【解決手段】寝床面30を、寝床面30に寝ている人の左右方向に2分割および頭足方向に4分割して分割領域30a〜30hを設定する。各分割領域30a〜30hには、各分割領域30a〜30hを寝床面30と交差する方向に移動させる駆動装置40a〜40hが設けられている。撮像装置70は、寝床面30に寝ている人を撮像して撮像情報を出力する。制御装置80は、撮像情報に基づいて、寝床面30に寝ている人の所定部位それぞれと寝床面30が接触している継続時間を判別する。そして、制御装置80は、寝床面30との接触状態の継続時間が設定時間以上となった所定部位に加わる荷重が減少するように、各駆動装置40a〜40hを制御する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている床ずれ防止装置は、任意の時間間隔で寝床面の角度を変えることで寝床面に横になっている人の姿勢を任意の時間間隔で変え、それにより床ずれの発生を防止している。また、特許文献2に開示されている床ずれ防止装置は、床ずれ発生予想部位を所定時間毎に上昇・下降させることで寝床面に横になっている人の床ずれ予想部位の姿勢を所定時間毎に変え、それにより床ずれの発生を防止している。
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示されている床ずれ防止装置は、寝床面に横になっている人の姿勢履歴に関係なく、寝床に横になっている人の姿勢を設定されたパターンで変えている。このため、床ずれの発生を確実に防止することができない。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、寝床面に横になっている人に床ずれが発生するのを容易、確実に防止することができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下において、「寝床」は、弾力性および反発性を有し、その上に人が横になることができる敷物を意味する。典型的には、マットレスや敷布団等が対応する。また、「寝床面」は、寝床の面のうち、人が横になっている面を意味する。また、「寝床面に横になっている」という記載は、「寝床面に仰向け、うつ伏せあるいは横向きに寝ている」態様を含む。
本発明では、寝床面の領域を、寝床面に横になっている人の左右方向および頭足方向にそれぞれ少なくとも2分割することにより、複数の分割領域を設定している。一般的なマットレスや敷布団のように、長方形の寝床面を有する寝床の場合には、寝床の幅方向が、「寝床面に横になっている人の左右方向」に対応し、寝床の長さ方向が、「寝床面に横になっている人の頭足方向」に対応する。好適には、寝床面を左右方向に2分割、頭足方向に4分割して8個の分割領域を設定する。各分割領域の形状は、同じ形状でもよいし、異なる形状でもよい。
本発明は、撮像装置、駆動装置および制御装置を備えている。
撮像装置は、寝床面に横になっている人を撮像して撮像情報を出力する。撮像装置は、撮像装置から出力される撮像情報に基づいて、寝床面に横になっている人の所定部位が寝床面に接触しているか否かを判別することができるように配設される。好適には、撮像情報に基づいて、寝床面に横になっている人の所定部位と複数の分割領域との位置関係も判別することができるように配設される。所定部位としては、床ずれが発生し易い部位が設定される。撮像装置は、1つ設けてもよいし、複数設けてもよい。
駆動装置は、寝床面に交差する方向に関し、各分割領域の位置を他の分割領域の位置に対して相対的に異ならせることができるように構成されている。「各分割領域の位置を他の分割領域の位置と相対的に異ならせる」構成には、いずれか1つの分割領域を移動させる態様と、それ以外の分割領域を移動させる態様、いずれか1つの分割領域およびそれ以外の分割領域の双方を移動させる態様が含まれる。駆動装置としては、種々の構成の駆動装置を用いることができる。典型的には、各分割領域に対応して設けられ、寝床面の対応する分割領域を、寝床面に交差する方向に移動させることが可能なアクチュエータを有する駆動装置が用いられる。
制御装置は、接触判別手段、接触継続時間判別手段および制御手段を有している。
接触判別手段は、撮像装置から出力される撮像情報に基づいて、寝床面に横になっている人の所定部位が寝床面と接触していることを判別する。所定部位と寝床面との接触状態は、公知の種々の画像処理方法を用いて判別することができる。例えば、寝床面に横になっている人の各部(頭部、首部、胸部、背中部、腰部、手、足等)の姿勢状態から、所定部位と寝床面との接触状態を判別することができる。
接触継続時間判別手段は、接触判別手段によって寝床面と接触していることが判別された所定部位が継続して寝床面と接触している接触継続時間を測定し、測定した接触継続時間が設定時間以上であるか否かを判別する。
制御手段は、接触継続時間判別手段によって接触継続時間が設定時間以上であることが判別された所定部位に加わる荷重が減少するように駆動装置を作動させる。所定部位に加わる荷重が減少するように駆動装置を作動させる方法としては、寝床面に交差する方向に関して、複数の分割領域の中から選択した少なくとも1つの分割領域の位置と他の分割領域の位置を相対的に異ならせる方法が用いられる。複数の分割領域の中から選択される少なくとも1つの分割領域は、接触継続時間が設定時間以上である所定部位の数や、接触継続時間が設定時間以上である所定部位が存在する分割領域の位置等に応じて決定される。例えば、所定部位が存在する分割領域を判別し、寝床面に交差する方向に関し、判別した分割領域の位置と周りの分割領域の位置が相対的に異なるように駆動装置を作動させる。所定部位が存在する分割領域は、好適には、撮像装置から出力される撮像情報に基づいて判別される。勿論、他の方法を用いることもできる。駆動装置を作動させる時間は、適宜設定することができる。
本発明では、寝床面を、寝床面に横になっている人の左右方向および頭足方向にそれぞれ少なくとも2分割して複数の分割領域を設定するとともに、寝床面に横になっている人を撮像する撮像装置を設けている。そして、撮像装置から出力される撮像情報に基づいて、寝床面との接触状態が設定時間以上継続している所定部位を判別し、判別した所定部位に加わる荷重が減少するように、複数の分割領域の中から選択した少なくとも1つの分割領域の位置と他の分割領域の位置を異ならせている。これにより、寝床面に横になっている人に床ずれが発生するのを容易、確実に防止することができる。
本発明の異なる形態では、接触判別手段は、所定部位が寝床面に平行に接触していることを判別する。
寝床面に横になっている人の所定部位が寝床面に平行に接触している状態は、例えば、寝床面に横になっている人の所定部位の周囲と寝床面との位置関係から判別することができる。
所定部位が寝床面に平行に接触していると、体重の大部分が所定部位に加わるため、所定部位に床ずれが発生し易い。本形態では、床ずれの発生をより確実に防止することができる。
本発明の他の異なる形態では、接触継続時間判別手段は、接触判別手段によって寝床面と接触していることが判別された所定部位の接触継続時間を示す継続時間情報を作成し、作成した継続時間情報に基づいて、所定部位の接触継続時間が設定時間以上であるか否かを判別する。そして、制御手段により駆動装置を作動させることによって寝床面との接触状態が解除された所定部位に係る継続時間情報は、当該継続時間情報によって示される接触継続時間が短くなるように変更される。
「所定部位の接触継続時間を示す継続時間情報」としては、典型的には、「所定部位が寝床面と接触を開始してから接触状体を維持している時間」を用いることができる。「継続時間情報によって示される接触継続時間が短くなるように継続時間情報を変更」する方法としては、典型的には、継続時間情報で示される継続時間が「0」となるように継続時間情報をリセットする方法が用いられる。
本形態では、所定部位が寝床面に継続して接触している接触継続時間を正確に判別することができる。
本発明の他の異なる形態では、駆動装置は、各分割領域に対応して設けられ、寝床面の、対応する分割領域を、寝床面と交差する方向に移動可能な複数のアクチュエータを有している。
アクチュエータとしては、電気式、油圧式、空気式等の種々の形式のアクチュエータを用いることができる。
本形態では、駆動装置を簡単に構成することができるとともに、駆動装置を容易に作動させることができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、寝床面に寝ている人に床ずれが発生するのを容易、確実に防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
なお、本明細書では、「寝床」は、弾力性および反発性を有し、その上に人が横になることができる敷物を意味する。
また、「寝床面」は、寝床の面のうち、人が横になっている面を意味する。
また、「寝床面に横になっている」という記載は、「寝床面に仰向け、うつ伏せあるいは横向きに寝ている」態様を含む。
【0009】
図1に、本発明の床ずれ防止装置の一実施の形態1の概略構成が示されている。本実施の形態の床ずれ防止装置1は、ベッド10に横になっている人の床ずれを防止するためのものである。
ベッド10は、脚部11と枠体12を有している。なお、脚部11として、ベッド10を移動させるためのキャスター付きの脚部が用いられることもある。
枠体12には、弾性力および反発力を有し、その上に人が横になるマットレス20が載置されている。
本実施の形態では、マットレス20が、本発明の「寝床」に対応し、マットレス20の、人が横になる上面30が、本発明の「寝床面」に対応する。
なお、通常、マットレス20の上面30を覆うカバー(図示省略)が設けられる。このマットレス20の上面30を覆うカバーは、本発明の「寝床」に対応しない。
また、マットレス20の上方に他のマットレスあるいは敷布団が配設されることがある。この場合には、マットレス20の上方に配設される他のマットレスあるいは敷布団が、本発明の「寝床」に対応する。
【0010】
先ず、床ずれが発生し易い部位について説明する。
骨が突き出ている部位は、皮下脂肪や筋肉等が少ないため、体重による荷重を集中して受ける。このため、骨が突き出ている部位に床ずれが発生し易い。
仰臥位状態(仰向けに寝ている状態)の時に床ずれが発生し易い部位の1例が
図4に示されている。
図4には、後頭部(a)、肩甲骨部(b)(背部の両肩の突き出た部分)、仙骨尾骨部(c)(お尻の中央の骨が突き出た部分)、坐骨部(d)、肘部(e)、下腿部(f)、踵骨部(g)が示されている。
側臥位状態(横向きに寝ている状態)や伏臥位状態(うつ伏せに寝ている状態)における床ずれが発生し易い部位は、仰臥位状態における床ずれが発生し易い部位と異なる。
本明細書では、「寝床面に横になっている」状態には、寝床面に仰向け、横向き、うつ伏せに寝ている状態が含まれる。
なお、骨が突き出ていない部位であっても、長時間にわたって継続して荷重を受けると、床ずれが発生するおそれはある。
本実施の形態の床ずれ防止装置は、床ずれが発生し易い部位を所定部位として設定し、所定部位が寝床面と継続して接触していることを判別した場合に、寝床面と継続して接触している所定部位に加わる荷重を減少させるように構成されている。
【0011】
本実施の形態の床ずれ防止装置1は、駆動装置40、撮像装置70、制御装置80により構成されている。
マットレス20の上面30(以下、「寝床面30」という)の領域には、複数の分割領域が設定されている。
図1では、寝床面30は、寝床面30に横になっている人の左右方向(マットレス20が長方形の場合、「マットレス20の幅方向」が対応する)に2等分されているとともに、頭足方向(マットレス20が長方形の場合、「マットレス20の長さ方向」が対応する)に4等分されている。すなわち、寝床面30には、8個の同じ面積の分割領域30a〜30hが設定されている。
図1では、マットレス20として、1つのマットレスを用いているが、各分割領域30a〜30hに対応する形状を有する個別の分割部分により構成されるマットレスを用いることもできる。
【0012】
駆動装置40は、寝床面30の各分割領域30a〜30hに対応して設けられている複数のアクチュエータ40a〜40hを有している。
アクチュエータ40a〜40hは、マットレス20の、各分割領域30a〜30hに対応する部分を、寝床面30に交差する方向に沿って一方向および他方向に移動させることができるように構成される。通常、寝床面30は、略水平方向に配置され、アクチュエータ40a〜40hは、マットレス20の、各分割領域30a〜30hに対応する部分を、略鉛直方向に沿って一方方向(例えば、上方)および他方方向(例えば、下方)に移動させることができるように構成される。
図1に示す例では、アクチュエータ40a〜40hは、ベッド10の枠体12とマットレス40の間に設けられている。
【0013】
アクチュエータ40a〜40hの1例を
図2に示す。
図2に示されているアクチュエータ50は、マットレス20の分割領域に対応する部分の下方に配置されるプレート51、プレート51に連結された支持部材52、支持部材52を寝床面30と交差する方向に沿って一方向および他方向に移動させる駆動部53により構成されている。
駆動部53としては、電気式、機械式、油圧式等の種々の形式の駆動部を用いることができる。
アクチュエータ40a〜40hの他の例を
図3に示す。
図3に示されているアクチュエータ60は、マットレス20の分割領域に対応する部分の下方に配置されるプレート61、プレート61に連結された伸縮部材62、伸縮部材62を寝床面30と交差する方向に沿って一方向および他方向に伸縮させる駆動部63により構成されている。
駆動部63としては、例えば、圧縮空気を伸縮部材62に供給しあるいは伸縮部材62から圧縮空気を排出する駆動部が用いられる。
プレート51、61は、マットレス20の分割領域の部分を支持するように配置されている。なお、プレート51、61を、マットレス20の分割領域の部分に固定してもよい。
アクチュエータ40a〜40hとしては、これ以外の種々の公知のアクチュエータを用いることができる。
【0014】
撮像装置70は、CCDカメラ等の公知のカメラにより構成され、寝床面30に横になっている人(以下、単に「人」という)を撮像して撮像情報を出力する。
撮像装置70は、撮像情報に基づいて人の所定部位と寝床面30との接触状態を判別することができるように配置される。好適には、撮像情報に基づいて、人の所定部位と、寝床面30を分割した分割領域30a〜30hとの位置関係も判別することができるように配置される。また、撮像装置70は、1台のカメラにより構成することもできるし、異なる位置に配置されている複数台のカメラにより構成することもできる。
【0015】
制御装置80は、接触判別手段80a、接触継続時間判別手段80b、制御手段80c等により構成される。制御装置80は、各手段の処理を個別に実行する処理装置により構成することもできるし、複数の手段の処理を実行する処理装置により構成することもできる。
【0016】
接触判別手段80aは、撮像装置70から出力される撮像情報に基づいて、人の所定部位と寝床面30との接触状態(接触しているか否か)を判別する。
撮像情報に基づいて、人の所定部位と寝床面30との接触状態を判別する方法としては、公知の画像処理方法を用いることができる。例えば、寝床面30上における人の各部(頭部、首部、胸部、背中部、腰部、手、足等)の姿勢を判別し、人の各部と人の所定部位との位置関係から人の所定部位と寝床面30との接触状態を判別する。
なお、通常、寝床面30に横になっている人には、掛け布団、タオルケットや毛布等が掛けられている。一方、本実施の形態では、撮像装置70から出力される撮像情報から人の各部の外形形状を認識する必要がある。したがって、掛け布団、タオルケットや毛布等が掛けられている状態における人の各部の外形形状の認識精度を高めるために、人に掛ける掛け布団、タオルケットや毛布等として薄いものを用いるのが好ましい。なお、複数台のカメラを用いて異なる方向から人を撮像することにより、人の各部の外形形状の認識精度を高めることもできる。
【0017】
接触継続時間判別手段80bは、人の所定部位と寝床面30との接触継続時間(所定部位と寝床面30とが継続して接触している時間)が設定時間以上となったか否かを判別する。
人の所定部位と寝床面30との接触継続時間が設定時間以上となったことを判別する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、接触判別手段80aにより寝床面30と接触していることが判別されると、寝床面30との接触が判別された所定部位に係る接触継続時間の計測を開始する。所定部位に係る接触継続時間の計測は、接触判別手段80aにより当該所定部位が寝床面30に接触していることが判別されている間実行される。また、接触継続時間が設定時間時間以上であるか否かを判別する。そして、接触継続時間が設定時間に達したことにより、当該設定時間に達した接触継続時間に係る所定部位と寝床面30との接触継続時間が設定時間以上となったことを判別する。接触継続時間が設定時間に達する前に、当該接触継続時間に係る所定部位と寝床面30との接触が解除された場合には、当該接触継続時間を「0」にリセットする。
なお、接触継続時間が設定時間以上となったことを判別する方法としては、接触継続時間を示す継続時間情報が、当該継続時間情報で示される接触継続時間が設定時間以上であることを示しているか否かを判別する方法を用いることもできる。また、継続時間情報で示される接触継続時間が設定時間に達する前に、当該継続時間情報に係る所定部位と寝床面30との接触が解除された場合には、当該継続時間情報で示される接触継続時間が短くなるように、典型的には「0」となるように、変更することもできる。
【0018】
制御手段80cは、寝床面30と継続して設定時間以上接触している所定部位が存在する場合には、当該所定部位に加わる荷重が減少するように駆動装置40を制御する。すなわち、所定部位に加わる荷重が減少するように、寝床面30を分割した各分割領域30a〜30hに対応して設けられている複数のアクチュエータ40a〜40hの中から選択したアクチュエータを上昇方向あるいは下降方向に作動させる。選択したアクチュエータ40a〜40hの作動時間は、予め設定することができる。また、選択したアクチュエータ40a〜40hの作動時間を、所定部位の位置に応じて変えることもできる。
所定部位に加わる荷重が減少するように駆動装置40を制御する方法としては種々の方法を用いることができる。
例えば、寝床面30と設定時間以上継続して接触している所定部位が存在する寝床面30の分割領域を判別し、判別した分割領域を含む少なくとも1つの分割領域と他の分割領域の、寝床面30に交差する方向に関する位置を相対的に変える方法を用いることができる。
寝床面30と設定時間以上継続して接触している所定部位が存在する寝床面30の分割領域を判別する方法としては、種々の方法を用いることができる。例えば、撮像装置70から出力される撮像情報に基づいて、所定部位と寝床面30の各分割領域30a〜30hとの位置関係を判別する方法を用いることができる。
寝床面30と設定時間以上接触して接触している所定部位が存在する分割領域を含む少なくとも1つの分割領域は、所定部位の位置等に応じて適宜選択される。例えば、所定部位に加わる荷重を減少させる方法として、当該所定部位を相対的に上げる方法を用いるか、あるいは当該所定部位を相対的に下げる方法を用いるかを決定する。また、所定部位を相対的に上げる方法を用いる場合、寝床面30と交差する方向に関して、当該所定部位が存在する分割領域の位置のみを他の分割領域の位置に対して相対的に上げるか、あるいは当該所定部位が存在する分割領域を含む複数の領域の位置を他の分割領域の位置に対して相対的に上げるかを決定する。同様に、所定部位を相対的に下げる方法を用いる場合、寝床面30と交差する方向に関して、当該所定部位が存在する分割領域の位置のみを他の分割領域の位置に対して相対的に下げるか、あるいは当該所定部位が存在する分割領域を含む複数の領域の位置を他の分割領域の位置に対して相対的に下げるかを決定する。さらに、所定部位を相対的に上げる方法を用いる場合、当該所定部位が存在する分割領域を含む少なくとも1つの分割領域に対応するアクチュエータを上方に移動させるか、あるいは他の分割領域に対応するアクチュエータを下方に移動させるかを決定する。同様に、所定部位を相対的に下げる方法を用いる場合、当該所定部位が存在する分割領域を含む少なくとも1つの分割領域に対応するアクチュエータを下方に移動させるか、あるいは他の分割領域に対応するアクチュエータを上方に移動させるかを決定する。
【0019】
各分割領域30a〜30hに対応する複数のアクチュエータ40a〜40hの中から選択したアクチュエータを作動させた場合の動作の例を
図5〜
図10を参照して説明する。
なお、
図5〜
図10では、簡略化して、アクチュエータ40a〜40hのみを図示し、アクチュエータ40a〜40hと人との間に配置されるマットレス等の寝床は図示していない。アクチュエータ40a〜40hが作動した場合には、作動したアクチュエータ40a〜40hに対応する寝床の分割領域30a〜30hの部分が、寝床面30と交差する方向に沿って一方向あるいは他方向に移動する。
また、
図5〜
図10は、人が寝床面30に仰向けに寝ている状態を示している。
【0020】
図5は、寝床面30と交差する方向に関し、寝床面30の、各アクチュエータ40a〜40eに対応する分割領域30a〜30hを同じ位置に設定している状態(寝床面30が平坦な状態)を示している。具体的には、各アクチュエータ40a〜40bは、待機状態にある。
【0021】
図6は、寝床面30と交差する方向に関し、寝床面30の、アクチュエータ40dに対応する分割領域30dの位置を他の分割領域30a〜30cおよび30e〜30hの位置に対して相対的に上昇させた状態(他の分割領域30a〜30cおよび30e〜30hの位置を分割領域30dの位置に対して相対的に下降させた状態)を示している。具体的には、アクチュエータ40dを上昇方向に作動させている。
図6に示している状態では、左足の下腿部(f)と踵部(g)に加わる荷重が減少している。
【0022】
図7は、寝床面30と交差する方向に関し、寝床面30の、アクチュエータ40gに対応する分割領域30gの位置を他の分割領域30a〜30fおよび30hの位置に対して相対的に上昇させた状態(他の分割領域30a〜30fおよび30hの位置を分割領域30gの位置に対して相対的に下降させた状態)を示している。具体的には、アクチュエータ40gを上昇方向に作動させている。
図7に示している状態では、右側の坐骨部(d)、右足の踵部(g)に加わる荷重が減少している。
【0023】
図8は、寝床面30と交差する方向に関し、寝床面30の、アクチュエータ40bに対応する分割領域30bの位置を他の分割領域30aおよび30c〜30hの位置に対して相対的に上昇させた状態(他の分割領域30aおよび30c〜30hの位置を分割領域30bの位置に対して相対的に下降させた状態)を示している。具体的には、アクチュエータ40bを上昇方向に作動させている。
図8に示している状態では、左側の肩甲骨部(b)、仙骨尾骨部(c)の左側、左手の肘部(e)に加わる荷重が減少している。
【0024】
図9は、寝床面30と交差する方向に関し、寝床面30の、アクチュエータ40eに対応する分割領域30eの位置を他の分割領域30a〜30dおよび30f〜30hの位置に対して相対的に上昇させた状態(他の分割領域30a〜30dおよび30f〜30hの位置を分割領域30eの位置に対して相対的に下降させた状態)を示している。具体的には、アクチュエータ40eを上昇方向に作動させている。
図9に示している状態では、後頭部(a)の右側、右側の肩甲骨部(b)、右手の肘部(e)に加わる荷重が減少している。
【0025】
図10は、寝床面30と交差する方向に関し、寝床面30の、アクチュエータ40cおよび40fに対応する分割領域30cおよび30fの位置を他の分割領域30a、30b、30d、30e、30gおよび30hの位置に対して相対的に上昇させた状態(他の分割領域30a、30b、30d、30e、30gおよび30hの位置を分割領域30cおよび30fの位置に対して相対的に下降させた状態)を示している。具体的には、アクチュエータ40cおよび40fを上昇方向に作動させている。
図10に示している状態では、右側の肩甲骨部(b)、仙骨尾骨部(c)、右手の肘部(e)、右足の下腿部(f)、左足の踵部(g)に加わる荷重が減少している。
【0026】
以上のように、本実施の形態では、寝床面を複数の分割領域に分割するとともに、寝床面に横になっている人を撮像した撮像情報に基づいて、寝床面に横になっている人の所定部位と寝床面との接触状態を判別している。そして、設定時間以上継続して寝床面と接触している所定部位を判別した場合には、判別した所定部位に加わる荷重が減少するように、寝床面と交差する方向に関し、複数の分割領域の中から選択した少なくとも1つの分割領域の位置を他の分割領域の位置に対して相対的に異ならせている。
これにより、寝床面に寝ている人に床ずれが発生するのを容易、確実に防止することができる。
【0027】
本発明は、実施の形態で説明した構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
寝床面は、寝床面に横になっている人の左右方向に少なくとも2つ、頭足方向に少なくとも2つ分割されていればよいが、好適には、左右方向に2つ、頭足方向に3つ(分割領域の数=2×3=6)あるいは左右方向に2つ、頭足方向に4つ(分割領域の数=2×4=8)に分割される。
駆動装置は、寝床面に交差する方向に関して、寝床面に設定した各分割領域の位置を他の分割領域の位置に対して相対的に異ならせることができればよい。すなわち、寝床面に設定した複数の分割領域の中から任意に選択した少なくとも1つの分割領域の位置と他の分割領域の位置を異ならせることができればよい。例えば、分割領域の数より少ない数のアクチュエータにより駆動装置を構成してもよい。また、複数の分割領域の中から任意に選択した少なくとも1つの分割領域の位置と他の分割領域の位置を異ならせる方法としては、少なくとも1つの分割領域の位置を他の分割領域の位置に対して移動させる方法、他の分割領域の位置を少なくとも1つの分割領域の位置に対して移動させる方法、少なくとも1つの分割領域および他の分割領域の双方を移動させる方法を用いることができる。
駆動装置を構成する、分割領域を寝床面に交差する方向に沿って移動させるアクチュエータとしては、電気式、機械式、油圧式、空気式等の公知の種々の形式のアクチュエータを用いることができる。
寝床面に横になっている人の所定部位に加わる荷重が減少するように駆動装置を作動させる方法としては、寝床面に横になっている人の体格等に応じて設定あるいは選択することもできる。また、荷重を減少させる所定部位が、異なる分割領域あるいは同じ分割領域内に複数存在する場合には、順次各所定部位に加わる荷重が減少するように、駆動装置を異なるタイミングで順次作動させることもできる。また、荷重を減少させる部位が複数存在する場合には、予め定めた優先順位に基づいて、各所定部位に加わる荷重が減少するように駆動装置を作動させることもできる。
実施の形態では、ベッドに設けられているマットレスの寝床面に横になっている人の床ずれを防止する場合について説明したが、本発明の床ずれ防止装置は、マットレス以外の敷布団等の種々の寝床の寝床面に横になっている人の床ずれを防止するために用いることができる。
寝床面に横になっている人の所定部位としては、好適には床ずれが発生し易い部位が設定されるが、床ずれが発生し易い部位全てを所定部位として設定する必要はなく、床ずれが発生し易い部位の中から選択した部位を所定部位として設定することもできる。
実施の形態では、寝床面に横になっている人の床ずれを防止する場合について説明したが、本発明の床ずれ防止装置は、床ずれが発生し易い状態にある人の床ずれを防止するために用いることもできる。
実施の形態で説明した各構成は、単独で用いることもできるし、適宜選択した複数の構成を組み合わせて用いることもできる。