【実施例】
【0046】
実施形態に係る個体識別装置10の実施例を用いて、本発明を説明する。本発明は、以後に説明する実施例以外でも、個体識別装置10が識別した結果を用いるものであれば、いずれのものにも用いることができる。
(実施例1)
【0047】
実施形態に係る個体識別装置10を含む個体識別システム100を用いて、本発明を説明する。本発明は、以後に説明する個体識別システム100以外でも、個体識別装置10が識別した結果を用いる個体識別システムであれば、いずれのもの(装置、部品、システム、アプリケーションなど)にも用いることができる。
【0048】
(個体識別システムの構成)
図6及び
図7を用いて、本発明の実施例1に係る個体識別システム100の構成を説明する。ここで、
図6は、本実施例に係る個体識別システム100の一例を説明する概略システム構成図である。
図7は、本実施例に係る個体識別システム100の一例を説明する概略システム図である。なお、以後の説明においては、実施形態に係る個体識別装置10と異なる部分を主に説明する。
【0049】
図6に示すように、本実施例に係る個体識別システム100は、実施形態に係る個体識別装置10と、通信システム100Cと、情報端末100Tと、を含む。
【0050】
通信システム100Cは、個体識別装置10と情報端末100Tとを接続するものである。
図7に示すように、通信システム100Cは、個体識別装置10と情報端末100Tとの間で電子情報の送受信を行う。通信システム100Cは、LAN、無線LAN、インターネット及びその他通信手段で構成される。
【0051】
情報端末100Tは、
図7に示すように、通信システム100Cを介して、個体識別装置10と情報の入出力を行う端末である。情報端末100Tは、本実施例では、
図6に示すように、入力手段101、出力手段102及び表示手段103を備える。情報端末100Tは、例えばタブレット、スマートフォン、携帯端末、ノートPC( notebook computer )、PC( personal computer、laptop )などであってもよい。
【0052】
入力手段101は、通信システム100Cを介して、個体識別装置10から情報を入力する手段である。入力手段101は、本実施例では、個体識別装置10の個体識別部13d(
図1)が識別した識別結果を入力する。入力手段101は、情報端末100Tの動作及び設定等に関する情報を入力されてもよい。なお、入力手段101は、情報端末(タブレットなど)に予め搭載されている機能(タッチパネル、キーボード、マウスなど)を利用する構成であってもよい。
【0053】
出力手段102は、通信システム100Cを介して、個体識別装置10に情報を出力する手段である。出力手段102は、本実施例では、識別対象情報を個体識別装置10に出力する。出力手段102は、情報端末100Tの動作、状態及び設定等に関する情報を出力してもよい。なお、出力手段102は、情報端末(タブレットなど)に予め搭載されている機能(無線通信機能、有線通信機能など)を利用する構成であってもよい。
【0054】
表示手段103は、入力手段101に入力された情報を表示する手段である。表示手段103は、情報端末100Tの動作、状態及び設定等に関する情報を表示してもよい。なお、表示手段103は、情報端末(タブレットなど)に予め搭載されている機能(液晶ディスプレイ、有機EL、タッチパネルなど)を利用する構成であってもよい。
【0055】
(個体識別システムの動作(個体識別システムの制御方法))
図8を用いて、個体識別システム100(
図6)が個体を識別する動作を説明する。ここで、
図8は、本発明の実施例に係る個体識別システム100の動作の一例を説明するフローチャート図である。なお、
図8に示す個体識別システム100の動作は一例であり、本発明は
図8に示す個体識別システム100の動作に限定されるものではない。
【0056】
図8に示すように、個体識別システム100は、ステップS801において、先ず、制御手段10C(
図1)を用いて、個体を識別する動作を開始する。制御手段10Cは、情報端末100Tの入力手段101(
図6)によって例えば利用者が入力した情報に応じて、個体を識別する動作を開始することができる。その後、個体識別システム100は、ステップS802に進む。
【0057】
次に、ステップS802において、個体識別システム100は、個体識別装置10の記憶手段11(
図1)を用いて、複数の個体の骨の形状に関する照合情報を記憶する(記憶ステップ)。なお、記憶手段11の動作は、実施形態に係る個体識別装置10の動作(
図5のステップS502)と同様のため、説明を省略する。その後、個体識別システム100は、ステップS803に進む。
【0058】
次いで、ステップS803において、個体識別システム100は、出力手段102を用いて、情報端末100Tから識別対象情報を個体識別装置10に出力する(出力ステップ)。このとき、個体識別装置10の取得手段12(
図1)は識別対象情報を取得する(ステップS804)。その後、個体識別システム100は、ステップS805に進む。
【0059】
ステップS805において、個体識別システム100は、個体識別装置10を用いて、個体を識別する(識別ステップ)。このとき、個体識別装置10は、実施形態に係る個体識別装置10の動作(
図5のステップS504からステップS507)と同様に、個体を識別する。その後、個体識別システム100は、ステップS806に進む。
【0060】
ステップS806において、個体識別システム100は、入力手段101を用いて、識別結果を個体識別装置10から情報端末100Tに入力する(入力ステップ)。このとき、情報端末100Tは、ステップS807として、表示手段103を用いて、識別結果を表示する(表示ステップ)。その後、個体識別システム100は、ステップS808に進む。
【0061】
ステップS808において、個体識別システム100は、情報端末100Tを用いて、個体を識別する動作を繰り返すか否かを判断する。具体的には、情報端末100Tは、情報端末100Tから出力する識別対象情報を変更して、上記のステップS803からステップS807の動作を繰り返すか否かを判断する。情報端末100Tは、例えば情報端末100Tの利用者から入力された情報に基づいて、個体を識別する動作を繰り返すか否かを判断することができる。これにより、個体識別システム100は、情報端末100Tの利用者の所望のタイミングで、個体を識別することができる。
【0062】
その後、個体を識別する動作を繰り返すと判断した場合には、個体識別システム100は、ステップS803に戻る。個体を識別する動作を終了すると判断した場合には、個体識別システム100は、図中の「END」に進み、個体を識別する動作を終了する。
【0063】
(識別対象情報の例)
図9乃至
図13に識別対象情報の例を示す。ここで、
図9(a)は、本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報(正面からの頭部X線画像データ)の一例を説明する図である。
図9(b)は、本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報(側面からの頭部X線画像データ)の一例を説明する図である。
図10(a)は、本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報(手の硬組織のX線画像データ)の一例を説明する図である。
図10(b)は、本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報(足の硬組織のX線画像データ)の一例を説明する図である。
図11は、本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報(パノラマ撮影時の口腔内X線画像データ)の一例を説明する図である。
図12は、本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報(パノラマ撮影時の口腔内X線画像データ)の輪郭データ(特に、左側輪郭データ)の照合処理の例を説明する説明図である。
図13は、本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報(歯牙の治療情報)の一例を説明する図である。なお、
図9乃至
図13に示す識別対象情報は一例であり、本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報は
図9乃至
図13に示す識別対象情報に限定されるものではない。
【0064】
図9(a)に示すように、個体識別装置10は、識別対象情報として、正面からの頭部X線画像データを利用することができる。また、
図9(b)に示すように、個体識別装置10は、識別対象情報として、側面からの頭部X線画像データを利用することができる。
図10(a)に示すように、個体識別装置10は、識別対象情報として、手の硬組織のX線画像データを利用することができる。また、
図10(b)に示すように、個体識別装置10は、識別対象情報として、足の硬組織のX線画像データを利用することができる。
【0065】
なお、個体識別装置10は、識別対象情報として、頭蓋骨外形線、眼窩、上顎前歯部、上顎の臼歯部、上顎洞底線、下顎臼歯、下顎前歯部、下顎骨外形線、下顎管、歯根の近傍の歯槽硬線、及び、頬骨のいずれか1つ又は複数の形状を基準に照合することができる。また、個体識別装置10は、識別対象情報として、下顎骨骨体部下縁外形線と下顎管との距離、下顎臼歯部の歯根湾曲状態、及び、下顎骨の骨密度による紋様のいずれか1つ又は複数を基準に照合することができる。
【0066】
図11に示すように、個体識別装置10は、識別対象情報として、パノラマ撮影時の口腔内X線画像データを利用することができる。ここで、
図12(a)に示すように、パノラマ撮影時の口腔内X線画像データにおいて、輪郭データの遠心側(図に向かって左側)には、2つの略円弧状の突出部がある。個体識別装置10は、
図12(a)に示すように、この2つの突出部に対して共通の接線を引く。また、個体識別装置10は、
図12(b)に示すように、上記接線を基準線として、識別対象情報(画像データ)と照合情報(画像データ)とを照合することができる。これにより、個体識別装置10は、下顎枝遠心ラインの形状が整合するか否かを判断することができる。
【0067】
個体識別装置10は、例えば下顎枝遠心ラインのうち、重ならない部分の面積の大きさやコントラスト比が所定の基準値以下であるか否かに基づいて、照合することができる。コントラスト比は、例えば重ならない部分の面積と重なる部分の面積との比率である。また、個体識別装置10は、識別対象情報(画像データ)及び照合情報(画像データ)の接線の長さが同じか否かに基づいて、照合することができる。なお、下顎枝遠心ラインを照合する際に接線を使うのは一つの照合方法に過ぎず、他の方法を使ってもよく、例えば、指紋照合と同様に、下顎枝遠心ラインの形状自体を合わせるようにしてもよい。なお、所定の基準値とは、識別する骨の部位に対応する値である。また、本発明に係る個体識別装置10は、所定の基準値を、実験又は計算で予め定められる値とすることができる。
【0068】
図13に示すように、個体識別装置10は、識別対象情報として、歯牙の治療情報を利用することができる。個体識別装置10は、歯牙の治療情報として、例えば上下左右の犬歯、第1大臼歯、および第2大臼歯の合計12本を対象とする。また、個体識別装置10は、歯牙の治療情報として、0から7の番号を割り当てた合計8項目の治療情報を規定する。ここで、項目は、例えば「0:欠損」「1:金属なし・根充なし」「2:金属なし・根充あり」「3:金属あり・根充なし」「4:金属あり・根充あり」「5:埋伏歯」「6:ヘミセクション(下顎のみ)」「7:ポンティック」「8:インプラント」を用いることができる。
【0069】
個体識別装置10は、識別対象情報として、それぞれ歯牙について、規定した治療情報に該当する場合に「1」を、該当しない場合に「0」を設定する。健全歯は、上記の「1:金属なし根充なし」に対応する。なお、金属の存在は、X線撮影画像において、最も容易に確認できるものである。また、金属以外の修復材料及び補綴材料はX線撮影画像上でX線透過性の違いから様々な濃度で現れるため、医師によって所見が分かれる可能性が大きい。根管内にX線不透過像が確認できれば、根充の有無は「根充あり」とすることで、医師の所見を統一できる。
【0070】
「6:ヘミセクション」は分割抜歯である。本例では、識別対象情報として、上額大臼歯の判別が困難な場合があるため容易に確認できる下顎大臼歯のみとしているが、上額大臼歯であってもよい。ヘミセクションは、大臼歯を対象とした治療法である。また、本例では、下顎の歯のみを対象としているので、犬歯と上顎の歯に対しては「7:ヘミセクション」の入力を受け付けないようにしてもよい。なお、本発明に係る個体識別装置10は、識別対象情報として、犬歯と上顎の歯を対象としてもよい。
【0071】
(個体識別システムの制御方法のプログラム及び記録媒体)
本発明に係る個体識別システムの制御方法のプログラムPr1は、個体識別装置と、通信回線を介して前記個体識別装置と接続された情報端末とを含む個体識別システムの制御方法であって、前記情報端末から前記個体識別装置に前記識別対象情報を出力する出力ステップと、前記個体識別装置から前記情報端末に個体識別ステップで識別した結果を入力する入力ステップと、前記入力ステップで入力された情報を前記情報端末で表示する表示ステップとを更に含む、ことを特徴とする個体識別システムの制御方法を実行する。
【0072】
上記のプログラムPr1によれば、個体識別システム100(前述)と同等の効果が得られる。
【0073】
また、本発明は、プログラムPr1を記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体Md1としてもよい。記録媒体Md1には、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD、及び、メモリーカード等、コンピュータ読み取り可能な媒体を利用することができる。更に、本発明は、プログラムPr1をインターネット等のネットワークを介して送信することが可能な伝送可能媒体であってもよい。
(実施例2)
【0074】
実施形態に係る個体識別装置10を含む身元確認システム200を用いて、本発明を説明する。本発明は、以後に説明する身元確認システム200以外でも、個体識別装置10が識別した結果を用いる身元確認システムであれば、いずれのもの(装置、部品、システム、アプリケーションなど)にも用いることができる。
【0075】
(身元確認システムの構成)
図14を用いて、本発明の実施例2に係る身元確認システム200の構成を説明する。ここで、
図14は、本実施例に係る身元確認システム200の一例を説明する概略システム構成図である。なお、以後の説明においては、実施形態に係る個体識別装置10及び実施例1に係る個体識別システム100と異なる部分を主に説明する。また、身元確認システム200のシステム図は、前述の実施例1に係る個体識別システム100のシステム図(
図7)と同様のため、説明を省略する。
【0076】
図14に示すように、本実施例に係る身元確認システム200は、実施形態に係る個体識別装置10と、通信システム200Cと、情報端末200Tと、を含む。
【0077】
通信システム200Cは、個体識別装置10と情報端末200Tとを接続するものである。通信システム200Cは、個体識別装置10と情報端末200Tとの間で電子情報の送受信を行う。
【0078】
情報端末200Tは、通信システム200Cを介して、個体識別装置10と情報の入出力を行う端末である。情報端末200Tは、本実施例では、
図14に示すように、入力手段201、出力手段202、表示手段203及び確認手段204を備える。情報端末200Tは、例えばタブレット、スマートフォン、携帯端末、ノートPC、PCなどであってもよい。なお、入力手段201、出力手段202及び表示手段203は、実施例1に係る入力手段101、出力手段102及び表示手段103と同様のため、説明を省略する。
【0079】
確認手段204は、不特定者の身元を確認する手段である。確認手段204は、本実施例では、入力手段201に入力された情報(身元確認要求情報)に基づいて、不特定者の身元を確認する。すなわち、確認手段204は、個体識別装置10の識別手段13の識別結果に基づいて不特定者に関する情報を特定することによって、不特定者の身元を確認することができる。
【0080】
(身元確認システムの動作(身元確認システムの制御方法))
図15を用いて、身元確認システム200(
図14)が身元を確認する動作を説明する。ここで、
図15は、本発明の実施例に係る身元確認システム200の動作の一例を説明するフローチャート図である。なお、
図15に示す身元確認システム200の動作は一例であり、本発明は
図15に示す身元確認システム200の動作に限定されるものではない。
【0081】
図15に示すように、身元確認システム200は、ステップS1501からステップS1507まで実施例1に係る個体識別システム(
図8)と同様の動作を実施する。その後、身元確認システム200は、ステップS1508に進む。
【0082】
ステップS1508において、身元確認システム200は、確認手段204を用いて、身元を確認する(確認ステップ)。具体的には、確認手段204は、ステップS1505で識別した識別結果に基づいて不特定者に関する情報を特定し、特定した情報を表示手段203等で表示する。その後、身元確認システム200は、ステップS1509に進む。
【0083】
ステップS1509において、身元確認システム200は、情報端末200Tを用いて、身元を確認する動作を繰り返すか否かを判断する。具体的には、情報端末200Tは、情報端末200Tから出力する識別対象情報(身元確認のための情報)を変更して、上記のステップS1503からステップS1508の動作を繰り返すか否かを判断する。その後、身元を確認する動作を繰り返すと判断した場合には、身元確認システム200は、ステップS1503に戻る。身元を確認する動作を終了すると判断した場合には、身元確認システム200は、図中の「END」に進み、身元を確認する動作を終了する。
【0084】
(身元確認システムの制御方法のプログラム及び記録媒体)
本発明に係る身元確認システムの制御方法のプログラムPr2は、個体識別装置と、通信回線を介して前記個体識別装置と接続された情報端末とを含む身元確認システムの制御方法であって、前記情報端末から前記個体識別装置に前記識別対象情報を出力する出力ステップと、前記個体識別装置から前記情報端末に個体識別ステップで識別した結果を入力する入力ステップと、前記入力ステップで入力された情報に基づいて、個体の身元を確認する確認ステップとを更に含む、ことを特徴とする身元確認システムの制御方法を実行する。
【0085】
上記のプログラムPr2によれば、本発明の実施例1に係る個体識別システム100(前述)と同等の効果が得られる。
【0086】
また、本発明は、プログラムPr2を記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体Md2としてもよい。記録媒体Md2には、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD、及び、メモリーカード等、コンピュータ読み取り可能な媒体を利用することができる。更に、本発明は、プログラムPr2をインターネット等のネットワークを介して送信することが可能な伝送可能媒体であってもよい。
(実施例3)
【0087】
実施形態に係る個体識別装置10を含む生体認証システム300を用いて、本発明を説明する。本発明は、以後に説明する生体認証システム300以外でも、個体識別装置10が識別した結果を用いる生体認証システムであれば、いずれのもの(装置、部品、システム、アプリケーションなど)にも用いることができる。また、生体認証システム300のシステム図は、前述の実施例1に係る個体識別システム100のシステム図(
図7)と同様のため、説明を省略する。
【0088】
(生体認証システムの構成)
図16を用いて、本発明の実施例3に係る生体認証システム300の構成を説明する。ここで、
図16は、本実施例に係る生体認証システム300の一例を説明する概略システム構成図である。なお、以後の説明においては、実施形態に係る個体識別装置10及び実施例1に係る個体識別システム100と異なる部分を主に説明する。
【0089】
図16に示すように、本実施例に係る生体認証システム300は、実施形態に係る個体識別装置10と、通信システム300Cと、情報端末300Tと、を含む。
【0090】
通信システム300Cは、個体識別装置10と情報端末300Tとを接続するものである。通信システム300Cは、個体識別装置10と情報端末300Tとの間で電子情報の送受信を行う。
【0091】
情報端末300Tは、通信システム300Cを介して、個体識別装置10と情報の入出力を行う端末である。情報端末300Tは、本実施例では、
図16に示すように、入力手段301、出力手段302、表示手段303及び認証手段304を備える。情報端末300Tは、例えばタブレット、スマートフォン、携帯端末、ノートPC、PCなどであってもよい。なお、入力手段301、出力手段302及び表示手段303は、実施例1に係る入力手段101、出力手段102及び表示手段103と同様のため、説明を省略する。
【0092】
認証手段304は、利用者を認証する手段である。認証手段304は、本実施例では、利用者が入力手段301を用いて入力した情報(個人認証情報)に基づいて、利用者を認証(特定、確認、承認など)する。すなわち、認証手段304は、個体識別装置10の識別手段13の識別結果に基づいて、利用者を認証する。
【0093】
(生体認証システムの動作(生体認証システムの制御方法))
図17を用いて、生体認証システム300(
図16)が生体を認証する動作を説明する。ここで、
図17は、本発明の実施例に係る生体認証システム300の動作の一例を説明するフローチャート図である。なお、
図17に示す生体認証システム300の動作は一例であり、本発明は
図17に示す生体認証システム300の動作に限定されるものではない。
【0094】
図17に示すように、生体認証システム300は、ステップS1701からステップS1707まで実施例1に係る個体識別システム(
図8)と同様の動作を実施する。その後、生体認証システム300は、ステップS1708に進む。
【0095】
ステップS1708において、生体認証システム300は、認証手段304を用いて、生体を認証する(認証ステップ)。具体的には、認証手段304は、ステップS1705で識別した識別結果に基づいて利用者に関する情報を特定し、特定した情報を用いて利用者を認証する。その後、生体認証システム300は、ステップS1709に進む。
【0096】
ステップS1709において、生体認証システム300は、情報端末300Tを用いて、生体を認証する動作を繰り返すか否かを判断する。具体的には、情報端末300Tは、情報端末300Tから出力する識別対象情報(認証のための情報)を変更して、上記のステップS1703からステップS1708の動作を繰り返すか否かを判断する。その後、生体を認証する動作を繰り返すと判断した場合には、生体認証システム300は、ステップS1703に戻る。生体を認証する動作を終了すると判断した場合には、生体認証システム300は、図中の「END」に進み、生体を認証する動作を終了する。
【0097】
(生体認証システムの制御方法のプログラム及び記録媒体)
本発明に係る生体認証システムの制御方法のプログラムPr3は、個体識別装置と、通信回線を介して前記個体識別装置と接続された情報端末とを含む生体認証システムの制御方法であって、前記情報端末から前記個体識別装置に前記識別対象情報を出力する出力ステップと、前記個体識別装置から前記情報端末に個体識別ステップで識別した結果を入力する入力ステップと、前記入力ステップで入力された情報に基づいて、生体を認証する認証ステップとを更に含む、ことを特徴とする生体認証システムの制御方法を実行する。
上記のプログラムPr3によれば、本発明の実施例1に係る個体識別システム100(前述)と同等の効果が得られる。
【0098】
また、本発明は、プログラムPr3を記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体Md3としてもよい。記録媒体Md3には、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD、及び、メモリーカード等、コンピュータ読み取り可能な媒体を利用することができる。更に、本発明は、プログラムPr3をインターネット等のネットワークを介して送信することが可能な伝送可能媒体であってもよい。
【0099】
以上のとおり、本発明に係る実施形態及び実施例について説明したが、本発明は上記の実施形態及び実施例に限定されるものではない。すなわち、本発明は、特許請求の範囲に記載の内容に基づいて、様々に変形、変更又はその他任意に改変され得る。
(実施例4)
【0100】
実施形態に係る個体識別装置10を含む生体認証システムの一例を説明する。
【0101】
図18を用いて、本発明の実施例4に係る生体認証システムのシステムを説明する。ここで、
図18は、本実施例に係る生体認証システムの一例を示す概略システム構成図である。なお、以後の説明においては、実施形態に係る個体識別装置10及び実施例3に係る個体識別システム100と異なる部分を主に説明する。
【0102】
図18に示すように、本実施例に係る生体認証システムは、顔認証装置CMと、ビーム照射装置BMと、ビーム検出装置SNと、を含む。なお、ビーム照射装置BMが照射するビームは、X線、超音波若しくは電磁波及び/又は発光のいずれか1つ又は複数のものであってもよい。
【0103】
頭蓋骨の撮影は、平面画像と3D画像に分けられる。平面画像の場合には、例えば側面から頭蓋骨の撮影を行う。頭蓋骨には多くの孔が存在するが、軟組織(骨以外の組織)を除くと画像は比較的明瞭なものであり、コンピュータで解析しやすい。生体認証システムは、例えば
図19に示す頭部側面の画像を取得することができる。
【0104】
生体認証システムは、
図18に示すように、ビーム照射装置BMを用いて、頭部の側面から軟組織を透過するビームを照射する。このとき、生体認証システムは、左右の外耳孔(
図19のEH)が最大に一致する照射角度を基準とし、この基準方向からの画像を用いる。生体認証システムは、撮影装置が基準軸に移動できるものでも良い。この方向により撮影された画像は単一のものであり、再現性に優れている。生体認証システムは、外耳孔が一致する方向により、顔認証装置との連動により、頭蓋骨の正中面を決定することができる。
【0105】
生体認証システムは、人が上や下を向いている場合に、
図19に示す眼窩IBの下縁と外耳孔EHの上縁を結ぶ線(フランクフルト平面)FLを用いて、頭部の向き(回転方向)を修正することができる。これにより、生体認証システムは、頭蓋骨の位置を設定することができるので、下顎骨の位置は咬み合わせた状態の指示で設定することができる。
【0106】
以上のとおり、生体認証システムは、ビーム検出装置SNが取得した画像を用いて、生体認証をすることができる。
【0107】
また、偽装が容易でない部位として、歯牙の歯根の湾曲、歯根の周りに高石灰化により他の骨と違いがでる歯槽硬線、下顎骨下顎枝後方の関節突起から下顎角までのライン、下顎骨内に存在する下歯槽管等がある。この場合も、上記の撮影のための位置決定を行い、ビーム照射装置BMを用いて頭蓋骨に対してわずかに前方からビームを照射し、ビーム検出装置SNを用いて検出側の下顎骨下顎枝を撮影することができる。また、生体認証システムは、歯科用パノラマX線写真を更に用いる構成であってもよい。
【0108】
なお、生体認証システムは、3D画像を用いる場合には、顔認証装置CM(
図18)を用いて、頭部(被写体)の位置を確定することができる。また、生体認証システムは、頭蓋骨の方向を検知して、3D撮影装置を所望の位置に移動し、撮影してもよい。更に、生体認証システムは、本システムで取得した画像と3D映像とを従来技術(位相相関法など)で一致させてもよい。
(実施例5)
【0109】
図20を用いて、本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報(手部の識別部位)の一例を説明する。ここで、
図20は、本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報として、識別、認証する部位(識別部位)として手部の一例を説明する図である。
【0110】
図20に示すように、手の骨の画像からの生体認証(識別)では、手根骨GAと中手骨GBとの境界が不明瞭になる場合がある。このため、第1から第5の末梢にある指骨GCの形状に基づいて認証することで、より高精度の認証が可能になる。
図20に示すように、例えば指骨GCの末節骨GC1、中節骨GC2、基節骨GC3の3D画像若しくは平面画像における長さを用いてもよい。
【0111】
生体認証システムは、指骨GCの末節骨GC1、中節骨GC2、基節骨GC3を予め測定しておき、認証を行うときに、更に手部の末節骨GC1、中節骨GC2、基節骨GC3の形状を用いて、認証の精度を向上することができる。なお、末節骨GC1、中節骨GC2、基節骨GC3は、片手で14本の測定が可能であり、両手で28本の測定が可能である。また、平面画像では検出器に手のひらを乗せて撮影し、2次元的な長さと形状により測定および認証することできる。3D画像では3D映像から正確な長さを算出し、更に位相相関法により形状を一致せる方法で認証を行うことができる。
(実施例6)
【0112】
図21を用いて、本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報(足部の識別部位)の一例を説明する。ここで、
図21は、本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報として、識別、認証する部位(識別部位)として足部の一例を説明する図である。
【0113】
図21に示すように、足の骨の画像からの生体認証(識別)では、足根骨FAと中足骨FBとの境界が不明瞭になる場合がある。このため、第1から第5の末梢にある指骨FCの形状に基づいて認証することで、より高精度の認証が可能になる。
図21に示すように、例えば指骨FCの末節骨FC1、中節骨FC2、基節骨FC3の3D画像若しくは平面画像における長さを用いてもよい。
【0114】
生体認証システムは、指骨FCの末節骨FC1、中節骨FC2、基節骨FC3を予め測定しておき、認証を行うときに、更に手部の末節骨FC1、中節骨FC2、基節骨FC3の形状を用いて、認証の精度を向上することができる。なお、末節骨FC1、中節骨FC2、基節骨FC3は、片手で14本の測定が可能であり、両手で28本の測定が可能である。また、平面画像では検出器に足を乗せて撮影し、2次元的な長さと形状により測定および認証することできる。3D画像では3D映像から正確な長さを算出し、更に位相相関法により形状を一致せる方法で認証を行うことができる。更に、足の指骨は、検出器の上に立つまたは検出器の上を歩く動作でも認識が可能である。