【解決手段】長寸および短寸を有し、かつ、離間して実質的に前記長寸方向に配列された複数の細長い導電性構造体のグループをGaN LED構造体のn型GaN50あるいはp型GaN層の表面上に、グループ内の各導電性構造体の間隔よりも広い間隔を有して形成する。また、短寸よりも長いアニール波長を有するp偏光アニールレーザービーム120を生成し、偏光方向が導電性構造体の長寸と直交するようにアニールレーザービームを導電性構造体に向けて、導電性構造体を介してp偏光アニールレーザービームでGaN LED構造体のn型GaN層あるいはp型GaN層を照射する。
前記GaN発光ダイオード(LED)構造体は、プロダクト基板上に形成されており、前記GaN発光ダイオード(LED)構造体からLEDダイを形成するために前記プロダクト基板を切断する工程をさらに有する請求項1から9の何れか1項に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
GaN LEDは、典型的に、当該LEDに給電するための導電性接点および導電性電流波及電極を有している。しかしながら、結果として得られるパターンは、レーザーアニールプロセスを妨げるおそれがあり、悪い意味で「パターン効果」と呼ばれている。GaN LEDの性能を向上させるために、電流波及電極が形成された後にLED構造体のレーザーアニールを実施することが望まれる。このため、伝導性構造体を介したレーザーアニールの際に、不都合なパターン効果を低減させるレーザーアニールを実施するシステムおよび方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、GaN発光ダイオード(LED)構造体のレーザーアニール方法に関する。本発明の一側面において、前記GaN発光ダイオード(LED)構造体は、活性層を挟むp型GaN層およびn型GaN層を有するGaN多層構造体を備える。そして、本発明の一側面に係る当該方法は、前記p型GaN層あるいは前記n型GaN層の上面において長寸および短寸を有するようにそれぞれ細長く形成されているとともにほぼ同じ方向に配列されている複数の導電性構造体を含むグループを形成する工程を有する。この工程では、前記導電性構造体のグループ間の間隔が、該導電性構造体のグループを構成している互いに分割された各導電性構造体間の間隔よりも広くなるように、p型GaN層あるいはn型GaN層上に導電性構造体を形成する。この方法は、また、前記導電性構造体の前記短寸よりも長いアニール波長を有するp偏光アニールレーザービームを生成する工程を有している。この方法は、また、前記導電性構造体を介して前記p偏光アニールレーザービームで前記n型GaN層あるいは前記p型GaN層を照射する工程を有している。その際、偏光方向が前記導電性構造体の前記長寸と直交するように前記アニールレーザービームが前記導電性構造体に向けられる。
【0009】
この方法において、前記導電性構造体は、略長方形状の表面を有するのが好適である。
【0010】
この方法において、前記導電性構造体のグループは、互いに平行な2以上の細長い導電性構造体を含むのが好適である。
【0011】
この方法において、前記導電性構造体は、電流波及電極を規定するのが好適である。
【0012】
この方法において、前記短寸を約10.6ミクロンよりも短くしてもよい。
【0013】
この方法において、前記導電性構造体を、前記p型GaN層の上面に配設してもよい。また、この方法において、前記GaN発光ダイオード(LED)構造体は、前記導電性構造体と前記p型GaN層との間に透明導電層を含むのが好適である。
【0014】
この方法は、さらに、前記照射の後、電流波及電極に電気的に接触する少なくとも一つの導体パッドを追加する工程を有するのが好適である。
【0015】
この方法において、アニール波長を約10.6ミクロンにすることができる。
【0016】
この方法は、さらに、導電性構造体をアニールレーザービームで走査する工程を有するのが好適である。
【0017】
この方法において、前記GaN発光ダイオード(LED)構造体は、プロダクト基板上に形成されてもよい。また、この方法は、さらに、前記GaN発光ダイオード(LED)構造体からLEDダイを形成するために当該プロダクト基板を切断する工程を有するのが好適である。
【0018】
本発明のさらなる特徴及び利点は、下記の詳細な説明(発明を実施するための形態)に明記されている。また、それらの一部は詳細な説明の記載内容から当業者にとって直ちに明白となるか、下記の詳細な説明、特許請求の範囲、添付図面を含む、ここに記載された発明を実施することによって認識される。
【0019】
上記の背景技術等に関する記載及び下記の詳細な説明に関する記載は、特許請求の範囲に記載されている本発明の本質及び特徴を理解するための概略または枠組みを提供するものであることを理解すべきである。添付図面は、本発明のさらなる理解を提供するために含まれており、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。図面は、本発明の様々な実施形態を図示するものであり、本明細書の記載とともに、本発明の原則及び実施を説明するための一助となる。
【0020】
特許請求の範囲の記載は、本明細書に組み込まれるとともに、本明細書の一部を構成する。
【0021】
図面に記載された直交座標系は参考用であり、向きや方向を限定することを意図したものではない。
【発明を実施するための形態】
【0023】
添付図面に示された実施例を用いて、本発明の好適な実施例を詳細に説明する。同一あるいは近似した部位を示すため、図面全体を通じて、可能な限り同一あるいは近似した参照番号および記号が用いられる。「上」および「下」の語は、本明細書の理解を促進するために用いられる相対的な語であり、厳格に限定することを意図するものではない。
【0024】
本発明はGaN LEDに関する。GaN LEDの例は、米国特許第6,455,877、7,259,399および7,436,001号にも記載されており、これら特許は本明細書に組み込まれる。
【0025】
本発明の方法を実施するのに適したレーザーアニールシステムの実施例は、米国特許第6,747,245、7,154,066および7,399,945号に記載されており、これら特許は本明細書に組み込まれる。
【0026】
下側の層と関連する導電性電極とのつながりにおいて本明細書で用いられる「表面の上に」との語は、当該下側の層に隣接していること、あるいは接触していることを必ずしも意味するものではなく、当該導電性電極が下側の層の上方にあって互いに離間しているようなケースも含まれる。
【0027】
また、本明細書で用いられる「GaN LED構造体」の語は、「GaN LED装置」の語と同義である。
【0028】
図1は、従来の縦型GaN発光ダイオード(LED)構造体10の一例の概略断面図である。
図2は、
図1のGaN LED構造体10の平面図である。GaN LED構造体10は、p型にドーピングされたGaN層(p型GaN層)40およびn型にドーピングされたGaN層(n型GaN層)50と、表面52とを有するGaN多層構造体30を備えている。このp型GaN層40およびn型GaN層50は、活性層60を挟み込んでおり、p型GaN層が基板20に隣接するようになっている。活性層60は、例えば、ドーピングされていないGaInN/GaN超格子のような多重量子井戸(MQW)構造を有している。したがって、GaN多層構造体30はpn接合を規定する。GaN LED構造体10は、p型GaN層40に接合された金属電極26を有している。
【0029】
GaN LED構造体10は、n型GaN層の表面52の上に配設された電流波及電極70Eを有する導電性構造体70を備えている。この電流波及電極70Eはカソードとしての役割を有し、金属電極26はアノードとしての役割を有する。電流波及電極70Eは、注入電子を広げる役割を有している。
図2において最も見やすく示されているが、導電性構造体70は、また、複数の導体パッド70Pを有している。導体パッド70Pには、電流波及電極70Eに電気的に接続されたn型導体パッド70PCと、金属電極26に電気的に接続されたp型導体パッド70PAとがある。
【0030】
図3は、従来技術の横型GaN LED構造体10の概略断面図であり、
図4は、
図3のGaN LED構造体の平面図である。
図4のGaN LED構造体10は、サファイア, SiC, GaN Si等といった基板20を有している。当該基板20の表面上に前述のGaN多層構造体30が配設されているが、p型GaN層40およびn型GaN層50の位置が逆になっている。p型GaN層40は、表面42を有している。当該p型GaNの電導度は相対的に低いので、p型GaNを通って電流波及電極70Eから注入された電流は、非常に非均一になると考えられる。このため、一例において、p型GaN層に入る電流のように電流密度をより均一にするために、表面68を有する透明導電層(TCL)66が電流波及電極70Eとp型GaN層40との間に配置されている。一例のTCL66は、インジウムスズ酸化物(ITO)を含んでいる。TCL66は、また、光学的な出力を最適化するための反射防止コーティングとしての役割を果たし得る。n型導体パッド70PCは、n型GaN層50における表面52の一部の上において見られる。
【0031】
図1から4を参照するに、電流波及電極70Eおよび導体パッド70Pといった態様の導電性構造体70は、一般に相対的に大きく、X(幅)およびY(長さ)寸法範囲は、50から100ミクロンである。電流波及電極70EのX方向における短寸(幅)W1は、アニール波長λ
Aよりも実質的に大きい。電流波及電極70Eは、典型的に、(図中においてY方向に延びる)長寸Lを有する細長い形状となっている。
【0032】
図5は、GaN LED構造体10が形成されたプロダクト基板6の一例についての平面図である。当該プロダクト基板6の拡大差込図は、表面12を規定するGaN LED構造体10の数を示している。このプロダクト基板6は、典型的に、数千のGaN LED構造体10を支持しており、各GaN LED構造体10のX、Y寸法は、1mmオーダーである。
【0033】
図5には、また、プロダクト基板6の表面12上にライン像124を形成するアニールレーザービーム120が示されている。このライン像124は、プロダクトウエハ表面12、すなわちGaN LED構造体10およびGaN LED構造体のタイプに応じてアニールされた特定のGaN層(つまり、p型GaN層40あるいはn型GaN層50)上を走査する。表面12の特定部分上にライン像124が位置する滞留時間tdの範囲の一例は、約10μ秒(μs)から10ミリ秒(ms)である。一例において、ライン像124は、5mmから100mmの長さを有しており、典型的な長さは、7から20mmである。ライン像124は、また、約25ミクロンから約500ミクロンの範囲の幅を有しており、典型的な幅は、50ミクロンから100ミクロンである。ライン像124の一例は、50W/mm
2から5000W/mm
2の範囲の出力密度(強度)を有しており、実施例の出力密度は約400W/mm
2である。アニールレーザービーム120および対応するライン像124を形成するシステムおよび方法の例は、米国特許第8,014,427号に記載されており、この特許は本明細書に組み込まれる。
【0034】
レーザーアニールプロセスにおける最大アニール温度の範囲の実施例は、約700℃から約1,500℃である。この最大アニール温度は、GaN LED構造体10における、GaNの解離、格子不整合歪緩和、および転位の量によって決定される。アニールの深さは、滞留時間およびレーザービーム強度に依存する。一例のGaN多層構造体30は、数μmから約10μmの厚さを有している。また、典型的に、アニールは、10μmから100μmに達する。つまり、ほぼGaN多層構造体30を貫通しており、いくつかのケースでは、基板20あるいは金属電極(導電体)26に到達している。
【0035】
図6は、GaN LED構造体10の上部の概略断面図であり、アニールレーザービーム120でレーザーアニールされたGaN LED構造体10を示している。
図5もまた、導電性構造体70が上面に形成された上側n型GaN層における、距離(X)に対する概略温度のグラフを含んでいる。
【0036】
導電性構造体70はアニール波長λ
Aと比較して非常に大きいことから、これら導電性構造体70はGaN LED構造体10をレーザーアニールするのに用いられるアニールレーザービーム120の実質的に一部分を反射させる。したがって、
図6にて説明するように、アニールレーザービームがGaN LED構造体10を照射することから、
図6の下側における温度グラフが概略的に示すように、導電性構造体70の下側の領域はこれら構造体が存在しない領域に比べて加熱される度合いが小さい。このことは、
図6においてn型GaN層50として示されるように、レーザーアニール中に、「パターン効果」と呼ばれる、アニールされた層における局所的な熱非均一性を生成する原因となる。
【0037】
パターン効果による熱的非均一性に起因して、GaN LED構造体10に対して少なくとも3つの主たる悪影響が生じる。第1は、アニールされた領域の電導度が相当にばらつくことである。高い熱アニール温度の当該領域は、より高いドーパント活性率(つまり、低いシート抵抗)を有している。第2は、導電性構造体70の直下にある領域は、より低い温度までしか加熱されないことである。このことは、オーミック接触抵抗が増加するのと同様に局所的なシート抵抗を増加させる。オーミック接触抵抗およびシート抵抗は、LEDデバイスの効率を低下させる。第3は、オーミック接触抵抗を低減するため(あるいはシート抵抗を低減するため)、導体パッドの直下の領域を十分に高い温度まで昇温させるようにレーザーの出力を増加させると、他の領域の構造体あるいは金属導体パッドがダメージを受ける可能性があることである。
【0038】
活性化されたドーパントの総数を増加させて特定のGaN層内のシート抵抗を一様に低減するために、GaN LED構造体10における特定のGaN層を均一に加熱するのが望ましい。加えて、接触抵抗を低下させるために導電性構造体70の直下の領域を高温に加熱するのがさらに望ましい。しかしながら、このことは、導電性構造体70あるいは下側のGaN層にダメージを与えることなく達成する必要がある。導電性構造体70からの反射性は大きく、今日のGaN LED構造体10のアニールでは導電性構造体70の下側の領域を十分な高温にすることができない。換言すれば、今日のGaN LED構造体10のアニールは、導電性構造体70を通した特定のGaN層のアニールを試みることによるパターン効果の影響を受けている。
【0039】
アニールレーザービーム120がこのような導電性構造体70(例えば、電流波及電極70E)の長寸Lに平行な向きに偏光されている場合、アニールレーザービーム120の一部は反射される。これは、アニールレーザービーム120が導電性構造体70内で電流を走らせるからである。この電流は、導電性構造体70の表面における接線方向の電界を最小化するようにしてMaxwellの式を満足する。これにより、
図6に示すように、伝達されたアニールレーザービーム120の実質的に一部を相殺するとともに、反射されたアニールレーザービーム120Rを生成する電界が形成される。
【0040】
本発明の一実施例において、当該アニールレーザービーム120は、偏光方向122に偏光されている。さらに、導電性構造体70は、引き延ばした寸法(例えば、図示するY方向に)を有する細長い形状であるが、短寸方向(例えば、図示するX方向に)寸法W2を有するように改良されている。ここで、W2<W1であり、W2はアニール波長よりも小さい。つまり、W2<λ
Aである。一例において、各電流波及電極70Eは、略長方形状の上面72Eを有している。また、一例において、電流波及電極70Eは、少なくとも2つの電極が平行となるように配列されている。全ての電極が平行となるようにしてもよい。(例えば、米国特許出願第11/982,788号明細書を参照のこと。この明細書では、CMOSタイプデバイスの製造に用いられるシリコンウエハ上の金属構造体をアニールする場合においてこの効果が記載されている。この明細書の内容は本明細書に組み込まれる。)
【0041】
図7Aは、縦型GaN LED構造体10の上部についての側面図であり、GaN LED構造体10を形成するレーザーアニールプロセスの一部としてのアニールレーザービーム120が照射されている。
図7Aは、改良された導電性構造体70が形成された上部n型GaN層50の温度を示す、概略温度と距離(X)とのグラフを含んでいる。導電性構造体70は、λ
Aよりも狭い幅W2を有している。つまり、W2<λ
Aである。
図7Bは、アニールレーザービーム120を伴う、
図7AにおけるGaN LED構造体10の平面図であり、GaN LED構造体10上を走査しようとしている当該アニールレーザービーム120によって形成されたライン像124を示している。このアニールレーザービーム120はp偏光されている。つまり、矢印122で示される偏光方向は、n型GaN層50の表面52に直交する平面130上にある。
図7Bにおける小さい矢印は、ライン像124の走査方向を示している。
【0042】
図7Aおよび
図7Bにおいて、アニールレーザービーム120は、偏光(より正確に言えば、n型GaN層50の表面52上に投影されたその偏光成分122)が電流波及電極70Eの長手方向に直交するように方向付けられている。このレーザーアニール配列において、実質的に全てのアニールレーザービーム120は、電流波及電極70Eを通過するとともに、下方のGaN層(
図7Aでは、n型GaN層50としてその実施例が示されている)に入り込む。このことは、電流波及電極が無限大の電導度を有するとしても成立する。なぜならば、電流波及電極70Eの幅W2は波長よりも短く(つまり、λ
A>W2)、また、この寸法が小さすぎてアニールレーザービーム120の電界によって実質的な電流が流れることはないからである。このため、アニールレーザービーム120の伝達された部分を相殺するとともに
図6に示すようにアニールレーザービーム120Rを反射させ得る電界が導電性構造体70内に生成されることはない。
図7Aおよび
図7Bに記載した実施例の構成において、いくつかの電流波及電極70Eはグループ化されており、また、各グループ内でそれぞれ間隔S(一例において、この間隔SはW2に等しい)をあけて配置されている。
【0043】
したがって、本発明によるGaN LED構造体10のアニール方法の一例は、a)GaN LED構造体10のn型GaN層50あるいはp型GaN層40の表面上に複数の細長い導電性構造体70を形成する工程(当該細長い導電性構造体70は、長寸および短寸を有しており、互いに離れており実質的に長寸L方向に並べられている)、b)短寸よりも長いアニール波長λ
Aを有するp偏光されたアニールレーザービーム120を生成する工程、およびc)当該p偏光されたアニールレーザービーム120を用いて、GaN LED構造体10におけるn型GaN層50あるいはp型GaN層40のいずれかを導電性構造体70を介して照射する工程を有している。工程c)は、偏光方向122が導電性構造体70の長寸Lに対して直交するように、導電性構造体70に対するアニールレーザービームの向きを決める工程を含んでいる。
【0044】
一例において、p偏光されたアニールレーザービーム120は、アニール波長λ
A=10.6ミクロンのCO
2レーザーによって生成される。また、一例において、λ
A>W2の寸法を有する導電性構造体70は、最も小さい寸法W1>λ
Aを有する従来技術の導電性構造体と実質的に同じ表面積を有している。このことは、例えば、幅W1を有する比較的幅広の電流波及電極70Eを分割し、これらをさらに分割して幅W2を有する多数の追加的な電極にすることによって達成し得る。例えば、幅W1=50ミクロンである一つの電流波及電極は、間隔S=5ミクロンで互いに離間された幅W2の10個の電流波及電極に分割することができる(
図6A参照)。このように、複数の幅狭の電流波及電極の網によって、幅広の電流波及電極の網で伝送するのと同じ量の電流を伝送することが可能であり、これに加えてパターン効果が低減あるいは極小化されるという利点がある。
【0045】
10個の5ミクロン電流波及電極70Eを形成する他の手段は、より少ない数の5ミクロン電流波及電極を形成することである。この場合、電流波及電極をより厚く(つまり、Z方向に)形成して、各電流波及電極70Eがより多くの量の電流を導通可能にする。厚く形成することで各電流波及電極70Eはより大きな容積を有するからである。一例において、電流波及をより均一化して向上させるために、電流波及電極70Eは、GaN LED構造体10の表面上において均等に広がって配置されている。
【0046】
本発明の一側面は、問題となるパターン効果を低減あるいは極小化するために、電流波及電極70Eおよび導体パッド70Pの両方を修正する工程を有している。
図9Aは、
図8Bと同様であって、カソード導体パッド70PCが形成されるカソード導体パッド領域70PCR(点線の長方形)に延びる、改良された電流波及電極70Eを示している。
図9Aは、また、アノード導体パッド70PAが形成されるアノード導体パッド領域70PAR(点線の長方形)を示している。
【0047】
アニールレーザービーム120を用いたレーザーアニールにおいて、電流波及電極70Eは、特定のGaN層(例えば、図示するようにn型GaN層50)の下方に低抵抗オーミック接触を形成する。電流波及電極70Eを介したレーザーアニールを実施した後、次の工程において、例えばカソード導体パッド領域70PCR(電流波及電極の端部を含む)およびアノード導体パッド領域70PAR(縦型LED配列における金属基板)の両方に金属を堆積(デポジット)することにより、導体パッド70PCおよび70PAが形成される。これにより、GaN LED構造体10に必要な電気的接合が完了する。
【0048】
本明細書に開示されたGaNレーザーアニールシステムおよび方法は、従来技術のGaNレーザーアニールシステムおよび方法を超える多数の長所を有している。第1の長所は、導電性構造体70を介したレーザーアニールに影響を与える、GaN領域(pおよびn型の両方)を介したシート抵抗の均一性を向上させるのに資する点である。第2の長所は、導電体−GaN界面におけるオーミック接触抵抗が向上する点である。第3の長所は、LEDデバイスのしきい電圧を低減する点である。しきい電圧を低減することにより、LEDデバイス効率が向上するとともに、デバイスが作動中に発生する熱量が低減する。
【0049】
図10はレーザーアニール後のプロダクト基板6の平面図である。プロダクト基板6に支持されたGaN LED構造体10が一度上述したレーザーアニールを受けると、当該GaN LED構造体10はLED光源として働き得る機能するGaN LED構造体10Fとなる。したがって、プロダクト基板6は、当該機能するGaN LED構造体10FからLEDダイ100を形成するために切断される。LEDダイ100は、公知の技術を用いて処理される。
【0050】
図11に示すように、LEDダイ100は、LEDデバイス250を形成するためにLEDデバイス構造に組み込まれる。
図11のLEDデバイス250は、エポキシレンズケーシング256の内部254から延出するアノード252Aおよびカソード252Cを有している。カソード252Cは、LEDダイ100が配設される反射キャビティ258を有している。ワイヤボンド260は、アノード252Aおよびカソード252CをLEDダイ100に対して電気的に接続する。LED発光波長λ
Eの光262を出光させる電力をLEDデバイス250に供給するため、電源(図示せず)がアノード252Aおよびカソード252Cに電気的に接続される。
【0051】
また、本発明の参考となるレーザーアニール方法として、以下のような方法を挙げることができる。
【0052】
当該方法は、パターン効果を低減した、GaN発光ダイオード(LED)構造体のレーザーアニール方法である。この方法は、GaN LED構造体のn型GaN層あるいはp型GaN層の表面上に、長寸および短寸を有し、かつ、離間して実質的に当該長寸方向に配列された複数の細長い導電性構造体を形成する工程を有している。この方法は、また、当該短寸よりも長いアニール波長を有するp偏光アニールレーザービームを生成する工程を有している。この方法は、また、導電性構造体を介して当該p偏光アニールレーザービームでGaN LEDのn型GaN層あるいはp型GaN層を照射する工程を有している。その際、偏光方向が導電性構造体の長寸と直交するように当該アニールレーザービームが導電性構造体に向けられる。
【0053】
この方法において、細長い導電性構造体は、略長方形状の表面を有するのが好適である。
【0054】
この方法において、細長い導電性構造体の実質的な配列は、互いに平行な2以上の細長い導電性構造体を含むのが好適である。
【0055】
この方法において、細長い導電性構造体は、電流波及電極を規定するのが好適である。
【0056】
この方法は、さらに、前記照射の後、電流波及電極に電気的に接触する少なくとも一つの導体パッドを追加する工程を有するのが好適である。
【0057】
この方法において、アニール波長を約10.6ミクロンにすることができる。
【0058】
この方法は、さらに、導電性構造体をアニールレーザービームで走査する工程を有するのが好適である。
【0059】
この方法において、GaN LED構造体は、プロダクト基板上に形成されてもよい。また、この方法は、さらに、GaN LED構造体からLEDダイを形成するために当該プロダクト基板を切断する工程を有するのが好適である。
【0060】
この方法は、さらに、LEDダイをLEDデバイス構造体に組み合わせてLEDデバイスを形成する工程を有するのが好適である。
【0061】
また、本発明の参考となるGaN発光ダイオード装置として、以下のような装置を挙げることができる。
【0062】
当該装置は、アニール波長を有するp偏光アニールレーザービームを用いたレーザーアニールに適するGaN発光ダイオード(LED)装置である。当該装置は、活性層を挟むp型GaN層およびn型GaN層を有するGaN多層構造体、および当該p型GaN層あるいはn型GaN層の上面において、長寸および短寸を有するようにそれぞれ細長く形成されているとともにほぼ同じ方向に配列されており、当該短寸がアニール波長よりも短い複数の導電性構造体を有している。
【0063】
この装置において、細長い導電性構造体は、略長方形状の表面を有するのが好適である。
【0064】
この装置において、細長い導電性構造体の実質的な配列には、互いに平行な2つ以上の細長い導電性構造体を含むのが好適である。
【0065】
この装置において、細長い導電性構造体は、電流波及電極を規定するのが好適である。
【0066】
この装置において、前記短寸を約10.6ミクロンよりも短くしてもよい。
【0067】
この装置において、導電性構造体をp型GaN層の上面に配設してもよい。また、この装置は、さらに、導電性構造体とp型GaN層との間に透明導電層を有するのが好適である。
【0068】
当業者には明白であるが、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、本発明に対して様々な修正及び変更を加えることができる。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲及びその均等範囲内において本発明の修正及び変更を包含する。