【実施例】
【0042】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【0043】
[実施例1]
<ジヒドロオキシレスベラトロール誘導体3及び4の合成>
第1のレスベラトロール誘導体である、ジヒドロオキシレスベラトロール誘導体3及び4を合成した。合成経路を下記に示す。
【0044】
【化9】
【0045】
上記の合成経路に示すように、リチウムヘキサメチルジシラシド(LiHMDS)を用いてエーテル10とWittig試薬9とをカップリングし、スチルベン11を合成した。パラジウムエチレンジアミン複合体[Pd(en)/C]を触媒とした水素添加反応により、スチルベン11をビベンジル12に還元した。p−トルエンスルホン酸一水和物(TsOH・H
2O)を用いてビベンジル12のMOM基を除去し、フェノール13を得た。
【0046】
トリメチルシリルトリフラート(TMSOTf)をルイス酸に用いて配糖体化を行い、フェノール13とイミデート15とからグリコシド14を合成した。水酸化パラジウム[Pd(OH)
2/C]を触媒とした加水素分解により、グリコシド14のベンジル基を除去してフェノール16を得た。ナトリウムメトキシドによるエステル交換反応により、フェノール16のすべてのアセチル基を脱保護し、キシロシドであるジヒドロオキシレスベラトロール誘導体3を合成した。配糖体化の際、イミデート15を過剰に用いることでグリコシド17を合成し、そのベンジル基を脱保護して、フェノール18に導いた。さらに、フェノール18の保護基を除去して、キシロシドであるジヒドロオキシレスベラトロール誘導体4を合成した。
【0047】
以下、合成経路中の化合物についてそれぞれ説明する。
【0048】
<2,4−O−ジベンジル−3’,5’−O−ジ(メトキシメチル)オキシレスベラトロール(11)>
ホスホニウム塩9(2.0g,3.3mmol)を真空乾燥し、アルゴン雰囲気下で脱水テトラヒドロフラン(10mL)に懸濁した。氷冷後、この懸濁液に1.3Mリチウムヘキサメチルジシラジド/テトラヒドロフラン溶液(2.1mL,2.7mmol)を滴下し、橙色のイリド溶液を得た。この溶液を室温で30分間撹拌した後、再び氷冷した。真空乾燥したアルデヒド10(0.38g,1.7mmol)を、アルゴン雰囲気下、脱水テトラヒドロフラン(1.0mL)に溶かし、得られた溶液を氷冷下でイリド溶液に加え、室温で3時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液(30mLで2回)、5%亜硫酸水素ナトリウム溶液(100mLで3回)及び飽和食塩水(30mLで1回)で洗浄した。この有機層に無水硫酸ナトリウムを加え、ろ過後、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(10%〜35%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、油状のスチルベン11である下記の2,4−O−ジベンジル−3’,5’−O−ジ(メトキシメチル)オキシレスベラトロールを0.39g得た(収率45%)。
【0049】
【化10】
【0050】
cis−11:
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.34(m,10H,Bn),7.15(d,J=8.5,1H,H−6),6.67(d,J=12.2,1H,H−7’),6.61(d,J=2.2,2H,H−2’,H−6’),6.57(d,J=2.4,1H,H−3),6.52(t,J=2.2,1H,H−4’),6.44(d,J=12.2,1H,H−7),6.37(dd,J=2.4,8.5,1H,H−5),5.03(s,4H,MOM),5.00(s,4H,Bn),3.38(s,6H,MOM).
【0051】
trans−11:
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.58(d,J=16.0,1H,H−7’),7.34(m,10H,Bn),7.15(d,J=8.5,1H,H−6),6.97(d,J=16.0,1H,H−7),6.61(d,J=2.2,2H,H−2’,H−6’),6.57(d,J=2.4,1H,H−3),6.52(t,J=2.2,1H,H−4’),6.37(dd,J=2.4,8.5,1H,H−5),5.03(s,4H,MOM),5.00(s,4H,Bn),3.38(s,6H,MOM).
【0052】
13C−NMR(100MHz,CDCl
3)δ159.4(C−4),157.9(2C,C−3’,C−5’),157.4(C−2),139.8(C−1’),137.0(Bn),136.9(Bn),130.7(C−6),128.64(C−7’),128.59(2C,Bn),128.49(2C,Bn),128.0(Bn),127.8(Bn),127.5(2C,Bn),127.2(2C,Bn),126.0(C−7),119.4(C−1),110.3(C−2’,C−6’),105.8(C−5),103.8(C−4’),100.6(C−3),94.5(2C,MOM),70.2(Bn),70.1(Bn),55.9(2C,MOM)
【0053】
<2,4−O−ジベンジル−3’,5’−O−ジ(メトキシメチル)ジヒドロオキシレスベラトロール(12)>
スチルベン11(0.15g,0.29mmol)のトルエン(6.0mL)溶液に、5%パラジウム/活性炭−エチレンジアミン複合体(30mg)を加え、水素雰囲気下、室温で2時間撹拌した。セライトを用いてパラジウム触媒をろ過し、ろ液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(15%〜20%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、白色固体のビベンジル12である下記の2,4−O−ジベンジル−3’,5’−O−ジ(メトキシメチル)ジヒドロオキシレスベラトロールを0.13g得た(収率86%)。
【0054】
【化11】
【0055】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.41(m,10H,Bn),7.00(d,J=8.2,1H,H−6),6.59(d,J=2.4,1H,H−3),6.54(t,J=2.4,1H,H−4’),6.49(d,J=2.4,2H,H−2’,H−6’),6.48(dd,J=2.4,8.2,1H,H−5),5.08(s,4H,MOM),5.03(s,2H,Bn),5.00(s,2H,Bn),3.44(s,6H,MOM),2.83(m,4H,H−7,H−7’).
【0056】
13C−NMR(100MHz,CDCl
3)δ158.4(C−4),158.1(2C,C−3’,C−5’),157.4(C−2),145.1(C−1’),137.2(Bn),137.1(Bn),130.2(C−6),128.6(2C,Bn),128.5(2C,Bn),128.0(Bn),127.8(Bn),127.5(2C,Bn),127.1(2C,Bn),123.1(C−1),109.9(C−2’,C−6’),105.2(C−5),102.4(C−4’),100.5(C−3),94.46(2C,MOM),70.2(Bn),69.8(Bn),56.0(2C,MOM),36.8(C−7’),32.0(C−7).
【0057】
<2,4−O−ジベンジルジヒドロオキシレスベラトロール(13)>
ビベンジル12(65mg,0.13mmol)をテトラヒドロフラン(2.0mL)とメタノール(2.0mL)との混合溶媒に溶かし、その溶液に、p−トルエンスルホン酸一水和物(29mg,0.16mmol)を加え、4時間リフラックスした。反応液に酢酸エチル(30mL)を加え、有機層を蒸留水(15mLで3回)及び飽和食塩水(15mLで3回)で洗浄した。得られた全ての水層を合わせて、さらに酢酸エチル(30mLで3回)で抽出した。全ての有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(30%〜40%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、白色固体のフェノール13である下記の2,4−O−ジベンジルジヒドロオキシレスベラトロールを46mg得た(収率85%)。
【0058】
【化12】
【0059】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.39(m,10H,Bn),6.99(d,J=8.2,1H,H−6),6.61(d,J=2.4,1H,H−3),6.49(dd,J=2.4,8.2,1H,H−5),6.12(m,3H,H−2’,H−4’,H−6’),5.01(s,4H,Bn),4.72(s,2H,OH),2.76(m,4H,H−7,H−7’).
【0060】
13C−NMR(100MHz,CDCl
3)δ158.4(C−4),157.4(C−2),156.5(2C,C−3’,C−5’),145.64(C−1’),137.3(Bn),137.0(Bn),130.1(C−6),128.6(4C,Bn),128.0(Bn),127.9(Bn),127.60(2C,Bn),127.57(2C,Bn),123.1(C−1),108.2(2C,C−2’,C−6’),105.2(C−5),100.5(C−3),100.1(C−4’),70.2(Bn),69.9(Bn),36.4(C−7’),32.0(C−7).
【0061】
<3’−O−(2”,3”,4”−トリアセチル−β−キシロピラノシル)−2,4,−O−ジベンジルオキシジヒドロオキシレスベラトロール(14)>
フェノール13(16mg,36μmol)とイミデート15(19mg,45μmol)を真空乾燥し、アルゴン雰囲気下で脱水ジクロロメタン(2.0mL)に溶かした。その溶液を−78℃に冷却した後、0.11Mトリメチルシリルトリフラート/ジクロロメタン溶液(2.7μL,0.30μmol)を加え、20分間撹拌した。反応液にトリエチルアミンを加えて中和した後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(30−45%酢酸エチル/ヘキサン)で精製して白色固体のグリコシド14である下記の3’−O−(2”,3”,4”−トリアセチル−β−キシロピラノシル)−2,4,−O−ジベンジルオキシジヒドロオキシレスベラトロールを19mg得た(収率76%)。
【0062】
【化13】
【0063】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.36(m,10H,Bn),6.98(d,J=8.3,1H,H−6),6.60(d,J=2.4,1H,H−4),6.48(dd,J=2.4,8.3,1H,H−5),6.33(d,J=2.2,1H,H−2’),6.30(t,J=2.2,1H,H−4’),6.22(d,J=2.2,1H,H−6’),5.20(t,J=8.0,1H,H−3”),5.12(dd,J=6.2,8.0,1H,H−2”),5.04(d,J=6.2,1H,H−1”),5.02(s,2H,Bn),5.01(s,2H,Bn),4.99(dt,J=4.8,8.0,1H,H−4”),4.72(s,1H,OH),4.14(dd,J=4.8,12.1,1H,H−5”),3.42(dd,J=8.0,12.1,1H,H−5”),2.77(m,4H,H−7,H−7’),2.06(m,9H,Ac).
【0064】
13C−NMR(100MHz,CDCl
3)δ170.0(Ac),169.9(Ac),169.4(Ac),158.4(C−4),157.6(C−2),157.39(C−3’),156.4(C−5’),145.5(C−1’),137.2(Bn),137.0(Bn),130.2(C−6),128.59(2C,Bn),128.58(2C,Bn),127.97(Bn),127.90(Bn),127.5(2C,Bn),127.4(2C,Bn),122.93(C−1),110.2(C−2’),109.3(C−6’),105.2(C−5),101.7(C−4’),100.5(C−3),98.4(C−1”),70.8(C−3”),70.19(Bn),70.16(Bn),69.9(C−2”),68.5(C−4”),61.8(C−5”),36.5(C−7’),32.0(C−7),20.7(3C,Ac).
【0065】
<3’−O−(2”,3”,4”−トリアセチル−β−キシロピラノシル)ジヒドロオキシレスベラトロール(16)>
グリコシド14(90mg,0.13mmol)を酢酸エチル(2.0mL)とメタノール(3.0mL)との混合溶媒に溶かした。その溶液に10%水酸化パラジウム/活性炭(18mg)を加えて水素雰囲気下、20℃で30分撹拌した。セライトを用いてパラジウムをろ過し、ろ液を減圧濃縮して得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(50%〜70%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、フェノール16である下記の3’−O−(2”,3”,4”−トリアセチル−β−キシロピラノシル)ジヒドロオキシレスベラトロールを52mg得た(収率77%)。
【0066】
【化14】
【0067】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ6.80(d,J=8.8,1H,H−6),6.35(m,1H,H−2’),6.30(m,3H,H−3,H−5,H−4’),6.29(m,1H,H−6’),5.19(t,J=8.0,1H,H−3”),5.08(dd,J=6.3,8.0,1H,H−2”),4.98(d,J=6.3,1H,H−1”),4.94(dt,J=4.8,8.0,1H,H−4”),4.12(dd,J=4.8,13.0,1H,H−5”),3.43(dd,J=8.0,13.0,1H,H−5”),2.74(m,4H,H−7,H−7’),2.02(m,9H,Ac).
【0068】
13C−NMR(100MHz,CDCl
3)δ171.3(3C,Ac),157.5(C−3’),156.7(C−5’),155.1(C−4),154.7(C−2),144.9(C−1’),131.1(C−6),118.5(C−1),110.6(C−2’),109.3(C−6’),107.5(C−5),103.0(C−3),102.1(C−4’),98.5(C−1”),70.7(C−3”),70.1(C−2”),68.5(C−4”),61.8(C−5”),36.3(C−7’),31.2(C−7),21.0(3C,Ac).
【0069】
<3’−O−(β−キシロピラノシル)ジヒドロオキシレスベラトロール(3)>
アルゴン雰囲気下、フェノール16(32mg,63μmol)をメタノール(4.0mL)に溶解した。氷冷下、その溶液に5.2Mナトリウムメトキシド/メタノール溶液(60μL,0.31mmol)を滴下し、室温で1時間撹拌した。反応液にアンバーライトIR−120Hを少しずつ加え、pH試験紙で反応液が中性になったことを確認した後、アンバーライトをろ過し、ろ液を減圧濃縮して、本発明に係るジヒドロオキシレスベラトロール3である下記の3’−O−(β−キシロピラノシル)ジヒドロオキシレスベラトロールを17mg得た(収率71%)。生理活性評価用のサンプル17mgは、分取HPLC(30%MeCN/H
2O,流速1.0mL/分)を用いて精製した(溶出時間4.0分)。
【0070】
【化15】
【0071】
1H−NMR(400MHz,CD
3OD)δ6.74(d,J=8.2,1H,H−6),6.33(m,3H,H−2’,H−4’,H−6’),6.27(d,J=2.4,1H,H−3),6.16(dd,J=2.4,8.2,1H,H−5),4.73(d,J=7.1,H−1”),3.89(dd,J=5.4,11.4,1H,H−5”),3.54(dt,J=5.4,9.71H,H−4”),3.39(m,2H,H−3”,H−5”),3.28(m,1H,H−2”),2.70(m,4H,H−7,H−7’).
【0072】
13C−NMR(100MHz,CD
3OD)δ159.9(C−3’),159.2(C−5’),157.4(C−4),157.1(C−2),146.4(C−1’),131.6(C−6),120.6(C−1),110.8(C−2’),109.3(C−6’),107.2(C−5),103.4(C−3),102.9(C−1”),102.6(C−4’),77.7(C−3”),74.8(C−2”),71.1(C−4”),66.9(C−5”),37.7(C−7’),33.0(C−7).
【0073】
<3’,5’−O−ジ(2”,3”,4”−トリアセチル−β−キシロピラノシル)−2,4,−O−ジベンジルジヒドロオキシレスベラトロール(17)>
フェノール13(0.13g,0.31mmol)とイミデート15(0.25g,0.59mmol)とを真空乾燥し、アルゴン雰囲気下で脱水ジクロロメタン(6.0mL)に溶かした。その溶液を−20℃に冷却し、0.11Mトリメチルシリルトリフラート/ジクロロメタン溶液(22μL,2.4μmol)を加え、20分間撹拌した。反応液にトリエチルアミンを加えて中和した後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(35%〜55%酢酸エチル/ヘキサン)で精製してグリコシド17である下記の3’,5’−O−ジ(2”,3”,4”−トリアセチル−β−キシロピラノシル)−2,4,−O−ジベンジルジヒドロオキシレスベラトロールを0.12g得た(収率43%)。
【0074】
【化16】
【0075】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.38(m,10H,Bn),6.96(d,J=8.2,1H,H−6),6.60(d,J=2.3,1H,H−3),6.48(dd,J=2.3,8.2,1H,H−5),6.45(m,3H,H−2’,H−4’,H−6’),5.20(t,J=7.9,2H,H−3”,H−3”’),5.12(dd,J=6.1,7.9,2H,H−2”,H−2”’),5.05(d,J=6.1,2H,H−1”,H−1”’),5.03(s,2H,Bn),5.01(s,2H,Bn),4.97(dt,J=4.8,7.9,2H,H−4”,H−4”’),4.13(dd,J=4.8,12.1,2H,H−5”,H−5”’),3.40(dd,J=7.9,12.1,2H,H−5”,H−5”’),2.81(m,4H,H−7,H−7’),2.06(m,18H,Ac).
【0076】
13C−NMR(100MHz,CDCl
3)δ169.9(2C,Ac),169.8(2C,Ac),169.3(2C,Ac),158.4(C−4),157.4(C−2),157.3(2C,C−3’,C−5’),145.4(C−1’),137.1(Bn),137.0(Bn),130.3(C−6),128.60(2C,Bn),128.59(Bn),128.5(2C,Bn),127.9(Bn),127.5(2C,Bn),127.1(2C,Bn),122.6(C−1),111.3(C−2’,C−6’),105.2(C−5),103.4(C−4’),100.5(C−3),98.2(2C,C−1”,C−1”’),70.8(2C,C−3”,C−3”’),70.1(2C,C−2”,C−2”’),70.1(2C,Bn),68.4(2C,C−4”,C−4”’),61.9(2C,C−5”,C−5”’),36.6(C−7’),31.9(C−7),20.7(6C,Ac).
【0077】
<3’,5’−O−ジ(2”,3”,4”−トリアセチル−β−キシロピラノシル)ジヒドロオキシレスベラトロール(18)>
グリコシド17(49mg,52μmol)を酢酸エチル(2.0mL)とメタノール(3.0mL)との混合溶媒に溶かした。その溶液に10%水酸化パラジウム/活性炭(10mg)を加えて水素雰囲気下、20℃で1時間撹拌した。セライトを用いてパラジウムをろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(50−70%酢酸エチル/ヘキサン)で精製してフェノール18である下記の3’,5’−O−ジ(2”,3”,4”−トリアセチル−β−キシロピラノシル)ジヒドロオキシレスベラトロールを38mg得た(収率96%)。
【0078】
【化17】
【0079】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ6.76(d,J=8.0,1H,H−6),6.43(m,1H,H−4’),6.40(m,2H,H−2’,H−6’),6.31(m,1H,H−3),6.30(m,1H,H−5),5.93(bs,1H,OH),5.61(bs,1H,OH),5,20(t,J=7.7,2H,H−3”,H−3”’),5.09(t,J=7.7,2H,H−2”,H−2”’),5.04(d,J=7.7,2H,H−1”,H−1”’),4.96(dt,J=4.6,7.7,2H,H−4”,H−4”’),4.16(dd,J=4.6,12.1,2H,H−5”,H−5”’),3.47(dd,J=7.7,12.1,2H,H−5”,H−5”’),2.77(m,4H,H−7,H−7’),2.06(m,18H,Ac).
【0080】
13C−NMR(100MHz,CDCl
3)δ170.3(2C,Ac),170.0(2C,Ac),169.7(2C,Ac),157.2(2C,C−3’,C−5’),155.2(C−4),154.7(C−2),144.9(C−1’),131.3(C−6),119.4(C−1),111.7(2C,C−2’,C−6’),107.5(C−5),103.7(C−4’),102.9(C−3),98.23(2C,C−1”,C−1”’),70.5(2C,C−3”,C−3”’),70.0(2C,C−2”,C−2”’),68.4(2C,C−4”,C−4”’),61.7(2C,C−5”,C−5”’),36.3(C−7’),31.2(C−7),20.7(6C,Ac).
【0081】
<3’,5’−O−ジ(β−キシロピラノシル)ジヒドロオキシレスベラトロール(4)>
アルゴン雰囲気下、フェノール18(12mg,16μmol)をメタノール(3.0mL)に溶かした。氷冷下、その溶液に5.2Mナトリウムメトキシド/メタノール溶液(30μL,0.16mmol)を滴下し、室温に戻して1時間撹拌した。反応液にアンバーライトIR−120Hを少しずつ加え、pH試験紙で反応液が中性になったことを確認した後、アンバーライトをろ過し、ろ液を減圧濃縮して、本発明に係るジヒドロオキシレスベラトロール4である下記の3’,5’−O−ジ(β−キシロピラノシル)ジヒドロオキシレスベラトロールを7.0mg得た(収率88%)。生理活性評価用のサンプル14mgは、分取HPLC(20%MeCN/H
2O,流速1.0mL/分)によって精製した(溶出時間7.5分)。
【0082】
【化18】
【0083】
1H−NMR(400MHz,CD
3OD)δ6.69(d,J=8.1,1H,H−6),6.57(t,J=2.1,1H,H−4’),6.51(d,J=2.1,2H,H−2’,H−6’),6.28(d,J=2.4,1H,H−3),6.15(dd,J=2.4,8.1,1H,H−5),4.73(d,J=6.8,2H,H−1”,H−1”’),3.89(dd,J=5.3,11.4,2H,H−5”,H−5”’),3.53(dt,J=5.3,10.4,2H,H−4”,H−4”’),3.39(m,4H,H−3”,H−3”’,H−5”,H−5”’),3.28(m,2H,H−2”,H−2”’),2.73(m,4H,H−7,H−7’).
【0084】
13C−NMR(100MHz,CD
3OD)δ159.6(2C,C−3’,C−5’),157.5(C−4),157.1(C−2),146.3(C−1’),131.8(C−6),120.3(C−1),112.1(2C,C−2’,C−6’),107.2(C−5),104.5(C−4’),103.4(C−3),103.0(2C,C−1”,C−1”’),77.70(2C,C−3”,C−3”’),74.7(2C,C−2”,C−2”’),71.1(2C,C−4”,C−4”’),66.9(2C,C−5”,C−5”’),37.6(C−7’),32.9(C−7).
【0085】
[実施例2]
<ジヒドロレスベラトロール誘導体7及び8の合成>
第2のレスベラトロール誘導体である、ジヒドロレスベラトロール誘導体7及び8を合成した。合成経路を下記に示す。
【0086】
【化19】
【0087】
上記の合成経路に示すように、リチウムヘキサメチルジシラシド(LiHMDS)を塩基として用い、アルデヒド20とWittig試薬19とをカップリングしてスチルベン21を合成した。水酸化パラジウム[Pd(OH)
2/C]を触媒とした接触水素化反応により、スチルベン21の二重結合の還元及びベンジル(Bn)基の脱保護を同時に行い、フェノール22を得た。トリメチルシリルトリフラート(TMSOTf)をルイス酸に用いた配糖体化反応により、フェノール22とグルコシルイミデート23とからグリコシド24を合成した。このグリコシド24のTBS基を除去して、フェノール25に導き、さらにそのアセチル基を脱保護してグリコシドである目的のジヒドロレスベラトロール誘導体7を得た。キシロシルイミデート15を用いた配糖体化反応で、フェノール22からグリコシド26を導き、そのTBS基を除去して、フェノール27を得た。そのアセチル基を脱保護することにより、キシロシドである目的のジヒドロレスベラトロール誘導体8を合成した。
【0088】
以下、合成経路中の化合物についてそれぞれ説明する。
【0089】
<3,5−O−ジ(tert−ブチルジメチルシリル)−4’−O−ベンジルレスベラトロール(21)>
ホスホニウム塩19(1.3g,2.6mmol)を真空乾燥し、アルゴン雰囲気下で脱水テトラヒドロフラン(10mL)に懸濁した。氷冷後、この懸濁液に1.3Mリチウムヘキサメチルジシラジド/テトラヒドロフラン溶液(1.5mL,2.0mmol)を滴下し、橙色のイリド溶液を得た。この溶液を室温で30分間撹拌した後、再び氷冷した。真空乾燥したアルデヒド20(0.47g,1.3mmol)を脱水テトラヒドロフラン(2.0mL)に溶解し、氷冷下でイリド溶液に加え、室温で1時間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。得られた有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液(30mLで2回)及び飽和食塩水(30mLで2回)で洗浄した。得られた全ての水層を合わせて、酢酸エチル(30mLで3回)で抽出した。全ての有機層に無水硫酸ナトリウムを加え、ろ過後、ろ液を減圧濃縮した。残渣に10%酢酸エチル/ヘキサンを加えて懸濁し、ろ過して大半のトリフェニルホスフィンオキシドを除き、ろ液を減圧濃縮した。この粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(0〜2%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、スチルベン21である下記の3,5−O−ジ(tert−ブチルジメチルシリル)−4’−O−ベンジルレスベラトロールを0.70g得た(収率100%)。
【0090】
【化20】
【0091】
cis−21:
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.38(m,5H,Bn),7.16(d,J=8.6,2H,H−2’,H−6’),6.81(d,J=8.6,2H,H−3’,H−5’),6.47(d,J=12.2,1H,H−7),6.39(d,J=12.2,1H,H−7’),6.35(d,J=2.2,2H,H−2,H−6),6.18(t,J=2.2,1H,H−4),5.01(s,2H,Bn),0.92(s,18H,TBS),0.20(s,12H,TBS).
【0092】
trans−21:
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.38(m,5H,Bn),6.95(d,J=8.6,2H,H−2’,H−6’),6.94(d,J=16.0,1H,H−7),6.86(d,J=8.6,2H,H−3’,H−5’),6.33(d,J=16.0,1H,H−7’),6.59(d,J=2.2,2H,H−2,H−6),6.23(t,J=2.2,1H,H−4),5.07(s,2H,Bn),0.99(s,18H,TBS),0.09(s,12H,TBS).
【0093】
<3,5−O−ジ(tert−ブチルジメチルシリル)ジヒドロレスベラトロール(22)>
スチルベン21(0.71g,1.3mmol)のエーテル溶液(6.0mL)に、10%水酸化パラジウム/活性炭(71mg)を加え、水素雰囲気下、22℃で4時間撹拌した。セライトを用いてパラジウムをろ過した後、ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(5−10%酢酸エチル/ヘキサン)で精製してフェノール22である下記の3,5−O−ジ(tert−ブチルジメチルシリル)ジヒドロレスベラトロールを0.48g得た(収率85%)。
【0094】
【化21】
【0095】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ6.99(d,J=8.6,2H,H−2’,H−6’),6.71(d,J=8.6,2H,H−3’,H−5’),6.25(d,J=2.2,2H,H−2,H−6),6.16(t,J=2.2,1H,H−4),4.79(bs,1H,OH),2.75(m,4H,H−7,H−7’),0.95(s,18H,TBS),0.15(s,12H,TBS).
【0096】
13C−NMR(100MHz,CDCl
3)δ156.3(2C,C−3,C−5),153.6(C−4’),143.7(C−1),133.9(C−1’),129.5(2C,C−2’,C−6’),115.1(2C,C−3’,C−5’),113.8(2C,C−2,C−6),109.7(C−4),38.0(C−7),36.7(C−7’),25.7(TBS),18.2(TBS),−4.3(TBS).
【0097】
<4’−O−(2”,3”,4”,6”−テトラアセチル−β−グルコピラノシル)−3,5−O−ジ(tert−ブチルジメチルシリル)ジヒドロレスベラトロール(24)>
フェノール22(0.20g,0.44mmol)とイミデート23(0.40g,0.81mmol)を真空乾燥し、アルゴン雰囲気下で脱水ジクロロメタン(6.0mL)を加え、−20℃に冷却した。その溶液に0.11Mトリメチルシリルトリフラート/ジクロロメタン溶液(73μL,8.0μmol)を加え、80分間撹拌した。反応液にトリエチルアミンを加えて中和した後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(20−40%酢酸エチル/ヘキサン)で精製してグリコシド24である下記の4’−O−(2”,3”,4”,6”−テトラアセチル−β−グルコピラノシル)−3,5−O−ジ(tert−ブチルジメチルシリル)ジヒドロレスベラトロールを0.28g得た(収率82%)。
【0098】
【化22】
【0099】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.08(d,J=8.6,2H,H−2’,H−6’),6.89(d,J=8.6,2H,H−3’,H−5’),6.27(d,J=2.2,2H,H−2,H−6),6.17(t,J=2.2,1H,H−4),5.30(t,J=9.4,1H,H−3”),5.26(dd,J=7.6,9.4,1H,H−4”),5.17(dd,J=7.6,9.4,1H,H−2”),5.03(d,J=7.6,1H,H−1”),4.29(dd,J=5.3,12.2,1H,H−6”),4.17(dd,J=2.4,12.2,1H,H−6”),3.84(ddd,J=2.4,5.3,7.6,1H,H−5”),2.79(m,4H,H−7,H−7’),2.09(s,3H,Ac),2.06(s,3H,Ac),2.05(s,3H,Ac),2.04(s,3H,Ac),0.95(s,18H,TBS),0.16(s,12H,TBS).
【0100】
13C−NMR(100MHz,CDCl
3)δ170.7(Ac),170.3(Ac),169.5(Ac),169.4(Ac),156.3(2C,C−3,C−5),155.1(C−4’),143.4(C−1),136.8(C−1’),129.5(2C,C−2’,C−6’),116.9(2C,C−3’,C−5’),113.7(2C,C−2,C−6),109.8(C−4),99.3(C−1”),72.7(C−5”),71.9(C−3”),71.1(C−2”),68.3(C−4”),61.9(C−6”),37.8(C−7),36.7(C−7’),25.7(TBS),20.7(Ac),20.63(Ac),20.61(Ac),20.59(Ac),18.2(TBS),−4.4(TBS).
【0101】
<4’−O−(2”,3”,4”,6”−テトラアセチル−β−グルコピラノシル)ジヒドロレスベラトロール(25)>
グリコシド24(0.10g,0.13mmol)のテトラヒドロフラン溶液(2.0mL)を氷冷し、テトラブチルアンモニウムフルオリド三水和物(0.12g,0.38mmol)を加えて80分間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。得られた有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液(30mLで2回)及び飽和食塩水(30mLで2回)で洗浄した。得られた全ての水層を合わせて、酢酸エチル(30mLで3回)で抽出した。全ての有機層に無水硫酸ナトリウムを加え、ろ過後、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(50−70%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、フェノール25である下記の4’−O−(2”,3”,4”,6”−テトラアセチル−β−グルコピラノシル)ジヒドロレスベラトロールを37mg得た(収率51%)。
【0102】
【化23】
【0103】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.04(d,J=8.6,2H,H−2’,H−6’),6.90(d,J=8.6,2H,H−3’,H−5’),6.19(t,J=2.2,1H,H−4),6.14(d,J=2.2,2H,H−2,H−6),5.30(t,J=9.1,1H,H−3”),5.25(dd,J=7.6,9.1,1H,H−4”),5.17(dd,J=7.5,9.1,1H,H−2”),5.08(d,J=7.5,1H,H−1”),4.28(dd,J=5.1,12.2,1H,H−6”),4.19(dd,J=2.5,12.2,1H,H−6”),3.84(ddd,J=2.5,5.1,7.6,1H,H−5”),2.81(m,4H,H−7,H−7’),2.08(s,3H,Ac),2.06(s,3H,Ac),2.05(s,3H,Ac),2.04(s,3H,Ac).
【0104】
13C−NMR(100MHz,CDCl
3)δ170.8(Ac),170.3(Ac),169.6(Ac),169.5(Ac),156.7(2C,C−3,C−5),154.7(C−4’),144.4(C−1),136.6(C−1’),129.6(2C,C−2’,C−6’),117.2(2C,C−3’,C−5’),108.1(2C,C−2,C−6),100.5(C−4),99.1(C−1”),72.8(C−5”),72.0(C−3”),71.0(C−2”),68.2(C−4”),61.9(C−6”),37.8(C−7),36.6(C−7’),20.72(Ac),20.65(Ac),20.62(Ac),20.60(Ac).
【0105】
<4’−O−(β−グルコピラノシル)ジヒドロレスベラトロール(7)>
アルゴン雰囲気下、フェノール25(34mg,61μmol)をメタノール(4.0mL)に溶解した。氷冷下、この溶液に5.2Mナトリウムメトキシド/メタノール溶液(79μL,0.41mmol)を滴下し、室温に戻して1時間撹拌した。反応液にアンバーライトIR−120Hを少しずつ加え、pH試験紙で反応液が中性になったことを確認した後、アンバーライトをろ過し、ろ液を減圧濃縮して、本発明に係るジヒドロレスベラトロール7である下記の4’−O−(β−グルコピラノシル)ジヒドロレスベラトロールを17mg得た(収率71%)。生理活性評価用のサンプルは、分取HPLC(28%MeCN/H
2O,流速1.0mL/分)によって精製した(溶出時間5.0分)。
【0106】
【化24】
【0107】
1H−NMR(400MHz,CD
3OD)δ7.08(d,J=8.5,2H,H−2’,H−6’),6.99(d,J=8.5,2H,H−3’,H−5’),6.11(bs,2H,H−2,H−6),6.07(bs,1H,H−4),4.85(d,J=7.3,1H,H−1”),3.89(dd,J=1.6,11.8,1H,H−6”),3.69(dd,J=5.1,11.8,1H,H−6”),3.43(m,4H,H−2”,H−3”,H−4”,H−5”),2.80(dd,J=6.4,9.2,2H,H−7’),2.70(dd,J=6.4,9.2,2H,H−7).
【0108】
13C−NMR(100MHz,CD
3OD)δ159.3(2C,C−3,C−5),157.4(C−4’),145.4(C−1),137.1(C−1’),130.4(2C,C−2’,C−6’),117.6(2C,C−3’,C−5’),108.1(2C,C−2,C−6),102.5(C−1”),101.2(C−4),78.1(C−3”),78.0(C−5”),74.9(C−2”),71.4(C−4”),62.5(C−5”),39.3(C−7),38.0(C−7’).
【0109】
<4’−O−(2”,3”,4”−トリアセチル−β−グルコピラノシル)−3,5−O−ジ(tert−ブチルジメチルシリル)ジヒドロレスベラトロール(26)>
フェノール22(0.11g,0.24mmol)とイミデート15(0.20g,0.48mmol)とを真空乾燥し、アルゴン雰囲気下で脱水ジクロロメタン(4.0mL)を加えた。その溶液を−20℃に冷却し、0.11Mトリメチルシリルトリフラート/ジクロロメタン溶液(43μL,4.7μmol)を加え、40分間撹拌した。反応液にトリエチルアミンを加えて中和した後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(20%〜25%酢酸エチル/ヘキサン)で精製してグリコシド26である下記の4’−O−(2”,3”,4”−トリアセチル−β−グルコピラノシル)−3,5−O−ジ(tert−ブチルジメチルシリル)ジヒドロレスベラトロールを86mg得た(収率50%)。
【0110】
【化25】
【0111】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.08(d,J=8.6,2H,H−2’,H−6’),6.89(d,J=8.6,2H,H−3’,H−5’),6.26(d,J=2.2,2H,H−2,H−6),6.17(t,J=2.2,1H,H−4),5,23(t,J=7.9,1H,H−3”),5.17(dd,J=6.1,7.9,1H,H−2”),5.11(d,J=6.1,1H,H−1”),5.01(dt,J=4.8,7.9,1H,H−4”),4.21(dd,J=4.8,12.0,1H,H−5”),3.50(dd,J=7.9,12.0,1H,H−5”),2.78(m,4H,H−7,H−7’),2.08(m,9H,Ac),0.97(m,18H,TBS),0.16(m,12H,TBS).
【0112】
13C−NMR(100MHz,CDCl
3)δ170.0(Ac),169.9(Ac),169.4(Ac),156.3(2C,C−3,C−5),154.8(C−4’),143.5(C−1),136.5(C−1’),129.5(2C,C−2’,C−6’),116.8(2C,C−3’,C−5’),113.7(2C,C−2,C−6),109.8(C−4),98.8(C−1”),70.8(C−3”),70.2(C−2”),68.5(C−4”),61.8(C−5”),37.8(C−7),36.8(C−7’),25.7(TBS),18.2(TBS),20.8(Ac),20.73(Ac),20.69(Ac),−4.4(TBS).
【0113】
<4’−O−(2”,3”,4”−トリアセチル−β−キシロピラノシル)ジヒドロレスベラトロール(27)>
グリコシド26(0.13g,0.18mmol)のテトラヒドロフラン溶液(3.0mL)を氷冷し、テトラブチルアンモニウムフルオリド三水和物(0.24g,0.76mmol)を加えて30分間撹拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(30mL)を加え、酢酸エチル(100mL)で抽出した。得られた有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液(30mLで2回)及び飽和食塩水(30mLで2回)で洗浄した。全ての水層を合わせて、酢酸エチル(30mLで3回)で抽出した。全ての有機層に無水硫酸ナトリウムを加え、ろ過後、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(50−55%酢酸エチル/ヘキサン)で精製し、フェノール27である下記の4’−O−(2”,3”,4”−トリアセチル−β−キシロピラノシル)ジヒドロレスベラトロールを90mg得た(収率100%)。
【0114】
【化26】
【0115】
1H−NMR(400MHz,CDCl
3)δ7.05(d,J=8.5,2H,H−2’,H−6’),6.89(d,J=8.5,2H,H−3’,H−5’),6.20(bs,1H,H−4),6.18(bs,2H,H−2,H−6),5,24(t,J=7.7,1H,H−3”),5.17(dd,J=6.1,7.7,1H,H−2”),5.13(d,J=6.1,1H,H−1”),5.01(ddd,J=4.8,7.7,7.9,1H,H−4”),4.21(dd,J=4.8,12.1,1H,H−5”),3.50(dd,J=7.9,12.1,1H,H−5”),2.77(m,4H,H−7,H−7’),2.09(m,9H,Ac).
【0116】
13C−NMR(100MHz,CDCl
3)δ170.4(Ac),170.1(Ac),169.9(Ac),156.8(2C,C−3,C−5),154.6(C−4’),144.5(C−1),136.5(C−1’),129.6(2C,C−2’,C−6’),116.9(2C,C−3’,C−5’),108.0(2C,C−2,C−6),100.5(C−4),98.7(C−1”),70.8(C−3”),70.1(C−2”),68.5(C−4”),61.8(C−5”),37.6(C−7),36.5(C−7’),20.8(Ac),20.74(Ac),20.71(Ac).
【0117】
<4’−O−(β−キシロピラノシル)ジヒドロレスベラトロール(8)>
アルゴン雰囲気下、フェノール27(78mg,0.16mmol)をメタノール(6.0mL)に溶解した。氷冷下、この溶液に5.2Mナトリウムメトキシド/メタノール溶液(0.15mL,0.78mmol)を滴下し、室温に戻して1時間撹拌した。反応液にアンバーライトIR−120Hを少しずつ加え、pH試験紙で反応液が中性になったことを確認した後、アンバーライトをろ過し、ろ液を減圧濃縮して、本発明に係るジヒドロレスベラトロール8である下記の4’−O−(β−キシロピラノシル)ジヒドロレスベラトロールを58mg得た(収率100%)。生理活性評価用のサンプルは、分取HPLC(30%MeCN/H
2O,流速1.0mL/分)によって精製した(溶出時間6.0分)。
【0118】
【化27】
【0119】
1H−NMR(400MHz,CD
3OD)δ7.07(d,J=8.2,2H,H−2’,H−6’),6.94(d,J=8.2,2H,H−3’,H−5’),6.11(bs,2H,H−2,H−6),6.07(bs,1H,H−4),4.80(d,J=7.2,1H,H−1”),3.89(dd,J=5.4,11.4,1H,H−5”),3.55(m,1H,H−4”),3.40(m,2H,H−3”,H−5”),3.30(m,1H,H−2”),2.79(dd,J=6.9,9.5,2H,H−7’),2.69(dd,J=6.9,9.5,2H,H−7).
【0120】
13C−NMR(100MHz,CD
3OD)δ159.3(2C,C−3,C−5),157.2(C−4’),145.4(C−1),137.3(C−1’),130.4(2C,C−2’,C−6’),117.7(2C,C−3’,C−5’),108.1(2C,C−2,C−6),103.1(C−1”),101.2(C−4),77.8(C−3”),74.8(C−2”),71.1(C−4”),66.9(C−5”),39.4(C−7),38.0(C−7’).
【0121】
[チロシナーゼ阻害活性の評価]
DOPA49mgを精製水に溶解し、5mMのDOPA水溶液を調製した。合成した各化合物3,4,7,8をDMSOに溶解し、30mMのサンプル溶液を調製した。チロシナーゼは、マッシュルーム由来のチロシナーゼ(「E.C.1.14.18.1」、購入先:Sigma−Aldrich)を用い、50mMのリン酸ナトリウム緩衝液に溶解し、0.67mg/mLのチロシナーゼ溶液を調製した。
【0122】
キュベット(3mL容)に、DMSOで10段階〜100段階に希釈したサンプル溶液0.1mL、250mMリン酸ナトリウム緩衝液0.6mL、5mMのDOPA水溶液0.3mL、精製水1.9mL及びチロシナーゼ溶液0.1mLを加え、よく混合し、分光光度計で475nmの吸光値の変化を計測した。各測定は30℃で30秒間行い、1秒ごとに吸光値をコンピュータに保存した。得られた吸光度を直線回帰し、ブランク測定時の傾きを100%として50%阻害濃度(IC
50)を算出した。表1中のIC
50に示されるデータは、50%阻害する各誘導体の濃度を示し、値が低いほどチロシナーゼに対する阻害活性が強いことを示している。
【0123】
【表1】
【0124】
表1に示すように、本発明に係るジヒドロレスベラトロール誘導体の化合物3,4は、高いチロシナーゼ阻害活性を示した。特に新規配糖体である化合物4は、極めて高いチロシナーゼ活性阻害特性を示した。また、化合物4よりも親水性のある化合物4も高い阻害活性を示した。また、化合物7及び化合物8は、化合物1,2よりもチロシナーゼ阻害活性は弱いものの、天然物由来の構造に近い化合物であるため、弱い阻害活性を活かした用途、例えば水溶性のローション等の使用に応用できる。
【0125】
なお、表1中のα−アルブチンとβ−アルブチンのIC
50は、Biosci. Biotech. Biochem., 59(1)、143〜144(1995)に記載の結果であり、本発明に係る化合物3,4は、アルブチンよりも高いチロシナーゼ活性阻害性能を有し、化合物7,8は、α−アルブチンと同程度、又はβ−アルブチンよりも高いチロシナーゼ活性阻害性能を有している。
【0126】
[応用]
化粧水への応用として、以下のように配合して調製した。調製法は、A相、B相ともに50℃で加温溶解し、B相をA相に撹拌しながら徐々に加えて可溶化した。撹拌しながら冷却し、30℃で撹拌を止めた。
【0127】
A相:化合物3…0.1質量%
クエン酸…0.1質量%
クエン酸ナトリウム…0.3質量%
精製水で全量…100質量%
B相:テトラオレイン酸POE(60)ソルビトール…0.9質量%
モノオレイン酸ソルビタン…0.1質量%
オリーブ油…0.1質量%
ジプロピレングリコール…5.0質量%
エタノール…10.0質量%
【0128】
美白クリームへの応用として、以下のように配合して調製した。調製法は、A相、B相ともに80℃で加温溶解し、C相は撹拌溶解した。B相をAに撹拌しながら冷却し、50℃でC相を徐々に加え、35〜30℃で撹拌を止めた。
【0129】
A相:POE(40)ステアリン酸…2.0質量%
自己乳化型モノステアリン酸グリセリル…3.0質量%
スクワラン…8.0質量%
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル…8.0質量%
セタノール…4.5質量%
メチルポリシロキサン(300cSt)…0.2質量%
防腐剤…適量
B相:ヒアルロン酸ナトリウム(1%水溶液)…5.0質量%
1,3−ブチレングリコール…7.0質量%
精製水で全量…適量
C相:化合物7…0.5質量%
クエン酸ナトリウム…0.5質量%
エデト酸四ナトリウム…0.2質量%
精製水で全量…100質量%