【解決手段】ラベル発行装置は、各商品のラベル印刷項目に関する情報を格納した記憶部から、特定商品のラベル印刷項目に関する情報を読み出してワークメモリに格納する。装置は、ラベルの発行指令を受け付けると、記憶部から、前記特定商品のラベル印刷項目に関する情報を再度読み出し、ワークメモリに格納されている情報と対比する。対比した結果、情報の一致が確認されると、装置は、ワークメモリに格納された情報が印刷されたラベルを発行する。情報の不一致が確認されると、装置は、警告を発する。
前記ワークメモリは、前記読出し手段により前記記憶部から読み出した情報を格納する第1のワークメモリと、前記対比手段により前記記憶部から読み出した情報を格納する第2のワークメモリとからなり、
前記対比手段は、前記第1のワークメモリに格納された情報と前記第2のワークメモリに格納された情報とを対比し、
前記発行手段は、前記第1のワークメモリに格納された情報が印刷されたラベルを発行することを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1に記載のラベル発行装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、ラベル発行装置の実施形態について、図面を用いて説明する。この実施形態は、
図2に示すようなレイアウトのバーコードラベル20を発行するラベル発行装置10を例示する。
【0010】
[第1の実施形態]
図1は、ラベル発行装置10の外観を示す斜視図である。ラベル発行装置10は、装置本体11の上面にタッチパネル12を配し、正面にラベル発行口13を備える。ラベル発行装置10は、装置本体11の内部にラベル用紙のフォルダと、用紙搬送手段と、印刷手段とを内蔵する。フォルダは、ロール状に巻回されたラベル用紙を収容する。ラベル用紙は、帯状の台紙に一定の間隔を開けて多数枚のラベルを一方向に整列させたものである。
【0011】
用紙搬送手段は、搬送モータ、搬送路、巻取ローラ等を含む。印刷手段は、サーマルヘッド等の印字ヘッドとプラテンローラとを対向して配置する。用紙搬送手段は、搬送モータの作用によりフォルダに収容されたラベル用紙を繰り出し、このラベル用紙のラベルを印字ヘッドとプラテンローラとの間に導く。印刷手段は、印字ヘッドとプラテンローラとの間に導かられラベルに対し印字ヘッドを駆動してバーコード等の商品情報を印刷する。用紙搬送手段は、ラベル用紙をラベル発行口まで搬送し、台紙から剥離されたラベル(バーコードラベル20)をラベル発行口13から発行する。また用紙搬送手段は、ラベルが剥離された台紙を巻取ローラで巻き取る。
【0012】
ラベル発行装置10から発行されるバーコードラベル20の一例を
図2に示す。図示するように、バーコードラベル20には、バーコード以外に、品名、消費期限、加工日、価格(お値段)、原産地、保存方法、添加物、店名等の種々の商品情報が印刷される。
【0013】
図3は、ラベル発行装置10の制御回路構成を示すブロック図である。ラベル発行装置10は、CPU(Central Processing Unit)31、ROM(Read Only Memory)32、RAM(Random Access Memory)33、フラッシュメモリ34、時計部35、通信インターフェース36、タッチパネルコントローラ37、モータドライバ38及びヘッドドライバ39を備える。またラベル発行装置10は、アドレスバス,データバス等のバスライン40を有する。そしてラベル発行装置10は、このバスライン40に、CPU31、ROM32、RAM33、フラッシュメモリ34、時計部35、通信インターフェース36、タッチパネルコントローラ37、モータドライバ38及びヘッドドライバ39を接続して、制御回路を構成する。制御回路は、装置本体11の内部に実装されている。
【0014】
CPU31は、コンピュータの中枢部分に相当する。CPU31は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、ラベル発行装置10としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
【0015】
ROM32は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM32は、上記のオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。ROM32は、CPU31が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを記憶する場合もある。
【0016】
RAM33は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM33は、CPU31が処理を実行する上で必要なデータを記憶する。またRAM33は、CPU31によって情報が適宜書き換えられるワークエリアとしても利用される。
【0017】
フラッシュメモリ34は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。フラッシュメモリ34は、例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)である。フラッシュメモリ34の代わりに、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)等の補助記憶デバイスを用いてもよい。フラッシュメモリ34は、CPU31が各種の処理を行う上で使用するデータや、CPU31での処理によって生成されたデータを保存する。
【0018】
時計部35は、現在の日付及び時刻を計時する。この時計部35で計時される日付及び時刻は、バーコードラベル20の加工日として使用される。
【0019】
通信インターフェース36は、LAN(Local Area Network)等のネットワークを介して接続される外部のコンピュータ、例えば店舗の商品データ等を管理するストアコンピュータSCとの間でデータ通信を行う。
【0020】
タッチパネルコントローラ37は、タッチパネル12を制御する。タッチパネル12は、フラット型の液晶ディスプレイ12aと、このディスプレイ12aの画面に重ねて配置されるタッチセンサ12bとからなる。タッチパネルコントローラ37は、ディスプレイ12aに画像を表示させる。タッチパネルコントローラ37は、タッチセンサ12bの信号により、画面上のタッチ位置を、例えばX軸とY軸とからなる二次元座標系によって特定する。
【0021】
タッチパネル12の画面は、正面側から見て奥側の可変領域と手前側の固定領域とに区分される。可変領域には、ラベル発行装置10の状態に応じて適宜に生成される画面が表示される。固定領域には、ラベル発行装置10の状態に係らず、発行アイコン、終了アイコン、品番アイコン等が表示される。各アイコンの用途については後述する。
【0022】
モータドライバ38は、用紙搬送手段の一部を構成する搬送モータ41を駆動する。ヘッドドライバ39は、印刷手段の一部を構成する印字ヘッド42を駆動する。
【0023】
このような構成のラベル発行装置10は、フラッシュメモリ34に、品番ファイル51を保存する。品番ファイル51は、ラベル発行対象の商品毎に作成される品番レコード51Rを格納する。
【0024】
図4は、品番レコード51Rの主要なデータ構造を示す模式図である。
図4に示すように品番レコード51Rは、品番、品名、価格、商品コード、期限、保存番号、住所番号、添加物番号、原産地番号等の各項目の情報を含む。品番は、各商品を個々に特定する商品固有の番号である。品名及び価格は、品番によって特定される商品(以下、該当商品と称する)の名称及び値段である。商品コードは、該当商品を識別するコードである。この商品コードがバーコードとなる。期限は、該当商品が加工日から消費又は賞味期限切れとなるまでに要する日数である。例えば加工日が1月1日であり期限が3日であるとき、加工日を0日目とし、消費期限日は1月4日となる。
【0025】
保存番号は、該当商品の保存状態を説明するテキストデータを識別する番号である。例えばフラッシュメモリ34には、保存状態を説明する種々のテキストデータを保存番号順に格納した保存状態ファイルが保存されており、保存番号は、この保存状態ファイルの保存番号にリンクする。
【0026】
住所番号は、該当商品のラベルに印刷される住所を示すテキストデータを識別する番号である。例えばフラッシュメモリ34には、住所を示す種々のテキストデータを住所番号順に格納した住所ファイルが保存されており、住所番号は、この住所ファイルの住所番号にリンクする。
【0027】
添加物番号は、該当商品に含まれる添加物を列挙したテキストデータを識別する番号である。例えばフラッシュメモリ34には、添加物を示す種々のテキストデータを添加物番号順に格納した添加物ファイルが保存されており、添加物番号は、この添加物ファイルの添加物番号にリンクする。
【0028】
原産地番号は、該当商品の原産地を示すテキストデータを識別する番号である。例えばフラッシュメモリ34には、原産地を示す種々のテキストデータを原産地番号順に格納した原産地ファイルが保存されており、原産地番号は、この原産地ファイルの原産地番号にリンクする。
【0029】
ここに、品番ファイル51は、各商品のラベル印刷項目に関する情報を格納した記憶部を構成する。品番ファイル51の各品番レコード51Rは、上位のコンピュータであるストアコンピュータSCにて管理される。ストアコンピュータSCは、随時、最新の品番レコード51Rをラベル発行装置10にダウンロードする。ラベル発行装置10は、最新の品番レコード51Rがダウンロードされる毎に、品番ファイル51を更新する。
【0030】
なお、保存状態ファイル、住所ファイル、添加物ファイル及び原産地ファイルは必ずしもフラッシュメモリ34に保存されている必要はない。少なくとも1つのファイルが、通信インターフェース36を介して接続される外部コンピュータの記憶装置に保存されており、CPU31がこの外部コンピュータの記憶装置にアクセスして、必要なファイルのデータを取得するようにしてもよい。また、品番ファイル51についても外部コンピュータの記憶装置に保存されていてもよい。
【0031】
品番レコード51Rを構成する項目も、
図4に示すものに限定されるものではない。不要な項目を削除してもよいし、必要な項目を追加してもよい。
【0032】
またラベル発行装置10は、
図5に示すように、品番レコード51Rの項目である品番、品名、価格、商品コード、期限、保存番号、住所番号、添加物番号及び原産地番号等の各情報をそれぞれ書き換え可能に格納する一対のワークメモリWM1,WM2をRAM33に形成する。以下、一方のワークメモリWM1を第1のワークメモリWM1と称し、他方のワークメモリWM2を第2のワークメモリWM2と称する。
【0033】
図6は、ラベル発行装置10の動作モードとして発行モードが選択されたときのCPU31の主要な情報処理手順を示す流れ図である。この手順は、例えばROM32に格納された発行制御プログラムに従ったものである。なお、
図6に示すとともに以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
【0034】
発行モードが選択されると、CPU31は、
図6の流れ図に示す手順の処理を開始する。先ずCPU31は、第1及び第2のワークメモリWM1,WM2をクリアする(Act1)。次に、CPU31は、商品呼出画面60(
図7を参照)を表示バッファに描画する。そしてCPU31は、可変領域の画面を商品呼出画面60に切り替える(Act2)。
【0035】
商品呼出画面60の一例を
図7に示す。図示するように商品呼出画面60は、品番を置数するためのテンキーアイコン61と、置数をクリアするためのクリアアイコン62と、ワンタッチアイコン63と、品番ボックス64とを表示させた画面である。
【0036】
ユーザは、所望の品番をテンキーアイコン61でタッチするとともに固定領域の品番アイコンにタッチすることで、その品番で特定される商品の品番レコード51Rを呼び出すことができる。また、ワンタッチアイコン63にタッチすると、品番がプリセットされた複数のプリセットアイコンが可変領域に表示されるので、このプリセットアイコンをタッチすることで所望の品番レコード51Rを呼び出すこともできる。テンキーアイコン61でタッチされた品番は、品番ボックス64に表示される。
【0037】
商品呼出画面60を表示させた後、CPU31は、固定領域の終了アイコンがタッチされるか(Act3)、品番が入力されるのを待機する(Act4)。上述したタッチ操作により品番が入力されたことを受け付けると(Act4にてYES:特定手段)、CPU31は、品番ファイル51を検索して、当該品番を含む品番レコード51Rを読出し、第1のワークメモリWM1に格納する(Act5:読出し手段)。
【0038】
CPU31は、第1のワークメモリWM1に格納された品番レコード51Rの情報を基に確認画面70(
図8を参照)を表示バッファに描画する。そしてCPU31は、可変領域の画面を確認画面70に切り替える(Act6)。
【0039】
確認画面70の一例を
図8に示す。図示するように確認画面70は、品番の入力によって呼び出された品番レコード51Rの商品名、消費期限、品番、価格等の情報とともに、ラベル発行枚数を置数するためのテンキーアイコン71と、置数をクリアするためのクリアアイコン72と、枚数ボックス73とを表示させた画面である。枚数ボックス73には、プリセットの発行枚数“1”が表示される。
【0040】
ユーザは、確認画面70の内容から、呼び出した商品の商品名、消費期限、品番、価格等の情報を確認できる。確認した結果、ラベル発行を中止する場合、ユーザは、固定領域の終了アイコンにタッチする。ラベルを発行する場合には、ユーザは、テンキーアイコン71を操作して発行枚数を入力した後、固定領域の発行アイコンにタッチする。なお、発行枚数がプリセットされた数“1”の場合には、発行枚数の入力を省略できる。
【0041】
確認画面70を表示させた後、CPU31は、終了アイコンがタッチされるか(Act7)、発行アイコンがタッチされるのを待機する(Act8)。終了アイコンがタッチされた場合(Act7にてYES)、CPU31は、Act1の処理に戻る。すなわちCPU31は、第1のワークメモリWM1をクリアして、呼出画面60を表示させる。
【0042】
ラベルの発行を指令する発行指令手段である発行アイコンがタッチされた場合には(Act8にてYES)、CPU31は、品番ファイル51を再度検索して、当該品番を含む品番レコード51Rを読出し、第2のワークメモリWM2に格納する(Act9)。そしてCPU31は、第1のワークメモリWM1に格納された品番レコード51Rの各項目データと、第2のワークメモリWM2に格納された品番レコード51Rの各項目データとを、項目別に対比する(Act10:対比手段)。そしてCPU31は、全ての項目でデータが一致するか否かを確認する(Act11)。
【0043】
第1及び第2のワークメモリWM1,WM2のデータを対比した結果、全ての項目で一致する場合には(Act11にてYES)、CPU31は、所定のラベルフォーマットに基づき、第1のワークメモリWM1に格納されたデータをプリントバッファに描画する。そしてCPU31は、用紙搬送手段及び印刷手段を制御して、例えば
図2に示すレイアウトのバーコードラベル20を、枚数ボックス73内の発行枚数だけ発行させる(Act12:発行手段)。バーコードラベル20を発行させた後、CPU31は、Act6の処理に戻る。すなわちCPU31は、第1のワークメモリWM1に格納された品番レコード51Rの情報を基に確認画面70を描画して、可変領域の画面を切り替える。このとき、枚数ボックス73内には、プリセットの発行枚数“1”が表示される。CPU31は再び、終了アイコンがタッチされるか(Act7)、発行アイコンがタッチされるのを待機する(Act8)。
【0044】
第1及び第2のワークメモリWM1,WM2のデータを対比した結果、少なくとも1つの項目で一致しない場合には(Act11にてNO)、CPU31は、所定のレイアウトの警告画面80A(
図9を参照)を描画する。そしてCPU31は、可変領域の画面を警告画面80Aに切り替える(Act13:警告手段)。
【0045】
警告画面80Aの一例を
図8に示す。第1及び第2のワークメモリWM1,WM2のデータが一致しないということは、Act5の処理にて品番レコード51Rを読み出してから、Act9の処理にて同一商品の品番レコード51Rを読み出すまでの間に、品番ファイル51のデータが更新されたためと考えられる。そこで警告画面80Aには、商品情報が更新されたことをユーザに伝達するメッセージ81が表示される。また、ユーザがメッセージ81を確認したことを宣言するための確認アイコン82も、警告画面80Aに表示される。
【0046】
警告画面80Aを表示させた後、CPU31は、確認アイコン82がタッチされるのを待機する(Act14:確認受付手段)。確認アイコン82がタッチされたならば(Act14にてYES)、CPU31は、Act1の処理に戻る。すなわちCPU31は、ワークメモリWM1をクリアして、呼出画面60を表示させる。
【0047】
このように、第1の実施形態におけるラベル発行装置10は、Act5の処理にて品番レコード51Rを読み出してから、Act9の処理にて同一商品の品番レコード51Rを読み出すまでの間に、品番ファイル51のデータが更新された場合、ユーザが発行アイコンにタッチしてラベル発行を指令しても、警告画面80が表示されて、ラベル発行が行われない。警告画面80を確認したユーザが確認アイコン82にタッチすると、タッチパネル12の画面は呼出画面60に戻る。したがってユーザは、再度同一商品の品番を入力する。品番が入力されると、今度は、Act5とAct9の処理にて品番ファイル51から読み出される品番レコード51Rは更新後のデータであるので一致する。その結果、当該商品のバーコードラベル20が発行される。
【0048】
したがって、品番ファイル51が更新される前のデータでラベルが発行されるのを未然に防止できるラベル発行装置10を提供することができる。
【0049】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について、
図10と
図12とを用いて説明する。なお、ラベル発行装置10の外観及びハードウェアの構成は第1の実施形態と共通なので、
図1〜
図5はそのまま適用し、説明を省略する。
【0050】
図10は、第2の実施形態において、ラベル発行装置10の動作モードとして発行モードが選択されたときのCPU31の主要な情報処理手順を示す流れ図である。この手順は、例えばROM32に格納された発行制御プログラムに従ったものである。なお、
図10に示すとともに以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
【0051】
発行モードが選択されると、CPU31は、
図10の流れ図に示す手順の処理を開始する。ここで、
図10においては、第1の実施形態で同様の処理手順を示す
図6と同一の処理ブロックに対して同じAct番号を付している。
図10と
図6とを比較すれば分かるように、第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、Act11にて第1及び第2のワークメモリWM1,WM2のデータを対比した結果、一致しなかった後の処理である。
【0052】
第1及び第2のワークメモリWM1,WM2のデータが一致しない場合(Act11にてNO)、CPU31は、所定のレイアウトの警告画面80B(
図12を参照)を描画する。そしてCPU31は、可変領域の画面を警告画面80Bに切り替える(Act21)。
【0053】
警告画面80Bの一例を
図12に示す。
図8に示す第1の実施形態の警告画面80Aとは、メッセージ81の内容が異なる。第1の実施形態では商品を選択し直すことをユーザに指示したが、第2の実施形態では商品情報を確認することをユーザに指示する。
【0054】
警告画面80Bを表示させた後、CPU31は、確認アイコン82がタッチされるのを待機する(Act22:確認受付手段)。確認アイコン82がタッチされたならば(Act22にてYES)、CPU31は、第2のワークメモリWM2の情報を第1のワークメモリWM1に上書き保存する(Act23)。その後、CPU31は、Act6の処理に戻る。すなわちCPU31は、第1のワークメモリWM1に格納された情報を基に確認画面70を表示バッファに描画する。そしてCPU31は、可変領域の画面を確認画面70に切り替える。
【0055】
このように、第2の実施形態におけるラベル発行装置10は、警告画面80Bを確認したユーザが確認アイコン82にタッチすると、タッチパネル12の画面が、Act9の処理で品番ファイル51から読み出した品番レコード51Rの情報に基づく確認画面70に切り替わる。すなわち、品番ファイル51の最新の品番レコード51Rによる確認画面70が表示される。ここで、確認画面70の内容を確認したユーザが発行アイコンにタッチすると、当該商品のバーコードラベル20が発行される。
【0056】
したがって、品番ファイル51が更新される前のデータでラベルが発行されるのを未然に防止できるラベル発行装置10を提供することができる。しかも、第1の実施形態と比較すると、呼出画面60から同一の商品を再度呼び出す操作が不要となるので、操作を簡略化できる。
【0057】
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態について、
図11と
図13とを用いて説明する。なお、ラベル発行装置10の外観及びハードウェアの構成は第1,第2の実施形態と共通なので、
図1〜
図5はそのまま適用し、説明を省略する。
【0058】
図11は、第3の実施形態において、ラベル発行装置10の動作モードとして発行モードが選択されたときのCPU31の主要な情報処理手順を示す流れ図である。この手順は、例えばROM32に格納された発行制御プログラムに従ったものである。なお、
図11に示すとともに以下に説明する処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
【0059】
発行モードが選択されると、CPU31は、
図11の流れ図に示す手順の処理を開始する。ここで
図11では、第1の実施形態で同様の処理手順を示す
図6と同一の処理ブロックに対して同じAct番号を付している。
図11と
図6とを比較すれば分かるように、第3の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、Act11にて第1及び第2のワークメモリWM1,WM2のデータを対比した結果、一致しなかった後の処理である。
【0060】
第1及び第2のワークメモリWM1,WM2のデータが一致しない場合(Act11にてNO)、CPU31は、所定のレイアウトの警告画面80C(
図13を参照)を描画する。そしてCPU31は、可変領域の画面を警告画面80Cに切り替える(Act31)。
【0061】
警告画面80Cの一例を
図13に示す。
図8に示す第1の実施形態の警告画面80A及び
図12に示す第2の実施形態の警告画面80Bとは、メッセージ81の内容が異なる。第1の実施形態では商品を選択し直すことを指示し、また第2の実施形態では商品情報を確認することを指示したが、第3の実施形態では更新後の最新データでラベルが発行されることを報知する。
【0062】
警告画面80Cを表示させた後、CPU31は、確認アイコン82がタッチされるのを待機する(Act32:確認受付手段)。確認アイコン82がタッチされたならば(Act32にてYES)、CPU31は、第2のワークメモリWM2のデータを第1のワークメモリWM1に上書き保存する(Act33)。その後、CPU31は、Act12の処理に進む。すなわちCPU31は、所定のラベルフォーマットに基づき、第1のワークメモリWM1に格納されたデータをプリントバッファに描画する。そしてCPU31は、用紙搬送手段及び印刷手段を制御して、例えば
図2に示すレイアウトのバーコードラベル20を、枚数ボックス73内の発行枚数だけ発行させる(Act12:発行手段)。
【0063】
このように、第3の実施形態におけるラベル発行装置10は、警告画面80Cを確認したユーザが確認アイコン82にタッチすると、Act9の処理で品番ファイル51から読み出した品番レコード51Rの情報に基づいてバーコードラベル20が印刷され、発行される。
【0064】
したがって、品番ファイル51が更新される前の情報、すなわち、Act5の処理で品番ファイル51から読み出した品番レコード51Rの情報でラベルが発行されるのを未然に防止できる。しかも、ユーザが確認アイコン82にタッチすれば、自動的に最新内容のバーコードラベル20が発行されるので、第1及び第2の実施形態と比較して操作をさらに簡略化できるメリットがある。
【0065】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。
例えば前記各実施形態では、Act10の対比処理において、第1のワークメモリWM1に格納された品番レコード51Rの情報と、第2のワークメモリWM2に格納された品番レコード51Rの情報とを、項目毎に対比する場合を例示する。この点については、例えばストアコンピュータSCから最新の品番レコード51Rがダウンロードされる毎に更新されるバージョン番号を各品番レコード51Rに付す。そして、第1のワークメモリWM1に格納された品番レコード51Rと、第2のワークメモリWM2に格納された品番レコード51Rとについて、各々のバージョン番号を対比する。そして、一致する場合にはバーコードラベル20を発行し、一致しない場合には、警告画面80A,80B,80Cを表示させる。このように構成しても、品番ファイル51が更新される前のデータでラベルが発行されるのを未然に防止できるラベル発行装置10を提供できる。また、このような構成のラベル発行装置10であれば、品番レコード51の情報を項目毎に対比する必要がないので、CPU31の処理負荷を軽減できる効果も奏する。
【0066】
また、ラベル発行装置10は一般に、ワークメモリWM1に読み出した品番レコード51Rの情報を項目毎に一時的に変更することができる。仮に変更した場合、前記第1〜第3の実施形態では、Act10,11の処理において不一致と判定されるので、一時変更した情報を含むバーコードラベルを発行できなくなる。このような不具合を解消するために、ワークメモリWM1に読み出した品番レコード51Rの情報を一時的に変更した場合には、その情報の対比を行わないようにする。こうすることにより、一時変更した情報を含むバーコードラベルを発行できるようになる。
【0067】
また、前記各実施形態は、バーコードラベル20を発行するラベル発行装置10を例示した。本発明を適用可能なラベル発行装置は、これに限定されるものではない。様々なレイアウトのラベルを発行可能なラベル発行装置に適用できるものである。
【0068】
なお、ラベル発行装置10の譲渡は一般に、発行制御プログラム等のプログラムがROM32に記憶された状態にて行われる。しかしこれに限らず、コンピュータ装置が備える書き込み可能な記憶デバイスに、このコンピュータ装置とは個別に譲渡された発行制御プログラム等がユーザなどの操作に応じて書き込まれてもよい。発行制御プログラム等の譲渡は、リムーバブルな記録媒体に記録して、あるいはネットワークを介した通信により行うことができる。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0069】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。