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特開2015-170845チップ型コイル部品及びその実装基板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-170845(P2015-170845A)
(43)【公開日】2015年9月28日
(54)【発明の名称】チップ型コイル部品及びその実装基板
(51)【国際特許分類】
   H01F 17/00 20060101AFI20150901BHJP
   H01F 27/29 20060101ALI20150901BHJP
   H01F 41/04 20060101ALI20150901BHJP
【FI】
   H01F17/00 D
   H01F15/10 C
   H01F41/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-107951(P2014-107951)
(22)【出願日】2014年5月26日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0027555
(32)【優先日】2014年3月10日
(33)【優先権主張国】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100166420
【弁理士】
【氏名又は名称】福川 晋矢
(72)【発明者】
【氏名】ハ・ヨン・ジン
【テーマコード(参考)】
5E062
5E070
【Fターム(参考)】
5E062FG12
5E070AA01
5E070BA12
5E070CB02
5E070CB13
5E070CB17
5E070CB18
5E070DB02
5E070EA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】本体の高さが幅より大きく研磨ラウンドを備えるチップ型コイル部品及びその実装基板における実装不良率を低下させる。
【解決手段】チップ型コイル部品は、複数の磁性体層が積層されて形成され、本体110の長さをL、幅をW、及び厚さをTとするとき、T/W>1.0を満たす本体と、上記磁性体層上に形成される内部コイルパターンが電気的に接続された内部コイル部120と、本体の一端面に形成され、内部コイル部と接続される外部電極130と、を含み、本体は、本体の長さ、幅及び厚さ方向に少なくとも一つの角がラウンド(round)状を有し、本体の端面から長さ方向への上記ラウンドの長さをdとするとき、d/w≦0.3を満たす。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の磁性体層が積層されて形成され、前記本体の長さをL、幅をW、及び厚さをTとするとき、T/W>1.0を満たす本体と、
前記磁性体層上に形成される内部コイルパターンが電気的に接続され、前記本体の内部に形成される内部コイル部と、
前記本体の一端面に形成され、前記内部コイル部と接続される外部電極と、を含み、
前記本体は、前記本体の長さ、幅及び厚さ方向に少なくとも一つの角がラウンド状を有し、
前記本体の端面から長さ方向への前記ラウンドの長さをdとするとき、d/w≦0.3を満たす、チップ型コイル部品。
【請求項2】
前記本体は、六面体状である、請求項1に記載のチップ型コイル部品。
【請求項3】
前記外部電極は、銀(Ag)、白金(Pt)、銅(Cu)及びパラジウム(Pd)からなる群より選択されたいずれか一つ以上を含む、請求項1に記載のチップ型コイル部品。
【請求項4】
前記内部コイルパターンは、前記本体の厚さ方向に積層される、請求項1に記載のチップ型コイル部品。
【請求項5】
前記内部コイルパターンは、前記本体の幅方向に積層される、請求項1に記載のチップ型コイル部品。
【請求項6】
上部に第1及び第2電極パッドを有する印刷回路基板と、
前記印刷回路基板上に設置されるチップ型コイル部品と、を含み、
前記チップ型コイル部品は、複数の磁性体層が積層されて形成され、長さ、幅及び厚さ方向に少なくとも一つの角がラウンド状を有する本体、前記磁性体層上に形成される内部コイルパターンが電気的に接続され、前記本体の内部に形成される内部コイル部、及び前記本体の一端面に形成され、前記内部コイル部と接続される外部電極を含み、
前記本体の端面から長さ方向への前記ラウンドの長さをdとするとき、d/w≦0.3を満たす、チップ型コイル部品の実装基板。
【請求項7】
前記本体は、前記本体の長さをL、幅をW、及び厚さをTとするとき、T/W>1.0を満たし、六面体状を有する、請求項6に記載のチップ型コイル部品の実装基板。
【請求項8】
前記外部電極は、銀(Ag)、白金(Pt)、銅(Cu)及びパラジウム(Pd)からなる群より選択されたいずれか一つ以上を含む、請求項6に記載のチップ型コイル部品の実装基板。
【請求項9】
前記内部コイルパターンは、前記本体の厚さ方向に積層される、請求項6に記載のチップ型コイル部品の実装基板。
【請求項10】
前記内部コイルパターンは、前記本体の幅方向に積層される、請求項6に記載のチップ型コイル部品の実装基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チップ型コイル部品及びその実装基板に関する。
【背景技術】
【0002】
電子製品の小型化、スリム化、多機能化に伴い、チップ部品も小型化が求められており、電子部品の実装も高集積化されている。このような傾向に応じて、実装される電子部品との空間が最小化されている。
【0003】
上記電子部品の一つであるインダクタ(inductor)は、抵抗、キャパシタとともに、電子回路を形成してノイズ(Noise)を除去する代表的な受動素子である。なお、電磁気的特性を用いることでキャパシタと組み合わせて特定周波数帯域の信号を増幅させる共振回路やフィルタ(Filter)回路などの構成に用いられる。
【0004】
このとき、搭載される部品は、小面積実装が可能で、大型サイズの電子部品と同等の電気特性を具現する必要がある。これにより、最近、磁性体層の厚さは薄くなり、積層数が増加するチップ型コイル部品が製造されている。
【0005】
但し、上記のようなチップ型コイル部品は、幅に比べて厚さをさらに増加させた形態に製作できるため高インダクタンスを具現することができるが、基板に実装される場合にチップが倒れる不良が頻繁に発生するという問題がある。
【0006】
一方、チップ型コイル部品の製造工程においてセラミック本体同士がぶつかって割れるチッピング不良が発生することがあり、これを防止するために本体の角と頂点を研磨する方法が用いられてきた。
【0007】
しかし、本体の角と頂点を研磨するにあたり、研磨されすぎたり、十分に研磨されなかった場合は、チップ型コイル部品の信頼性に影響を及ぼす。そのため、チップ型コイル部品は、高インダクタンスを具現しながらも、基板への実装時に倒れ不良及びチッピング不良を防ぐことで信頼性を改善させる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国公開特許第2012−0089199号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決すべく、本体の高さが幅より大きいことを特徴とするチップ型コイル部品において、研磨ラウンド(round)と幅の相関関係によって実装力を強化させることができるチップ型コイル部品及びその実装基板を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1技術的な側面によるチップ型コイル部品は、複数の磁性体層が積層されて形成され、上記本体の長さをL、幅をW、及び厚さをTとするとき、T/W>1.0を満たす本体と、上記磁性体層上に形成される内部コイルパターンが電気的に接続され、上記本体の内部に形成される内部コイル部と、上記本体の一端面に形成され、上記内部コイル部と接続される外部電極と、を含み、上記本体は、上記本体の長さ、幅及び厚さ方向に少なくとも一つの角がラウンド(round)状を有し、上記本体の端面から長さ方向への上記ラウンドの長さをdとするとき、d/w≦0.3を満たすことができる。
【0011】
また、上記本体は、六面体状であることができる。
【0012】
また、上記外部電極は、銀(Ag)、白金(Pt)、銅(Cu)及びパラジウム(Pd)からなる群より選択されたいずれか一つ以上を含むことができる。
【0013】
また、上記内部コイルパターンは、上記本体の厚さ方向に積層されることができる。
【0014】
また、上記内部コイルパターンは、上記本体の幅方向に積層されることができる。
【0015】
本発明の第2技術的な側面によるチップ型コイル部品の実装基板は、上部に第1及び第2電極パッドを有する印刷回路基板と、上記印刷回路基板上に設置されるチップ型コイル部品と、を含み、上記チップ型コイル部品は、複数の磁性体層が積層されて形成され、長さ、幅及び厚さ方向に少なくとも一つの角がラウンド(round)状を有する本体、上記磁性体層上に形成される内部コイルパターンが電気的に接続され、上記本体の内部に形成される内部コイル部、及び上記本体の一端面に形成され、上記内部コイル部と接続される外部電極を含み、上記本体の端面から長さ方向への上記ラウンドの長さをdとするとき、d/w≦0.3を満たすことができる。
【0016】
また、上記本体は、上記本体の長さをL、幅をW、及び厚さをTとするとき、T/W>1.0を満たし、六面体状を有することができる。
【0017】
また、上記外部電極は、銀(Ag)、白金(Pt)、銅(Cu)及びパラジウム(Pd)からなる群より選択されたいずれか一つ以上を含むことができる。
【0018】
また、上記内部コイルパターンは、上記本体の厚さ方向に積層されることができる。
【0019】
また、上記内部コイルパターンは、上記本体の幅方向に積層されることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によるチップ型コイル部品及びその実装基板は、研磨ラウンド(round)と幅の相関関係を用いて実装力を強化させることができる。また、他の部品との衝突によって本体が損傷されるチッピング不良を防止することができ、大インダクタンス化が具現されたチップ型コイル部品を基板へ実装する際に、倒れ不良を防止することができる。これにより、信頼性に優れた高インダクタンスのチップ型コイル部品を具現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施形態によるチップ型コイル部品を示した斜視図である。
図2図1に示されたチップ型コイル部品をA−A’方向に切断して示した断面図およびB−B’方向に切断して示した断面図である。
図3図1に示されたチップ型コイル部品の構成のうち磁性体層が本体の厚さ方向に積層された形態を示した分解斜視図である。
図4図1に示されたチップ型コイル部品の構成のうち磁性体層が本体の幅方向に積層された形態を示した分解斜視図である。
図5図4に示されたチップ型コイル部品における内部コイル部が現れるように示した斜視図である。
図6図1に示されたチップ型コイル部品が印刷回路基板へ実装される形状を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、添付の図面を参照し、本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0023】
チップ型コイル部品
【0024】
以下では、本発明の一実施形態によるチップ型コイル部品を説明するにあたり、特に、積層型インダクタ(inductor)を例に挙げて説明するが、本発明はこれに制限されない。
【0025】
図1は本発明の一実施形態によるチップ型コイル部品を示した斜視図であり、図2図1に示されたチップ型コイル部品をA−A’方向に切断して示した断面図およびB−B’方向に切断して示した断面図であり、図3図1に示されたチップ型コイル部品の構成のうち磁性体層が本体の厚さ方向に積層された形態を示した分解斜視図である。
【0026】
図1から図3を参照すると、本発明によるチップ型コイル部品は、本体110と、内部コイル部120と、外部電極130と、を含むことができる。
【0027】
図1及び図3を参照すると、上記本体110は、複数の磁性体層112が積層されて形成されることができ、実装面として提供される下面及びこれに対向する上面を有することができる。
【0028】
上記複数の磁性体層112は、焼結された状態で、隣接する磁性体層112の境界が走査電子顕微鏡(SEM、Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認できないほど一体化されていることができる。
【0029】
上記複数の磁性体層112のそれぞれは、Mn−Zn系フェライト、Ni−Zn系フェライト、Ni−Zn−Cu系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Ba系フェライト、Li系フェライトなどの公知のフェライトを含むことができる。
【0030】
上記本体110の形状は、特に制限されないが、例えば、六面体状を有することができる。また、本実施形態のチップ型コイル部品において、「長さ方向」は図1の「L」方向、「幅方向」は「W」方向、「厚さ方向」は「T」方向と定義する。ここで、「厚さ方向」は、磁性体層112を積み上げる方向、即ち、「積層方向」と同一の概念で用いられることができる。
【0031】
特に、上記本体110は、T/W>1.0を満たすことができる。これは、高インダクタンスを具現するために積層数を増加させた形態で、上記本体110の幅Wに比べて厚さTがさらに大きい形態であることを特徴とする。
【0032】
一般のチップ型コイル部品の場合、本体110の幅及び厚さは殆ど同一サイズに製作されてきた。
【0033】
しかし、本発明の一実施形態によるチップ型コイル部品は、小型化を具現することができ、基板への実装時に空間を十分に確保することができるため、高インダクタンスのチップ型コイル部品を具現するために積層数を増加させることができる。
【0034】
上記本体110における積層方向が厚さ方向であるため、上述するように積層数が増加するにつれ、上記セラミック本体の厚さTと幅Wの関係は、T/W>1.0を満たすことができる。これにより、本発明によるチップ型コイル部品は、高インダクタンス化を具現することができる。
【0035】
上記内部コイル部120は、複数の磁性体層112上に形成される内部コイルパターン125が電気的に接続されて上記本体110の内部に形成される。
【0036】
このとき、上記複数の磁性体層112上に形成される内部コイルパターン125がビア電極(図示せず)によって電気的に接続されて内部コイル部120を形成することができる。上記ビア電極は、上下の磁性体層112を連結するためにパンチングで形成されることができる。
【0037】
上記内部コイルパターン125は、導電性金属を含む導電性ペーストを印刷することで形成されることができる。上記導電性金属は、電気伝導度に優れた金属であれば、特に制限されないが、例えば、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタニウム(Ti)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)などの単独または混合状態であることができる。
【0038】
また、図3を参照すると、内部コイル部120の上部及び下部には複数の磁性体層112がさらに積層されることで、上部及び下部カバー層を形成することができる。
【0039】
上記外部電極130は、本体110の一端面に形成されることができ、より具体的には、内部コイル部120と接続されることができる。特に、図3を参照すると、内部コイルパターン125は、磁性体層112上において外部に露出する引出部123、124を有することができ、上記引出部123、124によって上記外部電極130と接続されることができる。
【0040】
上記外部電極130は、内部コイル部120と同一材質の導電性物質で形成されることができるが、これに制限されず、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)などで形成されることができる。
【0041】
上記外部電極130は、金属粉末にガラスフリットを添加して形成された導電性ペーストを塗布してから焼成することで形成されることができる。また、上記本体110は、複数の磁性体層112を積層してから焼成することで形成される。このような本体110の形状、寸法及び磁性体層112の積層数は本実施形態に示されたものに限定されない。即ち、上記磁性体層112の積層数を増やすことにより、上記本体110の厚さTが幅Wより大きい高インダクタンスのチップ型コイル部品を具現することができる。
【0042】
ただし、チップ型コイル部品の製造工程において本体同士がぶつかって割れるチッピング不良が発生することがあるが、本発明の一実施形態によると、上記本体110の長さ、幅及び厚さ方向に少なくとも一つ以上の角がラウンド(round)状を有するようにすることができる。このとき、上記本体110の端面から長さ方向への上記ラウンドの長さをdとするとき、d/w≦0.3を満たすように上記本体110の角及び頂点を研磨することができる。
【0043】
上記研磨は、研磨装置を用いて行われることができる。上記研磨装置は、特に制限されないが、本体110の研磨時に用いられる一般の装置を用いることができる。
【0044】
これにより、上記チッピング不良を防止することができ、基板へ実装しても、本発明によるチップ型コイル部品が倒れないため信頼性に優れることができる。
【0045】
また、本体110は焼成後に脆性を有するが、本体110を焼成前に研磨することにより、チップ型コイル部品の製造工程のために運搬される過程において発生する可能性がある本体同士がぶつかって割れるチッピング不良を防ぐことができる。
【0046】
また、上記のように本体110を焼成前に研磨することにより、焼成後にチップ型コイル部品を基板へ実装する際に、本体110の角、特に上記セラミック本体の長さ方向の角がラウンド状であるため、倒れによるショート不良を防止することができる。
【0047】
以下では、本発明によるチップ型コイル部品の実装不良率について説明する。
【0048】
下記表1及び表2は、本体110の幅Wに対する上記本体の上記ラウンドの長さdの比率によるチッピング不良の発生頻度及び基板への実装時における製品の倒れ発生頻度を比較した表である。
【0049】
下記表1の場合、本体110の幅Wを0.30mm、本体110の長さLを0.6mm、上記本体110の端面から長さ方向への上記ラウンドの長さをdとするとき、d/Wを0.10に固定し、本体110の厚さTを増加させた場合の実装不良率を示している。
【0050】
【表1】
【0051】
上記表1を参照すると、本体110の厚さTが幅Wの3倍になるまでは実装不良が発生しなかったが、それ以上になる場合は、実装不良が発生し、その比率が増加する点が確認できる。
【0052】
下記表2の場合、本体110の幅Wを0.30mm、本体110の長さLを0.6mm、上記本体110の端面から長さ方向への上記ラウンドの長さをdとするとき、本体110の厚さTを0.75mmに固定し、d/Wを変更しながら実装不良率を確認した結果値を示している。
【0053】
【表2】
【0054】
上記表2を参照すると、本体110のラウンドの長さが大きくなるにつれ、倒れによる実装不良率が増加する。具体的には、d/Wが0.30を超過すると増加する点が分かる。一方、本体110のラウンドの長さが小さい場合は、本体110の角部の電極剥がれ不良が発生する点が確認できる。
【0055】
即ち、本発明によるチップ型コイル部品は、上記本体110の端面から長さ方向への上記ラウンドの長さをdとするとき、d/w≦0.3を満たすように構成する場合、チップ型コイル部品の不良要素をなくし、実装力を改善させることができる。
【0056】
図4図1に示されたチップ型コイル部品の構成のうち磁性体層が本体の幅方向に積層された形態を示した分解斜視図であり、図5図4に示されたチップ型コイル部品における内部コイル部が現れるように示した斜視図である。
【0057】
図4及び図5を参照すると、本発明の他の実施形態によるチップ型コイル部品において、「長さ方向」は図5の「L」方向、「幅方向」は「W」方向、「厚さ方向」は「T」方向と定義する。ここで、「幅方向」は、磁性体層を積み上げる方向、即ち、「積層方向」と同一の概念で用いられることができる。
【0058】
即ち、図4及び図5に示されているように、本発明の他の実施形態によるチップ型コイル部品は、上述した本発明の一実施形態によるチップ型コイル部品とは異なって積層方向が上記本体110の幅方向であることを特徴とする。
【0059】
これにより、本発明の他の実施形態によるチップ型コイル部品は、後述するように、基板へ実装する場合、内部コイルパターン125が基板に垂直な状態で配置される垂直実装形態を有することができる。
【0060】
その他、他の実施形態によるチップ型コイル部品の特徴は、上述した本発明の一実施形態によるチップ型コイル部品の特徴と同一であるため、ここでは省略する。
【0061】
一方、上記本体110の表面全体に絶縁層(図示せず)が形成され、上記絶縁層上に外部電極130が形成されることができる。
【0062】
即ち、焼結された本体110の長さ方向端面を除く表面全体を囲うように絶縁層を形成した後、外部電極130を形成することができる。これにより、上記外部電極130を貫通して進入する異物などを遮断することができるため、より効率的に本体110を保護することができる。
【0063】
チップ型コイル部品の実装基板
【0064】
図6図1に示されたチップ型コイル部品が印刷回路基板へ実装される形状を示した斜視図である。
【0065】
図6を参照すると、本発明の一実施形態によるチップ型コイル部品100の実装基板200は、チップ型コイル部品100の内部コイルパターン125が水平になるように実装される印刷回路基板210と、印刷回路基板210の上面に離れて形成される第1及び第2電極パッド221、222と、を含む。
【0066】
このとき、チップ型コイル部品100の外部電極130がそれぞれ第1及び第2電極パッド221、222上に接触されるように位置した状態で、はんだ230によって印刷回路基板210と電気的に連結されることができる。
【0067】
また、図4及び図6を参照すると、チップ型コイル部品100の実装基板200は、チップ型コイル部品100の内部コイルパターン125が垂直になるように実装される印刷回路基板210と、印刷回路基板210の上面に離れて形成される第1及び第2電極パッド221、222と、を含む。
【0068】
上記のように、本発明の他の実施形態によるチップ型コイル部品の実装基板は、複数の磁性体層を含み、長さをL、幅をW、及び厚さをTとするとき、T/W>1.0を満たす六面体状の本体を含むチップ型コイル部品が実装された形態で、高インダクタンスのチップ型コイル部品を含むことができる。
【0069】
また、このような本発明の他の実施形態による積層セラミック電子部品の実装基板は、上記チップ型コイル部品100の内部コイルパターン125を基板上に水平または垂直に実装しても、上述したように、本体110の角がラウンド状を有し、上記本体110の端面から長さ方向への上記ラウンドの長さをdとするとき、d/w≦0.3を満たすため、チップ型コイル部品100の倒れ不良が発生しない。
【0070】
これにより、信頼性に優れた高インダクタンスのチップ型コイル部品100を含むチップ型コイル部品の実装基板を具現することができる。
【0071】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有するものには明らかである。
【符号の説明】
【0072】
100 チップ型コイル部品
110 本体
120 内部コイル部
130 外部電極
200 実装基板
210 印刷回路基板
221、222 第1及び第2電極パッド
230 はんだ
図1
図2
図3
図4
図5
図6