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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-164706(P2015-164706A)
(43)【公開日】2015年9月17日
(54)【発明の名称】トリガー式液体噴出器
(51)【国際特許分類】
   B05B 11/00 20060101AFI20150821BHJP
   B05B 1/12 20060101ALI20150821BHJP
   B65D 47/34 20060101ALI20150821BHJP
   B05B 1/34 20060101ALI20150821BHJP
【FI】
   B05B11/00 102B
   B05B1/12
   B65D47/34 D
   B05B1/34 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-39945(P2014-39945)
(22)【出願日】2014年2月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(72)【発明者】
【氏名】藤原 宏太郎
【テーマコード(参考)】
3E084
4F033
【Fターム(参考)】
3E084AA12
3E084AB01
3E084BA02
3E084CA01
3E084CB02
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB12
3E084DC03
3E084FA09
3E084FB01
3E084GA04
3E084GB04
3E084LB02
3E084LB07
3E084LD26
4F033BA03
4F033CA14
4F033DA01
4F033EA01
(57)【要約】
【課題】噴出パターンの切替えに必要なノズルの回動範囲を小さくして噴出パターンの切り替え操作を容易にすることができるトリガー式液体噴出器を提供する。
【解決手段】ノズル31を、噴出器本体11に対する回動位置が閉位置以外の所定の回動範囲内の開位置とされたときに、軸側接続溝62と筒側接続溝63とが接続されて送出口18が噴出孔32に連通される開状態とされる構成とし、ノズル31が開状態とされる回動範囲内における係止突起34の突起部53との摺接面34aの一部に凹部35を設け、突起部53が凹部35に配置されると、ノズル31が開状態のままで凹部35の段差分だけ隔壁31aが接続軸部52の先端から離れる方向に移動可能とされるようにする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を収容する容器の口部に装着される噴出器本体と、トリガーの操作により作動して前記容器内の液体を前記噴出器本体に設けられた送出流路を通して送出口に圧送するポンプと、前記噴出器本体に装着されて該送出口に圧送された液体を外部に噴出するノズルと、を備えたトリガー式液体噴出器であって、
前記ノズルは、前記噴出器本体に設けられた円筒状の装着部の開口端を覆う隔壁と、該隔壁から前記装着部の内側に向けて突出する接続円筒部と、前記隔壁に前記接続円筒部の内側に連通して設けられる噴出孔とを有し、前記噴出器本体の前記装着部の内側部分に該装着部と同軸に設けられた接続軸部の外側に前記接続円筒部が嵌合することにより、前記噴出器本体に回動自在に装着されるとともに、前記隔壁の外周に連なる外周壁の内周面に径方向内側に向けて突出する係止突起が設けられ、前記装着部の外周面から径方向外側に向けて突出する突起部に前記係止突起がアンダーカット係合することにより、前記噴出器本体に対して抜け止めされており、
前記接続軸部の外周面に該接続軸部の先端に開放されて前記噴出孔に連なる軸側接続溝が設けられるとともに、前記接続円筒部の内周面に該接続円筒部の先端に開放されて前記装着部の内側に連なる筒側接続溝が設けられ、
前記ノズルは、前記噴出器本体に対する回動位置が所定の回動範囲内にあるときに、前記軸側接続溝と前記筒側接続溝とが接続されて前記送出口が前記噴出孔に連通される開状態とされ、
前記ノズルが開状態とされる回動範囲内における前記係止突起の前記突起部との摺接面または前記突起部の前記係止突起との摺接面の何れか一方の一部に凹部が設けられ、前記係止突起または前記突起部が前記凹部に配置されると、前記ノズルが開状態のままで前記凹部の段差分だけ前記隔壁が前記接続軸部の先端から離れる方向に移動可能とされることを特徴とするトリガー式液体噴出器。
【請求項2】
前記ノズルは、前記噴出器本体に対して90度の角度範囲で回動可能とされ、該角度範囲の一端側の所定の回動範囲において開状態とされるとともに、他端側の所定の回動範囲において閉状態とされ、前記凹部が前記角度範囲の中央位置に設けられている、請求項1に記載のトリガー式液体噴出器。
【請求項3】
円弧状に形成された前記係止突起の摺接面の周方向中央位置に前記凹部が設けられ、板状に形成された前記突起部が前記係止突起の摺接面に摺接している、請求項2に記載のトリガー式液体噴出器。
【請求項4】
前記ノズルは、前記噴出器本体に対する回動位置が開状態となる範囲外にある閉位置となったとときに、前記軸側接続溝が前記筒側接続溝から遮断された閉状態とされる、請求項1〜3の何れか1項に記載のトリガー式液体噴出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を収容する容器の口部に取り付けられて容器内の液体をノズルから噴出させるトリガー式液体噴出器に関する。
【背景技術】
【0002】
カビ取り剤、洗剤、衣料用糊剤、住居用ワックス、整髪剤、芳香剤、忌避剤、農薬、薬品等の液体を収容する容器の口部に取り付けられる噴出器としては、トリガーの操作によりポンプを作動させてこれらの液体をノズルから噴出させるトリガー式液体噴出器が知られている。
【0003】
このようなトリガー式液体噴出器は、装着キャップ等により容器の口部に装着される噴出器本体を備え、この噴出器本体にポンプが装着されるとともに当該ポンプに圧送される液体の送出流路が設けられ、この送出流路の出口端である送出口にはノズルが装着されている。ノズルは三角や四角等の断面形状を有する筒状の外筒体の内側に噴出孔を備えた隔壁を有する構成となっており、ポンプにより送出流路を経て送出口にまで圧送されてきた液体を噴出孔から外部に向けて噴出するようになっている(例えば特許文献1)。
【0004】
また、このようなトリガー式液体噴出器としては、ノズルを噴出器本体に対して回動自在に装着し、ノズルを回動させることにより、液体の噴出パターンを霧状と直噴状とに切り替えることができるとともに、不使用時には噴出孔と送出口との連通が解除されてトリガーが操作されても液体が噴出されない閉状態とすることができる、噴出パターン切替え機構を有するものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−290731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のトリガー式液体噴出器では、噴出器本体に設けられた軸部の外周面に霧状の噴出パターン用の軸側接続溝と直噴状の噴出パターン用の軸側接続溝とを設けるとともに、この軸部に嵌合するノズル側の筒部の内周面に筒側接続溝を設け、ノズルの回動により軸側接続溝と筒側接続溝との接続状態を切り替えて液体の噴出パターンを切り替えるとともに、筒側接続溝を霧状の軸側接続溝および直噴状の軸側接続溝の何れにも接続されない位置として閉状態に切り替えることができるようにしている。
【0007】
しかしながら、このような構成では、軸部の外周面に、霧状の噴出パターン用の接続溝、直噴状の噴出パターン用の接続溝および接続溝が設けられない部分を周方向に並べて設ける必要があるので、そのレイアウト上の問題や成形用の金型が複雑になる等の問題から、これらを軸部の外周面に周方向に120度間隔で設けるようにしていた。そのため、各噴出パターンや閉状態を選択するためには、ノズルを360度の範囲で回動させる必要があり、噴出パターンの切替え操作が煩雑になることがあった。
【0008】
本発明は、このような点を解決することを課題とするものであり、その目的は、噴出パターンの切替えに必要なノズルの回動範囲を小さくして噴出パターンの切り替え操作を容易にすることができるトリガー式液体噴出器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のトリガー式液体噴出器は、液体を収容する容器の口部に装着される噴出器本体と、トリガーの操作により作動して前記容器内の液体を前記噴出器本体に設けられた送出流路を通して送出口に圧送するポンプと、前記噴出器本体に装着されて該送出口に圧送された液体を外部に噴出するノズルと、を備えたトリガー式液体噴出器であって、前記ノズルは、前記噴出器本体に設けられた円筒状の装着部の開口端を覆う隔壁と、該隔壁から前記装着部の内側に向けて突出する接続円筒部と、前記隔壁に前記接続円筒部の内側に連通して設けられる噴出孔とを有し、前記噴出器本体の前記装着部の内側部分に該装着部と同軸に設けられた接続軸部の外側に前記接続円筒部が嵌合することにより、前記噴出器本体に回動自在に装着されるとともに、前記隔壁の外周に連なる外周壁の内周面に径方向内側に向けて突出する係止突起が設けられ、前記装着部の外周面から径方向外側に向けて突出する突起部に前記係止突起がアンダーカット係合することにより、前記噴出器本体に対して抜け止めされており、前記接続軸部の外周面に該接続軸部の先端に開放されて前記噴出孔に連なる軸側接続溝が設けられるとともに、前記接続円筒部の内周面に該接続円筒部の先端に開放されて前記装着部の内側に連なる筒側接続溝が設けられ、前記ノズルは、前記噴出器本体に対する回動位置が所定の回動範囲内にあるときに、前記軸側接続溝と前記筒側接続溝とが接続されて前記送出口が前記噴出孔に連通される開状態とされ、前記ノズルが開状態とされる回動範囲内における前記係止突起の前記突起部との摺接面または前記突起部の前記係止突起との摺接面の何れか一方の一部に凹部が設けられ、前記係止突起または前記突起部が前記凹部に配置されると、前記ノズルが開状態のままで前記凹部の段差分だけ前記隔壁が前記接続軸部の先端から離れる方向に移動可能とされることを特徴とする。
【0010】
本発明のトリガー式液体噴出器では、前記ノズルは、前記噴出器本体に対して90度の角度範囲で回動可能とされ、該角度範囲の一端側の所定の回動範囲において開状態とされるとともに、他端側の所定の回動範囲において閉状態とされ、前記凹部が前記角度範囲の中央位置に設けられているのが好ましい。
【0011】
本発明のトリガー式液体噴出器では、円弧状に形成された前記係止突起の摺接面の周方向中央位置に前記凹部が設けられ、板状に形成された前記突起部が前記係止突起の摺接面に摺接しているのが好ましい。
【0012】
本発明のトリガー式液体噴出器では、前記ノズルは、前記噴出器本体に対する回動位置が開状態となる範囲外にある閉位置となったとときに、前記軸側接続溝が前記筒側接続溝から遮断された閉状態とされるのが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、係止突起または突起部が凹部に配置された状態でトリガーが操作されると、液体の圧力により凹部の段差分だけノズルが前進移動して隔壁と接続軸部の先端との間の空間が拡大されて当該空間内の圧力が低下するので、噴出孔から噴出される液体の噴出パターンは、係止突起または突起部が凹部に配置されない場合に対して変更されることになる。したがって、ノズルを開状態となる狭い回動範囲内において回動させることで噴出パターンを切り替え可能な構成とすることができるので、噴出パターンの切替えに必要なノズルの回動範囲を小さくして噴出パターンの切り替え操作を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施の形態であるトリガー式液体噴出器の断面図である。
図2図1に示すトリガー式液体噴出器のノズルが装着される部位を拡大して示す拡大断面図である。
図3】閉位置とされた状態のノズルを背面側から見た断面図である。
図4図2に示すノズルの正面図である。
図5】(a)は図4におけるA−A線に沿う断面図であり、(b)は同図(a)におけるB−B線に沿う半断面図である。
図6】(a)は霧状の噴出パターン位置とされた状態のノズルを背面側から見た断面図であり、(b)は直噴状の噴出パターン位置とされた状態のノズルを背面側から見た断面図である。
図7】直噴状の噴出パターン位置においてノズルが前進した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に例示説明する。
【0016】
図1に示す本発明の一実施の形態であるトリガー式液体噴出器1は、例えば、カビ取り剤、洗剤、衣料用糊剤、住居用ワックス、整髪剤、芳香剤、忌避剤、農薬、薬品等の液体を収容する容器2の口部2aに取り付けて使用されるものである。このトリガー式液体噴出器1は、容器2の口部2aに装着される樹脂製の噴出器本体11と、この噴出器本体11に装着されたポンプ21およびノズル31を備えている。
【0017】
噴出器本体11は容器2の口部2aに対応した円筒状の装着筒部12を備え、この装着筒部12を容器2の口部2aに嵌合させた状態で装着キャップ13が容器2の口部2aにねじ結合されることによりに、容器2の口部2aに装着されている。なお、符号14は、容器2の口部2aと装着筒部12との間を密封するシール部材である。
【0018】
噴出器本体11は、装着筒部12からその中心軸に沿う方向に向けて延びる起立部15と、この起立部15に対して直交する方向に延びる延出部16とを備えた外形略L字形に形成されている。起立部15の内部には装着筒部12に連通する吸入流路P1が設けられ、この吸入流路P1の下端には容器2の内部に挿入される吸引用のチューブ17が接続されている。一方、延出部16には吸入流路P1に対して直交する方向に延びる送出流路P2が設けられ、この送出流路P2の先端はノズル31に連なる送出口18となっている。
【0019】
ポンプ21は、噴出器本体11に取り付けられたシリンダ22と、このシリンダ22の内部に移動自在に組み付けられたピストン23とを備え、シリンダ22の内部は流出入孔24を介して吸入流路P1および送出流路P2に連通している。
【0020】
吸入流路P1の流出入孔24よりも下方側には第1逆止弁25が設けられ、この第1逆止弁25により、容器2の内部から流出入孔24へ向けた液体の流れが許容される一方、ポンプ21の作動により流出入孔24から吐出された液体の吸入流路P1を通した容器2の側への流れが阻止される。また、流出入孔24よりも上方側となる送出流路P2の内部には第2逆止弁26が設けられ、この第2逆止弁26により、ポンプ21の作動により流出入孔24から吐出された液体の送出流路P2を通した送出口18への流れが許容される一方、送出口18の側から流出入孔24へ向けた液体の流れが阻止される。
【0021】
噴出器本体11には枢軸19により回動自在にトリガー(操作レバー)Tが装着され、このトリガーTに設けられたピン部材20が、ピストン23の先端に設けられた凹部23aに係合することにより、トリガーTがピン部材20によりピストン23の先端に回動自在に連結されている。また、トリガーTには一端が噴出器本体11に固定保持された湾曲形状の板ばねSの先端が係止され、この板ばねSにより、トリガーTはポンプ21から離れる方向(図中においては枢軸を中心とした時計回り方向)に付勢されている。なお、噴出器本体11とポンプ21はカバーCにより覆われ、トリガーTはカバーCの下方から突出している。
【0022】
トリガーTを手動でポンプ21の側に向けて引き操作すると、第1逆止弁25が閉じ、ピストン23によりシリンダ22の内部の液圧が高められて、シリンダ22の内部の液体が流出入孔24から第2逆止弁26を通って送出流路P2に送出される。一方、トリガーTの操作が解除されると、板ばねSの弾性力によりトリガーTは初期位置に復帰し、その復帰動作に伴って第2逆止弁26が閉じ、第1逆止弁25が開いて、容器2内の液体がチューブ17と吸入流路P1とを介して流出入孔24からからシリンダ22の内部に吸引される。このように、トリガーTの引き操作と解除動作とを繰り返すことによりポンプ21を作動させ、容器2内の液体を送出流路P2を通してその送出口18にまで圧送することができる。
【0023】
吸入流路P1とチューブ17の間には、このトリガー式液体噴出器1が装着された容器2が正立姿勢および倒立姿勢の何れの姿勢とされても、容器2内の液体をポンプ21に供給することを可能とする正倒立両用機構41が設けられている。この正倒立両用機構41は逆止弁ユニット42を備え、容器2が正立姿勢のときにはボール状の弁体42aにより弁室42bの流出孔42cを閉塞して逆止弁ユニット42を閉状態とし、チューブ17を介して吸入流路P1に液体が導かれるようにする一方、容器2が倒立姿勢となったときには、弁体42aが弁室42b内を流出孔42cから離れる方向に移動して逆止弁ユニット42は開状態となり、装着筒部12の内側に溜まった液体を、逆止弁ユニット42の側壁に設けられた流入孔42dから弁室42b、流出孔42c、倒立時用流路42eを介して吸入流路P1に導くことができる。これにより、正立姿勢、倒立姿勢の何れの姿勢においても容器2内の液体をポンプ21に供給することができる。
【0024】
噴出器本体11およびポンプ21としては、上記した構成のものに限らず、トリガーTの操作により作動するポンプ21によって容器2の内部から送出口18にまで液体を圧送することができる構成のものであれば、種々の構成ないし構造のものを用いることができる。
【0025】
ノズル31は噴出器本体11の延出部16の先端に装着され、ポンプ21により容器2から送出口18にまで圧送されてきた液体はこのノズル31から外部に噴出される。
【0026】
図2に示すように、噴出器本体11の延出部16の先端には、ノズル31を装着するために装着部51が一体に設けられている。この装着部51は円筒状に形成されて延出部16の先端から突出しており、その内側の下方側に送出流路P2の出口端である送出口18が開口している。つまり、装着部51はその内側において送出流路P2の送出口18に連通している。また、延出部16の先端には装着部51の内側部分に該装着部51と中心軸を一致させて円柱状の接続軸部52が一体に設けられている。
【0027】
ノズル31は、装着部51の開口端を覆う円板状の隔壁31aと、この隔壁31aの外周に連なる円筒状に形成されて装着部51の外周を覆う外周壁31bとを備えている。また、図3からも解るように、ノズル31の外郭は、4つの外壁を備えるとともに、その中心軸に沿う方向つまり正面側から見て略正方形状の筒状となる外筒体31cにより構成され、隔壁31aや外周壁31bはこの外筒体31cの内側に一体に形成されている。
【0028】
ノズル31の隔壁31aには、この隔壁31aを外周壁31bの中心軸に沿って貫通する噴出孔32が設けられている。噴出孔32は送出口18よりも十分に断面積が小さい小孔とされている。隔壁31aの装着部51の側を向く内側面には噴出孔32と同軸に円筒状の閉塞筒部31dが一体に設けられ、この閉塞筒部31dが装着部51の内側に嵌合することで、装着部51の開口端が隔壁31aにより閉塞されている。また、隔壁31aの内側面には閉塞筒部31dとその中心軸を一致させかつその内側に位置するように接続円筒部31eが一体に設けられ、接続円筒部31eは接続軸部52の外側に嵌合している。閉塞筒部31dは装着部51に対して相対回転自在となり、接続円筒部31eは接続軸部52に対して相対回転自在となっており、これにより、ノズル31はその隔壁31aの中心軸を中心として噴出器本体11に対して回動可能となっている。
【0029】
図2図4に示すように、ノズル31の隔壁31aには、その外周壁31bとの連接部分に沿って延びる一対の貫通孔33が設けられている。これらの貫通孔33は、外周壁31bの中心軸を中心として、ノズル31を90度の範囲で回動させることができる範囲で延びるとともに外周壁31bの中心軸を中心として点対称に配置される一対の円弧状の孔として形成されている。
【0030】
また、ノズル31の外周壁31bの内周面には、その径方向内側に向けて突出する一対の係止突起34が設けられている。図3図4に示すように、これらの係止突起34は、それぞれ外周壁31bの中心軸に沿う方向から見て、対応する貫通孔33と重複した範囲内に位置するように、貫通孔33と同一の範囲で外周壁31bの内周面に沿って周方向に延びる円弧状に形成されている。
【0031】
一方、図3に示すように、装着部51の外周面には、これらの係止突起34に対応した一対の突起部53が一体に設けられている。これらの突起部53は装着部51の外周面から径方向外側に突出する板状に形成され、その周方向幅は係止突起34の約1/4程度とされている。
【0032】
ノズル31が噴出器本体11に装着された状態において、係止突起34は装着部51の突起部53にアンダーカット係合しており、これにより、ノズル31は突起部53によりその中心軸に沿う方向に係止されて噴出器本体11に対して抜け止めされている。一対の係止突起34はノズル31を90度の範囲で回動させることができる範囲で互いに点対称に設けられているので、ノズル31を噴出器本体11に対して90度の角度範囲で回動させることができる。
【0033】
図5に示すように、円弧状に形成された一対の係止突起34の、突起部53が摺接する面は摺接面34aとなっており、これらの摺接面34aの周方向中央位置にはそれぞれ凹部35が設けられている。これらの凹部35は摺接面34aに対して隔壁31aから離れる方向に向けて凹む段差状に形成されており、その周方向の幅Wは突起部53の幅よりも広くされて突起部53の全体をその内部に配置させることができるようになっている。
【0034】
なお、符号54は装着部51の外周面に設けられたリブであり、このリブ54が外周壁31bの内周面に設けられたリブ36を乗り越えることで、ノズル31が回動範囲のストローク端に達したときにクリック感が生じるようになっている。
【0035】
ノズル31を噴出器本体11に対して90度の角度範囲で回動させることにより、その噴出パターンを閉状態、霧状、直噴状に切り替えることができる。ノズル31の噴出パターンを切り替えることを可能とするために、接続軸部52と接続円筒部31eの間に切替え機構が設けられている。この切替え機構は、以下の構成を有する。
【0036】
接続軸部52の先端面には円形に凹む円形収容室61が設けられ、この円形収容室61は接続円筒部31eの内側に向けて開口する噴出孔32に連通している。また、接続軸部52の先端側の所定範囲における外周面には、この接続軸部52の先端に開放されて円形収容室61つまり噴出孔32に連通するとともに接続軸部52の中心軸に沿う方向に延びる一対の軸側接続溝62が接続軸部52の中心軸を中心として対称に設けられている。それぞれの軸側接続溝62は、円形収容室61に対して、その接線方向に沿う方向から接続されている。
【0037】
一方、接続円筒部31eの内周面には、その先端に開放されて装着部51の内側に連なるとともに接続軸部52の軸側接続溝62と重複する位置にまで接続円筒部31eの中心軸に沿う方向に延びる一対の筒側接続溝63が接続円筒部31eの中心軸を中心として対称に設けられている。
【0038】
図3に示すように、ノズル31の噴出器本体11に対する回動位置が閉位置(0度の位置)となると、軸側接続溝62と筒側接続溝63とが回転方向にずれて非連通状態つまり遮断状態となり、ノズル31は噴出孔32が送出口18に対して遮断されて液体を噴出ができない閉状態とされる。
【0039】
一方、ノズル31を閉位置から図3中反時計回り方向に回動させると、軸側接続溝62と筒側接続溝63とが接続されて連通状態となり、ノズル31は噴出孔32が送出口18に対して連通されて液体を噴出可能な開状態とされる。本実施の形態では、図6(a)に示すようにノズル31を閉位置から90度回動させた場合および図6(b)に示すようにノズル31を閉位置から45度回動させた場合の何れの場合においても、軸側接続溝62と筒側接続溝63とが接続されてノズル31は開状態(開位置)となり、トリガーTの操作によりノズル31から液体を噴出させることができる。
【0040】
図6(a)に示すように、ノズル31が閉位置から90度回動された開位置にあるときには、突起部53が係止突起34の摺接面34aに当接することにより、図2に示すように、接続軸部52の先端は隔壁31aの内面に当接している。この状態でトリガーTが操作されると、ポンプ21から送出口18にまで圧送されてきた液体が、装着部51の内部から軸側接続溝62と筒側接続溝63とを通って円形収容室61に供給される。このとき、それぞれの軸側接続溝62は、円形収容室61に対して、その接線方向に沿う方向から接続されているので、これらの軸側接続溝62から円形収容室61に供給される液体は、円形収容室61の軸心を中心とした回転渦(スピン)を発生する。そして、回転渦を生じた状態の液体が噴出孔32から外部に噴出されることで、当該噴出された液体は回転渦の遠心力により噴出孔32から霧状に噴出されることになる。つまり、図6(a)に示すように、ノズル31が閉位置から90度回動された開位置にあるときには、ノズル31は液体を霧状に噴射させる霧状の噴出パターン位置とされる。
【0041】
これに対して、図6(b)に示すように、ノズル31が閉位置から45度回動された開位置にあるときには、図7に示すように、突起部53が係止突起34の周方向中央位置設けられた凹部35に配置され、ノズル31は、開状態のままで凹部35の摺接面34aに対する段差分だけ隔壁31aが接続軸部52の先端から離れる方向に移動可能とされる。この状態でトリガーTが操作され、ポンプ21から送出口18にまで圧送されてきた液体が、装着部51の内部から軸側接続溝62と筒側接続溝63とを通って円形収容室61に供給されると、その液圧によりノズル31は噴出器本体11に対して、凹部35の摺接面34aに対する段差分だけ隔壁31aが接続軸部52の先端から離れる方向に距離Dだけ前進する。ノズル31が前進移動すると、隔壁31aと接続軸部52の先端との間に空間が生じるので、この空間により円形収容室61に供給される液体の圧力が低下し、当該形収容室61内における液体の回転渦(スピン)が弱められる。このように、ノズル31が前進して噴出孔32から噴出される液体の回転渦が弱められることにより、噴出孔32から外部に噴出される液体は、霧状ではなく、直噴状に噴出されることになる。つまり、図6(b)に示すように、ノズル31が閉位置から45度回動された開位置にあるときには、ノズル31は液体を直噴状に噴射させる直噴状の噴出パターン位置とされる。
【0042】
このように、係止突起34の突起部53との摺接面34aに凹部35を設け、ノズル31が開状態となる回動範囲おいて係止突起34の凹部35に突起部53が配置される位置となったときに、当該ノズル31が凹部35の段差分だけ前進できる構成としたことにより、ノズル31が開状態となる回動範囲内(本実施の形態では45度の範囲内)においてノズル31の噴出パターンを霧状と直噴状とに切替え可能にすることができる。よって、ノズル31を閉状態、霧状、直噴状の3つの噴出パターンに切り替えるのに必要な回動範囲を90度と小さくすることができ、これにより、ノズル31の噴出パターンの切り替え操作を容易にすることができる。
【0043】
また、接続軸部52や接続円筒部31eに複数の噴出パターンに対応する複数種類の接続溝を形成することなく、係止突起34の摺接面34aに凹部35を設けるだけの簡単な構成でノズル31の噴出パターンを切替え可能な構成とすることができるので、ノズル31や噴出器本体11を成形するための金型構造を簡素化して、このトリガー式液体噴出器1の製造コストを低減することができる。
【0044】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0045】
例えば、前記実施の形態においては、係止突起34の摺接面34aに凹部35を設けるようにしているが、突起部53を円弧状に形成し、この突起部53に板状の係止突起34を摺接させるように構成した場合には、突起部53の摺接面に凹部35を設ける構成とすることもできる。
【0046】
また、前記実施の形態では、ノズル31を噴出器本体11に対して90度の角度範囲で回動可能とし、ノズル31が閉位置に対して45度回動されたときに、係止突起34の凹部35に突起部53が配置されるようにしているが、これに限らず、例えばズル31が閉位置に対して90度回動されたときに係止突起34の凹部35に突起部53が配置されるようにするなど、ノズル31の噴出器本体11に対して回動可能な角度範囲や、係止突起34の凹部35に突起部53が配置される際のノズル31の回動位置は任意に設定することができる。
【符号の説明】
【0047】
1 トリガー式液体噴出器
2 容器
2a 口部
11 噴出器本体
12 装着筒部
13 装着キャップ
14 シール部材
15 起立部
16 延出部
17 チューブ
18 送出口
19 枢軸
20 ピン部材
21 ポンプ
22 シリンダ
23 ピストン
23a 凹部
24 流出入孔
25 第1逆止弁
26 第2逆止弁
31 ノズル
31a 隔壁
31b 外周壁
31c 外筒体
31d 閉塞筒部
31e 接続円筒部
32 噴出孔
33 貫通孔
34 係止突起
34a 摺接面
35 凹部
36 リブ
41 正倒立両用機構
42 逆止弁ユニット
42a 弁体
42b 弁室
42c 流出孔
42d 流入孔
42e 倒立時用流路
51 装着部
52 接続軸部
53 突起部
54 リブ
61 円形収容室
62 軸側接続溝
63 筒側接続溝
P1 吸入流路
P2 送出流路
T トリガー
S 板ばね
C カバー
W 幅
D 距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7