(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-1642(P2015-1642A)
(43)【公開日】2015年1月5日
(54)【発明の名称】眼鏡用固定具
(51)【国際特許分類】
G02C 11/00 20060101AFI20141202BHJP
【FI】
G02C11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-126438(P2013-126438)
(22)【出願日】2013年6月17日
(71)【出願人】
【識別番号】592058234
【氏名又は名称】株式会社エム・アンド・エフ
(74)【代理人】
【識別番号】100104237
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 秀昭
(74)【代理人】
【識別番号】100084261
【弁理士】
【氏名又は名称】笹井 浩毅
(72)【発明者】
【氏名】藤田 真澄美
【テーマコード(参考)】
2H006
【Fターム(参考)】
2H006CA01
(57)【要約】
【課題】一般的な眼鏡に容易に取り付けることができ、上着やシャツ等の布地を挟持させて眼鏡の抜落ちを防止した眼鏡用固定具提供する。
【解決手段】眼鏡用固定具10,10A,10Bは、テンプル30の途中に取り付ける管状の保持部11,11a,11bと、該保持部に一体に設けられてテンプル30に沿って延びるクリップ片12とを有し、保持部は、所定範囲以上の温度変化によって不可逆的に収縮する材質とし、テンプルに装着した後に温度変化を与えて保持部をクリップ片とともにテンプルに固定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼鏡フレームのテンプルに後付けされて、テンプルを折り畳んだ際に衣類の一部など掛止箇所を挟持して、該掛止箇所における眼鏡の落下を防止する眼鏡用固定具において、
前記テンプルの途中に取り付ける管状の保持部と、
前記保持部に一体に設けられて前記テンプルに沿って延びるクリップ片と、を有し、
前記保持部は、所定範囲以上の温度変化によって不可逆的に収縮する材質から成り、前記テンプルに装着した後に該温度変化によってテンプルに固定することを特徴とする眼鏡用固定具。
【請求項2】
前記保持部は、軸線方向の全長に亘る切れ目が設けられた略C字形横断面に形成され、前記テンプルの挿入により拡開され、該拡開による弾性力によりテンプルに装着可能であることを特徴とする請求項1に記載の眼鏡用固定具。
【請求項3】
前記保持部は、帯状のテープ材から成り、テンプルに管状に巻き付けるように装着可能であることを特徴とする請求項1に記載の眼鏡用固定具。
【請求項4】
前記クリップ片は、その根元となる基端側が前記保持部の適所にインサート成形されたことを特徴とする請求項1,2または3に記載の眼鏡用固定具。
【請求項5】
前記クリップ片は、磁性材料により形成されたことを特徴とする請求項1,2,3または4に記載の眼鏡用固定具。
【請求項6】
前記保持部は、その材質中に磁性材料が含まれていることを特徴とする請求項1,2,3または4に記載の眼鏡用固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼鏡フレームのテンプルに後付けされて、テンプルを折り畳んだ際に衣類の一部など掛止箇所を挟持して、該掛止箇所における眼鏡の落下を防止する眼鏡用固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、上着やシャツ等の胸ポケットの中に差し込んだ眼鏡が落下しないようにしたものとしては、例えば特許文献1に開示されたようなものがある。
【0003】
すなわち、金属製の眼鏡のフレームのテンプルの前端側の外側に取付部を設け、該取付部にコ字状に曲げて形成された金属製のクリップの取付板の裏面側を蝋付けして、クリップの後内端に設けた突起をテンプルの側面に接触するようにしたものである。
【0004】
また、樹脂又はセルロイド等で作られた芯入りのテンプルを備える眼鏡のフレームのテンプルの前端側の外側に取付部を設け、該取付部に段状に曲げて形成された金属製のクリップの取付板を接着剤で接着するとともに、該取付板に蝶番のリベットに見合う小孔を開けて、蝶番取付用のリベットで一体に取り付けて、クリップの後内端に設けた突起をテンプルの側面に接触するようにしたものも開示されている。
【0005】
これらは、テンプルとクリップとの間にポケット等の布部分等を挟むことにより、眼鏡が落下しないようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−341296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような従来の技術は、蝋付けや接着、リベットによる固定によって予め眼鏡のフレームにクリップを取り付けたものであるため、クリップを取り付けられた眼鏡のフレームの中には気に入ったデザインのものが無い場合もあるという問題点があった。
【0008】
また、眼鏡を購入後にクリップを取り付けようとする場合、一般の購入者は、自身でクリップを取り付けることはできないので、眼鏡店に取り付けを依頼することになり、手間がかかる上に費用も嵩むという問題点がある。
【0009】
さらに、眼鏡にクリップを取り付ける際に、フレームを傷つける虞があるとともに、いったん眼鏡にクリップを取り付けた後は、クリップが不要となっても後から取り外すことは困難であるという問題点があった。
【0010】
本発明は、このような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、一般的な眼鏡に後から容易且つ強固に取り付けることができ、また、取り付け時に眼鏡を傷つける虞がなく、不要となれば取り外すことも可能であり、掛止箇所に挟持させて眼鏡の抜け落ちを確実に防止することができる眼鏡用固定具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]眼鏡フレーム(20)のテンプル(30)に後付けされて、テンプル(30)を折り畳んだ際に衣類の一部など掛止箇所を挟持して、該掛止箇所における眼鏡(1)の落下を防止する眼鏡用固定具(10,10A,10B)において、
前記テンプル(30)の途中に取り付ける管状の保持部(11,11a,11b)と、
前記保持部(11,11a,11b)に一体に設けられて前記テンプル(30)に沿って延びるクリップ片(12)と、を有し、
前記保持部(11,11a,11b)は、所定範囲以上の温度変化によって不可逆的に収縮する材質から成り、前記テンプル(30)に装着した後に該温度変化によってテンプル(30)に固定することを特徴とする眼鏡用固定具(10,10A,10B)。
【0012】
[2]前記保持部(11)は、軸線方向の全長に亘る切れ目(13)が設けられた略C字形横断面に形成され、前記テンプル(30)の挿入により拡開され、該拡開による弾性力によりテンプル(30)に装着可能であることを特徴とする項[1]に記載の眼鏡用固定具(10)。
【0013】
[3]前記保持部(11b)は、帯状のテープ材から成り、テンプル(30)に管状に巻き付けるように装着可能であることを特徴とする項[1]に記載の眼鏡用固定具(10B)。
【0014】
[4]前記クリップ片(12)は、その根元となる基端側が前記保持部(11,11a,11b)の適所にインサート成形されたことを特徴とする項[1],[2]または[3]に記載の眼鏡用固定具(10,10A,10B)。
【0015】
[5]前記クリップ片(12)は、磁性材料により形成されたことを特徴とする項[1],[2],[3]または[4]に記載の眼鏡用固定具(10,10A,10B)。
【0016】
[6]前記保持部(11,11a,11b)は、その材質中に磁性材料が含まれていることを特徴とする項[1],[2],[3]または[4]に記載の眼鏡用固定具(10,10A,10B)。
【0017】
前記本発明は次のように作用する。
眼鏡用固定具(10,10A,10B)は、眼鏡フレーム(20)のテンプル(30)に後付けされるものである。項[1]の眼鏡用固定具(10,10A,10B)を後付けする際には、管状の保持部(11,11a,11b)をテンプル(30)が貫通するようにテンプル(30)の途中に取り付ける。
【0018】
保持部(11,11a,11b)をテンプル(30)に固定するために、所定範囲以上の温度変化を保持部(11,11a,11b)に与える。これにより、保持部(11,11a,11b)が不可逆的に熱収縮してテンプル(30)に強固に固定される。
【0019】
テンプル(30)に保持部(11,11a,11b)が固定されると、クリップ片(12)が保持部(11,11a,11b)に一体に設けられているので、テンプル(30)を折り畳んだ際に衣類の一部など掛止箇所をテンプル(30)とクリップ片(12)との間に挟持させることによって眼鏡(1)の落下を防止することができる。
【0020】
また、保持部(11,11a,11b)はテンプル(30)に後付けするため、既存の様々なタイプの眼鏡(1)に適用することができる。さらに、取り付ける際に、テンプル(30)にネジ孔やリベット孔を設けたり、接着剤を用いたりすることがなく、眼鏡(1)を傷付ける虞がないと共に、不要となれば保持部(11,11a,11b)を壊すなどして取り外すことも可能である。
【0021】
項[2]の眼鏡用固定具(10)のように、保持部(11)の軸線方向の全長に亘って切れ目(13)を設けて保持部(11)の横断面を略C字形に形成したものでは、切れ目(13)の所から拡開することができるので、テンプル(30)を挿入すると拡開され、この拡開による弾性力によりテンプル(30)に装着することができる。従って、この眼鏡用固定具(10)は、切れ目(13)の無い管状の保持部(11a,11b)よりも多様な形状のテンプル(30)に容易に装着することができる。
【0022】
項[3]の眼鏡用固定具(10B)は、保持部(11b)が帯状のテープ材から成るので、テンプル(30)に装着する際は、テンプル(30)に管状に巻き付けてから熱収縮させれば良い。したがって、この眼鏡用固定具(10B)は、さらに多様な形状のテンプル(30)に容易に装着することができる。
【0023】
項[4]の眼鏡用固定具(10,10A,10B)によれば、以上におけるクリップ片(12)は、その根元となる基端側が保持部(11,11a,11b)の適所にインサート成形したものとすることにより、保持部(11,11a,11b)におけるクリップ片(12)の向きや位置を気にすることなく保持部(11,11a,11b)をテンプル(30)に装着することができる。これにより、眼鏡用固定具(10,10A,10B)をテンプル(30)に装着することが一層に容易になる。
【0024】
項[5]の眼鏡用固定具(10,10A,10B)は、クリップ片(12)が磁性材料により形成されているために、また、項[6]の眼鏡用固定具(10,10A,10B)は、保持部(11,11a,11b)の材質中に磁性材料が含まれているために、鉄やニッケル等の磁石が吸着する金属を含むものに眼鏡(1)を付けることも可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明にかかる眼鏡用固定具によれば、一般的な眼鏡に容易かつ強固に装着することができ、眼鏡用固定具のクリップ片と眼鏡のテンプルによって上着やシャツなどの掛止箇所に挟むようにして、眼鏡の抜け落ちを確実に防止することができる。
【0026】
また、保持部はテンプルに後付けするため、既存の様々なタイプの眼鏡に適用することができる。さらに、取り付ける際に、テンプルにネジ孔やリベット孔を設けたり、接着剤を用いたりすることはなく、眼鏡を傷付ける虞がないと共に、不要となれば保持部を壊すなどして取り外すことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る眼鏡用固定具を眼鏡に装着した状態を示す斜視図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態に係る眼鏡用固定具を眼鏡に装着した部分を示す拡大斜視図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態に係る眼鏡用固定具を示す斜視図である。
【
図4】本発明の第2の実施の形態に係る眼鏡用固定具を眼鏡に装着した部分を示す拡大斜視図である。
【
図5】本発明の第2の実施の形態に係る眼鏡用固定具を示す斜視図である。
【
図6】本発明の第3の実施の形態に係る眼鏡用固定具を眼鏡に装着した部分を示す拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面に基づき、本発明の好適な各種の実施の形態を説明する。
図1から
図3までは、本発明の第1の実施の形態を示している。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る眼鏡用固定具10を眼鏡1に装着し固定した状態を示す斜視図であり、
図2は、眼鏡用固定具10を装着した部分を示す拡大図である。また、
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る眼鏡用固定具10を示す斜視図である。
【0029】
図1に示すように、眼鏡用固定具10は、眼鏡1の眼鏡フレーム20の側面をなすテンプル30に装着して、テンプル30を折り畳んだ際に衣類の一部など掛止箇所を挟持して、該掛止箇所から眼鏡1が落下しないようにするものである。眼鏡用固定具10は、テンプル30の途中に取り付ける管状の保持部11と、保持部11に一体に設けられてテンプル30に沿って延びるクリップ片12とから成る。
【0030】
保持部11は、所定範囲以上の温度変化によって不可逆的に収縮する材質から管状に一体成形されている。ここでの材質は、具体的には例えば、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などを主成分とする熱収縮樹脂が適している。
【0031】
これらの熱収縮樹脂は、熱湯に漬けたり、ドライヤーの熱風を当てることにより、例えば、100℃以上の熱収縮温度になると、内径収縮率40%以上で長さ変化率−15%以上に収縮する。また、本実施の形態のように、次述する切れ目13を設ける場合には、ある程度硬質のものを用いれば良いが、後述する第2の実施の形態のように切れ目のない管状に成形する場合には、軟質のものが適している。一般に製品化されている「熱収縮チューブ」をそのまま採用すると良い。
【0032】
本実施の形態における保持部11は、その軸線方向の全長に亘って切れ目13が設けられており、横断面が略C字に形成されている。より詳しくは、保持部11の横断面形状を切れ目13の通る径方向に潰れた形状としている。これにより、保持部11を熱収縮させる前に安定して保持可能なテンプル30のサイズの範囲を広くすることができる。
【0033】
すなわち、保持部11の周長が同じ条件では、保持部11を真円形状とした場合、保持可能な最小径のテンプル30は、その径が保持部11の最小内径よりも若干大きい径のものであるが、保持部11を切れ目13を通る径方向に潰れた形状とした場合には、つぶれている分、より小さな径のテンプル30を保持することが可能となる。
【0034】
保持部11には、テンプル30に沿って延びるクリップ片12が一体に設けられている。本実施の形態では、クリップ片12は金属製であり、その根元である基端側が保持部11にインサート成形されている。したがって、保持部11とクリップ片12とは予め一体に形成されている。クリップ片12は、眼鏡用固定具10をテンプル30に装着したときに、テンプル30の外側に沿って延び、その先端部がテンプル30の自由端に向かって延在する。
【0035】
クリップ片12の先端部には、テンプル30に向かって突出した複数本の突起14が形成されている。この突起14に換えて一つの円錐状様の突起を形成してもよいし、このクリップ片12は、金属以外でも良く弾性を有する素材で形成されるが、テンプル30に弾性が有る場合は、弾性を有しない素材のものでもよいし、弾性を有する素材であっても良い。
【0036】
なお、保持部11とクリップ片12とは、クリップ片12を保持部11の内側面に接着剤で接着して一体としてもよい。また、保持部11にクリップ片12の基端側を差し込むポケットのような差込部を形成し、該差込部にクリップ片12を差し込んだ状態でテンプル30を挿着させて熱収縮させても良い。
【0037】
次に、本実施の形態に係る眼鏡用固定具10の作用を説明する。
眼鏡用固定具10を眼鏡1のテンプル30に装着して固定するときは、先ず保持部11にテンプル30を挿着する。例えば、テンプル30が耳に掛かる側の先端部から保持部11に挿入し、眼鏡用固定具10が所望の位置に至るまで挿入して行けばよい。
【0038】
このとき、保持部11には切れ目13が入っているのでテンプル30を挿入したときに切れ目13から比較的容易に拡径される。これにより、保持部11をテンプル30の所望の位置に容易に取り付けることができる。図示した例では、テンプル30が眼鏡フレーム20に連結された連結端の近傍に装着されている。
【0039】
保持部11にテンプル30を挿着するときは、テンプル30が耳に掛かる自由端部側にクリップ片12の先端が向くようにする。なお、テンプル30の形状、幅の広さによっては、テンプル30をその自由端部の先端から保持部11に挿入することなく、切れ目13から保持部11内にテンプル30を押し込むようにして嵌め込むことができる。
【0040】
このようにして、眼鏡用固定具10を所望の位置に取り付けたら、保持部11を熱収縮させてテンプル30に固定させる。そのためには、例えば眼鏡用固定具10を装着した部分を沸騰水に浸せばよい。これによって保持部11が熱収縮してテンプル30に確実かつ強固に固定される。
【0041】
保持部11の上記素材は不可逆的に熱収縮するので、いったんテンプル30に固定された眼鏡用固定具10は、再度の加熱をしたりあるいは低温に冷却したりしても元に戻って緩んでしまうことはない。なお、保持部11を熱収縮させるためには、ドライヤーで熱風を保持部11に吹きかけても良い。
【0042】
このようにしてテンプル30に眼鏡用固定具10を固定した眼鏡1は、テンプル30を折り畳んだ衣類のえり、ポケット、その他衣類の一部を掛止箇所として、当該掛止箇所をテンプル30とクリップ片12との間で挟持させることによって眼鏡1の落下を防止することができる。
【0043】
また、保持部11はテンプル30に後付けするため、既存の様々なタイプの眼鏡1に適用することができる。さらに、取り付ける際に、テンプル30にネジ孔やリベット孔を設けたり、接着剤を用いることはなく、眼鏡1を傷付ける虞がないと共に、不要となれば保持部11を壊すなどして取り外すことも可能である。
【0044】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
図4および
図5は本発明の第2の実施の形態を示している。
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る眼鏡用固定具10Aを眼鏡1に装着した部分を示す拡大図であり、
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る眼鏡用固定具10Aを示す斜視図である。なお、第1の実施の形態と同種の部位には同一符号を付し重複した説明を省略する。
【0045】
第1の実施の形態において保持部11の形状を横断面が略C字状になるように保持部11の全長に亘って切れ目13を形成したが、本実施の形態に係る眼鏡用固定具10Aでは、保持部11aに切れ目13を入れずに管状とした点が第1の実施の形態に係る眼鏡用固定具10と異なっている。
【0046】
保持部11aやクリップ片12の材質は、第1の実施の形態に係る眼鏡用固定具10と同じものを使用することができる。また、保持部11aとクリップ片12とは、クリップ片12を保持部11aの内側面に接着剤で接着して一体としてもよいこと、および保持部11aにクリップ片12の基端側を差し込むポケットのような差込部を形成し、該差込部にクリップ片12を差し込んだ状態でテンプル30を挿着させて熱収縮させても良いことも第1の実施の形態に係る眼鏡用固定具10と同様である。
【0047】
本実施の形態の場合は、眼鏡用固定具10Aをテンプル30に装着するときは、テンプル30が耳に掛かる側の先端部から保持部11aに挿入することになる。テンプル30に装着した眼鏡用固定具10Aの保持部11aを熱収縮させて固定する方法は、第1の実施の形態における場合と同様である。
【0048】
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。
図6は、本発明の第3の実施の形態を示している。この
図6は、本発明の第3の実施の形態に係る眼鏡用固定具10Bを眼鏡1に装着した部分を示す拡大図である。
【0049】
本実施の形態においては、眼鏡用固定具10Bの保持部11bが管状ではなく、帯状のテープ材から成る点が第1および第2の実施の形態とは異なる。保持部11bの材質は、第1の実施の形態に係る眼鏡用固定具10と同じものを使用することができる。クリップ片は図示していないが、第1の実施の形態におけるクリップ片12と同様のものを使用することができる。
【0050】
保持部11bは帯状であり、装着時にテンプル30に管状に巻き付けてから加熱によって熱収縮させるものである。このためクリップ片は、第1の実施の形態と同じものが保持部11bとは別体の部材となっている。
【0051】
この眼鏡用固定具10Bをテンプル30に装着固定するためには、先ず、保持部11bをテンプル30に巻き付ける。この際、クリップ片をテンプル30と保持部11bとの間に挟むようにして保持部11bに巻き付ける。あるいは、保持部11bを多重に巻き付けて内側の保持部11bと外側の保持部11bとの間にクリップ片を挟むようにしてもよい。このようにテンプル30に巻き付けた保持部11bは管状になる。眼鏡用固定具10Bの保持部11bを熱収縮させてテンプル30に固定する方法は、第1の実施の形態における場合と同様である。
【0052】
なお、保持部11bとクリップ片とは、クリップ片を保持部11bに接着剤で接着して一体とすることもできる。また、保持部11bにクリップ片の基端側を差し込むポケットのような差込部を形成し、該差込部にクリップ片を差し込んだ状態でテンプル30に巻き付けた後、熱収縮させて固定しても良い。本実施の形態に係る眼鏡用固定具10Bでは、帯状の保持部11bをテンプル30に巻き付けて装着するので、テンプル30の形状や幅の広さ等に制限されることなく、極めて多種類の眼鏡に取り付けて利用することができる。
【0053】
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。例えば、以上に説明した第1から第3の各実施の形態において、クリップ片12を磁性材料により形成したものとしてもよい。
【0054】
また、保持部11,11a,11bは、その材質中に磁性材料を含むものとしてもよい。これにより、鉄やニッケル等の磁石が吸着する金属を含むものにも眼鏡1を付けておくことができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、眼鏡のように耳に掛けるテンプルを備えており、それほど重量が嵩まないものに広く実施することができる。
【符号の説明】
【0056】
1…眼鏡
10…眼鏡用固定具
10A…眼鏡用固定具
10B…眼鏡用固定具
11…保持部
11a…保持部
11b…保持部
12…クリップ片
13…切れ目
14…突起
20…眼鏡フレーム
30…テンプル