【解決手段】ストレッチ特性を有する触覚効果出力デバイスを使用するシステムを提供する。いくつかの実施形態では、ストレッチ触覚効果出力デバイスは、ソフトウェア制御に応答してストレッチ効果を提供する。他の実施形態では、ストレッチ触覚効果出力デバイスは、ユーザ入力にも応答してストレッチ効果を提供する。さらに、いくつかの実施形態では、ストレッチ触覚効果出力デバイスは、非ストレッチ触覚効果出力デバイスにも関連して、これと協調してストレッチ効果を提供する。
前記第1の触覚効果出力デバイスは、偏心モータ、リニア・バイブレータ、圧電材料、電気活性高分子、形状記憶合金、静電摩擦デバイス、超音波表面摩擦デバイス、超音波触覚トランスデューサ、触覚基板と変形可能表面との組合せ、またはエア・ジェットを含む群のうちの1つから選択される、請求項1に記載の方法。
前記触覚効果出力応答を行うべきかどうかの前記判定に応答して、アクティブ化信号として、前記プロセッサから前記プロセッサに結合された第2の触覚効果出力デバイスに信号を送ることと、
前記プロセッサからの前記信号に応答して前記プロセッサに結合された前記第2の触覚効果出力デバイスをアクティブ化することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
前記ストレッチャブル触覚効果出力デバイスは、圧電材料、電気活性高分子、形状記憶合金、静電摩擦デバイス、超音波表面摩擦デバイス、または触覚基板と変形可能表面との組合せを含む群のうちの1つから選択される、請求項6に記載の方法。
前記触覚効果出力応答を行うべきかどうかの前記判定に応答して、アクティブ化信号として、前記プロセッサから前記プロセッサに結合された副触覚効果出力デバイスに信号を送ることと、
前記プロセッサからの前記信号に応答して前記プロセッサに結合された前記副触覚効果出力デバイスをアクティブ化することと
をさらに含む、請求項6に記載の方法。
前記副触覚効果出力デバイスは、偏心モータ、リニア・バイブレータ、圧電材料、電気活性高分子、形状記憶合金、静電摩擦デバイス、超音波表面摩擦デバイス、超音波触覚トランスデューサ、触覚基板と変形可能表面との組合せ、またはエア・ジェットを含む群のうちの1つから選択される、請求項10に記載の方法。
前記プロセッサ、ストレッチャブル・センサ、および前記ストレッチャブル触覚効果出力デバイスは、すべて、ウェアラブル・オブジェクト内に組み込まれる、請求項6に記載の方法。
前記ストレッチャブル触覚出力デバイスをアクティブ化することは、前記ストレッチャブル触覚出力デバイスの外部表面上の固い輪郭をもたらす触覚効果を作り出すことを含む、請求項6に記載の方法。
前記ストレッチャブル触覚出力デバイスをアクティブ化することは、前記ストレッチャブル触覚出力デバイスの外部表面上の圧縮可能な表面をもたらす触覚効果を作り出すことを含む、請求項6に記載の方法。
前記ストレッチャブル触覚出力デバイスをアクティブ化することは、前記ストレッチャブル触覚出力デバイスの外部表面上の所定のパターンをもたらす触覚効果を作り出すことを含む、請求項6に記載の方法。
前記ストレッチャブル触覚効果出力デバイスは、圧電材料、電気活性高分子、形状記憶合金、静電摩擦デバイス、超音波表面摩擦デバイス、または触覚基板と変形可能表面との組合せを含む群のうちの1つから選択される、請求項17に記載の方法。
前記触覚効果出力応答を行うべきかどうかの前記判定に応答して、アクティブ化信号として、前記プロセッサから前記プロセッサに結合された副触覚効果出力デバイスに信号を送ることと、
前記プロセッサからの前記信号に応答して前記プロセッサに結合された前記副触覚効果出力デバイスをアクティブ化することと
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
前記副触覚効果出力デバイスは、偏心モータ、リニア・バイブレータ、圧電材料、電気活性高分子、形状記憶合金、静電摩擦デバイス、超音波表面摩擦デバイス、超音波触覚トランスデューサ、触覚基板と変形可能表面との組合せ、またはエア・ジェットを含む群のうちの1つから選択される、請求項20に記載の方法。
前記第1の触覚効果出力デバイスは、偏心モータ、リニア・バイブレータ、圧電材料、電気活性高分子、形状記憶合金、静電摩擦デバイス、超音波表面摩擦デバイス、超音波触覚トランスデューサ、触覚基板と変形可能表面との組合せ、またはエア・ジェットを含む群のうちの1つから選択される、請求項22に記載の装置。
前記プロセッサに結合された第2の触覚効果出力デバイスであって、偏心モータ、リニア・バイブレータ、圧電材料、電気活性高分子、形状記憶合金、静電摩擦デバイス、超音波表面摩擦デバイス、超音波触覚トランスデューサ、触覚基板と変形可能表面との組合せ、またはエア・ジェットを含む群のうちの1つから選択される第2の触覚効果出力デバイスをさらに含む、請求項22に記載の装置。
前記ストレッチャブル触覚効果出力デバイスは、圧電材料、電気活性高分子、形状記憶合金、静電摩擦デバイス、超音波表面摩擦デバイス、または触覚基板と変形可能表面との組合せを含む群のうちの1つから選択される、請求項26に記載の装置。
前記副触覚効果出力デバイスは、偏心モータ、リニア・バイブレータ、圧電材料、電気活性高分子、形状記憶合金、静電摩擦デバイス、超音波表面摩擦デバイス、超音波触覚トランスデューサ、触覚基板と変形可能表面との組合せ、またはエア・ジェットを含む群のうちの1つから選択される、請求項29に記載の装置。
前記プロセッサ、ストレッチャブル・センサ、および前記ストレッチャブル触覚効果出力デバイスは、すべて、ウェアラブル・オブジェクト内に組み込まれる、請求項26に記載の装置。
前記プロセッサ、ストレッチャブル・センサ、および前記ストレッチャブル触覚効果出力デバイスは、すべて、ウェアラブル・オブジェクト内に組み込まれる、請求項26に記載の装置。
前記第1の触覚効果出力デバイスは、圧電材料、電気活性高分子、形状記憶合金、静電摩擦デバイス、超音波表面摩擦デバイス、または触覚基板と変形可能表面との組合せを含む群のうちの1つから選択される、請求項36に記載の装置。
前記第2の触覚効果出力デバイスは、偏心モータ、リニア・バイブレータ、圧電材料、電気活性高分子、形状記憶合金、静電摩擦デバイス、超音波表面摩擦デバイス、超音波触覚トランスデューサ、触覚基板と変形可能表面との組合せ、またはエア・ジェットを含む群のうちの1つから選択される、請求項36に記載の装置。
前記センサは、圧電材料、電気活性高分子、形状記憶合金、または変形可能表面を含む群のうちの1つから選択されるストレッチャブル・センサである、請求項36に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を、例として添付図面に示す。図面は、限定的ではなく例示的と理解されなければならない。
【0010】
ストレッチ特性を組み込む触覚デバイスのシステム、方法、および装置を提供する。本文書で説明される特定の実施形態は、本発明の例示的実例を表し、本質的に制限的ではなく例示的である。
【0011】
以下の説明では、説明のために、本発明の完全な理解を提供するために多数の特定の詳細を示す。しかし、本発明をこれらの特定の詳細なしで実践できることは、当業者に明白である。他の場合には、本発明を不明瞭にすることを避けるために、構造およびデバイスをブロック図形式で示す。
【0012】
本明細書での「一実施形態」または「実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書のさまざまな場所での句「一実施形態では」の出現は、必ずしもすべてが同一の実施形態を指すのではなく、他の実施形態と相互に排他的な別々のまたは代替の実施形態でもない。
【0013】
ストレッチ触覚出力デバイスは、実行されるストレッチ・アクションの速度または距離に従って自然で即座の触感フィードバック感を提供する、伸張、圧縮、摩擦、およびテクスチャの特性(quality)を有する。これ自体は、実行されるストレッチの速度または距離に結び付けられたコントロール対話(interaction)において即座のまたは同時の触感フィードバックをユーザに与えるという価値を有する。たとえば、デバイスは、強力で直観的な触感触覚対話を作り出す、たとえばオン/オフ、ボリューム・アップ/ダウン、レート制御されたスクロール、ゲーム内キャラクタの動きなどの1つまたは複数の速度パラメータまたは距離パラメータに従うストレッチ触覚効果を提供することができる。別の実施形態では、振動触感、運動感覚、または熱フィードバックなどの非ストレッチ触覚出力が、組み合わされた触覚効果を作り出すためにストレッチ触覚出力と共に働く。ストレッチ触覚出力効果は、一般に、ストレッチ触覚出力アクチュエータまたはストレッチ触覚出力デバイスの伸張または圧縮の変化から生じ、これによってユーザに信号を提供する。そのようなデバイスを、以下ではストレッチ出力デバイスと称する。
【0014】
一実施形態では、非プログラマブル・ストレッチャブル表面層が、たとえば携帯電話機/タブレット、ウェアラブル・デバイス、または他のデバイスなどのハンドヘルド・デバイス、モバイル・デバイス、または非モバイル・デバイス上にあるものなどのタッチ対話表面に取り付けられ、UI制御要素が、ストレッチ対話を使用してアクティブ化される。ストレッチ触覚応答は、コントロール対話中の表面材料の固有のストレッチ感覚とすることができ、あるいは、ストレッチ制御アクション/入力の確認を追加するための、または追加の触覚フィードバックとして調和を図った(complimentary)アクチュエータ応答を有することもできる。
【0015】
ストレッチャブル層は、ディスプレイに取り付けられる必要はなく、任意の表面に取り付けられ得ることに留意することが重要である。たとえば、ストレッチャブル区域またはストレッチャブル層を、たとえばモバイル・デバイスもしくは非モバイル・デバイス、ゲーム・コントローラ、またはウェアラブル衣類を含む任意のデバイスの背面または側面に関連付けることができる。さらに、ストレッチャブル層を、透明、半透明、または完全に不透明とすることができる。
【0016】
一実施形態では、プログラマブル・ストレッチャブル表面層が、たとえば携帯電話機/タブレット、ウェアラブル・デバイス、または他のデバイスなどのハンドヘルド・デバイス、モバイル・デバイス、または非モバイル・デバイス上のタッチ対話表面に取り付けられ、UI制御要素が、ストレッチ対話を使用してアクティブ化される。このストレッチ・システムの触覚応答は、ストレッチ表面のプログラムされた応答に依存する。この場合に、電圧が印加される時の圧電素子またはEAP素子の物理的状態の変化と同様に、ストレッチ応答の物理的特性を変更することができる。たとえば、ストレッチャブル層を介する摩擦係数が、プログラム的に(programmatically)変化することができる。
【0017】
別の実施形態では、プログラマブル・ストレッチャブル表面層が、たとえば携帯電話機/タブレット、ウェアラブル・デバイス、または他のデバイスなどのハンドヘルド・デバイス、モバイル・デバイス、または非モバイル・デバイス上のタッチ対話表面に取り付けられ、UI制御要素が、ストレッチ対話を使用してアクティブ化される。このストレッチ・システムの触覚応答は、ストレッチ表面およびストレッチ表面と調和された(coordinated)非ストレッチ触覚デバイスのプログラムされた応答に依存する。ストレッチ応答の物理的特性は、たとえばプログラム的に変化することができる。この実施形態では、調和を図ったアクチュエータを、ストレッチ制御アクション/入力の確認を与えるのに、または追加の触覚フィードバックとして使用することもできる。
【0018】
ストレッチ出力およびストレッチ入力を、ウェアラブルと非ウェアラブルとの両方のさまざまなタイプのデバイスに組み込むことができる。たとえばビデオ・ゲーム・コントローラ、キーボード、モバイル・デバイス、腕時計、Google Glass(登録商標)などのアイ・フィクスチャ(eye fixture)、ステアリング・ホイール、コントロール・パネル、および他のデバイスまたはコンポーネントにおいて、ストレッチ入力およびストレッチ出力を提供することができる。そのようなデバイスを使用して、ストレッチ入力およびストレッチ出力を、視覚的ユーザ・インターフェースとの対話を可能にする形でディスプレイに結び付けることができ、あるいは、ストレッチ入力およびストレッチ出力を、視覚的ディスプレイとは別々で別個とし、別々の動作を潜在的に混乱させるものにすることなく、調和された動作を可能にすることができる。ユーザがデバイスをスライドさせることを試みる時に表面を平滑化すること、またはユーザが明らかに格納のための位置にデバイスを置く時により粗いテクスチャを提供することなど、ユーザによって即座に知覚される出力ではない特徴を提供することもできる。そのような応用の例は、ユーザがデバイスを取り出すためにポケットに手を伸ばす時に表面を平滑にすることと、ユーザがデバイスをポケットにしまう時により大きい摩擦を有するより粗い外部表面を提供することとであろう。
【0019】
ストレッチ対話は、単一点または複数点とすることができる。複数点対話の場合に、ストレッチ点は、異なる触覚フィードバック応答を有することができる。ストレッチ応答は、ウェアラブルの表面に触れることなど、制御表面対話の結果とすることができ、あるいは、センサ・データもしくは事前にプログラムされたソフトウェアの結果とすることができる。たとえば、ユーザが、ウェアラブル上で上/下にジェスチャすることによってディスプレイ上でスクロールするリストまたはページ・ターン(page turn)を制御する場合に、ユーザは、このコントロール対話に応答してストレッチを受け取ることができる。タッチ表面がすべての対話シナリオについてディスプレイを有する必要はない。
【0020】
たとえば、織物ベースのウェアラブル・インターフェースでは、ユーザ・ストレッチ応答を与えるために、視覚的ディスプレイが存在する必要はない。モバイル・デバイス若しくは非モバイル・デバイス、電話機、タブレット、大フォーマット・デバイス、またはストレッチベースのインターフェースを組み込む他の技術などのデバイス上のどれであれ、他のインターフェースも、視覚的ディスプレイを有する必要はない。一実施形態では、ストレッチ出力デバイスとして形成される作動応答区域が、オプションの入力制御インターフェースと共に使用される。さらに、ユーザが、同一のスクロール・コントロールまたはページ・ターン・コントロールについて携帯電話機などの副デバイスを使用する場合にも、ユーザは、彼らのウェアラブル内で触覚ストレッチ応答を有することができる。これは、モバイル・デバイスおよびウェアラブルが、お互いに通信していることを必要とするであろう。この能力は、ウェアラブルがストレッチ感を介して触覚応答を供給するであろうときに、触覚応答を組み込まれていない可能性がある制御表面と対話する場合にも利益を与える。そのような感覚は、同様に、上で注記したような他の技術でストレッチ・インターフェースを使用する時に生ずる可能性がある。
【0021】
入力制御インターフェースがない場合には、触覚ストレッチ作動を、センサ・データまたはソフトウェアに対する応答とすることもできる。たとえば、午前8:00にセットされたソフトウェア・アラームは、誰かがモーニング・コールのために肩を揺すっているように感じさせるためにウェアラブル触覚ストレッチ・シャツを作動させることができる。代替案では、同一のウェアラブルが、GPS、カメラ・データ、または他のセンサと共に働いて、ストレッチ応答を介してウェアラブル・ユーザに案内を与えることができる。
【0022】
提示される概念および実施形態と、ストレッチ出力デバイスに用いられる変形可能セルまたは他のストレッチ・アクチュエータの基礎になるアレイとを、マイクロ流体ディスプレイ、ピエゾ技術および複合ピエゾ技術、EAP、形状記憶合金、MEMS(ポンプ)、スマート・ゲル、電/磁性流体(electro/magneto−rheological fluid)、熱流体ポケット(thermal fluid pocket)、共振デバイス、可変多孔性膜、層流変調器(laminar flow modulator)、ならびに電磁アクチュエータなどの技術のうちの1つまたは組合せを使用して使用可能にすることができる。本明細書で使用されるセンサは、ひずみゲージ・センサ、FSRセンサ(力−応力センサ)、マルチタッチ・タッチ・センサ、マルチタッチ圧力センサ、温度センサ、湿度センサ、大気センサ、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、マイクロホン、および無線トランシーバを含むことができるが、これらに限定はされない。
【0023】
触覚基板またはストレッチ出力デバイスは、一実施形態で、半柔軟材料または半剛体材料によって構成される。一実施形態では、たとえば、ストレッチ出力デバイスは、1つまたは複数のアクチュエータを含み、このアクチュエータは、電気活性高分子(「EAP」)のファイバ(またはナノチューブ)、圧電素子、形状記憶合金(「SMA」)のファイバ、または類似物から構成することができる。EAPは、生体筋または人工筋とも称されるが、電圧の印加に応答してその形状を変更することができる。EAPは大きい力を支える時に、その物理的形状を変形することができる。EAPは、電歪ポリマ、誘電エラストマ、導電性高分子、イオン導電性高分子・貴金属接合体(Ionic Polymer Metal Composite)、応答性ゲル(Responsive Gel)、バッキーゲル・アクチュエータ(Bucky gel actuator)または上で言及したEAP材料の組合せから構成され得る。
【0024】
memory metalとも称されるSMA(形状記憶合金)は、ストレッチ出力デバイスを構成するのに使用できる別のタイプの材料である。SMAは、銅−亜鉛−アルミニウム合金、銅−アルミニウム−ニッケル合金、ニッケル−チタン合金、または銅−亜鉛−アルミニウム合金、銅−アルミニウム−ニッケル合金、および/もしくはニッケル−チタン合金の組合せから作製することができる。SMAの特性は、その最初の形状が変形される時に、周囲の温度および/または周囲の環境に従って最初の形状を回復することである。本実施形態が、特定の触覚感を達成するためにEAP、圧電素子、および/またはSMAを組み合わせることができることに留意されたい。
【0025】
ストレッチ出力デバイス内の変形機構は、引っ張る力および/または押す力を提供して、ストレッチ出力デバイス内の要素を平行移動させ、柔軟な表面を変形させる。たとえば、変形機構が、柔軟な表面と基礎になる基板との間に真空を生じる時に、柔軟な表面は、基礎になる基板に押し付けられ、柔軟な表面に、基礎になる基板の表面パターンのテクスチャを示させる。言い替えると、基板の表面パターンが生成されたならば、柔軟な表面は、基板に引き付けられまたは押し付けられ、柔軟な表面の変形された表面を介して基板のパターンを明らかにする。一実施形態では、基板および変形機構は、同一のまたは実質的に同一の層内に構成される。基板は、さらに、複数の触感領域を含むことができ、各領域は、基板の表面パターンを形成するために独立にアクティブ化され得る。基板は、潜在的に、ユーザによって入力された入力選択を確認するために確認フィードバックを生成することもできる。
【0026】
非ストレッチ触覚効果出力デバイスは、偏心質量がモータによって移動される偏心モータ(Eccentric Rotating Mass、「ERM」)アクチュエータ、ばねに取り付けられた質量が前後に駆動されるリニア・バイブレータ(Linear Resonant Actuator、「LRA」)などの電磁アクチュエータを含むことができる。触覚出力デバイスは、静電摩擦(ESF)、超音波表面摩擦(USF)、超音波触覚トランスデューサを用いて音響放射圧を誘導するもの、触覚基板および柔軟な表面もしくは変形可能な表面を使用するもの、またはエア・ジェットを使用する空気の一吹き(puff:パフ)などの発射される触覚出力を提供するものなどの非機械的デバイスもしくは非振動デバイス、ならびに電磁アクチュエータなどをも幅広く含むことができる。これらの触覚効果出力デバイスは、ストレッチ効果または非ストレッチ効果を有することができ、あるいは、いくつかの実施態様では両方のタイプの効果を作り出すことができる。とりわけ、縦の長さ(またはストレッチ・アクチュエータの他の寸法)を制御すること、または流体もしくは気体の使用を介するものなどのストレッチ・アクチュエータの膨張および収縮を制御することによって、ストレッチ効果を使用可能にすることができる。ストレッチ効果は、とりわけ、圧縮および伸張、摩擦、テクスチャのある表面および滑らかな表面、ならびに持ち上げられた表面または押し下げられた表面を含むことができる。テクスチャは、アコーディオン型のうね(ridge)、さまざまな形状のこぶ(bump)、押下げを提供するさまざまな形状の凹面のこぶ、または他の特徴を含むことができる。ストレッチ効果を、ストレッチ出力デバイスのアクティブ化と緩和とを介して実施することができる。ストレッチ出力デバイスに送られる信号をストレッチ制御信号とすることができ、ストレッチ入力デバイスから受け取られる信号をストレッチ入力信号とすることができる。
【0027】
上で説明したように、一実施形態では、非プログラマブル・ストレッチャブル表面層が、たとえば携帯電話機/タブレット、ウェアラブル・デバイス、または他のデバイスなどのハンドヘルド・デバイス、モバイル・デバイス、または非モバイル・デバイス上にあるものなどのタッチ対話表面に取り付けられ、UI制御要素が、ストレッチ対話を使用してアクティブ化される。一実施形態では、ストレッチ触覚応答は、コントロール対話中の表面材料の固有のストレッチ感覚である。別の実施形態では、調和を図った非ストレッチ・アクチュエータ応答が、ストレッチ制御アクション/入力の追加の確認を提供し、または追加の触覚フィードバックとして提供する。ストレッチ応答を、単独でまたは非ストレッチ応答と合わせて使用することができ、あるいは、非ストレッチ応答を単独で使用することができる。このタイプの実施形態の応用の例は、ストレッチの量、速度、または方向に基づく、レート制御されたオーディオ・ボリューム、基本方位(cardinal direction)、強度、視覚的ズーム、しきい値、またはページ・ターン・コントロールを含む。他の例は、2進スイッチを含む。ユーザによって開始されるストレッチ制御アクションを、デバイスによって受け取られるストレッチ制御入力とは異なるものとすることができる。たとえば、入力を指ストロークとすることができ、ストロークはストレッチ制御入力デバイスによって感知される。別の例として、制御アクションを手首を曲げることとすることができ、この曲げは、たとえば、表面に対する手首のストロークまたは手首の曲げによって生成される圧縮もしくは伸張を介した表面の変形など、ストレッチ制御入力デバイスを使用してさまざまな形で感知され得る。
【0028】
図1に、ストレッチ入力センサと触覚効果出力デバイスとの間の対話を管理するプロセスの実施形態を示す。プロセス100は、ストレッチ入力を待つこと、ストレッチ入力を感知すること、ストレッチ入力を測定すること、ソフトウェアと対話するのにストレッチ入力データを使用すること、および触覚効果をトリガすることを含む。プロセス100および本文書で言及される他のプロセスは、モジュールのセットとして説明され、モジュールは、事前にプログラムされた機械、特殊化された機械、または機械のセットのいずれによるものであるかに拘らず、さまざまな形で実行されまたは実施され得、説明の文脈において順序を再配置され、直列または並列の形とすることができる。
【0029】
プロセス100は、開始モジュール105で開始され、モジュール110でストレッチ入力を待つ。図示されているように、これは、プログラマブルではないストレッチベースのセンサの使用を指す。したがって、データを受け取ることができるが、このデータは、センサの性質によって決定される。モジュール110では、プロセスは、たとえばセンサをリッスンする(listen)ことまたはセンサに関するポーリング・プロセスもしくは監視プロセスを維持することなどによって、入力の準備をする。モジュール120では、このプロセスは、センサまたはタッチ感知表面でストレッチ対話を感知する。これは、実際の意図的な入力またはフィルタリングによって除去すべき、ある形の偶然の入力を示す可能性がある。このプロセスは、モジュール130で、ストレッチ入力またはセンサの応答を測定する。たとえば、これは、たとえばセンサからの生データを正規化されたデータに変換することを含むことができる。その後、プロセッサは、モジュール140で、センサの測定されたストレッチ・パラメータを処理し、たとえば内部ソフトウェアまたはコントロールと対話する。これは、たとえば、どの適当な所定の応答が受け取られたデータに対応するのかを判定することを含むことができる。モジュール150では、このプロセスは、ソフトウェア内容またはコントロール対話に応答し、これによってストレッチ入力データに応答して、適当な触覚出力効果をトリガする。触覚出力効果を提供するために、このプロセスは、たとえば触覚出力デバイスに駆動信号を印加する。その後、このプロセスは、モジュール195で終了するが、ループする形で継続することができる。
【0030】
このプロセスは、ストレッチ出力デバイス、非ストレッチ出力デバイス、またはこの2つの組合せを利用することができる。さらに、このプロセスは、出力のためにいずれかのタイプのデバイスを複数使用することができる。ストレッチ入力デバイスおよびストレッチ出力デバイスは、上で説明したようにさまざまな形で変形可能とすることができ、ユーザまたは周囲の環境から受け取られるさまざまなタイプのストレッチ入力信号と、ユーザに供給されるか周囲の環境に発射されるさまざまなタイプのストレッチ出力信号とを可能にする。
【0031】
別の例として、
図2に、ストレッチ入力センサと触覚出力デバイスとの間の対話を管理するプロセスの実施形態を示す。プロセス200は、データとしてセンサでのストレッチ入力を受け取ること、ストレッチ入力データを変換すること、ストレッチ・データを効果のしきい値と比較すること、任意の触覚効果が適当であるかどうかを判定すること、触覚効果の準備をすること、および触覚効果を開始することを含む。プロセス200は、
図1のプロセス100に対する代替プロセスを提供すると同時に、この2つのプロセスの間のいくつかの類似性を維持する。
【0032】
プロセス200は、モジュール205で開始され、モジュール210でセンサでのストレッチ入力の受取に進む。ストレッチ入力は、生データとして到着し、このプロセスは、この生データをモジュール220で使用可能なデータに変換する。モジュール230では、このプロセスは、ストレッチ・データを表す使用可能なデータを、触覚効果のしきい値と比較する。このプロセスは、モジュール240で、モジュール230の比較に基づいて任意の触覚効果が適当であるかどうかを判定する。その後、このプロセスは、モジュール250で、たとえば触覚効果出力デバイスを初期化するか用意することなどによって任意の適当な触覚効果の準備を行う。その後、モジュール260で、このプロセスは、そのように準備された触覚効果を開始し、ユーザ体験のために提供する。
【0033】
図1および2のプロセスをさまざまなデバイス上で実施することができる。
図3に、ストレッチ・センサおよび触覚効果出力デバイスを有する装置の実施形態を示す。デバイス300は、デバイスの例を示し、このデバイスは、ストレッチ・センサを使用するとともに、触覚効果出力デバイスを有することができる。ストレッチ・センサ310は、材料のストレッチまたはストレッチ効果に基づいて入力を感知するセンサである。プロセッサ320および、一般に本文書で議論されるプロセッサは、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または、命令を処理し、たとえば単一コアもしくは複数コアを使用する電子入力の受取および電子出力のディスパッチに基づいて方法またはプロセスを実行することができる他のデバイスもしくは装置とすることができる。プロセッサ320は、潜在的に翻訳された形または変換された形で、ストレッチ・センサ310から入力を受け取る。プロセッサ320は、触覚効果出力デバイス330にもリンクされ、触覚効果出力デバイス330は、さまざまな形で触覚効果出力を提供することができる。触覚効果出力デバイスの例は、偏心質量がモータによって移動される偏心モータ(「ERM」)、ばねに取り付けられた質量が前後に駆動されるリニア・バイブレータ(「LRA」)などの電磁アクチュエータを含むことができる。触覚出力デバイスは、静電摩擦(ESF)、超音波表面摩擦(USF)、超音波触覚トランスデューサを用いて音響放射圧を誘導するもの、触覚基板および柔軟な表面もしくは変形可能な表面を使用するもの、またはエア・ジェットを使用する空気の一吹きなどの発射される触覚出力を提供するものなどの非機械的デバイスもしくは非振動デバイス、ならびに電磁アクチュエータなどをも幅広く含むことができる。これらの触覚効果出力デバイスは、ストレッチ効果または非ストレッチ効果を有することができ、あるいは、いくつかの実施態様では両方のタイプの効果を作り出すことができる。その他にも通信ポート340がデバイス300内に示されており、通信ポート340は、さまざまな実施形態でデバイス300のオプションの部分または必要な部分とすることができる。
【0034】
デバイスの他の例を、たとえば
図1および2のプロセスと共に使用することもできる。
図4は、ストレッチ・センサおよび触覚効果出力デバイスを有する装置の別の実施形態を示す。デバイス400は、図示されているように、ストレッチ・センサ410と、触覚効果出力デバイス420、430、および440とを含む。内部のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラは図示されていないが、内部のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを設けることができる。別案として、いくつかの実施形態では、デバイス400は、デバイス400のコンポーネントと外部コントローラとの間の通信を可能にする、図示のコンポーネントのそれぞれに結合された通信ポートを有することができる。さらに、いくつかの実施形態は、ローカル制御および外部デバイスとの通信を可能にする、内部マイクロプロセッサまたはマイクロコントローラと通信ポートとの両方を有することができる。触覚効果出力デバイス420、430、および440は、
図3の出力デバイス330に関して説明されたものなど、さまざまな異なる形をとることができる。
【0035】
たとえば、
図3および4のデバイスを使用して、
図1および2のプロセスを実施することができる。したがって、ストレッチ・センサ410での入力を受け取り、その入力を処理させ、触覚効果出力デバイス420、430、および440のうちの1つまたは複数を使用して出力を提供することができる。同様に、ストレッチ・センサ310での入力を受け取り、その入力をプロセッサ320で処理させ、触覚効果出力デバイス330のうちの1つまたは複数を使用して出力を提供することができる。
【0036】
ストレッチャブル材料のプログラミングは、ユーザとの異なる潜在的によりよい対話をもたらす可能性がある。上で説明した別の実施形態では、プログラマブル・ストレッチャブル表面層が、たとえば携帯電話機/タブレット、ウェアラブル・デバイス、または他のデバイスなどのハンドヘルド・デバイス、モバイル・デバイス、または非モバイル・デバイス上にあるものなどのタッチ対話表面に取り付けられ、UI制御要素が、ストレッチ対話を使用してアクティブ化される。このストレッチ・システムの触覚応答は、ストレッチ表面のプログラムされた応答に依存するだろう。この場合に、電圧が印加される時に圧電素子またはEAP素子が物理的状態を変更する方法と同様に、ストレッチ応答の物理的特性を変更することができると期待される。
【0037】
追加された作動フィードバック応答を、一所に置かれたアクチュエータ(複数可)として、またはストレッチ材料内に埋め込まれた作動能力を有するストレッチ材料からの固有の応答として適用することができる。たとえば、ストレッチ材料内に組み込まれたEAP応答(EAPアクチュエータ)のようなものを使用することができる。追加された作動フィードバックを用いると、上記の非作動シナリオを依然として適用可能であろうが、潜在的に、アクチュエータ応答によるユーザ対話またはユーザ入力の追加された確認を伴う。
【0038】
ゲーミング・コントロールの例では、方向コントロールのストレッチが、仮想キャラクタまたは車両を特定の方向にレート制御された形で移動させることができ、また、ユーザが、関連する補足作動を介して仮想キャラクタまたは車両の動きを感じることを可能にすることができる。ウェアラブル・デバイスまたは衣類などの織物の場合に、コントロールは、ウェアラブル自体に由来し、触覚応答を有することができる。代替案では、コントロールは、ユーザに対するストレッチ応答に関してウェアラブルと通信する副デバイスに由来することができる。
【0039】
触覚応答は、ストレッチ入力またはUIコントロールに結び付けられなくてもよいが、コンテンツ・フィードバックに結び付けられることもできる。ゲーミングの例では、コンテンツ・フィードバックは、マルチプレイヤ対話またはノンプレイヤ・キャラクタ(NPC)対話の形とすることができ、当該対話において、副ユーザのアクションは、主ユーザのデバイスに、プログラマブル触覚ストレッチ材料または補足作動(supplemental actualtion)のいずれかを介する触覚応答を有するようにさせる。他のコンテンツ・フィードバックの例は、たとえば、ストリーミング・オーディオ要素、ストリーミング・ビジュアル要素、ビジュアルベースの広告、オーディオベースの広告、地形地図などの表面テクスチャの探査、または仮想織物などの、ストレッチ入力またはUIコントロールに適応される必要がない。
【0040】
図5に、ストレッチ入力センサとストレッチ触覚効果出力デバイスとの間の対話を管理するプロセスの実施形態を示す。プロセス500は、データとしてセンサでのストレッチ入力を受け取ること、ストレッチ入力データを変換すること、ストレッチ・データを効果のしきい値と比較すること、任意の触覚効果(ストレッチおよび非ストレッチ)が適当であるかどうかを判定すること、触覚効果を準備すること、および触覚効果(ストレッチおよび非ストレッチ)を開始することを含む。
【0041】
プロセス500は、モジュール505で開始され、モジュール510でセンサでのストレッチ入力を受け取る。ストレッチ入力は、生データとして到着する。このプロセスは、モジュール520で生データを使用可能なデータに変換する。モジュール530では、このプロセスは、ストレッチ・データを表す使用可能なデータを触覚効果のしきい値と比較する。このプロセスは、モジュール540で、モジュール530の比較に基づいて、任意のストレッチ触覚効果が適当であるかに関して判定する。同様に、このプロセスは、モジュール550で、モジュール530の同一の比較に基づいて、任意の非ストレッチ触覚効果が適当であるかどうかに関して判定する。
【0042】
このプロセスは、モジュール560で、たとえば触覚効果出力デバイスを初期化するか用意することなどによって任意の適当な触覚効果を準備する。その後、モジュール570で、このプロセスは、準備されたストレッチ触覚効果を開始する。さらに、モジュール580で、このプロセスは、準備された非ストレッチ触覚効果を開始し、したがって、ストレッチ触覚効果と非ストレッチ触覚効果との両方に基づくユーザ体験を提供する。このプロセスは、モジュール585で完了し、あるいは、ループする形で継続することができる。
【0043】
さまざまなデバイスを、
図5のプロセスなどのプロセスと共に使用することができる。
図6に、ストレッチ・センサおよびストレッチ出力デバイスを有する装置の実施形態を示す。デバイス600は、
図3のデバイス300に類似する構造を使用する。しかし、触覚効果出力デバイス330に加えて、ストレッチ触覚効果出力デバイス640も、プロセッサ320に結合される。したがって、さまざまな触覚効果出力デバイスを使用して、非ストレッチ触覚効果とストレッチ触覚効果との両方を提供することができる。したがって、デバイス600を使用して、たとえば
図5のプロセス500を実施することができる。
【0044】
図7に、
図5のプロセスまたは類似するプロセスと共に使用できるものなどの、ストレッチ・センサおよびストレッチ出力デバイスを有する装置の別の実施形態を示す。デバイス700は、ストレッチ・センサ、ストレッチ触覚効果出力デバイス、および非ストレッチ触覚効果出力デバイスを有するデバイスを提供する。ストレッチ・センサ710および720は、ストレッチ入力の感知を可能にする。ストレッチ・センサ710および720と同一の広がりを持つ(coextensive)のが、ストレッチ触覚効果出力デバイス715および725である。したがって、デバイス700は、ストレッチ触覚効果出力デバイス715および725を使用してストレッチ・センサ710および720のテクスチャまたは感覚を操作することができる。一例として、デバイス715は、ストレッチ・センサ710のより滑らかな、より粗い、より固い、またはより柔軟な表面を提供する。追加の非ストレッチ触覚効果出力デバイス730、740、および750も、デバイス700に設けられる。デバイス730、740、および750は、非ストレッチ触覚効果を提供し、デバイス715および725に関連して使用されることもできる。たとえば、デバイス700は、たとえば
図3に示された内部プロセッサおよび/または内部通信ポート(図示せず)をも含むことができる。
【0045】
デバイスの他の変形形態を、
図5のプロセスまたは類似するプロセスと共に使用することもできる。
図8に、ストレッチ・センサおよびストレッチ触覚効果デバイスを有する装置の別の実施形態をさらに示す。デバイス800は、追加のストレッチ触覚効果出力デバイス860を組み込んだ、
図7のデバイス700に類似するデバイスを提供する。触覚効果出力デバイス860は、ストレッチ触覚効果出力デバイス715および725とは異なるストレッチ特性を提供すると同時に、ストレッチ触覚効果出力デバイス715および725との対話を可能にすることもできる。
【0046】
ストレッチ表面応答の物理パラメータをプログラム的に変更できることは、触覚タッチ表面の張力、摩擦、テクスチャ、および温度さえ効果的に変更することができる。さらに、ユーザが、ストレッチ表面がその物理的な表面パラメータを変更しつつある時にストレッチ表面に接触している場合に、ユーザは、ユーザのタッチ対話を移動させるか能動的に案内する運動感覚フィードバックを受ける可能性がある。この能力は、ストレッチ表面感覚をプログラム的に変更することに基づく、多数の新しい触覚ユース・ケースを可能にする。
【0047】
たとえば、仮想環境で、タッチ感を追加することができる。ユーザが特定のオブジェクトに向かってまたはこれから離れて案内される場合にゲーム対話またはライブ・カメラ・フィードを感じることを、今やオプションとすることができる。あるシナリオでは、左に向かう指のストレッチを、ユーザがその方向にユーザのキャラクタを移動することを必要とすることのヒントをユーザに与えるものと感じることができる(案内を受ける指を動かすことによって)。別の例として、非侵襲性のまたはリモートの手術を実行する外科医を、腫瘍または他のターゲットに向かって類似する形で案内することができる。宇宙飛行士または空港地上勤務員には、彼らの指にストレッチ感を体験させて、宇宙船、航空機のドッキングまたは他のリモート・コントロール・アクションの案内を制御するのを助けることができる。これらのストレッチ反応を、仮想現実感デバイスまたは増強現実感デバイス上、たとえば、医療デバイス上でまたは他の例としてウェアラブル織物を介して行うこともできる。
【0048】
具体的には、仮想織物感を実施することができる。たとえば、衣類またはサンプル・ファブリックなどの織物の触感特性をシミュレートすることである。これらのストレッチ反応は、さまざま織物材料に似た感覚を与えるようにウェアラブル織物に触感状態を変化させることができる。これは、ストレッチ特性を変更することのみによって、滑らかな革、柔らかいスエード、または絹のような感覚を与えることができるコートを提供することができる。
【0049】
別の例として、ゲーミング・コントロール感の質を高めることができる。たとえば、ユーザの指を正しいゲーム・タッチ・コントロール位置に保つのを助けるストレッチ感を提供することができる。これは、ユーザの指が仮想十字キー、トップハット、またはジョイスティック・コントロールと称する事前に定義された非触感コントロール「ホットスポット」位置から簡単に滑って外れる、現在のタッチスクリーン・デバイスに関する大きな問題であった。これらの仮想コントロール・ホットスポット区域を、表面の残りよりストレッチャブルに感じるものとして定義する場合に、ユーザは、制御表面に乗っているときまたは乗っていないときを簡単に知るはずである。同様に、接触を制御表面内に維持するのを助けるために、ストレッチ・アクチュエータを介して持ち上げられた境界を提供することができる。
【0050】
上のゲーム・コントロールの例は、何個の物理ラップトップ・キーボードが、一般には「G」キー、「H」キー、および「B」キーの間の、ゴムでおおわれたポインタ・コントロールをも含むのかに似ている。このゴムでおおわれた制御表面は、キーボード入力の残りとは異なった感覚を与え、カーソル移動の速度および方向をレート制御するためにコントローラによって感知され、使用される固有のストレッチ特性を有する。このタイプの機能性を、シミュレートされたキーボードの一部としてストレッチ入力デバイスおよびストレッチ出力デバイスを使用して提供することができる。
【0051】
別の例は、GPS(全地球測位システム)案内感の提供に関する。たとえば、GPS地図を用いて目的地を選択することができ、ストレッチ感を用いて、デバイスにユーザをその位置へ案内させることができる。これらのストレッチ反応は、たとえばモバイル・デバイス上またはウェアラブル織物を介して、または自動車のハンドル(ステアリング・ホイール)などの接続されたデバイスを介して行うことができる。地形感または地図感を、いくつかの場合に提供することもできる。たとえば、高度、気候、降雨、人工、重要な点、または他の特徴の地図要素をシミュレートすることを、ストレッチ特性に基づいて達成することができる。一実施形態では、地図上の低い高度は、それに関連する非常に少ないストレッチ感覚を有することができ、より高い高度は、よりストレッチャブルな感覚を与えることができる。別の実施形態では、国有林領域として定義された地図区域は、地図の他の区域よりストレッチャブルな感覚を与えることができる。これを、たとえばビルディング、顔、または身体のマップを感じることに適用するように実施することもできる。これを、たとえばストレッチされた表面の高さまたは深さに基づいて異なる量を示すなど、仮想データまたは実世界の直接の対応物が使用可能でないデータに適用することもできる。
【0052】
さらに、制御、通知、および警告のためのハンドル、タッチスクリーン、またはタッチ表面要素上の自動車制御感を提供することができる。たとえば、ユーザの皮膚をわずかに引っ張るハンドルの表面は、死角の車両についてユーザに警告することができる。代替案では、制御ユース・ケースで、ハンドル上の制御表面のストレッチに基づいて、オーディオ・ボリュームを上下に変更することができる。助けを求める小児のようにユーザを引っ張るストレッチ表面など、通知感を、非自動車コンテキストで実施することもできる。
【0053】
さらなる例は、ユーザがビデオまたは写真のストレッチ要素またはテクスチャ要素を感じることを可能にするメディア感を作り出すことを含む。たとえば、高速チェイスの当事者視点(a first person perspective)のビデオクリップは、オンスクリーン・アクションに応答してユーザの指をストレッチさせることができる。自動車が左右に曲がる時にユーザの指が左右にストレッチされる(案内される)のを感じることができ、あるいは、車両の加速/減速に基づいて指が上下にストレッチされるのを感じることができる。これらのストレッチ反応を、これらを実施できるデバイスの例である、モバイル・デバイス上またはウェアラブル織物を介して行うことができる。
【0054】
ユーザのオンスクリーン・アクションを運動感覚的に案内するトレーニング感または案内感を実施することもできる。たとえば、電話機のユーザ案内は、より触感的であり、あまり視覚的でなく、電話機オプションおよびセッティング・スクリーンを介して新しいユーザを案内するのを助けることができる。これは、ユーザが物理的な感覚およびアクションを所望のコマンドまたは結果に関連付けるので、ここで、よりよい「筋肉の記憶(マッスル・メモリー)」トレーニングを提供することもできる。したがって、経時的に、ストレッチ・ガイダンスを使用する位置トレーニングは、長期的な筋肉の記憶をよりすばやく確立することができる。
【0055】
テキスト・ストレッチ感またはテキスト・テクスチャ感は、テキストに追加の意味を与えることもできる。たとえば、テキストの内容に基づくさまざまな張力、摩擦、テクスチャ、または熱さえ有するeReaderまたは電子メール/SMSメッセージは、着信データの解釈を援助することができる。別の例として、単語鼓動の上に指を移動し、ユーザの指を仮想鼓動に合わせて上下に能動的に移動させるストレッチ・タッチ反応を有することなどの、コンテキスト信号を使用することができる。この情報およびストレッチ反応を、たとえば、モバイル・デバイス上またはウェアラブル織物を介して、またはたとえばタブレットなどの他のデバイス上で行うことができる。
【0056】
マルチユーザ対話感の質を高めることもでき、ユーザは、共有される表面、ローカル表面、またはリモート表面上で他のユーザのストレッチ感を感じ、応答することができる。たとえば、2人の人が、転がるボールを中央に有する弾力のあるひもの2つの異なる端を持っており、そのボールを共通のゴールに発射するか他の形で案内するためにそのひもをストレッチするために仮想的にユーザが一緒に働くことを可能にするゲームである。別の例として、第1のユーザは、ゲーム、オフィス、または他の共有される環境のいずれであれ、共有される仮想ディスプレイ上での第2のユーザによる仮想オブジェクトの移動の結果としてストレッチ効果を感じることができる。
【0057】
これらの上の例の多くでは、ストレッチ・センサおよびストレッチ出力デバイスの使用が含まれる。さらに別の実施形態では、プログラマブル・ストレッチャブル表面層が、たとえば携帯電話機/タブレット、ウェアラブル・デバイス、または他のデバイスなどのハンドヘルド・デバイス、モバイル・デバイス、または非モバイル・デバイス上にあるものなどのタッチ対話表面に取り付けられ、UI制御要素が、ストレッチ対話を使用してアクティブ化される。このストレッチ・システムの触覚応答は、ストレッチ表面のプログラムされた応答と、ストレッチ表面と調和された非ストレッチ触覚デバイスとに依存するであろう。電圧が印加される時に圧電素子またはEAP素子が物理的状態を変更する方法と同様に、ストレッチ応答の物理的特性を変更することができる。この実施形態では、調和を図ったアクチュエータを、ストレッチ制御アクション/入力の確認を与えるのに、または追加の触覚フィードバックとして使用することもできる。したがって、より機能強化された環境を生み出すことができる。
【0058】
ストレッチ触覚効果出力デバイスと非ストレッチ触覚効果出力デバイスとの両方に関して有用なプロセスを用いて、そのような機能強化された環境を管理することができる。
図9に、入力センサとストレッチ触覚効果出力デバイスおよび非ストレッチ触覚効果出力デバイスとの間の対話を管理するプロセスの実施形態を示す。プロセス900は、ストレッチ触覚効果出力デバイスのストレッチ特性をプログラムすること、データとしてセンサでのタッチ入力を受け取ること、ストレッチ応答を提供すべきかどうかを判定すること、ストレッチ触覚効果出力をトリガすること、ストレッチ対話センサ・データを待つこと、ストレッチ応答を測定すること、ストレッチ応答データに基づいてソフトウェアと対話すること、および触覚効果出力をトリガすることを含む。
【0059】
プロセス900は、モジュール905で開始され、モジュール910で、ストレッチ出力デバイスのストレッチ特性をプログラムする。その後、モジュール920で、タッチ入力(および関連するデータ)がタッチ・センサを介して到着する。モジュール930で、このプロセスは、モジュール920のデータに基づいて、任意のストレッチ触覚効果が適当であるかどうかを判定する。そうである場合には、このプロセスは、モジュール940でストレッチ出力デバイスを介してストレッチ触覚効果をトリガする。モジュール930の判定のどちらの場合でも、その後、このプロセスはモジュール950に進む。
【0060】
モジュール950では、このプロセスは、ストレッチ対話(またはタッチ対話)がタッチ表面(たとえば、タッチ感知センサ)上で感知されるのを待つ。このプロセス(たとえば、このプロセスを実行するプロセッサ)は、モジュール960で、タッチ・センサのセンサ・データを読み取ることによって、ストレッチ応答を測定する。その後、プロセッサは、たとえばソフトウェア内容若しくはコントロールと対話することまたはデータを所定のしきい値と比較することなどによって、任意の適当な触覚効果がモジュール970にあることを判定する。その後、モジュール980で、このプロセスは、ストレッチ触覚効果を開始するかトリガする。さらに、モジュール980で、このプロセスは、準備された任意の非ストレッチ触覚効果をトリガするか開始し、したがって、ストレッチ触覚効果と非ストレッチ触覚効果との両方に基づくユーザ体験を提供する。このプロセスは、モジュール985で終了することができ、あるいは、ループする形で継続することができる。
【0061】
他のプロセスを使用して、同様の効果を得ることもできる。
図10に、入力センサとストレッチ触覚効果出力デバイスおよび非ストレッチ触覚効果出力デバイスとの間の対話を管理するプロセスの代替実施形態を示す。プロセス1000は、データとしてセンサでの入力を受け取ること、入力データを変換すること、データを効果のしきい値と比較すること、任意の触覚効果(ストレッチおよび非ストレッチ)が適当であるかどうかを判定すること、触覚効果を準備すること、および触覚効果(ストレッチおよび非ストレッチ)を開始することを含む。
【0062】
プロセス1000は、モジュール1005で開始され、モジュール1010で、センサでの入力を受け取る。当該のセンサは、ストレッチ・センサまたは非ストレッチ・センサとすることができる。入力データは生データとして到着し、プロセッサは、モジュール1020で生データを使用可能なデータに変換する。モジュール1030では、このプロセスは、センサ・データを表す使用可能なデータを触覚効果のしきい値と比較する。このプロセスは、モジュール1040で、モジュール1030の比較に基づいて、任意のストレッチ触覚効果が適当であるかどうかを判定する。同様に、このプロセスは、モジュール1050で、モジュール1030の同じ比較に基づいて、任意の非ストレッチ触覚効果が適当であるかどうかを判定する。プロセス1000を、いくつかの実施形態ではストレッチ出力効果だけに基づいて実施することができ、したがって、非ストレッチ入力データ・ストリームとストレッチ出力デバイスとの間の対話が可能にされることに留意されたい。
【0063】
このプロセスは、たとえば触覚効果出力デバイスを初期化するか用意することなどによって、モジュール1060で準備される、適当な触覚効果を準備する。その後、モジュール1070で、このプロセスは、準備されたストレッチ触覚効果を開始する。さらに、モジュール1080で、このプロセスは、準備された任意の非ストレッチ触覚効果を開始し、したがって、ストレッチ触覚効果と非ストレッチ触覚効果との両方に基づくユーザ体験を提供する。ストレッチ出力デバイスだけがこのプロセスの一部として機能する状況では、このプロセスは、たとえばモジュール1050および1080を含まなくてもよい。このプロセスは、モジュール1085で終了することができ、あるいは、ループする形で継続することができる。
【0064】
図9および10のプロセスを、さまざまなデバイスを用いて実施することができる。
図11に、入力センサおよびストレッチ触覚効果出力デバイスを有する装置の実施形態を示す。デバイス1100は、
図3のデバイス300および
図6のデバイス600に類似する構造を使用する。入力センサ1110は、デバイス1100内のプロセッサ320に結合され、たとえばタッチ入力センサと非タッチ入力センサとの両方を潜在的に含む、さまざまな潜在的な入力センサを提供する。触覚効果出力デバイス330およびストレッチ触覚効果出力デバイス640も、プロセッサ320に結合される。したがって、さまざまなタイプの入力を感知すると同時に、さまざまな触覚効果出力デバイスを使用して非ストレッチ触覚効果とストレッチ触覚効果との両方を提供することができる。デバイス1100を使用して、たとえば
図10のプロセス1000または
図9のプロセス900を実施することができる。
【0065】
図12に、入力センサおよびストレッチ触覚効果出力デバイスを有する装置の代替実施形態を示す。デバイス1200は、ストレッチ・センサ、ストレッチ触覚効果出力デバイス、および非ストレッチ触覚効果出力デバイスを有するデバイスである。ストレッチ・センサ710および720は、ストレッチ入力の感知を可能にする。ストレッチ・センサ710および720と同一の広がりを持つのが、ストレッチ触覚効果出力デバイス715および725である。したがって、デバイス1200は、ストレッチ触覚効果出力デバイス715および725を使用してストレッチ・センサ710および720のテクスチャまたは感覚を操作することができる。一例として、デバイス715を使用して、ストレッチ・センサ710のより滑らかな、より粗い、より固い、またはより柔軟な表面を提供することができる。入力センサ1270は、入力にも使用できる非ストレッチ・センサである。入力センサ1270は、たとえば押しボタン、ノブ、スライダ、その他など、さまざまなタイプのものとすることができ、さまざまなタイプの非ストレッチ入力を可能にすることができる。追加の非ストレッチ触覚効果出力デバイス730、740、および750も、デバイス700と共に設けられる。デバイス730、740、および750は、非ストレッチ触覚効果を提供し、デバイス715および725に関連して使用されることもできる。たとえば、デバイス1200は、内部プロセッサおよび/または通信ポートをも含むことができる。
【0066】
図13に、入力センサおよびストレッチ触覚効果出力デバイスを有する装置の更なる別の代替実施形態を示す。デバイス1300は、オーバーラップするストレッチ触覚効果出力デバイスを有するデバイスの例を示し、たとえば
図8および
図12のデバイスに対するある他の変形形態を示す。デバイス1300は、ストレッチ・センサ(710、720)、非ストレッチ・センサ(1270)、ストレッチ触覚効果出力デバイス(860、1315、および1325)、および非ストレッチ触覚効果出力デバイス(730、740、および750)を有するデバイスを提供する。
図7および12とは対照的に、たとえば、ストレッチ触覚効果出力デバイス1315および1325は、センサ710および720と同一の広がりを持つが、ストレッチ触覚効果出力を提供するためにより大きい面積を使用する。したがって、出力デバイス1315および1325を使用して、たとえば各センサと一致する表面の剛性、硬さ、または柔軟性の利用を介してセンサ710および720の入力区域を定義することができる。さらに、出力デバイス860を使用して、出力デバイス1315および1325に関連するセンサ710および720によって定義される制御表面とデバイスの残りの非制御表面との間のより大きな違いをもたらすことができる。デバイス860は、所望の区域または望まれない区域に向かうまたはこれから離れるようにユーザを導く出力効果を提供するストレッチ触覚効果出力デバイスとすることができる。これは、たとえば、制御表面に触れることによってユーザを案内することを含むことができる。
【0067】
図14に、入力センサおよびストレッチ触覚効果出力デバイスを有する装置の更なる別の代替実施形態を示す。デバイス1400は、銃身、銃把、引き金(およびエンクロージャ)、および安全装置を有するピストルとしてデザインされた(stylized)コントローラを提供する。銃把1410および銃身1420は、ピストルの基本要素を提供する。引き金1440は、エンクロージャ1430(たとえば、トリガ・ガード)によって囲まれ、タッチ感知表面1450を含む。表面1450は、ストレッチ触覚効果出力デバイスをも実施することができる。さらに、安全装置1460は、タッチ感知表面を使用し、潜在的にストレッチ接触効果出力デバイスをも使用するセーフティ・ボタンを提供する。したがって、たとえば引き金表面1450およびセーフティ・ボタン表面1460での入力を感知することができる。潜在的にこれらの表面を操作することもできる。したがって、引き金の関連する変形形態を有するさまざまなタイプの銃をシミュレートするために、引き金表面1450を固くまたは柔らかくすることができる。同様に、セーフティ・ボタン1460を変更して、たとえば、ストレッチ出力デバイスの使用を介してくぼんだボタンまたは持ち上げられたボタンをシミュレートすることができる。
【0068】
図15に、入力センサおよびストレッチ触覚効果出力デバイスを有する装置の別の代替実施形態を示す。デバイス1500は、制御表面および触覚効果出力デバイスを有する衣服を提供する。制御表面1510はストレッチ・センサであり、たとえば、衣服に一体化されたまたは衣服と通信しているプロセッサによって測定され得る。表面1520は、ストレッチ・センサおよびストレッチ触覚効果出力デバイスを提供し、このセンサおよびストレッチ触覚効果出力デバイスは、入力と、ユーザの制御表面の感覚を変更するストレッチ出力とを提供する。表面1530は、たとえばユーザが感知できるストレッチ出力を提供するストレッチ触覚効果出力デバイスを提供する。デバイス1540は、ストレッチ触覚出力または非ストレッチ触覚出力とすることができる触覚効果出力を提供する。制御表面1510と同様に、表面1520、表面1530、およびデバイス1540のそれぞれを、たとえばローカル・プロセッサまたは衣服1500の外部のプロセッサによって制御することができる。衣服1500が、他のデバイスとの通信を可能にするために通信ポート1550を含むと期待することもできる。通信ポート1550は、たとえばデバイス1540と一緒に、表面1510、1520、および1530に接続されまたはこれに結合されると期待することができる。さらに、たとえば、他のタイプの入力デバイス(センサ)と一緒に、たとえば複数の制御表面、表面(出力)、および出力デバイスを含めることができる。
【0069】
図16に、装置の実施形態でのストレッチ触覚効果出力デバイスの実施態様および作動の例を示す。装置1600は、たとえば携帯電話機とすることができるが、他のコンポーネントの中でも、タッチ感知ユーザ・インターフェースを含む。タッチ感知ユーザ・インターフェース1610は、たとえば、基礎になるディスプレイおよびユーザによってアクセス可能な上面を有する、ユーザによって知覚できるものとして図示されている。表現1620は、ユーザ・インターフェース1610の一部を形成するストレッチ出力デバイスの構成を示す。ストレッチ出力デバイスは、表現1620に示されているように、インターフェース1610の図示のアイコンの感覚をシミュレートするように構成される。さらに、タッチ感知層またはセンサがストレッチ出力デバイスに重なっており、ディスプレイおよびストレッチ触覚効果出力デバイスのタッチ出力とのユーザ対話から生じるユーザ入力などのタッチ関連データの感知を可能にする。したがって、ユーザは、表示されたアイコンがタッチに対してどのような感じを与えるのかの感覚を有することができ、これによってデバイスと対話することができる。
【0070】
アクチュエータからの追加された作動フィードバック応答を、一所に置かれたアクチュエータ(複数可)として、またはストレッチ材料内に組み込まれた作動能力を有するストレッチ材料からの固有の応答として適用することができ、たとえば、EAP応答を、ストレッチ材料に組み込むことができる。追加された作動フィードバックを用いると、上の非補足作動シナリオは今まで通り適用されるであろうが、非ストレッチ・アクチュエータ・フィードバックによる対話または入力の追加の確認を伴う。たとえば、ゲーム・シナリオで、キャラクタの移動を制御するのにストレッチ・フィードバックを使用しつつも、ゲーム内の衝突、爆発、または武器の発射を感じるのに追加の作動を使用することができる。
【0071】
別の例では、対話確認のために、ストレッチ・フィードバックがリストのスクロールを制御するが、リスト要素をスクロールする時にカチカチ感を感じさせるため、またはリストの終りに達した時に衝突感を提供するために追加の作動を使用することができる。上の例の両方で、補足作動フィードバックは、ストレッチ・フィードバックだけを用いて起こり得るものを超えてユーザ体験を拡張するのに使用されつつある。これは、特に、プログラマブル制御表面を含み、非ストレッチ触覚効果出力デバイスをも含むであろう。モバイル・デバイスは、現在、ゲームパッド、リモート・コントロール、ボタン、スイッチ、衣類などのようなより機械的な表面またはよりテクスチャのある表面を感じる形から本質的に切り離された、同一の基本的な滑らかな表面の感覚を有する。
【0072】
コンテンツおよびユース・ケースに基づいてその感覚を変更できる、より触感的な制御表面は、より豊富なユーザ体験を可能にする。これは、一般によりよい仮想制御を可能にする。大画面TVに接続されたモバイル・デバイスをコントローラとして使用するゲーマーは、大画面を見ることができるが、タッチスクリーン・モバイル・デバイス上のコントロールを感じることができない。前のシナリオで説明されるより触感的な制御表面は、これのような状況で役立つはずである。
【0073】
さまざまな特徴を、プログラマブル・ストレッチ触覚効果出力デバイスの使用から得ることができる。これは、制御のためのストレッチャブル表面の使用、ストレッチ体験の表面パラメータ(張力、摩擦、およびテクスチャ)のプログラム的変更、および作動するストレッチャブル制御表面の組合せを可能にすることができる。その結果、ユーザを運動感覚的に案内するのにプログラマブル・ストレッチ表面を使用することが、機能することができる。これは、特定のタイプの仮想情報を表現し、またはデータもしくは測定値の相対範囲を表現するのにさまざまなストレッチ感を使用することを可能にすることができる。1つまたは複数の補足アクチュエータを用いるストレッチャブル制御応答を使用することは、さらに、ユーザにとっての効果の質を高めることができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、変形可能なセルのアレイを、たとえばモバイル・デバイスおよびタブレット・デバイスのタッチスクリーンに潜在的に一体化され得る外面(オーバーレイ)を形成する個々に感知されおよび個々に制御/作動される触覚モジュールのセットから形成することができる。変形可能なセルのアレイは、たとえばウェアラブル・デバイスの場合など、ディスプレイに関連付けられる必要がない。各セルは、潜在的に、準静的変形から高周波振動までの広い範囲の周波数にわたる触覚効果を作り出すことができる。セルの機械的な組立体の構成および配置は、力の蓄積および隣接セルの変位を可能にし、プログラマブルな滑らかに浮き上がる(突起)またはくぼんだ(凹み)特徴(たとえば、自由形状変形)を作成することができる。そのような実施形態では、デバイスは、モビリティ関連応用でなど、有形のUI対話を物理的にシミュレートするのに変形可能セルのアレイを使用する。そのようなアレイは、たとえば、単一のストレッチ触覚効果出力デバイスと考えることができる。
【0075】
一実施形態では、変形可能セルのアレイは、有形のタッチスクリーン・キーボードを物理的にシミュレートするのに利用され、タッチスクリーン・モバイル・デバイスでのテキスト入力/キーボード対話を物理的に増補する。言い替えると、変形可能セルのアレイを使用して、テキスト入力アプリケーションで各キーまたは(より重要なことに)キーボードのキーの間のエッジを物理的に表示することができる。他の有形の特徴を、キー表示を増補するためにシミュレートすることもでき、たとえば、FキーおよびJキーを、現実のキーボードと同様に触覚的にマークしてタイピングしやすくすることができ、あるいは、修飾キー(たとえば、CTRL)の押下げ時に、事前に定義された機能を有するある種のキーを、触覚的に強調することができる(CTRL+C、CTRL+B、CTRL+Vなど)。各キーに関連する移動ストロークおよび力プロファイルを適合および調整して、(実際のキーボードを用いる対話と比較して)テキスト入力/タイピング体験の忠実度および正確さを高めることができる。この文脈で考慮されることのできるユーザ・インターフェース対話シナリオの例は、テキスト入力アプリケーションでのフル・キーボード表示およびキーボードをより人間工学的にするためのキーの成形を含む。これを使用して、実際のボタンに似た幾何形状、移動、および力プロファイルを有する物理ボタンを作成することもできる。
【0076】
別の実施形態では、変形可能セルのアレイを使用して、スクロールされるリストまたは静的リスト内のアイテムを持ち上げるかへこませることによってアイテムのリストとのユーザの対話(たとえば、リストのスクロール)の質を高め、したがって、選択を容易にし、現実性を高めることができる。たとえば、静的リスト内の各アイテムを持ち上げることができ、その結果、指先が、あるアイテムから次のアイテムにスライドする時に遷移を感じるようになる。さらに、「お気に入り」などのマークされたアイテムが、異なる形状を有することができ、アイテムのグループ(たとえば、カテゴリ、アルファベット順のグループ)の間の遷移を、持ち上げられた行またはへこまされた行など、別個の特徴を用いて強調することもできる。同様の変形を、スクロールされるリストに適用することができ、このリストでは、リストに軽く触れ、スライドするアイテムを感じることによって、形状が感じられる。
【0077】
上の強調されたまたは「お気に入りの」アイテムは、内容とUIフィードバックとの両方の形として触覚応答を用いて応答する。お気に入りのアイテムは、UI要素として感じられるが、リストまたはカテゴリまたはグループ分け内の他のアイテムからのお気に入りの区別された感覚は、UI要素に関する追加情報を与えるコンテンツ・フィードバック応答の形を提供する。
【0078】
別の例に取り込まれて、上のシステムおよび応答を、ユーザがブライユ点字文字ドットを表す一連の持ち上げられたアイテムまたはくぼまされたアイテムを感じる、盲人用の仮想ブライユ点字キーボードに適用することができる。UIフィードバックとして、持ち上げられたまたはくぼまされたストレッチャブルアイテムは、ブライユ点字文字ドットがUI制御表面のどこに配置されるのかをユーザに知らせる触覚応答を提供する。さらに、ブライユ点字テキストを入力するためにこれらの持ち上げられたまたはくぼまされたストレッチャブルアイテムを使用する時に、ユーザに触覚入力確認応答を与えることができる。
【0079】
これらの同一のブライユ点字文字ドットアイテムは、ユーザに内容情報を与える触覚出力チャネルとして働くこともできる。たとえば、ブライユ点字メッセージを入力した後に、これらの同一の触覚ドットアイテムが、ストレッチ材料または補足作動を介してユーザに対してメッセージを触感的に読み返すことができる。同一の触覚出力応答が、視覚障害者が着信メッセージ、アラート、または仮想コンテンツなどの仮想テキストを感じることを可能にすることができる。
【0080】
さらに、上の例は、視覚障害者にとって特有なものであるが、持ち上げられたまたはくぼまされたストレッチャブル触覚アイテムを、多数の他の実施形態の触覚入力制御方法ならびにコンテンツ出力システムとして適用できることを了解されたい。
【0081】
さらに別の実施形態では、変形可能セルのアレイを使用して、仮想環境内のオブジェクトの操作を物理的に増補し、したがって容易にすることができる。というのは、これが、ユーザがオブジェクトに「結び付けられた」突起/凹みと物理的に対話することを可能にするからである。そのような能力は、実世界のオブジェクト対話シナリオに似た知覚を提供するので、対話をより現実的にする。さらに、そのような対話に関連する力プロファイルをプログラマブルとすることができ、オブジェクトおよびその特性に関する広範囲のデータを表示することができるより豊富なHUIを可能にする。この実施形態から利益を得ることができるユーザ対話の例は、次の通りである。
【0082】
たとえば、スクリーン全域のあるUI要素(ウィジェット、アプリケーション・アイコン、ファイル/フォルダなど)に重ねられた(これに結び付けられた)突起(または凹み)の移動または押下げをシミュレートすることができる。しばしば指によって視覚的に遮られる小さいUIウィジェット(サイズ変更ハンドルなど)を、変形の後に、タッチ運動感覚フィードバックを介して検出し、操作することができる。同様の例で、ユーザは、指がエッジを遮る時であっても、形状をたとえば溢れ出ることなく塗り潰す(視覚的にペイントする)ことができる方法でディジタル・ドローイングのエッジを感じる/探査することができ、あるいは、スキャンされたオリジナルの表面変動をシミュレートすることができる。
【0083】
別の例として、ドラッグされたオブジェクトとスクリーン上の他のコンテンツとの間の対話の表示をシミュレートすることができる。たとえば、移動する線がウィンドウのエッジを越えて移動される時に、持ち上げられたアイコンを介してその線を感じることができる。同様の例で、ユーザがオブジェクトをドラッグしている間に、そのオブジェクトが、バリアに当たり、それ以上移動できなくなる。テキスト操作を容易にし、テキスト対話での視覚的な遮りの問題に対処するために、テキストの一部の上に変形特徴を重ねることなどによって、テキスト操作をシミュレートすることもできる。移動、コピー、および貼り付けなどの操作を、テキストの上にオーバーレイされた変形特徴との物理的な対話によって実行することができる。さらに、同一の機能性を、仮想オブジェクトがそれ自体で移動する(たとえば、仮想重力の影響の下で)時に利用することもでき、ユーザは、図示されまたは表示される時にそれが移動するのを感じることができる。
【0084】
別の実施形態では、変形可能セルのアレイを使用して、タッチスクリーン・デバイス内の物理コントローラをシミュレートすることができる。変形特徴を、平坦な表面から持ち上げて、十字キーまたは他の制御表面もしくは配置などの標準的な物理ユーザ・インターフェース・コントロールを表すことができる。変形可能セルのアレイは、十字キーの物理形状をシミュレートするだけではなく、実際のコントローラと対話する時のユーザの体験を複製することもできる。たとえば、十字キーの左側が押し下げられる場合に、指の下のセルは下に移動し、右側のセルは上に移動し、実際の十字キー・コントローラとの対話に似た対話を表す。2Dジョイスティック、対話型ゲーム機、またはラップトップ・コンピュータに見られるトラック・ポイントに似た、ユーザが対話できる持ち上げられた特徴を提供することもできる。
【0085】
さらに別の実施形態では、変形可能セルのアレイを使用して、実生活でマクロ・スケールで見られる物理テクスチャをシミュレートすることができ、小さい変形が、砂からガラスまでのすべてのものの感覚を作り出すことができる。
【0086】
別の実施形態では、変形可能セルのアレイを使用して、非ビジュアル・ユーザ・インターフェース対話およびジェスチャを使用可能にすることができる。変形は、視覚的検査なしで実行されるジェスチャを容易にし、触覚フィードバックを提供するのに使用される。これは、ユーザが、スクリーン上の視覚的プレゼンテーション(たとえば)と、たとえば別々のキーボード・シミュレータ上の触感プレゼンテーションとの両方を用いる機能強化された対話を達成することを可能にすることができる。
【0087】
たとえば、指ガイダンスを提供することができる。あるターゲット位置に向かってユーザの指を案内し、その後に指がターゲット・スポットに達した時に指をブロックする、スクリーン上の経路を作成することができる。より一般的に、デバイスは、ユーザが、あるグリッドまたは形状に「はまる(snap)」ことを可能にすることができる。別の例として、所定の形状またはパターンに基づいて、事前定義のメッセージを送信するように配置することができる。
【0088】
さらに別の実施形態では、上で説明されたプログラマブル変形ディスプレイを使用して、より豊富なジェスチャ言語につながる、より広い範囲の新規のジェスチャ対話を使用可能にすることもできる。たとえば、ユーザは、ディスプレイの表面が粘土または別の類似する材料から作製されているかのようにディスプレイの表面を操作することによって、空間情報を入力することができる。別の例では、ユーザは、2D表面にマッピングされたパラメータを操作することによって、地図の高度、画像の輝度(たとえば、画像の分離された部分でローカルに、または画像全体にわたってグローバルに)、オーディオ信号の歪みを操作しまたは変更し、あるいは、文書などのコンテンツをマークするために粘土にマークを作成することができる。
【0089】
いくつかの実施形態を使用して、変形を用いて自由空間ジェスチャを触覚的に増補することもできる。一実施形態では、モバイル・デバイスを、6自由度を使用して移動させることができ、方位に基づいて変化するさまざまな情報を表す変形触覚効果を再生することができる。たとえば、ユーザは、左から右に電話機を振ることができ、不連続な角度で、こぶ(bump)の触覚効果を再生することができ、あるいは、変形触覚テクスチャを表示することができる。同様の対話を、電話機が持たれ、回転される時に行うことができる。さらに別の実施形態では、ハンドヘルド・デバイスより大きいオブジェクトとの対話を、変形可能セルのアレイを使用してシミュレートすることができる。デバイス上の変形は、ユーザに、オブジェクトの部分だけに関する触覚情報を受け取ることを介して仮想オブジェクトを探査しまたは感じる能力を与える(空間位置およびつかむ方位に依存して、表示される情報を異なるものにすることができる)。手による球またはより大きいオブジェクトの探査と同様に、変形デバイスは、まるでユーザがそれに触れているかのように特定の位置で手によって感じられる仮想オブジェクトの形状を表示することができる。柔らかさ/硬さおよび潜在的に温度などの他の特性を提示することも実現可能とすることができる。
【0090】
当業者は、システムおよび方法の特定の例および実施形態が例示のために説明されたが、本発明から逸脱せずにさまざまな変更を行うことができることを了解する。たとえば、本発明の実施形態を、個別にまたは他のデバイスに関連して動作する多数の異なるタイプのオブジェクトまたはデバイスに適用することができる。さらに、一実施形態の特徴が、本文書内で単一の実施形態内で一緒に説明されない場合であっても、これらの特徴を他の実施形態に組み込むことができる。