【実施例】
【0013】
図1〜
図3に示すように、実施例に係るコンソールボックス10は、物品を収納可能な収納室14が設けられたボックス本体12と、このボックス本体12の上部に開口する収納室14の開口部16を開閉するシャッター30A,30Bとを備えている。コンソールボックス10は、ボックス本体12に、車幅方向(左右方向)に対向配置された一対のレールR,Rを備えており、両レールR,Rが開口部16および該開口部16から外れた位置に亘って延在するように形成されている。そして、シャッター30A,30Bは、一対のレールR,Rに両側部がスライド可能に支持されて、開口部16を閉じる閉成位置(
図4)と開口部16を開放する開放位置(
図5)との間で移動するようになっている。実施例のコンソールボックス10は、開口部16の後側領域を閉じた閉成位置から後方へ移動して、後側領域を開放する第1シャッター30Aと、開口部16の前側領域を閉じた閉成位置から前方へ移動して、前側領域を開放する第2シャッター30Bとを備え、2つのシャッター30A,30Bを互いに独立して開閉移動し得るよう構成される。なお、実施例のコンソールボックス10では、第1シャッター30Aおよび第2シャッター30Bの基本的な構成と、両シャッター30A,30Bをスライド可能に支持する構成とが基本的に同じである。ここで、シャッター30A,30Bの開閉方向において、シャッター30A,30Bを開放位置にするために移動する方向を開閉方向開側といい、シャッター30A,30Bを閉成位置にするために移動する方向を開閉方向閉側という。
【0014】
図3に示すように、前記ボックス本体12は、上方に開放する箱状に形成され、収納室14を画成するインナーボックス(物品収納部)18と、このインナーボックス18の外側に取り付けられ、インナーボックス18を覆って車内に臨む意匠面を構成するアウターパネル20A,20B,20C,20Dとを備えている。また、ボックス本体12は、インナーボックス18の側面の夫々に取り付けられ、レールRが設けられた一対のレール部材22,22と、インナーボックス18の後面に取り付けられた第1カバー24Aと、インナーボックス18の前面に取り付けられた第2カバー24Bとを備えている。ボックス本体12は、アウターパネルとして、インナーボックス18の側面を覆うように取り付けられる一対のサイドパネル20A,20Aと、第1カバー24Aの側方および後方を覆うように取り付けられるリアパネル20Bと、第1カバー24Aの上方を覆うように取り付けられるアッパーパネル20Cと、レール部材22におけるインナーボックス18の上縁部に延在する部位を覆うように取り付けられる一対のトップパネル20D,20Dとを備えている。トップパネル20Dは、該トップパネル20Dの裏側に突出形成された係止爪21(
図8参照)を、レール部材22に形成された係止孔22aに差し込んで該係止孔22aの開口縁に引っ掛けることで取り付けられる。また、トップパネル20Dの係止爪21は、係止孔22aに引っ掛かる姿勢から退避する方向に変形可能であり、トップパネル20Dをボックス本体12から離間させるように引っ張ることで、トップパネル20Dを取り外し可能になっている。なお、トップパネル20Dの上面は、閉成位置にあるシャッター30A,30Bの上面と揃うようになっている。ボックス本体12は、インナーボックス18の底面を、車体に固定される支持部材11に取り付けて、車内のフロア上に設置され、前記アウターパネル20A,20B,20C,20D、レール部材22,22およびカバー24A,24Bがインナーボックス18に支持されている。なお、ボックス本体12の前側には、シフトレバーなどが配置される図示しないコンソール部が連なっている。
【0015】
図4,
図5および
図7に示すように、前記レール部材22は、インナーボックス18の上面、後面および前面に沿って延在するように、下方に開放した略「U」字状に形成されている。レール部材22は、インナーボックス18の上面より上方に延出し、インナーボックス18の後面より後方へ延出すると共に、インナーボックス18の前面よりも前方へ延出するように配設されている。レール部材22には、インナーボックス18から延出する部位の内側に、内方へ開放する溝状のレールRが形成されている(
図8参照)。レールRは、外側(収納室14から遠い側)に延在するよう形成された外側案内片40と、この外側案内片40に対向して内側(収納室14に近い側)に延在するよう形成された内側案内片42とを備えている。各レールRは、外側に延在する外側案内片40と内側に延在する内側案内片42との間に画成された案内経路Wに、シャッター30A,30Bの側縁から突出する支持部36を受け入れ、外側案内片40により外方への移動を規制すると共に内側案内片42により内方への移動を規制して、支持部36を案内経路Wに沿って案内するようになっている。
【0016】
より具体的には、レールRは、開口部16の開口縁と該開口部16から外れた位置とに亘って延在しており、開口部16の開口縁において該開口部16の開口面に合わせて延在する横引きの第1案内経路W1から、インナーボックス18の脇に延在するように下向きに湾曲して縦引きの第2案内経路W2に切り替わる。なお、実施例では、開口部16の開口縁を境界として、第1案内経路W1と第2案内経路W2とを便宜的に分けている。実施例のレールRは、開口部16の開口面に沿って略前後方向に延在すると共に、開口部16から外れたインナーボックス18の後側で該インナーボックス18の後面に沿って略上下方向に延在し、更に開口部16から外れたインナーボックス18の前側で該インナーボックス18の前面に沿って略上下方向に延在するよう形成されている。左右のレール部材22,22は、対称な形状であって、左右のレールR,Rが互いに向かい合って配置されている。
【0017】
前記レールRの第1案内経路W1および第2案内経路W2における第1案内経路W1に連なる部位は、インナーボックス18に対して着脱可能に取り付けられるトップパネル20Dにより外側が覆われて隠されている。コンソールボックス10は、トップパネル20Dを取り外すことで、第1案内経路W1および第2案内経路W2における第1案内経路W1に連なる部位を画成する外側の外側案内片40が外方に露出するようになっている。ここで、コンソールボックス10の上部に配設されたトップパネル20Dは、他のパネル20A,20B,20Cを取り外すことなく独立して着脱可能である。また、トップパネル20Dは、収納室14の開口方向となるコンソールボックス10の上側スペースを用いてボックス本体12に対して着脱する構成であるので、着脱に際してコンソールボックス10の横側にある座席などの他の車載部材との干渉もない。第1シャッター30Aは、閉成位置で開口部16の後側領域を塞ぐと共に開閉方向開側の端部が開口部16よりも後側に位置するように両レールR,Rに支持される。第1シャッター30Aは、閉成位置から開放位置に移動すると、インナーボックス18の後側に延在するレールR,Rの案内経路Wに案内されて、インナーボックス18の後側に落ち込むように変位する。第2シャッター30Bは、閉成位置で開口部16の前側領域を塞ぐと共に開閉方向開側の端部が開口部16よりも前側に位置するように両レールR,Rに支持される。第2シャッター30Bは、閉成位置から開放位置に移動すると、インナーボックス18の前側に延在するレールR,Rの案内経路Wに案内されて、インナーボックス18の前側に落ち込むように変位する。
【0018】
前記カバー24A,24Bは、開口部16から外れた位置に延在する両レールR,Rに案内されてシャッター30A,30Bが通る領域の表側を覆うように配設され、シャッター30A,30B側に臨む裏面が該レールR,Rの延在経路に沿って延在するように形成されている。第1カバー24Aは、インナーボックス18の後面の後側を通るレールR,Rに並行するように形成され、インナーボックス18の後面から後方に離間して、両レール部材22,22の後縁部を覆うように配設される。なお、実施例の第1カバー24Aは、上部が下から上に向かうにつれて前側へ湾曲すると共に、他の部分が上下方向に延在する板状体から構成されている(
図5参照)。また、第1カバー24Aの下端部には、前方へ向けて延出して、第1シャッター30Aの開閉方向開側に延在する開放規制部25が形成されており、開放規制部25の上面に前後方向に延在するように立設された規制片25aに第1シャッター30Aの開閉方向開側の端部が当接することで、第1シャッター30Aの開閉方向開側の移動が規制される。
【0019】
同様に、前記第2カバー24Bは、インナーボックス18の前面の前側を通るレールR,Rに並行するように形成され、インナーボックス18の前面から前方に離間して、両レール部材22,22の前縁部を覆うように配設される。なお、実施例の第2カバー24Bは、上下方向に延在する板状体から構成されている。また、第2カバー24Bの下端部には、後方へ向けて延出して、第2シャッター30Bの開閉方向開側に延在する開放規制部25が形成されており、開放規制部25の上面に前後方向に延在するように立設された規制片25aに第2シャッター30Bの開閉方向開側の端部が当接することで、第2シャッター30Bの開閉方向開側の移動が規制される。
【0020】
前記シャッター30A,30Bは、両レールR,Rの案内経路Wに合わせて、厚み方向に湾曲変形可能に構成される。
図7および
図8に示すように、シャッター30A,30Bは、該シャッター30A,30Bの表面を構成し、湾曲変形可能な表層材32と、この表層材32の裏側に複数設けられ、車幅方向(一対のレールR,Rの対向方向)に延在する梁部34と、この梁部34の車幅方向の端部の夫々に設けられ、対応する側のレールRにスライド可能に支持される対をなす支持部36,36とを備えている。表層材32は、ポリウレタンフォームまたはポリエチレン等のオレフィン系フォームなどの軟質発泡体やゴムなどから構成された板状体であり、可撓性、弾力性および適度な柔軟性を有している。
【0021】
図4および
図7に示すように、前記梁部34は、シャッター30A,30Bの開閉方向に互いに離間して並行配置されると共に、表層材32の車幅方向(両レールR,Rの対向方向)に亘って延在しており、複数の梁部34が、シャッター30A,30Bにかかる荷重を受ける構造体として機能する。梁部34は、その断面形状が表層材32に接合した表側から裏側へ向かうにつれて開閉方向の幅が狭くなる先細り形状で形成されている。また、梁部34には、車幅方向の端部に夫々1つずつの支持部36が設けられている。なお、シャッター30A,30Bにおける開閉方向閉側の端部に配設される梁部34は、開閉方向に幅広に形成され、この梁部34の表側に対応して、シャッター30A,30Bを開閉する操作に用いる取っ手31が設けられている。また、幅広に形成された梁部34における車幅方向の端部には、開閉方向に離間して複数の支持部36,36が設けられている。
【0022】
前記支持部36は、梁部34における車幅方向の端部側面において、表層材32から裏側へ離間する縁に設けられ、表層材32の側面よりも外側方へ突出するように形成されている(
図7参照)。支持部36は、レールRに挿入されており、該レールRにおける案内片40,42の内面に当接することで、表裏方向および車幅方向の移動が規制される(
図8参照)。ここで、支持部36は、表裏方向の寸法がレールRの表裏方向の寸法と略同一に設定されており、レールRの表裏方向の曲がりに追従するようになっている。ここで、支持部36は、レールRの内面に当接する部位が曲面で形成されており、レールRの案内片40,42に対する接触面積が小さくなっている。なお、梁部34および支持部36は、ポリカABS(PC/ABS)等の硬質合成樹脂から一体形成されている。
【0023】
前記シャッター30A,30Bは、表層材32が圧縮変形可能な素材で形成されると共に、表層材32に対して複数の梁部34を開閉方向に互いに離間して配設してあるので、全体として開閉方向に圧縮変形して開閉方向の長さを縮小可能になっている。すなわち、シャッター30A,30Bは、前記規制片25aにより開閉方向開側への移動が規制された開放位置において、該規制片25aに押し当てて開閉方向開側に強制的に圧縮変形することで、開閉方向の長さを縮小し得るよう構成される。そして、シャッター30A,30Bの圧縮変形によって、開閉方向に並ぶ複数の支持部36のうちで開閉方向閉側の先頭に位置する支持部(特に区別する場合は先頭支持部という)36が、該シャッター30A,30Bの開放位置で通常配置される位置を越えて開閉方向開側へ強制的に変位可能に構成される。
【0024】
図4〜
図6に示すように、前記レールRは、該レールRにおいて外側に延在する外側案内片40に前記案内経路Wに連通するように開設され、シャッター30A,30Bの支持部36の通過を許容する挿通口44を備えている。ここで、左右一対のレールR,Rの外側案内片40には、収納室14を挟んで左右対称な位置関係で挿通口44が夫々形成されており、実施例では、第1シャッター30Aおよび第2シャッター30Bの夫々に対応して挿通口44が設けられている。そして、コンソールボックス10は、挿通口44を介して支持部36を案内経路Wから外方へ取り出すことで、シャッター30A,30BをレールRから取り外すことができると共に、挿通口44を介して支持部36を外方から案内経路Wに挿入することで、シャッター30A,30BをレールRに取り付けることができる。ここで、シャッター30A,30Bは、案内経路Wに追従して案内される通常姿勢から該通常姿勢と交差する外方(厚み方向表側)へ湾曲変形させた挿脱姿勢で、挿通口44を介しての支持部36の挿脱が許容される。
【0025】
図6に示すように、レールRおよびシャッター30A,30Bは、該シャッター30A,30Bの開放位置において、先頭支持部36が挿通口44よりも開閉方向閉側に配置されるように構成される。シャッター30A,30Bが規制片25aで開放規制される開放位置で、挿通口44が先頭支持部36よりも開閉方向開側に設けられており、開放位置と閉成位置とのシャッター30A,30Bの開閉移動全体に亘って、先頭支持部36が挿通口44に差し掛からないようになっている。実施例では、シャッター30A,30Bの開放位置において、先頭支持部36と、この先頭支持部36から開閉方向開側に離間して配設された2番目の支持部36との間に位置するように、挿通口44が配置されている。なお、シャッター30A,30Bは、先頭支持部36とこの先頭支持部36に隣り合う2番目の支持部36との開閉方向の間隔が、他の支持部36の間隔と比べて広く設定されている。また、レールRおよびシャッター30A,30Bは、該シャッター30A,30Bの閉成位置において、開閉方向開側の最後尾に位置する支持部(特に区別する場合は最後尾支持部という)36が挿通口44よりも開閉方向開側に配置されるように構成される。シャッター30A,30Bの閉成位置で、挿通口44が最後尾支持部36よりも開閉方向閉側に設けられており、開放位置と閉成位置とのシャッター30A,30Bの開閉移動全体に亘って、最後尾支持部36が挿通口44に差し掛からないようになっている。
【0026】
前記挿通口44は、1つの支持部36を挿通可能な最小限の開口寸法で形成されている。また、挿通口44は、開閉方向に隣り合う2以上の支持部36,36が、その開口面に同時に整合しない開口寸法で形成されている。すなわち、レールRに支持されたシャッター30A,30Bは、1つの支持部36が挿通口44に差し掛かった際に、当該支持部36に隣り合う開閉方向閉側および開側の支持部36,36が、内外の案内片40,44の間に配置されるように構成される。実施例の挿通口44は、案内経路W側から外方へ向かうにつれて縮小するように、開口縁がテーパ形状に形成されており、挿通口44を介する支持部36の案内経路Wからの取り出しを、テーパ面により誘導し得るようになっている。
【0027】
図4および
図5に示すように、前記挿通口44は、外側案内片40において第2案内経路W2の第1案内経路W1に連なる湾曲部分に設けられている。第1シャッター30Aに対応する挿通口44は、第1案内経路W1から下向きに湾曲する第2案内経路W2の湾曲部分において縦向き成分と比べて横向き成分が大きい部位に設けられ、上下方向に延在する第2案内経路W2の直線部分から大きく前方へ湾曲した部位に配置される。第2シャッター30Bに対応する挿通口44は、下向きに湾曲する第1案内経路W1に連なる第2案内経路W2の湾曲部分において横向き成分と比べて縦向き成分が大きい部位に設けられ、上下方向に延在する第2案内経路W2の直線部分から少し後方へ湾曲した部位に配置される。実施例の挿通口44は、外側案内片40において開口部16より僅かに外れた開口周縁に対応する部位であって、トップパネル20Dの取り外しによって外方に露出する第2案内経路W2における第1案内経路W1に連なる部位に配置される。なお、実施例の挿通口44は、第2案内経路W2において、閉成位置にあるシャッター30A,30Bの開閉方向開側の端部が位置すると共に、開放位置にあるシャッター30A,30Bの開閉方向閉側の端部が位置する部位に配置されている。そして、挿通口44を介して案内経路Wにシャッター30A,30Bを挿脱姿勢で挿脱する向きが、挿脱に際して支持部36を受け入れる第2案内経路W2の延在方向とおおよそ揃うように設定されており、これによりシャッター30A,30Bを伸ばした(厚み方向の変形を小さく)状態で挿脱し得るようになっている。
【0028】
前記シャッター30A,30Bは、開放位置において、先頭支持部36が挿通口44に重なる位置まで開放位置を越えて開閉方向開側へ強制的に変位可能に構成されている。実施例のシャッター30A,30Bは、開放位置で先頭支持部36が挿通口44よりも開閉方向閉側に位置しているが、該シャッター30A,30Bを開閉方向開側へ押さえて表層材32を圧縮変形することで、先頭支持部36を開放位置を越えて開閉方向開側へ変位し得るようになっている。
【0029】
〔実施例の作用〕
次に、実施例に係るコンソールボックス10の作用について説明する。コンソールボックス10は、シャッター30A,30Bにおける開閉方向閉側の先頭に位置する先頭支持部36が、シャッター30A,30Bの開放位置においてレールRの挿通口44よりも開閉方向閉側に配置されているから、閉成位置と開放位置との間のシャッター30A,30Bの開閉移動に際して、先頭支持部36が挿通口44に差し掛かることはない。すなわち、 シャッター30Aの支持部36を支持するレールRの外側案内片40に該支持部36を通過可能な挿通口44を形成しても、シャッター30A,30Bの開閉移動に際して挿通口44から先頭支持部36が外れることはない。また、シャッター30A,30Bを閉成位置にした際に、開閉方向開側の最後尾に位置する最後尾支持部36が、挿通口44よりも開閉方向開側に配置されているから、閉成位置と開放位置との間のシャッター30A,30Bの開閉移動に際して、最後尾支持部36が挿通口44に差し掛かることはない。すなわち、 レールRの外側案内片40に支持部36を通過可能な挿通口44を形成しても、シャッター30A,30Bの開閉移動に際して挿通口44から最後尾支持部36が外れることはない。シャッター30A,30BをレールRから取り外す場合に、開閉方向に複数並ぶ支持部36のうちで先頭または最後尾の支持部36からレールRの案内経路Wより抜き出す必要がある。実施例のコンソールボックス10によれば、通常の使用状態では先頭および最後尾の支持部36が挿通口44に整合することはないから、シャッター30A,30Bが挿通口44を介して不用意に外れてしまうことはない。
【0030】
前記シャッター30A,30Bを開放位置から閉成する場合は、先頭から2番目の支持部36が挿通口44が差し掛かったときに、先行する先頭支持部36が内外の案内片40の間で支持された状態にあるから、2番目の支持部36が案内片40,40に支持された先頭支持部36に誘導されることで、挿通口44に引っ掛かることなく案内経路Wに追従するように案内される。同様に、シャッター30A,30Bを閉成位置から開放する場合は、最後尾から2番目の支持部36が挿通口44が差し掛かったときに、先行する最後尾支持部36が内外の案内片40の間で支持された状態にあるから、2番目の支持部36が案内片40,40に支持された最後尾支持部36に誘導されることで、挿通口44に引っ掛かることなく案内経路Wに追従するように案内される。このように、挿通口44に差し掛かった支持部36に対して開閉方向前後に並ぶ支持部36,36がレールRに支持されるよう構成しているから、支持部36が挿通口44に引っ掛かることを回避でき、レールRの案内経路Wに追従して支持部36が案内されたもとで、シャッター30A,30Bをスムーズに開閉移動することができる。
【0031】
前記コンソールボックス10は、開放位置にあるシャッター30A,30Bを開閉方向開側へ意図的に押し込むことで、シャッター30A,30Bを規制片25aに押し付けて、表層材32を圧縮変形させることができる。これにより、シャッター30A,30Bの先頭支持部36を、開閉方向開側へ強制的に変位させて、開放位置で開閉方向開側に配置している挿通口44に先頭支持部36を重ね合わせることができる。そして、先頭支持部36を挿通口44に整合した状態で、シャッター30A,30Bを案内経路Wから外すように外方へ湾曲変形することで、挿通口44を介して先頭支持部36を案内経路Wから外方へ取り出すことができる。先頭支持部36を外方へ取り出した状態でシャッター30A,30Bを更に引っ張ることで、先行する支持部36に誘導されて後続の支持部36が案内経路Wから挿通口44を介して引き抜かれ、シャッター30A,30BをレールRから取り外すことができる。このように、シャッター30A,30Bは、先頭支持部36を挿通口44に重なるように強制的に変位しなければ、レールRから取り外すことができないので、挿通口44の存在によりシャッター30A,30Bが不用意に外れることはない。
【0032】
前記シャッター30A,30BをレールRに取り付ける場合は、最後尾支持部36を挿通口44から案内経路Wに挿入し、シャッター30A,30Bを開閉方向開側に向けて押し込むことで、先行する支持部36に誘導されて後続の支持部36が挿通口44から案内経路Wに挿入される。そして、シャッター30A,30Bが規制片25aで開閉方向開側へ移動規制された状態で、シャッター30A,30Bを開閉方向開側へ意図的に押し込んで、表層材32を圧縮変形させることで、先頭支持部36を挿通口44から案内経路Wに強制的に押し込むことができる。先頭支持部36を案内経路Wに挿入した後に、表層材32の圧縮変形状態を解除することで、先頭支持部36が挿通口44よりも開閉方向閉側に配置されるように変位し、シャッター30A,30BをレールRに取り付けることができる。
【0033】
前述したように、支持部36を挿通口44を通過させる際に、案内経路Wで支持されるシャッター30A,30Bの通常姿勢から交差する厚み方向表側へシャッター30A,30Bを変形させる必要がある。第1シャッター30Aを挿脱する挿通口44は、第2案内経路W2の湾曲部分における第1案内経路W1側に設けられているから、挿通口44を介して支持部36を挿脱する際に、第2案内経路W2で支持されるシャッター30A,30Bの部分から挿通口44を介して外方に取り出したシャッター30A,30Bの部分までの曲がりを小さくすることができる。また、第2シャッター30Bを挿脱する挿通口44は、第2案内経路W2において直線部分に隣接する湾曲部分に設けられているから、挿通口44を介して支持部36を挿脱する際に、第2案内経路W2で支持されるシャッター30A,30Bの部分から挿通口44を介して外方に取り出したシャッター30A,30Bの部分までの曲がりを小さくすることができる。このように、挿通口44は、外側案内片40における第2案内経路W2の湾曲部分に設けることで、挿通口44を介して支持部36を挿脱する際に、シャッター30A,30Bの変形度合いを抑えることができ、レールRに対するシャッター30A,30Bの着脱作業を行い易くできる。
【0034】
(変更例)
前述した構成に限定されず、例えば以下のようにも変更することが可能である。
(1)シャッターは、開閉方向閉側の先頭に位置する支持部が該シャッターの開放位置において挿通口よりも開閉方向閉側に配置される構成であれば、2以上の支持部を挿通口よりも開閉方向閉側に配置してもよい。
(2)実施例では、シャッターの夫々に対応して挿通口を設けたが、一方のシャッターに対応して本発明に係るシャッターの着脱構造を適用して、他方のシャッターについては、一方のシャッターのための挿通口を利用して支持部を挿脱してもよい。
(3)先頭の支持部を挿通口に重なるように強制的に変位し得る構成は実施例に限られず、例えば、シャッターを開放位置で移動規制する開放規制部を、開閉方向に弾力的に変位可能に構成して、シャッターを開閉方向開側へ押し込むことで開閉規制部が開閉方向開側へ変形して、開放位置を越えてシャッターの開閉方向開側への全体的な変位を許容する態様など、その他の構成を採用し得る。
(4)実施例では、第2案内経路の湾曲部分に挿通口を配置したが、第1案内経路の湾曲部分に挿通口を配置しても、第1案内経路および第2案内経路の両方にかかるように挿通口を配置してもよい。
(5)シャッターの構成は実施例に限られず、背景技術で説明したように、板状小片をヒンジで連結する構成など、その他の構成を採用し得る。