特開2015-168456(P2015-168456A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-168456(P2015-168456A)
(43)【公開日】2015年9月28日
(54)【発明の名称】袋の供給方法及び袋供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 43/18 20060101AFI20150901BHJP
【FI】
   B65B43/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-43709(P2014-43709)
(22)【出願日】2014年3月6日
(71)【出願人】
【識別番号】000222727
【氏名又は名称】東洋自動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100974
【弁理士】
【氏名又は名称】香本 薫
(72)【発明者】
【氏名】中本 格衛
(72)【発明者】
【氏名】吉兼 徹
【テーマコード(参考)】
3E030
【Fターム(参考)】
3E030AA04
3E030BA02
3E030BA09
3E030BB02
3E030DA01
3E030DA07
3E030FA05
3E030FA08
(57)【要約】
【課題】コンベアマガジンから複数枚の袋が一緒に位置決め装置に送り込まれた場合に、袋を1枚だけ位置決め装置から取り出して所定の引き渡し位置に移送し、余分の袋は位置決め装置から排出する。
【解決手段】コンベアマガジン6から最上位に位置する袋を1枚ずつ位置決め装置8に移送し、位置決め装置8のベルトコンベア96で袋11を一方向に搬送し、ストッパー99に当接させて位置決めする。次いで、その袋11を吸盤128で吸着し、吸盤128を上昇させて袋11をベルトコンベア96の搬送経路上から取り上げ、所定の引き渡し位置に移送する。吸盤128が袋11を吸着して上昇した後、搬送経路上に余分の袋11eが残留することを第2センサー103で検出したとき、ストッパー99を降下させて搬送経路から退避させ、余分の袋11eを下流側に搬送し排出する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数の空の袋を積載するマガジンから、最上位に位置する袋を1枚ずつ位置決め装置に移送し、前記位置決め装置のコンベアで前記袋を一方向に搬送し、搬送経路上の所定位置で袋をストッパーに当接させて位置決めし、位置決めした袋を吸盤で吸着し、前記吸盤を上昇させて吸着した袋を前記搬送経路上から取り上げ、所定の引き渡し位置に移送する袋の供給方法において、位置決めした袋を前記吸盤で吸着して前記搬送経路上から取り上げた後、前記搬送経路上の前記ストッパーの上流側に余分の袋が残留することをセンサーで検出したとき、前記ストッパーを前記搬送経路から退避させ、これにより、前記余分の袋を前記搬送経路に沿って前記ストッパーの下流側に搬送することを特徴とする袋の供給方法。
【請求項2】
多数の空の袋を積載するマガジンと、前記マガジンから最上位に位置する袋を1枚ずつ取り出し移送する第1移送装置と、前記第1移送装置から袋を1枚ずつ受け取って搬送し、かつ搬送経路上の所定位置に位置決めする位置決め装置と、位置決めされた袋を吸盤で吸着し、前記吸盤を上昇させて吸着した袋を前記搬送経路上から取り上げ、所定の引き渡し位置に移送する第2移送装置を備える袋供給装置において、前記位置決め装置が、袋を載置し一方向に搬送するコンベアと、袋を前記コンベアの搬送経路上の所定位置で停止させるストッパーと、袋が前記ストッパーに当接したことを検出する第1センサーと、前記搬送経路上の前記ストッパーの上流側に余分の袋が残留しているか否かを検出する第2センサーと、前記第1,第2センサーの検出信号に基づいて前記位置決め装置及び第2移送装置の作動を制御する制御装置を備え、前記ストッパーは袋を停止させる規制位置と、袋を通過させる退避位置の間を移動可能とされ、前記制御装置は、前記第1センサーの検出信号に基づき、前記第2移送装置を作動させ、次いで前記吸盤に吸着された袋が前記搬送経路上から所定高さ上昇し、かつ前記第2センサーが前記余分の袋を検出したとき、その検出信号に基づき前記ストッパーを前記退避位置に退避させ、これにより、前記余分の袋が前記搬送経路に沿って前記ストッパーの下流側に搬送されるようにしたことを特徴とする袋供給装置。
【請求項3】
前記制御装置は、前記第1センサーの検出信号に基づき、前記コンベアを停止させ、前記第2センサーが前記余分の袋を検出したとき、前記コンベアを再作動させることを特徴とする請求項2に記載された袋供給装置。。
【請求項4】
前記コンベアが複数本のベルトを有するベルトコンベアであり、前記ストッパーは昇降可能とされ、前記規制位置においてその上端が前記ベルトの間から上方に突出することを特徴とする請求項2又は3に記載された袋供給装置。
【請求項5】
前記コンベアが上流側コンベアと下流側コンベアからなり、前記上流側コンベアは袋を前記搬送経路に沿って少なくとも前記ストッパーに当接するまで搬送し、前記下流側コンベアは袋をさらに下流側に搬送することを特徴とする請求項2又は3に記載された袋供給装置。
【請求項6】
前記上流側コンベア及び下流側コンベアが共に複数本のベルトを有するベルトコンベアであり、前記ストッパーは昇降可能とされ、前記規制位置においてその上端が前記上流側コンベア又は下流側コンベアのベルトの間から上方に突出することを特徴とする請求項5に記載された袋供給装置。
【請求項7】
前記位置決め装置において、前記第2袋移送装置の吸盤に吸着された袋の上昇経路の途中に、袋の複数枚取りを防止する分離部材が設置され、上昇する袋が前記分離部材に当たるようになっていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載された袋供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空袋を袋詰め包装機やスパウト取付機等の各種装置に供給する場合に適用される袋の供給方法及び袋供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された袋供給装置は、コンベアマガジンと、その前方に直列に配置された位置決め装置を備える。コンベアマガジンでは、多数の空の袋が、上位の袋が前方側にくるように長さ方向にずらしてベルトコンベア上に積載されている。コンベアマガジンのベルトコンベア上では、最上位(最前部)に位置する袋が1枚ずつ分離されて前方に早送りされ、該ベルトコンベアの先端付近に設置したストッパーに当接する。ストッパーに当接した袋は吸盤で吸着され、上昇して位置決め装置に送り込まれる。位置決め装置では、袋は第2のベルトコンベアにより前方に搬送され、その先端付近に設置されたストッパーに当接し、位置決めされる。この袋は、別の吸盤で吸着され、袋詰め包装機のグリッパーに供給される。
【0003】
特許文献2に記載された袋供給装置は、袋積層保持装置(昇降式マガジン)と、隣接配置された位置決め装置を備える。袋積層保持装置では、多数の空の袋が略水平に積載されている。このうち最上位に位置する袋が1枚ずつ吸盤で吸着され、位置決め装置に送り込まれる。位置決め装置では、袋はベルトコンベアを備えた袋載置プレート上に載置され、ベルトと送りローラで挟まれ同プレート上を前方に搬送され、同プレートの前端に設置されたストッパーに当接し、位置決めされる。この袋は、別の吸盤で吸着され、袋詰め包装機のグリッパーに供給される。
【0004】
特許文献3に記載された袋供給装置は、袋ストック機構(カセット式マガジン)と、隣接配置された位置決め装置を備える。袋ストック機構では、多数の空の袋が起立姿勢で積載されている。このうち最上位(先端)に位置する袋が1枚ずつ吸盤で吸着され、位置決め装置に送り込まれる。位置決め装置では、袋はベルトコンベアを備えたプレート上に載置され、同プレート上をベルトと爪車で前方に搬送され、同プレートの前端に設置したストッパーに当接し、位置決めされる。この袋は、別の吸盤で吸着され、さらにチャックに持ち替えられ、袋詰め包装機のグリッパーに供給される。
【0005】
特許文献4に記載された袋供給装置は、コンベアマガジンと、その前方に設置された位置決め装置を備える。このコンベアマガジンは、特許文献1に記載されたコンベアマガジンと基本的に同じものである。コンベアマガジンのストッパーに当接した袋は、吸盤で吸着されて上昇し、途中で吸盤からチャック、チャックから別の吸盤へと受け渡しされた後、位置決め装置に送り込まれる。位置決め装置では、袋は傾斜したベルトコンベアの先端付近に設置されたストッパーに当接し、位置決めされる。この袋は、別の吸盤で吸着され、さらにチャックに持ち替えられ、袋詰め包装機のグリッパーに供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−287309号公報
【特許文献2】特開2002−53107号公報
【特許文献3】特開2007−290768号公報
【特許文献4】特開2010−36913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1〜4では、多数の空の袋を積載するマガジンから、最上位に位置する袋(コンベアマガジンの場合はストッパーに当接した袋)を1枚ずつ取り出して位置決め装置に送り込み、同位置決め装置であらためて位置決めした上で、袋詰め包装機に供給している。
【0008】
一方、マガジンに積載された袋同士が静電気等により密着状態となっていることがある。この場合、最上位に位置する袋(コンベアマガジンの場合はストッパーに当接した袋)を吸盤で吸着したとき、当該袋の下に別の袋が密着して一緒に持ち上げられ(複数枚取りという)、分離しないまま複数枚の袋が一緒に位置決め装置に送り込まれることがある。特許文献4では、コンベアマガジンのストッパーに当接した袋が吸盤に吸着されて持ち上げられ、チャックに受け渡され、チャックからさらに別の吸盤に受け渡された後、位置決め装置に送り込まれる。このため、仮に複数枚取りが生じても、複数枚の袋は途中で互いに分離し、吸盤に直接吸着されていない袋は落下する可能性が高いが、それでも複数枚の袋が一緒に位置決め装置に送り込まれる場合がある。
【0009】
仮に複数枚の袋が分離されないままで位置決め装置に送り込まれた場合、次に位置決めされた袋を袋詰め包装機に供給するため、当該袋を吸盤で吸着して持ち上げたとき、余分の袋は分離されないまま一緒に持ち上げられるか、分離して位置決め装置内に残される。余分の袋が位置決め装置内に残された場合、この袋が次に送り込まれる袋と重なり、次に送り込まれる袋の位置決めが困難になるなどの不具合が生じる。こうなると、袋供給装置だけでなく、袋詰め包装機等を含む全体のシステムを停止し、余分の袋を取り除いて復旧作業を行う必要が出てくる。
【0010】
本発明は、従来の袋供給装置の上記問題点に鑑みてなされたもので、マガジンから袋の複数枚取りが生じ、万一複数枚の袋が一緒に位置決め装置に送り込まれ、かつ位置決め装置内に余分の袋が残された場合でも、上記のような不具合が生じないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る袋の供給方法は、多数の空の袋を積載するマガジンから、最上位に位置する袋を1枚ずつ位置決め装置に移送し、前記位置決め装置のコンベアで前記袋を一方向に搬送し、搬送経路上の所定位置で袋をストッパーに当接させて位置決めし、位置決めした袋を吸盤で吸着し、前記吸盤を上昇させて吸着した袋を前記搬送経路上から取り上げ、所定の引き渡し位置に移送する袋の供給方法において、前記位置決め装置に移送された袋が1枚でなく複数枚存在し、位置決めした袋を前記吸盤で吸着して前記搬送経路上から取り上げた後、前記搬送経路上の前記ストッパーの上流側に余分の袋が残留することをセンサーで検出したとき、前記ストッパーを前記搬送経路から退避させ、これにより、前記余分の袋を前記搬送経路に沿って前記ストッパーの下流側に搬送(排出)することを特徴とする。
【0012】
本発明に係る袋供給装置は、上記供給方法を実施するための装置であり、多数の空の袋を積載するマガジンと、前記マガジンから最上位に位置する袋を1枚ずつ取り出し移送する第1移送装置と、前記第1移送装置から袋を1枚ずつ受け取って搬送し、かつ搬送経路上の所定位置に位置決めする位置決め装置と、位置決めされた袋を吸盤で吸着し、前記吸盤を上昇させて吸着した袋を前記搬送経路上から取り上げ、所定の引き渡し位置に移送する第2移送装置を備える袋供給装置において、前記位置決め装置が、袋を載置し一方向に搬送するコンベアと、袋を前記コンベアの搬送経路上の所定位置で停止させるストッパーと、袋が前記ストッパーに当接したことを検出する第1センサーと、前記搬送経路上の前記ストッパーの上流側に余分の袋が残留しているか否かを検出する第2センサーと、前記第1,第2センサーの検出信号に基づいて前記位置決め装置及び第2移送装置の作動を制御する制御装置を備える。そして、前記ストッパーは袋を停止させる規制位置と、袋を通過させる退避位置の間を移動可能とされ、前記制御装置は、前記第1センサーの検出信号に基づき、前記第2移送装置を作動させ、次いで前記吸盤に吸着された袋が前記搬送経路上から所定高さ上昇し、かつ前記第2センサーが前記余分の袋を検出したとき、その検出信号に基づき前記ストッパーを前記退避位置に退避させる。これにより、前記余分の袋が前記搬送経路に沿って前記ストッパーの下流側に搬送させる。
【0013】
上記袋供給装置は、次のような実施の形態を取り得る。
(1)前記制御装置は、前記第1センサーの検出信号に基づき、前記コンベアを停止させ、前記第2センサーが前記余分の袋を検出したとき、前記コンベアを再作動させる。
(2)前記コンベアが複数本のベルトを有するベルトコンベアであり、前記ストッパーは昇降可能とされ、前記規制位置においてその上端が前記ベルトの間から上方に突出する。
(3)前記コンベアが上流側コンベアと下流側コンベアからなり、前記上流側コンベアは袋を前記搬送経路に沿って少なくとも前記ストッパーに当接するまで搬送し、前記下流側コンベアは袋をさらに下流側に搬送する。
(4)前記位置決め装置において、前記第2袋移送装置の吸盤に吸着された袋の上昇経路の途中に、袋の複数枚取りを防止する分離部材が設置され、上昇の途中で袋が前記分離部材に当たるようになっている。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、マガジンから袋の複数枚取りが生じ、複数枚の袋が一緒に位置決め装置に送り込まれ、かつ位置決め装置内に余分の袋が残された場合でも、この袋を確実に排出することができる。このため、位置決め装置内に余分の袋が残されることに起因して、次に送り込まれる袋の位置決めが困難になるなどの不具合が生じるのを防止できる。その結果、袋供給装置だけでなく袋詰め包装機等を含む全体のシステムを停止したうえで、位置決め装置から余分の袋を取り除くなどという、大がかりな復旧作業を行う必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る袋供給装置の一部であるコンベアマガジン及び第1移送装置の側面図である。
図2】本発明に係る袋供給装置の主要部である位置決め装置の側面図である。
図3】その平面図である。
図4】第1移送装置と位置決め装置の動作を時系列的に説明する側面図である。
図5】第1移送装置と位置決め装置の動作を時系列的に説明する側面図である。
図6】第1移送装置と位置決め装置の動作を時系列的に説明する側面図である。
図7】本発明に係る袋供給装置が適用されるスパウト付き袋の製造装置の平面図である。
図8】スパウト付き袋の製造装置のうちスパウト取付装置で実施されるスパウト取付工程を工程順に説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図1図8を参照して、本発明に係る袋供給装置について具体的に説明する。
まず、図7,8を参照して、スパウト付き袋の製造装置について説明する。本発明に係る袋供給装置が、スパウト付き袋の製造装置の一部に組み込まれている。
図7に示すスパウト付き袋の製造装置は、袋のエアバッグ部内に気体を吹き込み、次いで封入する気体吹込封入装置1、エアバッグ付き袋のコーナー部にスパウトを取り付けるスパウト取付装置2、気体吹込封入装置1に袋を供給する本発明に係る袋供給装置3、及び気体吹込封入装置1とスパウト取付装置2の間に設置された別の袋供給装置4を含む。
スパウト取付装置2はダブル型であり、ダブル型のロータリー式袋移送装置5(例えば特開2004−244085号公報参照)の周囲に、スパウト取付操作を実施する各種装置(後述)が配置されている。ロータリー式袋移送装置5により2枚の袋が円形の移送経路に沿って同時に間欠的に移送され、各停止位置において2枚の袋が同時に各種スパウト取付操作を受ける。
【0017】
袋供給装置3は、詳しくは後述するが、多数の空の袋が上位の袋が前方側にくるように長さ方向にずらしてベルトコンベア上に積載されたコンベアマガジン6、コンベアマガジン6から1枚ずつ袋を受け取り、次の位置決め装置に送り込む第1移送装置7、第1移送装置7から送られた袋を搬送し、かつ所定位置に位置決めする位置決め装置8、位置決めされた袋を位置決め装置8から気体吹込封入装置1のライン上の所定位置に移送する第2移送装置9からなる。コンベアマガジン6、第1移送装置7及び位置決め装置8は、ダブル型のスパウト取付装置2に対応して、同じ装置が各2台、並列に隣接して配置されている。一方、第2移送装置9は1台のみで、2枚の袋を同時に移送する。
袋供給装置3により供給される袋11は平面視4角形の3方シール袋であり(図8(a)参照)、一方の側縁シール部に上下方向にエアバッグ部12が形成され、その上端部に吹込開口が形成されている。袋11のようなエアバッグ付き袋は、例えば特開2009−12800号公報、特開2007−118961号公報に記載されている。
【0018】
気体吹込封入装置1では、袋供給装置3から(直接的には第2移送装置9から)供給された袋11を、2枚1組として水平面内で袋幅方向に沿って間欠的に移送し、その移送の過程で、前記吹込開口からエアバッグ部12内に気体を吹き込み、次いで前記吹込開口をシールして、エアバッグ部12内に加圧気体を封入する。
前記特開2009−12800号公報、特開2007−118961号公報には、エアバッグ部12内に気体を吹き込み、次いで封入する方法及び装置が記載されている。これらの公報に記載された方法及び装置は、いずれも縦型(袋の両縁を左右のグリッパーで把持し、袋を垂直に吊り下げた状態で間欠的に移送しながら、エアバッグ部に気体を吹き込み封入するタイプ)であるが、これを横型(袋を水平面内で間欠的に移送しながら、エアバッグ部に気体を吹き込み封入するタイプ)に変換することにより、気体吹込封入装置1に適用し得る。
【0019】
気体吹込封入装置1によりエアバッグ部12内に気体が封入された袋11(以下、袋11a)は、袋供給装置4に水平状態のまま送られる。袋供給装置4は、袋11aの上面を吸盤13,13で吸着し(図8(a)参照)、袋11aを水平状態(袋面が水平面内)から垂直状態(袋面が鉛直面内)に変換し、かつ袋11aを角度θ1だけ傾斜させた状態で、ロータリー式袋移送装置5のグリッパーに供給する。ロータリー式袋移送装置5はダブル型であるから、袋供給装置4は2組のグリッパー14,15に1枚ずつ(計2枚)同時に供給する。
【0020】
ロータリー式袋移送装置5は、間欠的に回転するテーブル16の周囲に、等角度間隔で2組ずつ(計18組)のグリッパーを有する。各2組のグリッパー14,15は、円形の移動経路に沿って等角度ずつ間欠回転し、一回転する間に9回停止し、把持した袋11a,11aに対し、各停止位置に配置された各装置により、種々のスパウト取付工程が実施される。
1番目の停止位置(停止位置I)を、袋供給装置4から袋11aが供給される停止位置としたとき、2番目の停止位置(停止位置II)の近傍にはコーナーカット装置17が配置され、3番目の停止位置(停止位置III)の近傍には開口装置18が配置されている。4番目の停止位置(停止位置IV)の近傍には、スパウト供給コンベア19、パーツフィーダー21及びスパウト挿入・仮シール装置22が配置され、5番目の停止位置(停止位置V)の近傍には第1シール装置23、6番目の停止位置(停止位置VI)の近傍には第2シール装置24、7番目の停止位置(停止位置VII)の近傍には第3シール装置25が配置されている。また、8番目の停止位置(停止位置VIII)の近傍には冷却装置26が配置され、9番目の停止位置(停止位置IX)の近傍には、袋排出装置27及びコンベア28が配置されている。
29は気体吹込封入装置1、スパウト取付装置2、袋供給装置3、袋供給装置4等、スパウト付き袋の製造装置を構成する全ての装置を制御する制御装置を示す。
【0021】
図8を参照して、スパウト取付装置2で行われるスパウト取付工程について説明する。
袋11aを把持したグリッパー14,15(グリッパー14のみ図示)が停止位置IIに停止すると、コーナーカット装置17が作動し、図8(b)に示すように、袋11aのコーナー部が切除され、水平なコーナー部開口31が形成される。コーナー部開口31は、袋11aの幅方向に対しては角度θ2だけ傾斜している。先に述べた角度θ1は、袋11aに形成する予定のコーナー部開口31の傾斜角度θ2(θ1=θ2)を元に設定される。
停止位置IIIでは、開口装置18が作動し、図8(c)に示すように、一対の吸盤32が前進して袋11aの両面に吸着し、次いで後退してコーナー部開口31を開口する。
【0022】
停止位置IVでは、スパウト挿入・仮シール装置22が作動し、図8(d)に示すように、コーナー部開口31の中心にスパウト33を挿入し、次いでスパウト33を袋11aの両面に仮シールする。なお、図8(d)において、34は仮シールポイントを示す。
停止位置V〜VIIでは、各シール装置23〜25が作動し、図8(e)に示すように、スパウト33を袋11aの両面にシールすると同時に、袋11aの両面を互いにシールする。図8(e)において、35は熱板である。
【0023】
停止位置VIIIでは、冷却装置26が作動し、図8(f)に示すように、シール部を冷却する。図8(f)において、36は冷却板である。
停止位置IXでは、袋排出装置27が作動し、2組のグリッパー14,15から各1枚(計2枚)のスパウト付き袋11bを受け取り、コンベア28上に2列に配列させる。コンベア28上では、後続の袋が先行の袋の下に入り(特開平8−337217号公報の図7参照)、袋幅の1/3ほど袋幅方向にずれた状態で多数の袋(袋群11F)が堆積している。コンベア28は、図示しない充填装置にスパウト付き袋11b(袋群11F)を供給するコンベアマガジンのコンベアであり、堆積した袋群11Fはこのまま充填装置に供給される。
【0024】
続いて、図1〜6を参照して、本発明に係る袋供給装置の一例を説明する。
先に記載したとおり、袋供給装置3は、コンベアマガジン6、第1移送装置7、位置決め装置8、及び第2移送装置9からなる。
コンベアマガジン6はそれ自体公知(例えば特許文献4参照)で、図1に示すように、図示しない機台上に設置されたボックス37と、ボックス37に設置されたベルトコンベア38と、ボックス37の上部プレート39上においてベルトコンベア38の左右に設置されたガイドプレート41(片側のみ示す)と、ベルトコンベア38の上部に配置された早送り装置42と、上部プレート39上に設置された位置決め用のストッパー43を備える。
【0025】
ベルトコンベア38は、ボックス37の左右の側部プレート44(片側のみ示す)に回転自在に支持されたプーリ45,46と、このプーリ45,46に掛け渡された複数本のベルト47を有する。プーリ46が図示しない駆動源に連結されて回転する。プーリ45は上端部が上部プレート39に形成された穴から突出し、プーリ46は全体がボックス37内に配置されている。プーリ45から離れたベルト47は、上部プレート39上を滑って前方に移動し、プーリ46の手前で上部プレート39に形成された穴からボックス37内に入る。
早送り装置42は、ボックス37に設置され内部に駆動源を含む駆動機構が収容された駆動ボックス48と、駆動ボックス48内の駆動機構に接続されて回転するプーリ49と、駆動ボックス48にプーリ49と同一軸心で揺動自在に取り付けられたフリーアーム51と、フリーアーム51に取り付けられたプーリ52と、プーリ49,52に巻き掛けられた早送りベルト53を備える。
【0026】
コンベアマガジン6において、ベルト47上に袋口を前方に向け上位の袋が前方にずれるような形態で積層した多数の袋(図7に示す空袋群11A)が置かれ、左右両縁をガイドプレート41にガイドされつつ、ベルト47により水平面内を前方に搬送される。搬送方向は袋11の長さ方向に平行である。空袋群11Aの最上位の空袋が早送りベルト53に接触すると、早送りベルト53の速度がベルト47の速度より速いため、空袋群11Aから分離されて前方に早送りされ、ストッパー43に当接して停止し、位置決めされる。
【0027】
第1移送装置7は、コンベアマガジン6のストッパー43に当接して停止した袋11を吸着して上昇する第1移送機構54と、第1移送機構54から袋11を受け取り、次いで位置決め装置8に移送する第2移送機構55からなる。
第1移送機構54は、コンベアマガジン6の側部プレート44に固定された支持プレート56に設置された平行リンク機構57と、平行リンク機構57に下向きに設置された一対の吸盤58と、平行リンク機構57を作動させる図示しない駆動装置(エアシリンダ)を備える。上下2つのレバー59,59の一端が支持プレート56に上下揺動自在に連結され、両レバー59,59の他端にリンク61が連結し、これらの部材により前記平行リンク機構57が構成されている。
【0028】
第2移送機構55は、上下一対のベルト送り部材62,63を備える。ベルト送り部材62は、回転軸64に固定されたプーリ65、回転軸66に固定されたプーリ67、両プーリに掛け渡された複数のベルト68、及び両プーリの軸を回転自在に連結する一対の側面プレート69,69を有する。ベルト送り部材63はベルト送り部材62と同様の構造であり、回転軸71に固定されたプーリ72、回転軸73に固定されたプーリ74、両プーリに掛け渡された複数のベルト75、及び両プーリの軸を回転自在に連結する一対の側面プレート76,76を有する。
プーリ65の回転軸64及びプーリ72の回転軸71は、それぞれ両端が位置決め装置8のボックスの側部プレートに設置された取付プレート77,78に、水平にかつ回転自在に支持されている。
【0029】
第2移送機構55は、プーリ65,72を回転させる駆動機構を備える。この駆動機構は、取付プレート77に設置されたモータ79と、取付プレート78に設置されたギアボックス81からなる。モータ79が回転軸64を図1において反時計回りに回転させ、回転軸64の回転がギアボックス81に内蔵された複数のギアにより回転軸71に伝達され、回転軸71が回転軸64と同速でかつ逆向きに回転する。これにより、プーリ65,72が同速で逆向きに回転し、ベルト68,75が同速で逆向きに回転する。
【0030】
また、第2移送機構55は、ベルト送り部材62,63を、それぞれ回転軸64,71を中心として鉛直面内で上下に揺動させる揺動機構を備える。ベルト送り部材62の揺動機構は、取付プレート77,78に両端を固定された取付軸82、取付軸82に後端が連結されたエアシリンダ83、取付プレート77,78に固定された軸84に上端が連結し、鉛直面内で揺動自在とされたレバー85、一端がレバー85の下端に設置された軸86に連結し、他端が側面プレート69,69に連結した一対のリンク87,87からなる。ベルト送り部材63の揺動機構も、ベルト送り部材62の揺動機構と同様の構造を有し、取付軸88、エアシリンダ89、軸91、レバー92、軸93、リンク94が、それぞれベルト送り部材62の揺動機構の取付軸82、エアシリンダ83、軸84、レバー85、軸86、リンク87に対応する。エアシリンダ83,89のピストンロッドの先端はそれぞれレバー85,92の中間位置に連結している。
【0031】
第1移送装置7は、図1に示すように、まず、第1移送機構54の駆動装置が所定のタイミングで作動し、平行リンク機構57が下向きに作動して吸盤58が下降し、コンベアマガジン6のストッパー43に当接して停止した袋11の上面を吸着し、平行リンク機構57が上向きに作動して吸盤58及び袋11が上昇する。この間、吸盤58は下向き姿勢を保つ。平行リンク機構57が作動する時の吸盤58の移動経路は円弧状であるため、吸盤58に吸着された袋11は上昇しながら下流側(第2移送機構55側)に移送され、移送の終点において、袋11の先端が第2移送機構55の一対のベルト送り部材62,63の間に達する。袋11の先端を受け入れやすくするため、この間ベルト送り部材62,63は開いた状態とされ、特にベルト送り部材63の開き(下方への傾斜)が大きい。
【0032】
続いて、図2に示すように、エアシリンダ83,89が作動してベルト送り部材62,63が閉じ、これにより、袋11の先端がベルト送り部材62,63のベルト68,75により上下から挟まれる。次いで吸盤58による袋11の吸着が解除され、同時にモータ79が作動してベルト送り部材62,63のプーリ65,72及びベルト68,75が回転する。これにより、袋11がベルト送り部材62,63の中に引き込まれ、続いて位置決め装置8に向けて送り出される(図4参照)。
【0033】
位置決め装置8は、図示しない機台上に設置されたボックス95と、ボックス95に設置されたベルトコンベア96と、ボックス95の上部プレート97上においてベルトコンベア96の左右に設置されたガイドプレート98と、ベルトコンベア96の搬送経路上の所定位置に設置された位置決め用のストッパー99と、ストッパー99の近傍で円弧状の軌道に沿って昇降する回転ブラシ101を備える。また、位置決め装置8は、前記搬送経路のストッパー99より下流側において上部プレート97の上方位置に設置した第1センサー102と、前記搬送経路のストッパー99の上流側においてボックス95内に設置した第2センサー103を備える。
【0034】
ベルトコンベア96は、ボックス95の左右の側部プレート104(片側のみ示す)に回転自在に支持されたプーリ105,106と、プーリ105,106に掛け渡された複数本のベルト107を有する。プーリ106が図示しない駆動源に連結されて回転する。プーリ105から離れたベルト107は、上部プレート97に形成された穴からボックス95外に出て、上部プレートの97の上を滑って前方に移動し、プーリ106の手前で上部プレート97に形成された穴からボックス95内に入る。
【0035】
ストッパー99は、ボックス95内に設置された昇降機構108により、上部プレート97に形成された穴109を通って昇降可能である。昇降機構108は、ボックス95の底部プレート111に設置された支持ブロック112と、支持ブロック112に設置されたエアシリンダ113と、エアシリンダ113のピストンロッドの先端に固定された支持部材114からなる。ストッパー99が上昇して規制位置(図2に示す位置)にきたとき、ストッパー99の上端は穴109から上に突出してベルト107より高い位置となり、ストッパー99が前記搬送経路を遮る。ストッパー99の上部には、複数本のベルト107に対応して同数の切り欠き115が形成されており、前記規制位置においてベルト107と干渉することはない。ストッパー99が下降して退避位置(図6に示す位置)にきたとき、ストッパー99の上端はベルト107より低い位置となり、前記搬送経路を遮らない。
【0036】
回転ブラシ101は、特開2014-999号公報に記載されたコンベアマガジンに使用される爪車と同様のものである。回転ブラシ101は回転軸116に固定されている。回転軸116は、ベルトコンベア96の搬送経路に平行な鉛直面内で揺動する一対の揺動アーム117,117に回転自在に支持され、回転軸116の一端にプーリ118が固定されている。揺動アーム117は、下端がボックス95の側部プレート104に軸支されている。回転ブラシ101は、軸部101aの周囲に可撓性を有し放射方向に伸びる複数の突条101bを有する。
【0037】
回転軸116をプーリ118を介して回転させる図示しないモータ、及び揺動アーム117,117を揺動させる図示しないエアシリンダが、ボックス95内に収納されている。揺動アーム117,117が揺動するのに伴い、回転ブラシ101は、送り位置(図2に実線で示す位置)と退避位置(図2に2点鎖線で示す位置)の間を、円弧状の移動経路に沿って前後方向に揺動する。前記送り位置と退避位置は、ストッパー99を挟んで前記搬送経路の上流側と下流側に位置する。前記送り位置は、ストッパー99の近傍である。回転ブラシ101は、前記送り位置においてベルトコンベア96上の袋11に接触し(図4参照)、前記送り位置から退避位置に向けて揺動するとき上昇してストッパー99を乗り越え、退避位置においてベルトコンベア96上の袋11との接触が回避される(図5参照)。
【0038】
第1センサー102は、この例では反射型光電センサーであり、ボックス95の側部プレート104に固定された取付プレート119に設置されている。取付プレート119は、ボックス95の左右の側部プレート104に固定された一対の鉛直部119a(図2に片側のみ示されている)と、一対の鉛直部119aの上端同士をつなぐ水平部119bからなり、水平部119bがボックス95の上部プレート97の上方位置に配置され、第1センサー102は、水平部119bの略中央位置に設置されている。
第1センサー102に対応して、ボックス95内に反射板121が設置されている。第1センサー102の発光(図2に示す斜め下向きのライン122)及び反射板121からの反射光は、ストッパー99に形成された切り欠き(中央部の切り欠き)115及びボックス95の上部プレート97に形成された穴109(図3参照)を通過する。しかし、袋11がストッパー99に当接したとき、第1センサー102の発光はその袋11に遮られ、第1センサー102は前記反射光を検出できなくなる。
なお、この例では第1センサー102をボックス95外に配置しているが、ボックス95内に配置することもできる。その場合、反射板121はボックス95外に配置される。
【0039】
第2センサー103は、この例では反射型光電センサーであり、ボックス95内に設置されている。第1センサー102に対応して、反射板123がボックス95の側部プレート104に固定された取付プレート124に設置されている。取付プレート124は、ボックス95の左右の側部プレート104に固定された一対の鉛直部124a(図2に片側のみ示されている)と、一対の鉛直部124aの上端同士をつなぐ水平部124bからなり、水平部124bがボックス95の上部プレート97の上方位置に配置され、第1センサー102は、水平部124bの下面に設置されている。第2センサー103の発光(図2に示す鉛直方向上向きのライン125)及び反射板123からの反射光は、ボックス95の上部プレート97に形成された穴126(図3参照)を通過する。しかし、袋11が前記穴126を塞ぐ位置に存在すると、第2センサー103の発光はその袋11に遮られ、第2センサー103は前記反射光を検出できない。
なお、この例では第2センサー103をボックス95内に配置しているが、ボックス95外に配置することもできる。その場合、反射板123はボックス95内に配置される。
【0040】
図5に示すように、第2センサー103の検出位置(ベルトコンベア96の搬送方向に沿った位置)は、同検出位置からストッパー99までの間隔D1が袋11の長さLより狭く(D1<L)なるように設定される。言い換えれば、第2センサー103による検出位置は、0<D1<Lの範囲で任意に設定できる。
なお、取付プレート124の水平部124bは、後述するように、第2移送装置9による袋の複数枚取りを防止する分離部材としても機能する。この場合、取付プレート124(特に水平部124b)は、昇降する吸盤128等と干渉せず、かつ上昇する袋11の上昇経路の途中に設置される。
【0041】
第2移送装置9は、エアシリンダ127と、そのピストンロッドの先端(下端)に設置された複数個の吸盤128を含む。吸盤128は、ベルトコンベア96の搬送経路の上に配置され、エアシリンダ127が作動することにより、吸盤128がストッパー99と第2センサ103の間の位置で鉛直方向に昇降する。エアシリンダ127自体も、図示しない駆動源(エアシリンダ)により、前記搬送経路に垂直に敷設されたレール129(図7参照)に沿って水平面内を所定距離移動する。
先に述べたとおり、2台の位置決め装置8が並列に配置されている。従って、各位置決め装置8において、1枚ずつ(計2枚)の袋11が、ベルトコンベア96の搬送経路上でストッパー99に当接して位置決めされる。第2移送装置9は、各位置決め装置8において位置決めされた各1枚(計2枚)の空袋11を、同時に気体吹込封入装置1の所定位置に移送する。
【0042】
第2移送装置9の吸盤128はベルトコンベア96の搬送経路上で下降し、袋11を吸着して上昇し、前記搬送経路に対し垂直方向(袋11の幅方向)に水平面内で移動し、次いで下降し吸着を解除する。これにより2枚の袋11が同時に気体吹込封入装置1内の所定位置(引き渡し位置)に載置される。
なお、この例では、吸盤128が昇降及び水平移動を行うようになっているが、吸盤128には昇降のみを行わせ、上昇位置(引き渡し位置)で袋11を他の移送手段(チャックや別の吸盤)に引き渡し、当該他の移送手段により袋11を気体吹込封入装置1内の所定位置に移送することもできる。
【0043】
吸盤128が袋11を吸着して上昇するとき、当該袋11の端部が取付プレート124の水平部124bに当たる。ここで、仮に第1移送装置7により袋の複数枚取りが生じ、密着した複数枚の袋が分離されずに位置決め装置8に移送され、ベルトコンベア96により搬送されてストッパー99に到達し、分離されないまま位置決めされ、さらに吸盤128による袋の複数枚取りが生じたとする。この場合、吸盤128が複数枚の袋のうち最上位の袋11を吸着して上昇する途中で、複数枚の袋が前記水平部124bに当たって変形(湾曲)し、そのとき複数枚の袋の間に空気が入り、吸盤128に直接吸着されていない袋(余分の袋)が分離し、前記搬送経路上に落下する可能性がある。
【0044】
制御装置29は、第1センサー102及び第2センサー103の検出信号に基づき、ベルトコンベア96、ストッパー99、回転ブラシ101及び第2移送装置9を次のように制御する。
第1センサー102の検出信号(反射光が検出されないという信号)が制御装置29に送信されると、制御装置29の指令により、ベルトコンベア96が停止し、退避位置にあった回転ブラシ101が回転を開始し、送り位置に移動して袋11の上面に接触する。なお、回転ブラシ101は常時回転させていてもよい。これにより、袋11の先端がストッパー99に適度の付勢力で押し付けられ、袋11は確実に位置決めされる。
続いて、制御装置29の指令により、回転ブラシ101が退避位置に移動し、第2移送装置9の吸盤128が下降して袋11を吸着し(図5参照)、次いで上昇する。吸盤128は上昇後、先に記載したとおり、吸着した袋11を気体吹込封入装置1に移送する。
【0045】
第1移送装置7から位置決め装置8に移送された袋が1枚のみのとき(図5参照)、吸盤128に吸着された袋11が吸盤128と共に上昇し、袋11の高さが取付プレート124に設置された反射板123の位置を越えると、それまで袋11に遮られていた第2センサー103の発光が反射板123に反射されるようになる。この場合の第2センサー103の検出信号(反射光が検出されたという信号)は、ベルトコンベア96上に袋11が存在しないことを意味し、この検出信号を受けた制御装置29は、特段の指令を発信しない。
【0046】
一方、第1移送装置7から位置決め装置8に移送された袋が複数枚(例えば2枚)のとき、吸盤128に直接吸着された最上位の袋11のみが吸盤128と共に上昇し、余分の袋11e(図6参照)は分離して、ベルトコンベア96上にそのまま残される場合がある。あるいは、吸盤128に直接吸着された最上位の袋11のみでなく、余分の袋11eも共に上昇し、2枚の袋が取付プレート124の水平部124bを越えるときようやく余分の袋11eが分離し、ベルトコンベア96上に落下する場合がある。いずれの場合も、第2センサー103の発光は余分の袋11eに遮られたままである。この場合の第2センサー103の検出信号(反射光が検出されなかったという信号)は、ベルトコンベア96上に袋11が存在することを意味し、この検出信号が制御装置29に送信されると、制御装置29の指令により、ストッパー99が前記規制位置から退避位置に下降し、ベルトコンベア96が回転を始める。
なお、制御装置29は、吸盤128が上昇を開始して所定時間経過したとき(吸盤128に吸着された袋11が反射板123の位置を越えるタイミングで)発信される第2センサーの検出信号を基に、上記指令を出すように設定されている。
【0047】
続いて、以上説明した袋供給装置の作動について、一部重複するが、時系列的に説明する。
(1)コンベアマガジン6において、ベルトコンベア47上に積載された空袋群11Aのうち最上位の袋11が早送り装置42により1枚ずつ前方に早送りされ、先端がストッパー43に当接し、位置決めされる。
(2)第1移送装置7の吸盤58がストッパー43に当接した袋11を吸着して上昇し、袋11の先端部を一対のベルト送り部材62,63の間に送り込む。続いてベルト送り部材62,63が、袋11(図4に2点鎖線で描かれた袋11参照)を位置決め装置8のベルトコンベア96上に送り出す。
【0048】
(3)位置決め装置8において、袋11はベルトコンベア96により前方に搬送され、ストッパー99に当接する(図4に実線で描かれた袋11参照)。
(4)第1センサー102の検出信号が制御装置29に送信され、制御装置29の指令により、ベルトコンベア96が停止し、退避位置にあった回転ブラシ101が回転を開始し、送り位置に移動して袋11の上面に接触する。なお、回転ブラシ101は常時回転させていてもよい。これにより、袋11はストッパー99に適度の付勢力で押し付けられ、確実に位置決めされる。
【0049】
(5)続いて、回転ブラシ101が退避位置に移動し、第2移送装置9の吸盤128が下降して袋11を吸着し(図5参照)、次いで上昇し、気体吹込封入装置1の所定位置(引き渡し位置)に向け、吸着した袋11の移送を開始する。
(6)吸盤128が上昇を開始後所定のタイミングで第2センサー103から発信される検出信号が、「反射光が検出されたという信号」であった場合、この検出信号を受けた制御装置29は、特段の指令を発信しない。一方、第2センサー103から発信される検出信号が、「反射光が検出されなかったという信号」であった場合、制御装置29の指令により、ストッパー99が前記規制位置から退避位置に下降し、ベルトコンベア96が回転を始める(図6参照)。これにより、ベルトコンベア96上に存在する余分の袋11eは、ベルトコンベア96の搬送経路上をストッパー99より下流側に排出される。なお、図6において、ストッパー99より上流側に描かれた袋11eは排出前、ストッパー99より下流側に描かれた袋11eは排出完了直前のものである。ベルトコンベア96が余分の袋11eを排出後、ストッパー99は規制位置に復帰する。
【0050】
なお、上記の例では、ストッパー99がベルトコンベア96の搬送経路の途中に設置され、ベルトコンベア96で余分の袋11eを排出でき、そのため、余分の袋11eを排出するための部材を別に設ける必要がない。しかし、ストッパー99より下流側に、ベルトコンベア96とは別の排出用ベルトコンベアを配置し(その分、ベルトコンベア96の長さを短くしてよい)、該排出用ベルトコンベアにより余分の袋11eを排出してもよい。また、排出用ベルトコンベアの代わりに、プッシャー、チャック、その他の排出用コンベア(搬送部材)を設置することもできる。
【符号の説明】
【0051】
3 袋供給装置
6 コンベアマガジン
7 第1移送装置
8 位置決め装置
9 第2移送装置
11 袋
11e 余分の袋
96 ベルトコンベア
99 ストッパー
101 回転ブラシ
102 第1センサー
103 第2センサー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8