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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-166677(P2015-166677A)
(43)【公開日】2015年9月24日
(54)【発明の名称】ガス検知器
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/12 20060101AFI20150828BHJP
   G01N 27/00 20060101ALI20150828BHJP
【FI】
   G01N27/12 D
   G01N27/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2014-40556(P2014-40556)
(22)【出願日】2014年3月3日
(71)【出願人】
【識別番号】000190301
【氏名又は名称】新コスモス電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080621
【弁理士】
【氏名又は名称】矢野 寿一郎
(72)【発明者】
【氏名】岡村 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】早川 正博
(72)【発明者】
【氏名】岩井 信夫
(72)【発明者】
【氏名】田村 洋
(72)【発明者】
【氏名】谷口 卓史
【テーマコード(参考)】
2G046
2G060
【Fターム(参考)】
2G046AA02
2G046AA07
2G046AA11
2G046AA19
2G046BH01
2G046DC12
2G046DC13
2G060AA02
2G060AB05
2G060AB08
2G060AB17
2G060AE19
2G060BA03
2G060BC03
2G060HE02
2G060HE10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電気が通っていない場所(未開地等)また震災時等のように、電力を確保することが困難な状況においても、被検知ガスの検知を行うことができる、ガス検知器を提供する。
【解決手段】被検知ガスを検知するセンサ部11と、ガス検知器1の各種動作を制御する制御部14と、制御部14はベース出力調整機構17を有する。作業者が手動で操作することによって発電する発電部16と、発電部16が発電した電力によって、センサ部11が被検知ガスを検知する動作を行う、ガス検知器1とする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検知ガスを検知するセンサ部と、
作業者が手動で操作することによって発電する発電部と、
前記発電部が発電した電力によって、前記センサ部が前記被検知ガスを検知する動作を行う、
ガス検知器。
【請求項2】
前記発電部が発電した電力を蓄電する前記蓄電部を備え、
前記蓄電部に蓄電された電力によって、前記センサ部が前記被検知ガスを検知する動作を行う、
請求項1に記載のガス検知器。
【請求項3】
検知スイッチを備え、
前記検知スイッチが操作されることによって、前記蓄電部から前記センサ部への電力の供給が行われて前記センサ部が前記被検知ガスを検知する動作を開始し、また、前記蓄電部から前記センサ部への電力の供給が停止されて前記センサ部が前記被検知ガスを検知する動作を停止する、
請求項2に記載のガス検知器。
【請求項4】
前記発電部が発電した電力によって前記センサ部において前記被検知ガスを検知する動作が正常に行われるか否かの点検を行う点検部を備える、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のガス検知器。
【請求項5】
前記被検知ガスを吸引して前記センサ部に流通させる吸引部を備える、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のガス検知器。
【請求項6】
前記吸引部によって吸引された前記被検知ガスを貯留する被検知ガス貯留部を備え、
必要に応じて前記被検知ガス貯留部に貯留した被検知ガスを前記センサ部に流通させる、
請求項5に記載のガス検知器。
【請求項7】
清浄空気を予め貯留する清浄空気貯留部を備え、
必要に応じて前記清浄空気貯留部に貯留した前記清浄空気を前記センサ部に流通させる、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のガス検知器。
【請求項8】
前記吸引部は、前記作業者が手動で操作することによって前記被検知ガスを吸引する動作を行うものであり、前記作業者が手動で前記発電部を操作したときに前記被検知ガスを吸引する動作を行う、
請求項5から請求項7のいずれか一項に記載のガス検知器。
【請求項9】
前記被検知ガスの検知を行うときに前記作業者によって把持される本体ケースを備え、
前記センサ部は、前記本体ケースと分離して構成され、前記作業者と離れた位置の前記被検知ガスを検知する、
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のガス検知器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス検知器の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、センサ部を備え、所定の非検知ガスを検知するガス検知器に関する技術は公知となっている(特許文献1参照)。
前記ガス検知器のセンサ部は、例えば、酸素センサ、COセンサ、メタンセンサ、または、都市ガスセンサ等のガスセンサで構成される。センサ部は、電力が供給されることによって被検知ガスを検知する動作を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−103887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記ガス検知器は、外部電源から直接電力を得て、または、予め蓄電池に蓄電された電力によって、被検知ガスを検知する動作を行う構成とされる。
このため、前記ガス検知器では、電気が通っていない場所(未開地等)また震災時等のように、電力を確保することが困難な状況においては、被検知ガスを検知することができない場合がある。
【0005】
発明は以上の如き状況に鑑みてなされたものであり、電力を確保することが困難な状況においても、被検知ガスの検知を確実に行うことができるガス検知器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、本願に開示するガス検知器においては、被検知ガスを検知するセンサ部と、作業者が手動で操作することによって発電する発電部と、前記発電部が発電した電力によって、前記センサ部が前記被検知ガスを検知する動作を行うとしたものである。
【0008】
本願に開示するガス検知器は、上記構成を基本として、以下のような態様をとることができる。
本願に開示するガス検知器においては、前記発電部が発電した電力を蓄電する前記蓄電部を備え、前記蓄電部に蓄電された電力によって、前記センサ部が前記被検知ガスを検知する動作を行うとすることが好ましい。
【0009】
本願に開示するガス検知器においては、検知スイッチを備え、前記検知スイッチが操作されることによって、前記蓄電部から前記センサ部への電力の供給が行われて前記センサ部が前記被検知ガスを検知する動作を開始し、また、前記蓄電部から前記センサ部への電力の供給が停止されて前記センサ部が前記被検知ガスを検知する動作を停止するとすることが好ましい。
【0010】
本願に開示するガス検知器においては、前記発電部が発電した電力によって前記センサ部において前記被検知ガスを検知する動作が正常に行われるか否かの点検を行う点検部を備えるとすることが好ましい。
【0011】
本願に開示するガス検知器においては、前記被検知ガスを吸引して前記センサ部に流通させる吸引部を備えるとすることが好ましい。
【0012】
本願に開示するガス検知器においては、前記吸引部によって吸引された前記被検知ガスを貯留する被検知ガス貯留部を備え、必要に応じて前記被検知ガス貯留部に貯留した被検知ガスを前記センサ部に流通させるとすることが好ましい。
【0013】
本願に開示するガス検知器においては、清浄空気を予め貯留する清浄空気貯留部を備え、必要に応じて前記清浄空気貯留部に貯留した前記清浄空気を前記センサ部に流通させるとすることが好ましい。
【0014】
本願に開示するガス検知器においては、前記吸引部は、前記作業者が手動で操作することによって前記被検知ガスを吸引する動作を行うものであり、前記作業者が手動で前記発電部を操作したときに前記被検知ガスを吸引する動作を行うとすることが好ましい。
【0015】
本願に開示するガス検知器においては、前記被検知ガスの検知を行うときに前記作業者によって把持される本体ケースを備え、前記センサ部は、前記本体ケースと分離して構成され、前記作業者と離れた位置の前記被検知ガスを検知するとすることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明によれば、電力を確保することが困難な状況においても、被検知ガスの検知を確実に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係るガス検知器を示す正面図。
図2】同じくガス検知器を示す背面図。
図3】同じくガス検知器を示す平面図。
図4】同じくガス検知器を示すブロック図。
図5】同じくガス検知器を示す正面図。
図6】同じくガス検知器を示す側面図。
図7】同じくガス検知器を示す正面図。
図8】同じくガス検知器を示すブロック図。
図9】同じくガス検知器を示すブロック図。
図10】同じくガス検知器を示す正面図。
図11】同じくガス検知器を示すブロック図。
図12】同じくガス検知器を示す正面図。
図13】同じくガス検知器を示すブロック図。
図14】同じくガス検知器を示す正面図。
図15】同じくガス検知器を示すブロック図。
図16】同じくガス検知器を示す正面図。
図17】同じくガス検知器を示す正面図。
図18】同じくガス検知器を示す正面図。
図19】同じくガス検知器を示すブロック図。
図20】同じくガス検知器を示す正面図。
図21】同じくガス検知器を示す正面図。
図22】同じくガス検知器を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1から図6に記載のガス検知器1について説明する。
【0019】
ガス検知器1は、作業者に操作されることによって被検知ガスの検知を行うものであり、携帯用のガス検知器として構成される。
図1乃至図6に示すように、ガス検知器1は、本体ケース2と、制御ケース3と、センサ部11と、表示部12と、警報部13と、制御部14と、ベース出力調整部15と、発電部16と、を備える。
【0020】
本体ケース2は、被検知ガスを検知する作業を行うときに作業者によって把持される部分であり、略四角柱状に構成される。本体ケース2の長手方向一端部に制御ケース3が設けられ、本体ケース2の側部に発電部16が設けられる。
【0021】
制御ケース3は、上面部が網目状の略円錐台状に構成される。制御ケース3の側面部の二箇所の対向する位置に段差部が形成される。
制御ケース3内にセンサ部11と制御部14とが配置され、前記制御ケース3の二箇所の段差部のうち一方の段差部に表示部12と警報部13とが配置される。前記制御ケース3の二箇所の段差部のうち他方の段差部は、ガス検知器1の動作を操作する操作具が配置される操作具配置部3aとして構成される。
【0022】
センサ部11は、外部環境の変化を検知するものであり、例えば、酸素センサ、COセンサ、メタンセンサ、または、都市ガスセンサ等のガスセンサで構成される。センサ部11は、公知の半導体式センサ素子、接触燃焼式センサ素子、または、それら以外のセンサ素子等によって、被検知ガスを検知する。
センサ部11は、制御部14に接続される。センサ部11は、制御ケース3内に配置され、制御ケース3の上面部(上面部の網目状の隙間)から制御ケース3内に流入する被検知ガスを検知する。センサ部11は、電力が供給されることによって被検知ガスを検知する動作を行う。センサ部11は、前記電力の供給が停止されることによって被検知ガスを検知する動作を停止する。センサ部11は、例えば、ガス濃度が100ppm程度まで被検知ガスを検知することができる。
なお、センサ部11は、検出する被検知ガスのガス濃度に所定の上限または下限を設けて設定することもできる。
【0023】
表示部12は、ガス検知器1の各種動作状態を表示する。表示部12は、制御部14に接続される。表示部12は、三個(複数個)の発光する色がそれぞれ異なるLED(発光ダイオード)で構成される。以下において、表示部12の三個のLEDを、第一LED12a、第二LED12b、第三LED12cとそれぞれ称して説明する。例えば、第一LED12aは緑色に発光し、第二LED12bは柿色に発光し、第三LED12cは赤色に発光するようにそれぞれ構成される。
【0024】
第一LED12a、第二LED12b、および、第三LED12cは、ガス検知器1の各種動作状態に応じて、それぞれ点灯もしくは消灯、または、それぞれ異なるパターンで点滅点灯する。第一LED12aは、例えば、電力が供給されてセンサ部11が被検知ガスを検知可能な状態のときに点灯し、電力の供給が停止されてセンサ部11が被検知ガスを検知できない状態のときに消灯するように設定される。第二LED12bと第三LED12cは、例えば、センサ部11が被検知ガスを検知したときに、それぞれ異なる間隔で点滅点灯するように設定される。第二LED12bは、比較的薄いガス濃度の被検知ガスをセンサ部11が検知したときに、比較的遅い間隔で点滅点灯する。第三LED12cは、比較的濃いガス濃度の被検知ガスをセンサ部11が検知したときに、比較的早い間隔で点滅点灯する。
なお、表示部12は、LEDの個数または発光する色をこれらのものに限定するものではなく、単数個のLEDで構成してもよく、また、複数個のLEDをそれぞれ同色に発光するもので構成してもよい。また、表示部12は、LEDで構成することに限定するものではなく、例えば、液晶画面等で構成してもよい。
【0025】
警報部13は、ガス検知器1の各種動作状態に応じて警報音を発する。警報部13は、制御部14に接続される。警報部13は、例えば、比較的薄いガス濃度の被検知ガスをセンサ部11が検知して第二LED12bが点滅点灯しているときに間欠音を発し、また、比較的濃いガス濃度の被検知ガスをセンサ部11が検知して第三LED12cが点滅点灯しているときに連続音を発する。
【0026】
制御部14は、ガス検知器1の各種動作を制御する。
制御部14は、ベース出力調整機構17を有する。
【0027】
制御部14のベース出力調整機構17は、作業者がベース出力調整部15を操作することによって、雰囲気中に被検知ガスが存在しないときのベース出力によるゼロ点調整が行われるように構成される。ベース出力調整部15は、可変抵抗器等のボリューム部材で構成され、制御ケース3の操作具配置部3aに配置される。
なお、ベース出力調整機構17は、自動的に雰囲気中に被検知ガスが存在しないときのベース出力によるゼロ点調整が行われる構成とすることもできる。
【0028】
発電部16は、作業者が手動で操作することによって発電する手動式の発電機で構成される。発電部16は、ガス検知器1が各種動作を行うための電力を発電する。発電部16は、制御部14に接続される。発電部16において発電した電力は、制御部14を介してガス検知器1の各部に供給される。
【0029】
発電部16は、回転することによって電力を発生する回転式の発電機であり、回転ハンドル30と、発電機構(不図示)と、を有する。回転ハンドル30は、回転台31と、アーム32と、つまみ部33と、で構成される。
回転台31は、本体ケース2の側部に回転可能に設けられる。回転台31は、本体ケース2の長手方向略中央部に配置される。
アーム32は、その一端部にピン(不図示)挿通されて、回転台31に設けられる。アーム32は、前記ピンを回動軸として回動可能に構成される。
つまみ部33は、ピン(不図示)が挿通されて、アーム32の他端部に設けられる。つまみ部33は、前記ピンを回転軸として回転可能に構成される。
【0030】
発電部16を操作するときには、まず、本体ケース2の長手方向他端部(本体ケース2の制御ケース3が設けられる側と反対側)に回転ハンドル30のつまみ部33が当接して保持されている状態から、本体ケース2の長手方向一端部側にアーム32を回動させた状態にする(図5参照)。発電部16では、このような状態において、作業者が回転ハンドル30のつまみ部33を摘んでアーム32とともに回転台31を回転させて、本体ケース2内の発電機構を駆動させる(図6参照)。このように操作することによって、発電部16は発電する。
そして、センサ部11は、発電部16が発電した電力によって、被検知ガスを検知する動作を行う。
【0031】
なお、ガス検知器1は、発電部16が発電している状態を作業者に知らせるように構成することもできる。例えば、ガス検知器1は、発光部材(LED等)を備え、発電部16が発電している状態のときに前記発光部材が発光する構成とする。また例えば、ガス検知器1は、発音機構(ブザー等)を備え、発電部16が発電している状態のときに前記発音機構が音声を発する構成とする。
【0032】
以上のように、手動式の発電部16を備えるガス検知器1では、作業者が手動で操作することによって発電部16が発電し、発電部16が発電した電力によって、センサ部11が被検知ガスを検知する動作を行う。
したがって、ガス検知器1によれば、電気が通っていない場所(未開地等)また震災時等のように、電力を確保することが困難な状況においても、被検知ガスの検知を確実に行うことができる。
【0033】
センサ部11は、種々の被検知ガスに対応したものに交換可能に構成することもできる。
このとき、センサ部11は、低消費電力のガスセンサ(例えば、電気化学式、または、光学式のセンサ等のガスセンサ)を用いてモジュール化される。
【0034】
以上のように、センサ部11が被検知ガスに対応したものに交換可能に構成されるガス検知器1では、用途に応じてセンサ部11を交換して、種々の被検知ガスを検知することができる。
【0035】
次に、図7図8に記載のガス検知器1について説明する。
【0036】
図7乃至図8に示すように、ガス検知器1は、本体ケース2と、制御ケース3と、センサ部11と、表示部12と、警報部13と、制御部14と、ベース出力調整部15と、発電部16と、蓄電部18と、を備える。
【0037】
蓄電部18は、発電部16が発電した電力を蓄電する蓄電器で構成される。蓄電部18は、ガス検知器1が数分間(例えば、3分間)動作可能な電力を蓄電できるように構成される。蓄電部18において蓄電された電力は、制御部14を介してガス検知器1の各部に供給される。蓄電部18は、本体ケース2内に配置される。
【0038】
センサ部11は、発電部16が発電して蓄電部18に蓄電された電力によって、被検知ガスを検知する動作を行う。
【0039】
表示部12の第一LED12aは、例えば、蓄電部18から電力が供給されてセンサ部11が被検知ガスを検知可能な状態のときに点灯し、蓄電部18から電力の供給が停止されてセンサ部11が被検知ガスを検知できない状態のときに消灯するように設定される。また例えば、第一LED12aは、センサ部11において被検知ガスを検知可能な電力が蓄電部18に蓄電された状態となったときに、点滅点灯するように設定してもよい。
【0040】
以上のように、蓄電部18を備えるガス検知器1では、発電部16が発電して蓄電部18に蓄電された電力によって、センサ部11が被検知ガスを検知する動作を行う。
このため、ガス検知器1では、被検知ガスを検知する作業を行う前に、予め、発電部16で発電した電力が蓄電部18に蓄電された状態とすることができる。
したがって、ガス検知器1によれば、被検知ガスを検知する作業中は発電部16の操作を要さずに被検知ガスを検知する作業を行うことができ、被検知ガスを検知する作業を容易に行うことができる。
【0041】
また、ガス検知器1は、検知スイッチ19を備える。
検知スイッチ19は、制御部14に接続される。検知スイッチ19は、作業者によってONまたはOFFの操作がされることによって、被検知ガスの検知を行う動作の開始または停止を行うように構成される。検知スイッチ19は、本体ケース2の側部に設けられる。検知スイッチ19は、本体ケース2の発電部16が配置される側面と対向する側面に配置される。
検知スイッチ19がONされると、蓄電部18からセンサ部11への電力の供給が行われて、センサ部11が被検知ガスを検知する動作を開始する。検知スイッチ19がOFFされると、蓄電部18からセンサ部11への電力の供給が停止されて、センサ部11が被検知ガスを検知する動作を停止する。
【0042】
以上のように、検知スイッチ19を備えるガス検知器1では、検知スイッチ19が操作されることによって、蓄電部18からセンサ部11への電力の供給が行われて、センサ部11が被検知ガスを検知する動作を開始し、また、蓄電部18からセンサ部11への電力の供給が停止されて、センサ部11が被検知ガスを検知する動作を停止する。
このため、ガス検知器1では、被検知ガスを検知する作業を開始するまで、検知スイッチ19をOFFの状態にして蓄電部18からセンサ部11への電力の供給が停止することができる。
したがって、ガス検知器1によれば、被検知ガスを検知する作業の前に充電部に充電した電力が無くなって、被検知ガスを検知する作業ができなくなることを防止することができる。
【0043】
センサ部11は、被検知ガスを検知する動作を行わないときに、被測定雰囲気に接することを防止するとともに、被検知ガスを検知する動作を行うときに、被測定雰囲気に接する構成とすることもできる。
このとき、センサ部11は、蓋部材またはフィルタ部材等で構成される開閉部を有し、開閉部が開閉することによって、被測定雰囲気に接することを防止、または、被測定雰囲気に接する構成とする。
【0044】
次に、図7図9図10に記載のガス検知器1について説明する。
【0045】
図7図9乃至図10に示すように、ガス検知器1は、本体ケース2と、制御ケース3と、センサ部11と、表示部12と、警報部13と、制御部14と、ベース出力調整部15と、発電部16と、蓄電部18と、検知スイッチ19と、点検部20と、点検スイッチ21と、を備える。
【0046】
点検部20は、発電部16が発電した電力によってセンサ部11において被検知ガスを検知する動作が正常に行われるか否かの点検を行う。点検部20は、制御部14に接続される。点検部20は、制御ケース3内に配置される。
【0047】
点検スイッチ21は、作業者によってONまたはOFFの操作がされることによって、前記点検部20の動作(センサ部11において被検知ガスを検知する動作が正常に行われるか否かの点検を行う動作)の開始または停止を行うように構成される。点検スイッチ21は、制御部14に接続される。点検スイッチ21は、制御ケース3の操作具配置部3aに配置される。
【0048】
以上のように、点検部20を備えるガス検知器1では、点検部20によって、センサ部11において被検知ガスを検知する動作が正常に行われるか否かの点検作業を行うことができる。
したがって、ガス検知器1では、センサ部11に動作不良が生じていることを事前に把握することができ、被検知ガスを検知する作業を行うときになって、センサ部11の動作不良によって被検知ガスを検知することができないことが判明することを防止することができる。
【0049】
ガス検知器1では、発電部16で発電された電力を蓄電部18に蓄電するか否かを選択できる、選択手段を設けてもよい。このような構成を設けることによって、例えば、蓄電部18に電力が蓄電された状態では、前記選択手段を操作して発電部16で発電された電力を蓄電部18に蓄電しない状態として、発電部16で発電を行いながら、当該発電部16で発電された電力で点検部20によるセンサ部11の点検を行う。このようにすることによって、蓄電部18に蓄電された電力を消費せずに点検部20によるセンサ部11の点検を行うことができ、当該センサ部11の点検後、すぐに蓄電部18に蓄電された電力によってセンサ部11による被検知ガスの検知を行うことができる。
なお、ガス検知器1は、蓄電部18と検知スイッチ19とを備えずに、本体ケース2と、制御ケース3と、センサ部11と、表示部12と、警報部13と、制御部14と、ベース出力調整部15と、点検部20と、点検スイッチ21と、を備える構成であってもよい。
【0050】
次に、図7図11図12に記載のガス検知器1について説明する。
【0051】
図7図11乃至図12に示すように、ガス検知器1は、本体ケース2と、制御ケース3と、センサ部11と、表示部12と、警報部13と、制御部14と、ベース出力調整部15と、発電部16と、蓄電部18と、検知スイッチ19と、吸引部22と、吸引スイッチ23と、を備える。
【0052】
吸引部22は、電動式の吸引ポンプで構成され、制御ケース3の上面部から制御ケース3内に被検知ガスを吸引する。吸引部22は、被検知ガスを吸引してセンサ部11に流通させる。吸引部22は、制御部14に接続される。吸引部22は、制御ケース3内に配置される。
【0053】
吸引スイッチ23は、作業者によってONまたはOFFの操作がされることによって、前記吸引部22の被検知ガスを吸引する動作の開始または停止を行うように構成される。吸引スイッチ23は、制御部14に接続される。吸引スイッチ23は、制御ケース3の操作具配置部3aに配置される。
【0054】
以上のように、吸引部22を備えるガス検知器1では、吸引部22によって被検知ガスを吸引してセンサ部11に流通させる。
このため、ガス検知器1では、被検知ガスを吸引することなくセンサ部11に流通するまで待つ構成のものに比べて、センサ部11による被検知ガスの検知を早く行うことができる。
したがって、ガス検知器1では、被検知ガスを検知する作業を、効率良くまた確実に行うことができる。
【0055】
なお、ガス検知器1は、上記構成に加えて、点検部20と点検スイッチ21とを備える構成であってもよい。また、ガス検知器1は、蓄電部18と検知スイッチ19とを備えずに、本体ケース2と、制御ケース3と、センサ部11と、表示部12と、警報部13と、制御部14と、ベース出力調整部15と、吸引部22と、吸引スイッチ23と、を備える構成であってもよい。
【0056】
次に、図7図13図14に記載のガス検知器1について説明する。
【0057】
図7図13乃至図14に示すように、ガス検知器1は、本体ケース2と、制御ケース3と、センサ部11と、表示部12と、警報部13と、制御部14と、ベース出力調整部15と、発電部16と、蓄電部18と、検知スイッチ19と、吸引部22と、吸引スイッチ23と、被検知ガス貯留部24と、貯留ガススイッチ25と、清浄空気貯留部26と、貯留空気スイッチ27と、を備える。
【0058】
被検知ガス貯留部24は、吸引部22によって制御ケース3内に吸引された被検知ガスを一時的に貯留する。被検知ガス貯留部24は、必要に応じて、前記貯留した被検知ガスをセンサ部11に流通させる。被検知ガス貯留部24は、制御部14に接続される。被検知ガス貯留部24は、制御ケース3内に配置される。
【0059】
貯留ガススイッチ25は、作業者によってONまたはOFFの操作がされることによって、被検知ガス貯留部24内の被検知ガスをセンサ部11に流通させる動作の開始または停止を行うように構成される。貯留ガススイッチ25は、制御部14に接続される。貯留ガススイッチ25は、制御ケース3の操作具配置部3aに配置される。
【0060】
以上のように、被検知ガス貯留部24を備えるガス検知器1では、吸引部22によって吸引された被検知ガスを被検知ガス貯留部24において貯留し、必要に応じて当該貯留した被検知ガスをセンサ部11に流通させる。
このため、ガス検知器1では、被検知ガスを吸引する動作と、被検知ガスを検知する動作と、を分けて行うことができる。
【0061】
また、ガス検知器1では、被検知ガス貯留部24の被検知ガスの貯留状況(被検知ガス貯留部24が吸引された被検知ガスで充たされたか否かに関する状況)を確認する、ガス貯留状況確認手段を設けてもよい。このとき、ガス検知器1は、前記ガス貯留状況確認手段の確認に基づいて、被検知ガス貯留部24が被検知ガスで充たされた場合には、被検知ガス貯留部24への被検知ガスの流入を遮断するように流路を制御する、または吸引部22による被検知ガスの吸引を停止する構成でもよい。
ガス検知器1は、吸引部22によって吸引された被検知ガスを、外部へ排出する、またはセンサ部11若しくは被検知ガス貯留部24へ導入する、ように被検知ガスの流路を制御する構成でもよい。例えば、蓄電部18に蓄電が完了した段階で、吸引部22によって吸引された被検知ガスがセンサ部11(被検知ガス貯留部24)へ流入するように被検知ガスの流路を制御する流路制御機構を設けてもよい。前記流路制御機構は、スイッチによって被検知ガスの流路を切り替える構成でもよく、ガス検知器1の状態の変化(例えば、蓄電部18において蓄電が十分にされたこと)に基づいて、被検知ガスの流路を自動的に切り替える構成でもよい。
【0062】
清浄空気貯留部26は、清浄空気を予め貯留する。清浄空気貯留部26は、必要に応じて(ベース出力調整機構17によってベース出力によるゼロ点調整を行うときに)、前記貯留した清浄空気をセンサ部11に流通させる。清浄空気貯留部26は、制御部14に接続される。清浄空気貯留部26は、制御ケース3内に配置される。
【0063】
貯留空気スイッチ27は、作業者によってONまたはOFFの操作がされることによって、清浄空気貯留部26内の清浄空気をセンサ部11に流通させる動作の開始または停止を行うように構成される。貯留空気スイッチ27は、制御部14に接続される。貯留空気スイッチ27は、制御ケース3の操作具配置部3aに配置される。
【0064】
以上のように、清浄空気貯留部26を備えるガス検知器1では、清浄空気貯留部26において清浄空気を予め貯留し、例えば、ベース出力調整機構17によってベース出力によるゼロ点調整を行うときに、当該貯留した清浄空気をセンサ部11に流通させることができる。
このため、ガス検知器1では、ベース出力調整機構17によってベース出力によるゼロ点調整を行う作業を容易に行うことができる。
【0065】
ガス検知器1では、清浄空気貯留部26の貯留状況(清浄空気貯留部26が清浄空気で充たされているか否かに関する状況)を確認する、清浄空気貯留状況確認手段を設けてもよい。
ガス検知器1は、前記ガス貯留状況確認手段または前記清浄空気貯留状況確認手段の確認に基づいて、被検知ガス貯留部24または清浄空気貯留部26からセンサ部11等への流路を遮断するように構成してもよい。例えば、被検知ガス貯留部24に貯留された被検知ガスが全て排出された場合、または、清浄空気貯留部26に貯留された清浄空気が全て排出された場合に、被検知ガス貯留部24または清浄空気貯留部26からセンサ部11等への流路を遮断する構成とする。
なお、ガス検知器1は、上記構成に加えて、点検部20と点検スイッチ21とを備える構成であってもよい。ガス検知器1は、被検知ガス貯留部24と貯留ガススイッチ25とを備えずに、清浄空気貯留部26と貯留空気スイッチ27とを備える構成であってもよい。ガス検知器1は、清浄空気貯留部26と貯留空気スイッチ27とを備えずに、被検知ガス貯留部24と貯留ガススイッチ25とを備える構成であってもよい。ガス検知器1は、蓄電部18と検知スイッチ19、および/または、吸引部22と吸引スイッチ23、を備えずに、本体ケース2と、制御ケース3と、センサ部11と、表示部12と、警報部13と、制御部14と、ベース出力調整部15と、被検知ガス貯留部24と、貯留ガススイッチ25と、清浄空気貯留部26と、貯留空気スイッチ27と、を備える構成であってもよい。
【0066】
次に、図7図15図16に記載のガス検知器1について説明する。
【0067】
図7図15乃至図16に示すように、本体ケース2と、制御ケース3と、センサ部11と、表示部12と、警報部13と、制御部14と、ベース出力調整部15と、発電部16と、蓄電部18と、検知スイッチ19と、吸引部22と、被検知ガス貯留部24と、貯留ガススイッチ25と、清浄空気貯留部26と、貯留空気スイッチ27と、を備える。
【0068】
発電部16と吸引部22とは、一体的に構成される。
吸引部22は、作業者が手動で操作することによって被検知ガスを吸引する動作を行う、手動式の吸引ポンプで構成される。吸引部22は、作業者が手動で発電部16を操作したときに、被検知ガスを吸引する動作を行う。吸引部22は、作業者が発電部16のつまみ部33を摘んでアーム32とともに回転台31を回転させることによって、被検知ガスを吸引する動作を行う。吸引部22は、被検知ガスを吸引する動作の動力(作業者)を発電部16と共通に構成される。
【0069】
以上のように、ガス検知器1では、作業者が手動で発電部16を操作したときに、吸引部22が被検知ガスを吸引する動作を行う。
したがって、ガス検知器1によれば、電力を確保することが困難な状況においても、吸引部22による被検知ガスを吸引する動作を行うことができる。また、ガス検知器1によれば、発電部16が動作する動力と吸引部22が動作する動力とが共通するため、吸引部22を有するものであってもコンパクトに構成することができる。
【0070】
なお、ガス検知器1は、上記構成に加えて、点検部20と点検スイッチ21とを備える構成であってもよい。ガス検知器1は、蓄電部18と検知スイッチ19、被検知ガス貯留部24と貯留ガススイッチ25、および/または、清浄空気貯留部26と貯留空気スイッチ27、を備えずに、本体ケース2と、制御ケース3と、センサ部11と、表示部12と、警報部13と、制御部14と、ベース出力調整部15と、発電部16と、吸引部22と、を備える構成であってもよい。
【0071】
次に、図17に記載のガス検知器1について説明する。
【0072】
図17に示すように、ガス検知器1は、本体ケース2と、制御ケース3と、センサケース4と、を備える。
制御ケース3は、略円錐台状に構成される。
センサケース4は、制御ケース3と分離して構成される。センサケース4は、側面の一部に、被検知ガスがセンサケース4内に流入する流入口(不図示)を有する。
センサ部11は、センサケース4内に配置され、センサケース4内に流入する被検知ガスを検知する。センサ部11は、制御ケース3(制御部14)と有線で接続される。発電部16において発電した電力は、有線5を介してセンサ部11に供給される。センサ部11において検知した情報は、有線通信を介して制御ケース3(制御部14)に送信される。
ガス検知器1では、センサケース4(センサ部11)が、制御ケース3(制御ケース3内の制御部14等)と分離して構成され、制御ケース3および本体ケース2(作業者)と離れた位置の被検知ガスを検知する。
【0073】
以上のように、センサ部11が本体ケース2と分離して構成される、ガス検知器1では、作業者と離れた位置の被検知ガスを検知することができる。ガス検知器1では、例えば、センサ部11をマンホール内に投入して、マンホールの中に作業者が侵入することなく、マンホール内の被検知ガスを検知することができる。
したがって、ガス検知器1では、作業者が立ち入ることが困難な場所においても、被検知ガスを検知する作業を行うことができる。
【0074】
次に、図18図19に記載のガス検知器1について説明する。
【0075】
図18乃至図19に示すように、ガス検知器1は、本体ケース2と、制御ケース3と、センサケース4と、センサ部11と、表示部12と、警報部13と、制御部14と、ベース出力調整部15と、発電部16と、蓄電部18と、検知スイッチ19と、を備える。
【0076】
ガス検知器1では、センサケース4(センサ部11)が、制御ケース3(制御ケース3内の制御部14等)と分離して構成され、制御ケース3および本体ケース2(作業者)と離れた位置の被検知ガスを検知する。
センサ部11は、制御ケース3(制御部14)と無線通信で接続される。センサ部11において検知した情報は、無線通信を介して制御ケース3(制御部14)に送信される。発電部16において発電した電力は、有線5を介して接続されないため、本体ケース2からセンサ部11に供給されない。
センサ部11は、センサ発電部28とセンサ蓄電部29とを備える。
【0077】
センサ発電部28は、作業者が手動で操作することによって発電する手動式の発電機であり、センサ部11用の発電機として構成される。センサ発電部28は、センサ部11における制御部14と通信する動作およびセンサ部11における被検知ガスを検知する動作、を行うための電力を発電する。センサ発電部28は、センサケース4内に配置される。
【0078】
センサ蓄電部29は、センサ発電部28が発電した電力を蓄電する蓄電器であり、センサ部11用の蓄電器として構成される。センサ蓄電部29は、センサ部11が数分間(例えば、3分間)動作可能な電力を蓄電できるように構成される。センサ蓄電部29は、センサケース4内に配置される。
【0079】
以上のように、センサ部11において検知した情報が無線通信を介して制御部14に送信され、センサ部11がセンサ発電部28(センサ部11用の発電機)とセンサ蓄電部29(センサ部11用の蓄電器)とを備える、ガス検知器1では、センサ発電部28が発電してセンサ蓄電部29に蓄電された電力によって、センサ部11が被検知ガスを検知する動作を行う。
このため、ガス検知器1では、本体ケース2からセンサ部11に電力が供給されない構成であっても、作業者と離れた位置の被検知ガスを検知することができる。
【0080】
上記例では、センサ部11にセンサ発電部28とセンサ蓄電部29とを設けたが、このような構成に限らず、センサ部11は、一次電池(例えば乾電池)を備え、当該一次電池を電源として駆動する構成としてもよい。このように構成することによって、ガス検知器1を使用する際は、本体ケース2側の駆動に要する電力のみ発電部16(手動式の発電機)で発電すれば使用できるので、ガス検知器1を使用するにあたって発電に要する時間を短縮することができる。
また、センサ部11に被検知ガスを検知した情報を記憶する記憶部を設けてもよい。このように構成することによって、本体ケース2側(制御部14の記憶装置)が駆動していない期間に、センサ部11によって検知した情報を前記センサ部11の記憶部で記憶しておくことができ、また、本体ケース2側が駆動した後に、当該センサ11の記憶部で記憶した情報を本体ケース2側に送信することができる。
また、ガス検知器1は、センサケース4と制御ケース3(または本体ケース2)とに係合手段を設け、当該係合手段によってこれらを着脱可能に構成してもよい。このように構成することによって、センサケース4が制御ケース3(または本体ケース2)に装着されている場合には、これらが電気的に接続され、発電部16で発電された電力がセンサケース4のセンサ蓄電部29に蓄電されるように構成してもよい。この場合、発電部16で発電された電力を、蓄電部18またはセンサ蓄電部29のいずれに導通させるかを切り替えるための、導通切替手段を、本体ケース2に設けても良い。
前記導通切替手段を設けずに、ガス検知器1は、蓄電部18およびセンサ蓄電部29のうちいずれか一方への蓄電が完了すると、いずれか他方への蓄電を行うように制御する構成としてもよい。
なお、ガス検知器1は、上記構成に加えて、点検部20と点検スイッチ21、被検知ガス貯留部24と貯留ガススイッチ25、および/または、清浄空気貯留部26と貯留空気スイッチ27、を備える構成であってもよい。また、ガス検知器1は、蓄電部18と検知スイッチ19とを備えずに、本体ケース2と、制御ケース3と、センサケース4と、センサ発電部28とセンサ蓄電部29とを備えるセンサ部11と、表示部12と、警報部13と、制御部14と、ベース出力調整部15と、発電部16と、を備える構成であってもよい。
【0081】
次に、図20図21に記載のガス検知器1について説明する。
【0082】
図20乃至図21に示すように、ガス検知器1では、発電部16は、押圧することによって電力を発生する押圧式の発電機であり、レバー34と、発電機構(不図示)と、付勢部材(不図示)を有する。
レバー34は、本体ケース2を握っている作業者によって握られて押圧されるものであり、本体ケース2の側部に設けられる。レバー34は、本体ケース2の長手方向略中央部に配置される。レバー34は、本体ケース2内の付勢部材によって付勢されるとともに、本体ケース2の短手方向に移動可能に構成される。レバー34は、作業者によって押圧されると、付勢部材の付勢力に反して本体ケース2の軸心側に移動し、また、作業者による押圧が解除されると、付勢部材の付勢力によって本体ケース2の軸心側と反対側に移動する。
発電部16では、レバー34を握って押圧する動作を繰り返すことによって、本体ケース2内の発電機構を駆動させる。このように操作することによって、発電部16は発電する。
【0083】
またこのとき、発電部16と吸引部22とは、一体的に構成することもできる。
吸引部22は、作業者が手動で操作することによって被検知ガスを吸引する動作を行う、手動式の吸引ポンプで構成される。吸引部22は、作業者が手動で発電部16を操作したときに、被検知ガスを吸引する動作を行う。吸引部22は、作業者が発電部16のレバー34を握って押圧する動作を繰り返すことによって、被検知ガスを吸引する動作を行う。吸引部22は、被検知ガスを吸引する動作の動力(作業者)を発電部16と共通に構成される。
上記例のように構成する場合、蓄電部18への蓄電が完了するまでは、吸引された被検知ガスを排出するように流路を制御し、蓄電部18への蓄電が完了した段階で、吸引された被検知ガスがセンサ部11へ流入するように流路を制御する流路制御機構を設けてもよい。
【0084】
次に、図22に記載のガス検知器1について説明する。
【0085】
図22に示すように、ガス検知器1では、発電部16は、振動することによって電力を発生する振動式の発電機であり、本体ケース2内に配置される。
発電部16では、本体ケース2を把持した状態でガス検知器1を小刻みに振る動作を繰り返すことによって、本体ケース2内の発電機構(不図示)を駆動(振動)させる。このように操作することによって、発電部16は発電する。
【0086】
またこのとき、発電部16と吸引部22とは、一体的に構成することもできる。
吸引部22は、作業者が手動で操作することによって被検知ガスを吸引する動作を行う、手動式の吸引ポンプで構成される。吸引部22は、作業者が手動で発電部16を操作したときに、被検知ガスを吸引する動作を行う。吸引部22は、本体ケース2を把持した状態でガス検知器1を小刻みに振る動作を繰り返すことによって、被検知ガスを吸引する動作を行う。吸引部22は、被検知ガスを吸引する動作の動力(作業者)を発電部16と共通に構成される。
【0087】
なお、ガス検知器1、および、ガス検知器1の各部材(本体ケース2や制御ケース3等)の構成は、上記載例に限らず、作業者が携帯し易くまた把持し易い構成であることが好ましい。例えば、本体ケース2は、円筒状に構成してもよく、また、ゴム製若しくは樹脂製等の滑止め部材を外面に備えて構成してもよい。
また、ガス検知器1の各部材(表示部12ベースや出力調整部15やスイッチ等の各種操作具等)が設けられる位置は、上記載例に限らず、作業者が操作し易い位置に設けられることが好ましい。例えば、ガス検知器1の各部材(表示部12ベースや出力調整部15やスイッチ等の各種操作具等)は、作業者が左手で本体ケース2を把持したときに、目視しながら右手で操作可能な位置に配置されることが好ましい。
また、ガス検知器1の表示部12が設けられる位置は、上記載例に限らず、作業者がガス検知器1を操作しながら認識し易い位置に設けられることが好ましい。例えば、ガス検知器1の表示部12は、作業者が左手で本体ケース2を把持して右手で発電部14を操作するときに、作業者が認識することができる位置(上方側)に配置されることが好ましい。
【符号の説明】
【0088】
1 ガス検知器
2 本体ケース
3 制御ケース
11 センサ部
12 表示部
13 警報部
14 制御部
15 ベース出力調整部
16 発電部
17 ベース出力調整機構
30 ハンドル
31 回転台
32 アーム
33 つまみ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
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図19
図20
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図22