特開2015-164036(P2015-164036A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 牧田 博至の特許一覧 ▶ 亀田 智之の特許一覧

特開2015-164036個体識別装置、個体識別システム、身元確認システム及び生体認証システム、並びに、それらの制御方法、それらの制御方法のプログラム及びそれらのプログラムを記録した記録媒体
<>
  • 特開2015164036-個体識別装置、個体識別システム、身元確認システム及び生体認証システム、並びに、それらの制御方法、それらの制御方法のプログラム及びそれらのプログラムを記録した記録媒体 図000003
  • 特開2015164036-個体識別装置、個体識別システム、身元確認システム及び生体認証システム、並びに、それらの制御方法、それらの制御方法のプログラム及びそれらのプログラムを記録した記録媒体 図000004
  • 特開2015164036-個体識別装置、個体識別システム、身元確認システム及び生体認証システム、並びに、それらの制御方法、それらの制御方法のプログラム及びそれらのプログラムを記録した記録媒体 図000005
  • 特開2015164036-個体識別装置、個体識別システム、身元確認システム及び生体認証システム、並びに、それらの制御方法、それらの制御方法のプログラム及びそれらのプログラムを記録した記録媒体 図000006
  • 特開2015164036-個体識別装置、個体識別システム、身元確認システム及び生体認証システム、並びに、それらの制御方法、それらの制御方法のプログラム及びそれらのプログラムを記録した記録媒体 図000007
  • 特開2015164036-個体識別装置、個体識別システム、身元確認システム及び生体認証システム、並びに、それらの制御方法、それらの制御方法のプログラム及びそれらのプログラムを記録した記録媒体 図000008
  • 特開2015164036-個体識別装置、個体識別システム、身元確認システム及び生体認証システム、並びに、それらの制御方法、それらの制御方法のプログラム及びそれらのプログラムを記録した記録媒体 図000009
  • 特開2015164036-個体識別装置、個体識別システム、身元確認システム及び生体認証システム、並びに、それらの制御方法、それらの制御方法のプログラム及びそれらのプログラムを記録した記録媒体 図000010
  • 特開2015164036-個体識別装置、個体識別システム、身元確認システム及び生体認証システム、並びに、それらの制御方法、それらの制御方法のプログラム及びそれらのプログラムを記録した記録媒体 図000011
  • 特開2015164036-個体識別装置、個体識別システム、身元確認システム及び生体認証システム、並びに、それらの制御方法、それらの制御方法のプログラム及びそれらのプログラムを記録した記録媒体 図000012
  • 特開2015164036-個体識別装置、個体識別システム、身元確認システム及び生体認証システム、並びに、それらの制御方法、それらの制御方法のプログラム及びそれらのプログラムを記録した記録媒体 図000013
  • 特開2015164036-個体識別装置、個体識別システム、身元確認システム及び生体認証システム、並びに、それらの制御方法、それらの制御方法のプログラム及びそれらのプログラムを記録した記録媒体 図000014
  • 特開2015164036-個体識別装置、個体識別システム、身元確認システム及び生体認証システム、並びに、それらの制御方法、それらの制御方法のプログラム及びそれらのプログラムを記録した記録媒体 図000015
  • 特開2015164036-個体識別装置、個体識別システム、身元確認システム及び生体認証システム、並びに、それらの制御方法、それらの制御方法のプログラム及びそれらのプログラムを記録した記録媒体 図000016
  • 特開2015164036-個体識別装置、個体識別システム、身元確認システム及び生体認証システム、並びに、それらの制御方法、それらの制御方法のプログラム及びそれらのプログラムを記録した記録媒体 図000017
  • 特開2015164036-個体識別装置、個体識別システム、身元確認システム及び生体認証システム、並びに、それらの制御方法、それらの制御方法のプログラム及びそれらのプログラムを記録した記録媒体 図000018
  • 特開2015164036-個体識別装置、個体識別システム、身元確認システム及び生体認証システム、並びに、それらの制御方法、それらの制御方法のプログラム及びそれらのプログラムを記録した記録媒体 図000019
  • 特開2015164036-個体識別装置、個体識別システム、身元確認システム及び生体認証システム、並びに、それらの制御方法、それらの制御方法のプログラム及びそれらのプログラムを記録した記録媒体 図000020
  • 特開2015164036-個体識別装置、個体識別システム、身元確認システム及び生体認証システム、並びに、それらの制御方法、それらの制御方法のプログラム及びそれらのプログラムを記録した記録媒体 図000021
  • 特開2015164036-個体識別装置、個体識別システム、身元確認システム及び生体認証システム、並びに、それらの制御方法、それらの制御方法のプログラム及びそれらのプログラムを記録した記録媒体 図000022
  • 特開2015164036-個体識別装置、個体識別システム、身元確認システム及び生体認証システム、並びに、それらの制御方法、それらの制御方法のプログラム及びそれらのプログラムを記録した記録媒体 図000023
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-164036(P2015-164036A)
(43)【公開日】2015年9月10日
(54)【発明の名称】個体識別装置、個体識別システム、身元確認システム及び生体認証システム、並びに、それらの制御方法、それらの制御方法のプログラム及びそれらのプログラムを記録した記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/00 20060101AFI20150814BHJP
   A61B 5/117 20060101ALI20150814BHJP
【FI】
   G06T7/00 510B
   A61B5/10 320Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【全頁数】34
(21)【出願番号】特願2015-18052(P2015-18052)
(22)【出願日】2015年2月1日
(31)【優先権主張番号】特願2014-18128(P2014-18128)
(32)【優先日】2014年2月1日
(33)【優先権主張国】JP
(71)【出願人】
【識別番号】512148816
【氏名又は名称】牧田 博至
(71)【出願人】
【識別番号】512148805
【氏名又は名称】亀田 智之
(74)【代理人】
【識別番号】100182198
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 貴男
(72)【発明者】
【氏名】牧田 博至
(72)【発明者】
【氏名】亀田 智之
【テーマコード(参考)】
4C038
5B043
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VA07
4C038VB02
4C038VB03
4C038VB05
4C038VB12
4C038VC20
5B043AA09
5B043BA01
5B043DA05
5B043EA05
5B043GA02
(57)【要約】
【課題】個体を形成する骨の形状に基づいて、個体を識別(認証、特定など)することができる個体識別装置又は個体識別方法を提供すること。
【解決手段】複数の個体の骨の形状に関する照合情報を記憶する記憶手段と、識別する個体の骨の形状に関する識別対象情報を取得する取得手段と、前記記憶手段に記憶されている前記照合情報を用いて、前記取得手段で取得した前記識別対象情報に基づいて、個体を識別する識別手段とを有し、前記識別手段は、識別する骨の部位を設定する部位設定部と、前記部位設定部が設定した前記骨の部位に対応する抽出情報を前記識別対象情報から抽出する情報抽出部と、前記部位設定部が抽出した前記抽出情報と前記照合情報とを照合する個体照合部と、前記個体照合部が照合した結果に基づいて個体を識別する個体識別部とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個体を形成する骨の形状に基づいて、個体を識別する個体識別装置であって、
複数の個体の骨の形状に関する照合情報を記憶する記憶手段と、
識別する個体の骨の形状に関する識別対象情報を取得する取得手段と、
前記記憶手段に記憶されている前記照合情報を用いて、前記取得手段で取得した前記識別対象情報に基づいて、個体を識別する識別手段と
を有し、
前記識別手段は、識別する骨の部位を設定する部位設定部と、前記部位設定部が設定した前記骨の部位に対応する抽出情報を前記識別対象情報から抽出する情報抽出部と、前記情報抽出部が抽出した前記抽出情報と前記照合情報とを照合する個体照合部と、前記個体照合部が照合した結果に基づいて個体を識別する個体識別部とを備える、
ことを特徴とする個体識別装置。
【請求項2】
前記取得手段は、前記識別対象情報として、X線透過画像、X線パノラマ画像、CTスキャン画像、CCDセンサによる発光体若しくは電磁波の検出画像及び超音波断層画像、並びに、3D画像のいずれか1つ又は複数を取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の個体識別装置。
【請求項3】
前記骨の部位は、頭蓋骨外形線、眼窩、上顎前歯部、上顎の臼歯部、上顎洞底線、下顎臼歯、下顎前歯部、下顎骨外形線、下顎管、歯根の近傍の歯槽硬線、並びに、眼窩、頬骨、手のひら及び足の硬組織のいずれか1つ又は複数である、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の個体識別装置。
【請求項4】
前記情報抽出部は、前記抽出情報として、下顎骨骨体部下縁外形線と下顎管との距離、歯根の彎曲状態、及び、下顎骨の骨密度による紋様のいずれか1つ又は複数を抽出する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の個体識別装置。
【請求項5】
前記照合情報は、少なくとも、個人の氏名、生年月日、年齢、性別、血液型及び連絡先のいずれか1つ又は複数を含む、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の個体識別装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の個体識別装置と、通信回線を介して前記個体識別装置と接続された情報端末とを含む個体識別システムであって、
前記情報端末は、前記識別対象情報を前記個体識別装置に出力する出力手段と、前記個体識別装置から前記個体識別部の識別結果を入力される入力手段と、前記入力手段に入力された情報を表示する表示手段とを備える、
ことを特徴とする個体識別システム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の個体識別装置と、通信回線を介して前記個体識別装置と接続された情報端末とを含む身元確認システムであって、
前記情報端末は、前記識別対象情報を前記個体識別装置に出力する出力手段と、前記個体識別装置から前記個体識別部の識別結果を入力される入力手段と、前記入力手段に入力された情報に基づいて個体の身元を確認する確認手段とを備える、
ことを特徴とする身元確認システム。
【請求項8】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の個体識別装置と、通信回線を介して前記個体識別装置と接続された情報端末とを含む生体認証システムであって、
前記情報端末は、前記識別対象情報を前記個体識別装置に出力する出力手段と、前記個体識別装置から前記個体識別部の識別結果を入力される入力手段と、前記入力手段に入力された情報に基づいて個体を認証する認証手段とを備える、
ことを特徴とする生体認証システム。
【請求項9】
個体を形成する骨の形状に基づいて、個体を識別する個体識別装置の制御方法であって、
複数の個体の骨の形状に関する照合情報を記憶する記憶ステップと、
識別する個体の骨の形状に関する識別対象情報を取得する取得ステップと、
前記照合情報を用いて、前記識別対象情報に基づいて、個体を識別する識別ステップと
を含み、
前記識別ステップは、識別する骨の部位を設定する部位設定ステップと、前記部位設定ステップで設定した前記骨の部位に対応する抽出情報を前記識別対象情報から抽出する情報抽出ステップと、前記情報抽出ステップで抽出した前記抽出情報と前記照合情報とを照合する個体照合ステップと、前記個体照合ステップで照合した結果に基づいて個体を識別する個体識別ステップとを更に含む、
ことを特徴とする個体識別装置の制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の制御方法を実施する前記個体識別装置と、通信回線を介して前記個体識別装置と接続された情報端末とを含む個体識別システムの制御方法であって、
前記情報端末から前記個体識別装置に前記識別対象情報を出力する出力ステップと、
前記個体識別装置から前記情報端末に個体識別ステップで識別した結果を入力する入力ステップと、
前記入力ステップで入力された情報を前記情報端末で表示する表示ステップと
を更に含む、
ことを特徴とする個体識別システムの制御方法。
【請求項11】
請求項9に記載の制御方法を実施する前記個体識別装置と、通信回線を介して前記個体識別装置と接続された情報端末とを含む身元確認システムの制御方法であって、
前記情報端末から前記個体識別装置に前記識別対象情報を出力する出力ステップと、
前記個体識別装置から前記情報端末に個体識別ステップで識別した結果を入力する入力ステップと、
前記入力ステップで入力された情報に基づいて、個体の身元を確認する確認ステップと
を更に含む、
ことを特徴とする身元確認システムの制御方法。
【請求項12】
請求項9に記載の制御方法を実施する前記個体識別装置と、通信回線を介して前記個体識別装置と接続された情報端末とを含む生体認証システムの制御方法であって、
前記情報端末から前記個体識別装置に前記識別対象情報を出力する出力ステップと、
前記個体識別装置から前記情報端末に個体識別ステップで識別した結果を入力する入力ステップと、
前記入力ステップで入力された情報に基づいて、個体を認証する認証ステップと
を更に含む、
ことを特徴とする生体認証システムの制御方法。
【請求項13】
請求項9乃至請求項12のいずれか一項に記載の制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項14】
請求項13に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、個体識別装置及び個体識別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、指紋センサから入力された入力指紋画像と、予め登録されている登録指紋画像とを照合した照合結果に基づいて、指紋認証を判断する指紋認証装置に関する技術を開示している。
【0003】
特許文献2は、人の顔画像を用いて、個人を識別する個人識別装置に関する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−031304号公報
【特許文献2】特開2008−117333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されている技術では、認証する指紋が変形した場合に、誤って認証される場合がある。また、特許文献1に開示されている技術では、指紋が消えている若しくは薄くなっている場合に、指紋画像を取得できない場合がある。また、特許文献2に開示されている技術では、変装若しくは顔を整形した場合に、誤って識別される場合がある。更に、特許文献1及び特許文献2に開示されている技術では、被災や事故などによって個体の外形が損傷した場合に、認証又は識別をすることができない場合がある。
【0006】
本発明は、個体を形成する骨の形状に基づいて、個体を識別(認証、照合、特定、確認、確定など)する個体識別装置又は個体識別方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一つの実施形態は、個体を形成する骨の形状に基づいて、個体を識別する個体識別装置であって、複数の個体の骨の形状に関する照合情報を記憶する記憶手段と、識別する個体の骨の形状に関する識別対象情報を取得する取得手段と、前記記憶手段に記憶されている前記照合情報を用いて、前記取得手段で取得した前記識別対象情報に基づいて、個体を識別する識別手段とを有し、前記識別手段は、識別する骨の部位を設定する部位設定部と、前記部位設定部が設定した前記骨の部位に対応する抽出情報を前記識別対象情報から抽出する情報抽出部と、前記情報抽出部が抽出した前記抽出情報と前記照合情報とを照合する個体照合部と、前記個体照合部が照合した結果に基づいて個体を識別する個体識別部とを備える、ことを特徴とする個体識別装置を提供する。
前記取得手段は、前記識別対象情報として、X線透過画像、X線パノラマ画像、CTスキャン画像、CCDセンサによる発光体若しくは電磁波の検出画像及び超音波断層画像、並びに、3D画像のいずれか1つ又は複数を取得する、ことを特徴とする個体識別装置であってもよい。前記骨の部位は、頭蓋骨外形線、眼窩、上顎前歯部、上顎の臼歯部、上顎洞底線、下顎臼歯、下顎前歯部、下顎骨外形線、下顎管、歯根の近傍の歯槽硬線、並びに、眼窩、頬骨、手のひら及び足の硬組織のいずれか1つ又は複数である、ことを特徴とする個体識別装置であってもよい。前記情報抽出部は、前記抽出情報として、下顎骨骨体部下縁外形線と下顎管との距離、歯根の彎曲状態、及び、下顎骨の骨密度による紋様のいずれか1つ又は複数を抽出する、ことを特徴とする個体識別装置であってもよい。前記照合情報は、少なくとも、個人の氏名、生年月日、年齢、性別、血液型及び連絡先のいずれか1つ又は複数を含む、ことを特徴とする個体識別装置であってもよい。
【0008】
本発明の他の実施形態は、上記のいずれか一つの個体識別装置と、通信回線を介して前記個体識別装置と接続された情報端末とを含む個体識別システムであって、前記情報端末は、前記識別対象情報を前記個体識別装置に出力する出力手段と、前記個体識別装置から前記個体識別部の識別結果を入力される入力手段と、前記入力手段に入力された情報を表示する表示手段とを備える、ことを特徴とする個体識別システムを提供する。また、上記のいずれか一つの個体識別装置と、通信回線を介して前記個体識別装置と接続された情報端末とを含む身元確認システムであって、前記情報端末は、前記識別対象情報を前記個体識別装置に出力する出力手段と、前記個体識別装置から前記個体識別部の識別結果を入力される入力手段と、前記入力手段に入力された情報に基づいて個体の身元を確認する確認手段とを備える、ことを特徴とする身元確認システムであってもよい。また、上記のいずれか一つの個体識別装置と、通信回線を介して前記個体識別装置と接続された情報端末とを含む生体認証システムであって、前記情報端末は、前記識別対象情報を前記個体識別装置に出力する出力手段と、前記個体識別装置から前記個体識別部の識別結果を入力される入力手段と、前記入力手段に入力された情報に基づいて個体を認証する認証手段とを備える、ことを特徴とする生体認証システムであってもよい。
【0009】
また、本発明の他の実施形態は、個体を形成する骨の形状に基づいて、個体を識別する個体識別装置の制御方法であって、複数の個体の骨の形状に関する照合情報を記憶する記憶ステップと、識別する個体の骨の形状に関する識別対象情報を取得する取得ステップと、前記照合情報を用いて、前記識別対象情報に基づいて、個体を識別する識別ステップとを含み、前記識別ステップは、識別する骨の部位を設定する部位設定ステップと、前記部位設定ステップで設定した前記骨の部位に対応する抽出情報を前記識別対象情報から抽出する情報抽出ステップと、前記情報抽出ステップで抽出した前記抽出情報と前記照合情報とを照合する個体照合ステップと、前記個体照合ステップで照合した結果に基づいて個体を識別する個体識別ステップとを更に含む、ことを特徴とする個体識別装置の制御方法を提供する。上記の個体識別方法を実施する前記個体識別装置と、通信回線を介して前記個体識別装置と接続された情報端末とを含む個体識別システムの制御方法であって、前記情報端末から前記個体識別装置に前記識別対象情報を出力する出力ステップと、前記個体識別装置から前記情報端末に個体識別ステップで識別した結果を入力する入力ステップと、前記入力ステップで入力された情報を前記情報端末で表示する表示ステップとを更に含む、ことを特徴とする個体識別システムの制御方法であってもよい。上記の個体識別システムの制御方法を実施する前記個体識別装置と、通信回線を介して前記個体識別装置と接続された情報端末とを含む身元確認システムの制御方法であって、前記情報端末から前記個体識別装置に前記識別対象情報を出力する出力ステップと、前記個体識別装置から前記情報端末に個体識別ステップで識別した結果を入力する入力ステップと、前記入力ステップで入力された情報に基づいて、個体の身元を確認する確認ステップとを更に含む、ことを特徴とする身元確認システムの制御方法であってもよい。上記の個体識別システムの制御方法を実施する前記個体識別装置と、通信回線を介して前記個体識別装置と接続された情報端末とを含む生体認証システムの制御方法であって、前記情報端末から前記個体識別装置に前記識別対象情報を出力する出力ステップと、前記個体識別装置から前記情報端末に個体識別ステップで識別した結果を入力する入力ステップと、前記入力ステップで入力された情報に基づいて、個体を認証する認証ステップとを更に含む、ことを特徴とする生体認証システムの制御方法であってもよい。また、上記のいずれか1つの制御方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであってもよい。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る個体識別装置又は個体識別方法によれば、個体を形成する骨の形状に基づいて、個体を識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る個体識別装置の一例を示す概略構成図である。
図2】本発明の実施形態に係る個体識別装置(記憶手段)が記憶する照合情報の一例を説明する説明図である。
図3】本発明の実施形態に係る個体識別装置(取得手段)が識別対象情報を取得する方法の一例を説明する説明図である。
図4】本発明の実施形態に係る個体識別装置(取得手段)が取得する識別対象情報の一例を説明する説明図である。
図5】本発明の実施形態に係る個体識別装置の動作の一例を説明するフローチャート図である。
図6】本発明の実施例に係る個体識別システムの一例を示す概略システム構成図である。
図7】本発明の実施例に係る個体識別システムの一例を示す概略システム図である。
図8】本発明の実施例に係る個体識別システムの動作の一例を説明するフローチャート図である。
図9】本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報(頭部のX線画像データ)の一例を説明する図である。
図10】本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報(手及び足の硬組織のX線画像データ)の一例を説明する図である。
図11】本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報(パノラマ撮影時の口腔内X線画像データ)の一例を説明する図である。
図12】本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報(パノラマ撮影時の口腔内X線画像データ)を説明する説明図である。
図13】本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報(歯牙の治療情報)の一例を説明する図である。
図14】本発明の実施例に係る身元確認システムの一例を示す概略システム構成図である。
図15】本発明の実施例に係る身元確認システムの動作の一例を説明するフローチャート図である。
図16】本発明の実施例に係る生体認証システムの一例を示す概略システム構成図である。
図17】本発明の実施例に係る生体認証システムの動作の一例を説明するフローチャート図である。
図18】本発明の実施例に係る生体認証システムの一例を示す概略システム構成図である。
図19】本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報(頭部の識別部位)の一例を説明する図である。
図20】本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報(手部の識別部位)の一例を説明する図である。
図21】本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報(足部の識別部位)の一例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
個体を形成する骨の形状に基づいて、個体を識別する実施形態に係る個体識別装置の例を用いて、本発明を説明する。なお、本発明は、以下に説明する個体識別装置以外でも、骨(頭蓋骨外形線、眼窩、上顎前歯部、上顎の臼歯部、上顎洞底線、下顎臼歯、下顎前歯部、下顎骨外形線、下顎管、歯根の近傍の歯槽硬線、並びに、頬骨及び手のひら、足の硬組織など)の形状に基づいて、個体を特定(識別、認証、照合、確認、確定など)するもの(装置、機械、部品、システム、アプリケーションなど)であれば、いずれのものにも用いることができる。
【0013】
また、本発明は、以下に説明する人以外にも、動物及びその他骨を有する個体を識別するものにも用いることができる。
【0014】
下記に示す順序で、本発明を説明する。
1.個体識別装置の構成
2.個体識別装置の動作(個体識別装置の制御方法)
3.個体識別装置の制御方法のプログラム及び記録媒体
4.実施例1(個体識別システム)
5.実施例2(身元確認システム)
6.実施例3(生体認証システム)
7.実施例4(生体認証システムの例)
8.実施例5(手部の識別部位の例)
9.実施例6(足部の識別部位の例)
【0015】
(1.個体識別装置の構成)
図1を用いて、本発明の実施形態に係る個体識別装置10の構成を説明する。ここで、図1は、本実施形態に係る個体識別装置の一例を示す概略構成図である。なお、図1に示す個体識別装置の構成は一例であり、本発明は図1に示す個体識別装置に限定されるものではない。
【0016】
図1に示すように、個体識別装置10は、個体識別装置10の全体の動作を制御する制御手段10Cと、複数の個体の骨の形状に関する情報(以下、「照合情報」という)を記憶する記憶手段11と、識別する個体の骨の形状に関する情報(以下、「識別対象情報」という)を取得する取得手段12と、記憶手段11に記憶されている照合情報を用いて、取得手段12で取得した識別対象情報に基づいて、個体を識別する識別手段13と、を有する。
【0017】
本発明に係る個体識別装置10は、個体を形成する骨の形状に基づいて、個体を識別(認証、特定、照合、確認、確定など)する装置である。個体識別装置10は、本実施形態では、記憶手段11に記憶されている照合情報を用いて、取得手段12で取得した識別対象情報に基づいて、個体を識別する。なお、本発明は、骨以外に硬組織の形状に基づいて、個体を識別(認証、特定、照合、確認、確定など)してもよい。また、個体識別装置10は、本実施形態では、個体として、人を識別する。なお、本発明は、人以外の骨を有する動物にも用いることができる。
【0018】
以下に、各構成を具体的に説明する。
【0019】
制御手段10Cは、個体識別装置10の各構成に動作を指示し、個体識別装置10の動作を制御する手段である。制御手段10Cは、例えばCPU及びメモリで構成される演算装置を用いることができる。また、制御手段10Cは、個体識別装置10予め搭載されている演算装置、コントローラ又はその他制御手段を利用する構成であってもよい。
【0020】
記憶手段11は、骨の形状に関する照合情報を記憶する手段である。記憶手段11は、本実施形態では、複数の個体の骨の形状に関する照合情報を記憶している。すなわち、記憶手段11は、照合情報として、複数の個体の骨の形状に関する画像データを記憶している。また、記憶手段11は、図2に示すように、少なくとも、個人の氏名、生年月日、年齢、性別、血液型及び連絡先のいずれか1つ又は複数を含む情報を複数の個体の骨の形状に関する画像データにそれぞれ対応させて、記憶している。なお、本発明に係る個体識別装置10(記憶手段11)は、照合情報として、上記の個人の氏名等以外の情報を記憶してもよい。
【0021】
更に、記憶手段11は、歯牙の治療情報を含む照合情報を記憶してもよい。また、記憶手段11は、取得手段12で取得した識別対象情報及び識別手段13が識別した結果(以下、「識別結果」という)を記憶する構成であってもよい。
【0022】
なお、記憶手段11は、情報等をデータベースとして記憶する公知の技術(ハードディスク、メモリなど)を用いることができる。また、記憶手段11は、照合情報、識別対象情報及び識別結果以外の情報も記憶する構成であってもよい。
【0023】
取得手段12は、識別する個体の骨の形状に関する識別対象情報を取得する手段である。取得手段12は、個体の骨の形状を特定することができる方法であれば、いずれの方法又は技術を用いてもよい。取得手段12は、個体の骨を例えば測定、検出、撮影、撮像若しくはその他特定することができる公知の技術を用いることができる。
【0024】
図3に示すように、取得手段12は、X線透過方法、X線パノラマ撮影、CTスキャン( computed tomographic scanning )、CCDセンサ( charge-coupled device video camera、charge-coupled device image sensor )による発光体若しくは電磁波の検出及び/又は超音波断層検出のいずれか1つ又は複数の方法を用いて、骨の形状に関する識別対象情報を取得する。すなわち、図4に示すように、取得手段12は、識別対象情報として、X線透過画像、X線パノラマ画像、CTスキャン画像、CCDセンサによる発光体若しくは電磁波の検出画像及び/又は超音波断層画像のいずれか1つ又は複数の画像データを取得する。また、取得手段12は、X線透過方法、X線パノラマ撮影、CTスキャン、CCDセンサによる発光体若しくは電磁波の検出及び/又は超音波断層検出のいずれか1つ又は複数の方法を用いて生成した3D画像に関する識別対象情報を取得してもよい。なお、取得手段12が取得した識別対象情報の具体例は後述する実施例で説明する。
【0025】
識別手段13は、個体を識別する手段である。識別手段13は、記憶手段11に記憶されている照合情報を用いて、取得手段12で取得した識別対象情報に基づいて、個体を識別する。識別手段13は、本実施形態では、識別する骨の部位を設定する部位設定部13aと、部位設定部13aが設定した骨の部位に対応する情報(以下、「抽出情報」という)を識別対象情報から抽出する情報抽出部13bと、情報抽出部13bが抽出した抽出情報と記憶手段11が記憶している照合情報とを照合する個体照合部13cと、個体照合部13cが照合した結果(以下、「照合結果」という)に基づいて個体を識別する個体識別部13dとを備える。識別手段13(部位設定部13a、情報抽出部13b、個体照合部13c、個体識別部13d)は、例えばCPU及びメモリで構成される演算装置を用いることができる。なお、識別手段13(部位設定部13a、情報抽出部13b、個体照合部13c、個体識別部13d)は、制御手段10Cの演算装置を利用する構成であってもよい。
【0026】
部位設定部13aは、識別する骨の部位を設定するものである。部位設定部13aは、本実施形態では、骨の部位として、頭蓋骨外形線、眼窩、上顎前歯部、上顎の臼歯部、上顎洞底線、下顎臼歯、下顎前歯部、下顎骨外形線、下顎管、歯根の近傍の歯槽硬線、並びに、頬骨及び手のひら、足の硬組織のいずれか1つ又は複数を設定する。なお、本発明は、上記の骨の部位以外の骨を識別対象とするものであってもよい。
【0027】
情報抽出部13bは、部位設定部13aが設定した骨の部位に対応する抽出情報を識別対象情報から抽出する。情報抽出部13bは、例えば頭蓋骨外形線、眼窩、上顎前歯部、上顎の臼歯部、上顎洞底線、下顎臼歯、下顎前歯部、下顎骨外形線、下顎管、歯根の近傍の歯槽硬線、並びに、頬骨及び手のひら、足の硬組織のいずれか1つ又は複数を識別対象情報から画像データで抽出する。また、情報抽出部13bは、抽出情報として、下顎骨骨体部下縁外形線と下顎管との距離、歯根の彎曲状態、及び、下顎骨の骨密度による紋様のいずれか1つ又は複数を抽出してもよい。
【0028】
個体照合部13cは、情報抽出部13bが抽出した抽出情報と記憶手段11が記憶している照合情報とを照合するものである。具体的には、個体照合部13cは、記憶手段11が記憶している複数の個体の骨の形状に関する画像データと、情報抽出部13bが抽出した骨の部位を示す画像データとを照合する。また、個体照合部13cは、記憶手段11に記憶している歯牙の治療情報を含む照合情報を更に用いて、抽出情報と照合情報とを照合してもよい。個体照合部13cは、照合結果として、(1)抽出情報と照合情報とが一致する、(2)抽出情報と照合情報とが一致しない、(3)抽出情報と照合情報とが一致するか不明である、等を判断する。なお、本発明は、上記以外の照合結果を判断するものであってもよい。
【0029】
個体照合部13cは、抽出情報と照合情報との差分が所定の値以内のときに、(1)抽出情報と照合情報とが一致する、と判断してもよい。ここで、所定の値とは、照合(又は抽出)する骨の部位に対応する値とする。なお、所定の値は、実験又は計算で予め設定される値であってもよい。
【0030】
個体識別部13dは、個体照合部13cが照合結果に基づいて、個体を識別するものである。個体識別部13dは、個体照合部13cの照合結果が「(1)抽出情報と照合情報とが一致する」である場合に、照合情報に含まれる個人の氏名、生年月日、年齢、性別、血液型及び連絡先のいずれか1つ又は複数を含む情報を識別結果とする。
【0031】
(2.個体識別装置の動作(個体識別装置の制御方法))
図5を用いて、個体識別装置10(図1)が個体を形成する骨の形状に基づいて個体を識別する動作を説明する。ここで、図5は、本発明の実施形態に係る個体識別装置10の動作の一例を説明するフローチャート図である。なお、図5に示す個体識別装置の動作は一例であり、本発明は図5に示す個体識別装置の動作に限定されるものではない。
【0032】
図5に示すように、個体識別装置10は、ステップS501において、先ず、制御手段10C(図1)を用いて、個体を識別する動作を開始する。制御手段10Cは、例えば個体識別装置10の外部から入力された情報に応じて、個体を識別する動作を開始することができる。その後、個体識別装置10は、ステップS502に進む。
【0033】
次に、ステップS502において、個体識別装置10は、記憶手段11(図1)を用いて、複数の個体の骨の形状に関する照合情報を記憶する(記憶ステップ)。記憶手段11は、例えば図2に示す照合情報を記憶する。なお、記憶手段11は、照合情報を予め記憶しているデータベースなどを利用する構成であってもよい。その後、個体識別装置10は、ステップS503に進む。
【0034】
次いで、ステップS503において、個体識別装置10は、取得手段12(図1)を用いて、識別する個体の骨の形状に関する識別対象情報を取得する(取得ステップ)。取得手段12は、例えば図3に示す方法で識別対象情報(図4)を取得する。その後、個体識別装置10は、ステップS504に進む。
【0035】
ステップS504からステップS507において、個体識別装置10は、識別手段13(図1)を用いて、個体を識別する(識別ステップ)。なお、個体識別装置10は、ステップS504からステップS507において、記憶手段11を用いて、設定情報、抽出情報、照合結果及び/又は識別結果を記憶してもよい。また、個体識別装置10は、ステップS504からステップS507において、外部の表示装置(表示手段など)を用いて、設定情報、抽出情報、照合結果及び/又は識別結果を表示してもよい。
【0036】
具体的には、ステップS504において、個体識別装置10は、部位設定部13a(図1)を用いて、識別する骨の部位を設定する(部位設定ステップ)。その後、個体識別装置10は、ステップS505に進む。
【0037】
ステップS505において、個体識別装置10は、情報抽出部13b(図1)を用いて、部位設定ステップで設定した骨の部位に対応する抽出情報を識別対象情報から抽出する(情報抽出ステップ)。その後、個体識別装置10は、ステップS506に進む。
【0038】
ステップS506において、個体識別装置10は、個体照合部13c(図1)を用いて、情報抽出ステップで抽出した抽出情報と記憶ステップで記憶した照合情報とを照合する(個体照合ステップ)。その後、個体識別装置10は、ステップS507に進む。
【0039】
ステップS507において、個体識別装置10は、個体識別部13d(図1)を用いて、個体照合ステップで照合した照合結果に基づいて、個体を識別する(個体識別ステップ)。その後、個体識別装置10は、ステップS508に進む。なお、個体識別部13d(個体識別装置10)が識別する動作は、前述の(1.個体識別装置の構成)で説明した動作と同様のため、説明を省略する。
【0040】
ステップS508において、個体識別装置10は、制御手段10Cを用いて、個体を識別する動作を繰り返すか否かを判断する。具体的には、制御手段10Cは、抽出する骨の部位を変更して、上記のステップS503からステップS507の動作を繰り返すか否かを判断する。制御手段10Cは、例えば個体識別装置10の外部から入力された情報に基づいて、個体を識別する動作を繰り返すか否かを判断することができる。
【0041】
これにより、個体識別装置10は、複数の骨の部位に基づいて、個体を識別することができる。また、個体識別装置10は、複数の骨の部位に基づいて個体を識別することができるので、個体識別の精度を向上することができる。更に、個体識別装置10は、治療情報を更に用いて、個体識別の精度を更に向上してもよい。
【0042】
その後、個体を識別する動作を繰り返すと判断した場合には、個体識別装置10は、ステップS503に戻る。個体を識別する動作を終了すると判断した場合には、個体識別装置10は、図中の「END」に進み、個体を識別する動作を終了する。
【0043】
(3.個体識別装置の制御方法のプログラム及び記録媒体)
本発明に係る個体識別装置の制御方法のプログラムPrは、個体を形成する骨の形状に基づいて、個体を識別する個体識別装置の制御方法であって、複数の個体の骨の形状に関する照合情報を記憶する記憶ステップと、識別する個体の骨の形状に関する識別対象情報を取得する取得ステップと、前記照合情報を用いて、前記識別対象情報に基づいて、個体を識別する識別ステップとを含み、前記識別ステップは、識別する骨の部位を設定する部位設定ステップと、前記部位設定ステップで設定した前記骨の部位に対応する抽出情報を前記識別対象情報から抽出する情報抽出ステップと、前記情報抽出ステップで抽出した前記抽出情報と前記照合情報とを照合する個体照合ステップと、前記個体照合ステップで照合した結果に基づいて個体を識別する個体識別ステップとを更に含む、ことを特徴とする個体識別装置の制御方法を実行する。
【0044】
上記のプログラムPrによれば、本発明に係る個体識別装置10(前述)と同等の効果が得られる。
【0045】
また、本発明は、プログラムPrを記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体Mdとしてもよい。記録媒体Mdには、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD、及び、メモリーカード等、コンピュータ読み取り可能な媒体を利用することができる。更に、本発明は、プログラムPrをインターネット等のネットワークを介して送信することが可能な伝送可能媒体であってもよい。
【実施例】
【0046】
実施形態に係る個体識別装置10の実施例を用いて、本発明を説明する。本発明は、以後に説明する実施例以外でも、個体識別装置10が識別した結果を用いるものであれば、いずれのものにも用いることができる。
(実施例1)
【0047】
実施形態に係る個体識別装置10を含む個体識別システム100を用いて、本発明を説明する。本発明は、以後に説明する個体識別システム100以外でも、個体識別装置10が識別した結果を用いる個体識別システムであれば、いずれのもの(装置、部品、システム、アプリケーションなど)にも用いることができる。
【0048】
(個体識別システムの構成)
図6及び図7を用いて、本発明の実施例1に係る個体識別システム100の構成を説明する。ここで、図6は、本実施例に係る個体識別システム100の一例を説明する概略システム構成図である。図7は、本実施例に係る個体識別システム100の一例を説明する概略システム図である。なお、以後の説明においては、実施形態に係る個体識別装置10と異なる部分を主に説明する。
【0049】
図6に示すように、本実施例に係る個体識別システム100は、実施形態に係る個体識別装置10と、通信システム100Cと、情報端末100Tと、を含む。
【0050】
通信システム100Cは、個体識別装置10と情報端末100Tとを接続するものである。図7に示すように、通信システム100Cは、個体識別装置10と情報端末100Tとの間で電子情報の送受信を行う。通信システム100Cは、LAN、無線LAN、インターネット及びその他通信手段で構成される。
【0051】
情報端末100Tは、図7に示すように、通信システム100Cを介して、個体識別装置10と情報の入出力を行う端末である。情報端末100Tは、本実施例では、図6に示すように、入力手段101、出力手段102及び表示手段103を備える。情報端末100Tは、例えばタブレット、スマートフォン、携帯端末、ノートPC( notebook computer )、PC( personal computer、laptop )などであってもよい。
【0052】
入力手段101は、通信システム100Cを介して、個体識別装置10から情報を入力する手段である。入力手段101は、本実施例では、個体識別装置10の個体識別部13d(図1)が識別した識別結果を入力する。入力手段101は、情報端末100Tの動作及び設定等に関する情報を入力されてもよい。なお、入力手段101は、情報端末(タブレットなど)に予め搭載されている機能(タッチパネル、キーボード、マウスなど)を利用する構成であってもよい。
【0053】
出力手段102は、通信システム100Cを介して、個体識別装置10に情報を出力する手段である。出力手段102は、本実施例では、識別対象情報を個体識別装置10に出力する。出力手段102は、情報端末100Tの動作、状態及び設定等に関する情報を出力してもよい。なお、出力手段102は、情報端末(タブレットなど)に予め搭載されている機能(無線通信機能、有線通信機能など)を利用する構成であってもよい。
【0054】
表示手段103は、入力手段101に入力された情報を表示する手段である。表示手段103は、情報端末100Tの動作、状態及び設定等に関する情報を表示してもよい。なお、表示手段103は、情報端末(タブレットなど)に予め搭載されている機能(液晶ディスプレイ、有機EL、タッチパネルなど)を利用する構成であってもよい。
【0055】
(個体識別システムの動作(個体識別システムの制御方法))
図8を用いて、個体識別システム100(図6)が個体を識別する動作を説明する。ここで、図8は、本発明の実施例に係る個体識別システム100の動作の一例を説明するフローチャート図である。なお、図8に示す個体識別システム100の動作は一例であり、本発明は図8に示す個体識別システム100の動作に限定されるものではない。
【0056】
図8に示すように、個体識別システム100は、ステップS801において、先ず、制御手段10C(図1)を用いて、個体を識別する動作を開始する。制御手段10Cは、情報端末100Tの入力手段101(図6)によって例えば利用者が入力した情報に応じて、個体を識別する動作を開始することができる。その後、個体識別システム100は、ステップS802に進む。
【0057】
次に、ステップS802において、個体識別システム100は、個体識別装置10の記憶手段11(図1)を用いて、複数の個体の骨の形状に関する照合情報を記憶する(記憶ステップ)。なお、記憶手段11の動作は、実施形態に係る個体識別装置10の動作(図5のステップS502)と同様のため、説明を省略する。その後、個体識別システム100は、ステップS803に進む。
【0058】
次いで、ステップS803において、個体識別システム100は、出力手段102を用いて、情報端末100Tから識別対象情報を個体識別装置10に出力する(出力ステップ)。このとき、個体識別装置10の取得手段12(図1)は識別対象情報を取得する(ステップS804)。その後、個体識別システム100は、ステップS805に進む。
【0059】
ステップS805において、個体識別システム100は、個体識別装置10を用いて、個体を識別する(識別ステップ)。このとき、個体識別装置10は、実施形態に係る個体識別装置10の動作(図5のステップS504からステップS507)と同様に、個体を識別する。その後、個体識別システム100は、ステップS806に進む。
【0060】
ステップS806において、個体識別システム100は、入力手段101を用いて、識別結果を個体識別装置10から情報端末100Tに入力する(入力ステップ)。このとき、情報端末100Tは、ステップS807として、表示手段103を用いて、識別結果を表示する(表示ステップ)。その後、個体識別システム100は、ステップS808に進む。
【0061】
ステップS808において、個体識別システム100は、情報端末100Tを用いて、個体を識別する動作を繰り返すか否かを判断する。具体的には、情報端末100Tは、情報端末100Tから出力する識別対象情報を変更して、上記のステップS803からステップS807の動作を繰り返すか否かを判断する。情報端末100Tは、例えば情報端末100Tの利用者から入力された情報に基づいて、個体を識別する動作を繰り返すか否かを判断することができる。これにより、個体識別システム100は、情報端末100Tの利用者の所望のタイミングで、個体を識別することができる。
【0062】
その後、個体を識別する動作を繰り返すと判断した場合には、個体識別システム100は、ステップS803に戻る。個体を識別する動作を終了すると判断した場合には、個体識別システム100は、図中の「END」に進み、個体を識別する動作を終了する。
【0063】
(識別対象情報の例)
図9乃至図13に識別対象情報の例を示す。ここで、図9(a)は、本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報(正面からの頭部X線画像データ)の一例を説明する図である。図9(b)は、本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報(側面からの頭部X線画像データ)の一例を説明する図である。図10(a)は、本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報(手の硬組織のX線画像データ)の一例を説明する図である。図10(b)は、本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報(足の硬組織のX線画像データ)の一例を説明する図である。図11は、本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報(パノラマ撮影時の口腔内X線画像データ)の一例を説明する図である。図12は、本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報(パノラマ撮影時の口腔内X線画像データ)の輪郭データ(特に、左側輪郭データ)の照合処理の例を説明する説明図である。図13は、本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報(歯牙の治療情報)の一例を説明する図である。なお、図9乃至図13に示す識別対象情報は一例であり、本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報は図9乃至図13に示す識別対象情報に限定されるものではない。
【0064】
図9(a)に示すように、個体識別装置10は、識別対象情報として、正面からの頭部X線画像データを利用することができる。また、図9(b)に示すように、個体識別装置10は、識別対象情報として、側面からの頭部X線画像データを利用することができる。 図10(a)に示すように、個体識別装置10は、識別対象情報として、手の硬組織のX線画像データを利用することができる。また、図10(b)に示すように、個体識別装置10は、識別対象情報として、足の硬組織のX線画像データを利用することができる。
【0065】
なお、個体識別装置10は、識別対象情報として、頭蓋骨外形線、眼窩、上顎前歯部、上顎の臼歯部、上顎洞底線、下顎臼歯、下顎前歯部、下顎骨外形線、下顎管、歯根の近傍の歯槽硬線、及び、頬骨のいずれか1つ又は複数の形状を基準に照合することができる。また、個体識別装置10は、識別対象情報として、下顎骨骨体部下縁外形線と下顎管との距離、下顎臼歯部の歯根湾曲状態、及び、下顎骨の骨密度による紋様のいずれか1つ又は複数を基準に照合することができる。
【0066】
図11に示すように、個体識別装置10は、識別対象情報として、パノラマ撮影時の口腔内X線画像データを利用することができる。ここで、図12(a)に示すように、パノラマ撮影時の口腔内X線画像データにおいて、輪郭データの遠心側(図に向かって左側)には、2つの略円弧状の突出部がある。個体識別装置10は、図12(a)に示すように、この2つの突出部に対して共通の接線を引く。また、個体識別装置10は、図12(b)に示すように、上記接線を基準線として、識別対象情報(画像データ)と照合情報(画像データ)とを照合することができる。これにより、個体識別装置10は、下顎枝遠心ラインの形状が整合するか否かを判断することができる。
【0067】
個体識別装置10は、例えば下顎枝遠心ラインのうち、重ならない部分の面積の大きさやコントラスト比が所定の基準値以下であるか否かに基づいて、照合することができる。コントラスト比は、例えば重ならない部分の面積と重なる部分の面積との比率である。また、個体識別装置10は、識別対象情報(画像データ)及び照合情報(画像データ)の接線の長さが同じか否かに基づいて、照合することができる。なお、下顎枝遠心ラインを照合する際に接線を使うのは一つの照合方法に過ぎず、他の方法を使ってもよく、例えば、指紋照合と同様に、下顎枝遠心ラインの形状自体を合わせるようにしてもよい。なお、所定の基準値とは、識別する骨の部位に対応する値である。また、本発明に係る個体識別装置10は、所定の基準値を、実験又は計算で予め定められる値とすることができる。
【0068】
図13に示すように、個体識別装置10は、識別対象情報として、歯牙の治療情報を利用することができる。個体識別装置10は、歯牙の治療情報として、例えば上下左右の犬歯、第1大臼歯、および第2大臼歯の合計12本を対象とする。また、個体識別装置10は、歯牙の治療情報として、0から7の番号を割り当てた合計8項目の治療情報を規定する。ここで、項目は、例えば「0:欠損」「1:金属なし・根充なし」「2:金属なし・根充あり」「3:金属あり・根充なし」「4:金属あり・根充あり」「5:埋伏歯」「6:ヘミセクション(下顎のみ)」「7:ポンティック」「8:インプラント」を用いることができる。
【0069】
個体識別装置10は、識別対象情報として、それぞれ歯牙について、規定した治療情報に該当する場合に「1」を、該当しない場合に「0」を設定する。健全歯は、上記の「1:金属なし根充なし」に対応する。なお、金属の存在は、X線撮影画像において、最も容易に確認できるものである。また、金属以外の修復材料及び補綴材料はX線撮影画像上でX線透過性の違いから様々な濃度で現れるため、医師によって所見が分かれる可能性が大きい。根管内にX線不透過像が確認できれば、根充の有無は「根充あり」とすることで、医師の所見を統一できる。
【0070】
「6:ヘミセクション」は分割抜歯である。本例では、識別対象情報として、上額大臼歯の判別が困難な場合があるため容易に確認できる下顎大臼歯のみとしているが、上額大臼歯であってもよい。ヘミセクションは、大臼歯を対象とした治療法である。また、本例では、下顎の歯のみを対象としているので、犬歯と上顎の歯に対しては「7:ヘミセクション」の入力を受け付けないようにしてもよい。なお、本発明に係る個体識別装置10は、識別対象情報として、犬歯と上顎の歯を対象としてもよい。
【0071】
(個体識別システムの制御方法のプログラム及び記録媒体)
本発明に係る個体識別システムの制御方法のプログラムPr1は、個体識別装置と、通信回線を介して前記個体識別装置と接続された情報端末とを含む個体識別システムの制御方法であって、前記情報端末から前記個体識別装置に前記識別対象情報を出力する出力ステップと、前記個体識別装置から前記情報端末に個体識別ステップで識別した結果を入力する入力ステップと、前記入力ステップで入力された情報を前記情報端末で表示する表示ステップとを更に含む、ことを特徴とする個体識別システムの制御方法を実行する。
【0072】
上記のプログラムPr1によれば、個体識別システム100(前述)と同等の効果が得られる。
【0073】
また、本発明は、プログラムPr1を記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体Md1としてもよい。記録媒体Md1には、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD、及び、メモリーカード等、コンピュータ読み取り可能な媒体を利用することができる。更に、本発明は、プログラムPr1をインターネット等のネットワークを介して送信することが可能な伝送可能媒体であってもよい。
(実施例2)
【0074】
実施形態に係る個体識別装置10を含む身元確認システム200を用いて、本発明を説明する。本発明は、以後に説明する身元確認システム200以外でも、個体識別装置10が識別した結果を用いる身元確認システムであれば、いずれのもの(装置、部品、システム、アプリケーションなど)にも用いることができる。
【0075】
(身元確認システムの構成)
図14を用いて、本発明の実施例2に係る身元確認システム200の構成を説明する。ここで、図14は、本実施例に係る身元確認システム200の一例を説明する概略システム構成図である。なお、以後の説明においては、実施形態に係る個体識別装置10及び実施例1に係る個体識別システム100と異なる部分を主に説明する。また、身元確認システム200のシステム図は、前述の実施例1に係る個体識別システム100のシステム図(図7)と同様のため、説明を省略する。
【0076】
図14に示すように、本実施例に係る身元確認システム200は、実施形態に係る個体識別装置10と、通信システム200Cと、情報端末200Tと、を含む。
【0077】
通信システム200Cは、個体識別装置10と情報端末200Tとを接続するものである。通信システム200Cは、個体識別装置10と情報端末200Tとの間で電子情報の送受信を行う。
【0078】
情報端末200Tは、通信システム200Cを介して、個体識別装置10と情報の入出力を行う端末である。情報端末200Tは、本実施例では、図14に示すように、入力手段201、出力手段202、表示手段203及び確認手段204を備える。情報端末200Tは、例えばタブレット、スマートフォン、携帯端末、ノートPC、PCなどであってもよい。なお、入力手段201、出力手段202及び表示手段203は、実施例1に係る入力手段101、出力手段102及び表示手段103と同様のため、説明を省略する。
【0079】
確認手段204は、不特定者の身元を確認する手段である。確認手段204は、本実施例では、入力手段201に入力された情報(身元確認要求情報)に基づいて、不特定者の身元を確認する。すなわち、確認手段204は、個体識別装置10の識別手段13の識別結果に基づいて不特定者に関する情報を特定することによって、不特定者の身元を確認することができる。
【0080】
(身元確認システムの動作(身元確認システムの制御方法))
図15を用いて、身元確認システム200(図14)が身元を確認する動作を説明する。ここで、図15は、本発明の実施例に係る身元確認システム200の動作の一例を説明するフローチャート図である。なお、図15に示す身元確認システム200の動作は一例であり、本発明は図15に示す身元確認システム200の動作に限定されるものではない。
【0081】
図15に示すように、身元確認システム200は、ステップS1501からステップS1507まで実施例1に係る個体識別システム(図8)と同様の動作を実施する。その後、身元確認システム200は、ステップS1508に進む。
【0082】
ステップS1508において、身元確認システム200は、確認手段204を用いて、身元を確認する(確認ステップ)。具体的には、確認手段204は、ステップS1505で識別した識別結果に基づいて不特定者に関する情報を特定し、特定した情報を表示手段203等で表示する。その後、身元確認システム200は、ステップS1509に進む。
【0083】
ステップS1509において、身元確認システム200は、情報端末200Tを用いて、身元を確認する動作を繰り返すか否かを判断する。具体的には、情報端末200Tは、情報端末200Tから出力する識別対象情報(身元確認のための情報)を変更して、上記のステップS1503からステップS1508の動作を繰り返すか否かを判断する。その後、身元を確認する動作を繰り返すと判断した場合には、身元確認システム200は、ステップS1503に戻る。身元を確認する動作を終了すると判断した場合には、身元確認システム200は、図中の「END」に進み、身元を確認する動作を終了する。
【0084】
(身元確認システムの制御方法のプログラム及び記録媒体)
本発明に係る身元確認システムの制御方法のプログラムPr2は、個体識別装置と、通信回線を介して前記個体識別装置と接続された情報端末とを含む身元確認システムの制御方法であって、前記情報端末から前記個体識別装置に前記識別対象情報を出力する出力ステップと、前記個体識別装置から前記情報端末に個体識別ステップで識別した結果を入力する入力ステップと、前記入力ステップで入力された情報に基づいて、個体の身元を確認する確認ステップとを更に含む、ことを特徴とする身元確認システムの制御方法を実行する。
【0085】
上記のプログラムPr2によれば、本発明の実施例1に係る個体識別システム100(前述)と同等の効果が得られる。
【0086】
また、本発明は、プログラムPr2を記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体Md2としてもよい。記録媒体Md2には、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD、及び、メモリーカード等、コンピュータ読み取り可能な媒体を利用することができる。更に、本発明は、プログラムPr2をインターネット等のネットワークを介して送信することが可能な伝送可能媒体であってもよい。
(実施例3)
【0087】
実施形態に係る個体識別装置10を含む生体認証システム300を用いて、本発明を説明する。本発明は、以後に説明する生体認証システム300以外でも、個体識別装置10が識別した結果を用いる生体認証システムであれば、いずれのもの(装置、部品、システム、アプリケーションなど)にも用いることができる。また、生体認証システム300のシステム図は、前述の実施例1に係る個体識別システム100のシステム図(図7)と同様のため、説明を省略する。
【0088】
(生体認証システムの構成)
図16を用いて、本発明の実施例3に係る生体認証システム300の構成を説明する。ここで、図16は、本実施例に係る生体認証システム300の一例を説明する概略システム構成図である。なお、以後の説明においては、実施形態に係る個体識別装置10及び実施例1に係る個体識別システム100と異なる部分を主に説明する。
【0089】
図16に示すように、本実施例に係る生体認証システム300は、実施形態に係る個体識別装置10と、通信システム300Cと、情報端末300Tと、を含む。
【0090】
通信システム300Cは、個体識別装置10と情報端末300Tとを接続するものである。通信システム300Cは、個体識別装置10と情報端末300Tとの間で電子情報の送受信を行う。
【0091】
情報端末300Tは、通信システム300Cを介して、個体識別装置10と情報の入出力を行う端末である。情報端末300Tは、本実施例では、図16に示すように、入力手段301、出力手段302、表示手段303及び認証手段304を備える。情報端末300Tは、例えばタブレット、スマートフォン、携帯端末、ノートPC、PCなどであってもよい。なお、入力手段301、出力手段302及び表示手段303は、実施例1に係る入力手段101、出力手段102及び表示手段103と同様のため、説明を省略する。
【0092】
認証手段304は、利用者を認証する手段である。認証手段304は、本実施例では、利用者が入力手段301を用いて入力した情報(個人認証情報)に基づいて、利用者を認証(特定、確認、承認など)する。すなわち、認証手段304は、個体識別装置10の識別手段13の識別結果に基づいて、利用者を認証する。
【0093】
(生体認証システムの動作(生体認証システムの制御方法))
図17を用いて、生体認証システム300(図16)が生体を認証する動作を説明する。ここで、図17は、本発明の実施例に係る生体認証システム300の動作の一例を説明するフローチャート図である。なお、図17に示す生体認証システム300の動作は一例であり、本発明は図17に示す生体認証システム300の動作に限定されるものではない。
【0094】
図17に示すように、生体認証システム300は、ステップS1701からステップS1707まで実施例1に係る個体識別システム(図8)と同様の動作を実施する。その後、生体認証システム300は、ステップS1708に進む。
【0095】
ステップS1708において、生体認証システム300は、認証手段304を用いて、生体を認証する(認証ステップ)。具体的には、認証手段304は、ステップS1705で識別した識別結果に基づいて利用者に関する情報を特定し、特定した情報を用いて利用者を認証する。その後、生体認証システム300は、ステップS1709に進む。
【0096】
ステップS1709において、生体認証システム300は、情報端末300Tを用いて、生体を認証する動作を繰り返すか否かを判断する。具体的には、情報端末300Tは、情報端末300Tから出力する識別対象情報(認証のための情報)を変更して、上記のステップS1703からステップS1708の動作を繰り返すか否かを判断する。その後、生体を認証する動作を繰り返すと判断した場合には、生体認証システム300は、ステップS1703に戻る。生体を認証する動作を終了すると判断した場合には、生体認証システム300は、図中の「END」に進み、生体を認証する動作を終了する。
【0097】
(生体認証システムの制御方法のプログラム及び記録媒体)
本発明に係る生体認証システムの制御方法のプログラムPr3は、個体識別装置と、通信回線を介して前記個体識別装置と接続された情報端末とを含む生体認証システムの制御方法であって、前記情報端末から前記個体識別装置に前記識別対象情報を出力する出力ステップと、前記個体識別装置から前記情報端末に個体識別ステップで識別した結果を入力する入力ステップと、前記入力ステップで入力された情報に基づいて、生体を認証する認証ステップとを更に含む、ことを特徴とする生体認証システムの制御方法を実行する。
上記のプログラムPr3によれば、本発明の実施例1に係る個体識別システム100(前述)と同等の効果が得られる。
【0098】
また、本発明は、プログラムPr3を記録したコンピュータによって読み取り可能な記録媒体Md3としてもよい。記録媒体Md3には、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD、及び、メモリーカード等、コンピュータ読み取り可能な媒体を利用することができる。更に、本発明は、プログラムPr3をインターネット等のネットワークを介して送信することが可能な伝送可能媒体であってもよい。
【0099】
以上のとおり、本発明に係る実施形態及び実施例について説明したが、本発明は上記の実施形態及び実施例に限定されるものではない。すなわち、本発明は、特許請求の範囲に記載の内容に基づいて、様々に変形、変更又はその他任意に改変され得る。
(実施例4)
【0100】
実施形態に係る個体識別装置10を含む生体認証システムの一例を説明する。
【0101】
図18を用いて、本発明の実施例4に係る生体認証システムのシステムを説明する。ここで、図18は、本実施例に係る生体認証システムの一例を示す概略システム構成図である。なお、以後の説明においては、実施形態に係る個体識別装置10及び実施例3に係る個体識別システム100と異なる部分を主に説明する。
【0102】
図18に示すように、本実施例に係る生体認証システムは、顔認証装置CMと、ビーム照射装置BMと、ビーム検出装置SNと、を含む。なお、ビーム照射装置BMが照射するビームは、X線、超音波若しくは電磁波及び/又は発光のいずれか1つ又は複数のものであってもよい。
【0103】
頭蓋骨の撮影は、平面画像と3D画像に分けられる。平面画像の場合には、例えば側面から頭蓋骨の撮影を行う。頭蓋骨には多くの孔が存在するが、軟組織(骨以外の組織)を除くと画像は比較的明瞭なものであり、コンピュータで解析しやすい。生体認証システムは、例えば図19に示す頭部側面の画像を取得することができる。
【0104】
生体認証システムは、図18に示すように、ビーム照射装置BMを用いて、頭部の側面から軟組織を透過するビームを照射する。このとき、生体認証システムは、左右の外耳孔(図19のEH)が最大に一致する照射角度を基準とし、この基準方向からの画像を用いる。生体認証システムは、撮影装置が基準軸に移動できるものでも良い。この方向により撮影された画像は単一のものであり、再現性に優れている。生体認証システムは、外耳孔が一致する方向により、顔認証装置との連動により、頭蓋骨の正中面を決定することができる。
【0105】
生体認証システムは、人が上や下を向いている場合に、図19に示す眼窩IBの下縁と外耳孔EHの上縁を結ぶ線(フランクフルト平面)FLを用いて、頭部の向き(回転方向)を修正することができる。これにより、生体認証システムは、頭蓋骨の位置を設定することができるので、下顎骨の位置は咬み合わせた状態の指示で設定することができる。
【0106】
以上のとおり、生体認証システムは、ビーム検出装置SNが取得した画像を用いて、生体認証をすることができる。
【0107】
また、偽装が容易でない部位として、歯牙の歯根の湾曲、歯根の周りに高石灰化により他の骨と違いがでる歯槽硬線、下顎骨下顎枝後方の関節突起から下顎角までのライン、下顎骨内に存在する下歯槽管等がある。この場合も、上記の撮影のための位置決定を行い、ビーム照射装置BMを用いて頭蓋骨に対してわずかに前方からビームを照射し、ビーム検出装置SNを用いて検出側の下顎骨下顎枝を撮影することができる。また、生体認証システムは、歯科用パノラマX線写真を更に用いる構成であってもよい。
【0108】
なお、生体認証システムは、3D画像を用いる場合には、顔認証装置CM(図18)を用いて、頭部(被写体)の位置を確定することができる。また、生体認証システムは、頭蓋骨の方向を検知して、3D撮影装置を所望の位置に移動し、撮影してもよい。更に、生体認証システムは、本システムで取得した画像と3D映像とを従来技術(位相相関法など)で一致させてもよい。
(実施例5)
【0109】
図20を用いて、本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報(手部の識別部位)の一例を説明する。ここで、図20は、本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報として、識別、認証する部位(識別部位)として手部の一例を説明する図である。
【0110】
図20に示すように、手の骨の画像からの生体認証(識別)では、手根骨GAと中手骨GBとの境界が不明瞭になる場合がある。このため、第1から第5の末梢にある指骨GCの形状に基づいて認証することで、より高精度の認証が可能になる。図20に示すように、例えば指骨GCの末節骨GC1、中節骨GC2、基節骨GC3の3D画像若しくは平面画像における長さを用いてもよい。
【0111】
生体認証システムは、指骨GCの末節骨GC1、中節骨GC2、基節骨GC3を予め測定しておき、認証を行うときに、更に手部の末節骨GC1、中節骨GC2、基節骨GC3の形状を用いて、認証の精度を向上することができる。なお、末節骨GC1、中節骨GC2、基節骨GC3は、片手で14本の測定が可能であり、両手で28本の測定が可能である。また、平面画像では検出器に手のひらを乗せて撮影し、2次元的な長さと形状により測定および認証することできる。3D画像では3D映像から正確な長さを算出し、更に位相相関法により形状を一致せる方法で認証を行うことができる。
(実施例6)
【0112】
図21を用いて、本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報(足部の識別部位)の一例を説明する。ここで、図21は、本発明に係る個体識別装置が取得する識別対象情報として、識別、認証する部位(識別部位)として足部の一例を説明する図である。
【0113】
図21に示すように、足の骨の画像からの生体認証(識別)では、足根骨FAと中足骨FBとの境界が不明瞭になる場合がある。このため、第1から第5の末梢にある指骨FCの形状に基づいて認証することで、より高精度の認証が可能になる。図21に示すように、例えば指骨FCの末節骨FC1、中節骨FC2、基節骨FC3の3D画像若しくは平面画像における長さを用いてもよい。
【0114】
生体認証システムは、指骨FCの末節骨FC1、中節骨FC2、基節骨FC3を予め測定しておき、認証を行うときに、更に手部の末節骨FC1、中節骨FC2、基節骨FC3の形状を用いて、認証の精度を向上することができる。なお、末節骨FC1、中節骨FC2、基節骨FC3は、片手で14本の測定が可能であり、両手で28本の測定が可能である。また、平面画像では検出器に足を乗せて撮影し、2次元的な長さと形状により測定および認証することできる。3D画像では3D映像から正確な長さを算出し、更に位相相関法により形状を一致せる方法で認証を行うことができる。更に、足の指骨は、検出器の上に立つまたは検出器の上を歩く動作でも認識が可能である。
【符号の説明】
【0115】
10 : 個体識別装置
11 : 記憶手段
12 : 取得手段
13 : 識別手段
13a: 部位設定部
13b: 情報抽出部
13c: 個体照合部
13d: 個体識別部
100 : 個体識別システム
100C: 通信システム
100T: 情報端末
101 : 入力手段
102 : 出力手段
103 : 表示手段
200 : 身元確認システム
200C: 通信システム
200T: 情報端末
201 : 入力手段
202 : 出力手段
203 : 表示手段
204 : 確認手段
300 : 生体認証システム
300C: 通信システム
300T: 情報端末
301 : 入力手段
302 : 出力手段
303 : 表示手段
304 : 認証手段
Pr,Pr1,Pr2,Pr3 : プログラム
Md,Md1,Md2,Md3 : 記録媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21