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特開2015-168641(トリハロメチル)ベンゼン誘導体及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-168641(P2015-168641A)
(43)【公開日】2015年9月28日
(54)【発明の名称】(トリハロメチル)ベンゼン誘導体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 69/76 20060101AFI20150901BHJP
   C07C 255/50 20060101ALI20150901BHJP
   C07C 255/54 20060101ALI20150901BHJP
   C07C 69/92 20060101ALI20150901BHJP
   C07C 317/14 20060101ALI20150901BHJP
   C07C 67/30 20060101ALI20150901BHJP
   C07C 253/30 20060101ALI20150901BHJP
   C07C 315/04 20060101ALI20150901BHJP
   C07B 49/00 20060101ALI20150901BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20150901BHJP
【FI】
   C07C69/76 ZCSP
   C07C255/50
   C07C255/54
   C07C69/92
   C07C317/14
   C07C67/30
   C07C253/30
   C07C315/04
   C07B49/00
   C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2014-43701(P2014-43701)
(22)【出願日】2014年3月6日
(71)【出願人】
【識別番号】000173762
【氏名又は名称】公益財団法人相模中央化学研究所
(71)【出願人】
【識別番号】591180358
【氏名又は名称】東ソ−・エフテック株式会社
(72)【発明者】
【氏名】井上 宗宣
(72)【発明者】
【氏名】潮崎 雅宏
【テーマコード(参考)】
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4H006AA01
4H006AA02
4H006AC24
4H006BA02
4H006BA06
4H006BA37
4H006BB15
4H006BB17
4H006BB25
4H006BB31
4H006BC10
4H006BC31
4H006BD10
4H006BJ50
4H006BM10
4H006BM71
4H006BM72
4H006BM73
4H006BP30
4H006KA31
4H006KC30
4H006KF10
4H006QN30
4H006TA02
4H006TB13
4H039CA11
4H039CD20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】医農薬、機能性材料及びそれらの製造中間体として有用な(トリハロメチル)ベンゼン誘導体及びそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】一般式(2)で表される(トリハロメチル)ベンゼン誘導体。

(Rはシアノ基、フッ素原子で置換されているフェニルスルホニル基;Rはアルキル基、アルコキシ基等;nは0から3の整数;Qは塩素原子又は臭素原子)
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(2)
【化1】

(式中、Rは炭素数1から6のフルオロアルキル基;(炭素数1から6のアルコキシ)カルボニル基;シアノ基;炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のフルオロアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよいフェニルスルホニル基;フッ素原子;又はペンタフルオロスルファニル基を表し、Rは炭素数1から6のフルオロアルキル基;(炭素数1から6のアルコキシ)カルボニル基;シアノ基;炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のフルオロアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよいフェニルスルホニル基;フッ素原子;ペンタフルオロスルファニル基;炭素数1から6のアルキル基;炭素数1から6のアルコキシ基;炭素数3から6のアルケニルオキシ基;炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のフルオロアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数6から12の芳香族炭化水素基;又は塩素原子を表す。nは0から3の整数を表し、nが2又は3の整数の場合、複数のRは同一又は相異なっていてもよい。Qは塩素原子又は臭素原子を表す。)で表される(トリハロメチル)ベンゼン誘導体。
【請求項2】
一般式(1)
【化2】

(式中、Rは炭素数1から6のフルオロアルキル基;(炭素数1から6のアルコキシ)カルボニル基;シアノ基;炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のフルオロアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよいフェニルスルホニル基;フッ素原子;又はペンタフルオロスルファニル基を表し、Rは炭素数1から6のフルオロアルキル基;(炭素数1から6のアルコキシ)カルボニル基;シアノ基;炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のフルオロアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよいフェニルスルホニル基;フッ素原子;ペンタフルオロスルファニル基;炭素数1から6のアルキル基;炭素数1から6のアルコキシ基;炭素数3から6のアルケニルオキシ基;炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のフルオロアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数6から12の芳香族炭化水素基;又は塩素原子を表す。nは0から3の整数を表し、nが2又は3の整数の場合、複数のRは同一又は相異なっていてもよい。Xはハロゲン原子を表す。)で表されるアリールマグネシウム試薬を、一般式(5)[MQ(5)](式中、Mはアルカリ金属、Qは塩素原子又は臭素原子を表す。)で表されるハロゲン化アルカリ金属塩又は一般式(6)[MgQ(6)](式中、Qは塩素原子又は臭素原子を表す。)で表されるハロゲン化マグネシウム存在下、ジブロモジフルオロメタンと反応させることを特徴とする、一般式(2)
【化3】

(式中、R、R、Q及びnは前記と同じ意味を表す。)で表される(トリハロメチル)ベンゼン誘導体の製造方法。
【請求項3】
一般式(3)
【化4】

(式中、R、R及びnは前記と同じ意味を表す。Yはハロゲン原子を表す。)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体と、一般式(4)[i−PrMgZ(4)](式中、Zはハロゲン原子を表す。)で表されるイソプロピルマグネシウムハライドとを反応させて調製した一般式(1)
【化5】

(式中、R、R及びnは前記と同じ意味を表す。XはY又はZを表す。)で表されるアリールマグネシウム試薬を、一般式(5)[MQ(5)](式中、Mはアルカリ金属、Qは塩素原子又は臭素原子を表す。)で表されるハロゲン化アルカリ金属塩又は一般式(6)[MgQ(6)](式中、Qは塩素原子又は臭素原子を表す。)で表されるハロゲン化マグネシウム存在下、ジブロモジフルオロメタンと反応させることを特徴とする、請求項2に記載の一般式(2)
【化6】

(式中、R、R、Q及びnは前記と同じ意味を表す。)で表される(トリハロメチル)ベンゼン誘導体の製造方法。
【請求項4】
Q、Zが同一のハロゲン原子である請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
Mがリチウム原子である請求項2〜4のいずれかに記載の製造方法。
【請求項6】
反応温度として0℃から30℃の範囲で反応を行うことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の製造方法。
【請求項7】
アリールマグネシウム試薬とジブロモジフルオロメタンとのモル比が、1:1から1:3の範囲であることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医農薬、機能性材料及びそれらの製造中間体として有用な(トリハロメチル)ベンゼン誘導体及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(トリハロメチル)ベンゼン誘導体は医農薬、機能性材料及びそれらの製造中間体として有用である。しかしながら、(トリハロメチル)ベンゼン誘導体の中で、(ジブロモフルオロメチル)ベンゼン誘導体はほとんど知られていない。従来、(ジブロモフルオロメチル)ベンゼン誘導体は、対応する(トリブロモメチル)ベンゼン誘導体をフッ化水素により臭素原子をフッ素原子で置換する方法(特許文献1)及び(トリフルオロメチル)ベンゼン誘導体を三臭化ホウ素によりフッ素原子を臭素原子で置換する方法(非特許文献1)で製造されている。また、(ブロモフルオロメチル)ベンゼン誘導体の臭素化反応により(ジブロモフルオロメチル)ベンゼン誘導体を製造する方法が開示されている(非特許文献2)。しかしながら、何れの方法も過酷な反応条件が必要であり、基質一般性の低い方法である。また、(トリハロメチル)ベンゼン誘導体である(ブロモクロロフルオロメチル)ベンゼン誘導体及びその製造方法もこれまでほとんど報告されていない。
これまでに、アリールマグネシウム試薬とジブロモジフルオロメタンをハロゲン化アルカリ金属塩又はハロゲン化マグネシウム存在下反応させて、(ブロモクロロフルオロメチル)ベンゼン誘導体及び(ジブロモフルオロメチル)ベンゼン誘導体を得る製造法は全く報告されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国特許出願公開第102510616号明細書。
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Journal of Fluorine Chemistry,125巻,595−601ページ,2004年。
【非特許文献2】Russian Jouanal of General Chemistry,75巻,1643−1647ページ,2005年。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の(トリハロメチル)ベンゼン誘導体の製造方法は、過酷な反応条件や基質寛容性の低い試薬を用いるため、基質一般性の高い製造法ではなかった。本発明の課題は、医農薬、機能性材料及びそれらの製造中間体として有用な(トリハロメチル)ベンゼン誘導体及び基質一般性の高い(トリハロメチル)ベンゼン誘導体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を鑑み鋭意検討を重ねた結果、アリールマグネシウム試薬をハロゲン化アルカリ金属塩又はハロゲン化マグネシウム存在下、ジブロモジフルオロメタンと反応させることにより、(トリハロメチル)ベンゼン誘導体を簡便に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、一般式(2)
【0007】
【化1】
【0008】
(式中、Rは炭素数1から6のフルオロアルキル基;(炭素数1から6のアルコキシ)カルボニル基;シアノ基;炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のフルオロアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよいフェニルスルホニル基;フッ素原子;又はペンタフルオロスルファニル基を表し、Rは炭素数1から6のフルオロアルキル基;(炭素数1から6のアルコキシ)カルボニル基;シアノ基;炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のフルオロアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよいフェニルスルホニル基;フッ素原子;ペンタフルオロスルファニル基;炭素数1から6のアルキル基;炭素数1から6のアルコキシ基;炭素数3から6のアルケニルオキシ基;炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のフルオロアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数6から12の芳香族炭化水素基;又は塩素原子を表す。nは0から3の整数を表し、nが2又は3の整数の場合、複数のRは同一又は相異なっていてもよい。Qは塩素原子又は臭素原子を表す。)で表される(トリハロメチル)ベンゼン誘導体に関する。
また、本発明は、一般式(1)
【0009】
【化2】
【0010】
(式中、Rは炭素数1から6のフルオロアルキル基;(炭素数1から6のアルコキシ)カルボニル基;シアノ基;炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のフルオロアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよいフェニルスルホニル基;フッ素原子;又はペンタフルオロスルファニル基を表し、Rは炭素数1から6のフルオロアルキル基;(炭素数1から6のアルコキシ)カルボニル基;シアノ基;炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のフルオロアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよいフェニルスルホニル基;フッ素原子;ペンタフルオロスルファニル基;炭素数1から6のアルキル基;炭素数1から6のアルコキシ基;炭素数3から6のアルケニルオキシ基;炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のフルオロアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数6から12の芳香族炭化水素基;又は塩素原子を表す。nは0から3の整数を表し、nが2又は3の整数の場合、複数のRは同一又は相異なっていてもよい。Xはハロゲン原子を表す。)で表されるアリールマグネシウム試薬を、一般式(5)[MQ(5)](式中、Mはアルカリ金属、Qは塩素原子又は臭素原子を表す。)で表されるハロゲン化アルカリ金属塩又は一般式(6)[MgQ(6)](式中、Qは塩素原子又は臭素原子を表す。)で表されるハロゲン化マグネシウム存在下、ジブロモジフルオロメタンと反応させることを特徴とする、一般式(2)
【0011】
【化3】
【0012】
(式中、R、R、Q及びnは前記と同じ意味を表す。)で表される(トリハロメチル)ベンゼン誘導体の製造方法に関するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、医農薬、機能性材料及びそれらの製造中間体として有用な(トリハロメチル)ベンゼン誘導体を簡便に製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。
【0015】
本明細書におけるR、R、M、X、Y及びZの定義について説明する。
【0016】
で表される炭素数1から6のフルオロアルキル基としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基等を例示することができる。
【0017】
で表される(炭素数1から6のアルコキシ)カルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル基等を例示することができる。
で表される炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のフルオロアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよいフェニルスルホニル基としては、フェニルスルホニル基、(4−メチルフェニル)スルホニル基、メシチルスルホニル基、[(4−トリフルオロメチル)フェニル]スルホニル基、(4−フルオロフェニル)スルホニル基等を例示することができる。
【0018】
で表される炭素数1から6のアルキル基としては、直鎖状、環状又は分岐状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、ペンチル基、ヘキシル基等を例示することができる。
で表される炭素数1から6のアルコキシ基としては、直鎖状、環状又は分岐状のいずれであってもよく、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、ブトキシ基、イソブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロプロピルメチルオキシ基等を例示することができる。
【0019】
で表される炭素数3から6のアルケニルオキシ基としては、アリルオキシ基、2−ブテニルオキシ基、3−ブテニルオキシ基、4−ペンテニルオキシ基、5−ヘキセニルオキシ基等を例示することができる。
【0020】
で表される炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のフルオロアルキル基又はフッ素原子で置換されていてもよい炭素数6から12の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、4−ビフェニリル基、p−トリル基、m−トリル基、o−トリル基、メシチル基、4−(トリフルオロメチル)フェニル基、3−(トリフルオロメチル)フェニル基、2−(トリフルオロメチル)フェニル基、4’−(トリフルオロメチル)−4−ビフェニリル基、4−フルオロフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基等を例示することができる。
Mで表されるアルカリ金属としては、リチウム原子、ナトリウム原子、カリウム原子、セシウム原子を例示することができる。Mは収率が良い点で、リチウム原子を用いることが好ましい。
【0021】
Xで表されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を例示することができる。
【0022】
Yで表されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を例示することができる。
【0023】
Zで表されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を例示することができる。Zは収率が良い点で、Qと同一のハロゲン原子を用いることが好ましい。
次に、本発明の製造方法について詳しく述べる。本発明の(トリハロメチル)ベンゼン誘導体(2)の製造方法は、下記スキームに示す通りである。
【0024】
すなわち、アリールマグネシウム試薬(1)をハロゲン化アルカリ金属塩(5)又はハロゲン化マグネシウム(6)存在下、ジブロモジフルオロメタンと反応させることにより、本発明の(トリハロメチル)ベンゼン誘導体(2)を製造することができる。
【0025】
【化4】
【0026】
(式中、R、R、M、Q、X及びnは前記と同じ意味を表す。Yはハロゲン原子を表し、Zはハロゲン原子を表す。)
本発明の製造方法の原料であるアリールマグネシウム試薬(1)は、対応するハロゲン化ベンゼン誘導体(3)から調製することができる。市販されているハロゲン化ベンゼン誘導体、あるいは市販の原料から容易に調製可能なハロゲン化ベンゼン誘導体を用いることができる。
アリールマグネシウム試薬(1)の調製方法に特に制限はなく、一般的なグリニヤール試薬の調製方法に準じて調製することができる。例えば、金属マグネシウムに有機溶媒を加え、次いでハロゲン化ベンゼン誘導体(3)を加えることにより容易に調製することができる。アリールマグネシウム試薬(1)の調製に用いることのできる溶媒は、反応を阻害しない溶媒であれば良く、具体的には、テトラヒドロフラン(以下、THFと略す。)、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等を挙げることができ、適宜これらを組み合わせて用いても良い。反応を促進するために、ヨウ素又は1,2−ジブロモメタンを添加してもよい。
【0027】
また、アリールマグネシウム試薬(1)は、一般的な化学的手法であるグリニヤール交換反応によっても調製することができ、例えば、ハロゲン化ベンゼン誘導体(3)とイソプロピルマグネシウムハライド(4)とを反応させることにより、アリールマグネシウム試薬(1)を調製することができる。グリニヤール交換反応によるアリールマグネシウム試薬(1)の調製に用いることのできる溶媒は、反応を阻害しない溶媒であれば良く、具体的には、THF、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等を挙げることができ、適宜これらを組み合わせて用いても良い。
【0028】
調製したアリールマグネシウム試薬(1)は、調製後に単離して用いても良いが、溶液のまま本発明の製造方法に供することができる。
【0029】
本発明の製造方法の原料であるジブロモジフルオロメタンは市販されている。
本発明の製造方法はハロゲン化アルカリ金属塩(5)又はハロゲン化マグネシウム(6)存在下反応を行うことが必須である。ハロゲン化アルカリ金属塩(5)としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化セシウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム等を例示することができる。ハロゲン化マグネシウムとしては、塩化マグネシウム、臭化マグネシウムを例示することができる。収率が良い点で、ハロゲン化アルカリ金属塩(5)を用いることが好ましく、さらに塩化リチウム又は臭化リチウムを用いることが好ましい。ハロゲン化アルカリ金属塩(5)又はハロゲン化マグネシウム(6)は、ハロゲン化ベンゼン誘導体(3)からアリールマグネシウム試薬(1)を調製する時に添加してもよく、又は、アリールマグネシウム試薬(1)とジブロモジフルオロメタンとの反応時に添加してもよい。
【0030】
本発明の製造法に用いることのできる溶媒は、反応を阻害しない溶媒であれば良く、具体的には、THF、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等を挙げることができ、適宜これらを組み合わせて用いても良い。アリールマグネシウム試薬(1)とジブロモジフルオロメタンとのモル比は、1:1から1:5が好ましく、収率が良い点で1:1から1:3がさらに好ましい。
【0031】
反応温度は、−110℃から50℃までの範囲で適宜選ばれた温度で行うことができる。収率が良い点で0℃から30℃の範囲が好ましい。
反応後の溶液から(トリハロメチル)ベンゼン誘導体(2)を単離する方法に特に限定はないが、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー、再結晶または昇華等の汎用的な方法で目的物を得ることができる。
【実施例】
【0032】
次に本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0033】
実施例−1
【0034】
【化5】
【0035】
アルゴン雰囲気下、4−ヨードベンゾニトリル(229.0mg,1.0mmol)と塩化リチウム(101.7mg,2.4mmol)をTHF(4.5ml)に加え、−40℃に冷却した。得られた混合溶液にイソプロピルマグネシウムクロリドのジエチルエーテル溶液(2.0M、525μl,1.05mmol)を加え、20分間攪拌した。その後、反応溶液を−40℃で三時間攪拌を行い、4−シアノフェニルマグネシウムクロリドのTHF−ジエチルエーテル溶液を調製した。調製した4−シアノフェニルマグネシウムクロリドのTHF−ジエチルエーテル溶液を、20℃でジブロモジフルオロメタンのTHF溶液(2.46M、980μl,2.4mmol)に滴下し、20℃で30分間攪拌を行った。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(2.0ml)を加えて、酢酸エチルにて抽出した。有機層を合わせて、水と飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥後、ろ液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン)とリサイクルGPC(クロロホルム)により精製することで、4−(ブロモクロロフルオロメチル)ベンゾニトリル(101.9mg、41%)を黄色油状物質として得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.75(d,J=8.5Hz,2H),7.79(d,J=8.5Hz,2H).19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−56.9(s,1F).13C−NMR(100MHz,CDCl)δ102.5(d,J=305Hz),114.7,117.6,125.0(d,J=6.6Hz,2C),132.5(s,2C),146.8(d,J=22.8Hz).GC−MS(m/z)50(7.4),57(5.9),81(6.6),84(5.4),106(9.4),114(2.6),133(13.4),141(4.6),168(100),170(36.3),212(6.3),214(6.3).HRMS(FAB,m/z)Calcd for CBrClFN:246.9200;Found:246.9196.
【0036】
実施例−2
【0037】
【化6】
【0038】
実施例―1と同様にして、塩化リチウム(101.7mg,2.4mmol)存在下、3−ヨードベンゾニトリル(229.0mg,1.0mmol)を用いて3−シアノフェニルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン−ジエチルエーテル溶液を調製した。調製した3−シアノフェニルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン−ジエチルエーテル溶液とジブロモジフルオロメタンを反応させて、3−(ブロモクロロフルオロメチル)ベンゾニトリル(52.4mg,21%)を無色油状物質として得た。H−NMR.δ7.58(dd,J=7.7,8.2Hz,1H),7.70(ddd,J=1.2,1.2,7.7Hz,1H),7.91(ddd,J=1.2,1.2,8.2Hz,1H),7.97(dd,J=1.2,1.2Hz,1H).19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−56.4(s,1F).13C−NMR(100MHz,CDCl)δ102.5(d,J=304.5Hz),112.9,117.5,127.8(d,J=6.8Hz),128.4(d,J=6.2Hz),129.7,134.0,144.2(d,J=22.9Hz).GC−MS(70eV,m/z)40(0.3),50(11.0),57(9.0),81(10.3),84(8.3),106(11.8),114(3.2),132(13.8),133(16.2),168(100),170(33.0),212(5.7),214(5.5).
【0039】
実施例−3
【0040】
【化7】
【0041】
実施例1と同様にして、塩化リチウム(101.7mg,2.4mmol)存在下、2−ヨードベンゾニトリル(229.0mg,1.0mmol)を用いて2−シアノフェニルマグネシウムクロリドのTHF−ジエチルエーテル溶液を調製した。調製した2−シアノフェニルマグネシウムクロリドのTHF−ジエチルエーテル溶液とジブロモジフルオロメタンを反応させて、2−(ブロモクロロフルオロメチル)ベンゾニトリル(101.9mg、41%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.56(td,J=1.2,7.6Hz,1H),7.67(td,J=1.2,7.6Hz,1H),7.80−7.85(m,2H).19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−55.02(s,1F).13C−NMR(100MHz,CDCl)δ101.5(d,J=304Hz),109.4(d,J=3.2Hz),116.0,124.3(t,J=10.0Hz),130.9,132.6,135.5,144.5(t,J=21.6Hz).GC−MS(m/z)50(9.7),57(7.4),75(8.1),81(8.3),106(11.5),132(12.9),133(16.2),142(6.2),168(100),170(32.4),212(7.9),214(7.9).mp66.1−68.5℃.HRMS(FAB,m/z)Calcd for CBrClFN:247.9278(MH+);Found:247.9281.
【0042】
実施例−4
【0043】
【化8】
【0044】
実施例1と同様にして、塩化リチウム(101.7mg,2.4mmol)存在下、2−ブロモ―4−メチルベンゾニトリル(196.0mg,1.0mmol)を用いて2−シアノ−5−メチルフェニルマグネシウムクロリドのTHF−ジエチルエーテル溶液を調製した。調製した2−シアノ−5−メチルフェニルマグネシウムクロリドのTHF−ジエチルエーテル溶液とジブロモジフルオロメタンを反応させて、2−(ブロモクロロフルオロメチル)−4−メチルベンゾニトリル(78.8mg、30%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ2.49(s,3H),7.34(d,J=7.8Hz,1H),7.60(s,1H),7.71(d,J=7.8Hz,1H).19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−54.9(s,1F).13C−NMR(100MHz,CDCl)δ21.9,101.5(d,J=304.6Hz),106.3,116.3,125.1(d,J=10.1Hz),131.4,135.4,143.9,144.3(d,J=20.9Hz).GC−MS(m/z)40(1.1),51(7.6),63(8.0),75(7.7),91(5.4),99(6.0),120(11.0),126(13.2),148(8.0),155(0.5),182(100),184(33.0),226(5.9),228(5.9).mp103.7−105.8℃.HRMS(FAB,m/z)Calcd for CBrClFN:261.9434(MH+);Found:261.9430.
【0045】
実施例−5
【0046】
【化9】
【0047】
実施例1と同様にして、塩化リチウム(101.7mg,2.4mmol)存在下、2−(アリルオキシ)−4−ブロモベンゾニトリル(238.1mg,1.0mmol)を用いて3−(アリルオキシ)−4−シアノフェニルマグネシウムクロリドのTHF−ジエチルエーテル溶液を調製した。調製した3−アリルオキシ−4−シアノフェニルマグネシウムクロリドのTHF−ジエチルエーテル溶液とジブロモジフルオロメタンを反応させて、2−(アリルオキシ)−4−(ブロモクロロフルオロメチル)ベンゾニトリル(154.2mg、54%)を黄色油状物質として得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ4.74(ddd,J=1.5,1.5,5.1Hz,2H),5.39(tdd,J=1.5,1.5,10.5Hz,1H),5.51(tdd,J=1.5,1.5,17.2Hz,1H),6.06(m,1H),7.22(d,J=1.7Hz,1H),7.30(dd,J=1.7,8.1Hz,1H),7.64(d,J=8.1Hz,1H).19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−56.54(s,1F).13C−NMR(100MHz,CDCl)δ70.0,102.5(d,J=305.0Hz),104.5,108.6(d,J=7.0Hz),115.2,116.6(d,J=7.0Hz),119.1,131.1,134.0,148.1(d,J=22.5Hz),160.0.GC−MS(m/z)41(100),69(1.7),75(1.4),94(1.8),100(2.4),120(3.3),132(2.0),155(2.4),184(1.5),196(1.5),224(20.6),302(3.0),304(3.9),307(1.0).HRMS(FAB,m/z)Calcd for C11BrClFN:303.9540(MH+);Found:303.9538.
【0048】
実施例−6
【0049】
【化10】
【0050】
実施例−1と同様にして、塩化リチウム(101.7mg,2.4mmol)存在下、4−ブロモ―2―メトキシベンゾニトリル(212.0mg,1.0mmol)を用いて4−シアノ−3−メトキシフェニルマグネシウムクロリドのTHF−ジエチルエーテル溶液を調製した。調製した4−シアノ−3−メトキシフェニルマグネシウムクロリドのTHF−ジエチルエーテル溶液とジブロモジフルオロメタンを反応させて、4−(ブロモクロロフルオロメチル)−2−メトキシベンゾニトリル(108.2mg、39%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ4.01(s,3H),7.22(d,J=1.6Hz,1H),7.33(dd,J=1.6,8.1Hz,1H),7.64(d,J=8.1Hz).19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−56.55(s,1F).13C−NMR(100MHz,CDCl)δ56.43,102.5(d,J=304.9Hz),104.1,107.1(d,J=6.6Hz),115.2,116.6(d,J=6.6Hz),134.0,148.3(d,J=22.4Hz),161.0.HRMS(FAB,m/z)Calcd for CBrClFN:277.9384;Found:277.9386.
【0051】
実施例−7
【0052】
【化11】
【0053】
実施例−1と同様にして、塩化リチウム(101.7mg,2.4mmol)存在下、4−ブロモ―2―メチルベンゾニトリル(196.0mg,1.0mmol)を用いて4−シアノ−3−メチルフェニルマグネシウムクロリドのTHF−ジエチルエーテル溶液を調製した。調製した4−シアノ−3−メチルフェニルマグネシウムクロリドのTHF−ジエチルエーテル溶液とジブロモジフルオロメタンを反応させて、4−(ブロモクロロフルオロメチル)−2−メチルベンゾニトリル(72.5mg、39%)を黄色油状物質として得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ2.62(s,3H),7.58(dd,J=1.9,8.7Hz,1H),7.63(d,J=1.9Hz,1H),7.68(d,J=8.7Hz,1H).19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−56.58(s,1F).13C−NMR(100MHz,CDCl)δ20.7,103.5(d,J=304.9Hz),115.0,116.9,122.1(d,J=6.7Hz),125.8(d,J=6.7Hz),132.8,142.7,146.5(d,J=22.5Hz).GC−MS(m/z)40(0.9),50(6.9),51(5.9),63(7.9),75(6.5),91(5.3),99(6.0),120(13.5),126(10.5),147(6.9),155(0.8),182(100),184(33.6),226(4.3),228(4.4).
【0054】
実施例−8
【0055】
【化12】
【0056】
実施例−1と同様にして、塩化リチウム(101.7mg,2.4mmol)存在下、4−ブロモ−3−メチルベンゾニトリル(196.0mg,1.0mmol)を用いて4−シアノ−2−メチルフェニルマグネシウムクロリドのTHF−ジエチルエーテル溶液を調製した。調製した4−シアノ−2−メチルフェニルマグネシウムクロリドのTHF−ジエチルエーテル溶液とジブロモジフルオロメタンを反応させて、4−(ブロモクロロフルオロメチル)−3−メチルベンゾニトリル(41.2mg、16%)を黄色油状物質として得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ2.62(s,3H),7.56−7.58(m,2H),7.77(d,J=8.7Hz,1H).19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−51.00(s,1F).13C−NMR(100MHz,CDCl)δ20.8,103.7(d,J=304.6Hz),114.6,117.6,125.0(d,J=11.9Hz),129.6,136.2,136.7,144.0(d,J=20.1Hz).GC−MS(m/z)40(0.6),50(10.6),63(8.7),75(9.6),91(4.8),99(7.8),120(10.0),126(18.3),147(22.3),162(3.9),182(100),226(3.7),228(3.6).
【0057】
実施例−9
【0058】
【化13】
【0059】
実施例−1と同様にして、塩化リチウム(101.7mg,2.4mmol)存在下、4−ヨード安息香酸メチル(262.0mg,1.0mmol)を用いて4−(メトキシカルボニル)フェニルマグネシウムクロリドのTHF−ジエチルエーテル溶液を調製した。調製した4−(メトキシカルボニル)フェニルマグネシウムクロリドのTHF−ジエチルエーテル溶液とジブロモジフルオロメタンを反応させて、4−(ブロモクロロフルオロメチル)安息香酸メチル(98.2mg,35%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ3.95(s,3H),7.75(d,J=8.7Hz,2H),8.10(d,J=8.7Hz,2H).19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−55.37(s,1F).13C−NMR(100MHz,CDCl)δ52.5,103.5(d,J=305Hz),124.2(d,J=6.6Hz,2C),130.0(s,2C),132.1,146.7(d,J=22.0Hz),165.9.GC−MS(m/z)50(5.5),57(10.0),81(8.0),107(39.0),123(1.9),130(1.0),142(19.9),170(14.0),173(18.2),201(100),216(1.3),218(1.2),247(2.4),249(3.5),251(4.5),253(1.1).HRMS(FAB,m/z)Calcd for CBrClFO:280.9380(MH+);Found:280.9381.
【0060】
実施例−10
【0061】
【化14】
【0062】
実施例−1と同様にして、塩化リチウム(101.7mg,2.4mmol)存在下、2−(アリルオキシ)−4−ヨード安息香酸メチル(318.1mg,1.0mmol)を用いて3−(アリルオキシ)−4−(メトキシカルボニル)フェニルマグネシウムクロリドのTHF−ジエチルエーテル溶液を調製した。調製した3−(アリルオキシ)−4−(メトキシカルボニル)フェニルマグネシウムクロリドのTHF−ジエチルエーテル溶液とジブロモジフルオロメタンを反応させて、2−(アリルオキシ)−4−(ブロモクロロフルオロメチル)安息香酸メチル(80.4mg,24%)を黄色油状物質として得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ3.92(s,3H),4.68(ddd,J=1.5,1.5,4.9Hz,2H),5.34(tdd,J=1.5,1.5,10.6Hz,1H),5.53(tdd,J=1.5,1.5,17.2Hz,1H),6.07(m,1H),7.22(d,J=1.8Hz,1H),7.28(dd,J=1.8,8.2Hz,1H),7.83(d,J=8.2Hz,1H).19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−55.32(s,1F).13C−NMR(100MHz,CDCl)δ52.3,69.8,103.5(d,J=304.8Hz),109.6(d,J=6.8Hz),116.0(d,J=6.8Hz),118.1,122.7,131.9,132.1,147.1(d,J=22.0Hz),157.7,165.7.GC−MS(m/z)41(100),59(12.6),72(13.0),94(11.0),107(5.5),109(7.0),129(7.6),157(19.3),186(4.6),197(21.8),229(10.9),257(32.8),259(10.8),267(2.7),305(4.3),309(1.9),336(1.7),338(2.1),340(0.6).
【0063】
実施例−11
【0064】
【化15】
【0065】
実施例−1と同様にして、塩化リチウム(101.7mg,2.4mmol)存在下、4−ヨード−2−メチル安息香酸メチル(318.1mg,1.0mmol)を用いて4−(メトキシカルボニル)−3−メチルフェニルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン−ジエチルエーテル溶液を調製した。調製した4−(メトキシカルボニル)−3−メチルフェニルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン−ジエチルエーテル溶液とジブロモジフルオロメタンを反応させて、4−(ブロモクロロフルオロメチル)−2−メチル安息香酸メチル(19.7mg,6%)を無色油状物質として得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ2.64(s,3H),3.92(s,3H),7.54(d,J=9.0Hz,1H),7.54(s,1H),7.95(d,J=9.0Hz,1H).19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−55.2(s,1F).13C−NMR(100MHz,CDCl)δ21.8,52.2,103.5(d,J=304.7Hz),121.5(d,J=6.5Hz),127.1(d,J=6.5Hz),130.8,131.7,140.7,145.6(d,J=21.9Hz),167.0.GC−MS(70eV,m/z) 51(6.5),60(6.3),75(8.3),92(4.9),101(19.1),121(10.0),156(8.4),187(15.9),215(100),217(33.6),231(1.2),259(2.3),261(2.1),263(3.5),265(4.5),267(1.1).
【0066】
実施例−12
【0067】
【化16】
【0068】
実施例−1と同様にして、塩化リチウム(101.7mg,2.4mmol)存在下、1−ヨード−4−(4−メチルフェニルスルホニル)ベンゼン(358.19mg,1.0mmol)を用いて4−(4−メチルフェニルスルホニル)フェニルマグネシウムクロリドのTHF−ジエチルエーテル溶液を調製した。調製した4−(4−メチルフェニルスルホニル)フェニルマグネシウムクロリドのTHF−ジエチルエーテル溶液とジブロモジフルオロメタンを反応させて、1−(ブロモクロロフルオロメチル)−4−(4−メチルフェニルスルホニル)ベンゼン(188.9mg,50%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ2.42(s,3H),7.33(d,J=8.5Hz,2H),7.78(d,J=8.5Hz,2H),7.84(d,J=8.3Hz,2H),8.01(d,J=8.3Hz,2H).19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−56.3(s,1F).13C−NMR(100MHz,CDCl)δ21.6,103.5(d,J=304.6Hz),125.1(d,J=6.6Hz,2C),127.7(s,2C),127.9(s,2C),130.2(s,2C),137.8,142.2,144.8,146.9(d,J=22.7Hz).GC−MS(m/z)41(3.3),51(4.9),65(23.9),77(10.6),91(21.7),107(39.4),123(1.6),139(100),159(0.6),190(2.5),297(50.4),299(19.3),301(1.0).mp152.1−155.1℃.HRMS(FAB,m/z)Calcd for C1412BrClFOS:376.9414(MH+);Found:376.9410.
【0069】
実施例−13
【0070】
【化17】
【0071】
実施例−1と同様にして、塩化リチウム(101.7mg,2.4mmol)存在下、1−ヨード−4−(4−フルオロフェニルスルホニル)ベンゼン(362.16mg,1.0mmol)を用いて、4−(4−フルオロフェニルスルホニル)フェニルマグネシウムクロリドのTHF−ジエチルエーテル溶液を調製した。調製した4−(4−フルオロフェニルスルホニル)フェニルマグネシウムクロリドのTHF−ジエチルエーテル溶液とジブロモジフルオロメタンを反応させて、1−(ブロモクロロフルオロメチル)−4−(4−フルオロフェニルスルホニル)ベンゼン(172.1mg、45%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ.7.22(dd,J=8.43,8.6Hz,2H),7.80(d,J=8.6Hz,2H),7.97−8.00(m,4H).19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−56.5(s,1F),−104.4(s,1F).13C−NMR(100MHz,CDCl)δ103.4(d,J=305.0Hz),116.9(d,J=22.6Hz,2C),125.3(d,J=6.6Hz,2C),127.9(s,2C),130.7(d,J=9.6Hz,2C),136.7(d,J=3.4Hz),143.7,167.2(d,J=21.6Hz),165.8(d,J=225Hz).GC−MS(m/z)50(7.3),57(14.3),75(20.7),95(26.3),107(56.8),115(19.0),143(100),146(1.1),191(2.9),201(2.4),237(0.9),267(5.6),301(65.0),303(24.6),347(0.6).mp98.2−99.8℃.HRMS(FAB,m/z)Calcd for C13BrClFOS:380.9163(MH+);Found:380.9154.
【0072】
実施例−14
【0073】
【化18】
【0074】
アルゴン雰囲気下、4−ヨードベンゾニトリル(229.0mg,1.0mmol)と臭化リチウム(208.4mg,2.4mmol)をTHF(3.5ml)に加え、−40℃に冷却した。得られた混合溶液にイソプロピルマグネシウムブロミドのTHF溶液(0.7M、1.5ml,1.05mmol)を加え、20分間攪拌した。その後、反応溶液を−40℃で三時間攪拌を行い、4−シアノフェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液を調製した。調製した4−シアノフェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液を、20℃でジブロモジフルオロメタンのTHF溶液(2.46M、980μl,2.4mmol)に滴下し、20℃で30分間攪拌を行った。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(2.0ml)を加えて、酢酸エチルにて抽出した。有機層を合わせて、水と飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥後、ろ液を減圧濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル−ヘキサン)とリサイクルGPC(クロロホルム)により精製することで、4−(ジブロモフルオロメチル)ベンゾニトリル(101.9mg、41%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.73(d,J=8.6Hz,2H),7.77(d,J=8.6Hz,2H).19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−57.9(s,1F).13C−NMR(100MHz,CDCl)δ88.4(d,J=315Hz),114.5,117.6,124.9(d,J=7.1Hz,2C),132.3(s,2C),148.3(d,J=21.0Hz).GC−MS(m/z)50(8.8),57(8.9),81(10.3),87(6.6),106(20.3),114(4.1)133(39.1),212(100),214(97.3).HRMS(EI,m/z)Calcd for CBrFN:290.8694;Found:290.8695.
【0075】
実施例−15
【0076】
【化19】
【0077】
実施例−14と同様にして、臭化リチウム(208.4mg,2.4mmol)存在下、3−ヨードベンゾニトリル(229.0mg,1.0mmol)を用いて3−シアノフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液を調製した。調製した3−シアノフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液とジブロモジフルオロメタンを反応させて、3−(ジブロモフルオロメチル)ベンゾニトリル(20.2mg、7%)を白色固体として得た。H−NMR.δ7.58(dd,J=7.8,8.0Hz,1H),7.69(ddd,J=1.3,1.3,7.8Hz,1H),7.90(ddd,J=1.1,1.3,8.0Hz,1H),7.95(dd,J=1.1,1.3Hz,1H).19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−57.7(s,1F).13C−NMR(100MHz,CDCl)δ88.0(d,J=314.3Hz),113.0,117.5,127.6(d,J=6.6Hz),128.4(d,J=6.6Hz),129.6,133.9,145.7(d,J=21.3Hz). GC−MS(70eV,m/z)50(10.0),57(10.0),81(12.2),87(6.7),106(21.9),114(4.4),133(42.6),146(0.3),185(0.2),212(100),214(98.4).
【0078】
実施例−16
【0079】
【化20】
【0080】
実施例−14と同様にして、臭化リチウム(208.4mg,2.4mmol)存在下、2−ヨードベンゾニトリル(229.0mg,1.0mmol)を用いて2−シアノフェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液を調製した。調製した2−シアノフェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液とジブロモジフルオロメタンを反応させて、2−(ジブロモフルオロメチル)ベンゾニトリル(107.7mg、37%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.52(td,J=1.1,7.6Hz,1H),7.65(td,J=1.1,8.1Hz,1H),7.80(d,J=8.1Hz,1H),7.82(d,J=7.6Hz,1H).19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−55.45(s,1F).13C−NMR(100MHz,CDCl)δ86.0(d,J=314Hz),109.3(d,J=3.1Hz),116.0,124.1(d,J=11.0Hz),130.7,132.5(d,J=1.6Hz),135.5,145.8(d,J=20.7Hz).GC−MS(m/z)50(8.8),57(8.9),81(10.3),87(6.6),106(20.3),114(4.1),133(39.1),212(100),214(97.3).mp87.1−89.9℃.HRMS(EI,m/z)Calcd for CBrFN:290.8694;Found:290.8695.
【0081】
実施例−17
【0082】
【化21】
【0083】
実施例−14と同様にして、臭化リチウム(208.4mg,2.4mmol)存在下、2−ブロモ―4−メチルベンゾニトリル(196.0mg,1.0mmol)を用いて2−シアノ−5−メチルフェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液を調製した。調製した2−シアノ−5−メチルフェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液とジブロモジフルオロメタンを反応させて、2−(ジブロモフルオロメチル)−4−メチルベンゾニトリル(47.4mg,15%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ2.48(s,3H),7.31(d,J=7.8Hz,1H),7.57(s,1H),7.69(d,J=7.8Hz,1H).19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−55.3(s,1F).13C−NMR(100MHz,CDCl)δ21.9,86.3(d,J=314.0Hz),106.2(d,J=3.2Hz),116.3,124.9(d,J=10.9Hz),131.3,135.4,143.8,145.5(d,J=20.3Hz).GC−MS(m/z)40(0.9),50(9.8),51(9.8),63(13.4),75(15.5),94(8.1),99(11.7),100(11.4),120(18.5),121(12.2),126(12.2),147(86.3),226(100),228(95.1).
【0084】
実施例−18
【0085】
【化22】
【0086】
実施例−14と同様にして、臭化リチウム(208.4mg,2.4mmol)存在下、4−ブロモ−2−メチルベンゾニトリル(196.0mg,1.0mmol)を用いて3−メチル−4−シアノフェニルマグネシウムクロリドのTHF溶液を調製した。調製した3−メチル−4−シアノフェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液とジブロモジフルオロメタンを反応させて、4−(ジブロモフルオロメチル)−2−メチルベンゾニトリル(72.5mg、39%)を黄色油状物質として得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ2.69(s,3H),7.55−7.57(m,2H),7.55(d,J=8.8Hz,1H).19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−50.44(s,1F).13C−NMR(100MHz,CDCl)δ20.9,88.6,114.5,117.6,124.8,(d,J=13.1Hz),129.5,136.2,136.3,145.3(d,J=18.6Hz).GC−MS(m/z)40(0.8),50(17.6),51(13.7),63(13.4),75(15.5),94(8.1),99(11.7),100(11.4),120(18.5),121(12.2),126(12.2),147(86.3),226(100),228(95.1).
【0087】
実施例−19
【0088】
【化23】
【0089】
実施例−14と同様にして、臭化リチウム(208.4mg,2.4mmol)存在下、4−ブロモ−3−メチルベンゾニトリル(196.0mg,1.0mmol)を用いて2−メチル−4−シアノフェニルマグネシウムクロリドのTHF溶液を調製した。調製した2−メチル−4−シアノフェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液とジブロモジフルオロメタンを反応させて、4−(ジブロモフルオロメチル)−3−メチルベンゾニトリル(67.2mg、22%)を黄色油状物質として得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ2.69(s,3H),7.55−7.57(m,2H),7.75(d,J=8.8Hz,1H).19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−50.44(s,1F).13C−NMR(100MHz,CDCl)δ20.9,88.6,114.5,117.6,124.8,(d,J=13.1Hz),129.5,136.2,136.3,145.2(d,J=18.4Hz).GC−MS(m/z)40(0.7),50(15.2),63(11.9),75(13.8),81(6.2),96(7.6),99(10.5),100(10.5),120(16.8),126(11.2),147(81.8),226(100),228(98.1).
【0090】
実施例−20
【0091】
【化24】
【0092】
実施例−14と同様にして、臭化リチウム(208.4mg,2.4mmol)存在下、4−ヨード安息香酸メチル(262.0mg,1.0mmol)を用いて4−(メトキシカルボニル)フェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液を調製した。調製した4−(メトキシカルボニル)フェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液とジブロモジフルオロメタンを反応させて、4−(ジブロモフルオロメチル)安息香酸メチル(90.0mg,28%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ3.95(s,3H),7.73(d,J=8.6Hz,2H),8.08(d,J=8.6Hz,2H).19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−56.4(s,1F).13C−NMR(100MHz,CDCl)δ52.5,89.5(d,J=315Hz),124.1(d,J=6.9Hz,2C),129.7(s,2C),132.0,148.3(d,J=20.4Hz),165.8.GC−MS(m/z)50(8.2),57(21.9),81(15.6),94(6.2),107(60.9),123(2.6),137(1.3),151(2.4),167(4.7),186(11.7),188(11.7),217(19.0),219(19.2),245(100),247(97.8),292(2.7),295(5.3),297(2.5).HRMS(FAB,m/z)Calcd for CBrFO:324.8875(MH+);Found:324.8876.
【0093】
実施例−21
【0094】
【化25】
【0095】
実施例−14と同様にして、臭化リチウム(208.4mg,2.4mmol)存在下、1−ヨード−4−(4−メチルフェニルスルホニル)ベンゼン(358.19mg,1.0mmol)を用いて4−(4−メチルフェニルスルホニル)フェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液を調製した。調製した4−(4−メチルフェニルスルホニル)フェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液とジブロモジフルオロメタンを反応させて、1−(ジブロモフルオロメチル)−4−(4−メチルフェニルスルホニル)ベンゼン(132.0mg,31%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ2.42(s,3H),7.33(d,J=8.6Hz,2H),7.76(d,J=8.6Hz,2H),7.84(d,J=8.4Hz,2H),7.97(d,J=8.4Hz,2H).19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−57.3(s,1F).13C−NMR(100MHz,CDCl)δ21.6,88.5(d,J=314.7Hz),125.0(d,J=7.0Hz,2C),127.7(s,2C),127.9(s,2C),130.2(s,2C),137.7,144.0,144.8,148.3(d,J=21.0Hz).GC−MS(m/z)40(0.4),51(4.4),65(22.1),77(10.8),91(19.2),107(37.4),139(100),140(8.3),170(0.5),186(3.6),188(3.5),234(1.2)236(1.3),263(7.9),341(36.8),343(37.4).mp158.8−160.8℃.HRMS(FAB,m/z)Calcd for C1412BrFOS:420.8909(MH+);Found:420.8910.
【0096】
実施例−22
【0097】
【化26】
【0098】
実施例−14と同様にして、臭化リチウム(208.4mg,2.4mmol)存在下、1−ヨード−4−(4−フルオロフェニルスルホニル)ベンゼン(362.16mg,1.0mmol)を用いて、4−(4−フルオロフェニルスルホニル)フェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液を調製した。調製した4−(4−フルオロフェニルスルホニル)フェニルマグネシウムブロミドのTHF溶液とジブロモジフルオロメタンを反応させて、1−(ジブロモフルオロメチル)−4−(4−フルオロフェニルスルホニル)ベンゼン(207.0mg,49%)を白色固体として得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ.7.22(dd,J=8.5,8.7Hz,2H),7.80(d,J=8.7Hz,2H),7.96−8.01(m,4H).19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−57.6(s,1F),−104.4(s,1F).13C−NMR(100MHz,CDCl)δ88.4(d,J=314.7Hz),116.9(d,J=22.6Hz,2C),125.1(d,J=7.2Hz),127.8(s,2C),130.7(d,J=9.5Hz,2C),136.8(d,J=3.0Hz,2C),143.5,148.7(d,J=21.2Hz),165.8(d,J=225Hz).GC−MS(m/z)57(17.9),75(18.3),81(12.3),95(22.9),107(53.1),115(18.6)127(3.0),143(100),146(1.1),186(4.8),188(5.2),267(11.2),345(43.6),347(43.8).mp91.1−92.8℃.HRMS(FAB,m/z)Calcd for C13BrFOS:424.8658(MH+);Found:424.8655.
【0099】
実施例−23
【0100】
【化27】

【0101】
実施例−14と同様にして、臭化リチウム(208.4mg,2.4mmol)存在下、4−ヨード−2−メチル安息香酸メチル(318.1mg, 1.0mmol)を用いて4−(メトキシカルボニル)−3−メチルフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液を調製した。調製した4−(メトキシカルボニル)−3−メチルフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液とジブロモジフルオロメタンを反応させて、4−(ジブロモフルオロメチル)−2−メチル安息香酸メチル(19.7mg,6%)を黄色油状物質として得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ2.64(s,3H),3.92(s,3H),7.52(d,J=9.0Hz,1H),7.53(s,1H),7.94(d,J=9.0Hz,1H).19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−56.2(s,1F).13C−NMR(100MHz,CDCl)δ21.8,52.1,89.6(d,J=315.0Hz),121.4(d,J=6.8Hz),127.0(d,J=6.8Hz),130.7,131.5,140.6,147.1(d,J=20.2Hz),166.9.GC−MS(70eV,m/z)51(12.1),60(11.9),75(17.3),101(30.8),120(13.9),121(12.2),137(2.1),153(1.4),165(1.9),181(6.4),200(11.5),202(11.6),231(22.2),233(20.7),259(100),261(99.8),306(2.9),309(5.6),311(3.1),339(0.4).
【0102】
実施例−24
【0103】
【化28】
【0104】
実施例−14と同様にして、臭化リチウム(208.4mg,2.4mmol)存在下、2−(アリルオキシ)−4−ブロモベンゾニトリル(238.1mg,1.0mmol)を用いて3−(アリルオキシ)−4−シアノフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液を調製した。調製した3−(アリルオキシ)−4−シアノフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液とジブロモジフルオロメタンを反応させて、2−(アリルオキシ)−4−(ジブロモフルオロメチル)ベンゾニトリル(28.0mg,8%)を黄色油状物質として得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ4.74(ddd,J=1.5,1.5,5.1Hz,2H),5.39(tdd,J=1.5,1.5,10.5Hz,1H),5.51(tdd,J=1.5,1.5,17.2Hz,1H),6.06(m,1H),7.20(d,J=1.7Hz,1H),7.30(dd,J=1.7,8.2Hz,1H),7.64(d,J=8.2Hz,1H).19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−57.4(s,1F).13C−NMR(100MHz,CDCl)δ70.0,88.4(d,J=314.5Hz),104.4,108.5(d,J=7.6Hz),115.2,116.6(d,J=7.2Hz),119.1,131.2,133.9,149.6(d,J=20.7Hz),159.9.GC−MS(m/z)41(100),69(2.3),75(1.7),94(2.9),100(3.7),120(4.4),161(1.8),268(12.6),270(12.5),347(1.4),349(2.7),351(1.4).
【0105】
実施例−25
【0106】
【化29】
【0107】
実施例−14と同様にして、臭化リチウム(208.4mg,2.4mmol)存在下、2−(アリルオキシ)−4−ブロモ安息香酸メチル(318.11mg,1.0mmol)を用いて3−(アリルオキシ)−4−(メトキシカルボニル)フェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液を調製した。調製した3−アリルオキシ−4−シアノフェニルマグネシウムブロミドのテトラヒドロフラン溶液とジブロモジフルオロメタンを反応させて、2−(アリルオキシ)−4−(ジブロモフルオロメチル)安息香酸メチル(30.6mg,8%)を無色油状物質として得た。H−NMR(400MHz,CDCl)δ 3.91(s,3H),4.68(ddd,J=1.5,1.5,4.9Hz,2H),5.34(tdd,J=1.5,1.5,10.6Hz,1H),5.53(tdd,J=1.5,1.5,17.2Hz,1H),6.07(m,1H),7.22(d,J=1.8Hz,1H),7.27(d,J=1.8,8.2Hz,1H),7.81(d,J=8.2Hz,1H).19F−NMR(376MHz,CDCl)δ−56.2(s,1F).13C−NMR(100MHz,CDCl)δ52.3,69.8,89.3(d,J=314.8Hz),109.4(d,J=7.2Hz),116.0(d,J=7.2Hz),118.1,122.6,131.7,132.0,148.6(d,J=20.5Hz),157.5,165.7.GC−MS(m/z)41(100),59(15.1),71(12.7),94(30.1),107(6.6),115(5.3),133(7.0),135(6.2),201(21.8),203(22.4),241(18.5),243(18.1),301(32.1),303(32.0),305(2.7),351(3.3),380(1.2),382(2.3),384(1.2).