クロロ-N
3-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メチルフェニル]-N
5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン
【0970】
【化299】
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【0971】
4-(ジメチルホスホリル)-2-メチルアニリン: DMF 8 mL中の4-ブロモ-2-メチルアニリン (0.372 g, 2.00 mmol) の溶液に、ジメチルホスフィンオキシド(0.171 g, 2.20 mmol)、酢酸パラジウム (22.4 mg, 0.0100 mmol), Xantphos (69.4 mg, 0.120 mmol)及びリン酸カリウム (0.467 g, 2.20 mmol) を加えた。この混合物を窒素でパージし、150℃に20分間マイクロ波加熱した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (0〜20% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的生成物を得た (0.313 g, 収率85%)。
【0972】
6-クロロ-N3-[4-(ジメチルホスホリル)-2-メチルフェニル]-N5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン: 3,6-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-5-アミン (実施例106に記載のように調製、0.7 mmol) と4-(ジメチルホスホリル)-2-メチルアニリン (0.7 mmol) とショウノウスルホン酸 (0.7当量) との混合物を2-プロパノール中で20〜48時間還流加熱する。得られた反応混合物を室温に放冷し、ジクロロメタンに溶解し、Na
2CO
3水溶液で洗浄する。ジクロロメタン抽出液をMgSO
4で乾燥し、蒸発させる。得られた粗生成物を分取用HPLCで精製する。
【0973】
(実施例114)
6-クロロ-N
3-[4-(ジメチルホスホリル)-2-エチルフェニル]-N
5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン
【0974】
【化300】
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【0975】
4-(ジメチルホスホリル)-2-エチルアニリン: DMF 8 mL中の4-ブロモ-2-エチルアニリン (0.400 g, 2.00 mmol) の溶液に、ジメチルホスフィンオキシド(0.171 g, 2.20 mmol)、酢酸パラジウム (22.4 mg, 0.0100 mmol), Xantphos (69.4 mg, 0.120 mmol)及びリン酸カリウム (0.467 g, 2.20 mmol) を加えた。この混合物を窒素でパージし、150℃に20分間マイクロ波加熱した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (0〜20% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的生成物を得た (0.308 g, 収率78%)。
【0976】
6-クロロ-N3-[4-(ジメチルホスホリル)-2-エチルフェニル]-N5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン: 3,6-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-5-アミン (実施例106に記載のように調製、0.7 mmol) と4-(ジメチルホスホリル)-2-エチルアニリン (0.7 mmol) とショウノウスルホン酸 (0.7当量) との混合物を2-プロパノール中で20〜48時間還流加熱する。得られた反応混合物を室温に放冷し、ジクロロメタンに溶解し、Na
2CO
3水溶液で洗浄する。ジクロロメタン抽出液をMgSO
4で乾燥し、蒸発させる。得られた粗生成物を分取用HPLCで精製する。
【0977】
(実施例115)
6-クロロ-N
3-[4-(ジメチルホスホリル)-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-N
5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン
【0978】
【化301】
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【0979】
4-(ジメチルホスホリル)-2-(トリフルオロメトキシ)アニリン: DMF 8 mL中の4-ヨード-2-(トリフルオロメトキシ)アニリン (0.606 g, 2.00 mmol) の溶液に、ジメチルホスフィンオキシド(0.171 g, 2.20 mmol)、酢酸パラジウム (22.4 mg, 0.0100 mmol), Xantphos (69.4 mg, 0.120 mmol)、及びリン酸カリウム (0.467 g, 2.20 mmol) を加えた。この混合物を窒素でパージし、150℃に20分間マイクロ波加熱した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (0〜20% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製し、HClのメタノール溶液で酸性化して、目的生成物をその塩酸塩として得た (0.573 g, 収率98%)。
【0980】
6-クロロ-N3-[4-(ジメチルホスホリル)-2-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-N5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン: 3,6-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-5-アミン (実施例106に記載のように調製、0.7 mmol) と4-(ジメチルホスホリル)-2-(トリフルオロメトキシ)アニリン (0.7 mmol) とショウノウスルホン酸 (0.7当量) との混合物を2-プロパノール中で20〜48時間還流加熱する。得られた反応混合物を室温に放冷し、ジクロロメタンに溶解し、Na
2CO
3水溶液で洗浄する。ジクロロメタン抽出液をMgSO
4で乾燥し、蒸発させる。得られた粗生成物を分取用HPLCで精製する。
【0981】
(実施例116)
6-クロロ-N
3-[2-クロロ-4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N
5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン
【0982】
【化302】
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【0983】
2-クロロ-4-(ジメチルホスホリル)アニリン: DMF 8 mL中の2-クロロ-4-ヨードアニリン(0.507 g, 2.00 mmol) の溶液に、ジメチルホスフィンオキシド (0.171 g, 2.20 mmol)、酢酸パラジウム (22.4 mg, 0.0100 mmol), Xantphos (69.4 mg, 0.120 mmol)及びリン酸カリウム (0.467 g, 2.20 mmol) を加えた。この混合物を窒素でパージし、150℃に20分間マイクロ波加熱した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (0〜20% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的生成物を得た (0.340 g, 収率83%)。
【0984】
6-クロロ-N3-[2-クロロ-4-(ジメチルホスホリル)フェニル]-N5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン: 3,6-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-5-アミン (実施例106に記載のように調製、0.7 mmol) と2-クロロ-4-(ジメチルホスホリル)アニリン (0.7 mmol) とショウノウスルホン酸 (0.7当量) との混合物を2-プロパノール中で20〜48時間還流加熱する。得られた反応混合物を室温に放冷し、ジクロロメタンに溶解し、Na
2CO
3水溶液で洗浄する。ジクロロメタン抽出液をMgSO
4で乾燥し、蒸発させる。得られた粗生成物を分取用HPLCで精製する。
【0985】
(実施例117)
6-クロロ-N
3-[4-(ジメチルホスホリル)-2-フルオロフェニル]-N
5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン
【0986】
【化303】
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【0987】
4-(ジメチルホスホリル)-2-フルオロアニリン: DMF 8 mL中の4-ブロモ-2-フルオロアニリン (0.380 g, 2.00 mmol) の溶液に、ジメチルホスフィンオキシド(0.171 g, 2.20 mmol)、酢酸パラジウム (22.4 mg, 0.0100 mmol), Xantphos (69.4 mg, 0.120 mmol)及びリン酸カリウム (0.467 g, 2.20 mmol) を加えた。この混合物を窒素でパージして、150℃に20分間マイクロ波加熱した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (0〜20% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的生成物を得た (73.5 mg, 収率20%)。
【0988】
6-クロロ-N3-[4-(ジメチルホスホリル)-2-フルオロフェニル]-N5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン: 3,6-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-5-アミン (実施例106に記載のように調製、0.7 mmol) と4-(ジメチルホスホリル)-2-フルオロアニリン (0.7 mmol) とショウノウスルホン酸 (0.7当量) との混合物を2-プロパノール中で20〜48時間還流加熱する。得られた反応混合物を室温に放冷し、ジクロロメタンに溶解し、Na
2CO
3水溶液で洗浄する。ジクロロメタン抽出液をMgSO
4で乾燥し、蒸発させる。得られた粗生成物を分取用HPLCで精製する。
【0989】
(実施例118)
6-クロロ-N
3-[4-(1-エチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-4-イル)-2-メトキシフェニル]-N
5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン
【0990】
【化304】
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【0991】
4-(1-エチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-4-イル)-2-メトキシアニリン
【0992】
【化305】
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【0993】
(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ホスホン酸ジエチル: DMF 20 mL中の5-クロロ-2-ニトロアニソール(1.00 g, 5.33 mmol) の溶液に、ジエチルホスファイト (0.809 g, 5.86 mmol)、酢酸パラジウム (0.060 g, 0.27 mmol), Xantphos (0.185 g, 0.320 mmol)及びリン酸カリウム (1.24 g, 5.86 mmol) を加えた。この混合物を窒素でパージし、150℃に20分間マイクロ波加熱した。反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (0〜45% 酢酸エチル:ヘプタン) で精製して、目的生成物を得た (0.504 g, 収率33%)。
【0994】
(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ホスホン酸ジクロリド: DMF 1.2 mL中の(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ホスホン酸ジエチル (4.54 g, 15.7 mmol) の溶液に、塩化チオニル (5.7 mL, 78.5 mmol) を加えた。反応フラスコに還流冷却器を取り付け、フラスコ内の混合物を還流加熱した。2時間の還流後、反応液を室温に冷却し、減圧濃縮した。得られた粗製油状物をCH
2Cl
2に再溶解し、ヘプタンを加えて目的化合物を沈殿させた。透明な溶液をデカンテーションし、沈殿を集めて乾燥すると、目的化合物が白色固体として得られた (1.39 g, 収率33%)。
【0995】
ジエテニル(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ホスファンオキシド: THF 15 mL中の(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ホスホン酸ジクロリド (1.39 g, 5.15 mmol) の窒素下−78℃の溶液に、臭化ビニルマグネシウム (10.3 mL, THF中1.0M) をゆっくり加えた。添加完了後、反応液を−78℃でさらに1時間撹拌した。この冷反応混合物に飽和NH
4Cl (20 mL) を加えて反応を停止させ、混合物をCH
2Cl
2で抽出した。合わせた有機層を1M NaOHと食塩水とで洗浄し、MgSO
4で乾燥した。この有機抽出液を濾過し、濃縮して、ジエテニル(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ホスファンオキシドを得た (0.982 g, 75%)。
【0996】
1-エチル-4-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)-1,4-アザホスフィナン 4-オキシド: ジエテニル(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ホスファンオキシド(0.480 g, 1.94 mmol)、エチルアミン塩酸塩 (0.174 g, 2.12 mmol) 及び1N NaOH (2 mL) を50%THF水溶液 (5 mL) に溶解し、窒素下105℃に加熱した。1時間後、追加のベンジルアミンを反応混合物に加えた。この反応混合物をさらに2時間還流させた後、室温に冷却した。反応混合物を飽和NaHCO
3水溶液とCH
2Cl
2との間で分配した。水相をCH
2Cl
2で一回洗浄し、有機層を合わせた。この有機抽出液を食塩水で洗浄し、MgSO
4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (0〜10% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的化合物を得た (0.267g, 収率46%)。
【0997】
4-(1-エチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-4-イル)-2-メトキシアニリン: フラスコ内でエタノール5 mL中の1-エチル-4-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)-1,4-アザホスフィナン 4-オキシド (0.267 g, 0.895 mmol) の溶液に、10% Pd/C (27 mg) 及び2.M HClエタノール溶液 (1.43 mL) を加えた。フラスコにセプタムを取り付け、排気した後、水素を再充填した。フラスコに水素バルーンを取り付け、反応液を3時間撹拌した。次いで、フラスコを排気し、窒素を再充填した。反応混合物をセライトで濾過し、濃縮して、粗生成物を塩酸塩として得た。この粗生成物を精製せずに使用した。
【0998】
6-クロロ-N3-[4-(1-エチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-4-イル)-2-メトキシフェニル]-N5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン: 3,6-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-5-アミン (実施例106に記載のように調製、0.7 mmol) と4-(1-エチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-4-イル)-2-メトキシアニリン (0.7 mmol) とショウノウスルホン酸 (0.7当量) との混合物を2-プロパノール中で20〜48時間還流加熱する。得られた反応混合物を室温に放冷し、ジクロロメタンに溶解し、Na
2CO
3水溶液で洗浄する。ジクロロメタン抽出液をMgSO
4で乾燥し、蒸発させる。得られた粗生成物を分取用HPLCで精製する。
【0999】
(実施例119)
6-クロロ-N
3-[2-メトキシ-4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)フェニル]-N
5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン
【1000】
【化306】
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【1001】
2-メトキシ-4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)アニリン
【1002】
【化307】
[この文献は図面を表示できません]
【1003】
1-ベンジル-4-メチル-1,4-アザホスフィナン 4-オキシド: −78℃のメチルホスホン酸ジクロリド (10.0 g, 75.2 mmol) のCH
2Cl
2溶液に、臭化ビニルマグネシウム(175 mL, THF中1.0M) を4時間かけて滴下漏斗から添加した。得られた溶液を0℃まで昇温させ、最少量の飽和NH
4Cl を加えて反応を停止させた。この混合物をシリカゲルのパッドで濾過し、シリカを10% メタノール中7Nアンモニア液:ジクロロメタンで抽出した。得られた溶液を減圧濃縮すると、メチルジビニルホスフィンオキシドが粘稠な黄色油状物として得られ、これを精製せずに使用した。
【1004】
1:1 THF/水 (25 mL) 中のメチルジビニルホスフィンオキシド (1.16 g, 10.0 mmol) 及びベンジルアミン (1.20 mL, 11.0 mmol) の溶液を16時間還流加熱した。得られた反応混合物を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (0〜10% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、1-ベンジル-4-メチル-[1,4]アザホスフィナン-4-オキシドを白色固体として得た (1.57 g, 収率70%)。
【1005】
4-メチル-[1,4]アザホスフィナン-4-オキシド: フラスコに1-ベンジル-4-メチル-[1,4]アザホスフィナン-4-オキシド (1.00 g, 4.47 mmol) 及び10% Pd/C (100 mg) を入れた。このフラスコを排気し、窒素を充填した。フラスコに無水メタノール (18 mL) を加え、窒素導入管を取り付けた還流冷却器をフラスコに装着した。ギ酸アンモニウム (2.25 g, 35.8 mmol) を室温で一度に加えた。得られた反応混合物を2時間還流下に撹拌した。反応混合物をセライトのパッドで濾過し、セライトを2×5 mlのメタノールで洗浄した。合わせた濾液と洗液を減圧蒸発させた。得られた粗製残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (0〜10% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、4-メチル-[1,4]アザホスフィナン-4-オキシドを黄色ゲル状物として得た (0.589 g, 収率99%)。
【1006】
1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチル-1,4-アザホスフィナン4-オキシド: 4-メチル-[1,4]アザホスフィナン-4-オキシド (133 mg, 1.00 mmol)、5-フルオロ-2-ニトロアニソール(340 mg, 2.00 mmol)、K
2CO
3 (345 mg, 2.50 mmol)、及びDMF (5 mL) の混合物を50℃に加熱した。2時間後、反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (0〜5% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチル-1,4-アザホスフィナン4-オキシドを鮮黄色固体として得た (272 mg, 収率96%)。
【1007】
2-メトキシ-4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)アニリン: 加圧容器に1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)-4-メチル-1,4-アザホスフィナン 4-オキシド (272 mg, 0.960 mmol)、エタノール (5 mL)、及び10% Pd/C (50 mg) を入れた。この容器をParr装置に接続し、排気した後、窒素を再充填した。容器をまた排気して、水素ガスを50 psiの圧力まで充填した。この反応混合物を50 psi下で4時間振盪した。反応混合物をセライトを通して、HClエタノール溶液が入っているフラスコの中に濾過した。濾液を濃縮すると、2-メトキシ-4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)アニリンが灰色固体として得られた (211 mg, 収率87%)。
【1008】
6-クロロ-N3-[2-メトキシ-4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)フェニル]-N5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン: 3,6-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-5-アミン (実施例106に記載のように調製、0.7 mmol) と2-メトキシ-4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-4-イル)アニリン (0.7 mmol) とショウノウスルホン酸 (0.7当量) との混合物を2-プロパノール中で20〜48時間還流加熱する。得られた反応混合物を室温に放冷し、ジクロロメタンに溶解し、Na
2CO
3水溶液で洗浄する。ジクロロメタン抽出液をMgSO
4で乾燥し、蒸発させる。得られた粗生成物を分取用HPLCで精製する。
【1009】
(実施例120)
6-クロロ-N
3-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-N
5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン
【1010】
【化308】
[この文献は図面を表示できません]
【1011】
2-メトキシ-4-[4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)ピペリジン-1-イル]アニリン
【1012】
【化309】
[この文献は図面を表示できません]
【1013】
4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル: 1:1 THF/水 (3 mL) 中のメチルジビニルホスフィンオキシド (140 mg, 1.21 mmol) 及び1-Boc-4-アミノピペリジン (265 mg, 1.33 mmol) の溶液を16時間還流加熱した。得られた反応混合物を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (0〜10% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的化合物を白色固体として得た (178 mg, 収率38%)。
【1014】
1-[1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル]-4-メチル-1,4-アザホスフィナン 4-オキシド: CH
2Cl
2 (2 mL) 中の4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)ピペリジン-1-カルボン酸tert-ブチル (178 mg, 0.563 mmol) の撹拌溶液に、トリフルオロ酢酸 (0.5 mL) を加えた。20分後、溶液を濃縮し、得られた残渣をDMF (2 mL) に再溶解した。得られた溶液を撹拌しながら、炭酸カリウム (160 mg, 1.16 mmol)、次に5-フルオロ-2-ニトロアニソール(158 mg, 0.930 mmol) を少しずつ加えた。反応混合物を50℃に加熱した。2時間後、反応混合物を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー (0〜10% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製して、目的化合物を鮮黄色固体として得た (176 mg, 収率86%)。
【1015】
2-メトキシ-4-[4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)ピペリジン-1-イル]アニリン: 加圧容器に1-[1-(3-メトキシ-4-ニトロフェニル)ピペリジン-4-イル]-4-メチル-1,4-アザホスフィナン 4-オキシド(176 mg, 0.485 mmol)、エタノール (5 mL)、及び10% Pd/C (50 mg) を入れた。この容器をParr装置に接続し、排気した後、窒素を再充填した。容器をまた排気して、水素ガスを50 psiの圧力まで充填した。この反応混合物を50 psi下で4時間振盪した。反応混合物をセライトを通して、HClエタノール溶液が入っているフラスコの中に濾過した。濾液を濃縮すると、目的化合物が灰色固体として得られた (178 mg, 収率98%)。
【1016】
6-クロロ-N3-{2-メトキシ-4-[4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)ピペリジン-1-イル]フェニル}-N5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン: 3,6-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-5-アミン (実施例106に記載のように調製、0.7 mmol) と2-メトキシ-4-[4-(4-メチル-4-オキシド-1,4-アザホスフィナン-1-イル)ピペリジン-1-イル]アニリン (0.7 mmol) とショウノウスルホン酸 (0.7当量) との混合物を2-プロパノール中で20〜48時間還流加熱する。得られた反応混合物を室温に放冷し、ジクロロメタンに溶解し、Na
2CO
3水溶液で洗浄する。ジクロロメタン抽出液をMgSO
4で乾燥し、蒸発 分取用HPLCで精製する。
【1017】
(実施例121)
6-クロロ-N
3-[4-(ジエチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N
5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン
【1018】
【化310】
[この文献は図面を表示できません]
【1019】
4-(ジエチルホスホリル)-2-メトキシアニリン
【1020】
【化311】
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【1021】
DMF 2 mL中の4-ブロモ-2-メトキシアニリン (0.100 g, 0.495 mmol) の溶液に、ジエチルホスフィンオキシド (0.0730 g, 0.544 mmol)、酢酸パラジウム (5.6 mg, 0.025 mmol), Xantphos (17.2 mg, 0.030 mmol)、及びリン酸カリウム(0.166 g, 0.544 mmol) を加えた。この混合物を窒素でパージし、150℃で20分間のマイクロ波加熱を受けさせた。この反応混合物を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー (0〜12% メタノール中7Nアンモニア:ジクロロメタン) で精製し、所定画分を濃縮した。残渣を2.5M HClエタノール溶液で酸性化し、得られた溶液を濃縮して、4-(ジエチルホスホリル)-2-メトキシアニリンを塩酸塩として得た (0.132 g, 収率91%)。
【1022】
6-クロロ-N3-[4-(ジエチルホスホリル)-2-メトキシフェニル]-N5-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-3,5-ジアミン: 3,6-ジクロロ-N-[2-(プロパン-2-イルスルホニル)フェニル]-1,2,4-トリアジン-5-アミン (実施例106に記載のように調製、0.7 mmol) と4-(ジエチルホスホリル)-2-メトキシアニリン (0.7 mmol) とショウノウスルホン酸 (0.7当量) との混合物を2-プロパノール中で20〜48時間還流加熱する。得られた反応混合物を室温に放冷し、ジクロロメタンに溶解し、Na
2CO
3水溶液で洗浄する。ジクロロメタン抽出液をMgSO
4で乾燥し、蒸発させる。得られた粗生成物を分取用HPLCで精製する。
【1023】
(実施例122)
化合物5の合成
化合物5は反応図式122 (下記)に概略を示すようにして合成することができる。
【1024】
【化312】
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【1025】
【化313】
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【1026】
化合物1の合成
DMF中の2-ヨードアニリン (1.0当量) 及びジメチルホスフィンオキシド (1.1当量) の溶液に、リン酸カリウム (1.1当量)、酢酸パラジウム/Xantphos (触媒量) を加えた。反応混合物を150℃で3時間撹拌し、室温に冷却した。溶媒を蒸発させ、残渣をDCM/水で処理した。得られた粗生成物をカラム (EtOAc/MeOH 10:1) で精製して、化合物1を褐色固体として得た (収率80%)。
【1027】
【化314】
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【1028】
化合物2の合成
DMF中の2,4,5-トリクロロピリミジン (1.57当量)、化合物1 (1.0当量)、及び炭酸カリウム (3.14当量) を60℃で5時間撹拌した後、室温に冷却した。この混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残渣をISCO (DCM/MeOH 20:1) で精製して、化合物2を黄色固体として得た (収率61%)。
【1029】
【化315】
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【1030】
化合物3の合成
DMF中の5-フルオロ-2-ニトロアニソール (1.0当量)、1-メチル-4-(ピペリジン-4-イル)ピペラジン (1.0当量)、及び炭酸カリウム (2.0当量)を120℃で6時間撹拌した後、室温に冷却した。この混合物を濾過し、蒸発させた。得られた粗生成物をエタノールから結晶化させて、化合物3を黄色固体として得た (収率72%)。
【1031】
【化316】
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【1032】
化合物4の合成
活性炭担持パラジウムを窒素下で化合物3のエタノール溶液に加えた。得られた懸濁液を次いで水素下 (50 psi) で3時間振盪した。この混合物を濾過し、濾液を蒸発させて、化合物4を紫色固体として定量的収率で得た。
【1033】
【化317】
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【1034】
化合物5の合成
2-メトキシエタノール中の化合物2 (1.0当量)、化合物4 (1.4当量)、及び2.5M HClエタノール溶液(過剰量)の溶液を密封し、撹拌しながら120℃に5.5時間加熱した後、室温に冷却した。この反応を5回繰り返して、反応混合物を合わせた。この混合物を濾過し、蒸発させた。強く撹拌しながら、飽和Na
2CO
3、次にDCMを加えた。分液し、水層をDCMで抽出した。有機層を合わせて乾燥し、蒸発させ、クロマトグラフィー処理して(EtOAc/MeOH (7M アンモニア) 20:1) 、黄色固体を得た。EtOAcを加え、得られた懸濁液を30分間還流加熱した。室温に冷却後、濾過を行い、得られた固体をDCMに溶解し、濾過し、蒸発させて、化合物5をオフホワイト色固体として得た (収率66%)。
【1035】
(実施例123)
本発明の化合物は、それらの生物学的活性を求めるために多様な検定(アッセイ)により評価される。例えば、本発明の化合物を、興味ある各種プロテインキナーゼを阻害するそれらの能力について試験することができる。試験した化合物の一部は、下記キナーゼに対して強力なナノモルレベルの活性を示した:ALK及びc−Met。さらに、これらの化合物のいくつかは、ヒトKarpas-299及びヒトSU-DHL-1リンパ腫細胞系における抗増殖活性についてスクリーニングしたところ、1〜100nMの範囲内の活性が実証された。本化合物はまた、例えば、以下により詳しく説明し、かついくつかの代表的化合物については上に示したように、興味ある腫瘍細胞に対するそれらの細胞毒性又は増殖阻害効果について評価することができる。例えば、WO 03/000188, 115〜136頁(その全体をここに参考として援用する)を参照。
【1036】
いくつかの代表的化合物を下に示す。
【1037】
【化318】
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【1038】
【化319】
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【1039】
【化320】
[この文献は図面を表示できません]
【1040】
【化321】
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【1041】
【化322】
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【1042】
【化323】
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【1043】
【化324】
[この文献は図面を表示できません]
【1044】
以下の代表的化合物を合成し、各種のキナーゼに対するキナーゼ阻害について試験するとともに、一部は各種細胞系においても試験した。これらの化合物の多くがin vitro検定で活性であることが判明した。
【1045】
【化325】
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【1046】
【化326】
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【1047】
【化327】
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【1048】
【化328】
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【1049】
【化329】
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【1050】
【化330】
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【1051】
【化331】
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【1052】
【化332】
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【1053】
【化333】
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【1054】
【化334】
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【1055】
【化335】
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【1056】
【化336】
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【1057】
【化337】
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【1058】
【化338】
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【1059】
【化339】
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【1060】
【化340】
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【1061】
キナーゼ阻害
より具体的には、本書に記載した化合物は次のようにしてキナーゼ阻害活性についてスクリーニングされる。下記のプロトコルに用いるのに適したキナーゼとしては、それらに制限されないが、次のものが挙げられる:ALK,Jak2,b−Raf,c−Met,Tie−2,FLT−3,Abl,Lck,Lyn,Src,Fyn,Syk,Zap−70,Itk,Tec,Btk,EGFR,ErbB2,Kdr,FLT1,Tek,InsR及びAKT。
【1062】
キナーゼは、キナーゼドメイン又は全長構築物をグルタチオンS-トランスフェラーゼ (GST) に融合したものとして、或いはE. coli又はバクロウイルス−High Five発現系のいずれかにおけるポリヒスチジンのタグ付き融合タンパク質として発現される。それらは、既に文献に述べられているように (Lehr et al., 1996; Gish et al., 1995)、アフィニティークロマトグラフィーにより均質近くまで精製される。場合により、キナーゼは、活性測定の前に、精製又は不完全精製された調節ポリペプチドと共発現又は混合される。
【1063】
キナーゼ活性及び阻害は、確立されたプロトコル (例、Braunwarlder et al., 1996)により測定することができる。その場合、微量定量 (マイクロタイター) プレートの生理活性表面に結合された合成基質poly(Glu, Tyr) 4:1又はpoly(Arg, Ser) 3:1へのATPからの
33PO
4の移動を酵素活性の指標とする。インキュベーション期間の後、まずプレートを0.5%リン酸で洗浄し、液体シンチラントを添加した後、液体シンチレーション検出器で計数することによって、移動したリン酸基の量を測定する。プレートに結合された基質上に取り込まれた
33Pの量の50%減少を生ずる化合物の濃度によってIC
50を求める。
【1064】
チロシン、セリン、スレオニン又はヒスチジンを単独で、或いはこれらどうし又は他のアミノ酸との混合物として含有する、溶液状又は固定された (即ち、固相の) ペプチド又はポリペプチド基質へのリン酸基の移動を利用する他の方法も有用である。
【1065】
例えば、ペプチド又はポリペプチドへのリン酸基の移動は、シンチレーション・プロキシミティー、蛍光偏光、及び均質時間分解蛍光を用いて検出することもできる。或いは、キナーゼ活性の測定を、抗体又はポリペプチドを試薬として用いてリン酸化標的ポリペプチドを検出する抗体型の方法を用いて行うこともできる。
【1066】
そのような検定方法のさらなる背景情報は、例えば、Braunwalder et al., 1996, Anal. Biochem. 234(1): 23; Cleveland et al., 1990, Anal. Biochem. 190(2): 249; Gish et al., (1995) Protein Eng. 8(6): 609; Kolb et al., (1998) Drug Discov. Today 3: 333; Lehr et al., (1996) Gene 169(2): 27527-87; Seethala et al., (1998) Anal. Biochem. 255(2): 257; Wu et al., (2000) を参照。
【1067】
ALKチロシンキナーゼ活性の阻害は、既知の方法を用いて実証することができる。例えば、1つの方法では、Angeles, T.S. et al., Anal. Biochem. 1996, 236, 49-55 (参考のためにここに援用する) にtrkAについて報告されたELISAプロトコルの変形を用いて、バキュロウイルス発現されたALKのキナーゼ活性を阻害するその能力について化合物を試験することができる。Rotin, D. et al., EMBO J. 1992, 11, 559-567 (参考のためにここに援用する) 報告されたように、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)との融合タンパク質として生成させた基質ホスホリパーゼC−γ(PLC−γ)のリン酸化を、ユーロピウム標識抗ホスホチロシン抗体で検出して、時間分解蛍光(TRF)により測定することができる。この検定では、96ウェルプレートに10μg/mLの基質(tris緩衝食塩水 <TBS> 中のホスホリパーゼC−γ)を100μL/ウェルの量で塗布する。次いで、この検定プレートに、20nM HEPES (pH7.2、1μMATP (K
mレベル))、5nM MnCl
2、0.1%BSA、2.5%DMSO、及び変化させた濃度の試験化合物からなる検定混合物(全体積=100μL/ウェル)を加える。酵素(ALK 30ng/mL)を加えて反応を開始させ、37℃で反応を15分間進行させる。リン酸化産物の検出は、Eu−N1標識PT66抗体(Perkin Elmer #AD0041)を100μL/ウェルの量で加えることにより実施できる。その後、インキュベーションを37℃で1時間進めた後、100μLの増強溶液(例えば、Wallac #1244-105)を加える。プレートを穏やかに撹拌し、30分後に得られた溶液の蛍光を測定することができる(例えば、Perkin Elmer社製のEnVision 2100 (若しくは2100) マルチラベルプレートリーダーを用いて)。
【1068】
その後、データ解析を実施することができる。IC
50値は、阻害率(%)を化合物濃度のlog
10に対してプロットすることにより算出することできる。
ALKチロシンキナーゼ活性の阻害はまた、J. Wood et al., Cancer Res. 2000, 60, 2178-2189に記載されたVEDG−Rキナーゼ検定に似た方法でALKの組換えキナーゼドメインを用いて測定することもできる。GST−ALKプロテインチロシンキナーゼを用いたin vitro酵素検定を、20 mM Tris−HCl, pH7.5, 3 mM MgCl
2, 10 mM MnCl
2, 1 nM DTT, 0.1μCi/検定 (=30μL) [γ-
33P]−ATP, 2μM ATP, 3μg/mL ポリ(Glu, tyr 4:1)Poly-EY (Sigma P-0275), 1%DMSO, 25ng ALK酵素中のフィルターバインディング検定として96ウェルプレートで実施することができる。この検定体を室温で10分間インキュベーションすることができる。125 mM EDTAを50μL添加して反応を停止させることができ、反応混合物を予めメタノールで湿らせたMAIPマルチスクリーンプレート(Millipore, ベッドフォード、マサチューセッツ)上に移し、水で5分間再水和させることができる。洗浄(0.5%H
3PO
4)後、液体シンチレーションカウンターでプレートをカウントすることができる。阻害率(%)の線形回帰解析によりIC
50値を算出する。
【1069】
細胞系検定:
本発明の或る種の化合物はまた、腫瘍又は他のがん細胞系に対する細胞毒性又は増殖阻害効果があることも実証されたので、がん及び他の細胞増殖型疾患の治療に有用である可能性がある。化合物は、当業者には周知のin vivo 及び in vitro検定を用いて抗腫瘍活性について検定される。一般に、抗がん薬候補を見つけるための化合物の初期スクリーニングは細胞検定により行われる。このような細胞系検定において抗増殖活性を有すると認められた化合物は、次いで、抗腫瘍活性と毒性に対して完全生体を使ってその後の検定を受けることができる。一般に、細胞系スクリーニングは、完全生体を使う検定に比べてより迅速かつ低コストで行うことができる。本発明の目的にとって、「抗腫瘍」活性と「抗がん」活性の用語は互換可能に使用される。
【1070】
抗増殖活性を測定するための細胞系の方法は周知であり、本発明の化合物の相対的な特性決定に使用することができる。一般に、細胞増殖及び細胞生存性検定は、細胞が代謝活性である時に検出可能な信号を与えるように設計される。化合物は、化合物への細胞の露出後の細胞の代謝活性の何らかの認められる低下を測定することによって抗増殖活性について試験することができる。よく使用される方法としては、例えば、膜一体性 (細胞生存性の指標として)の測定 (例、トリパン青の排除を使用)、又はDNA合成の測定 (例、BrdU若しくは3H−チミジンの取り込みの測定により)が挙げられる。
【1071】
一部の細胞増殖検定法は、細胞増殖中に検出可能な化合物に転化される試薬を使用する。特に好ましい化合物はテトラゾリウム塩であり、制限されないが、MTT (3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド; Sigma-Aldrich, セントルイス、ミズーリ)、MTS (3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−5−(3−カルボキシメトキシフェニル)−2−(4−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウム)、XTT (2,3−ビス(2−メトキシ−4−ニトロ−5−スルホフェニル)−2H−テトラゾリウム−5−カルボキシアニリド)、INT、NBT、及びNTV (Bernas et al., Biochem. Biophys. Acta 1451(1):73-81, 1999)を挙げることができる。テトラゾリウム塩を利用したより一般に用いられる検定は、分光法により容易に検出される青色のホルマザン誘導体へのテトラゾリウム塩の酵素転化の生成物を検出することにより細胞増殖を検出する (Mosman, J. Immunol. Methods. 65:55-63, 1983)。
【1072】
細胞増殖の他の検定法は、試験すべき化合物を含有し、及び含有しない所望の増殖培地中で細胞をインキュベーションすることを含む。各種の原核細胞及び真核細胞に対する増殖条件は当業者には周知である (Ausubel et al., Current Protocols in Molecular Biology, Wiley and Sons, 1999; Bonifacino et al., Current Protocols in Cell Biology, Wiley and Sons, 1999, 両方を参考としてここに援用)。細胞増殖を検出するには、インキュベーションした培養細胞にテトラゾリウム塩を添加して、検出可能な産物への活性細胞による酵素転化を生じさせる。細胞を処理し、細胞の光学密度を求めて、ホルマザン誘導体の量を測定する。また、試薬とプロトコル (試験説明書) が入っている市販キットが、例えば、Promega社(マジソン、ウィスコンシン)、Sigma-Aldrich社(セントルイス、ミズーリ)、及びTrevigen社(ゲイザーズバーグ、メリーランド) から入手可能である。
【1073】
また、多様な細胞型を用いて化合物を抗増殖活性についてスクリーニングすることができる。そのような例として、とりわけ下記細胞系を挙げることができる:COLO 205 (大腸がん)、DLD−1 (大腸がん)、HCT−15 (大腸がん)、HT29 (大腸がん)、HEP G2 (肝細胞がん、ヘパトーマ)、K562 (白血病)、A549 (肺)、NCI−H249 (肺)、MCF7 (乳)、MDA−MB−231 (乳)、SAOS−2 (骨肉腫)、OVCAR−3 (卵巣)、PANC−1 (膵臓)、DU−145 (前立腺)、PC−3 (前立腺)、ACHN (直腸)、CAKI−1 (直腸)、MG−63 (肉腫)。
【1074】
細胞系は好ましくは哺乳動物のものであるが、酵母のような、より下級の真核細胞も化合物のスクリーニングのために使用することができる。好ましい哺乳動物細胞系は、ヒト、ラット、マウス、ウサギ、サル、ハムスター、及びモルモットに由来するものである。これらの生体に由来する細胞系は十分に研究され、特性決定されているからである。しかし、他の細胞もまた使用しうる。
【1075】
適当な哺乳動物細胞系は腫瘍に由来することが多い。例えば、下記の腫瘍細胞型が細胞培養のための細胞供給源となりうる:メラノーマ (黒色腫)、骨髄性白血病、肺がん、乳がん、卵巣がん、大腸がん、腎臓がん、前立腺がん、膵臓がん及び精巣がん、心筋細胞、内皮細胞、上皮細胞、リンパ球 (T細胞及びB細胞)、肥満細胞、好酸球、血管内膜細胞、肝(実質)細胞、単核白血球を含む白血球、造血、神経、皮膚、肺、腎臓、肝臓、及び筋細胞の幹細胞のような幹細胞 (分化及び脱分化の因子に対するスクリーニングに使用)、破骨細胞、軟骨細胞及び他の結合組織細胞、表皮細胞 (ケラチノサイト)、メラノサイト (メラニン形成細胞)、肝細胞、腎細胞、並びに脂肪細胞。研究者によって広く使用されてきた哺乳動物細胞系の制限しない例としては、HeLa、NIH/3T3、HT1080、CHO、COS−1、293T、WI−38及びCV1/EBNA−1が挙げられる。
【1076】
代謝活性の細胞を検出するためにリポーター遺伝子に依存する別の細胞検定も使用しうる。リポーター遺伝子発現系の制限ではない例としては、緑色蛍光タンパク質 (GFP)、及びルシフェラーゼがある。潜在的抗腫瘍薬のスクリーニングのためのGFPの使用例として、Sandman et al (Chem. Biol. 6: 541-51; 参考としてここに援用) は、GFPの誘導性変異体を含有するHeLa細胞を用いて、GFPの発現を阻害し、従って、細胞増殖を阻害する化合物を検出した。
【1077】
細胞系検定の1例を次に示す。本検定に使用した細胞系は、マウス・プロB(murine pro-B)細胞系であるBa/F3であり、これにはNPM−ALK及びその後のG418耐性細胞の選択をコードする発現ベクタpCI−neo
TM (Promega社、マディソン、ウィスコンシン)が安定的に形質移入されていた。形質移入されていないBa/F3細胞は、細胞生存についてはIL−3に依存する。これに対し、NPM−ALKを発現するBa/F3細胞(Ba/F3−NPM−ALKと命名)は、NPM−ALKキナーゼを通して増殖シグナルを得るので、IL−3の不存在下でも増殖することができる。従って、NPM−ALKキナーゼ阻害剤と推定された化合物は、この増殖シグナルを無効にし、抗増殖活性を生ずる。しかし、NPM−ALKキナーゼ阻害剤の抗増殖活性は、NPM−ALKに依存しない機序により増殖シグナルを付与するIL−3の添加によって打ち負かされ得る。FLT3キナーゼを用い類似の細胞系については、E. Weisberg et al., Cancer Cell, 2002, 1, 433-443を参照。
【1078】
一般式Iで示される化合物の阻害活性は、次のようにして求めることができる。Ba/F3−NPM−ALK細胞(15,000/微量定量プレートウェル)を96ウェル微量定量プレートに移すことができる。次いで、試験化合物(DMSOに溶解)を、DMSOの最終濃度が1%(v/v)を超えないような一連の濃度(希釈系列)で添加する。添加後、プレートを2日間インキュベーションすることができる。その間に試験化合物が添加されていない対照培養物は2サイクルの細胞分裂を受けることができる。Ba/F3−NPM−ALK細胞の増殖は、Yopro
TM染色 (T. Idziorek et al., J. Immunol. Methods, 1995, 185, 249-258) によって測定することができる。20mMクエン酸ナトリウム、pH4.0、26.8nM塩化ナトリウム、NP40 0.4%、20mM EDTA及び20mMからなる細胞溶解緩衝液25μLを各ウェルに添加する。細胞溶解は室温で60分以内に終了するので、DNAに結合したYoproの全量を、例えば、CytoFluor II 96ウェルリーダー(PerSeptive Biosystems)を用いた測定により求める。IC
50の値は、次式を用いてコンピュータ援助システムにより求めることができる。
【1079】
IC
50=[(ABS
test−ABS
start)/(ABS
control−ABS
start)]×100
式中、ABSは吸光度である。このような実験におけるIC
50値は、阻害剤を添加しない対照を用いて得られた細胞数より50%少ない細胞数を生ずる当該試験化合物の濃度であると定義される。
【1080】
本発明の化合物の抗増殖作用は、Ba/F3−NPM−ALK細胞系について上述した方法を用いて、WG Dirks et al., Int. J. Cancer, 2002, 100, 49-56に記載されているように、免疫ブロットによりヒトKARPAS-299リンパ腫細胞系において求めることもできる。
【1081】
別の実験では、KARPAS-299リンパ腫細胞系を用いて下記の手順で抗増殖活性を求めることができる。本発明の化合物を該細胞と一緒に3日間インキュベーションし、各ウェル内の生存細胞数を、MTSテトラゾリウム検定(Promega)を用いて間接的に測定した。この検定は、生存細胞数をその代謝活性の測定により求める比色定量法である。例えば、テトラゾリウム塩の青いホルマザン誘導体への酵素転化生成物の検出は、プレートリーダーを用いて490nmでの吸光度を測定することにより行われる。40μLのMTS試薬を、縁部のウェルを除いた全ウェルに添加した後、プレートを37℃のインキュベーターに2時間戻した。その後、各ウェルの吸光度を、Wallac Victore
2Vプレートリーダーを用いて490nmで測定した。IC
50値を、Micorsoft XL-fitソフトウェアを用いたベストフィット曲線において、0%阻害であるベースラインのDMSO対照と比較した場合にMTSシグナルを50%低下させるのに必要な化合物濃度を求めることにより算出した。
【1082】
このような細胞検定によって抗細胞増殖活性を有すると同定された化合物は、その後、完全生体において抗腫瘍活性について試験される。好ましくは、生体は哺乳動物である。がん研究のための十分に特性決定された哺乳動物系としては、ラット及びマウスのような齧歯動物が挙げられる。典型的には、対象となる腫瘍を、拒絶反応の可能性を低減させるためにその腫瘍に対して免疫学的応答を引き起こす能力を低減させたマウスに移植する。このようなマウスとしては、例えば、ヌードマウス (無胸腺) 及びSCID (重症複合型免疫不全) マウスがある。腫瘍遺伝子含有マウスのような他の形質転換 (トランスジェニック) マウスを本検定に使用してもよい (例えば、USP 4,736,868及びUSP 5,175,383を参照)。抗腫瘍薬試験に対する齧歯動物モデルの使用についての概説及び解説は、Kerbel (Cancer Metastasis Rev. 17: 301-304, 1898-99)を参照。
【1083】
一般に、対象となる腫瘍は試験動物の好ましくは皮下に移植される。腫瘍を含有させた生体を候補の抗腫瘍化合物の各種用量で処置する。腫瘍の大きさを定期的に測定して、腫瘍に対する試験化合物の効果を求める。一部の腫瘍型は、皮下位置以外の位置 (例、腹腔内位置) に移植され、生存日数が終点として測定される。一般的なスクリーニングにより検定されるパラメータとしては、腫瘍モデルの種類、各種の腫瘍及び薬剤経路、並びに投与の量とスケジュールが挙げられる。抗腫瘍化合物の検出におけるマウスの使用の概説については、Corbett et al., (Invest New Drugs, 15:207-218, 1997; ここに参考として援用) を参照。
【1084】
結果
本発明の多様な化合物が、多くの重要なキナーゼ標的を強力に阻害することが見出された。例えば、キナーゼALKの阻害剤として試験した場合に示されたIC
50値は、多くの化合物では100nM以下であり、多くの例では10nM以下、時には1nM以下であった。そのような化合物としては、R
a又はR
e置換基としてホスフィンオキシド基を含有する化合物、並びにX
3及びX
4位置が多くの態様において存在している置換又は非置換縮合環の基部である化合物が挙げられる。一部の化合物は、ALK、FER、FLT3、FES/FPS、FAK/PTK2、BRKその他のようなキナーゼを含む1集団のキナーゼに対して一桁ナノモルレベルの阻害剤であった。多様な構造の本発明の化合物が、或る種のキナーゼを他のものより優先的に阻害する優先性と薬物動態学的挙動の変動を示すことが認められた。このことは、この種の化合物が強力な薬剤の供給源として非常に興味ある化合物であることを確認するものである。
【1085】
上記を例証するために、多種の群の化合物(下に示す)を試験したところ、キナーゼALKに対して試験した場合のIC
50値が1nM以下であることが認められた。
【1086】
【化341】
[この文献は図面を表示できません]
【1087】
(実施例21)
薬剤組成物:
下記に例示するような本発明の化合物の代表的な製剤剤形 (本発明の化合物である有効成分を単に「化合物」という)が、ヒトにおける治療及び予防用に提供される。
【1088】
(a) 錠剤1 mg/錠
化合物 100
乳糖 (欧州薬局方) 182.75
クロスカルメロースナトリウム 12.0
コーンスターチペースト (5% w/v ヘ゜ースト) 2.25
ステアリン酸マグネシウム 3.0。
【1089】
(b) 錠剤2 mg/錠
化合物 50
乳糖 (欧州薬局方) 223.75
クロスカルメロースナトリウム 6.0
コーンスターチ 15.0
ポリビニルピロリドン (5% w/v ヘ゜ースト) 2.25
ステアリン酸マグネシウム 3.0。
【1090】
(c) 錠剤3 mg/錠
化合物 1.0
乳糖 (欧州薬局方) 93.25
クロスカルメロースナトリウム 4.0
コーンスターチペースト (5% w/v ヘ゜ースト) 0.75
ステアリン酸マグネシウム 1.0〜76。
【1091】
(d) カプセル剤 mg/カプセル
化合物 10
乳糖 (欧州薬局方) 488.5
マグネシウム 1.5。
【1092】
(e) 注射液1 (50 mg/mL)
化合物 5.0% w/v
1M 水酸化ナトリウム溶液 15.0% w/v
0.1M 塩酸 (pH 7.6に調整する量)
ポリエチレングリコール400 4.5% w/v
注射用蒸留水を加えて 100%。
【1093】
(f) 注射液2 (10 mg/mL)
化合物 1.0% w/v
リン酸ナトリウムリBP 3.6% w/v
0.1M 水酸化ナトリウム溶液 15.0% w/v
注射用蒸留水を加えて 100%。
【1094】
(g) 注射液3 (1 mg/mL、pH 6に緩衝)
化合物 0.1% w/v
リン酸ナトリウムリBP 2.26% w/v
クエン酸 0.38% w/v
ポリエチレングリコール400 3.5% w/v
注射用蒸留水を加えて 100%。
【1095】
(h) エアゾール1 mg/mL
化合物 10.0
ソルビタントリオレエート 13.5
トリクロロフルオロメタン 910.0
ジクロロジフルオロメタン 490.0。
【1096】
(i) エアゾール2 mg/mL
化合物 0.2
ソルビタントリオレエート 0.27
トリクロロフルオロメタン 70.0
ジクロロジフルオロメタン 280.0
ジクロロテトラフルオロエタン 1094.0。
【1097】
(j) エアゾール3 mg/mL
化合物 2.5
ソルビタントリオレエート 3.38
トリクロロフルオロメタン 67.5
ジクロロジフルオロメタン 1086.0
ジクロロテトラフルオロエタン 191.6。
【1098】
(k) エアゾール4 mg/mL
化合物 2.5
大豆レクチン 2.7
トリクロロフルオロメタン 67.5
ジクロロジフルオロメタン 1086.0
ジクロロテトラフルオロエタン 191.6。
【1099】
(l) 軟膏 /mL
化合物 40 mg
エタノール 300μL
水 300μL
1-ドデシルアザシクロヘプタン-2-オン 50μL
プロピレングリコールを加えて 1 mL。
【1100】
(注)上記の処方組成物は、製薬技術分野で周知の慣用手法を用いて製剤化され得る。錠剤(a)〜(c)は、例えば、セルロースアセテートフタレートによる被覆錠剤としたい場合には、慣用手段により腸溶性被覆を施してもよい。エアゾール処方組成物(h)〜(k)は、標準的な計量投与エアゾール・ディスペンサーと組み合わせて使用することができ、懸濁剤のソルビタントリオレエート及び大豆レシチンは、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリソルベート80、ポリグリセロールオレエート、又はオレイン酸などの別の懸濁剤に置換してもよい。
【1101】
他の態様
本明細書中で言及した全ての刊行物、特許及び特許出願を、それぞれ独立した個々の刊行物又は特許出願が具体的かつ個別に参考文献として言及されたものである場合と同程度にここに参考文献として援用する。
【1102】
以上に本発明をその特定の態様について説明したが、さらなる変更も可能であり、本出願は、本発明の原理に一般に従い、かつ本発明が属する技術分野の公知又は慣用の実施範囲内に入り、既に述べた必須の構成に適合しうる、そして以下の特許請求の範囲に従う、本発明からの派生をも包含する、本発明のあらゆる変更、使用又は応用を包含するものであることは当然であろう。
【1103】
他の態様は特許請求の範囲にある。