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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-170993(P2015-170993A)
(43)【公開日】2015年9月28日
(54)【発明の名称】信号分析装置および信号分析方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 17/00 20150101AFI20150901BHJP
   G01R 23/15 20060101ALI20150901BHJP
【FI】
   H04B17/00 L
   G01R23/15 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2014-44635(P2014-44635)
(22)【出願日】2014年3月7日
(71)【出願人】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】吉冨 圭一
【テーマコード(参考)】
5K042
【Fターム(参考)】
5K042AA06
5K042CA02
5K042DA04
5K042FA11
5K042HA01
5K042HA07
5K042JA01
(57)【要約】
【課題】
リモート制御に用いる通信用無線信号により、被測定信号の測定に影響を及ぼす可能性を解消でき、測定の信頼性を向上できる信号分析装置および信号分析方法を提供する。
【解決手段】
リモート制御に用いる通信用無線信号により、被測定信号の測定に影響を及ぼす可能性を解消するために、任意に設定された測定周波数の範囲と、通信用無線信号が使用する第1の通信用周波数とを比較して、第1の通信用周波数が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるか否かを判定する通信用周波数判定部17と、第1の通信用周波数が任意に設定された測定周波数の範囲にあるときには、第1の通信用周波数を任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない第2の通信用周波数に変更する制御部14とを備えた。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された無線信号である被測定信号(X)を、任意に設定された測定周波数の範囲で信号分析を行う信号分析部(30)と、
少なくとも前記信号分析部を操作するための通信を行うリモート制御端末(200、300)との間で通信用無線信号(R)を使用して無線通信を行う無線通信部(19)とを備えた信号分析装置(100)であって、
前記任意に設定された測定周波数の範囲と、前記通信用無線信号が使用する第1の通信用周波数とを比較して、前記第1の通信用周波数が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるか否かを判定する通信用周波数判定部(17)と、
前記第1の通信用周波数が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるときには、前記第1の通信用周波数を前記任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない第2の通信用周波数に変更する制御部(14)とを備えたことを特徴とする信号分析装置。
【請求項2】
入力された無線信号である被測定信号(X)を、任意に設定された測定周波数の範囲で信号分析を行う信号分析部(30)と、
少なくとも前記信号分析部を操作するための通信を行うリモート制御端末(200、300)との間で通信用無線信号(R)を使用して無線通信を行う無線通信部(19)とを備えた信号分析装置(100)であって、
第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分(H)を算出し、前記任意に設定された測定周波数の範囲と、算出した前記高調波成分とを比較して、前記高調波成分が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるか否かを判定する高調波成分判定部(18)と、
前記高調波成分が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるときには、前記第1の通信用周波数を前記高調波成分が前記任意に設定された測定周波数の範囲に含まれない第2の通信用周波数に変更する制御部(14)とを備えたことを特徴とする信号分析装置。
【請求項3】
前記第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分(H)を算出し、前記任意に設定された測定周波数の範囲と、算出した前記高調波成分とを比較して、前記高調波成分が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるか否かを判定する高調波成分判定部(18)をさらに備え、
前記制御部は、前記第1の通信用周波数または前記高調波成分の少なくとも一方が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるときには、前記第1の通信用周波数または前記高調波成分の少なくとも一方が前記任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない第2の通信用周波数に変更することを特徴とする請求項1に記載の信号分析装置。
【請求項4】
前記第2の通信用周波数の候補とするための通信システムの各周波数を前記第2の通信用周波数リストとして予め記憶した記憶部(16)をさらに備え、
前記第2の通信用周波数への前記変更は、前記記憶部の前記第2の通信用周波数リストから前記第2の通信用周波数を選択することにより変更することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の信号分析装置。
【請求項5】
前記第1の通信用周波数または前記高調波成分の少なくとも一方が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるか否かの判定は、前記通信用無線信号の占有周波数帯域幅(W)を使用して判定し、かつ、前記第2の通信用周波数への前記変更は、前記占有周波数帯域幅を使用して、前記第1の通信用周波数または前記高調波成分の少なくとも一方が前記任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない前記第2の通信用周波数とすることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の信号分析装置。
【請求項6】
入力された無線信号である被測定信号(X)を、任意に設定された測定周波数の範囲で信号分析を行う信号分析ステップ(S402、S452)と、
少なくとも前記信号分析部を操作するための通信を行うリモート制御端末(200、300)との間で通信用無線信号(R)を使用して無線通信を行う無線通信ステップ(S401、S451)とを含む信号分析方法であって、
前記任意に設定された測定周波数の範囲と、前記通信用無線信号が使用する第1の通信用周波数とを比較して、前記第1の通信用周波数が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるか否かを判定する通信用周波数判定ステップ(S404)と、
前記第1の通信用周波数が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるときには、前記第1の通信用周波数を前記任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない第2の通信用周波数に変更する制御ステップ(S405)とを含むことを特徴とする信号分析方法。
【請求項7】
入力された無線信号である被測定信号(X)を、任意に設定された測定周波数の範囲で信号分析を行う信号分析ステップ(S402)と、
少なくとも前記信号分析部を操作するための通信を行うリモート制御端末(200、300)との間で通信用無線信号(R)を使用して無線通信を行う無線通信ステップ(S401)とを含む信号分析方法であって、
第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分(H)を算出し、前記任意に設定された測定周波数の範囲と、算出した前記高調波成分とを比較して、前記高調波成分が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるか否かを判定する高調波成分判定ステップ(S414)と、
前記高調波成分が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるときには、前記第1の通信用周波数を前記高調波成分が前記任意に設定された測定周波数の範囲に含まれない第2の通信用周波数に変更する制御ステップ(S405)とを含むことを特徴とする信号分析方法。
【請求項8】
前記第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分(H)を算出し、前記任意に設定された測定周波数の範囲と、算出した前記高調波成分とを比較して、前記高調波成分が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるか否かを判定する高調波成分判定ステップ(S454)をさらに含み、
前記制御ステップは、前記第1の通信用周波数または前記高調波成分の少なくとも一方が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるときには、前記第1の通信用周波数または前記高調波成分の少なくとも一方が前記任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない第2の通信用周波数に変更することを特徴とする請求項6に記載の信号分析方法。
【請求項9】
前記第2の通信用周波数の候補とするための通信システムの各周波数を前記第2の通信用周波数リストとして予め記憶し、前記第2の通信用周波数への前記変更は、前記第2の通信用周波数リストから前記第2の通信用周波数を選択することにより変更することを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の信号分析方法。
【請求項10】
前記第1の通信用周波数または前記高調波成分の少なくとも一方が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるか否かの判定は、前記通信用無線信号の占有周波数帯域幅(W)を使用して判定し、かつ、前記第2の通信用周波数への前記変更は、前記占有周波数帯域幅を使用して、前記第1の通信用周波数または前記高調波成分の少なくとも一方が前記任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない前記第2の通信用周波数とすることを特徴とする請求項6から9のいずれかに記載の信号分析方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線信号の周波数成分の分析などをするためのスペクトラムアナライザなどの信号分析装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、無線信号の周波数成分の分析などをするための信号分析装置としては、たとえば、特許文献1に記載の信号分析装置が知られている。
【0003】
信号分析装置の従来例として、図14に示すように、たとえば無線送信機や無線信号増幅器などの被測定物Dから出力される無線信号である被測定信号Xを入力して、その被測定信号Xの周波数成分の分析や、被測定信号Xの変調信号が所望の値を有しているかなどの解析を行うものである。
【0004】
ところで、特許文献1に記載のように、無人化された施設や環境的に常駐が困難な場所で測定する場合の信号分析装置の利便性や設置の自由度の制限を解消するため、有線式のGPIBインタフェースを用いたリモート制御では、コマンド情報生成のための専用の外部装置が必要であり、また、リモート制御できる範囲も規定ケーブル長で制限されてしまうなど、信号分析装置の利便性や設置の自由度に制限が多く、任意の場所からリモート制御できる信号分析装置を提供することが求められていた。
【0005】
そこで、近年普及が進んでいる携帯電話やタブレット端末のように無線通信機能を有する無線通信端末と、図14に示す信号分析装置500に備えられた無線通信部19との間を無線通信により接続してリモート制御することで、信号分析装置の利便性や設置の自由度の制限は根本から解消されるように考えられる。
【0006】
さらに、信号分析装置の表示部および操作部として構成した前面パネル部を操作ユニットとして信号分析装置の本体部から着脱可能な構成とし、この操作ユニットを信号分析装置の本体部とを無線通信により接続する無線操作ユニットとして、この無線操作ユニットからリモート制御することで、信号分析装置の利便性や設置の自由度の制限は根本から解消されるように考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3779198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、前述したように信号分析装置は、たとえば無線送信機や無線信号増幅器などの被測定物Dから出力される無線信号である被測定信号Xを入力して、その被測定信号Xの周波数成分の分析や、被測定信号Xの変調信号が所望の値を有しているかなどの解析を行う測定装置であり、また、測定目的によっては被測定物Dから発生する微弱なスプリアス成分をも正確に測定する必要があるため、被測定信号Xが入力される被測定信号入力端子C以外からの不要な無線信号を混入させず、被測定信号Xが微弱な信号であっても測定に影響を及ぼさないよう構成されている。
【0009】
したがって、信号分析装置の内部の高周波シールドは極めて厳重に行われており、被測定信号Xが入力される被測定信号入力端子C以外からの無線信号が、信号分析装置の内部で被測定信号の信号経路に混入する可能性は極めて低い。
【0010】
しかしながら、被測定信号Xが入力される被測定信号入力端子Cに接続され、被測定信号入力端子Cと被測定物Xとを接続する高周波ケーブルの高周波シールド不足や、被測定物Dの基板のシールド不足などにより、リモート制御端末である信号分析装置の本体部から分離されて無線通信を行う無線操作ユニットの発する通信用無線信号R、携帯電話やタブレット端末などの発する通信用無線信号Rが被測定信号Xの信号経路に混入する可能性がある。
【0011】
さらに、通信用無線信号Rの高調波成分Hについても、被測定信号入力端子Cと被測定物Xとを接続する高周波ケーブルの高周波シールド不足や、被測定物Dの基板のシールド不足により、被測定信号Xの信号経路に混入する可能性がある。
【0012】
高調波成分とは、基本周波数の整数倍の周波数成分であり、基本周波数を増幅する高周波増幅器の非直線性などにより発生する成分である。ここでは、通信用無線信号Rの通信用周波数が基本周波数に相当するため、高調波成分は通信用周波数の整数倍の周波数に発生することとなる。無線通信分野における通信用周波数の整数倍の高調波成分は、高調波成分にあたる周波数において行われる他の通信の妨害の原因になる不要な成分であるため、高周波増幅器の非直線性の改善や、高周波増幅器の後段に設けられたローパスフィルタなどにより、大きく抑圧されている。
【0013】
しかしながら、信号分析装置は無線信号である被測定信号Xを受信することにより分析する測定装置であるため、極めて高感度に設計されており、リモート制御に用いる通信用無線信号Rの高調波成分Hにより、被測定信号Xの測定に影響を及ぼす可能性がある。また、信号分析装置は、測定目的によっては被測定物Dから発生する微弱なスプリアス成分をも正確に測定する必要があるため、通信用無線信号Rの高調波成分Hの混入により、求めたい微弱なスプリアス成分との混同が生じ、正確な測定ができないおそれがある。
【0014】
このように、信号分析装置は無線信号である被測定信号Xを受信することにより測定する測定装置であるため、リモート制御に用いる通信用無線信号Rや、通信用無線信号Rの高調波成分Hにより、被測定信号Xの測定に影響を及ぼす可能性があるという問題があり、解決が望まれていた。
【0015】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、信号分析装置において、リモート制御に用いる通信用無線信号により、被測定信号の測定に影響を及ぼす可能性を解消でき、測定の信頼性を向上できる信号分析装置および信号分析方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記した目的を達成するために、請求項1記載の信号分析装置は、入力された無線信号である被測定信号(X)を、任意に設定された測定周波数の範囲で信号分析を行う信号分析部(30)と、
少なくとも前記信号分析部を操作するための通信を行うリモート制御端末(200、300)との間で通信用無線信号(R)を使用して無線通信を行う無線通信部(19)とを備えた信号分析装置(100)であって、
前記任意に設定された測定周波数の範囲と、前記通信用無線信号が使用する第1の通信用周波数とを比較して、前記第1の通信用周波数が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるか否かを判定する通信用周波数判定部(17)と、
前記第1の通信用周波数が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるときには、前記第1の通信用周波数を前記任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない第2の通信用周波数に変更する制御部(14)とを備えたことを特徴とする。
【0017】
請求項2記載の信号分析装置は、入力された無線信号である被測定信号(X)を、任意に設定された測定周波数の範囲で信号分析を行う信号分析部(30)と、
少なくとも前記信号分析部を操作するための通信を行うリモート制御端末(200、300)との間で通信用無線信号(R)を使用して無線通信を行う無線通信部(19)とを備えた信号分析装置(100)であって、
第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分(H)を算出し、前記任意に設定された測定周波数の範囲と、算出した前記高調波成分とを比較して、前記高調波成分が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるか否かを判定する高調波成分判定部(18)と、
前記高調波成分が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるときには、前記第1の通信用周波数を前記高調波成分が前記任意に設定された測定周波数の範囲に含まれない第2の通信用周波数に変更する制御部(14)とを備えたことを特徴とする。
【0018】
請求項3記載の信号分析装置は、請求項1に記載の信号分析装置において、前記第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分(H)を算出し、前記任意に設定された測定周波数の範囲と、算出した前記高調波成分とを比較して、前記高調波成分が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるか否かを判定する高調波成分判定部(18)をさらに備え、
前記制御部は、前記第1の通信用周波数または前記高調波成分の少なくとも一方が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるときには、前記第1の通信用周波数または前記高調波成分の少なくとも一方が前記任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない第2の通信用周波数に変更することを特徴とする。
【0019】
請求項4記載の信号分析装置は、請求項1から3のいずれかに記載の信号分析装置において、前記第2の通信用周波数の候補とするための通信システムの各周波数を前記第2の通信用周波数リストとして予め記憶した記憶部(16)をさらに備え、
前記第2の通信用周波数への前記変更は、前記記憶部の前記第2の通信用周波数リストから前記第2の通信用周波数を選択することにより変更することを特徴とする。
【0020】
請求項5記載の信号分析装置は、請求項1から4のいずれかに記載の信号分析装置において、前記第1の通信用周波数または前記高調波成分の少なくとも一方が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるか否かの判定は、前記通信用無線信号の占有周波数帯域幅(W)を使用して判定し、かつ、前記第2の通信用周波数への前記変更は、前記占有周波数帯域幅を使用して、前記第1の通信用周波数または前記高調波成分の少なくとも一方が前記任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない前記第2の通信用周波数とすることを特徴とする。
【0021】
上記した目的を達成するために、請求項6記載の信号分析方法は、入力された無線信号である被測定信号(X)を、任意に設定された測定周波数の範囲で信号分析を行う信号分析ステップ(S402、S452)と、
少なくとも前記信号分析部を操作するための通信を行うリモート制御端末(200、300)との間で通信用無線信号(R)を使用して無線通信を行う無線通信ステップ(S401、S451)とを含む信号分析方法であって、
前記任意に設定された測定周波数の範囲と、前記通信用無線信号が使用する第1の通信用周波数とを比較して、前記第1の通信用周波数が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるか否かを判定する通信用周波数判定ステップ(S404)と、
前記第1の通信用周波数が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるときには、前記第1の通信用周波数を前記任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない第2の通信用周波数に変更する制御ステップ(S405)とを含むことを特徴とする。
【0022】
請求項7記載の信号分析方法は、入力された無線信号である被測定信号(X)を、任意に設定された測定周波数の範囲で信号分析を行う信号分析ステップ(S402)と、
少なくとも前記信号分析部を操作するための通信を行うリモート制御端末(200、300)との間で通信用無線信号(R)を使用して無線通信を行う無線通信ステップ(S401)とを含む信号分析方法であって、
第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分(H)を算出し、前記任意に設定された測定周波数の範囲と、算出した前記高調波成分とを比較して、前記高調波成分が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるか否かを判定する高調波成分判定ステップ(S414)と、
前記高調波成分が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるときには、前記第1の通信用周波数を前記高調波成分が前記任意に設定された測定周波数の範囲に含まれない第2の通信用周波数に変更する制御ステップ(S405)とを含むことを特徴とする。
【0023】
請求項8記載の信号分析方法は、請求項6に記載の信号分析方法において、前記第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分(H)を算出し、前記任意に設定された測定周波数の範囲と、算出した前記高調波成分とを比較して、前記高調波成分が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるか否かを判定する高調波成分判定ステップ(S454)をさらに含み、
前記制御ステップは、前記第1の通信用周波数または前記高調波成分の少なくとも一方が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるときには、前記第1の通信用周波数または前記高調波成分の少なくとも一方が前記任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない第2の通信用周波数に変更することを特徴とする。
【0024】
請求項9記載の信号分析方法は、請求項6から8のいずれかに記載の信号分析方法において、前記第2の通信用周波数の候補とするための通信システムの各周波数を前記第2の通信用周波数リストとして予め記憶し、前記第2の通信用周波数への前記変更は、前記第2の通信用周波数リストから前記第2の通信用周波数を選択することにより変更することを特徴とする。
【0025】
請求項10記載の信号分析方法は、請求項6から9のいずれかに記載の信号分析方法において、前記第1の通信用周波数または前記高調波成分の少なくとも一方が前記任意に設定された測定周波数の範囲にあるか否かの判定は、前記通信用無線信号の占有周波数帯域幅(W)を使用して判定し、かつ、前記第2の通信用周波数への前記変更は、前記占有周波数帯域幅を使用して、前記第1の通信用周波数または前記高調波成分の少なくとも一方が前記任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない前記第2の通信用周波数とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明の信号分析装置によれば、任意に設定された測定周波数の範囲と、通信用無線信号が使用する第1の通信用周波数とを比較して、第1の通信用周波数が任意に設定された測定周波数の範囲にあるか否かを判定する通信用周波数判定部と、第1の通信用周波数が任意に設定された測定周波数の範囲にあるときには、第1の通信用周波数を任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない第2の通信用周波数に変更するようにしているので、リモート制御に用いる通信用無線信号により、被測定信号の測定に影響を及ぼす可能性を解消することができ、測定の信頼性を向上させることが可能となる。
【0027】
また、本発明の信号分析装置によれば、第1の通信用周波数の高調波成分が任意に設定された測定周波数の範囲にあるときには、第1の通信用周波数の高調波成分が、任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない第2の通信用周波数に変更するようにしているので、リモート制御に用いる通信用無線信号の高調波成分により、被測定信号の測定に影響を及ぼす可能性を解消することができ、測定の信頼性を向上させることが可能となる。
【0028】
また、本発明の信号分析装置によれば、第1の通信用周波数または高調波成分の少なくとも一方が任意に設定された測定周波数の範囲にあるときには、第1の通信用周波数または高調波成分の少なくとも一方が任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない第2の通信用周波数に変更するようにしているので、リモート制御に用いる通信用無線信号およびその高調波成分により、被測定信号の測定に影響を及ぼす可能性を解消することができ、測定の信頼性を向上させることが可能となる。
【0029】
また、本発明の信号分析装置によれば、第1の通信用周波数または高調波成分の少なくとも一方が任意に設定された測定周波数の範囲にあるか否かの判定は、通信用無線信号の占有周波数帯域幅を使用して判定し、かつ、第2の通信用周波数への変更は、占有周波数帯域幅を使用して、第1の通信用周波数または高調波成分の少なくとも一方が任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない前記第2の通信用周波数とするようにしているので、リモート制御に用いる通信用無線信号およびその高調波成分の占有周波数帯域幅も含めて被測定信号の測定に影響を及ぼす可能性を解消することができ、測定の信頼性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明に係る信号分析装置とリモート制御端末とのシステム構成を示す図である。
図2】本発明に係る信号分析装置の装置構成を示す概略ブロック図である。
図3】本発明に係る無線操作ユニットの装置構成を示す概略ブロック図である。
図4】本発明に係る無線通信端末の装置構成を示す概略ブロック図である。
図5】本発明に係る信号分析装置の表示画面例を示す図である。
図6】第2の通信用周波数リストの例としてW−CDMAの周波数帯および占有周波数帯域幅を示す表である。
図7】第2の通信用周波数リストの例としてLTEの周波数帯および占有周波数帯域幅を示す表である。
図8】第2の通信用周波数リストの例としてIEEE802.11の周波数帯および占有周波数帯域幅を示す表である。
図9】本発明に係る動作の周波数軸での概念を示す図である。
図10】同装置のソフトウエア処理動作の一例を示すフローチャートである。
図11】本発明に係る信号分析装置とリモート制御端末との他のシステム構成を示す図である。
図12】本発明に係る他の動作の周波数軸での概念を示す図である。
図13】同装置のソフトウエア処理動作の他の一例を示すフローチャートである。
図14】従来の信号分析装置の装置構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではなく、この形態に基づいて当業者等によりなされる実施可能な他の形態、実施例および運用技術等はすべて本発明の範疇に含まれる。
【0032】
まず、本発明に係る信号分析装置100と、リモート制御端末である無線操作ユニット200および無線通信端末300とのシステム構成について、図1図2図3図4および図5を参照しながら説明する。本例の信号分析装置100は、図2に示すように無線送信機や無線信号増幅器などの被測定物Dから出力される無線信号である被測定信号Xを入力して、その被測定信号Xの周波数成分の分析や、被測定信号Xの変調信号が所望の値を有しているかなどの解析を行う測定装置である。
【0033】
図1に示す本例の無線操作ユニット200は、信号分析装置100の表示部および操作部として構成したタッチパネルを含む前面パネル部を、無線操作ユニット200として信号分析装置100の本体部から着脱可能な構成としている。具体的構成例として、図3に示すように、無線操作ユニット制御部50に制御され、表示部および操作部として無線操作ユニット表示操作部51を有しており、無線操作ユニット無線通信部52と無線通信用アンテナA2とを介して、無線通信により信号分析装置100と接続する。なお、表示部および操作部はタッチパネルには限られず、従来の液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)などによる表示部、マウス、キーボード、ボタンなどによる操作部であってもよい。また、無線操作ユニット200が信号分析装置100の本体部から分離されたときには、無線操作ユニット200は内蔵されたバッテリを電源として駆動されるように構成されている。
【0034】
図1に示す本例の無線通信端末300は、たとえば携帯電話やタブレット端末のように無線通信機能を有する無線通信端末であり、具体的構成例として、図4に示すように、無線通信端末制御部60に制御され、表示部および操作部として無線通信端末表示操作部61を有しており、無線通信端末無線通信部62と無線通信用アンテナA3とを介して、無線通信により信号分析装置100と接続する。
【0035】
次に、本発明に係る信号分析装置100の装置構成について、図2を参照しながら説明する。 図2に示すように、本例の信号分析装置100は、被測定信号入力端子C、可変減衰器10、周波数変換部11、A/D変換部12および信号処理部13からなる信号分析部30、制御部14、表示操作部15、記憶部16、通信用周波数判定部17、高調波成分判定部18、無線通信部19、無線通信用アンテナA1を備えている。
【0036】
信号分析装置100の被測定信号入力端子Cには、無線送信機や無線信号増幅器などの被測定物Dから出力される無線信号である被測定信号Xが入力される。被測定信号入力端子Cの後段には、可変減衰器10が接続されている。
【0037】
可変減衰器10は、被測定信号Xを任意の減衰量で減衰させる。可変減衰器10は、被測定信号Xの過大なレベルにより後段にある周波数変換部11で歪みが生じて信号分析装置100のダイナミックレンジが低下することを防ぐために設けられている。なお、可変減衰器10は、減衰量ゼロの設定も可能である。
【0038】
周波数変換部11は、可変減衰器10の後段に接続されている。周波数変換部11は、可変減衰器10を通過した信号と、図示しない局部発振器からの信号とを図示しない混合器によって混合し、予め定められた中間周波数へと変換する。
【0039】
A/D変換部12は、周波数変換部11から入力された中間周波数信号のアナログ信号に対し、後段の信号処理部13でデジタル信号処理が行えるようにアナログ信号からデジタル信号への変換を行う。
【0040】
信号処理部13は、A/D変換部12から入力されたデジタル信号に対し、信号分析を行うために必要な検波処理、平均化処理、対数増幅処理や、信号分析装置100にインストールされた図示しない変調解析アプリケーションにより、被測定信号Xの変調信号が所望の値を有しているかなどの解析を行う。この所望の値とは、たとえば所定のデジタル変調信号、たとえばBPSK、QPSK、QAM、OFDMなどにおける、たとえばEVM(Error Vector Magnitude)が挙げられる。EVMは理想変調信号と測定変調信号の位置ずれを示す値であり、理想変調信号との位置ずれが小さいほど良好な変調信号を有する被測定信号Xであるといえる。なお、本実施例では、たとえばA/D変換部12および信号処理部13を信号分析部30として構成しているが、信号分析装置100において信号分析の処理を行なうブロックであればこの形態に限られない。
【0041】
制御部14は、たとえばCPUやROM、RAM等のマイクロコンピュータで構成され、信号処理部13で信号処理されたデータを、被測定信号Xの信号分析結果として表示するために表示操作部15を表示制御し、また、ユーザによる表示操作部15への操作入力にしたがって信号分析装置100を構成する各部の駆動制御を行う。
【0042】
たとえば、表示操作部15、無線操作ユニット表示操作部51、無線通信端末表示操作部61の少なくとも1つから、図5に示すように下限周波数80(Start)、上限周波数81(Stop)、分解能帯域幅83(RBW)、可変減衰器減衰量85などの信号分析に必要なパラメータが設定されると、制御部14は、設定されたパラメータに基づいて信号分析装置100を構成する各部の制御対象を特定するとともに制御内容を決定し、信号分析に必要なパラメータに合わせて周波数変換部11の局部発振器の発振周波数の制御、A/D変換部12、信号処理部13、表示操作部15の制御を行うとともに、リモート制御端末である無線操作ユニット200、無線通信端末300の少なくとも1つと無線通信により接続するために無線通信部19の通信用周波数の設定、その他無線通信の送受信に必要なパラメータなどの制御を行う。
【0043】
記憶部16は、信号分析装置100、リモート制御端末である無線操作ユニット200、無線通信端末300の無線通信で用いる通信用周波数の設定に用いるために、信号分析に必要なパラメータのうち、下限周波数80(Start)と、上限周波数81(Stop)で囲まれる任意に設定された測定周波数の範囲を記憶部16に記憶する。なお、任意に設定された測定周波数の範囲の代わりに、下限周波数80(Start)と、上限周波数81(Stop)とを記憶部16に記憶してもよい。
【0044】
さらに、記憶部16には、通信用周波数の候補とするために、たとえば、無線LAN通信システムIEEE802.11a、b、g、j、n、ac、ad規格(以下、無線LAN通信システムという)、近距離無線通信システムBluetooth(登録商標)1.x、2.x、3.x、4.x規格(以下、近距離無線通信システムという)、たとえば、移動体通信システムPDC、PHS、GSM(登録商標)、W−CDMA、cdma2000、LTE、LTE−Advanced(以下、移動体通信システムという)といった各規格の周波数と、各規格毎に定められた占有周波数帯域幅Wがそれぞれ記憶されている。また、記憶部16には、通信用周波数の設定に使用する以外でも、信号分析に必要なパラメータを記憶させる構成としてもよい。
【0045】
表示操作部15における表示制御例としては、図5に示すように任意に設定された下限周波数80(Start)、上限周波数81(Stop)、分解能帯域幅83(RBW)、可変減衰器減衰量85などの信号分析に必要なパラメータに加え、入力された被測定信号Xの信号分析結果の波形82の表示、信号分析結果に対して任意の周波数におけるレベルを表示するマーカ84、図示しない任意に選択された周波数の範囲における電力の表示などの表示制御がある。
【0046】
リモート制御端末である無線操作ユニット200、無線通信端末300においても、信号分析装置100の本体部に設けられた表示操作部15と略同等の表示、操作が可能となるように構成されている。無線操作ユニット200は、信号分析装置100の本体部から着脱可能な構成であり、かつ、無線操作ユニット200が信号分析装置100の本体部から分離されたとき、信号分析装置100の表示操作部15と略同等の表示、操作が可能となるようにハードウエア構成、ソフトウエア構成がされている。なお、無線通信端末200は、図3に示す無線操作ユニット操作表示アプリケーション記憶部53のように信号分析装置100と連携させるための操作表示アプリケーションが予めインストールされており、信号分析装置100の表示操作部15と略同等の表示、操作が可能であるように構成されている。また、無線通信端末300は、たとえば携帯電話やタブレット端末などであり、図4に示す無線通信端末操作表示アプリケーション記憶部63のように信号分析装置100と連携させるための操作表示アプリケーションが予めインストールされており、信号分析装置100の表示操作部15と略同等の表示、操作が可能であるように構成されている。
【0047】
信号分析装置100、リモート制御端末である無線操作ユニット200、無線通信端末300には、図2図3および図4に示すように、無線通信部19、無線操作ユニット無線通信部52、無線通信端末無線通信部62により構成される無線通信部をそれぞれ有している。これらの無線通信部は、たとえば無線LAN通信システムによる無線通信、近距離無線通信システム、移動体通信システムなどによる無線通信が可能なように構成されている。これらの無線通信部は、制御部14、無線操作ユニット制御部50、無線通信端末制御部60からの通信周波数の制御や送受信タイミングなどの制御にそれぞれ従い、公知の無線通信に用いる図示しない送信部、受信部と、図示しない変調部、復調部などを備えることにより、種々の規格での無線通信を可能としている。
【0048】
(第1の実施形態)
次に、上述した信号分析装置100、リモート制御端末である無線操作ユニット200、無線通信端末300における動作の一例について、図1図2図3図4図6図7図8および図9を参照しながら説明する。なお、信号分析に必要なパラメータの設定、表示を行う際に用いる画面の表示構成としては、図5に示す表示例とする。
【0049】
ユーザは、信号分析装置100の表示操作部15、リモート制御端末である無線操作ユニット200の無線操作ユニット表示操作部51、無線通信端末300の無線通信端末表示操作部61の少なくとも1つを用いて、下限周波数80(Start)、上限周波数81(Stop)、分解能帯域幅83(RBW)、可変減衰器減衰量85などの信号分析に必要なパラメータを操作、入力する。
【0050】
表示操作部15、無線操作ユニット表示操作部51、無線通信端末表示操作部61の少なくとも1つからは、分析する下限周波数80(Start)としてたとえば2.2GHz、上限周波数81(Stop)としてたとえば2.6GHzといった任意の測定周波数の範囲を入力する。これにより、被測定信号Xに対して2.2GHzから2.6GHzまでの測定周波数の範囲で信号分析を行う設定となる。制御部14は、下限周波数80(Start)と、上限周波数81(Stop)で囲まれる任意に設定された測定周波数の範囲を記憶部16に記憶させる。なお、制御部14は、任意に設定された測定周波数の範囲の代わりに、下限周波数80(Start)と、上限周波数81(Stop)とを記憶部16に記憶させてもよい。
【0051】
また、表示操作部15、無線操作ユニット表示操作部51、無線通信端末表示操作部61の少なくとも1つからは、分解能帯域幅83(RBW)をたとえば100kHzと入力する。これにより、信号分析をする際の分解能が100kHzとなる。なお、分解能帯域幅83(RBW)は、たとえば1Hzから数十MHzまでの値を任意に設定可能である。一般的に、分解能帯域幅83(RBW)を狭くすれば狭い間隔で隣接した周波数成分を分離して分析できるが測定時間が長くなる傾向があり、分析したい被測定信号Xの性質や分析目的によって分解能帯域幅83(RBW)を適切に設定する。制御部14は、この分解能帯域幅83(RBW)を記憶部16に記憶する。
【0052】
少なくとも下限周波数80(Start)と、上限周波数81(Stop)とが設定されると、信号分析装置100は被測定信号Xの信号分析を開始する。本例では制御部14からの掃引開始の信号に基づいて、任意に設定された下限周波数80(Start)の2.2GHzから上限周波数81(Stop)の2.6GHzまでの測定周波数の範囲を掃引する。後述するFFT(Fast Fourier Transform)方式の信号分析装置では、制御部14からのFFT処理開始の信号に基づいて、任意に設定された下限周波数80(Start)の2.2GHzから上限周波数81(Stop)の2.6GHzまでの測定周波数のFFT処理を開始する。
【0053】
周波数変換部11は、可変減衰器10を通過した信号と、図示しない局部発振器からの信号とを図示しない混合器によって混合し、予め定められた中間周波数へと変換する。
【0054】
ここで、局部発振器の発振周波数は可変可能であり、予め定められた中間周波数に変換されるよう、制御部14からの制御信号によって発振周波数を可変して掃引を実現している。たとえば、中間周波数が500MHzの場合、2.2GHzから2.6GHzまでの測定周波数の範囲を掃引しているときには、局部発振器の発振周波数は1.7GHzから2.1GHzの間を発振し、被測定信号Xと局部発振器の発振周波数の差分の信号が常に中間周波数500MHzとなるようにしている。
【0055】
なお、本発明の信号分析装置には、測定周波数の範囲の掃引を行う掃引方式とは異なる方式として、図示しない混合器によって混合する局部発振器の発振周波数を、測定周波数の範囲の略中心周波数に対応する発振周波数で固定し、測定周波数の範囲を常に予め定められた中間周波数へと変換する。予め定められた中間周波数では、図示しない所定帯域のバンドパスフィルタを用いて所定帯域の成分のみを抽出し、抽出された所定帯域の成分を信号分析部30でFFT処理を行なうことで、リアルタイムな信号分析が可能なFFT方式を用いてもよい。現在は、測定周波数の範囲をGHz幅としたリアルタイムの信号処理は技術的に困難であるため、所定帯域のバンドパスフィルタを設け、たとえば百数十MHz以下の帯域のバンドパスフィルタを用いて帯域制限し、リアルタイムの信号処理を行なっている。掃引方式は、測定周波数の範囲であっても、掃引中の周波数を除く周波数で信号発生があった場合、分析結果にその発生した信号を分析できない欠点があるが、リアルタイムに信号分析を行うFFT方式は、測定周波数の範囲で発生した信号を漏らすことなく分析できる利点がある。
【0056】
A/D変換部12は、周波数変換部11から入力された中間周波数信号のアナログ信号に対し、後段の信号処理部13でデジタル信号処理が行えるようにアナログ信号からデジタル信号への変換を行う。具体的には、中間周波数信号に対して十分に高いサンプリング周波数にてサンプリングして公知の標本化処理を行い、入力されたアナログの中間周波数信号を公知の量子化処理、符号化処理を行ってデジタル信号に変換する。
【0057】
信号処理部13は、A/D変換部12から入力されたデジタル信号に対し、信号分析を行うために公知の検波処理、平均化処理、対数増幅処理などを行う。検波処理は、たとえば包絡線検波処理、必要に応じてポジティブピーク、ネガティブピークの検波処理などである。平均化処理は、設定された掃引区間において複数回掃引された検波結果に対して平均を求める。対数増幅処理は、幅広いダイナミックレンジの信号を対数圧縮して表示するために、検波された信号のレベルに対して、対数表示するために対数増幅を行っている。そして、検波処理、平均化処理、対数増幅処理などの結果を表示するために制御部14に処理結果を出力する。また、FFT方式の信号分析装置ではFFT処理の後、公知の検波処理、平均化処理、対数増幅処理などをこの信号処理部13で行う。
【0058】
制御部14は、信号処理部13から出力された検波処理、平均化処理、対数増幅処理などの処理結果を、入力された被測定信号Xの信号分析結果の波形82となるように、たとえば縦軸をレベル、横軸を周波数として波形描画する処理を行って表示制御部15、またはリモート制御端末である無線操作ユニット200、無線通信端末300の少なくとも1つに表示する。その他に、下限周波数80(Start)、上限周波数81(Stop)、分解能帯域幅83(RBW)、可変減衰器減衰量85などのスペクトラム分析に必要なパラメータ、スペクトラム分析結果の波形82に対して任意の周波数におけるレベルを表示するマーカ84、図示しない任意に選択された周波数の範囲における電力の表示などの表示制御を行う。
【0059】
ここで、リモート制御に用いる通信用無線信号Rにより、被測定信号Xの測定に影響を及ぼす可能性を解消するために設けられた通信用周波数判定部17の動作について説明する。
【0060】
通信用周波数判定部17は、記憶部16に記憶された下限周波数80(Start)と、上限周波数81(Stop)で囲まれる任意に設定された測定周波数の範囲、または下限周波数80(Start)と、上限周波数81(Stop)から、現時点で分析を行っている任意に設定された測定周波数の範囲を取得する。ここでは、たとえば2.2GHzから2.6GHzまでの測定周波数の範囲が設定されているものとする。
【0061】
さらに、通信用周波数判定部17は、制御部14から現時点で無線通信部19が通信を行っている通信用周波数を取得する。ここでは、取得した通信用周波数を第1の通信用周波数とし、たとえば2.4GHz帯の周波数を用いるIEEE802.11b規格の無線LAN通信システムを使用しているものとする。
【0062】
次に、通信用周波数判定部17は、取得した任意に設定された測定周波数の範囲と、取得した第1の通信用周波数とを比較判定する。第1の通信用周波数が任意に設定された測定周波数の範囲に含まれている場合には、制御部14に任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数が含まれている旨の信号を出力する。本例では、測定周波数の範囲が2.2GHzから2.6GHzであり、第1の通信用周波数は2.4GHz帯であるため、任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数が含まれていることになる。
【0063】
一方、高調波成分判定部18が、制御部14から現時点で無線通信部19が通信を行っている通信用周波数を取得する構成としてもよい。高調波成分判定部18は、取得した第1の通信用周波数の高調波成分Hの算出を行う。本例では、第1の通信用周波数は2.4GHz帯であることから、2次高調波は4.8GHz、3次高調波は7.2GHzとなり、任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分Hが含まれないことになる。対して、第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分Hが任意に設定された測定周波数の範囲に含まれている場合には、制御部14に任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分Hが含まれている旨の信号を出力する。
【0064】
制御部14は、通信用周波数判定部17から任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数が含まれている旨の信号が入力されると、記憶部16に記憶されている通信用周波数の候補を参照し、第1の通信用周波数を任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない第2の通信用周波数に変更する。なお、記憶部16には、たとえば図6図7および図8にそれぞれ示すように、たとえば、移動体通信システム、無線LAN通信システムの各周波数が、第2の通信用周波数リストとしてテーブル形式で記憶されている構成としてもよい。さらに、無線LAN通信システム、近距離無線通信システム、移動体通信システムといった各規格の周波数は、規格の改版により周波数の追加や変更、また国毎に使用する周波数が異なる場合やその追加や変更、占有周波数帯域幅Wの追加や変更があるため、ネットワーク経由や着脱可能なメモリなどを介して外部からの最新の第2の通信用周波数リストの情報に更新可能な構成としてもよい。
【0065】
第2の通信用周波数として、たとえば、無線LAN通信システム、近距離無線通信システム、移動体通信システムといった各規格のうち、任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数が含まれていない周波数の通信用周波数が制御部14により選択される。本例では、任意に設定された測定周波数の範囲が2.2GHzから2.6GHzであり、第2の通信用周波数として、5.4GHz帯を使用する無線LAN通信システムIEEE802.11aが選択される。上述の動作の周波数軸での概念を図9に示す。任意に設定された測定周波数の範囲である2.2GHzから2.6GHzに含まれないように、2.4GHz帯のIEEE802.11b(第1の通信用周波数)から、5.4GHz帯のIEEE802.11a(第2の通信用周波数)へと通信周波数が変更されている。
【0066】
また、リモート制御に用いる通信用無線信号は、たとえば、無線LAN通信システム、近距離無線通信システム、移動体通信システムといった各規格毎に定められた占有周波数帯域幅Wを有している。ここで、前述の第1の通信用周波数とは、占有周波数帯域幅Wの略中心の周波数を指すものである。図6図7図8にそれぞれ示すように、第2の通信用周波数リストには、たとえば、移動体通信システム、無線LAN通信システムの各周波数とともに、占有周波数帯域幅Wも記憶されているので、通信用周波数判定部17は、取得した任意に設定された測定周波数の範囲と、取得した第1の通信用周波数とを比較判定するときに、占有周波数帯域幅Wも使用して判定を実行してもよい。この場合、任意に設定された測定周波数の範囲に占有周波数帯域幅Wの周波数成分が含まれていれば、任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数が含まれていると判定する。たとえば、W−CDMAでは占有周波数帯域幅Wが5.0MHzであるので、略中心周波数は2.5MHzとなり、測定周波数の範囲の下限周波数が2.2000GHz(2200.0MHz)の場合、第1の通信用周波数が2.1975GHz(2197.5MHz)より上であれば任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数が含まれていると判定される。
【0067】
さらに、制御部14は、通信用周波数判定部17から任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数が含まれている旨の信号が入力され、記憶部16に記憶されている通信用周波数の候補を参照するときに、第2の通信用周波数リストに記憶された占有周波数帯域幅Wを使用して、第1の通信用周波数を任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない第2の通信用周波数に変更する。この場合、任意に設定された測定周波数の範囲に占有周波数帯域幅Wの周波数成分が含まれないように、第2の通信用周波数に変更する。ここで、前述の第2の通信用周波数とは、占有周波数帯域幅Wの略中心の周波数を指すものである。たとえば、W−CDMAでは占有周波数帯域幅Wが5.0MHzであるので、略中心周波数は2.5MHzとなり、測定周波数の範囲の上限周波数が2.6000GHz(2600.0MHz)の場合、第2の通信用周波数が2.6025GHz(2602.5MHz)より上であれば任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない第2の通信用周波数となる。
【0068】
なお、本例では任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分Hが含まれないので、予め記憶された通信用周波数の候補を参照せず、第1の通信用周波数のまま通信の継続を行う。対して、第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分Hが含まれている場合には、制御部14は、予め記憶された通信用周波数の候補を参照し、第1の通信用周波数の高調波成分Hが任意に設定された測定周波数の範囲に含まれないように第1の通信周波数を変更する。
【0069】
制御部14は、通信用周波数として第2の通信用周波数を選択すると、第1の通信用周波数にて、通信用周波数を第2の通信用周波数に変更する旨の情報を送信するように無線通信部19を制御する。
【0070】
無線通信部19は、第1の通信用周波数にて、無線通信用アンテナA1を介してリモート制御端末である無線操作ユニット200、無線通信端末300の少なくとも1つに通信用周波数を第2の通信用周波数に変更する旨の情報を送信する。
【0071】
無線操作ユニット200の無線操作ユニット制御部50は、第1の通信用周波数にて、無線通信用アンテナA2を介して無線操作ユニット無線通信部52により通信用周波数を第2の通信用周波数に変更する旨の情報を受信すると、通信用周波数を第2の通信用周波数へと変更する。
【0072】
無線通信端末300の無線通信端末制御部60は、第1の通信用周波数にて、無線通信用アンテナA3を介して無線通信端末無線通信部62により通信用周波数を第2の通信用周波数に変更する旨の情報を受信すると、通信用周波数を第2の通信用周波数へと変更する。
【0073】
また、現時点で分析を行っている任意に設定された測定周波数の範囲が、たとえば2.2GHzから2.6GHzまでの測定周波数の範囲が設定されており、また第1の通信用周波数として、5.4GHz帯を使用する無線LAN通信システムIEEE802.11aが使用されている場合について説明する。
【0074】
通信用周波数判定部17は、取得した任意に設定された測定周波数の範囲と、取得した第1の通信用周波数とを比較判定する。第1の通信用周波数が任意に設定された測定周波数の範囲に含まれていないため、制御部14に任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数が含まれていない旨の信号を出力する。任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数が含まれていない旨の信号を受けた制御部14は、記憶部16に記憶されている通信用周波数の候補を参照せず、第1の通信用周波数のまま通信の継続を行うよう、信号分析装置100の各部の駆動制御を行い、無線操作ユニット200、無線通信端末300には通信用周波数を第2の通信用周波数に変更する旨の情報を送信しない。
【0075】
次に、上述した信号分析装置100、無線操作ユニット200、無線通信端末300におけるソフトウエア処理動作の一例について、図10を参照しながら説明する。
【0076】
まず、信号分析装置100、リモート制御端末である無線操作ユニット200、無線通信端末300は、第1の通信周波数で通信を行っているものとし、無線通信ステップが実行されている(S401)。第1の通信周波数として、たとえば2.4GHz帯の周波数を用いるIEEE802.11b規格の無線LANを使用しているものとする。
【0077】
はじめに、ユーザは、測定周波数の範囲を任意に設定する。信号分析に必要なパラメータのうち、少なくとも測定周波数の範囲が任意に設定されると信号分析が行なわれ、信号分析ステップが実行される(S402)。たとえば、2.2GHzから2.6GHzまでの測定周波数の範囲で信号分析を行う設定とする。
【0078】
次に、信号分析ステップS402において任意に設定された測定周波数の範囲を記憶する測定周波数記憶ステップが実行される(S403)。
【0079】
次に、第1の通信周波数が測定周波数の範囲に含まれているか否かを比較、判定する通信用周波数判定ステップが実行される(S404)。本例では、測定周波数の範囲が2.2GHzから2.6GHzであり、第1の通信用周波数は2.4GHz帯であるため、任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数が含まれていることになる。
【0080】
また、第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分Hの判定をする場合には、通信用周波数判定ステップS404を、図10に示すように高調波成分判定ステップS414に置き換えて処理させてもよい。本例では、第1の通信用周波数は2.4GHz帯であることから、2次高調波は4.8GHz、3次高調波は7.2GHzとなり、任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分Hが含まれないことになる。
【0081】
次に、通信用周波数判定ステップS404において、第1の通信周波数が測定周波数の範囲に含まれている場合、予め記憶された通信用周波数の候補を参照し、第1の通信用周波数を任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない第2の通信用周波数を選択する第2の通信用周波数選択ステップが実行される(S405)。本例では、任意に設定された測定周波数の範囲が2.2GHzから2.6GHzであり、第2の通信用周波数として、5.4GHz帯を使用する無線LAN通信システムIEEE802.11aが選択される。
【0082】
なお、第2の通信用周波数の候補とするための通信システムの各周波数を前記第2の通信用周波数リストとして予め記憶し、たとえば図6図7および図8にそれぞれ示すように、たとえば、移動体通信システム、無線LAN通信システムの各周波数が、第2の通信用周波数リストとしてテーブル形式で記憶しておき、第2の通信用周波数への変更は、この第2の通信用周波数リストから第2の通信用周波数を選択することにより変更するように処理を行なってもよい。
【0083】
また、図10において通信用周波数判定ステップS404から置き換えた高調波成分判定ステップS414の動作例として、本例では任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分Hが含まれないので、予め記憶された通信用周波数の候補を参照せず、第1の通信用周波数のまま通信の継続を行う第1の通信周波数通信継続ステップS408が実行される。対して、第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分Hが含まれている場合には、予め記憶された通信用周波数の候補を参照し、第1の通信用周波数の高調波成分Hが任意に設定された測定周波数の範囲に含まれないように第1の通信周波数を変更する。
【0084】
次に、第1の通信用周波数において、リモート制御端末である無線操作ユニット200、無線通信端末300の少なくとも1つに、通信周波数を第2の通信用周波数選択ステップS405で選択した第2の通信用周波数に変更する旨を通知する通信用周波数変更通知ステップが実行される(S406)。なお、第2の通信用周波数選択ステップS405と、通信用周波数変更通知ステップS406とを合わせ、第1の通信用周波数を任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない第2の通信用周波数に変更する制御ステップとしてソフトウエア構成してもよい。
【0085】
なお、前述の通信用周波数判定部17と同様に、通信用周波数判定ステップS404は、取得した任意に設定された測定周波数の範囲と、取得した第1の通信用周波数とを比較判定するときに、占有周波数帯域幅Wも使用して判定を実行してもよい。
【0086】
次に、信号分析装置100、リモート制御端末である無線操作ユニット200、無線通信端末300では、通信用周波数変更通知ステップS406において通知が行われた第2の通信周波数で通信を行う第2の通信周波数通信ステップが実行される(S407)。
【0087】
なお、通信用周波数判定ステップS404において、第1の通信周波数が測定周波数の範囲に含まれていない場合、予め記憶された通信用周波数の候補を参照せず、第1の通信用周波数のまま通信の継続を行う第1の通信周波数通信継続ステップが実行される(S408)。
【0088】
このように、第1の通信用周波数が任意に設定された測定周波数の範囲にあるときには、第1の通信用周波数を任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない第2の通信用周波数に変更するようにしているので、リモート制御に用いる通信用無線信号により、被測定信号の測定に影響を及ぼす可能性を解消することができる。
【0089】
また、第1の通信用周波数の高調波成分が任意に設定された測定周波数の範囲にあるときには、第1の通信用周波数の高調波成分が、任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない第2の通信用周波数に変更するようにしているので、リモート制御に用いる通信用無線信号の高調波成分により、被測定信号の測定に影響を及ぼす可能性を解消することができる。
【0090】
さらに、通信用無線信号の占有周波数帯域幅を使用して第2の通信用周波数に変更するようにしているので、リモート制御に用いる通信用無線信号の占有周波数帯域幅も含めて被測定信号の測定に影響を及ぼす可能性を解消することができる。
【0091】
(第2の実施形態)
次に、上述した信号分析装置100、リモート制御端末である無線操作ユニット200、無線通信端末300における動作の他の一例について、図2図3図4図6図7図8図11図12および図13を参照しながら説明する。なお、信号分析に必要なパラメータの設定、表示を行う際に用いる画面の表示構成としては、図5に示す表示例とする。
【0092】
ここで、信号分析装置100における被測定信号入力端子C、可変減衰器10、周波数変換部11、A/D変換部12および信号処理部13からなる信号分析部30、制御部14、表示操作部15、無線通信部19、無線通信用アンテナA1の動作は、第1の実施形態の説明と同様であるので、記載を省略する。
【0093】
ここで、リモート制御に用いる通信用無線信号Rにより、被測定信号Xの測定に影響を及ぼす可能性を解消するために設けられた通信用周波数判定部17と、通信用無線信号Rの高調波成分Hにより、被測定信号Xの測定に影響を及ぼす可能性を解消するために設けられた高調波成分判定部18の動作について説明する。
【0094】
通信用周波数判定部17は、記憶部16に記憶された下限周波数80(Start)と、上限周波数81(Stop)で囲まれる任意に設定された測定周波数の範囲、または下限周波数80(Start)と、上限周波数81(Stop)から、現時点で分析を行っている任意に設定された測定周波数の範囲を取得する。ここでは、たとえば500MHzから3.0GHzまでの測定周波数の範囲が設定されているものとする。
【0095】
さらに、通信用周波数判定部17は、制御部14から現時点で無線通信部19が通信を行っている通信用周波数を取得する。ここでは、取得した通信用周波数を第1の通信用周波数とし、たとえば830MHz帯を上り周波数として用いるW−CDMA規格で規定されたバンド6の移動体通信システムを使用しているものとする。
【0096】
次に、通信用周波数判定部17は、取得した任意に設定された測定周波数の範囲と、取得した第1の通信用周波数とを比較判定する。第1の通信用周波数が任意に設定された測定周波数の範囲に含まれている場合には、制御部14に任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数が含まれている旨の信号を出力する。この動作は第1の実施形態と同様である。
【0097】
一方、高調波成分判定部18は、制御部14から現時点で無線通信部19が通信を行っている通信用周波数を取得する。高調波成分判定部18は、取得した第1の通信用周波数の高調波成分Hの算出を行う。
【0098】
ここでは、第1の通信用周波数は830MHz帯であるため、2次高調波の1.66GHz、3次高調波の2.49GHz、4次高調波の3.32GHz、5次高調波の4.15GHz、6次高調波の4.98GHz、7次高調波の5.81GHz、8次高調波の6.64GHz、9次以降もさらなるn次高調波の発生が算出できる。
【0099】
通信用周波数判定部17または高調波成分判定部18の少なくとも一方は、記憶部16に記憶された下限周波数80(Start)と、上限周波数81(Stop)で囲まれる任意に設定された測定周波数の範囲、または下限周波数80(Start)と、上限周波数81(Stop)から、現時点で分析を行っている任意に設定された測定周波数の範囲を取得する。本例では、たとえば500MHzから3.0GHzまでの測定周波数の範囲が設定されている。
【0100】
次に、通信用周波数判定部17は、取得した任意に設定された測定周波数の範囲と、取得した第1の通信用周波数とを比較判定する。第1の通信用周波数が任意に設定された測定周波数の範囲に含まれている場合には、制御部14に任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数が含まれている旨の信号を出力する。本例では、測定周波数の範囲が500MHzから3.0GHzであり、第1の通信用周波数は830MHz帯であるため、任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数が含まれていることになる。
【0101】
一方、高調波成分判定部18は、取得した任意に設定された測定周波数の範囲と、第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分Hとを比較判定する。第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分Hが任意に設定された測定周波数の範囲に含まれている場合には、制御部14に任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分Hが含まれている旨の信号を出力する。本例では、測定周波数の範囲が500MHzから3.0GHzであり、第1の通信用周波数は830MHz帯であることから、2次高調波は1.66GHz、3次高調波は2.49GHzであるため、任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数または第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分Hの少なくとも一方が含まれていることになる。
【0102】
このように、第1の通信用周波数または第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分Hの少なくとも一方が任意に設定された測定周波数の範囲に含まれている場合には、制御部14に任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数または第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分Hの少なくとも一方が含まれている旨の信号を出力する動作を行う。
【0103】
制御部14は、通信用周波数判定部17または高調波成分判定部18の少なくとも一方から任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数または第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分Hの少なくとも一方が含まれている旨の信号が入力されると、記憶部16に記憶されている通信用周波数の候補を参照し、第1の通信用周波数または第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分Hの少なくとも一方が、任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない第2の通信用周波数に変更する。なお、記憶部16には、図6図7図8にそれぞれ示すように、たとえば、移動体通信システム、無線LAN通信システムの各周波数が、第2の通信用周波数リストとしてテーブル形式で記憶されている構成としてもよい。さらに、無線LAN通信システム、近距離無線通信システム、移動体通信システムといった各規格の周波数は、規格の改版により周波数の追加や変更、また国毎に使用する周波数が異なる場合やその追加や変更、占有周波数帯域幅Wの追加や変更があるため、ネットワーク経由や着脱可能なメモリなどを介して外部からの最新の第2の通信用周波数リストの情報に更新可能な構成としてもよい。
【0104】
第2の通信用周波数として、たとえば、無線LAN通信システム、近距離無線通信システム、移動体通信システムといった各規格のうち、任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数または第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分Hの少なくとも一方が含まれていない周波数の通信用周波数が制御部14により選択される。本例では、測定周波数の範囲が500MHzから3.0GHzであり、第1の通信用周波数または第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分Hの少なくとも一方が含まれていない第2の通信用周波数として、5.4GHz帯を使用する無線LAN通信システムIEEE802.11aが選択される。なお、本例では第2の通信用周波数は5.4GHz帯であるので、第1の通信用周波数の高調波成分Hも任意に設定された測定周波数の範囲である500MHzから3.0GHzに含まれない。上述の動作の周波数軸での概念を図12に示す。任意に設定された測定周波数の範囲である500MHzから3.0GHzに含まれないように、830MHz帯のW−CDMA バンド6(第1の通信用周波数)から、5.4GHz帯のIEEE802.11a(第2の通信用周波数)へと通信周波数が変更されている。
【0105】
また、前述のように通信用周波数判定部17は、取得した任意に設定された測定周波数の範囲と、取得した第1の通信用周波数とを比較判定するときに、占有周波数帯域幅Wも使用して判定を実行してもよい。
【0106】
さらに、高調波成分判定部18は、取得した任意に設定された測定周波数の範囲と、第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分Hとを比較判定するときに、占有周波数帯域幅Wも使用して判定を実行してもよい。この場合、任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分Hに対応する占有周波数帯域幅Wの周波数成分が含まれていれば、任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数の高調波成分Hが含まれていると判定する。たとえば、W−CDMAでは占有周波数帯域幅Wが5.0MHzであるので、略中心周波数は2.5MHzとなり、測定周波数の範囲の上限周波数が3.0000GHz(3000.0MHz)の場合、第1の通信用周波数の高調波成分Hが2.9975GHz(2997.5MHz)より下であれば任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数の高調波成分Hが含まれていると判定される。
【0107】
また、高調波成分の発生原因によっては、基本周波数における占有周波数帯域幅Wがn次の高調波成分となる際、n倍幅の占有周波数帯域幅Wとなることがある。たとえば、W−CDMAでは占有周波数帯域幅Wが5.0MHzであるので、たとえば3次高調波であれば3倍幅となる15.0MHzを高調波成分として判定を実行してもよい。たとえば、W−CDMAでは3倍幅となった占有周波数帯域幅Wが15.0MHzであるので、略中心周波数は7.5MHzとなり、測定周波数の範囲の上限周波数が3.0000GHz(3000.0MHz)の場合、第1の通信用周波数の高調波成分Hが2.9925GHz(2992.5MHz)より下であれば任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数の高調波成分Hが含まれていると判定される。
【0108】
さらに、制御部14は、高調波成分判定部18から任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分Hが含まれている旨の信号が入力され、記憶部16に記憶されている通信用周波数の候補を参照するときに、第2の通信用周波数リストに記憶された占有周波数帯域幅Wを使用して、第1の通信用周波数の高調波成分Hを任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない第2の通信用周波数に変更する。この場合、任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分Hに対応する占有周波数帯域幅Wの周波数成分が含まれないように、第2の通信用周波数に変更する。ここで、前述の第2の通信用周波数とは、占有周波数帯域幅Wの略中心の周波数を指すものである。たとえば、W−CDMAでは占有周波数帯域幅Wが5.0MHzであるので、略中心周波数は2.5MHzとなり、測定周波数の範囲の上限周波数が3.0000GHz(3000.0MHz)の場合、第2の通信用周波数が3.0025GHz(3002.5MHz)より上であれば任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない第2の通信用周波数となる。なお、前述のn次の高調波成分となる際にn倍幅の占有周波数帯域幅Wとなることを考慮して通信用周波数の変更を実行してもよい。
【0109】
制御部14は、通信用周波数として第2の通信用周波数を選択すると、第1の通信用周波数にて、通信用周波数を第2の通信用周波数に変更する旨の情報を送信するように無線通信部19を制御する。
【0110】
本例では、第1の通信用周波数を830MHz帯を上り周波数として用いるW−CDMA規格で規定されたバンド6の移動体通信システムを使用しているので、この移動体通信システムを用いた動作例を図11を用いて説明する。
【0111】
移動体通信システムでは、複数の無線基地局と、交換・制御ネットワークおよび交換・制御システムを用いて、発信元によって予め指定された通信先に対して情報を伝送すべく制御、伝送が行われる。本例では、発信元となるリモート制御端末である無線操作ユニット200、無線通信端末300、リモート制御先となる信号分析装置100の何れかから送信された信号は、無線基地局90aまたは90bを用いて受信され、予め指定された通信先となる無線操作ユニット200、無線通信端末300、信号分析装置100の何れかに対して情報を伝送すべく交換・制御ネットワーク91aまたは91bを介して交換・制御システム92に伝送される。交換・制御システム92は、発信元によって予め指定された通信先と接続可能な無線基地局を選択し、この他の無線基地局により予め指定された通信先に伝送が行われる。
【0112】
以下、具体的な動作について説明する。たとえば、信号分析装置100の無線通信部19は、第1の通信用周波数である830MHz帯にて、無線通信用アンテナA1を介してリモート制御端末である無線操作ユニット200、無線通信端末300の少なくとも1つを通信先として、通信用周波数を第2の通信用周波数に変更する旨の情報を送信する。
【0113】
ここで、第1の通信用周波数で送信された信号分析装置100からの第2の通信用周波数に変更する旨の情報を送信する旨の情報は、無線基地局90bにより受信され、無線基地局90bに接続された交換・制御ネットワーク91bを介して交換・制御システム92に伝送される。
【0114】
交換・制御システム92は、信号分析装置100の送信信号から通信先として無線操作ユニット200、無線通信端末300が指定されていることを解析し、たとえば無線基地局bの通信エリア内に無線操作ユニット200、無線通信端末300が存在することを確認すると、無線操作ユニット200、無線通信端末300に対して通信用周波数を第2の通信用周波数に変更する旨の情報を第1の通信用周波数に対応する周波数の無線信号を用いて送信する。より具体的には、本例では第1の通信用周波数は830MHz帯を上り周波数として用いるW−CDMA規格で規定されたバンド6であるので、第1の通信用周波数に対応する周波数の無線信号としてW−CDMAのバンド6の下り周波数である875MHz帯を使用して通信用周波数を第2の通信用周波数に変更する旨の情報の送信を無線基地局90aまたは90bから行う。
【0115】
無線操作ユニット200の無線操作ユニット制御部50は、第1の通信用周波数に対応する周波数にて、無線通信用アンテナA2を介して無線操作ユニット無線通信部52により通信用周波数を第2の通信用周波数に変更する旨の情報を受信すると、通信用周波数を第2の通信用周波数へと変更する。
【0116】
無線通信端末300の無線通信端末制御部60は、第1の通信用周波数に対応する周波数にて、無線通信用アンテナA3を介して無線通信端末無線通信部62により通信用周波数を第2の通信用周波数に変更する旨の情報を受信すると、通信用周波数を第2の通信用周波数へと変更する。
【0117】
以上説明したように、第1の通信用周波数または第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分Hの少なくとも一方に含まれない第2の通信用周波数として、5.4GHz帯を使用する無線LAN通信システムIEEE802.11aへと変更が行われる。
【0118】
なお、ここでは、たとえばW−CDMAといった上り周波数と下り周波数の複数の周波数を用いた方式で説明したが、たとえばPHSで用いられるTDD(Time Division Duplex)のように、同一周波数にて上りと下りとを時間分割で区切って通信する方式であっても本発明は適用可能である。
【0119】
次に、上述した信号分析装置100、無線操作ユニット200、無線通信端末300におけるソフトウエア処理動作の他の一例について、図13を参照しながら説明する。
【0120】
まず、信号分析装置100、リモート制御端末である無線操作ユニット200、無線通信端末300は、第1の通信周波数で通信を行っているものとし、無線通信ステップが実行されている(S451)。第1の通信周波数として、たとえば830MHz帯を上り周波数として用いるW−CDMA規格で規定されたバンド6の移動体通信システムを使用しているものとする。
【0121】
はじめに、ユーザは、測定周波数の範囲を任意に設定する。信号分析に必要なパラメータのうち、少なくとも測定周波数の範囲が任意に設定されると信号分析が行なわれ、信号分析ステップが実行される(S452)。たとえば、500MHzから3.0GHzまでの測定周波数の範囲で信号分析を行う設定とする。
【0122】
次に、信号分析ステップS452において任意に設定された測定周波数の範囲を記憶する測定周波数記憶ステップが実行される(S453)。
【0123】
次に、第1の通信用周波数または高調波成分Hの少なくとも一方が任意に設定された測定周波数の範囲に含まれているか否かを比較、判定する高調波成分判定ステップが実行される(S454)。本例では、測定周波数の範囲が500MHzから3.0GHzであり、第1の通信用周波数は830MHz帯であることから、2次高調波は1.66GHz、3次高調波は2.49GHzであるため、任意に設定された測定周波数の範囲に第1の通信用周波数または第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分Hの少なくとも一方が含まれていることになる。
【0124】
次に、高調波成分判定ステップS454において、第1の通信周波数または高調波成分Hの少なくとも一方が測定周波数の範囲に含まれている場合、予め記憶された通信用周波数の候補を参照し、第1の通信用周波数または高調波成分Hの少なくとも一方が任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない第2の通信用周波数を選択する第2の通信用周波数選択ステップが実行される(S455)。本例では、測定周波数の範囲が500MHzから3.0GHzであり、第1の通信用周波数または第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分Hの少なくとも一方に含まれない第2の通信用周波数として、5.4GHz帯を使用する無線LAN通信システムIEEE802.11aが選択される。
【0125】
なお、第2の通信用周波数の候補とするための通信システムの各周波数を第2の通信用周波数リストとして予め記憶し、たとえば図6図7および図8にそれぞれ示すように、たとえば、移動体通信システム、無線LAN通信システムの各周波数が、第2の通信用周波数リストとしてテーブル形式で記憶しておき、第2の通信用周波数への変更は、この第2の通信用周波数リストから第2の通信用周波数を選択することにより変更するように処理を行なってもよい。
【0126】
次に、第1の通信用周波数において、リモート制御端末である無線操作ユニット200、無線通信端末300の少なくとも1つに、通信周波数を第2の通信用周波数選択ステップS455で選択した第2の通信用周波数に変更する旨を通知する通信用周波数変更通知ステップが実行される(S456)。なお、第2の通信用周波数選択ステップS455と、通信用周波数変更通知ステップS456とを合わせ、第1の通信用周波数を任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない第2の通信用周波数に変更する制御ステップとしてソフトウエア構成してもよい。
【0127】
なお、前述の通信用周波数判定部17と同様に、通信用周波数判定ステップS404は、取得した任意に設定された測定周波数の範囲と、取得した第1の通信用周波数とを比較判定するときに、占有周波数帯域幅Wも使用して判定を実行してもよい。
【0128】
また、前述の高調波成分判定部18と同様に、高調波成分判定ステップS454は、取得した任意に設定された測定周波数の範囲と、取得した第1の通信用周波数の高調波成分Hとを比較判定するときに、占有周波数帯域幅Wも使用して判定を実行してもよい。
【0129】
次に、信号分析装置100、リモート制御端末である無線操作ユニット200、無線通信端末300では、通信用周波数変更通知ステップS456において通知が行われた第2の通信周波数で通信を行う第2の通信周波数通信ステップが実行される(S457)。
【0130】
なお、高調波成分判定ステップS454において、第1の通信周波数または高調波成分Hの少なくとも一方が測定周波数の範囲に含まれていない場合、予め記憶された通信用周波数の候補を参照せず、第1の通信用周波数のまま通信の継続を行う第1の通信周波数通信継続ステップが実行される(S458)。
【0131】
このように、第1の通信用周波数または第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分の少なくとも一方が任意に設定された周波数の範囲にあるときには、第1の通信用周波数または第1の通信用周波数の整数倍の高調波成分Hの少なくとも一方を任意に設定された測定周波数の範囲には含まれない第2の通信用周波数に変更するようにしているので、リモート制御に用いる通信用無線信号およびその高調波成分により、被測定信号の測定に影響を及ぼす可能性を解消することができる。
【0132】
さらに、通信用無線信号およびその高調波成分の占有周波数帯域幅を使用して第2の通信用周波数に変更するようにしているので、リモート制御に用いる通信用無線信号およびその高調波成分の占有周波数帯域幅も含めて被測定信号の測定に影響を及ぼす可能性を解消することができる。
【符号の説明】
【0133】
10…可変減衰器
11…周波数変換部
12…A/D変換部
13…信号処理部
14…制御部
15…表示操作部
16…記憶部
17…通信用周波数判定部
18…高調波成分判定部
19…無線通信部
30…信号分析部
50…無線操作ユニット制御部
51…無線操作ユニット表示操作部
52…無線操作ユニット無線通信部
53…無線操作ユニット操作表示アプリケーション記憶部
60…無線通信端末制御部
61…無線通信端末表示操作部
62…無線通信端末無線通信部
63…無線通信端末操作表示アプリケーション記憶部
80…下限周波数
81…上限周波数
82…信号分析結果の波形
83…分解能帯域幅
84…マーカ
85…可変減衰器減衰量
90a、90b…無線基地局
91a、91b…交換・制御ネットワーク
92…交換・制御システム
100…信号分析装置
200…無線操作ユニット(リモート制御端末)
300…無線通信端末(リモート制御端末)
500…信号分析装置(従来技術)
A1…無線通信用アンテナ(信号分析装置)
A2…無線通信用アンテナ(無線操作ユニット)
A3…無線通信用アンテナ(無線操作通信端末)
C…被測定信号入力端子
D…被測定物
H…高調波成分
R…通信用無線信号
W…占有周波数帯域幅
X…被測定信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14