特開2015-171514(P2015-171514A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-171514(P2015-171514A)
(43)【公開日】2015年10月1日
(54)【発明の名称】定量シリンジ型噴出器
(51)【国際特許分類】
   A61M 15/08 20060101AFI20150904BHJP
   A61M 11/00 20060101ALI20150904BHJP
【FI】
   A61M15/08
   A61M11/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-49300(P2014-49300)
(22)【出願日】2014年3月12日
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 欣浩
(72)【発明者】
【氏名】角田 義幸
(57)【要約】
【課題】一度使用した後の再利用が防止できる、新規の定量シリンジ型噴出器を提供する。
【解決手段】本発明の定量シリンジ型噴出器1は、シリンジ2と、該シリンジ2の後端側より挿通され、その後端部に設けた操作部52の押圧によってピストンPを押し込んで内容液Mを噴出させるプランジャー3とを備え、プランジャー3の押し込み終了時に、該操作部52がシリンジ2の内側に引き戻し不能に収容されることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンジと、該シリンジの後端側より挿通され、その後端部に設けた操作部の押圧によってピストンを押し込んで内容液を噴出させるプランジャーとを備える定量シリンジ型噴出器であって、
前記プランジャーの押し込み終了時に、該操作部が前記シリンジの内側に引き戻し不能に収容されることを特徴とする定量シリンジ型噴出器。
【請求項2】
前記シリンジは、前記プランジャーの押し込み終了時に該操作部を内側に収容する収容筒部を有する、請求項1に記載の定量シリンジ型噴出器。
【請求項3】
前記プランジャーの押し込み終了時に、前記操作部の後端面が、前記シリンジの後端面と同一平面上または該シリンジの後端面よりも前方側に位置する、請求項1に記載の定量シリンジ型噴出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリンジと、このシリンジの後端側より挿通され操作部の押圧によってピストンを押し込んで内容液を噴出させるプランジャーとを備える定量シリンジ型噴出器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
薬液等の内容液を噴出させるシリンジ型の噴出器としては、例えば特許文献1に記載したような、先端にピストンを有し、後端に弾性アーム(弾性片)を有するプランジャー本体部(第1シャフト部材)と、このプランジャー本体部の後端側に配置され、弾性アームを先端側に向けて押圧するプランジャー操作部材(第2シャフト部材)とからなるプランジャーを備え、この弾性アームに、シリンジの内周面を摺動しながら弾性アームを内向きに撓ませる摺動突起と、シリンジに係止されてプランジャーの押し込みを一時停止させる係止突起とを設けた定量シリンジ型噴出器が知られている。この定量シリンジ型噴出器によれば、一時停止したプランジャーの押し込みを緩め、或いは解除するだけで、再度プランジャーを押し込むことができるので、簡単な操作で内容液を小分けにして噴出させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−208603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載した定量シリンジ型噴出器は、内容液を全て注出した後にプランジャーを引き戻すことができるため、シリンジ内に新たな内容液を再充填することによって、これを複数回使用することが可能である。しかし、このような噴出器を使用する現場の状況等によっては、衛生面上、再利用することが好ましくない場合もある。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点を解決することを課題とするものであり、一度使用した後の再利用が防止できる、新規の定量シリンジ型噴出器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る定量シリンジ型噴出器は、シリンジと、該シリンジの後端側より挿通され、その後端部に設けた操作部の押圧によってピストンを押し込んで内容液を噴出させるプランジャーとを備える定量シリンジ型噴出器であって、
前記プランジャーの押し込み終了時に、該操作部が前記シリンジの内側に引き戻し不能に収容されることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る定量シリンジ型噴出器にあっては、前記シリンジは、前記プランジャーの押し込み終了時に該操作部を内側に収容する収容筒部を有することが好ましい。
【0008】
また、本発明に係る定量シリンジ型噴出器にあっては、前記プランジャーの押し込み終了時に、該操作部の後端面が、前記シリンジの後端面と同一平面上または該シリンジの後端面よりも前方側に位置することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、一度使用した後の再利用を防止することが可能な新規の定量シリンジ型噴出器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に従う定量シリンジ型噴出器の一実施形態につき、正面視での半断面図及びその一部拡大図である。
図2図1に示すプランジャーに関し、プランジャー本体部の一部とプランジャー操作部材とを模式的に示した分解斜視図である。
図3図1に示す定量シリンジ型噴出器に関し、プランジャーを押し込んでいく状況を説明する、(a)は1回目の噴出を開始した状態を示す断面図であり、(b)は1回目の噴出が終了した状態を示す断面図であり、(c)は2回目の噴出を開始するためにプランジャー操作部材の押し込みを緩めた状態、又は解除した状態を示す断面図であり、(d)は2回目の噴出が終了した状態を示す断面図である。
図4図1に示す定量シリンジ型噴出器の変形例であって、(a)はこれに用いるプランジャー操作部材を示す半断面図であり、(b)は図4(a)のA矢視図であり、(c)は2回目の噴出が終了した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の定量シリンジ型噴出器を説明する。なお、本明細書、特許請求の範囲、及び要約書において、先端側とは、図1に示すシリンジ本体10を基準とする場合にノズル20が位置する側であり、後端側とはその逆側である。
【0012】
図1中、符号1は、本発明に従う定量シリンジ型噴出器の一実施形態を示す。定量シリンジ型噴出器1は、シリンジ2と、シリンジ2の後端側より挿通されるプランジャー3とを備えている。本実施形態におけるシリンジ2は、シリンジ本体10と、シリンジ本体10の先端側に取り付けられるノズル20と、シリンジ本体10の後端側に取り付けられるホルダー30によって構成されている。また、プランジャー3は、プランジャー本体部40と、プランジャー本体部40の先端側に取り付けられるピストンPと、プランジャー本体部40の後端側に取り付けられるプランジャー操作部材50によって構成されている。
【0013】
シリンジ本体10は、例えば合成樹脂やガラスによって形成される。シリンジ本体10は、内容液(例えば点鼻薬等)Mを充填可能な中空形状(本実施形態では円筒状)の胴部11を有し、この胴部11には、肩部12を介して胴部11よりも小径となる先端部13が一体に繋がる。先端部13の内側には、貫通孔14が形成されている。また胴部11の後端部には、胴部11の外周面から径方向(定量シリンジ型噴出器1の中心軸線Oに対して直交する向き)外側に突出する突起部15が設けられている。
【0014】
ノズル20は、先端部13に取り外し可能または取り外し不能に嵌合するノズル本体21を有する。ノズル本体21には、ノズルチップ22が内蔵されている。またノズル本体21の先端側には、ノズルチップ22に通じる噴出口23が形成されている。なお、ノズル20とシリンジ本体10とを一体に成型してもよい。
【0015】
ホルダー30は、本実施形態では合成樹脂によって形成している。ホルダー30は、径方向外側に向けて延在するとともに、その内部に突起部15を収容保持する凹部31aを有する板状の指掛け部31と、指掛け部31の後端面31bから後方に突出する環状の収容筒部32とを有する。なお、指掛け部31は、周方向の一部が切り欠かれていて、ここが凹部31aにつながっている。これによりホルダー30は、シリンジ本体10に対して径方向外側から内側に向かってスライドさせるようにして取り付けられる。
【0016】
指掛け部31には、プランジャー3を挿通させる開口部31cが形成されている。すなわち、開口部31cの内縁は、シリンジ本体10の内周面10aと連なるように設けられている。
【0017】
プランジャー本体部40は、その先端側に設けられる、例えばネジ状の先端部41と、この先端部41に一体に連結するとともに後方側に向けて延在するロッド部42とを備えている。本実施形態におけるロッド部42は、その先端側、及び後端側に配置される円板状のディスク42a、42bと、これらのディスク42a、42bとを一体に連結する断面十字形に組み合わせた縦長の4枚のプレート部42cとからなる。
【0018】
ここで、プランジャー本体部40の先端側には、先端部41にピストン(ガスケット)Pが保持される。ピストンPは、例えばゴムなどの弾性材料からなり、シリンジ本体10の内周面10aに摺動可能に当接する。ピストンPとシリンジ本体10との間には、内容液Mを充填する充填空間Sが形成される。
【0019】
プランジャー本体部40の後端側には、ディスク42bの中央部に一体に連結するシャフト43が設けられている。図2に示すようにシャフト43は、プレート部42cと略同径になる大径部43aと、大径部43aよりも径の小さい小径部43bとを有する。またシャフト43には、軸線Oを挟んで反対側の位置にそれぞれ、大径部43aから小径部43bの途中にかけて平坦に窪ませた窪み面43cが形成されている。更に小径部43bは、その後端側に軸線O周りを周回する環状溝43dが形成されている。小径部43bに環状溝43dが形成されていることで、シャフト43の後端には、ヘッド43eが形成される。ヘッド43eは、先端側から後端側に向かって先細りとなる傾斜面43fを有する。
【0020】
ディスク42bには、2つの弾性アーム44が、シャフト43を挟んで対向する位置(窪み面43cに対向する位置)に一体に設けられている。弾性アーム44は、平板状に形成され、ディスク42bに一体に連結する固定端44aから軸線Oに沿って延在する。弾性アーム44は、その後端部に先端側に向かう外力が加えられると、図1に示す初期位置から固定端44aを起点に内向き(軸線Oに近づく向き)に撓み、また、外力を解除することによって、固定端44aを起点に初期位置に復元する。なお、本実施形態では、弾性アーム44は、撓みやすく、また復元しやすい肉厚に形成されている。また、本実施形態では弾性アーム44をディスク42bから延びる構成としているが、これに限定されず、弾性アーム44をシャフト43から一体に延設させてもよい。
【0021】
弾性アーム44は、径方向外側に向けて突出する突起(摺動突起)45を有する。摺動突起45の外径は、内周面10aの内径よりも大きくなるように設定されている。また、摺動突起45は、弾性アーム44の固定端44aに向かって先細りに傾斜する傾斜面45aを有する。このような構成により、プランジャー本体部40がシリンジ本体10内に押し込まれる際、傾斜面45aが開口部31cの内縁に接触し、弾性アーム44における内向きの撓みを誘発させることができるので、弾性アーム44をシリンジ本体10内へ容易に進入させることができる。また、プランジャー本体部40がシリンジ本体10内へ押し込まれる際、摺動突起45は内周面10aに対して摺動可能に当接する。
【0022】
また弾性アーム44は、図2に示すように、その後端部に一体に連結するとともに径方向外側に突出する突起(係止突起)46を有する。係止突起46は、摺動突起45よりも後端側に、且つ摺動突起45に対して間隔をあけて設けられている。係止突起46の径方向外側端での外径は、図3(b)に示すように摺動突起45が内周面10aに当接する状態で、開口部31cの内径よりも大きくなるように設定されている。これにより、プランジャー本体部40がシリンジ本体10内に押し込まれていくと、係止突起46が指掛け部31の後端面31b(開口部31cの内縁)に係止される。
【0023】
ここで、弾性アーム44の自由端44b(係止突起46の後端側の面)は、図1の拡大図に示すように軸線Oと直交する面(水平面)Fに対し、径方向外側に向かうにつれて後端側から先端側に向かって角度θで傾斜するテーパ面として形成されている。例えば、角度θは、弾性アーム44が固定端44aを起点に内向きに撓んだ時に、自由端44bが水平線Fと平行になるように設定する。なお、θの値は、定量シリンジ型噴出器1の大きさ等に応じて、適宜変更することができる。
【0024】
加えて、図1の拡大図に示すように、係止突起46の径方向内側には段差47が設けられている。段差47は、水平方向に延在する平坦な段差底面47aと、この段差底面47aに繋がる段差側面47bで形作られる。また段差側面47bは、段差底面47aから弾性アーム44の自由端44bに向かって径方向外側に傾斜するテーパ面として形成されている。
【0025】
プランジャー操作部材50は、図2に示すように円筒状の本体51を有し、本体51の後端には、使用者が指を直接押し当てる部位となる円板状の操作部52が一体に設けられている。本実施形態において、操作部52の外径は本体51の外径よりも大きく、収容筒部32の内径よりも僅かに小さく設定されているが、これに限定されるものではなく、操作部52の外径は本体51の外径と同径としてもよい。本体51の内周面には径方向内側に向けて突出する環状突起53が設けられている。本体51の内径は、シャフト43の小径部43bの外径と同等又は僅かに大きく設定されていて、環状突起53の径方向内側端における内径は、環状溝43dの外径と同等以上シャフト43の小径部43bの外径未満に設定されている。また、環状突起53の軸線方向長さは、環状溝43dの軸線方向長さ未満に設定されている。これにより、シャフト43を本体51に挿入することで、プランジャー操作部材50は、プランジャー本体部40に対してスライド可能に抜け止め保持される。なお、シャフト43を本体51に挿入する際、シャフト43の傾斜面43fが環状突起53に接触してヘッド43eに対する乗り越えを誘導するので、組み立て作業が容易になる。
【0026】
また、本体51には、先端側から後端側に向かう切欠き54が形成されている。本実施形態では、弾性アーム44に対応して軸線Oを挟んで向かい合う2箇所の位置に形成されている。切欠き54は、弾性アーム44の横幅よりも僅かに広い幅を有し、弾性アーム44を動作可能に収容することで、弾性アーム44の径方向に沿った動きを保証する。
【0027】
また、図2に示す切欠き54の後端側の端部は、先端側へスライドした際に弾性アーム44に突き当たる突き当たり端部55として機能する。図1の拡大図に示すように突き当たり端部55は、水平状に延在する突き当たり端面55aと、軸線Oに沿って延在する突き当たり側面55bで形作られている。突き当たり端面55aは、弾性アーム44に設けた段差底面47aを受圧面とする押圧面として機能する。すなわち、操作部52に押圧力を付与することで、突き当たり端面55aは、プランジャー本体部40の段差底面47aを押圧し、これにより、プランジャー本体部40をシリンジ本体10内に押し込むことができる。また突き当たり側面55bは、弾性アーム44の段差側面47bに当接する際、弾性アーム44が径方向内側に向けて倒れ込まないように拘束することができる。
【0028】
次に、上述した構成になる定量シリンジ型噴出器1の使用方法を説明する。使用者は先ず、図1図3(a))に示す状態で、例えば人差し指と中指を指掛け部31にあてがい、操作部52を親指で押さえて定量シリンジ型噴出器1を保持する。そして、プランジャー操作部材50を親指で押し込むと、傾斜面45aが開口部31cの内縁に接触し、弾性アーム44が内向きに撓みながらシリンジ本体10内へ進入する。この時、プランジャー操作部材50によって押し込まれたプランジャー本体部40は、ピストンPを先端側に向けて押し込むため、充填空間S内の内容液Mは、貫通孔14、及びノズルチップ22を介して噴出口23から噴出される(1回目の噴出開始)。
【0029】
プランジャー操作部材50への押圧を継続すると、摺動突起45がシリンジ本体10の内周面10aに対して摺動しつつプランジャー本体部40が先端側に向けて押し込まれる。そして図3(b)に示すように、弾性アーム44の係止突起46が指掛け部31の後端面31b(開口部31cの内縁)に当接した時点でプランジャー操作部材50を押し込むことができなくなるので、充填空間Sに内容液Mを残した状態で1回目の噴出は終了する。なお、この状態において、弾性アーム44は、固定端44aを起点に内向きに撓んでおり、また、図1の拡大図に示すようにプランジャー操作部材50の突き当たり端面55aは、弾性アーム44の段差底面47aに接触するとともに、突き当たり側面55bは、段差側面47bの内側に収容されている状態になっている。このため、弾性アーム44の自由端44bは径方向に変形することが拘束され、固定端44aと自由端44bの間の中間部分が内向きに撓んだ状態となる。また、図2に示すようにシャフト43には、弾性アーム44に対向する位置に窪み面43cを設けているので、弾性アーム44が内向きに撓んだ状態でもシャフト43に干渉することがない。このため、プランジャー操作部材50の径方向寸法を大径化させることなく、弾性アーム44の撓み量を大きく確保している。なお、図示は省略するが、例えばシリンジ本体10の内周面10aに凹部や凸部を形成し、1回目の噴出が終了した時点でこの段部に摺動突起45が係止されるようにしてもよい。この場合は、1回目の噴出が終了した位置からプランジャー本体部40が後端側に移動することがないので、正確な噴出量が達成できる。
【0030】
次いで、プランジャー操作部材50の押し込みを緩め、或いは解除すると、図3(c)に示すように、弾性アーム44の固定端44a側は、シリンジ本体10の内周面10aに当接する摺動突起45によって拘束されて内側に変形したままであるので、弾性アーム44の自由端44b側だけが、摺動突起45を起点として斜め内向きに変形(復元)する。これにより、係止突起46が斜め内向きに変位して、係止突起46と後端面31bとの係止状態が自動的に解除される。なお、図1の拡大図に示すように段差側面47bは、テーパ面として形成されている。これにより段差側面47bは、弾性アーム44が復元する際に、突き当たり端部55を後端側に押し出すように作用するため、係止状態の解除がより確実に行われる。なお、係止状態の解除は、プランジャー操作部材50を指で摘まんで後端側へ引き戻すような構成を採用してもよい。
【0031】
そして、図3(c)の状態から再びプランジャー操作部材50を押し込めば、突き当たり端面55aが自由端44bを押圧して2回目の噴出が可能になる。なお、図1の拡大図に示すように、弾性アーム44の自由端44bには角度θのテーパをつけているので、図3(c)に示す弾性アーム44の自由端44b側が復元した状態では、この自由端44bは突き当たり端面55aと平行に近い状態になる。このため、プランジャー本体部40の押し込みを円滑に行うことができる。
【0032】
プランジャー操作部材50を最後まで押し込んで2回目の噴出が終了した時点(図3(d)に示す状態)において、操作部52はシリンジ2の内側、より具体的には、指掛け部31に設けた収容筒部32の内側に収容される。これにより、プランジャー操作部材50を指で摘まむことができなくなるため、プランジャー3の引き戻しを防止することができる。その結果、シリンジ本体10内に内容液を再充填することができなくなり、定量シリンジ型噴出器1の再利用を防止することができる。
【0033】
なお、本実施形態の定量シリンジ型噴出器1にあっては、プランジャー3の押し込み終了時に操作部52の後端面52aが、シリンジ2の収容筒部32の後端面32aと同一平面上または収容筒部32の後端面32aよりも前方側に位置することが好ましい。これにより、より確実に、プランジャー3の引き戻しを防止することができる。
【0034】
図4(a)〜(c)は、上述した定量シリンジ型噴出器1の変形例であり、異なる構成のプランジャー操作部材150を有する定量シリンジ型噴出器100を示す。図4(a)、(b)に示すように、プランジャー操作部材150は、本体51の側壁に設けられた一対の弾性片56を有する。弾性片56は、本体51に一体連結する固定端56aから軸線Oに沿って延び、固定端56aを起点に、内向き(軸線Oに近づく向き)に弾性変形可能に形成されている。なお、本実施形態において弾性片56は、撓みやすく、また復元しやすい肉厚に形成されている。
【0035】
弾性片56の先端部には、径方向外側に向けて突出する突起56bが設けられており、突起56bの外径は、指掛け部31開口部31cの内径よりも大きくなるように設定されている。また、突起56bは、固定端56aに向かって先細りに傾斜する傾斜面56cを有する。
【0036】
本実施形態の定量シリンジ型噴出器100を使用する際には、先の実施形態と同様に、プランジャー操作部材150の操作部52を押圧することによりプランジャー本体部40をシリンジ本体10内へ押し込み、1回目の噴出を終了させる。その後、2回目の噴出に際し、プランジャー操作部材150をシリンジ本体10内へ押し込むと、傾斜面56cが開口部31cの内縁に接触して弾性片56の内向きの撓みを誘発させる。プランジャー操作部材150への押圧を継続して2回目の噴出が終了した時点において、図4(c)に示すように、突起56bは、開口部31cの内縁(指掛け部31の後端側の壁31d)よりも先端側に位置する。このため、弾性片56が径方向外側に向けて復元して、突起56bの径方向外端が開口部31cの内縁よりも外側に張り出し、突起56bが指掛け部31の後端側の壁31dに係止されることとなる。その結果、プランジャー操作部材150を後端側に引き戻すことが阻止されるので、より確実に、定量シリンジ型噴出器100の再利用を防止することができる。なお、本実施形態においては、収容筒部32を設けず、操作部52が露出していてもプランジャー3の引き戻しを確実に防止することができる。
【0037】
本発明に従う定量シリンジ型噴出器は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に従う範囲で種々の変更が可能である。例えば、操作部52の外形を開口部31cよりも小さく設定して、プランジャー3の押し込み終了時に操作部52が開口部31cに収容される構成としてもよい。この場合、収容筒部32を設ける必要がなくなり、噴出器全体としての形状を小型化することができる。なお、この場合にも、操作部52の後端面52aが、指掛け部31の後端面31bと同一平面上または指掛け部31の後端面31bよりも前方側に位置することが好ましい。これにより、より確実に、プランジャー3の引き戻しを防止することができる。また、シリンジ本体の突起部、及びホルダーの指掛け部を省略してもよく、この場合は例えば、シリンジ本体の外周面をホルダーの内周面で嵌合保持するようにすればよい。また、シリンジ本体の肩部、先端部を省略するとともに、シリンジ本体の胴部にノズルを直接取り付けるように構成することも可能である。また、プランジャー本体部に設けたシャフトと、このシャフトを挿通させるプランジャー操作部材の貫通孔とを相互に入れ換えるようにして、プランジャー操作部材に、後端側から先端側に向けて延在するシャフトを設け、プランジャー本体部に、このシャフトを挿通する凹部(孔)を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明は、シリンジと、シリンジ内に押し込み可能なプランジャーとを備える定量シリンジ型噴出器であれば、様々な形態のものに採用することができ、内容液も様々なものを
採用することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 定量シリンジ型噴出器
2 シリンジ
3 プランジャー
10 シリンジ本体
10a 内周面
11 胴部
12 肩部
13 先端部
14 貫通孔
15 突起部
20 ノズル
21 ノズル本体
22 ノズルチップ
23 噴出口
30 ホルダー
31 指掛け部
31a 凹部
31b 後端面
31c 開口部
31d 後端側の壁
32 収容筒部
32a 後端面
40 プランジャー本体部
41 先端部
42 ロッド部
42a、42b ディスク
42c プレート部
43 シャフト
43a 大径部
43b 小径部
43c 窪み面
43d 環状溝
43e ヘッド
43f 傾斜面
44 弾性アーム
44a 固定端
44b 自由端
45 摺動突起
45a 傾斜面
46 係止突起
47 段差
47a 段差底面
47b 段差側面
50 プランジャー操作部材
51 本体
52 操作部
52a 後端面
53 環状突起
54 切欠き
55 突き当たり端部
55a 突き当たり端面
55b 突き当たり側面
M 内容液
P ピストン
S 充填空間
図1
図2
図3
図4