(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-170087(P2015-170087A)
(43)【公開日】2015年9月28日
(54)【発明の名称】販売情報登録処理装置、ポイントサーバ、及びポイント処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20150901BHJP
G06Q 30/02 20120101ALI20150901BHJP
G06Q 30/06 20120101ALI20150901BHJP
G07G 1/14 20060101ALI20150901BHJP
【FI】
G07G1/12 321L
G06Q30/02 140
G06Q30/06 140C
G07G1/12 321P
G07G1/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-43896(P2014-43896)
(22)【出願日】2014年3月6日
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000235
【氏名又は名称】特許業務法人 天城国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宮川 大地
【テーマコード(参考)】
3E142
5L049
【Fターム(参考)】
3E142EA04
3E142FA06
3E142FA13
3E142GA05
3E142GA06
3E142GA07
3E142JA01
3E142JA02
5L049BB07
5L049BB56
(57)【要約】
【課題】家族カードの特定の構成員に対して他の構成員よりも有利なポイントを付与することができる販売情報登録処理装置、ポイントサーバ、及びポイント処理プログラムを提供する。
【解決手段】販売情報登録処理装置は、情報を入出力する入出力部と、記録媒体に画像形成するプリンタと、ポイントカードから会員IDを読み取るカードリーダと、会員IDに含まれる枝番ごとに付与するポイントの割合であるポイント付与率を格納するポイント管理テーブルと、商品に固有に割り当てられる商品コードごとに単価を含む商品情報を格納する商品マスタと、一取引の内容を格納するトランザクションファイルと、入出力部の小計ボタンが押下されたと判定した場合、ポイントカードから読み取った会員IDから取り出した枝番に基づいてポイント管理テーブルを検索してポイントを付与する割合を示すポイント付与率を読み出し、ポイント付与率に基づいて付与するポイントである付与ポイントを算出する制御部と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を入出力する入出力部と、
記録媒体に画像形成するプリンタと、
ポイントカードから会員IDを読み取るカードリーダと、
前記会員IDに含まれる枝番ごとに付与するポイントの割合であるポイント付与率を格納するポイント管理テーブルと、
商品に固有に割り当てられる商品コードごとに単価を含む商品情報を格納する商品マスタと、
一取引の内容を格納するトランザクションファイルと、
前記入出力部の小計ボタンが押下されたと判定した場合、前記ポイントカードから読み取った前記会員IDから取り出した前記枝番に基づいて前記ポイント管理テーブルを検索してポイントを付与する割合を示すポイント付与率を読み出し、前記ポイント付与率に基づいて付与するポイントである付与ポイントを算出する制御部と、
を備える販売情報登録処理装置。
【請求項2】
前記会員IDに含まれる基礎IDごとに現在のポイント残高である現在ポイントを格納するポイントデータベースを備えるポイントサーバに接続する通信部をさらに備え、
前記制御部は、
前記カードリーダによって前記ポイントカードから前記会員IDを読み出し、前記会員IDから前記基礎IDを取り出し、前記基礎IDに基づいて前記ポイントサーバに前記現在ポイントを問い合わせ、前記ポイントサーバから受信した現在ポイントに前記付与ポイントを加算して前記ポイントサーバに送信して前記ポイントサーバに前記付与ポイントの加算後のポイントを現在ポイントとして前記ポイントデータベースに格納させる請求項1記載の販売情報登録処理装置。
【請求項3】
会員IDに含まれる基礎IDごとに現在のポイント残高である現在ポイントを格納するポイントデータベースと、
情報を入出力する入出力部と、記録媒体に画像形成するプリンタと、ポイントカードから会員IDを読み取るカードリーダと、前記会員IDに含まれる枝番ごとに付与するポイントの割合であるポイント付与率を格納するポイント管理テーブルと、商品に固有に割り当てられる商品コードごとに単価を含む商品情報を格納する商品マスタと、一取引の内容を格納するトランザクションファイルと、を備える販売情報登録処理装置から前記基礎IDに基づいて前記現在ポイントの問い合わせを受信した場合、前記基礎IDに基づいて前記現在ポイントを前記ポイントデータベースから読み出して前記販売情報登録処理装置に送信する制御部と、
を備えるポイントサーバ。
【請求項4】
前記制御部は、
前記販売情報登録処理装置が、前記カードリーダによって前記ポイントカードから前記会員IDを読み出し、前記会員IDから前記基礎IDを取り出し、前記基礎IDに基づいて前記ポイントサーバに前記現在ポイントを問い合わせ、前記ポイントサーバから受信した現在ポイントに前記ポイント付与率に基づいて算出した付与ポイントを加算して前記ポイントサーバに送信した場合、前記付与ポイントの加算後のポイントを現在ポイントとして前記ポイントデータベースに格納する請求項3記載のポイントサーバ。
【請求項5】
情報を入出力する入出力部と、
記録媒体に画像形成するプリンタと、
ポイントカードから会員IDを読み取るカードリーダと、
前記会員IDに含まれる枝番ごとに付与するポイントの割合であるポイント付与率を格納するポイント管理テーブルと、
商品に固有に割り当てられる商品コードごとに単価を含む商品情報を格納する商品マスタと、
一取引の内容を格納するトランザクションファイルと、
を備える販売情報登録処理装置を、
前記入出力部の小計ボタンが押下されたと判定した場合、前記ポイントカードから読み取った前記会員IDから取り出した前記枝番に基づいて前記ポイント管理テーブルを検索してポイントを付与する割合を示すポイント付与率を読み出すポイント付与率読み出し手段と、
前記ポイント付与率に基づいて付与するポイントである付与ポイントを算出する付与ポイント算出手段と、
として機能させるためのポイント処理プログラム。
【請求項6】
前記販売情報登録処理装置は、
前記会員IDに含まれる基礎IDごとに現在のポイント残高である現在ポイントを格納するポイントデータベースを備えるポイントサーバに接続する通信部をさらに備え、
前記販売情報登録処理装置を、
前記カードリーダによって前記ポイントカードから前記会員IDを読み出す会員ID読み出し手段と、
前記会員IDから前記基礎IDを取り出し、前記基礎IDに基づいて前記ポイントサーバに前記現在ポイントを問い合わせる現在ポイント問い合わせ手段と、
前記ポイントサーバから受信した現在ポイントに前記付与ポイントを加算して前記ポイントサーバに送信して前記ポイントサーバに前記ポイント付与率に基づいて算出した付与ポイントの加算後のポイントを現在ポイントとして前記ポイントデータベースに格納させるポイント格納手段と、
としてさらに機能させるための請求項5記載のポイント処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、販売情報登録処理装置、ポイントサーバ、及びポイント処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、POS(Point of sales)端末を用いて顧客に対してポイントサービスが行われてきた。
【0003】
このポイントサービスは、ポイントサーバが顧客に固有に割り当てられるID毎にポイントを格納し、POS端末が顧客の購入金額に応じたポイントをポイントサーバに格納させ、顧客は次回の来店の際に蓄積されたポイントに応じて割引価格にて商品やサービスを購入できるようにするものである。
【0004】
近年ではこのポイントサービスがさらに拡充し、基礎となるIDに対して複数のポイントカードが顧客に渡され、基礎となるIDに一括してためられたポイントをこの複数の顧客が共通に使用できるサービスが登場している。
【0005】
このサービスの代表的なものに、家族カードのサービスがある。家族には共通の基礎ID、乃至親IDが付与され、各家族の持つポイントカードにはこの基礎IDに加えて枝番が付与される。各家族はそれぞれが持つポイントカードを使用して貯めた合計ポイントを、自由に使用することができる。
【0006】
商品やサービスを提供する販売店の中には、この家族カードのサービスをさらに拡充したいという要請がある。具体的には、ある特定の構成員、例えば学生とシニアに対して他の構成員よりも高いポイントを付与し、これらの構成員の来店頻度を高めようとするものである。
【0007】
しかし、従来のポイントシステムにおいては家族カードの特定の構成員に対して他の構成員よりも有利なポイントを付与することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−59079号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、家族カードの特定の構成員に対して他の構成員よりも有利なポイントを付与することができる販売情報登録処理装置、ポイントサーバ、及びポイント処理プログラムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明の一実施形態は、情報を入出力する入出力部と、記録媒体に画像形成するプリンタと、ポイントカードから会員IDを読み取るカードリーダと、会員IDに含まれる枝番ごとに付与するポイントの割合であるポイント付与率を格納するポイント管理テーブルと、商品に固有に割り当てられる商品コードごとに単価を含む商品情報を格納する商品マスタと、一取引の内容を格納するトランザクションファイルと、入出力部の小計ボタンが押下されたと判定した場合、ポイントカードから読み取った会員IDから取り出した枝番に基づいてポイント管理テーブルを検索してポイントを付与する割合を示すポイント付与率を読み出し、ポイント付与率に基づいて付与するポイントである付与ポイントを算出する制御部と、を備える販売情報登録処理装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】販売情報登録処理装置を含むポイントシステムの構成を示す図である。
【
図2】販売情報登録処理装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】ポイントデータベースのデータ構成を示す図である。
【
図4】ポイント管理テーブルのデータ構成を示す図である。
【
図5】販売情報登録処理装置が制御部によって行うポイント付与動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、販売情報登録処理装置、ポイントサーバ、及びポイント処理プログラムの一実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。
【0013】
図1は、販売情報登録処理装置を含むポイントシステムの構成を示す図である。
図1に示すように、POS(Point of sales)端末などの販売情報登録処理装置(以下、販売情報登録処理装置をPOS端末という。)22は、店舗2に複数設置され、1台のストアコントローラ21、及び通信回線網3を介して本部1に設置されるポイントサーバ11に接続される。
【0014】
ストアコントローラ21は、POS端末22とポイントサーバ11との通信の媒介のほか、POS端末22に対して各商品の単価、商品名などの商品情報を配信する。
【0015】
ポイントサーバ11は、本部に1台だけ設置される。従って、ポイントシステムはポイントサーバ11、ストアコントローラ21、POS端末22の順に階層構造をなす。
【0016】
図2は、POS端末22の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、POS端末22は、CPU(central processing unit)などの演算装置を含む制御部201と、メモリ、ハードディスクドライブなどの記憶装置を含む記憶部202と、ディスプレイ、キーボード、マウスなどの入出力装置を含む入出力部203と、記録媒体に画像形成するプリンタ204と、ポイントカードを読み取るカードリーダ205と、通信を行う通信部206と、を備える。
【0017】
記憶部202は、会員の属性を示す枝番ごとにポイントを付与する割合を示すポイント付与率を格納するポイント管理テーブル202Aと、商品に固有に割り当てられる商品コードごとに単価、商品名などの商品情報を格納する商品マスタ202Bと、一取引の内容を格納するトランザクションファイル202Cと、を格納する。
【0018】
また、記憶部202はポイント処理プログラムを格納し、制御部201は記憶部202からポイント処理プログラムを順次読みだして実行する。
【0019】
POS端末22は、ストアコントローラ21及び通信回線網3を介してポイントサーバ11に接続する。
【0020】
ポイントサーバ11は、CPUなどの演算装置を含む制御部101と、メモリ、ハードディスクドライブなどの記憶装置を含む記憶部102と、通信を行う通信部103と、を備える。
【0021】
記憶部102は、顧客の集団別に固有に割り当てられる識別子である基礎IDごとに、現在のポイント残高を示すポイント残高を格納するポイントデータベース(以下、データベースをDBという。)102Aを格納する。
【0022】
また、記憶部102はポイント処理プログラムを格納し、制御部101は記憶部102からポイント処理プログラムを順次読みだして実行する。
【0023】
図3は、ポイントDB102Aのデータ構成を示す図である。
図3に示すように、ポイントDB102Aは、例えば家族などの顧客の集団別に固有に割り当てられる識別子である「基礎ID」と、現在のポイント残高を示す「現在ポイント」と、を格納する。
【0024】
各データの例は、基礎IDが「12345678」、現在ポイントが「800」である。
【0025】
ここで、ポイントカードに記載される会員IDについて説明する。会員IDは、基礎IDと、枝番と、を含む。
【0026】
基礎IDは、家族や会社、サークルなど、顧客の集団ごとに固有に割り当てられる。枝番は、顧客の属性に従って、顧客ごとに固有に割り当てられる。
【0027】
例えば、基礎IDが家族ごとに付与された場合、枝番は01〜10が契約者本人、配偶者など、11〜20がジュニア、21〜30が学生、31〜40がシニアなどのように、割り当てられる。学生が3人いた場合、枝番はそれぞれ21、22、及び23が割り当てられる。
【0028】
図4は、ポイント管理テーブル202Aのデータ構成を示す図である。
図4に示すように、ポイント管理テーブル202Aは、枝番ごとに付与するポイントの割合を示す「ポイント付与率」を格納する。
【0029】
各データの例は、枝番が「01〜10」、ポイント付与率が「1%」である。
【0030】
図5は、POS端末22が制御部201によって行うポイント付与動作を示すフローチャートである。
図5に示すように、ステップ501において、POS端末22はカードリーダ205によって顧客が有するポイントカードから会員IDを読込む。
【0031】
ステップ502において、POS端末22はPOS端末22が有する読取装置によって商品をスキャンし、商品コードを読み取る。
【0032】
POS端末22は、読み取った商品コードに基づいて商品マスタを検索し、当該商品の単価、商品名などの商品情報を読み出す。
【0033】
POS端末22は、読み出した商品情報と、数量と、をトランザクションファイル202Cに登録する。
【0034】
ステップ503において、POS端末22は小計キーが押下されたかを判定する。POS端末22は小計キーが押下されたと判定した場合、ステップ504に進み、押下されたと判定しない場合、ステップ502に戻る。
【0035】
ステップ504において、POS端末22は、会員IDから基礎IDを取り出し、基礎IDに基づいてポイントサーバ11に現在ポイントを問い合わせる。
【0036】
ポイントサーバ11は、POS端末22から受信した基礎IDに基づいてポイントDB102Aを検索し、現在ポイントを読み出してPOS端末22に送信する。
【0037】
ステップ505において、POS端末22は会員IDから枝番を取り出し、枝番に基づいてポイント管理テーブル202Aを検索してポイント付与率を読み出す。
【0038】
ステップ506において、POS端末22は、トランザクションファイル202Cに登録された取引内容に基づいて小計を計算する。
【0039】
ステップ507において、POS端末22は、小計に基づいて付与するポイントである付与ポイントを計算する。
【0040】
ステップ508において、POS端末22は、ポイントサーバ11から受信した現在ポイントに付与ポイントを加算して、基礎IDとともにポイントサーバ11に送信する。
【0041】
ポイントサーバ11は、受信した基礎IDの現在ポイントに受信した付与ポイント加算後のポイントを格納する。
【0042】
ステップ509において、POS端末22は顧客から預かった預り金を入力する。
【0043】
ステップ510において、POS端末22は預り金と、小計と、からつり銭を計算する。POS端末22は、現金を入出金する入出金装置が接続されている場合は、つり銭を出金して一取引を終了する。
【0044】
以上述べたように、本実施形態の販売情報登録処理装置は、情報を入出力する入出力部203と、記録媒体に画像形成するプリンタ204と、ポイントカードから会員IDを読み取るカードリーダ205と、会員IDに含まれる基礎IDごとに現在のポイント残高である現在ポイントを格納するポイントデータベース102Aを備えるポイントサーバ11に接続する通信部103と、会員IDに含まれる枝番ごとに付与するポイントの割合であるポイント付与率を格納するポイント管理テーブル202Aと、商品に固有に割り当てられる商品コードごとに単価を含む商品情報を格納する商品マスタ202Bと、一取引の内容を格納するトランザクションファイル202Cと、入出力部203の小計ボタンが押下されたと判定した場合、ポイントカードから読み取った会員IDから取り出した枝番に基づいてポイント管理テーブル202Aを検索してポイントを付与する割合を示すポイント付与率を読み出し、ポイント付与率に基づいて付与するポイントを算出する制御部と、を備える。
【0045】
従って、家族カードの特定の構成員に対して他の構成員よりも有利なポイントを付与することができるという効果がある。
【0046】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0047】
11:ポイントサーバ
22:POS端末(販売情報登録処理装置)
102A:ポイントデータベース
202A:ポイント管理テーブル