上記一般式(4)で示される含窒素ペルフルオロアルキル基を有するカルボン酸ハロゲン化物と上記一般式(5)で示されるアルコールとを、非プロトン性溶媒中において、塩基存在下で反応させることを特徴とする請求項10に記載のノニオン系含フッ素界面活性剤の製造方法。
上記非プロトン性溶媒が、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド及びこれらの任意の混合物からなる群から選択される溶媒であることを特徴とする請求項11に記載のノニオン系含フッ素界面活性剤の製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、炭素数8以上のペルフルオロアルキル基を含有せず、生体蓄積性や環境適応性の点で問題となるPFOSまたはPFOAを生成する懸念がない化学構造でありながら、優れた表面張力低下能を有する新規なノニオン系含フッ素界面活性剤を提供することを課題とする。
【0007】
また、上記ノニオン系含フッ素界面活性剤を簡便な方法で収率良く合成できる製造方法を提供することを課題とする。
さらに、水中にフッ素樹脂微粒子を均一に分散させることが可能なフッ素樹脂分散剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1] 下記一般式(1)で示されるノニオン系含フッ素界面活性剤。
【化1】
上記式(1)中、Rf
1及びRf
2は、それぞれ同一または互いに異なる炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基であって、直鎖状又は分枝状であってもよい。また、上記Rf
1及びRf
2は、直接結合して環状を形成していても良いし、酸素原子または窒素原子を介して結合し、複素環を形成していてもよい。さらに、Rf
3は、炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であって、直鎖状又は分枝状であってもよい。
また、上記式(1)中、R
1は、水素原子またはメチル基である。また、R
2は、炭素数1〜8の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基である。さらに、nは、3〜50の整数である。
[2] 上記式(1)中、R
1が水素原子であることを特徴とする前項[1]に記載のノニオン系含フッ素界面活性剤。
[3] 上記式(1)中、R
2がメチル基であることを特徴とする前項[1]又は[2]に記載のノニオン系含フッ素界面活性剤。
[4] 下記一般式(2)で示される窒素原子を含むペルフルオロ複素環を有することを特徴とする前項[1]に記載のノニオン系含フッ素界面活性剤。
【化2】
上記式(2)中、Rf
4、Rf
5及びRf
6は、それぞれ同一または互いに異なる炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であって、直鎖状又は分枝状であってもよい。Xは、酸素原子、窒素原子又はCF
2基である。
また、上記式(2)中、R
3は、水素原子またはメチル基である。また、R
4は、炭素数1〜8の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基である。さらに、nは、3〜50の整数である。
[5] 上記式(2)中、R
3が水素原子であることを特徴とする前項[4]に記載のノニオン系含フッ素界面活性剤。
[6] 上記式(2)中、R
4がメチル基であることを特徴とする前項[4]又は[5]に記載のノニオン系含フッ素界面活性剤。
[7] 下記一般式(3)で示される直鎖状のペルフルオロアルキル基を有することを特徴とする前項[1]に記載のノニオン系含フッ素界面活性剤。
【化3】
上記式(3)中、m及びnは、それぞれ同一又は互いに異なる1〜6の整数である。また、Rf
7は、炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であって、直鎖状又は分枝状であってもよい。
また、上記式(3)中、R
5は、水素原子またはメチル基である。また、R
6は、炭素数1〜8の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基である。さらに、nは、3〜50の整数である。
[8] 上記式(3)中、R
5が水素原子であることを特徴とする前項[7]に記載のノニオン系含フッ素界面活性剤。
[9] 上記式(3)中、R
6がメチル基であることを特徴とする前項[7]又は[8]に記載のノニオン系含フッ素界面活性剤。
[10] 前項[1]に記載のノニオン系含フッ素界面活性剤の製造方法であって、
下記一般式(4)で示される含窒素ペルフルオロアルキル基を有するカルボン酸ハロゲン化物と、下記一般式(5)で示されるアルコールと、を原料として用いることを特徴とするノニオン系含フッ素界面活性剤の製造方法。
【化4】
上記式(4)中、Rf
1及びRf
2は、それぞれ同一または互いに異なる炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基であって、直鎖状又は分枝状であってもよい。また、上記Rf
1及びRf
2は、直接結合して環状を形成していても良いし、酸素原子または窒素原子を介して結合し、複素環を形成していてもよい。また、Rf
3は、炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であって、直鎖状又は分枝状であってもよい。さらに、Yは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から選択されるいずれか1のハロゲン原子である。
【化5】
上記式(5)中、R
1は、水素原子またはメチル基である。また、R
2は、炭素数1〜8の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基である。さらに、nは、3〜50の整数である。
[11] 上記一般式(4)で示される含窒素ペルフルオロアルキル基を有するカルボン酸ハロゲン化物と上記一般式(5)で示されるアルコールとを、非プロトン性溶媒中において、塩基存在下で反応させることを特徴とする前項[10]に記載のノニオン系含フッ素界面活性剤の製造方法。
[12] 上記非プロトン性溶媒が、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド及びこれらの任意の混合物からなる群から選択される溶媒であることを特徴とする前項[11]に記載のノニオン系含フッ素界面活性剤の製造方法。
[13] 前記塩基が、MF、MOH、M
2CO
3、MHCO
3、アミン、アンモニアからなる群から選ばれた化合物のいずれか一種、又はこれらの任意の混合物からなる群から選択される塩基であることを特徴とする前項[11]又は[12]に記載のノニオン系含フッ素界面活性剤の製造方法。ただし上記Mは、Na、K、Li、アンモニウムカチオンのいずれか一種である。
[14] 上記式(5)中、R
1が水素原子であることを特徴とする前項[10]乃至[13]のいずれか一項に記載のノニオン系含フッ素界面活性剤の製造方法。
[15] 上記式(5)中、R
2がメチル基であることを特徴とする前項[10]乃至[14]のいずれか一項に記載のノニオン系含フッ素界面活性剤の製造方法。
[16] 前項[1]に記載のノニオン系含フッ素界面活性剤を含むことを特徴とするフッ素樹脂分散剤。
【発明の効果】
【0009】
本発明のノニオン系含フッ素界面活性剤は、優れた表面張力低下能を有し、かつ、炭素数が8以上の直鎖状のペルフルオロアルキル基を有しないので生体蓄積性が低く、環境適応性にも優れた、新規なノニオン系含フッ素界面活性剤である。
【0010】
また、本発明のノニオン系含フッ素界面活性剤の製造方法は、上記ノニオン系含フッ素界面活性剤を簡便な方法で収率良く合成することができる。
さらに、本発明のフッ素樹脂分散剤は、水中にフッ素樹脂微粒子を均一に分散させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を適用した一実施形態であるノニオン系含フッ素界面活性剤について、その製造方法及びそれを主たる成分とするフッ素樹脂分散剤とともに詳細に説明する。
【0012】
<ノニオン系含フッ素界面活性剤>
先ず、本実施形態のノニオン系含フッ素界面活性剤の構成について説明する。
本実施形態のノニオン系含フッ素界面活性剤は、下記一般式(1)で表すことができる。
【0014】
なお、上記式(1)中、Rf
1及びRf
2は、それぞれ同一または互いに異なる炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基であって、直鎖状又は分枝状であってもよい。また、上記Rf
1及びRf
2は、直接結合して環状を形成していても良いし、酸素原子または窒素原子を介して結合し、複素環を形成していてもよい。
また、Rf
3は、炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であって、直鎖状又は分枝状であってもよい。
【0015】
また、上記式(1)中、R
1は、水素原子またはメチル基である。また、R
2は、炭素数1〜8の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基である。さらに、nは、3〜50の整数であり、4〜30の範囲とすることが好ましい。ここで、nを大きな値とすることにより、上記式(1)で示されるノニオン系含フッ素界面活性剤の一分子中に、より多くのポリエーテル構造を付加することができるため(すなわち、親水性のエチレンオキシド基をより多く付加することができるため)、水系の溶剤への溶解性を高めることができる。一方、nを大きな値とすると、上記式(1)で示されるノニオン系含フッ素界面活性剤の分子量が大きくなり、単位量当たりのフッ素含有率が低下するため、表面張力低下能が低下してしまう。したがって、使用の目的に応じてnの値を適宜選択することが好ましい。
【0016】
上記式(1)で表されるノニオン系含フッ素界面活性剤の例として、下記一般式(2)で表されるペルフルオロ複素環を有するものと、下記式(3)で表されるペルフルオロアミン構造を有するものと、が挙げられる。
【0018】
ここで、上記式(2)中、Rf
4、Rf
5及びRf
6は、それぞれ同一または互いに異なる炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であって、直鎖状又は分枝状であってもよい。また、nは、3〜50の整数である。Xは、酸素原子、窒素原子又はCF
2基である。
また、上記式(2)中、R
3は、水素原子またはメチル基である。また、R
4は、炭素数1〜8の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基である。さらに、nは、3〜50の整数である。
【0020】
上記式(3)中、m及びnは、それぞれ同一又は互いに異なる1〜6の整数である。また、Rf
7は、炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であって、直鎖状又は分枝状であってもよい。さらに、nは、3〜50の整数である。
また、上記式(3)中、R
5は、水素原子またはメチル基である。また、R
6は、炭素数1〜8の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基である。さらに、nは、3〜50の整数である。
【0021】
上記式(2)で表されるノニオン系含フッ素界面活性剤の具体例としては、ペルフルオロ複素環として、ペルフルオロピペリジン、ペルフルオロピロリジン、ペルフルオロピペラジン、ペルフルオロモルホリン、ペルフルオロヘキサメチレンイミンを有するものが例示できる。
より具体的には、例えば、下記式(6)〜(13)で表される構造(但し、「−CO−」部分までを含む構造)が挙げられる。
【0022】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
【化15】
【化16】
【0023】
また、上記式(3)で表されるノニオン系含フッ素界面活性剤の具体例としては、例えば、下記式(14)〜(23)で表される構造(但し、「−CO−」部分までを含む構造)が挙げられる。
【0024】
【化17】
【化18】
【化19】
【化20】
【化21】
【化22】
【化23】
【化24】
【化25】
【化26】
【0025】
また、上記式(1)〜(3)で表されるノニオン系含フッ素界面活性剤の、「−CO−」部分以降の構造としては、具体的には、例えば、下記式(24)〜(38)で表される構造が挙げられる。
【0026】
【化27】
【化28】
【化29】
【化30】
【化31】
【化32】
【化33】
【化34】
【化35】
【化36】
【化37】
【化38】
【化39】
【化40】
【化41】
【0027】
ここで、上記式(1)〜(3)で表されるノニオン系含フッ素界面活性剤としては、上記式(1)〜(3)中に示す、R
2,R
4及びR
6がメチル基(すなわち、上記式(24)及び上記式(32)の構造)であることが好ましく、さらにR
1,R
3及びR
5が水素(すなわち、上記式(24)の構造)であることがより好ましい。
【0028】
本実施形態のノニオン系含フッ素界面活性剤は、水性溶媒や有機溶媒が用いられている塗料やインキ、床ワックスのレベリング性を得るためのレベリング剤や、フッ素樹脂の乳化重合剤、又は通常酸性であるめっき液やエッチング液の添加剤、高分散性による樹脂特性を向上させるための樹脂改質剤、離型性や帯電防止性能、防汚、防錆、殺菌機能を付与するためのコーティング添加剤や表面処理剤、高い浸透性による洗浄剤や繊維処理剤、消火薬剤、農業用フィルム防霧剤、湿潤剤、潤滑剤、接着剤、さらには半導体製造工程、液晶、各種磁気ディスク、光学材料などの製造工程などの用途に好適に使用することができる。
【0029】
なお、上記用途に用いる際、ノニオン系含フッ素界面活性剤の使用可能な溶媒については特に限定されるものではなく、水溶液の他、有機溶媒であってもよい。有機溶媒の例としてはメタノールやエタノールなどのアルコール、酢酸エチル等のエステル系溶媒、アセトン等のケトン系溶媒、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン等の炭化水素系溶媒が挙げられる。また、水溶液についてもpHが酸性、中性及び塩基性のいずれの範囲であっても優れた界面活性能を発揮することが可能である。
【0030】
また、上記用途に用いる際、本実施形態のノニオン系含フッ素界面活性剤は、1種で使用してもよいし、2種以上で併用してもよい。さらには、ノニオン系含フッ素界面活性剤以外の成分との混合物として用いてもよい。
【0031】
本実施形態のノニオン系含フッ素界面活性剤は、生体蓄積性が問題となる炭素数8以上の直鎖状ペルフルオロアルキル基を有しない。また、本実施形態のノニオン系含フッ素界面活性剤は、ヘテロ原子を有する構造であるため、主骨格が炭素のみから形成されるペルフルオロアルキル基含有化合物と比べて、分解されやすくなるという効果が得られる。
【0032】
<ノニオン系含フッ素界面活性剤の製造方法>
次に、本実施形態のノニオン系含フッ素界面活性剤の製造方法について説明する。
本実施形態のノニオン系含フッ素界面活性剤の製造方法は、下記一般式(4)で示される含窒素ペルフルオロアルキル基を有するカルボン酸ハロゲン化物と下記一般式(5)で示されるアルコールとを、非プロトン性溶媒中において、塩基存在下で反応させることを特徴とする。
【0033】
【化42】
上記式(4)中、Rf
1及びRf
2は、それぞれ同一または互いに異なる炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基であって、直鎖状又は分枝状であってもよい。また、上記Rf
1及びRf
2は、直接結合して環状を形成していても良いし、酸素原子または窒素原子を介して結合し、複素環を形成していてもよい。また、Rf
3は、炭素数1〜6のペルフルオロアルキレン基であって、直鎖状又は分枝状であってもよい。さらに、Yは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から選択されるいずれか1のハロゲン原子である。
【0034】
【化43】
上記式(5)中、R
1は、水素原子またはメチル基である。
また、R
2は、炭素数1〜8の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基である。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
さらに、nは、3〜50の整数である。
【0035】
上記式(4)で示される含窒素ペルフルオロアルキル基を有するカルボン酸ハロゲン化物は、例えば、対応するカルボン酸エステル又はハロゲン化物をフッ化水素中で電解フッ素化することにより得ることができる。また、上記Yがフッ素原子以外のハロゲン原子であるものを用いる場合には、例えば、前記電解フッ素化により得られたペルフルオロアルキル基を有するカルボン酸フルオリドを加水分解処理して、対応するカルボン酸を生成させた後、適当なハロゲン化剤(例えば、塩化チオニル、塩化オキサリル、塩化ホスホリル、塩化スルフリル、三塩化リン、五塩化リン、三臭化リン、五臭化リン、臭化水素、ヨウ化水素等)を反応させて、対応するカルボン酸ハロゲン化物に誘導することにより得ることができる。
【0036】
また、上記式(4)で示される含窒素ペルフルオロアルキル基を有するカルボン酸ハロゲン化物の具体例(すなわち、Rf
1,Rf
2及びRf
3の具体例)としては、例えば、下記式(39)〜(58)で表される構造が挙げられる。
【0037】
【化44】
【化45】
【化46】
【化47】
【化48】
【化49】
【化50】
【化51】
【化52】
【化53】
【化54】
【化55】
【化56】
【化57】
【化58】
【化59】
【化60】
【化61】
【化62】
【化63】
【0038】
上記式(5)で示されるアルコールは、エチレングリコール系エーテル、プロピレングリコール系エーテル等として市販(例えば、日本乳化剤株式会社等)されており容易に入手できる。
【0039】
また、上記式(5)で示されるアルコールの具体例(すなわち、R
1及びR
2の具体例)としては、例えば、下記式(59)〜(73)で表される構造が挙げられる。
【0040】
【化64】
【化65】
【化66】
【化67】
【化68】
【化69】
【化70】
【化71】
【化72】
【化73】
【化74】
【化75】
【化76】
【化77】
【化78】
【0041】
上記一般式(4)で示される含窒素ペルフルオロアルキル基を有するカルボン酸ハロゲン化物と上記一般式(5)で示されるアルコールとの反応に用いる非プロトン性溶媒としては、アセトニトリル、トルエン、ベンゼン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド及びこれらの任意の混合物からなる群から選択される溶媒を例示することができるが、特に、アセトニトリル、トルエン、テトラヒドロフランが好ましい。
【0042】
塩基としては、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化リチウム、フッ化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素アンモニウム、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリヘキシルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、ピリジン、2、6−ジメチルピリジン、アンモニア等を例示することができるが、特に、フッ化カリウム、フッ化ナトリウムが好ましい。
【0043】
塩基の使用量は、上記一般式(5)で示されるアルコール1モルに対して、1〜3モルとすることが好ましく、1.1〜1.5モルとすることがより好ましい。ここで、塩基の使用量が1モル未満であると、反応が十分に進行しないために好ましくない。一方、3モルを超えると、過剰の塩基を除去する工程が必要になるため好ましくない。
【0044】
上記一般式(5)で示されるアルコールの使用量は、上記一般式(4)で示される含窒素ペルフルオロアルキル基を有するカルボン酸ハロゲン化物1モルに対して、0.8〜2.0モルとすることが好ましく、1.0〜1.3モルとすることがより好ましい。ここで、アルコールの使用量が0.8モル未満であると、含窒素ペルフルオロアルキル基を有するカルボン酸ハロゲン化物が過剰量になるので実用的ではない。一方、2.0モルを超えると、アルコールの除去が困難となるために好ましくない。
【0045】
反応温度は、−20〜100℃とすることが好ましく、0〜50℃とすることがより好ましい。ここで、反応温度が−20℃未満であると、十分な反応速度が得られないために好ましくない。一方、100℃を超えると、反応の抑制が困難となるために好ましくない。
【0046】
反応時間は、0.5〜24時間とすることが好ましく、1〜6時間とすることがより好ましい。ここで、反応時間が0.5時間未満であると、反応が十分に進行しないために好ましくない。一方、24時間を超えると、反応系が複雑になってしまうために好ましくない。
【0047】
<フッ素樹脂分散剤>
次に、本実施形態のフッ素樹脂分散剤について説明する。
本実施形態のフッ素樹脂分散剤は、上述したノニオン系含フッ素界面活性剤を主たる成分として含むことを特徴とする。
【0048】
また、本実施形態のフッ素樹脂分散剤は、他の成分として媒体(例えば、有機溶媒および水などの液状媒体)を含んでいてもよい。フッ素樹脂分散剤中のノニオン系含フッ素界面活性剤の濃度としては、具体的には、例えば、0.01〜10質量%であってもよく、0.05〜1質量%の範囲であることが好ましい。
【0049】
本実施形態のフッ素樹脂分散剤に適用可能な有機溶媒は、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、α,α,α−トリフルオロトルエン、1,3−ビストリフルオロメチルベンゼン、1,4−ビストリフルオロメチルベンゼン、ペルフルオロオクタン、ペルフルオロヘキサンなどのフッ素系溶媒等を用いることができる。
【0050】
なお、後述するフッ素樹脂の分散において、本実施形態のフッ素樹脂分散剤を用いる場合、フッ素樹脂粒子中のノニオン系含フッ素界面活性剤の添加量は、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.5〜5重量%であることがより好ましい。
【0051】
さらに、本実施形態のフッ素樹脂分散剤には、上述したノニオン系含フッ素界面活性剤以外に、他のフッ素系界面活性剤、あるいは、炭化水素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤などを添加してもよい。
【0052】
ところで、先行特許文献(例えば、特表2006−516673号公報、等)には、従来のフッ素樹脂分散剤として、ペルフルオロアルキル鎖の炭素数が6以上のペルフルオロアルキル基含有オリゴマー型のフッ素系界面活性剤が開示されている。これらのうち、ペルフルオロアルキル鎖の炭素数が8以上のフッ素樹脂分散剤は、生体への蓄積性が懸念されていた。また、ペルフルオロアルキル鎖の炭素数が8未満の従来のフッ素樹脂分散剤では、表面エネルギーが低く、比重が大きいフッ素樹脂の微粒子を、粘度の低い水中に均一に分散させることは困難であった。
【0053】
これに対して、本実施形態のフッ素樹脂分散剤は、上述したノニオン系含フッ素界面活性剤を主たる成分として含んでいるため、分散媒や樹脂溶液の表面張力を大幅に低下させてフッ素樹脂表面に対する濡れ性を向上(すなわち、分散性を向上)させることができるとともに、フッ素樹脂の凝集を防止(すなわち、分散安定性を向上)する効果が得られる。したがって、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)をはじめとするフッ素樹脂の微粒子を、水中に均一に分散させることができる。
【0054】
さらに、本実施形態のフッ素樹脂分散剤は、元のフッ素樹脂微粒子とほぼ同等の粒径に近い状態で、水中に均一に分散させることができる。
【0055】
<フッ素樹脂の分散方法>
次に、本実施形態のフッ素樹脂分散剤の使用方法、すなわち、フッ素樹脂の微粒子を分散媒に分散させる方法について、以下に説明する。
【0056】
(フッ素樹脂の微粒子)
本実施形態のフッ素樹脂分散剤を用いた分散方法に用いることができるフッ素樹脂としては、特に限定されるものではない。具体的には、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PFA(四フッ化エチレン・ペルフルオロアルコキシエチレン共重合体)、FEP(四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)、ETFE(エチレン・四フッ化エチレン共重合体)、ECTFE(エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体)等が挙げられる。
また、フッ素樹脂の粒径としては、特に限定されるものではないが、例えば、0.01〜1000μmの範囲であってもよく、0.1〜100μmの範囲であることが好ましい。
【0057】
(分散媒)
フッ素樹脂の微粒子を分散させる分散媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン等の有機溶媒、フッ素系不活性液体等が挙げられる。
【0058】
(フッ素樹脂の分散方法)
フッ素樹脂の分散方法としては、特に限定されるものではなく、従来既知の方法を適用することができる。具体的には、通常、分散媒である水または有機溶剤にフッ素樹脂の微粒子が添加された混合液に、本実施形態のフッ素樹脂分散剤を所要量添加した後、所要時間攪拌することにより、フッ素樹脂微粒子の分散液を得ることができる。
【0059】
以上説明したように、本実施形態のノニオン系含フッ素界面活性剤は、ヘテロ原子を有するペルフルオロアルキル基含有化合物であるため、優れた表面張力低下能を有しており、かつ、炭素数が6以上の直鎖状のペルフルオロアルキル基を有しないので生体蓄積性が低く、環境適応性にも優れた、新規なノニオン系含フッ素界面活性剤である。
【0060】
また、本実施形態のノニオン系含フッ素界面活性剤の製造方法は、原料である化合物の入手が比較的容易であり、かつ、複雑な反応を経ないため、上記ノニオン系含フッ素界面活性剤を簡便な方法で収率良く合成することができる。
【0061】
さらに、本実施形態のノニオン系含フッ素界面活性剤は、フッ素樹脂分散剤の用途に好適に用いることができる。すなわち、本実施形態のノニオン系含フッ素界面活性剤を主成分とするフッ素樹脂分散剤は、粘度の低い水中にフッ素樹脂微粒子を均一に分散させることが可能であり、かつ、炭素数が6以上の直鎖状のペルフルオロアルキル基を有しないので生体蓄積性が低く、環境適応性にも優れた、新規なフッ素樹脂分散剤である。
【0062】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【実施例】
【0063】
以下、実施例によって本発明の効果をさらに詳細に説明する。なお、本発明は実施例によって、なんら限定されるものではない。
【0064】
(実施例1)
滴下ロートを備えた三口フラスコに、アルコール(92.8g)(商品名:MPG−130−H2、分子量:428、日本乳化剤社製)とフッ化カリウム(13.9g)(和光純薬工業株式会社製)とアセトニトリル(220ml)を投入した。滴下ロートに、「CH
2(CH
2CH
2)
2NCH
2CH(CH
3)CO
2CH
3」の電解フッ素化により得られる、「CF
2(CF
2CF
2)
2NCF
2CF(CF
3)COF」(100.0g)を入れ、室温で徐々に滴下した。
滴下終了後、室温で1時間攪拌し、析出したKF・HFを濾過で除去した。得られた溶液をロータリーエバポレーターにより濃縮し、トルエン(150ml)に再溶解させ、析出した固体を濾過により除去した。さらに、得られた溶液を再濃縮し、アセトニトリル(150ml)に再溶解させた。
得られた溶液を濾過し、濃縮することによって、下記の一般式(74)に示されるノニオン系含フッ素界面活性剤169.9g(収率90%)を得た。
【0065】
【化79】
【0066】
(実施例2)
上記実施例1で用いたアルコール(商品名:MPG−130H2、平均分子量:428、日本乳化剤社製)の代わりにアルコール(商品名:MPG−081、平均分子量:692、日本乳化剤社製)を用いた以外は実施例1と同様にして、下記の一般式(75)に示されるノニオン系含フッ素界面活性剤(収率90%)を得た。
【0067】
【化80】
【0068】
(実施例3)
上記実施例1で用いた、「CF
2(CF
2CF
2)
2NCF
2CF(CF
3)COF」の代わりに、「O(CH
2CH
2)
2NCH
2CH(CH
3)CO
2CH
3」の電解フッ素化により得られる「O(CF
2CF
2)
2NCF
2CF(CF
3)COF」を用いた以外は実施例1と同様にして、下記の一般式(76)に示されるノニオン系含フッ素界面活性剤(収率86%)を得た。
【0069】
【化81】
【0070】
(実施例4)
上記実施例2で用いた、「CF
2(CF
2CF
2)
2NCF
2CF(CF
3)COF」の代わりに、「O(CH
2CH
2)
2NCH
2CH(CH
3)CO
2CH
3」の電解フッ素化により得られる「O(CF
2CF
2)
2NCF
2CF(CF
3)COF」を用いた以外は実施例2と同様にして、下記の一般式(77)に示されるノニオン系含フッ素界面活性剤(収率95%)を得た。
【0071】
【化82】
【0072】
(実施例5)
上記実施例1で用いた、「CF
2(CF
2CF
2)
2NCF
2CF(CF
3)COF」の代わりに、「(C
4H
9)
2NCH
2CH
2CO
2CH
3」の電解フッ素化により得られる「(C
4F
9)
2NCF
2CF
2COF」を用いた以外は実施例1と同様にして、下記の一般式(78)に示されるノニオン系含フッ素界面活性剤(収率89%)を得た。
【0073】
【化83】
【0074】
(実施例6)
上記実施例2で用いた、「CF
2(CF
2CF
2)
2NCF
2CF(CF
3)COF」の代わりに、「(C
4H
9)
2NCH
2CH
2CO
2CH
3」の電解フッ素化により得られる「(C
4F
9)
2NCF
2CF
2COF」を用いた以外は実施例2と同様にして、下記の一般式(79)に示されるノニオン系含フッ素界面活性剤(収率89%)を得た。
【0075】
【化84】
【0076】
(実施例7)
上記実施例1で用いた、「CF
2(CF
2CF
2)
2NCF
2CF(CF
3)COF」の代わりに、「(CH
3)
2NCH
2CH(CH
3)CO
2CH
3」の電解フッ素化により得られる「(CF
3)
2NCF
2CF(CF
3)COF」を用いた以外は実施例1と同様にして、下記の一般式(80)に示されるノニオン系含フッ素界面活性剤(収率90%)を得た。
【0077】
【化85】
【0078】
(比較例1)
滴下漏斗を備えた三つ口フラスコ(50ml)内に、下記式(81)で表される含フッ素エーテル化合物6.02g(12m mol)、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(平均分子量:400)4.00g(10m mol)及びテトラヒドロフラン10gを入れた。一方、テトラヒドロフラン10gにカリウムt−ブトキシド1.34g(12m mol)を溶解させた溶液を滴下漏斗内へ入れ、該溶液を上記のフラスコ内容物中へ約30分かけて攪拌下で徐々に滴下した。滴下終了後、室温(20〜25℃)下で、攪拌をさらに3時間続行した。
次に、反応混合物を100mlの丸底フラスコに移し、ロータリーエバポレーターを用いて溶剤を蒸発させた後、酢酸エチル30ml及び水30mlを用いる抽出処理に1回付した。次いで、有機層を飽和食塩水30mlで処理し、抽出物を、ロータリーエバポレーターを用いる溶剤蒸発処理に付すことによって粗精製物を得た。該粗精製物を、アルミナ50gを用いるカラムクロマトグラフィー精製処理に付すことによって、下記の一般式(82)で表される化合物を6.28g得た(収率:73%)。
【0079】
【化86】
【0080】
【化87】
【0081】
(比較例2)
滴下漏斗を備えた三つ口フラスコ(50ml)内に、上記式(81)で表される含フッ素エーテル化合物6.02g(12m mol)、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(平均分子量:1000)10.00g(10m mol)及びテトラヒドロフラン10gを入れた。一方、テトラヒドロフラン10gにカリウムt−ブトキシド1.34g(12mmol)を溶解させた溶液を滴下漏斗内へ入れ、該溶液を上記のフラスコ内容物中へ約30分かけて攪拌下で徐々に滴下した。滴下終了後、室温(20〜25℃)下で、攪拌をさらに3時間続行した。
次に、反応混合物を100mlの丸底フラスコ内へ移し、ロータリーエバポレーターを用いて溶剤を蒸発させた。アセトニトリル10gを添加して1日静置させた後、沈殿物を濾取して溶剤を蒸発させる処理を2回行うことによって粗精製物を得た。該粗精製物をイオン交換樹脂で処理することによって、下記の一般式(83)で表される化合物を2.76g得た(収率:37%)。
【0082】
【化88】
【0083】
(比較例3)
技術文献「油化学 1997、26巻、613−619ページ」に記載された、下記の一般式(84)で表される、炭素数が8のペルフルオロアルキル基を有するノニオン系含フッ素界面活性剤(PFOS誘導体)を準備した。
【0084】
【化89】
【0085】
(検証試験1)
「ノニオン系含フッ素界面活性剤の界面活性能評価」
上記実施例1〜7及び比較例1〜3にて合成したノニオン系含フッ素界面活性剤の界面活性能評価を行うため、水溶液中での表面張力測定を行った。なお、表面張力測定は、協和界面科学社製自動表面張力計CBVP−Z型を用い、Wilhelmy法により測定を行った。評価結果を下記表1に示す。
【0086】
【表1】
【0087】
表1に示すように、実施例1〜7のノニオン系含フッ素界面活性剤は、従来のノニオン系含フッ素界面活性剤である比較例1及び比較例2と比較して、同添加量で同等以上の界面活性能を有することがわかった。また、環境および生体への蓄積性が問題となっているPFOS誘導体である比較例3と比較しても、同等の界面活性能を有していることがわかった。一方、実施例1〜7のノニオン系含フッ素界面活性剤は、従来のノニオン系含フッ素界面活性剤である比較例1及び比較例2と比較して、いずれも85%以上の高い収率であることがわかった。
【0088】
(検証試験2)
「ノニオン系含フッ素界面活性剤の濡れ性評価」
ノニオン系含フッ素界面活性剤の濡れ性評価を行うため、上記界面活性剤を1000ppm濃度に溶解させた水溶液を用い、PETフィルムおよびPTFEシート上に対する濡れ性を比較した。評価結果を下記表2に示す。
なお、評価基準は、以下の通りである。
液滴量:50μl
○:液滴が濡れ広がり、液滴形状が維持されない
△:液滴が濡れ広がらず、液滴形状が残る
【0089】
【表2】
【0090】
表2に示すように、本発明のノニオン系含フッ素界面活性剤は、PETフィルムおよびPTFEシートに対する濡れ性にも優れていることがわかった。
【0091】
(実施例8)
水50gにPTFE粉末(粒径:1μm)を2g、フッ素樹脂分散剤として実施例1で合成したノニオン型界面活性剤を0.05g入れた後、セラミックビーズを10g投入し、ペイントシェーカーで2時間分散させた。その分散させた液を粒度分布計(島津製作所製、レーザ回折式粒度分布測定装置、SALD−200V、以下同様)で測定したところ、平均粒径は2μmであった(下記の表3を参照)。
【0092】
(実施例9)
水50gにPTFE粉末(粒径:1μm)を2g、フッ素樹脂分散剤として実施例2で合成したノニオン型界面活性剤を0.05g入れた後、セラミックビーズを10g投入し、ペイントシェーカーで2時間分散させた。その分散させた液を粒度分布計で測定したところ、平均粒径は2μmであった(下記の表3を参照)。
【0093】
(比較例4)
水50gにPTFE粉末(粒径:1μm)を2g、フッ素樹脂分散剤として比較例1で合成した炭素数6以下の直鎖状ぺルフルオロアルキル基を有するノニオン型界面活性剤を0.05g入れた後、セラミックビーズを10g投入し、ペイントシェーカーで2時間分散させた。その分散させた液を粒度分布計で測定したところ、平均粒径は31μmであった(下記の表3を参照)。
【0094】
(比較例5)
水50gにPTFE粉末(粒径:1μm)を2g、フッ素樹脂分散剤として比較例2で合成した炭素数6以下の直鎖状ぺルフルオロアルキル基を有するノニオン型界面活性剤を0.05g入れた後、セラミックビーズを10g投入し、ペイントシェーカーで2時間分散させた。その分散させた液を粒度分布計で測定したところ、平均粒径は51μmであった(下記の表3を参照)。
【0095】
(比較例6)
水50gにPTFE粉末(粒径:1μm)を2g、フッ素樹脂分散剤として比較例3に示すノニオン型界面活性剤(PFOS誘導体)を0.05g入れた後、セラミックビーズを10g投入し、ペイントシェーカーで2時間分散させた。その分散させた液を粒度分布計で測定したところ、平均粒径は17μmであった(下記の表3を参照)。
【0096】
【表3】
【0097】
(検証試験3)
表3に示すように、本発明のノニオン系含フッ素界面活性剤をフッ素樹脂分散剤として使用することにより、PTFE等のフッ素樹脂の微粒子を元の粒径(分散前の粒径)に近い状態で、水中に均一に分散させることができることを確認できた。