【解決手段】複数の誘電体層111を含み、厚さ方向に対向する上面及び下面、幅方向に対向する第1の側面及び第2の側面、及び長さ方向に対向する第1の端面及び第2の端面を有し、幅より厚さが大きいセラミック本体110と、セラミック本体110内で一つ以上の誘電体層111を介してセラミック本体110の幅方向に積層された第1の内部電極121及び第2の内部電極122と、セラミック本体110の厚さ方向の下部に配置されてセラミック本体110の下部マージン部の体積が上部マージン部の体積より大きくなるようにする体積増大部。
複数の誘電体層を含み、厚さ方向に対向する上面及び下面、幅方向に対向する第1の側面及び第2の側面、及び長さ方向に対向する第1の端面及び第2の端面を有し、幅より厚さが大きいセラミック本体と、
前記セラミック本体内で一つ以上の誘電体層を介して前記セラミック本体の幅方向に積層された第1の内部電極及び第2の内部電極と、
前記セラミック本体の厚さ方向の下部に配置されて前記セラミック本体の下部マージン部の体積が上部マージン部の体積より大きくなるようにする体積増大部と、
を含む、積層セラミック電子部品。
前記セラミック本体の下面と前記セラミック本体の端面とが接するコーナーの長さは、前記セラミック本体の上面と前記セラミック本体の端面とが接するコーナーの長さより長い、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
前記活性部ダミーパターンは、前記セラミック本体の長さ方向の中心部と前記セラミック本体の第1の端面との間の領域に配置される第1の活性部ダミーパターンと、前記セラミック本体の長さ方向の中心部と前記セラミック本体の第2の端面との間の領域に配置される第2の活性部ダミーパターンと、を含む、請求項3に記載の積層セラミック電子部品。
前記第1の活性部ダミーパターンと前記第2の活性部ダミーパターンは、同じ誘電体層上で互いに離隔して配置されて幅方向にそれぞれ積層される、請求項6に記載の積層セラミック電子部品。
前記第1の活性部ダミーパターンは前記第1の端面に露出し、前記第2の活性部ダミーパターンは前記第2の端面に露出する、請求項6に記載の積層セラミック電子部品。
前記第1の活性部ダミーパターンの積層数は前記第1の内部電極及び第2の内部電極の積層数の和と同じであり、前記第2の活性部ダミーパターンの積層数は前記第1の内部電極及び第2の内部電極の積層数の和と同じである、請求項6に記載の積層セラミック電子部品。
前記第1の活性部ダミーパターンの積層数は前記第1の内部電極の積層数と同じであり、前記第2の活性部ダミーパターンの積層数は前記第2の内部電極の積層数と同じである、請求項6に記載の積層セラミック電子部品。
前記第1の活性部ダミーパターンは前記第1の内部電極が配置された誘電体層上に配置され、前記第2の活性部ダミーパターンは前記第2の内部電極が配置された誘電体層上に配置される、請求項6に記載の積層セラミック電子部品。
前記第1の活性部ダミーパターンは前記第1の内部電極が配置された誘電体層及び前記第2の内部電極が配置された誘電体層上に配置され、前記第2の活性部ダミーパターンは前記第1の内部電極が配置された誘電体層及び前記第2の内部電極が配置された誘電体層上に配置される、請求項6に記載の積層セラミック電子部品。
前記カバー部ダミーパターンは、前記セラミック本体の長さ方向の中心部と前記セラミック本体の第1の端面との間の領域に配置される第1のカバー部ダミーパターンと、前記セラミック本体の長さ方向の中心部と前記セラミック本体の第2の端面との間の領域に配置される第2のカバー部ダミーパターンと、を含む、請求項15に記載の積層セラミック電子部品。
前記第1の内部電極及び第2の内部電極は、基板への実装時に基板と対向する面であるセラミック本体の実装面に対して垂直に配置される、請求項1に記載の積層セラミック電子部品。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。しかし、本発明の実施形態は様々な他の形態に変形されることができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどはより明確な説明のために誇張されることがある。
【0013】
積層セラミック電子部品100
図1は、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品の一部を切開して概略的に示す斜視図である。
【0014】
図2は、本発明一実施形態による積層セラミック電子部品のセラミック本体を概略的に示す斜視図である。
【0015】
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品100は、複数の誘電体層111を含み、厚さ方向に対向する上面S
T及び下面S
B、幅方向に対向する第1の側面1及び第2の側面2、及び長さ方向に対向する第1の端面3及び第2の端面4を有し、幅より厚さが大きいセラミック本体110と、上記セラミック本体内で一つ以上の誘電体層を介して上記セラミック本体の幅方向に積層された第1の内部電極121及び第2の内部電極122と、上記セラミック本体の厚さ方向の下部に配置されて上記セラミック本体の下部マージン部の体積が上部マージン部の体積より大きくなるようにする体積増大部と、を含む。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、上記体積増大部は、ダミーパターン140で形成されることができる。
【0017】
上記体積増大部がダミーパターン140で形成される場合、上記ダミーパターンは、セラミック本体内で誘電体層に配置されて幅方向に積層されることができる。セラミック本体の下部に配置されたダミーパターンによって、セラミック本体の下部マージン部は、ダミーパターンが配置されていない場合より体積が増加することができる。
【0018】
図1及び
図2を参照すると、セラミック本体の上部及び下部にダミーパターン140が配置されていないか又はダミーパターン140がセラミック本体の上部及び下部に全て配置される場合、セラミック本体の重心は、略厚さ方向の中心を通る直線L
1上に配置される。しかしながら、本発明の実施形態のようにダミーパターン140がセラミック本体の下部のみに配置される場合、セラミック本体の重心Oは、厚さ方向の中心より下側に位置した直線L
2上に配置される。
【0019】
重心Oがセラミック本体の実装面に隣接して配置されるほど、実装時のチップの倒れ現象が改善されて実装安定性を確保することができる。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、上記ダミーパターン140が上記セラミック本体の下部に配置されるため、上記セラミック本体110の下部マージン部118の体積が上記セラミック本体の上部マージン部117の体積より大きくなる。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、上記ダミーパターン140が上記セラミック本体の下部に配置されるため、上記セラミック本体110の下面S
Bと上記セラミック本体110の端面3、4とが接するコーナーの長さが上記セラミック本体110の上面S
Tと上記セラミック本体110の端面3、4とが接するコーナーの長さより長くなる。
【0022】
また、実装面となるセラミック本体110の下面S
Bの面積はセラミック本体の上面S
Tの面積より広く形成されることができる。
【0023】
以下では、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品をより詳細に説明するにあたり、特に、積層セラミックキャパシタを例に挙げて説明するが、これに制限されるものではない。
【0024】
図3は本発明の第1の実施形態による積層セラミック電子部品の一部を切開して概略的に示す斜視図であり、
図4は本発明の第1の実施形態による積層セラミック電子部品のセラミック本体を概略的に示す斜視図である。
【0025】
図3を参照すると、本実施形態による積層セラミック電子部品は、セラミック本体110と、第1及び第2の外部電極131、132と、を含む。
【0026】
図4を参照すると、上記セラミック本体110は、厚さ方向に対向する上面S
T及び下面S
Bと、幅方向に対向し且つ上記上面及び下面を連結する第1の側面1及び第2の側面2と、長さ方向に対向し且つ上記上面及び下面を連結する第1の端面3及び第2の端面4と、を有することができる。
【0027】
上記セラミック本体110は、その形状に特別な制限はなく、図示のように完全な直線を有する六面体状ではないが、略六面体状である。
【0028】
上記セラミック本体は、後述するように、厚さ方向の下部マージン部118の幅が厚さ方向の上部マージン部117の幅より広く形成されることができる。
【0029】
また、上記セラミック本体の下面S
Bの面積は上記セラミック本体の上面S
Tの面積より広く形成されることができる。
【0030】
上記セラミック本体110は、複数の誘電体層111が積層されて形成されることができる。
図1に示されているように、上記セラミック本体は、誘電体層111上に形成された内部電極121、122を含む。
【0031】
上記セラミック本体は、厚さ方向の下部に配置されたダミーパターン140を含む。
【0032】
上記内部電極は、第1の内部電極121及び第2の内部電極122を含み、上記第1及び第2の内部電極は、少なくとも一つの誘電体層を介して上記誘電体層上に交互に配置されて上記セラミック本体の幅方向(W方向)に積層されることができる。
【0033】
上記第1の内部電極121及び第2の内部電極122は、上記セラミック本体の第1の端面3及び第2の端面4から交互に露出するように上記セラミック本体の幅方向に積層されることができる。
【0034】
また、上記セラミック本体110は、内部電極を外部衝撃から保護するために最外側の内部電極の外側に配置されたカバー層112、113を含むことができる。
【0035】
上記セラミック本体110は、上記内部電極と誘電体層が交互に積層された活性層115と、上記活性層の幅方向の少なくとも一側に配置されるカバー層112、113と、を含むことができる。
【0036】
本発明において、上記活性層115は、セラミック本体内で誘電体層と内部電極が交互に積層されて容量を形成する活性部と、上記活性部の上部及び下部に配置され且つ内部電極を含まない上下マージン部の一部領域と、を含む。
【0037】
上記活性部の上部及び下部に配置された上下マージン部の一部領域をそれぞれ活性層の上部マージン部及び活性層の下部マージン部と定義する。
【0038】
本発明の一実施形態において、上記活性層115は、セラミック本体のうち上記カバー層112、113を除いた残りの領域を意味する。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、
図1及び
図2のW方向はセラミック本体110の幅方向であって内部電極121、122及び誘電体層111が積層される方向であり、L方向はセラミック本体110の長さ方向であり、T方向はセラミック本体110の厚さ方向である。
【0040】
ここで、「幅方向」は、誘電体層を積み上げる方向、即ち、「積層方向」と同じ概念で用いられる。
【0041】
また、本発明の積層セラミック電子部品100は、基板への実装時に上記厚さ方向(T方向)が基板に垂直になるように配置されることができる。
【0042】
本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品は、高容量の具現のために上記セラミック本体110の幅Wより厚さTが大きい形態であることを特徴とする。
【0043】
一般の積層セラミック電子部品の場合、幅と厚さが略同じサイズで製作されてきた。
【0044】
しかしながら、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品は、基板への実装時に十分な空間確保が可能であり且つ高容量を具現することができる。内部電極を幅方向に積層し且つセラミック本体の厚さを増加させることにより内部電極が重なる面積を増加させることができるため、基板への実装時に電子部品が占める面積が同じでも高容量を確保することができる。
【0045】
但し、本発明の一実施形態のようにセラミック本体の厚さを幅より大きく形成する場合は、高容量の確保が可能であるという長所はあるが、積層セラミック電子部品の重心が上昇することにより、実装時にピックアップ(Pick‐up)過程でチップがテーピングポケット内で傾くため、チップを取り上げることができなくなる不良が発生したり装着過程でチップの倒れ現象が発生する頻度が増加するという問題がある。
【0046】
しかしながら、本発明の実施形態により、セラミック本体の厚さ方向の下部にセラミック本体の下部マージン部の体積を増加させることができるダミーパターン140を配置すると、上述した問題を解決することができる。
【0047】
上記セラミック本体110は、複数の誘電体層111及び内部電極121、122を積層した後に焼成して形成されることができる。また、上記セラミック本体110の形状、寸法及び誘電体層111の積層数は、本実施形態に限定されない。
【0048】
例えば、上記誘電体層の積層数は100層以上であれば良い。
【0049】
上記セラミック本体110には、厚さ方向の上部マージン部117と厚さ方向の下部マージン部118が形成されることができる。上記セラミック本体の厚さ方向の上部マージン部117は、セラミック本体110の厚さ方向において上記内部電極121、122の上端部より上側の領域を意味し、上記セラミック本体の厚さ方向の下部マージン部118は、上記セラミック本体110の厚さ方向において上記内部電極121、122の下端部より下側の領域を意味する。即ち、上記上部マージン部117は、上記セラミック本体の上面S
Tから上記内部電極121、122の上端部までの領域を意味し、上記下部マージン部118は、セラミック本体の下面S
Bから上記内部電極121、122の下端部までの領域を意味する。上記上部マージン部117と下部マージン部118は、上記活性層の上部マージン部及び下部マージン部に対応するカバー層112、113の上部及び下部領域を含む。
【0050】
上記上部マージン部117は、上記活性層において内部電極が配置されていない上部領域、及び上記活性層において内部電極が配置されていない上部領域に対応するカバー部の上部を含み、上記下部マージン部118は、上記活性層において内部電極が配置されていない下部領域、及び上記活性層において内部電極が配置されていない下部領域に対応するカバー部の下部を含む。
【0051】
本発明の一実施形態によれば、上記誘電体層111の平均厚さは、積層セラミック電子部品の容量設計に合わせて任意に変わってもよい。
【0052】
また、誘電体層111は、高誘電率を有するセラミック粉末、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO
3)系又はチタン酸ストロンチウム(SrTiO
3)系粉末を含むことができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0053】
上記カバー層112、113は、内部電極を含まないことを除いて誘電体層111と同じ材質及び構成を有することができる。上記カバー層は、単一の誘電体層又は二つ以上の誘電体層を活性層115の幅方向の側面にそれぞれ幅方向に積層して形成されたものであり、物理的又は化学的ストレスによる第1及び第2の内部電極121、122の損傷を防止する役割を行うことができる。
【0054】
例えば、上記カバー層は、内部電極が形成されていない誘電体層を10層以上積層して形成されることができる。
【0055】
上記第1及び第2の内部電極121、122は、特に制限されず、例えば、パラジウム(Pd)、パラジウム‐銀(Pd‐Ag)合金等の貴金属材料及びニッケル(Ni)、銅(Cu)のうち一つ以上の物質からなる導電性ペーストを用いて形成されることができる。
【0056】
一方、上記第1及び第2の内部電極121、122は、相違する極性を有する一対の電極であり、誘電体層111上に所定の厚さで導電性金属を含む導電性ペーストを印刷して形成されることができる。
【0057】
上記第1及び第2の内部電極121、122の焼成後の平均厚さは、静電容量を形成することができれば特に制限されず、例えば、1.5μm以下であれば良い。
【0058】
本実施形態によれば、第1及び第2の内部電極121、122は、上記セラミック本体の上面S
T又は下面S
Bに垂直に配置されることができる。即ち、上記第1及び第2の内部電極121、122は、積層セラミック電子部品の基板への実装時に基板と対向する面である下面(実装面)に垂直に配置されることができる。
【0059】
上記第1及び第2の外部電極131、132は、特に制限されず、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)等で形成されることができる。
【0060】
上記第1及び第2の外部電極131、132は、特に制限されず、上記金属粉末にガラスフリットを添加して製造された導電性ペーストを塗布した後に焼成することにより形成されることができる。
【0061】
なお、本発明において、「第1及び第2」は、相違する極性を意味する。
【0062】
上記セラミック本体110は、厚さ方向の下部に配置されたダミーパターン140を含むことができる。本実施形態によれば、上記ダミーパターン140は、活性部ダミーパターン141、142を含むことができる。
【0063】
上記活性部ダミーパターン141、142は、内部電極が重なって容量を形成する領域である活性部の下側に配置され、容量形成には直接寄与しない 。
【0064】
上記活性部ダミーパターン141、142は、活性部内に配置されず、上記セラミック本体の下部マージン部のうち活性部に対応する領域に配置されることができる。
【0065】
上記セラミック本体110の厚さ方向の下部は、上記セラミック本体の厚さ方向の中心部以下の領域を意味する。
【0066】
図5aは、
図3のA‐A’線に沿う断面図である。
【0067】
図5bは、本実施形態による積層セラミック電子部品の長さ‐厚さ方向の断面図であって、誘電体層111と誘電体層上に配置された内部電極121、122及び活性部ダミーパターン141、142を示す図である。
【0068】
図5a及び
図5bを参照すると、上記活性部ダミーパターン141、142は、セラミック本体110の活性層115内で上記内部電極121、122より厚さ方向の下側に配置されることができる。
【0069】
上記活性部ダミーパターン141、142は、特に制限されず、内部電極121、122と同じ材料で形成されることができる。
【0070】
本実施形態によれば、セラミック本体の焼結過程で発生するセラミック本体の下部マージン部118の幅収縮を抑制してセラミック本体の下部マージン部118の体積がセラミック本体の上部マージン部117の体積より大きくなることにより基板への実装時に安定性を確保することができる。
【0071】
本発明の一実施形態によれば、上記活性部ダミーパターン141、142は、上記セラミック本体110の長さ方向の中心部と上記セラミック本体の第1の端面との間の領域に配置される第1の活性部ダミーパターン141と、上記セラミック本体の長さ方向の中心部と上記セラミック本体の第2の端面との間の領域に配置される第2の活性部ダミーパターン142と、を含むことができる。
【0072】
図5a及び
図5bに示されているように、上記第1の活性部ダミーパターン141は上記第1の内部電極121が配置された誘電体層111上に配置され、上記第2の活性部ダミーパターン142は上記第2の内部電極122が配置された誘電体層111上に配置されることができる。
【0073】
上記第1の活性部ダミーパターン141及び第2の活性部ダミーパターン142は、相違する位置で誘電体層111上に交互に形成されることができる。
【0074】
例えば、上記第1の活性部ダミーパターン141と上記第2の活性部ダミーパターン142は、一つの誘電体層111を介して交互に配置されることができる。
【0075】
上記のように上記第1の活性部ダミーパターン141が上記第1の内部電極121が配置された誘電体層上に配置され、上記第2の活性部ダミーパターン142が上記第2の内部電極122が配置された誘電体層上に配置される場合、上記第1の活性部ダミーパターン141の積層数は上記第1の内部電極121の積層数と同じであり、上記第2の活性部ダミーパターン142の積層数は上記第2の内部電極122の積層数と同じである。
【0076】
本実施形態によれば、上記第1の活性部ダミーパターン141及び第2の活性部ダミーパターン142は、上記第1及び第2の内部電極121、122から離隔して形成されることができる。
【0077】
上記第1の活性部ダミーパターン141と第2の活性部ダミーパターン142は、端部が上記セラミック本体の下面S
Bに露出するように形成されることができる。上記第1の活性部ダミーパターン141と第2の活性部ダミーパターン142の端部がセラミック本体の下面S
Bに露出する場合は、第1の活性部ダミーパターン及び第2の活性部ダミーパターンの露出部をそれぞれ覆うように第1の外部電極131及び第2の外部電極132がセラミック本体の下面S
Bに伸びることが好ましい。
【0078】
第1の外部電極131及び第2の外部電極132は、セラミック本体の下面S
Bに伸びた長さと実質的に同様に上記セラミック本体の上面S
Tに伸びることができる。
【0079】
本発明の一実施形態によれば、上記第1の活性部ダミーパターン141は端部が上記セラミック本体の第1の端面3に露出し、上記第2の活性部ダミーパターン142は端部が上記セラミック本体の第2の端面4に露出することができる。
【0080】
上記第1及び第2の活性部ダミーパターン141、142が上記セラミック本体の端面3、4又は下面S
Bに引き出される場合、第1及び第2の外部電極131、132とそれぞれ連結されて外部電極の固着強度を向上させることができる。
【0081】
図6a、
図7a、
図8a及び
図9aは本発明の第1の実施形態による積層セラミック電子部品の幅‐厚さ方向の断面図であって活性部ダミーパターンの変形例を示す図であり、
図6b、
図7b、
図8b及び
図9bは本発明の第1の実施形態による積層セラミック電子部品の長さ‐厚さ方向の断面図であって活性部ダミーパターンの変形例を示す図である。
【0083】
図6a及び
図6bを参照すると、上記活性部ダミーパターン141、142は、上記セラミック本体の下面に引き出されない。本変形例のように活性部ダミーパターン141、142がセラミック本体の下面に引き出されない場合、活性部ダミーパターン141、142の長さは、外部電極が下面に伸びた長さにかかわらず決められることができる。
【0084】
図7a及び
図7bを参照すると、上記活性部ダミーパターン141、142は、上記第1の内部電極121又は第2の内部電極122と連結されることができる。例えば、上記第1の活性部ダミーパターン141は第1の内部電極121と連結されるように配置され、上記第2の活性部ダミーパターン142は第2の内部電極122と連結されるように配置されることができる。
【0085】
また、
図8a及び
図8bに示されているように、上記第1の活性部ダミーパターン141は上記第1の内部電極121が配置された誘電体層111及び第2の内部電極122が配置された誘電体層111に形成され、上記第2の活性部ダミーパターン142は上記第1の内部電極121が配置された誘電体層111及び第2の内部電極122が配置された誘電体層111上に配置されることができる。即ち、上記第1の活性部ダミーパターン141と第2の活性部ダミーパターン142が同じ誘電体層111上に配置されることができる。
【0086】
上記のように上記第1の活性部ダミーパターン141が上記第1の内部電極121の配置された誘電体層及び第2の内部電極122の配置された誘電体層に形成され、これと同様に上記第2の活性部ダミーパターン142が上記第1の内部電極121の配置された誘電体層及び第2の内部電極122の配置された誘電体層上に配置される場合、第1の活性部ダミーパターン141の積層数は第1の内部電極121の積層数及び第2の内部電極122の積層数の和と同じであり、上記第2の活性部ダミーパターン142の積層数は第1の内部電極121の積層数及び第2の内部電極122の積層数の和と同じである。
【0087】
即ち、上記第1の内部電極121が配置された誘電体層に第1及び第2の活性部ダミーパターン141、142が配置され、上記第2の内部電極122が配置された誘電体層に第1及び第2の活性部ダミーパターン141、142が配置されることができる。
【0088】
上述した変形例のように第1の活性部ダミーパターン141及び第2の活性部ダミーパターン142のそれぞれの積層数が上記第1の内部電極及び第2の内部電極の積層数の和と同じ場合、上記セラミック本体の下部マージンのうち活性部ダミーパターンが配置された領域の幅が上記セラミック本体の厚さ方向及び長さ方向の中心部の幅と類似したレベルで形成されることができる。
【0089】
本変形例のように第1及び第2の活性部ダミーパターン141、142が同じ誘電体層上に配置される場合は、電気的短絡を防止するために上記第1及び第2の活性部ダミーパターン141、142が互いに離隔して形成されなければならない。例えば、上記第1の活性部ダミーパターンと上記第2の活性部ダミーパターンは、同じ誘電体層上に長さ方向に互いに離隔して配置されて幅方向にそれぞれ積層されることができる。
【0090】
上記第1及び第2の活性部ダミーパターン141、142は全て第1及び第2の内部電極121、122から離隔して配置されることができる。
【0091】
また、本発明のさらに他の変形例である
図9a及び
図9bを参照すると、第1の活性部ダミーパターン141は第1の内部電極121と連結され第2の内部電極122からは離隔して配置され、第2の活性部ダミーパターン142は第2の内部電極122と連結され第1の内部電極121からは離隔して配置されることができる。本変形例において、上記第1及び第2の活性部ダミーパターン141、142は、一つの誘電体層上に長さ方向に互いに離隔して配置されることができる。
【0092】
以上では本発明の活性部ダミーパターンの変形例を説明したが、これに制限されず、上記変形例の相互間の結合や変更も可能である。
【0093】
図10は本発明の第2の実施例による積層セラミック電子部品100を示す斜視図であり、
図11aは
図10のB‐B’線に沿う断面図である。
【0094】
なお、本実施例の積層セラミック電子部品に関する説明のうち第1の実施例による積層セラミック電子部品に関する説明と重複する説明は省略し、差異を中心に説明する。
【0095】
本発明の第2の実施例による積層セラミック電子部品のセラミック本体は、厚さ方向の下部に配置されたダミーパターン140を含むことができる。本実施形態によれば、上記ダミーパターン140は、カバー部ダミーパターン151、152を含むことができる。
【0096】
上記カバー部ダミーパターン151、152は、上記セラミック本体のカバー層112、113の厚さ方向の下部に配置され、上述した活性部ダミーパターンと同様にセラミック本体の焼結時に下部マージン部の幅方向の収縮を抑制して下部マージン部の体積を増加させることができる。
【0097】
上記カバー部ダミーパターン151、152は、特に制限されず、内部電極121、122と同じ材料で形成されることができる。
【0098】
上記カバー層112、113の厚さ方向の下部は、上記カバー層の厚さ方向の中心部以下の領域を意味する。
【0099】
セラミック本体の重心をセラミック本体の下面側に効率的に移動させるために、上記カバー部ダミーパターンは、上記セラミック本体の全厚さに対して下面から約35%以内の厚さ範囲に配置されることができるが、これに制限されるものではない。
【0100】
図11bは、本実施形態による積層セラミック電子部品のカバー層の長さ‐厚さ方向の断面図であって、カバー層を構成する誘電体層111と誘電体層上に配置されたカバー部ダミーパターン151、152を示す図である。
【0101】
上記カバー部ダミーパターン151、152は、上記セラミック本体の長さ方向の中心部と上記セラミック本体の第1の端面との間の領域に配置される第1のカバー部ダミーパターン151と、上記セラミック本体の長さ方向の中心部と上記セラミック本体の第2の端面との間の領域に配置される第2のカバー部ダミーパターン152と、を含むことができる。
【0102】
上記第1のカバー部ダミーパターン151の端部は上記第1の端面3に露出し、上記第2のカバー部ダミーパターン152の端部は上記第2の端面4に露出することができる。
【0103】
第1のカバー部ダミーパターン151及び第2のカバー部ダミーパターン152が同じ誘電体層上に配置される場合、上記第1のカバー部ダミーパターンと第2のカバー部ダミーパターンは、長さ方向に互いに離隔して形成されることができる。
【0104】
上記第1及び第2のカバー部ダミーパターン151、152の端部が上記第1及び第2の端面にそれぞれ露出する場合、外部電極の固着強度を向上させることができる効果がさらに得られる。
【0105】
図11bに示されているように、上記第1及び第2のカバー部ダミーパターン151、152は上記セラミック本体の下面S
Bに端部が露出することができ、この場合、第1及び第2の外部電極131、132はそれぞれ上記第1及び第2のカバー部ダミーパターンの露出部を覆うように上記セラミック本体の下面に伸びることができる。
【0106】
上記外部電極は、上記セラミック本体の下面S
Bに伸びた長さ分だけ上記セラミック本体の上面S
Tに伸びることができる。
【0107】
図12は本発明の第3の実施形態による積層セラミック電子部品を示す斜視図であり、
図13は
図12のC‐C’線に沿う断面図である。
【0108】
本実施例の積層セラミック電子部品に関する説明のうち第1の実施例又は第2の実施例による積層セラミック電子部品に関する説明と重複する説明は省略し、差異を中心に説明する。
【0109】
本発明の第3の実施形態による積層セラミック電子部品のセラミック本体110は、厚さ方向の下部に配置されたダミーパターン140を含むことができる。本実施形態によれば、上記ダミーパターン140は、活性部ダミーパターン141、142と、カバー部ダミーパターン151、152と、を含むことができる。
【0110】
なお、活性部ダミーパターン141、142及びカバー部ダミーパターン151、152に関する詳細な説明は、上述した第1の実施例及び第2の実施例と重複するためここでは省略する。
【0111】
本実施形態のようにセラミック本体の下部に活性部ダミーパターン141、142とカバー部ダミーパターン151、152が全て形成される場合、セラミック本体の幅は、厚さ方向の中心よりも下部マージン部118のダミーパターン141、142、151、152が配置された領域の方が広く形成されることができる。
【0112】
本実施形態によれば、上記セラミック本体の下部に活性部ダミーパターン及びカバー部ダミーパターンが全て形成されることにより、セラミック本体の下部マージン部の体積を従来よりさらに増大させることができるため、基板への実装時に安定性をより向上させ、優れたチップの倒れ防止効果を有することができる。
【0113】
上述したように本発明の実施形態による積層セラミック電子部品は、セラミック本体の下部に配置された体積増大部によってセラミック本体の下部の幅の減少を抑制し、セラミック本体の上部マージン部よりもセラミック本体の下部マージン部の体積が大きくなるようにすることにより基板への実装時に安定性を確保することができる。
【0114】
例えば、体積増大部が配置されていないセラミック本体の場合は、焼結時に、厚さ方向において内部電極が配置されていないセラミック本体の下部マージン部とセラミック本体の上部マージン部が、内部電極が配置された厚さ方向の中心部よりも幅方向に大きく収縮するため、厚さ方向の両端部の幅が厚さ方向の中心部の幅より小さくなる現象が発生する可能性がある。即ち、セラミック本体の上面及び下面に隣接した領域でセラミック本体の幅が減少することにより、基板の実装面となるセラミック本体の上面又は下面の面積が減少するため、基板への実装時に安定性が確保されないという問題がある。
【0115】
特に、本発明の実施形態のようにセラミック本体の厚さが幅より大きく形成される形の積層セラミック電子部品の場合は、上部マージン部及び下部マージン部の収縮による実装不良の問題が深化する可能性がある。
【0116】
しかしながら、本発明の一実施形態によれば、セラミック本体の焼結時にセラミック本体の下部に配置された体積増大部によって下部マージン部の過度な収縮現象を改善し、セラミック本体の下部の幅の減少が抑制されて基板への実装時に発生する不良を減少させることができる。
【0117】
本発明の一実施形態では、上記体積増大部はセラミック本体110の厚さ方向の一側のみに配置され、上記体積増大部が配置された厚さ方向の一側をセラミック本体の下部と定義する。また、上記セラミック本体の厚さ方向に対向する二つの面のうち上記体積増大部に隣接した面を下面S
B、上記下面S
Bと厚さ方向に対向する面を上面S
Tと定義する。上記セラミック本体110の厚さ方向の一側と他側又はセラミック本体110の上部及び下部は、上記セラミック本体の厚さ方向の中心部を基準に区分される。
【0118】
本発明の一実施形態のように体積増大部がセラミック本体110の下部のみに配置される場合、セラミック本体110の重心Oがセラミック本体の厚さ方向の中心部より下に形成されることにより、積層セラミック電子部品の基板への実装時のチップの倒れ及び実装不良を防止することができる。
【0119】
また、セラミック本体の上部マージン部117は、内部電極及び体積増大部の不存在によってセラミック本体の焼結時にセラミック本体の厚さ方向の中心部よりも幅方向の収縮が大きくなる。したがって、セラミック本体の上部マージン部117の幅がセラミック本体の厚さ方向の中心部や下部マージン部118と比べて相対的に狭く形成される。
【0120】
本発明において、下部マージン部の体積又は幅は、下部マージン部に配置された体積増大部を含んで測定されることができる。
【0121】
本発明の一実施形態によれば、上記第1の内部電極及び第2の内部電極と上記セラミック本体の上面との間隔に対応するセラミック本体の上部マージン部117には体積増大部が配置されず誘電体層111のみが存在することから、セラミック本体の焼結時に幅方向の収縮が相対的に大きくなるため、セラミック本体の下部マージン部118の幅及び体積が上記セラミック本体の上部マージンの幅及び体積より大きく形成されることができる。
【0122】
また、セラミック本体の下面S
Bの面積は上記セラミック本体の上面S
Tの面積より広く形成されることができる。
【0123】
また、本発明の体積増大部によって、上記セラミック本体110の下面S
Bと上記セラミック本体110の端面3、4との境界をなすコーナーの長さは、上記セラミック本体110の上面S
Tと上記セラミック本体の端面3、4との境界をなすコーナーの長さより長く形成されることができる。
【0124】
本発明のセラミック本体110は、焼結収縮及び研磨によって、完全な六面体状ではないが、略六面体状を有する。したがって、セラミック本体の形状を略六面体状としたとき、六面体の上面と下面及びコーナーに対応する領域をセラミック本体110の上面と下面及びコーナーとして長さ及び面積を測定することができる。
【0125】
上記のようにセラミック本体の下部マージン部118の幅及び体積がセラミック本体の上部マージン部117の幅及び体積より大きく形成される場合、又はセラミック本体の下面S
Bの面積がセラミック本体の上面S
Tの面積より広く形成される場合、積層セラミック電子部品の基板への実装時に発生するチップの倒れ及び実装不良を改善することができる。
【0126】
積層セラミック電子部品の実装基板200
図14〜
図16は、本発明の第4の実施形態による積層セラミック電子部品の実装基板200を示す斜視図である。
【0127】
図14は上述した本発明の第1の実施形態による積層セラミック電子部品が実装された積層セラミック実装基板を示し、
図15は上述した本発明の第1の実施形態による積層セラミック電子部品が実装された積層セラミック実装基板を示し、
図16は本発明の第3の実施形態による積層セラミック電子部品が実装された積層セラミック電子部品の実装基板を示す。
【0128】
図14を参照すると、本発明の一実施形態による積層セラミック電子部品の実装基板200は、積層セラミック電子部品100が実装される印刷回路基板210と、印刷回路基板210の上面に互いに離隔して形成された第1及び第2の電極パッド221、222と、を含む。
【0129】
上記積層セラミック電子部品100は、第1及び第2の外部電極131、132がそれぞれ第1及び第2の電極パッド221、222上に接触するように位置した状態でハンダ230によって印刷回路基板210と電気的に連結されることができる。
【0130】
即ち、本実施形態によれば、複数の誘電体層111を含み、厚さ方向に対向する上面S
T及び下面S
B、幅方向に対向する第1の側面1及び第2の側面2、及び長さ方向に対向する第1の端面3及び第2の端面4を有し、幅より厚さが大きいセラミック本体110と、上記セラミック本体110内で一つ以上の誘電体層を介して上記セラミック本体の幅方向に積層された第1の内部電極121及び第2の内部電極122と、上記セラミック本体110の厚さ方向の下部に配置されて上記セラミック本体の下部マージン部の体積が上部マージン部の体積より大きくなるようにする体積増大部と、を含み、上記セラミック本体の下面S
Bが上記印刷回路基板210に隣接して対向するように実装された積層セラミック電子部品の実装基板200が提供される。
【0131】
上記積層セラミック電子部品は、セラミック本体110の外部面に形成されて上記第1及び第2の内部電極とそれぞれ連結される第1及び第2の外部電極を含むことができる。
【0132】
上記セラミック本体110は、上記第1の内部電極121及び第2の内部電極122と誘電体層111が交互に積層されて形成された活性層と、上記活性層の幅方向の外側に配置されるカバー層と、を含むことができる。
【0133】
上記体積増大部は、セラミック本体内で誘電体層上に配置されて幅方向に積層されたダミーパターン140で形成されることができる。
【0134】
上記体積増大部は、
図14に示されているように上記活性層内で上記内部電極121、122より厚さ方向の下側に配置された活性部ダミーパターン141、142を含むか、又は
図15に示されているように上記カバー層の厚さ方向の下部に配置されたカバー部ダミーパターン151、152を含むことができる。
【0135】
或いは、上記体積増大部は、
図16に示されているように活性部ダミーパターン141、142及びカバー部ダミーパターン151、152を全て含むことができる。
【0136】
なお、上述した積層セラミック電子部品の実装基板に関する内容のうち上述した積層セラミック電子部品と同じ事項については重複を避けるためにその説明を省略する。
【0137】
実験例
下記表1は、本発明の実施形態による積層セラミック電子部品の体積増大部の配置による実装不良の改善を確認するために、比較例及び実施例の積層セラミック電子部品を用いてPick‐up不良及び装着不良の頻度数を測定した結果を示したものである。
【0138】
本実験例では、セラミック本体の厚さ方向の下部のみに活性部ダミーパターンが形成された場合を実験例1、セラミック本体の厚さ方向の下部のみにカバー部ダミーパターンが形成された場合を実験例2、セラミック本体の厚さ方向の下部のみにカバー部ダミーパターン及び活性部ダミーパターンが形成された場合を実験例3とした。
【0139】
また、本実験例では、活性部ダミーパターン及びカバー部ダミーパターンがセラミック本体内に配置されていない形態を比較例1、セラミック本体の厚さ方向の上部及び下部に活性部ダミーパターンが全て配置された形態を比較例2、上記セラミック本体の厚さ方向の上部及び下部にカバー部ダミーパターンが全て配置された形態を比較例3、上記セラミック本体の厚さ方向の上部及び下部に活性部ダミーパターンとカバー部ダミーパターンが全て配置された形態を比較例4とした。
【0140】
本実験例の比較例及び実施例の積層セラミック電子部品は、下記のような段階で製作された。
【0141】
まず、チタン酸バリウム(BaTiO
3)系パウダーを含んで形成されたスラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布し乾燥して、約1.1μmの厚さのセラミックグリーンシートを複数製造した。これにより、誘電体層が形成される。
【0142】
次に、ニッケル粉末を含む内部電極用導電性ペーストを製造した。次に、上記グリーンシート上に上記内部電極用導電性ペーストをスクリーン印刷工法を用いて約0.8μmの厚さで塗布して内部電極を形成した後、これを220層積層し、カバー層の形成のために内部電極が形成されていないグリーンシートをさらに16層積層した積層体を複数製造した。
【0143】
実施例1〜3と比較例2〜4の場合は、上記内部電極形成過程で上記グリーンシート上に内部電極用導電性ペーストをスクリーン印刷工法を用いて塗布して活性部ダミーパターン又はカバー部ダミーパターンを形成することができる。本実験例において、活性部ダミーパターンの印刷厚さは約0.8μm、カバー部ダミーパターンの印刷厚さは約2μmであった。
【0144】
上記活性部ダミーパターンは内部電極が形成されたグリーンシート上に形成され、上記カバー部ダミーパターンはカバー層の形成のために内部電極が形成されていないグリーンシート上に形成された。
【0145】
次に、積層体を約85℃で約1000kgf/cm
2の圧力条件下で等圧圧縮成形(isostatic pressing)した。圧着が終わった積層体を内部電極パターンの一端が切断面から交互に露出するように切断した。切断された積層体を大気雰囲気下で約230℃、約60時間維持して脱バインダーを行った。
【0146】
次に、約1200℃で内部電極が酸化されないようにNi/NiO平衡酸素分圧より低い酸素分圧約10
−11atm〜10
−10atmの還元雰囲気下で焼成し研磨してセラミック本体を形成した。焼成後のセラミック本体のサイズは、長さ×幅×厚さ(L×W×T)が約0.6mm×0.3mm×0.7mmであった。
【0147】
セラミック本体の長さは幅及び厚さ方向の中心、幅は長さ及び厚さ方向の中心、厚さは幅及び長さ方向の中心を基準に測定された。
【0148】
次に、内部電極と連結されるようにセラミック本体の両端面に外部電極を形成した。
【0149】
外部電極は、銅粉末とガラスを含むペーストの焼成で形成された。
【0150】
比較例及び実験例において、活性部ダミーパターンは、第1及び第2の内部電極が印刷された誘電体層上でセラミック本体の長さ方向の一側面と他側面に配置された。
【0151】
即ち、実験例1の積層セラミック電子部品は
図8bと類似した形で体積増大部が配置され、実験例2の積層セラミック電子部品は
図11a及び
図11bと類似した形で体積増大部が配置され、実験例3の積層セラミック電子部品は
図12及び
図13と類似した形で体積増大部が配置されることができる。
【0152】
比較例2〜4は、実験例1〜3とそれぞれ同様に体積増大部が配置されるが、セラミック本体の厚さ方向の上部及び下部全てに配置される点が異なる。
【0153】
上記カバー部ダミーパターンは、上記セラミック本体の下面(比較例の場合は上面を含む)に露出するように形成され、セラミック本体の厚さ方向においてその高さがセラミック本体の全厚さの約20%〜25%となるように形成された。
【0154】
本発明の比較例及び実施例において、上部及び下部マージン部の厚さは、セラミック本体の全厚さの約10%のレベルで形成された。
【0155】
上記活性部ダミーパターンは長さがセラミック本体の全長さの約12%となるように形成され、上記カバー部ダミーパターンは長さがセラミック本体の全長さの約10%となるように形成された。
【0156】
上記活性部ダミーパターンは、上記セラミック本体の下面(比較例の場合は上面を含む)に露出するように形成され、厚さ方向において内部電極から約25μmの間隔をおいて離隔して配置された。
【0157】
表1のPick‐up不良及び装着不良は全て過酷条件下で測定された。
【0158】
具体的には、Pick‐up不良は、セラミック本体の厚さ方向の一面である下面を実装面として実装する過程で幅方向に約0.1mm偏って積層セラミック電子部品をピックアップ(pick‐up)したときにうまく取り上げられない積層セラミック電子部品の個数の比率を測定して示したものであり、装着不良は、上記のようにピックアップされた積層セラミック電子部品を基板に装着したときに倒れる積層セラミック電子部品の個数の比率を測定して示したものである。
【0160】
表1を参照すると、セラミック本体の厚さ方向の上部及び下部に体積増大部が全く配置されていない比較例1は、Pick‐up不良及び装着不良の発生頻度が高いことが確認できる。
【0161】
また、比較例2〜4は、実験例1〜3とは異なり、体積増大部がセラミック本体の厚さ方向の上部及び下部に全て配置されたものであり、比較例1に比べて不良の発生頻度が低いが、実験例1〜3に比べて不良の発生頻度が高いことが確認できる。
【0162】
特に、実験例1〜3は、pick‐up不良の発生頻度及び装着不良の発生頻度が比較例2〜4に比べて顕著に低いことが確認できる。
【0163】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されず、請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であるということは、当技術分野の通常の知識を有する者には明らかである。