(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-167957(P2015-167957A)
(43)【公開日】2015年9月28日
(54)【発明の名称】超音波接合装置、束線機
(51)【国際特許分類】
B23K 20/10 20060101AFI20150901BHJP
H01R 43/02 20060101ALI20150901BHJP
【FI】
B23K20/10
H01R43/02 B
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-42900(P2014-42900)
(22)【出願日】2014年3月5日
(11)【特許番号】特許第5643980号(P5643980)
(45)【特許公報発行日】2014年12月24日
(71)【出願人】
【識別番号】000195649
【氏名又は名称】精電舎電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090022
【弁理士】
【氏名又は名称】長門 侃二
(74)【代理人】
【識別番号】100187322
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 直輝
(72)【発明者】
【氏名】森田 重富
(72)【発明者】
【氏名】小野塚 善文
(72)【発明者】
【氏名】小栢 茂
【テーマコード(参考)】
4E167
5E051
【Fターム(参考)】
4E167AA01
4E167AA22
4E167BE04
4E167BE05
4E167BE06
4E167BE07
4E167BE09
4E167DA04
4E167DC13
5E051LA04
5E051LA06
5E051LB01
(57)【要約】
【課題】従来の超音波接合機や束線機ではできなかった、限られた狭い作業領域での接合作業を可能にし、短時間で金属薄板あるいは電線等を強固に接合する。
【解決手段】ねじり軸の外周に略平面状の揺動押圧部を形成した工具ホーン(3)と、工具ホーンを超音波ねじり振動させるねじり振動手段(4)と、アンビル(2a)と、工具ホーンとアンビルで接合対象物を押圧して挟持する押圧挟持手段と、を有し、工具ホーンとアンビルで接合対象物を押圧挟持した状態で、工具ホーンの揺動押圧部を工具ホーンのねじり軸の回りに、ねじり振動手段を駆動して超音波ねじり振動させて、工具ホーンの揺動押圧部で接合対象物に対し複数方向からこねるように押圧力と超音波振動を与え、接合対象物を接合させた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじり軸の外周に略平面状の揺動押圧部を形成した工具ホーンと、
前記工具ホーンを超音波ねじり振動させるねじり振動手段と、
アンビルと、
前記工具ホーンと前記アンビルで接合対象物を押圧して挟持する押圧挟持手段と、
を有し、
前記工具ホーンと前記アンビルで接合対象物を押圧挟持した状態で、前記工具ホーンの前記揺動押圧部を前記工具ホーンのねじり軸の回りに、前記ねじり振動手段を駆動して超音波ねじり振動させて、前記工具ホーンの前記揺動押圧部で前記接合対象物に対し複数方向からこねるように押圧力と超音波振動を与え、
前記接合対象物を接合させるように構成したことを特徴とする超音波接合装置。
【請求項2】
前記接合対象物を金属薄板あるいは金属箔としたことを特徴とする請求項1に記載の超音波接合装置。
【請求項3】
前記ねじり振動手段に代えて、前記工具ホーンにねじり振動に縦振動を加えた複合振動で振動させる複合振動手段を用いたことを特徴とする請求項1に記載の超音波接合装置。
【請求項4】
ねじり軸の外周に略平面状の揺動押圧部を形成した工具ホーンと、
前記工具ホーンを超音波ねじり振動させるねじり振動手段と、
アンビルと、
前記工具ホーンと前記アンビルで接合対象物として電線を押圧して挟持する押圧挟持手段と、
を有し、
前記工具ホーンと前記アンビルで前記電線を押圧挟持した状態で、前記工具ホーンの前記揺動押圧部を前記工具ホーンのねじり軸の回りに、前記ねじり振動手段を駆動して超音波ねじり振動させて、前記工具ホーンの前記揺動押圧部で前記電線に対し複数方向からこねるように押圧力と超音波振動を与え、
前記電線を接合させるように構成したことを特徴とする束線機。
【請求項5】
前記ねじり振動手段に代えて、前記工具ホーンにねじり振動に縦振動を加えた複合振動で振動させる複合振動手段を用いたことを特徴とする請求項4に記載の束線機。
【請求項6】
ねじり軸の外周に略平面状の揺動押圧部を形成した工具ホーンと、
前記工具ホーンを超音波ねじり振動させるねじり振動手段と、
アンビルと、
前記工具ホーンと前記アンビルで溶着対象物を押圧して挟持する押圧挟持手段と、
を有し、
前記工具ホーンと前記アンビルで溶着対象物を押圧挟持した状態で、前記工具ホーンの前記揺動押圧部を前記工具ホーンのねじり軸の回りに、前記ねじり振動手段を駆動して超音波ねじり振動させて、前記工具ホーンの前記揺動押圧部で前記溶着対象物に対し複数方向からこねるように押圧力と超音波振動を与え、
前記溶着対象物を溶着させるように構成したことを特徴とする超音波溶着装置。
【請求項7】
前記ねじり振動手段に代えて、前記工具ホーンにねじり振動に縦振動を加えた複合振動で振動させる複合振動手段を用いたことを特徴とする請求項6に記載の超音波溶着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属薄板等に超音波振動を付与して接合する超音波接合装置、電線に超音波振動を付与して接合する束線機、及びプラスチック等を溶着する超音波溶着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、金属薄板等の金属に超音波振動を加えて接合する超音波接合装置や、電線に超音波振動を加えて接合する束線機では、重ねた金属薄板や電線をアンビルと工具ホーンで挟み、一定の押圧力下で工具ホーンを超音波振動させて、互いに当接している金属薄板や電線の表面を互いにこすらせ、金属薄板や電線の表面の酸化膜を破壊、除去して固相接合という形で接合している。また、網状合成樹脂製フィラメントを重ねた状態で超音波溶着することも行われている。
【0003】
例えば従来の束線機では、
図12に主要部を示したとおり、電線31a、31bを上方のアンビル32と下方の工具ホーン33で挟み、交流電源35から電源を超音波振動子である縦振動子34に印加し、縦振動子34を超音波振動させ、縦振動子34の先端に一体に結合した工具ホーン33を
図12の実線矢印方向(紙面の水平方向)に振動させている。電線31a、31bにそれぞれ接するアンビル32と工具ホーン33の表面は、ローレット加工などで凹凸面を形成して摩擦係数を大きくしている。そのため、電線31aは工具ホーン33とともに
図12の実線矢印方向に往復動し、電線31bはアンビル32とともに静止状態を保つ。その結果、互いに一定圧力で押圧されている電線31aと31bの表面はこすれ、それぞれの表面の酸化膜が破壊され、除去されて金属分子同士が一体に接合される(例えば、特許文献1)。
【0004】
ここで第一の問題として、工具ホーン33の振動方向と電線31a、31bの軸芯方向が、
図12のように平行であれば、上記のように超音波接合が行えるのであるが、工具ホーン33の振動方向と電線31a、31bの軸芯方向が交差すると、一方の電線が他方の電線の上を転がり、両者がうまくこすれずに接合が不十分になるという問題があった。例えば、
図13のように、互いに直交する電線37a、37bを、アンビル36と工具ホーン38で挟んだ状態で、工具ホーン38を
図13の実線矢印方向(紙面の水平方向)に超音波振動させると、一方の電線37bが他方の電線37aの上を転がってしまう(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
特に電線37a、37bのそれぞれが、複数の細い線材を同一方向に束ねたものであるときは、
図14に拡大図を示した通り、電線37aの押圧されている複数の線材37aaが押圧方向にへこむものの、電線37aの上に載っている電線37bは、個々の線材37bbが電線37aの上で転がる。線材37aaと線材37bbのそれぞれの表面は強くこすられず、酸化膜は破壊・除去されない。このように、工具ホーンの振動方向を電線の軸芯方向と平行にできないとき、つまり、工具ホーンの振動方向と電線の軸芯方向が交差してしまうときは、電線同士を十分に接合できなかった。
【0006】
例えば、
図15のように、狭い作業領域内で電線を超音波接合してハーネスを作る場合、より具体的には、多数の電線31aから31gを分岐点A、B、Cで接合して一つのハーネスを作り上げるような場合を説明する。
図15において、分岐点A、Cでは所定の作業領域内に縦振動する工具ホーン33を配置して、工具ホーン33の振動方向と電線31a、31b、31cおよび電線31e、31f、31gの軸芯方向はそれぞれ平行にできる。しかし、分岐点Bで、工具ホーン33の振動方向と電線31c、31d、31eの軸芯方向を平行にすると、工具ホーン33が作業領域に入らず外に出てしまう。強引に工具ホーン33を図中矢印のように傾け、想像線で示したように作業領域内に入れると、工具ホーン33の振動方向と電線31c、31d、31eの軸芯方向が交差する。そのため、電線31c、31d、31eは互いに転がり、表面はこすれあわず、表面の酸化被膜は破壊されず、接合が不十分となって、所定のハーネスを作ることができない。
【0007】
そして特に、電線31が細い線材を何本か束ねたものであるときには、第二の問題が生じる。つまり、電線31を数本重ねると、それぞれの電線を構成する線材が厚く重なる。そのため、工具ホーン33の近傍では工具ホーン33と一体に振動する線材の数は多いが、静止しているアンビル32の近傍ではごく一部が振動するにとどまる。例えば
図16のように、工具ホーン33近傍の線材には工具ホーン33の振動が広い範囲で伝わるが、静止しているアンビル32近傍ではアンビルによって振動が抑制されるため、狭い範囲の線材しか振動しない。
図16では斜線網掛けをした範囲が接合部分39となる。そのため、
図17(a)に示した工具ホーン33側の接合部分39aの表面状態と、
図17(b)に示したアンビル32側の接合部分39bの表面状態が違うように、接合程度に差が生じる。このことは、金属薄板を多数重ねた状態で工具ホーンとアンビルで挟んで超音波接合したときも同じ問題として、工具ホーン側とアンビル側とで接合程度に差が生じる。
【0008】
また、上記のように線状部材を重ねて接合することは、
図18に示したような、網状合成樹脂製フィラメントを熱融着する際にも行われている。
図18では、ポリアセタール繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などの材料を被覆したフィラメントを超音波ウェルダー(超音波溶着装置)で溶着しているが、上記と同じ課題を抱えている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−153074号公報
【特許文献2】特開2002−280139号公報
【特許文献3】特開平5−295719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、超音波接合機と束線機、および超音波溶着装置の工具ホーンの超音波振動をねじり振動とすることにより、第一の問題として説明した、工具ホーンの振動方向と電線等の軸芯方向が交差すると接合が不十分になるために狭い作業領域で縦振動の工具ホーンを用いた超音波接合機あるいは束線機、または超音波溶着装置を任意に配置できないという問題について、本発明のねじり振動する工具ホーンを配置することにより、従来できなかった位置での接合作業、あるいは超音波溶着作業を可能とすることを第一の目的としている。
【0011】
また第二の問題として説明した接合不足について、ねじり振動する工具ホーンのねじり軸の外周に略平面状の揺動押圧部を形成して、この揺動押圧部で、重ねた複数の金属薄板、あるいは重ねた電線を構成する線材を複数方向からこねるように押圧力と超音波振動を加えることにより、金属薄板同士、あるいは電線を構成する線材の表面同士を多方向にこすって、多方向の表面の酸化膜を破壊し、金属薄板同士、あるいは線材同士を短時間で強固に接合する接合作業を可能とすること、および短時間で強固に溶着する超音波溶着作業を可能とすることを第二の目的としている。
【0012】
また、ねじり振動と縦振動を組み合わせた複合振動する工具ホーンのねじり軸の外周に略平面状の揺動押圧部を形成して、この揺動押圧部で、重ねた複数の金属薄板、あるいは重ねた電線を構成する線材を複数方向からこねるように押圧力と超音波振動を加えることにより、金属薄板同士、あるいは電線を構成する複数の線材同士を多方向にこすって、多方向の表面の酸化膜を破壊し、金属薄板同士、あるいは線材同士を更に短時間で強固に接合する接合作業を可能とすること、および短時間で強固に溶着する超音波溶着作業を可能とすることを第三の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記した目的を達成するために、本発明に係る超音波接合装置と束線機、そして超音波溶着装置では、ねじり軸の外周に略平面状の揺動押圧部を形成した工具ホーンと、工具ホーンを超音波ねじり振動させるねじり振動手段と、アンビルと、工具ホーンとアンビルで接合対象物、あるいは溶着対象物を押圧して挟持する押圧挟持手段とを有し、工具ホーンとアンビルで接合対象物、あるいは溶着対象物を押圧挟持した状態で、工具ホーンの揺動押圧部を工具ホーンのねじり軸の回りに、ねじり振動手段を駆動して超音波ねじり振動させて、工具ホーンの揺動押圧部で接合対象物等に対し複数方向からこねるように押圧力と超音波振動を与えて、接合対象物を接合、あるいは溶着対象物を溶着している。
【0014】
また、本発明に係る超音波接合装置と束線機、そして超音波溶着装置では、工具ホーンにねじり振動に縦振動を加えた複合振動をさせる複合振動手段を用いて、工具ホーンの揺動押圧部で接合対象、あるいは溶着対象物に対し複数方向からこねるように押圧力と超音波振動を与えて、接合対象物を接合、あるいは溶着対象物を溶着している。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、狭い作業領域内で従来の縦振動する工具ホーンを配置したときには、工具ホーンの振動方向と電線等の軸芯方向が交差するために十分な強度で接合できなかった場合についても、工具ホーンの揺動押圧部の振動方向と電線等の軸芯方向を平行にすることができ、一方の電線の線材等が他方の電線の線材等の上を転がらず、互いの線材等の表面がこすれて、表面の酸化被膜を破壊し、除去して、互いに接合することができ、あるいは溶着対象物を溶着することができる。
【0016】
また、工具ホーンの揺動押圧部が、重なった金属薄板の表面同士、あるいは重なった電線の線材の表面同士に対し複数方向からこねるように押圧力と超音波振動を与えるので、金属薄板同士、あるいは電線の線材同士を短時間で強固に接合することができ、溶着対象物も短時間で強固に溶着することができる。
【0017】
特に本発明で、ねじり振動と縦振動を合成した複合振動手段で、工具ホーンを複合振動したものでは、工具ホーンの揺動押圧部が複合振動するため、ねじり振動する工具ホーンを用いたときに比べて更に短時間に強固に接合、あるいは溶着できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る束線機の工具ホーンとアンビルと接合対象物である電線の位置関係を分解して示した概略配置図である。
【
図2】本発明の第一実施形態に係る束線機の工具ホーン単体の外観と振動状態を実線と想像線で示した斜視図である。
【
図3】本発明の第一実施形態に係る束線機のアンビルと工具ホーンで、接合対象物である電線を挟んだときの概略構成図である。
【
図4】本発明の第一実施形態に係る束線機を、特定の作業領域内に配置してハーネスの接合作業をするときのレイアウト図である。
【
図5】(a)本発明の第一実施形態に係る束線機の工具ホーンとアンビルで、接合対象物である電線を挟んだときの部分拡大図、(b)本発明の第一実施形態に係る束線機の工具ホーンをねじり振動させたときの部分拡大図である。
【
図6】(a)本発明の第一実施形態に係る束線機の工具ホーンをねじり振動させたときの部分拡大図、(b)本発明の第一実施形態に係る束線機で接合対象物である電線を接合したときの部分拡大図である。
【
図7】(a)本発明の第一実施形態に係る束線機で電線を接合したときの工具ホーンに接していた側の接合部分近傍の外観図、(b)本発明の第一実施形態に係る束線機で電線を接合したときのアンビルに接していた側の接合部分近傍の外観図である。
【
図8】本発明の第一実施形態に係る束線機の工具ホーンの変形例の端面形状を示した図。
【
図9】本発明の第一実施形態に係る束線機の工具ホーンの更に他の変形例とアンビルで電線を挟んだときの部分拡大図である。
【
図10】本発明の第二実施形態に係る束線機の工具ホーン単体の外観と振動状態を実線と想像線で示した斜視図である。
【
図11】本発明の第三実施形態に係る束線機のアンビルと工具ホーンで、接合対象物である電線を挟んだときの構成図である。
【
図12】従来の束線機のアンビルと工具ホーンで、接合対象物である電線を挟んだときの概略構成図である。
【
図13】従来の他の束線機のアンビルと工具ホーンで、接合対象物である電線を挟んだときの概略構成図である。
【
図14】従来の他の束線機のアンビルと工具ホーンで、接合対象物である電線を挟み、工具ホーンを縦振動させたときの部分拡大図である。
【
図15】従来の束線機を特定の作業領域内に配置して、ハーネスの接合作業をするときのレイアウト図である。
【
図16】従来の更に他の束線機のアンビルと工具ホーンで、接合対象物である電線を挟んだときの部分拡大図である。
【
図17】(a)従来の更に他の束線機で電線を接合したときの工具ホーンに接していた側の接合部分近傍の外観図(b)本発明の第一実施形態に係る束線機で電線を接合したときのアンビルに接していた側の接合部分近傍の外観図である。
【
図18】従来の超音波溶着装置で溶着した網状合成樹脂製フィラメントを示した斜視図である。
【
図19】(a)本発明の第一実施形態に係る束線機で接合した
図7(a)に相当する電線の参考写真、(b)本発明の第一実施形態に係る束線機で接合した
図7(b)に相当する電線の参考写真である。
【
図20】(a)従来の束線機で接合した
図17(a)に相当する電線の参考写真、(b)従来の束線機で接合した
図17(b)に相当する電線の参考写真である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(本発明の第一実施形態)
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。なお、本発明の超音波接合装置と束線機、および超音波溶着装置では、接合対象が金属薄板や金属箔であるか電線であるか、またはプラスチックであるかが違うだけであるため、本発明の実施形態としては束線機を代表例として説明する。
【0020】
まず、第一実施形態について説明する。
図1に、本発明の第一実施形態に係る束線機の工具ホーン3とアンビル2a、2b、2cと接合対象物である電線1c、1d、1eの位置関係を示す概略構成図を示した。
図2に、工具ホーン3単体の外観斜視図を示し、
図3に、本発明の第一実施形態に係る束線機のアンビル2a、2b、2cと工具ホーン3で、接合対象物である電線1c、1d、1eを挟んだときの概略構成図を示した。
【0021】
図1では、発明理解のために、三本の電線1c、1d、1eを、それぞれ細い線材を長方形断面に束ねたものとして示している。これらの電線1c、1d、1eは、紙面上下方向に重ねた状態で、図示しない押圧挟持手段により、
図1の白抜き矢印のように四方向から、工具ホーン3と、主アンビル2a、左アンビル2b、右アンビル2cで囲まれる。
【0022】
本実施形態では、工具ホーン3の先端側の外周の一部がねじり軸と垂直方向に向けて凸状をなしており、その外周に平面状の揺動押圧部3aを形成し、この揺動押圧部3aの上に、接続対象物である電線1c、1d、1eを載置し、
図1の紙面水平方向の左側に左アンビル2bを、紙面右側に右アンビル2cをそれぞれ当て、左アンビル2bと右アンビル2cの上方に主アンビル2aを押し当てて囲んでいる。主アンビル2aと左アンビル2b、右アンビル2cは互いに押し当てられることで所定の位置に位置決めしている。
【0023】
工具ホーン3の左側には、15kHzから20kHz以上の周期で超音波振動するねじり振動子4が一体に結合されていて、ねじり振動子4は、交流電源5からの電源供給によりねじり軸3dに対して直交する平面、つまりねじり軸3dの回りに往復回転するねじり振動をする。
【0024】
図2で工具ホーン3の外観斜視図を示したように、工具ホーン3のねじり軸3dの外周に略平面状の揺動押圧部3aを形成している。なお、
図2のように、工具ホーン3の揺動押圧部3aでない部分の外形はおおむね円柱形をしている。
【0025】
揺動押圧部3aは、略平面状をなしていることで面内の各位置についてねじり軸3dからの距離(半径)がR
1、R
2というように異なっている。つまり、揺動押圧部3aの表面を工具ホーン3のねじり軸3dの外周に沿った曲面にしていない。そのため、工具ホーン3をねじり軸3dの回りにねじり振動させると工具ホーン3のねじり軸3dからの距離が異なる揺動押圧部3aの各部分が揺動する。言い換えると、揺動押圧部3aの平面部分については、団扇(うちわ)をバタつかせたときのような、平面をあおるような動きをする。例えば平面状の揺動押圧部3aの端部について言えば、
図2の点3bのように下降したり、点3cのように上昇したりする。
図2では、工具ホーン3の揺動押圧部3aが動くイメージを小さい矢印と想像線で示した。
【0026】
本発明では、工具ホーン3に与える超音波振動としてねじり振動を加えている。つまり、
図3のように、アンビル2a、2b、2cに囲まれている電線1c、1d、1eを工具ホーン3の揺動押圧部3aで押圧した状態で、交流電源5から電源を供給してねじり振動子4を超音波ねじり振動させている。
【0027】
アンビル2a、2b、2cに囲まれた電線1c、1d、1eは、一定の押圧力がかかった状態で、工具ホーン3の揺動押圧部3aで、
図2で示した団扇(うちわ)をバタつかせたような、平面をあおるような動きで電線1c、1d、1eをこねるように押圧力と超音波振動を与えて、それぞれの電線1c、1d、1eの表面を多方向にこすりつけ、それぞれの表面の酸化被膜を破壊、除去して互いに接合させている。
【0028】
図4は、本発明の第一実施形態に係る束線機を、特定の作業領域内に配置してハーネスを接合するときのレイアウト図である。従来技術を示した
図15と同じ狭い作業領域内に工具ホーン3を配置しているが、工具ホーン3をねじり振動子4で超音波ねじり振動させているため、
図4のDの位置で、電線1c、1d、1eの軸芯方向に平行に、軸芯方向に沿って、工具ホーン3の揺動押圧部3aを振動させている。揺動押圧部3aは、従来のような水平運動でなく、
図2で説明したように、まるで団扇(うちわ)をバタつかせたような、平面をあおるような立体的な超音波振動を行う。このことにより、電線1c、1d、1eを複数方向からこねるように押圧力と超音波振動をあたえ、電線の線材の表面を多方向にこすらせ、それぞれの表面の酸化被膜を破壊、除去して、お互いを短時間にかつ強固に接合している。
【0029】
図5と
図6では、主アンビル2aと工具ホーン3で上下に挟まれた電線1c、1d、1eが、工具ホーン3の揺動押圧部3aによって軸芯方向に動かされて線材の表面を互いにこすりつけるとともに、複数方向からこねるように押圧力と超音波振動を与えられ、押圧力が高い部分、低い部分が流動的に変化する様子を遷移図として示した。
【0030】
図5(a)は、工具ホーン3と主アンビル2aで電線1c、1d、1eを一定の押圧力で挟んだときの状態を示している。工具ホーン3の揺動押圧部3aの平面部分にはローレット加工した凹凸を形成しているため、揺動押圧部3aの揺動押圧部表面が電線1eを構成する線材の表面に食い込んでいる。同様に、主アンビル2aの表面にもローレット加工した凹凸を形成しているため、主アンビル2aの表面が電線1dを構成する線材の表面に食い込んでいる。
【0031】
なお、
図5と
図6では発明理解のため、ローレット加工した凹凸の大きさを誇張した大きさで描いている。実際には、例えば0.1mm程度の凹凸であり、凸の先端も完全に尖らせると線材の表面を傷つけることになるので、ある程度鈍くしている。
図5(b)は、工具ホーン3をねじり振動させたときの状態を示している。工具ホーン3の揺動押圧部3aは、ねじり軸3dを中心として揺動し、揺動押圧部3aによって主に電線1eの線材が軸芯方向に動かされて、電線1e、1c、1dの各線材の表面を互いにこすりつける。
【0032】
このとき、
図5(b)では、工具ホーン3の揺動押圧部3aは工具ホーン3のねじり軸3dに対して斜めに傾いている。そのため、揺動押圧部3aの紙面左側の突出部分が電線1eを構成する線材に強く食い込んでいる。揺動押圧部3aの平面は工具ホーン3のねじり軸3dを中心として傾いているため、主アンビル2aと工具ホーン3の揺動押圧部3aで挟まれた電線1c、1d、1eの押圧力は、紙面左側が大きく、右側に向かって漸減している。
図5(a)と
図5(b)を対比すると、揺動押圧部3aによって電線1e、1c、1dが軸芯に対して直交する方向に押圧され、各線材の表面を互いにこすりつけられていることが理解される。
【0033】
工具ホーン3はねじり軸3dを中心として揺動する。そのため、
図6(a)のように、揺動押圧部3aの平面が右肩上がりになると、電線1c、1d、1eの押圧力は、
図5(b)のときと逆になる。工具ホーン3の揺動押圧部3aは、ねじり軸3dを中心として揺動し、揺動押圧部3aによって主に電線1eの線材が
図5(b)とは逆の軸芯方向に動かされて、電線1e、1c、1dの各線材の表面を互いにこすりつける。
【0034】
図6(a)では、揺動押圧部3aの紙面右側の突出部分が電線1eを構成する線材に強く食い込んでいる。主アンビル2aと揺動押圧部3aで挟まれた電線1c、1d、1eの押圧力は紙面右側が大きく、左側に向かって漸減している。
図6(a)では、
図5(b)とは反対側の部分において、揺動押圧部3aによって電線1e、1c、1dが軸芯に対して直交する方向にも押圧され、各線材の表面を互いにこすりつけられていることが理解される。
【0035】
本発明は、この動きを、15kHzから20kHz以上の周期で超音波振動させ、主アンビル2aと工具ホーン3の揺動押圧部3aで挟まれた電線1c、1d、1eの押圧力の変化を極めて短時間に猛烈な勢いで繰り返している。そのため、電線1a、1b、1cを構成する多数の細い線材の表面は、複数方向で多くの線材の表面がこすれる。このことは、従来のように金属薄板あるいは電線の表面を単純な水平運動でこすっていたときに比べて、表面の酸化膜の破壊と除去が短時間で進み、細い線材が短時間で強固に接合される。そして、最終的には
図6(b)のように、主アンビル2aと工具ホーン3で挟まれていた部分のほとんどが接合される。
【0036】
工具ホーン側の接合部分の表面とアンビル側の接合部分の表面を比べてみても、
図7(a)と
図7(b)に示したように、どちらも全体的に接合されている。
発明理解のため、
図8(a)に、工具ホーンの第一の変形例を示した。当該変形例における工具ホーン3’の外周の半径R
3は、
図5、6に示した本発明の第一実施形態の工具ホーン3の外周の半径R
0より大きい。工具ホーン3’外周の半径R
3は、工具ホーン3’のねじり軸3’dから揺動押圧部3’aの平面までの距離Hより小さいが、ほぼ近い値になっている。本発明の第一実施形態としては、工具ホーンの円柱部分における外周の半径Rが距離Hより小さい場合を説明したが、必要により、場合によっては、半径Rを距離Hより大きくすることで、工具ホーンの円柱部分の一部に凹部を形成し、当該凹部に揺動押圧面を形成してもよい。
【0037】
また、
図9には、本発明の第一実施形態の工具ホーンの第二の変形例として、工具ホーン3''の揺動押圧部3''aの平面の幅寸法を
図8のときの片側半分(B/2)にして、主アンビル2''aと電線1c、1d、1eを挟んだときの部分拡大図を示した。このように、揺動押圧部3''aの平面の幅寸法と位置についても、必要により、場合によって任意の幅寸法と位置とすることができる。
【0038】
また接合作業上の必要に応じて、揺動押圧部3aは、平面が完全にフラットでなく、揺動押圧部3aの断面から見て、紙面の上側又は下側に僅かにカーブしていたり、傾斜しているような略平面形状にしてもよい。
なお、本発明の略平面状の揺動押圧部の「略平面状」とは、ローレット加工の凹凸の突起の先端に明らかな平面部分が存在している場合はもちろん、突起の先端が尖っていてほとんど平面部分がないときでも複数の突起の先端が平面を形成している場合、つまり「ローレット加工の凹凸の突起の先端が一つの平面を形成している場合」を含む概念である。工具ホーンの複数の突起の先端が一つの平面を形成している場合でも、本発明の効果が得られるからである。
【0039】
以上、本発明の第一実施形態として、電線を重ねて接合する束線機を例に説明したが、上記説明した束線機と同じく、本発明を適用した、金属薄板・金属箔を接合する超音波接合装置や、網状合成樹脂製フィラメントなどのプラスチックを溶着する超音波溶着装置を提供することができる。
【0040】
(本発明の第二実施形態)
次に本発明の第二実施形態について説明する。
図10は本発明の第二実施形態に係る束線機の工具ホーン13単体を示す外観斜視図である。本発明の第二実施形態では、工具ホーン13の揺動押圧部13aの平面に、大きさの異なる複数の突起13e、13f、13gを、揺動押圧部13aの平面上に離散して配置している。
図10では、突起13e、13f、13gのように、揺動押圧部13aの平面の端部より平面の中央に向けて突起の大きさを順次大きくしている。このことにより、揺動押圧部13aの中央でも大きな突起13gが電線に大きく食い込んで、電線をこねるようにしている。
図10のように、必要な部分に大きな突起を配置することにより、必要な部分をより強固にこすらせ、電線を構成する線材の表面の酸化膜を破壊して除去し、強固に接合させることができる。
【0041】
図10では、工具ホーン13の揺動押圧部3aの周縁の形状については、角Rをつけて、接合対象物を傷つけ難くしているが、簡単な面取りをしたままでもよい。その他、
図10では、突起13e、13f、13gの形状を半球状の突起形状として描いたが、他の多角形の角錐状の突起あるいは台形状の突起としてもよい。突起13e、13f、13gの大きさ、数、分散配置状況についても、必要に応じて任意に変化させてもよい。また、突起を細かくして平面を梨地状の平面にしてもよいし、接合条件によっては平坦な平面としてもよい。
【0042】
(本発明の第三実施形態)
本発明の第三実施形態では、工具ホーンの振動をねじり振動と縦振動を組み合わせた複合振動とした点に特徴がある。ねじり振動と縦振動を組み合わせた複合振動をつくり出す方法には、他の方法もあるが、本発明の第三実施形態では、観念として分かりやすいように、
図11に工具ホーン23の左側にはねじり振動子4を一体に結合し、工具ホーン3の右側には縦振動子24を一体に結合し、ねじり振動子4と縦振動子24のそれぞれに独立した交流電源を接続した例を示した。なお、第一実施形態と同じ構成については、同じ符号を付し詳しい説明は省略する。
【0043】
図11に示すように、工具ホーン23にねじり振動と縦振動を同時に与える構造にして、ねじり振動と縦振動を、周期を調整してタイミングよく与えると、工具ホーンの揺動押圧部23aは、押圧力の高い領域が円弧状あるいは楕円状に移動するいわゆるオーバル振動をするようになる。すると、本発明のねじり軸の外周で略平面状の揺動押圧部3aの平面は、団扇(うちわ)をバタつかせるような、平面をあおるような動きに加えて、電線に対する傾斜角度を少しずつ可変する動きを繰り返すという複雑な動きをする。このことで、電線を構成する多くの線材には、より多方向から変動する押圧力と超音波振動がかかり、互いに表面を複雑にこすりあって酸化被膜を破壊し、除去して金属分子同士を短時間でより強固に接合する。
【0044】
なお、本発明の第一実施形態に係る束線機で接合した電線の参考写真を
図19(a)(b)に示し、従来の束線機で接合した電線の参考写真を
図20(a)(b)に示した。
図19(a)は
図7(a)に相当し、
図19(b)は
図7(b)に相当する。同じく
図20(a)は、状来の
図17(a)に相当し、
図20(b)は従来の
図17(b)に相当する。本発明と状来例の写真を対比して見ると、接合程度に顕著な差があることが明らかである。
【0045】
以上で本発明の実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。(1)超音波振動としてねじり振動を用いたこと、(2)工具ホーンのねじり軸の外周に略平面状の揺動押圧部を設け、当該揺動押圧部を接合対象である金属薄板金属箔あるいは電線に押し付けてこれらを接合させるようにしたこと、そして溶着対象であるプラスチックを溶着させるようにしたこと、そして(3)ねじり振動と縦振動を組み合わせた複合振動を用いたこと、によって、従来できなかった、限られた狭い作業領域での接合作業、そして溶着作業を可能にし、短時間で金属薄板あるいは電線の強固な接合、あるいは網状合成樹脂製フィラメント等のプラスチックの溶着を可能としている。
【0046】
上記本発明の実施形態では、工具ホーンの揺動押圧部13aの形状については、揺動押圧部の周囲に角Rをつけて、接合対象物を傷つけ難くしたり、部分的に平面の高さを変えて、接合程度の強弱分布を調整したりすることは、本発明の範囲内で任意に行うことができる態様であり、揺動押圧部の形状について、実用的な変形を加えても良いことはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、電線の束線機はもとより、金属薄板や金属箔を重ねて接合する超音波接合装置に適用することができるとともに、プラスチックを超音波溶着する超音波溶着機に適用することもできる。
【符号の説明】
【0048】
1 電線
2a 主アンビル
2b 左アンビル
2c 右アンビル
3、13、23 工具ホーン
3a、13a、23a 揺動押圧部
4 ねじり振動子
5 交流電源
6 接合部分
24 縦振動子
【手続補正書】
【提出日】2014年8月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじり軸の外周に略平面状の揺動押圧部を形成した工具ホーンと、
前記工具ホーンを超音波ねじり振動させるねじり振動手段と、
アンビルと、
前記工具ホーンの揺動押圧部と前記アンビルで接合対象物である複数の線材を、前記工具ホーンのねじり軸に直交する方向で、当該線材の軸芯方向が互いに平行となるよう重ねた状態で押圧して挟持する押圧挟持手段と、
を有し、
前記押圧挟持手段により、前記工具ホーンの揺動押圧部と前記アンビルで前記複数の線材を押圧挟持した状態で、前記ねじり振動手段を駆動して前記工具ホーンを超音波ねじり振動させて、前記工具ホーンの前記揺動押圧部で前記複数の線材に対しこねるように押圧力と超音波振動を与え、
前記複数の線材を接合させるように構成したことを特徴とする束線機。
【請求項2】
ねじり軸の外周に略平面状の揺動押圧部を形成した工具ホーンと、
前記工具ホーンを超音波ねじり振動させるねじり振動手段と、
アンビルと、
前記工具ホーンの揺動押圧部と前記アンビルで接合対象物である複数の電線を、前記工具ホーンのねじり軸に直交する方向で、当該電線の軸芯方向が互いに平行となるよう重ねた状態で押圧して挟持する押圧挟持手段と、
を有し、
前記押圧挟持手段により、前記工具ホーンの揺動押圧部と前記アンビルで前記複数の電線を押圧挟持した状態で、前記ねじり振動手段を駆動して前記工具ホーンを超音波ねじり振動させて、前記工具ホーンの前記揺動押圧部で前記複数の電線に対しこねるように押圧力と超音波振動を与え、
前記複数の電線を接合させるように構成したことを特徴とする束線機。
【請求項3】
ねじり軸の外周に略平面状の揺動押圧部を形成した工具ホーンと、
前記工具ホーンを超音波ねじり振動させるねじり振動手段と、
アンビルと、
前記工具ホーンの揺動押圧部と前記アンビルで接合対象物である線材を束ねてなる複数の電線を、前記工具ホーンのねじり軸に直交する方向で、当該電線の軸芯方向が互いに平行となるよう重ねた状態で押圧して挟持する押圧挟持手段と、
を有し、
前記押圧挟持手段により、前記工具ホーンの揺動押圧部と前記アンビルで前記複数の電線を押圧挟持した状態で、前記ねじり振動手段を駆動して前記工具ホーンを超音波ねじり振動させて、前記工具ホーンの前記揺動押圧部で前記複数の電線に対しこねるように押圧力と超音波振動を与え、
前記複数の電線を接合させるように構成したことを特徴とする束線機。
【請求項4】
前記工具ホーンの揺動押圧部は、押圧面が対向する前記アンビルと略平行であり、前記接合対象物の接合領域長さに相当する長さを有するよう形成されており、
前記押圧挟持手段により、前記工具ホーンの揺動押圧部と前記アンビルで前記接合対象物を押圧挟持した状態で、前記ねじり振動手段を駆動して前記工具ホーンを超音波ねじり振動させて、前記工具ホーンの前記接合対象物の接合領域長さに相当する長さを有する前記揺動押圧部で前記接合対象物の接合領域の範囲で、こねるように押圧力と超音波振動を与え、
前記接合対象物を接合させるように構成したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の束線機。
【請求項5】
ねじり軸の外周に略平面状の揺動押圧部を形成した工具ホーンと、
前記工具ホーンを超音波ねじり振動させるねじり振動手段と、
アンビルと、
前記工具ホーンの揺動押圧部と前記アンビルで、接合対象物である所定長さを有する金属薄板あるいは金属箔からなる複数の金属部材を、前記工具ホーンのねじり軸に直交する方向で、当該金属部材の長手方向が互いに平行となるよう重ねた状態で押圧して挟持する押圧挟持手段と、
を有し、
前記押圧挟持手段により、前記工具ホーンの揺動押圧部と前記アンビルで前記複数の金属部材を押圧挟持した状態で、前記ねじり振動手段を駆動して前記工具ホーンを超音波ねじり振動させて、前記工具ホーンの前記揺動押圧部で前記複数の金属部材に対しこねるように押圧力と超音波振動を与え、
前記複数の金属部材を接合させるように構成したことを特徴とする超音波接合装置。
【請求項6】
前記工具ホーンの揺動押圧部は、押圧面が対向する前記アンビルと略平行であり、前記複数の金属部材の接合領域長さに相当する長さを有するよう形成されており、
前記押圧挟持手段により前記工具ホーンの揺動押圧部と前記アンビルで前記複数の金属部材を押圧挟持した状態で、前記ねじり振動手段を駆動して前記工具ホーンを超音波ねじり振動させて、前記工具ホーンの前記複数の金属部材の接合領域長さに相当する長さを有する前記揺動押圧部で前記複数の金属部材の接合領域の範囲で、こねるように押圧力と超音波振動を与え、
前記複数の金属部材を接合させるように構成したことを特徴とする請求項5に記載の超音波接合装置。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本発明は、金属薄板等に超音波振動を付与して接合する超音波接合装置、電線
(線材)に超音波振動を付与して接合する束線
機に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明は、超音波接合機と束線
機の工具ホーンの超音波振動をねじり振動とすることにより、第一の問題として説明した、工具ホーンの振動方向と電線等の軸芯方向が交差すると接合が不十分になるために狭い作業領域で縦振動の工具ホーンを用いた超音波接合機あるいは束線
機を任意に配置できないという問題について、本発明のねじり振動する工具ホーンを配置することにより、従来できなかった位置での接合作
業を可能とすることを第一の目的としている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
また第二の問題として説明した接合不足について、ねじり振動する工具ホーンのねじり軸の外周に略平面状の揺動押圧部を形成して、この揺動押圧部で、重ねた複数の金属薄板、あるいは重ねた電線を構成する線材を複数方向からこねるように押圧力と超音波振動を加えることにより、金属薄板同士、あるいは電線を構成する線材の表面同士を多方向にこすって、多方向の表面の酸化膜を破壊し、金属薄板同士、あるいは線材同士を短時間で強固に接合する接合作業を可能とするこ
とを第二の目的としている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
上記した目的を達成するために、本発明に係る超音波接合装置と束線
機では、ねじり軸の外周に略平面状の揺動押圧部を形成した工具ホーンと、工具ホーンを超音波ねじり振動させるねじり振動手段と、アンビルと、工具ホーン
の揺動押圧部とアンビルで接合対象物
である複数の線材、複数の電線、線材を束ねてなる複数の電線、あるいは複数の金属部材を、前記工具ホーンのねじり軸に直交する方向で、当該接合対象物の軸芯方向が互いに平行となるよう重ねた状態で押圧して挟持する押圧挟持手段とを有し、
前記押圧挟持手段により、工具ホーン
の揺動押圧部とアンビルで
前記接合対象
物を押圧挟持した状態で
、前記ねじり振動手段を駆動して
前記工具ホーンを超音波ねじり振動させて、
前記工具ホーンの揺動押圧部で接合対象
物に対
しこねるように押圧力と超音波振動を与えて、接合対象物を接
合している。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
本発明によれば、狭い作業領域内で従来の縦振動する工具ホーンを配置したときには、工具ホーンの振動方向と電線等の軸芯方向が交差するために十分な強度で接合できなかった場合についても、工具ホーンの揺動押圧部の振動方向と電線等の軸芯方向を平行にすることができ、一方の電線の線材等が他方の電線の線材等の上を転がらず、互いの線材等の表面がこすれて、表面の酸化被膜を破壊し、除去して、互いに接合することがで
きる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
また、工具ホーンの揺動押圧部が、重なった金属薄板の表面同士、あるいは重なった電線の線材の表面同士に対
しこねるように押圧力と超音波振動を与えるので、金属薄板同士、あるいは電線の線材同士を短時間で強固に接合することがで
きる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
(本発明の第一実施形態)
以下、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。なお、本発明の超音波接合装置と束線
機では、接合対象が金属薄板や金属箔であるか電線であるか、またはプラスチックであるかが違うだけであるため、本発明の実施形態としては束線機を代表例として説明する。