【実施例】
【0033】
以下、実施例として、製造例および試験例を挙げて本発明の実施の態様をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、実施例としての製造例および試験例に何ら限定されるものではない。
【0034】
製造例1:化合物1(1−フェニルスルフォニル―1H−インドール)の合成
200mL容の三口フラスコに、インドール(2.12g、18.1mmol)を採り、系内をアルゴン雰囲気下とした後、無水テトラヒドロフラン20mLを加えて溶解した。これに水素化ナトリウムの60%鉱油分散物(0.928g、38.7mmol)を加え、0℃に冷却し、15分間撹拌した。その後、ベンゼンスルフォニルクロライド(2.90mL、22.7mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液に蒸留水20mLを加え、酢酸エチル40mLで3回抽出した。抽出液を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。残留物をn−ヘキサン/酢酸エチル=8/1で洗浄して不純物を除去し、1−(フェニルスルフォニル)−1H−インドール(分子式:C
14H
11NO
2S(mw257.31)3.82gを白色固体として得た(回収率87.0%)。得られた化合物については、NMRにより確認した。(
図1)
【0035】
製造例8:化合物8(8−((1H−インドール−1−イル)スルフォニル)キノリン)の合成
100mL容の三口フラスコに、インドール(1.01g、8.62mmol)を採り、系内をアルゴン雰囲気下とした後、無水テトラヒドロフラン15mLを加えて溶解し、5分間撹拌した。その後0℃に冷却し、これに水素化ナトリウムの60%鉱油分散物(0.444g、11.0mmol)と無水テトラヒドロフラン10mLを順次加え、10分間撹拌した。その後、キノリン―8−スルホニルクロライド(1.94mL、8.52 mmol)と無水テトラヒドロフラン5mLを順次加えて、室温で2.5時間撹拌した。反応液に蒸留水20mLを加え、酢酸エチル40mLで3回抽出し、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残留物中の不純物をn−ヘキサン/酢酸エチル=8/1により超音波抽出して除去し、残った固体を真空乾燥させて、8−(1H−インドール−1−イル)スルフォニル)キノリン(分子式:C
17H
12N
2O
2S(mw308.35)2.15gを白色固体として得た(回収率80.5%)。得られた化合物については、NMRにより確認した。(
図8)
【0036】
製造例10:化合物10(1−((2−ブロモフェニル)スルフォニル)−1H−インドール)の合成
100mL容の三口フラスコにインドール(1.01g、8.62mmol)を採り、系内をアルゴン雰囲気下とした後、無水テトラヒドロフラン15mLに溶解し、0℃に冷却した。これに水素化ナトリウムの60%鉱油分散物(0.471g、11.8mmol)と無水テトラヒドロフラン15mLを加え、15分間撹拌した。2−臭化ベンゼンスルホン酸クロライド(2.20g、8.61mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に蒸留水20mLを加え、30mLの酢酸エチルで2回抽出し、抽出液を合わせて飽和塩化ナトリウム30mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残留物中の不純物をn−ヘキサンで超音波抽出・吸引ろ過により除去し、残った固体を真空乾燥させて、1−((2−ブロモフェニル)スルフォニル)−1H−インドール(分子式:C
14H
10BrNO
2S(mw336.20))2.17gを淡褐色固体として得た(回収率74.8%)。得られた化合物については、NMRにより確認にした。(
図10)
【0037】
製造例11:化合物11(1−((3−ブロモフェニル)スルフォニル)−1H−インドール)の合成
100mL容の三口フラスコにインドール(0.459g、3.92mmol)を採り、系内をアルゴン雰囲気下とした後、無水テトラヒドロフラン15mLに溶解し、0℃に冷却した。これに水素化ナトリウムの60%鉱油分散物(0.255g、6.38mmol)と無水テトラヒドロフラン10mLを加え、15分間撹拌した。3−臭化ベンゼンスルホン酸クロライド(1.00g、3.91mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に蒸留水20mLを加え、30mLの酢酸エチルで2回抽出し、抽出液を合わせて飽和塩化ナトリウム30mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残留物をカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン/酢酸エチル=8/1)により精製して1−((3−ブロモフェニル)スルフォニル)−1H−インドール(分子式:C
14H
10BrNO
2S(mw336.20))1.03gを淡褐色固体として得た(回収77.8%)。得られた化合物については、NMRにより確認した。(
図11)
【0038】
製造例12:化合物12(1−((4−ブロモフェニル)スルフォニル)−1H−インドール)の合成
100mL容の三口フラスコにインドール(1.02g、8.71mmol)を採り、系内をアルゴン雰囲気下とした後、無水テトラヒドロフラン15mLに溶解し、0℃に冷却した。これに水素化ナトリウムの60%鉱油分散物(0.457g、11.4mmol)と無水テトラヒドロフラン15mLを加え、15分間撹拌した。4−臭化ベンゼンスルホン酸クロライド(2.18g、8.54mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に蒸留水20mLを加え、30mLの酢酸エチルで2回抽出し、抽出液を合わせて飽和塩化ナトリウム30mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残留物中の不純物をn−ヘキサンで超音波抽出・吸引ろ過により除去し、残った固体を真空乾燥させて、1−((4−ブロモフェニル)スルフォニル)−1H−インドール(分子式:C
14H
10BrNO
2S(mw336.20))2.75gを白色固体として得た(回収率93.9%)。得られた化合物については、NMRにより確認にした。(
図12)
【0039】
製造例13:化合物13(1−((4−ヨウ化フェニル)スルフォニル)−1H−インドール)の合成
100mL容の三口フラスコにインドール(1.06g、9.05mmol)を採り、系内をアルゴン雰囲気下とした後、無水テトラヒドロフラン15mLに溶解し、0℃に冷却した。これに水素化ナトリウムの60%鉱油分散物(0.501g、12.5mmol)と無水テトラヒドロフラン15mLを加え、15分間撹拌した。4−ヨウ化ベンゼンスルホン酸クロライド(2.60g、8.59mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に蒸留水20mLを加え、30mLの酢酸エチルで2回抽出し、抽出液を合わせて飽和塩化ナトリウム30mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、1−((4−ヨウ化フェニル)スルフォニル)−1H−インドール(分子式:C
14H
10INO
2S(mw383.20))2.75gを黄色固体として得た(回収79.2%)。得られた化合物については、NMRにより確認した。(
図13)
【0040】
製造例14:化合物14(1−((4−塩化フェニル)スルフォニル)−1H−インドール)の合成
100mL容の三口フラスコにインドール(1.01g、8.62mmol)を採り、系内をアルゴン雰囲気下とした後、無水テトラヒドロフラン15mLに溶解し、0℃に冷却した。これに水素化ナトリウムの60%鉱油分散物(0.454g、11.4mmol)と無水テトラヒドロフラン15mLを加え、15分間撹拌した。4−塩化ベンゼンスルホン酸クロライド(1.84g、8.72mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に蒸留水20mLを加え、30mLの酢酸エチルで2回抽出し、抽出液を合わせて飽和塩化ナトリウム30mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、残留物中の不純物をn−ヘキサンで超音波抽出・吸引ろ過により除去し、残った固体を真空乾燥させて、1−((4−塩化フェニル)スルフォニル)−1H−インドール(分子式:C
14H
10ClNO
2S(mw291.75))1.84gを白色固体として得た(回収率73.3%)。得られた化合物については、NMRにより確認にした。(
図14)
【0041】
製造例2〜7、9および15〜21
それぞれの製造例に対応する下記化合物2〜7、9および15〜21については、上記製造例1、8および10〜14と同様の手順により合成した。得られた化合物については、NMRにより確認した。(
図2〜7、9、15〜21)
化合物2:1−((4−メチルフェニル)スルフォニル)−1H−インドール
化合物3:1−(メチルスルフォニル)−1H−インドール
化合物4:1−((4−ニトロフェニル)スルフォニル)−1H−インドール
化合物5:1−(α−ナフチルスルフォニル)−1H−インドール
化合物6:1−(β―ナフチルスルフォニル)−1H−インドール
化合物7:1−((4−アセチルアミノフェニル)スルフォニル)−1H−インドール
化合物9:1−((2、4、6−トリメチルフェニル)スルフォニル)−1H−インドール
化合物15:1−((2−シアノフェニル)スルフォニル)−1H−インドール
化合物16:1−((2−フルオロフェニル)スルフォニル)−1H−インドール
化合物17:1−((4−フルオロフェニル)スルフォニル)−1H−インドール
化合物18:1−((2、6−ジフルオロフェニル)スルフォニル)−1H−インドール
化合物19:1−((2、4−ジフルオロフェニル)スルフォニル)−1H−インドール
化合物20:1−((2−ニトロフェニル)スルフォニル)−1H−インドール
化合物21:1−((2、4、6−トリクロロフェニル)スルフォニル)−1H−インドール
【0042】
試験例
試験化合物として上記製造例で得られた化合物1〜21を用い、以下の腫瘍細胞増殖阻害活性試験を実施した。結果は下表のとおりである。
試験化合物としてN−置換スルフォニルインドール誘導体化合物(化合物1〜21)の10mg/mlDMSO溶液を調製した。これを必要に応じてメタノールで希釈し、検体溶液とした。マウス由来メラノーマ細胞であるB16細胞を10%のFBSを添加したDMEM培地に加えて、4×10
4cells/mlに調製した細胞懸濁液の200μlを96穴プレートに播種し、CO
2培養器(CO
2 5%、湿度100%、37℃)で2時間培養した。上記検体溶液を所定の濃度になるように添加し、CO
2培養器で120時間培養した。MTT比色法により生存細胞数を計測して、対照群に対する増殖率から50%細胞増殖阻害濃度(IC
50)を求めた。
【0043】
【表1】