特開2015-164707(P2015-164707A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-164707(P2015-164707A)
(43)【公開日】2015年9月17日
(54)【発明の名称】トリガー式液体噴出器
(51)【国際特許分類】
   B05B 11/00 20060101AFI20150821BHJP
【FI】
   B05B11/00 102Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-39946(P2014-39946)
(22)【出願日】2014年2月28日
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(72)【発明者】
【氏名】藤原 宏太郎
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 茂雄
(57)【要約】
【課題】長期間、繰返し使用した際のバネ部材の塑性変形に起因する吐出量の減少を抑制することが可能なトリガー式液体噴出器を提供する。
【解決手段】本体部3に揺動可能に保持される操作レバー6と、該操作レバー6に復元力を付与するバネ部材7とを備え、該操作レバー6を繰り返し牽曳することにより該本体部3に設けたポンプを駆動させ容器C内の内容液を吸引、加圧、圧送してノズル5から噴出させるトリガー式液体噴出器1であって、バネ部材7は、本体部3に対して揺動可能に保持され、該操作レバー6を牽曳した際に、弾性変形するとともに本体部3に対して揺動することを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部に揺動可能に保持される操作レバーと、該操作レバーに復元力を付与するバネ部材とを備え、該操作レバーを繰り返し牽曳することにより該本体部に設けたポンプを駆動させ容器内の内容液を吸引、加圧、圧送してノズルから噴出させるトリガー式液体噴出器であって、
前記本体部は、軸受部または軸部を有し、
前記バネ部材は、該本体部の軸受部または軸部に揺動可能に保持される軸部または軸受部を有する一端部と、前記操作レバーに当接する他端部との間を湾曲部でつないでなるアームを備え、
前記操作レバーを牽曳した際に、該湾曲部が弾性変形するとともに該軸部を中心として揺動することを特徴とするトリガー式液体噴出器。
【請求項2】
前記バネ部材は、前記本体部の軸受部に揺動可能に保持される軸部と、該軸部の両端から延びる一対の前記アームとが一体に形成されてなる、請求項1に記載のトリガー式液体噴出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリガー式液体噴出器に関するものであり、特に、噴出器のポンプを駆動させるための操作レバーに対して復元力を付与するバネ部材に関する。
【背景技術】
【0002】
黴取り剤や洗剤、衣料用糊剤、住居用ワックス、整髪剤、芳香剤、忌避剤、農薬、薬品等の内容液を入れた容器においては、容器の口部に装着され、操作レバーを牽曳することによって本体部に設けたポンプを駆動して容器内の液体を直線状、霧状あるいは泡状にして噴射させるトリガー式液体噴出器が多用されており(例えば特許文献1参照)、これにより内容液の効率的な供給を可能にしている。
【0003】
かかる噴出器は、図4に示すように、操作レバー100(特許文献1ではトリガー)と、牽曳した操作レバー100を元の位置に戻すために復元力を付与するバネ部材200(特許文献1では復帰バネ)とを備えている。操作レバー100は、バネ部材200によって揺動自在に支持される枢支軸101と、ポケット102とを備えており、バネ部材200は、本体部(特許文献1では噴出器本体)に固定される基部203と一体に形成された一対のバネ片204を備えていて、バネ片204は、2条の湾曲細片205、206と、ポケット102に収容されて操作レバー100に弾性力を付与する下端部207とで構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−290731号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなバネ部材は、本体部に基部が固定された状態でバネ片が弾性変形をするためバネ片にかかる負荷が大きく、長期間、繰返し使用することによって次第に弾性が損なわれて塑性変形し、操作レバーが元の位置に戻らなくなる虞があった。このような場合には、操作レバーの可動範囲が縮小して、吐出量が減少してしまう可能性がある。
【0006】
本発明の目的は、長期間、繰返し使用した際のバネ部材の塑性変形に起因する吐出量の減少を抑制することが可能なトリガー式液体噴出器を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係るトリガー式液体噴出器は、本体部に揺動可能に保持される操作レバーと、該操作レバーに復元力を付与するバネ部材とを備え、該操作レバーを繰り返し牽曳することにより該本体部に設けたポンプを駆動させ容器内の内容液を吸引、加圧、圧送してノズルから噴出させるトリガー式液体噴出器であって、
前記本体部は、軸受部または軸部を有し、
前記バネ部材は、該本体部の軸受部または軸部に揺動可能に保持される軸部または軸受部を有する一端部と、前記操作レバーに当接する他端部との間を湾曲部でつないでなるアームを備え、
前記操作レバーを牽曳した際に、該湾曲部が弾性変形するとともに該軸部を中心として揺動することを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るトリガー式液体噴出器にあっては、前記バネ部材は、前記本体部の軸受部に揺動可能に保持される軸部と、該軸部の両端から延びる一対の前記アームとが一体に形成されてなることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、長期間、繰返し使用した際のバネ部材の塑性変形に起因する吐出量の減少を抑制することが可能なトリガー式液体噴出器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に従うトリガー式液体噴出器の一実施形態を示す、側面視での断面図である。
図2図1に示すトリガー式液体噴出器のバネ部材を、(a)は側面図、(b)は背面図、(c)は平面図で示したものである。
図3図1に示すトリガー式液体噴出器の操作レバーを牽曳した牽曳状態を示す図である。
図4】従来のトリガー式液体噴出器に関し、要部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に説明する。なお、本願明細書、特許請求の範囲、要約書、及び図面では、後述するカバーの頂壁が位置する側を上方(図1における上側)とし、装着キャップが設けられる側を下方(図1における下側)とする。また、ノズルが設けられる側を前方(図1における左側)とし、その反対側を後方(図1における右側)とする。また、上下方向及び前後方向に対して直交する方向(図1における紙面に垂直な方向)を側方とする。
【0012】
図1における符号1は、トリガー式液体噴出器の一実施形態を示す。トリガー式液体噴出器1は、容器Cの口部に取り付けられる装着キャップ2と、装着キャップ2を回転自在且つ抜け出し不能に保持するとともに、容器C内の内容液を吸引、加圧、圧送するポンプを備える本体部3と、本体部3に連結するとともに容器Cの底部に向けて延び、ポンプの駆動にて容器C内の内容液を吸い上げるパイプ4と、本体部3の前方に設けられ、内容液を外界に向けて噴出させるノズル5と、本体部3に揺動可能に保持され、牽曳を繰り返すことでポンプを駆動させる操作レバー6と、操作レバー6に復元力を付与するバネ部材7と、本体部3の上方及び側方を覆うカバー8とを備えている。
【0013】
装着キャップ2は、円筒状となる側壁2aの内面に、容器Cの口部に設けたねじ部に適合するねじ部2bを有している。また、側壁2aの上方には、中央部に上部開口2cを有する天壁2dが設けられている。
【0014】
本実施形態において本体部3は、複数の部材から構成されていて、装着キャップ2は、その一つをなすボディ10に取り付けられる。ボディ10は、上部開口2cに挿通される円筒状の連結筒部10aを有し、連結筒部10aの外周面には、径方向外側に延在するフランジ10bが設けられている。フランジ10bの下方には、容器Cの口部上端とフランジ10bとで挟持されるパッキンが設けられている。また連結筒部10aの上方には、連結筒部10aよりも小径となる縦筒10cが設けられていて、縦筒10cの上方には、前方に向けて延在し、縦筒10cに連通する横筒10dが設けられ、横筒10dの前端部にノズル5が設けられている。
【0015】
横筒10dには、側面視にてU字状をなす上方開放の溝部10eが設けられている。そして、横筒10dの下方には、縦筒10cから前方に向けて突出する円筒状の嵌合壁10fが設けられている。
【0016】
また、縦筒10cの内側には、インテイク11の筒部11aが配置されている。さらに、インテイク11の筒部11aの内側には、ポンプによって吸引された内容液の逆流を防止する第1逆止弁11b及び第2逆止弁11cが設けられている。第1逆止弁11bは、ポンプ機能により内容液を吸引する際には開状態となり、吸引した内容液を加圧、圧送するときは閉状態となる。一方、第2逆止弁11cは、ポンプ機能により容器Cの内容液を吸引する際には閉状態となり、吸引した内容液をノズル5に向けて加圧、圧送するときは開状態となる。
【0017】
ここで、本実施形態においてパイプ4とインテイク11の間には、容器Cが正立姿勢および倒立姿勢のいずれにおいてもこの容器C内の内容液を本体部3に供給可能とする正倒立両用機構Xが設けられている。この正倒立両用機構Xは、容器Cの口部内側に配置される弁付き筒部材14と、弁付き筒部材14の下方に配置されるパイプ取付け部材15とを備えている。
【0018】
弁付き筒部材14は、インテイク11の筒部11aの内側に配置される内筒16aを有する吸込み部材16と、内筒16a下部の外側に配置される外筒17aを有する弁部材17とで構成され、吸込み部材16と弁部材17の間に形成される弁室Vには弁体18が配置されている。吸込み部材16には、弁室Vと容器Cの内部とを連通させる倒立時吸込み穴16bが形成され、弁部材17には、容器Cの正立姿勢において弁体18に閉塞され、容器Cの倒立姿勢において解放される貫通穴17bが形成されている。
【0019】
パイプ4が連結されるパイプ取付け部材15は、弁部材17を挟むように吸込み部材16に対して下方から嵌合し、弁部材17との間に倒立時用流路19を形成する。倒立時用流路19は、内筒16aを介してインテイク11の筒部11aに連通している。
【0020】
また、ボディ10の嵌合壁10fの内側には、シリンダー部材12が設けられている。シリンダー部材12は、嵌合壁10fに嵌合保持される円筒状のシリンダー筒12aと、シリンダー筒12aの径方向内側に設けられる円筒状の区画筒12bとを同心二重配置で設けたものであり、シリンダー筒12aと区画筒12bとの後方側は、奥壁12cでつながっている。
【0021】
奥壁12cには、縦筒10cに設けた穴に入り込むとともにインテイク11の穴11dに連通する穴12dが設けられている。更に、図示は省略するが、シリンダー筒12aには、シリンダー筒12aの内外を連通させるとともに、嵌合壁10fとシリンダー筒12aとの間に形成される隙間を介して嵌合壁10fの穴10hに連通する外気導入口が側面側に設けられている。
【0022】
シリンダー部材12の内側には、シリンダー部材12の内側を封止してシリンダー室Rを形成するピストン13が配置されている。ピストン13は、シリンダー筒12aの内周面に摺動可能に当接する環状の摺動部13aを有していて、摺動部13aには、前方に向けて延在するとともに前方側の端部を閉塞した周壁部13bが設けられている。なお、摺動部13aは、操作レバー6が牽曳されていない状態において、シリンダー部材12の外気導入口を塞ぐ。
【0023】
このように本実施形態では、ボディ10、インテイク11、正倒立両用機構X、シリンダー部材12、ピストン13によって、ポンプ機能を有する本体部3を構成している。
【0024】
本実施形態において操作レバー6は、前壁6a及び前壁6aの両側方に設けられる一対の側壁6bを有している。また、操作レバー6は、ボディ10の横筒10dに設けられた一対の溝部10eに対して揺動可能に連係する一対の円柱状の枢支軸6cを有する。また操作レバー6には、ピストン13の係合凹部13c に連係する円柱状の凸部6dが設けられている。
【0025】
ここで、本実施形態におけるバネ部材7は、図2(a)〜(c)に詳細に示すように、円柱状の軸部7aと、軸部7aの両端から延びる一対のアーム7bとが一体に形成されたものである。アーム7bは、軸部7aが設けられた一端部7cと、操作レバー6に当接する他端部7dと、一端部7cおよび他端部7dをつなぐ湾曲部7eとで構成されている。ここで、本実施形態のバネ部材7は樹脂材料により形成されたものとすることができるが、これに限定されるものではない。また、バネ部材7は、軸部7aとアーム7bを別部材とし、接着等により結合させてもよいし、別部材とした軸部7aに対してアーム7bを揺動可能に連結させてもよい。
【0026】
図1に示すように、軸部7aは、ボディ10の横筒10dと嵌合壁10fの間に設けられた軸受部10gに揺動可能に保持され、一対の湾曲部7eは横筒10dを挟むように両側に配置される。他端部7dは、操作レバー6の前壁6aに後方から当接し、側壁6bの内面に設けられた支持リブ6eによって、下方から支持される。なお、支持リブ6eは、操作レバー6を牽曳することにより、アーム7bの他端部7dをその一端部7cに向けて押し付ける押圧部として機能する。
【0027】
なお、バネ部材7を本体部3に対して揺動可能に保持する構成は、本実施形態の構成に限定されず、例えばバネ部材7側に軸受部を設け、本体部3側に当該軸受部に連係する軸部を設けた構成としてもよい。
【0028】
図3は、図1に示す初期状態から操作レバー6を牽曳した牽曳状態を示す。本実施形態のトリガー式液体噴出器1は、初期状態から操作レバー6を牽曳してピストン13をシリンダー部材12に対して後退させると、シリンダー室R内の液体が加圧され、加圧された液体は穴12d、11d、第2逆止弁11cを通過し、横筒10dの内部を経てノズル5から外界に噴射される。その後、操作レバー6を解放すると、該操作レバー6はバネ部材7の復元力によって前方に揺動し、これに追従してピストン13もシリンダー部材12に対して前進してシリンダー室R内が負圧となる。これにより、容器C内の液体が正立姿勢ではパイプ4を介して、倒立姿勢では倒立時吸込み穴16b、貫通穴17b、倒立時用流路19を介して吸い上げられ、第1逆止弁11bを押し上げてシリンダー室R内に流入する。このような操作レバー6の牽曳と解放を繰返すことにより、容器C内の液体をノズル5から連続的に噴射することができる。
【0029】
上記のような構成を有する本実施形態のトリガー式液体噴出器1は、図1に示す初期状態から図3に示す牽曳状態となるまでの間に、アーム7bは弾性変形するとともに軸部7aを中心として揺動する。これにより、従来のように本体部に対してバネ部材の一部を固定した状態で弾性変形させる場合に比べて、バネ部材7の弾性変形による変形量が低減される。このため、バネ部材7への負荷が減少し、長期間の繰返し使用による塑性変形が発生し難くなるため、吐出量の減少を抑制することができる。また、バネ部材7の弾性変形による変形量が低減されるため、操作レバー6を牽曳する際の反発力も過度に大きくならず、軽い力で容易に操作レバー6を牽曳することができる。
【0030】
また、本実施形態のトリガー式液体噴出器1は、軸部7aと一対のアーム7bとを一体に形成したことにより、部品数を少なくして、製造にかかる費用および時間を低減することができる。
【0031】
以上、図示例に基づき説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更することができる。例えば、本実施形態ではバネ部材を、一対のアーム7bを有する構成としたが、単独のアームのみを有する構成とすることも可能であり、また、湾曲部7eの形状も図示のものに限定されない。また、ポンプ機能を発揮するための本体部3の内部構造は、本実施形態のものに限られず、通常使用される他の構造を用いることができる。
【符号の説明】
【0032】
1 トリガー式液体噴出器
2 装着キャップ
2a 側壁
2b ねじ部
2c 上部開口
2d 天壁
3 本体部
4 パイプ
5 ノズル
6 操作レバー
6a 前壁
6b 側壁
6c 枢支軸
6d 凸部
6e 支持リブ
7 バネ部材
7a 軸部
7b アーム
7c 一端部
7d 他端部
7e 湾曲部
8 カバー
10 ボディ
10a 連結筒部
10b フランジ
10c 縦筒
10d 横筒
10e 溝部
10f 嵌合壁
10g 軸受部
10h 穴
11 インテイク
11a 筒部
11b 第1逆止弁
11c 第2逆止弁
11d 穴
12 シリンダー部材
12a シリンダー筒
12b 区画筒
12c 奥壁
12d 穴
13 ピストン
13a 摺動部
13b 周壁部
13c 係合凹部
14 弁付き筒部材
15 パイプ取付け部材
16 吸込み部材
16a 内筒
16b 倒立時吸込み穴
17 弁部材
17a 外筒
17b 貫通穴
18 弁体
19 倒立時用流路
C 容器
R シリンダー室
V 弁室
X 正倒立両用機構
図1
図2
図3
図4