特開2015-171943(P2015-171943A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-171943(P2015-171943A)
(43)【公開日】2015年10月1日
(54)【発明の名称】搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/24 20060101AFI20150904BHJP
   B65G 43/00 20060101ALI20150904BHJP
【FI】
   B66F9/24 G
   B65G43/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-49332(P2014-49332)
(22)【出願日】2014年3月12日
(71)【出願人】
【識別番号】000006297
【氏名又は名称】村田機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】藤原 実
【テーマコード(参考)】
3F027
3F333
【Fターム(参考)】
3F027AA10
3F027CA01
3F027DA01
3F027EA01
3F027FA15
3F333AA02
3F333AE02
3F333BD01
3F333FA16
3F333FA21
3F333FB05
3F333FB06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】部品点数を増やすことなく、荷物の重量に応じた適切な速度制御を実現する。
【解決手段】フォークリフトは、荷物を搬送する搬送装置である。フォークリフトは、昇降装置と、コントローラとを備えている。昇降装置は、荷物が搭載されるフォーク爪と、フォーク爪を昇降する油圧アクチュエータとを有する。コントローラは、油圧アクチュエータが荷物搭載状態のフォーク爪を上昇させるときに、基準上昇開始時T1から実際に上昇動作が開始される時T2又はT3までの遅延時間t1又はt2を測定する。コントローラは、遅延時間測定に用いられた荷物がフォーク爪に搭載された状態で、測定された遅延時間t1又はt2に基づいて、より重い荷物が搭載される場合により小さな減速度を選んで減速制御を実行する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を搬送する搬送装置であって、
前記荷物が搭載される搭載部と、前記搭載部を昇降する昇降部とを有する昇降装置と、
前記昇降部が荷物搭載状態の搭載部を上昇させるときに、基準上昇開始時から実際に上昇動作が開始されるまでの遅延時間を測定する遅延時間測定部と、
遅延時間測定に用いられた荷物が前記搭載部に搭載された状態で、測定された遅延時間に基づいて、より重い荷物が搭載される場合により小さな減速度を選んで減速制御を実行する減速制御部と、
を備える、搬送装置。
【請求項2】
前記昇降部は、油圧駆動装置である、請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記減速制御部が減速制御を行う対象は、前記昇降部による前記搭載部の上昇動作である、請求項1又は2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記昇降部による前記搭載部の上昇動作量を検出するセンサをさらに備え、
前記遅延時間測定部は、前記センサが前記搭載部の所定量を超えた上方移動を検出すれば、前記搭載部が上昇動作を開始したと判定する、請求項1〜3のいずれかに記載の搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置に関し、特に、搭載部を昇降可能な搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
荷物を自動的に搬送する装置としては、例えば、自動倉庫におけるスタッカクレーン、無人フォークリフトなどがある。これらの搬送装置では、フォークなどの移載装置が昇降装置によって上下方向に移動させられる(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−199404号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のスタッカクレーンでは、クレーンの昇降台に搭載された検出手段が荷物の重量を検出し、次に速度制御手段が荷物の重量に基づいてクレーンの走行速度を制御している。
上記のスタッカクレーンでは、荷物の重量を検出する手段として、荷重計およびモータの電流値に基づいて荷重を検出する方法が開示されている。このように荷重計を用いずに荷重を測定する方法では、装置の部品点数は少なくなる。しかし、この検出方法は、荷重検出のためにモータを用いることを前提としており、モータを用いない構成では実現できない。
【0005】
本発明の課題は、部品点数を増やすことなく、荷物の重量に応じた適切な速度制御を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下に、課題を解決するための手段として複数の態様を説明する。これら態様は、必要に応じて任意に組み合せることができる。
【0007】
本発明の一見地に係る搬送装置は、荷物を搬送する搬送装置である。搬送装置は、昇降装置と、遅延時間測定部と、減速制御部とを備えている。
昇降装置は、荷物が搭載される搭載部と、搭載部を昇降する昇降部とを有する。なお、「荷物が搭載される」とは、荷物が載置される、荷物が把持されるというように荷物が搭載部に支持されることで一体に移動可能となった状態をいう。
遅延時間測定部は、昇降部が荷物搭載状態の搭載部を上昇させるときに、基準上昇開始時から実際に上昇動作が開始されるまでの遅延時間を測定する。
減速制御部は、遅延時間測定に用いられた荷物が搭載部に搭載された状態で、測定された遅延時間に基づいてより重い荷物が搭載される場合により小さな減速度を選んで減速制御を実行する。
この装置では、遅延時間に基づいて、搭載された荷物の荷重に関する情報を取得することができ、制御部はその情報に基づいて減速制御を行う。したがって、部品点数を増やすことなく、荷物の重量に応じた適切な速度制御が行われる。具体的には、より重い荷物が搭載される場合により小さな減速度が選ばれるので、停止時の衝撃を低減できる。その結果、重量物であっても荷くずれが生じにくく、さらには停止位置の精度も向上する。なお、従来であれば荷物が重い場合は意図通りの動作が出来なくて位置ずれが発生するという問題があったが、この装置では減速度を落とすことでき、その結果、位置決め精度が向上する。
なお、減速制御の対象は、昇降部による搭載部の昇降動作、他の装置の移動動作を含んでいる。
【0008】
昇降部は、油圧駆動装置であってもよい。
この装置では、遅延時間と荷物の荷重との関係が正確に得られる。
【0009】
減速制御部が減速制御を行う対象は、昇降部による搭載部の上昇動作であってもよい。
この装置では、昇降部が搭載部を上昇させるときに、遅延時間に基づいて搭載部を減速制御できる。
【0010】
搬送装置は、昇降部による搭載部の上昇動作量を検出するセンサをさらに備えていてもよい。その場合、遅延時間測定部は、センサが搭載部の所定量を超えた上方移動を検出すれば、搭載部が上昇動作を開始したと判定する。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る搬送装置では、移載装置の上昇開始までの遅延時間に基づいて搭載部が減速制御されるので、部品点数を増やすことなく、荷物の重量に応じた適切な速度制御が実現される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態としてのフォークリフトの側面図。
図2】フォークリフトの制御構成を示すブロック図。
図3】コントローラの機能ブロック図。
図4】フォーク上昇動作の制御動作を示すフローチャート。
図5】フォークリフト上昇動作における時間に対する速度の変化を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(1)フォークリフトの構造
図1及び図2を用いて、本発明の一実施形態に係るフォークリフト1を説明する。図1は、本発明の一実施形態としてのフォークリフトの側面図である。図2は、フォークリフトの制御構成を示すブロック図である。
フォークリフト1は、荷物Wを平面方向に搬送する機能と、荷物Wを上下方向に搬送する機能を有している。
【0014】
フォークリフト1は、例えば、自動で荷物を搬送する機械であり、走行装置3と、走行装置3に設けられた昇降装置5とを有している。
走行装置3は、図2に示すように、走行モータ11及び車輪17を有している。走行モータ11は、バッテリからの電力によって駆動される。走行モータ11からの出力は、図示しないディファレンシャルギアを介して車輪17に伝達される。
昇降装置5は、油圧駆動によって上下動する装置であり、油圧ポンプ19と、流量制御装置21と、油圧アクチュエータ25と、フォーク爪23とを有している。
油圧ポンプ19は、電動駆動される。
【0015】
フォーク爪23には、パレットP及び荷物Wが載置される。フォーク爪23は、図1に示すように、走行装置3の前側に設けられ、さらに上下方向に移動可能になっている。また、走行装置3の前側には,フォーク爪23の上下移動をガイドするガイドポール27が設けられている。この実施形態では、フォーク爪23の上には、パレットPが配置され、さらにその上に荷物Wが載置される。なお、「荷物」及び「荷物の荷重」とは、パレットPを含んでいてもよいし、パレットPを含んでいなくてもよい。
図2に示すように、油圧アクチュエータ25は、フォーク爪23を昇降させる装置である。油圧アクチュエータ25は、油圧ポンプ19から供給される作動油によって駆動される。なお、油圧ポンプ19と油圧アクチュエータ25の間には、流量制御装置21が設けられている。流量制御装置21は、油圧アクチュエータ25に供給される作動油の流量制御する複数のバルブ及びバルブ駆動部からなる。
フォークリフト1は、さらに、フォーク爪23を前後に移動させるスライド装置(図示せず)を有している。
【0016】
コントローラ31は、CPU、RAM及びROMを有するコンピュータからなり、走行モータ11、油圧ポンプ19、流量制御装置21及びその他の装置を制御可能である。コントローラ31には、各種スイッチ33から操作信号が入力される。また、コントローラ31には、各種センサ35から検出信号が入力される。各種センサ35は、フォーク爪23に荷物Wが検出されたことを検出するためのセンサを含む。
【0017】
コントローラ31には、さらに、上昇動作量検出センサ37から検出信号が入力される。上昇動作量検出センサ37は、フォーク爪23の上昇動作量を検出するための装置である。上昇動作量検出センサ37は、例えば、フォーク爪23の高さ位置を検出するためのレーザセンサといった距離センサである。上昇動作量検出センサ37は、回転部材の回転量を検出するためのエンコーダであってもよい。
【0018】
図3を用いて、コントローラ31の機能をさらに詳細に説明する。図3は、コントローラの機能ブロック図である。
コントローラ31は、遅延時間測定部81と、減速制御部82と、速度制御部83と、記憶部84とを有している。
遅延時間測定部81は、油圧アクチュエータ25が荷物搭載状態のフォーク爪23を上昇させるときに、基準上昇開始時から実際に上昇動作が開始されるまでの遅延時間を測定する。
なお、基準上昇開始時は、例えば、荷物を搭載していない無負荷の上昇開始時である。なお、基準上昇開始時は、無負荷の場合に限定されず、例えば、所定の重量の基準荷物をフォーク爪23に搭載した場合の上昇開始時であってもよい。
【0019】
減速制御部82は、遅延時間測定に用いられた荷物Wが油圧アクチュエータ25に搭載された状態で、測定された遅延時間に基づいて油圧アクチュエータ25を減速制御する。より具体的には、減速制御部82は、記憶部84に保存された複数の減速パターン(図には、第1減速パターン61、第2減速パターン62及び第3減速パターン63が示されている)のうちいずれか1つを選択し、それを速度制御部83に送信する。速度制御部83は、減速時には、当該減速パターンに基づく制御信号を流量制御装置21に送信する。
【0020】
(2)フォーク爪の上昇動作制御
図4及び図5を用いて、コントローラ31によるフォーク爪23の上昇動作の制御を説明する。図4は、フォーク上昇動作の制御動作を示すフローチャートである。図5は、フォークリフトの上昇動作における時間に対する速度の変化を示すグラフである。グラフの横軸は時間を示し、縦軸はフォーク爪23の上昇速度を示している。
なお、以下に説明する制御動作は、全てのステップが必須ではなく、適宜省略可能である。また、各ステップの順番も限定されない。さらに、ステップの実行タイミングは互いに重なっていてもよい。
最初に、コントローラ31は加速制御を行う(ステップS1)。具体的には、コントローラ31は、油圧ポンプ19を駆動し、それにより、油圧アクチュエータ25を駆動することで、フォーク爪23を上方に加速しながら移動させることを開始する(ステップS1)。
【0021】
コントローラ31は、上昇動作量検出センサ37からの検出信号に基づいて、フォーク爪23が上昇するのを待つ(ステップS2)。なお、「フォーク爪23が上昇する」とは、フォーク爪23が最低限の所定量を超えて上方に移動することをいう。ここでフォーク爪23の上昇の基準を「最低限の所定量」した理由は、重量物を搭載することでフォーク爪23の上昇が遅れる場合には、所定時間内にフォーク爪23が全く動かない場合と、動きはするが所定時間内に所定量に達しない場合とが含まれるためである。
コントローラ31(具体的には,遅延時間測定部81)は、フォーク爪23の動作開始遅延時間を測定する(ステップS3)。「フォーク爪23の動作開始遅延時間」とは、例えば、コントローラ31が動作開始信号を送信して荷物Wを積んでいないときにフォーク爪23が移動を開始する時を基準に、その時から荷物Wが積まれている場合に上昇動作が開始されるまでの時間を意味する。
【0022】
このように、コントローラ31は、油圧アクチュエータ25が荷物搭載状態のフォーク爪23を上昇させるときに、基準上昇開始時T1から実際に上昇動作が開始される時T2又はT3までの遅延時間t1又はt2を測定する。
例えば荷物Wが全く積まれていない場合は、図5において、実線51で示すように、基準上昇開始時T1にフォーク爪23が上昇を開始する。
比較的軽い荷物Wが積まれている場合は、図5において、一点鎖線52で示すように、基準上昇開始時T1より遅い時T2にフォーク爪23が上昇を開始する。
【0023】
比較的重い荷物Wが積まれている場合は、図5において、二点鎖線53で示すように、時T2より遅い時T3にフォーク爪23が上昇を開始する。
なお、この実施形態ではそれぞれの場合で加速度パターンは同一であり、各加速度パターンでは加速度は一定である。別の実施形態としては、異なる加速度パターンを選んでもよいし、加速の途中で加速度を変更してもよい。
【0024】
コントローラ31(具体的には、減速制御部82)は、次に、減速条件を決定する(ステップS4)。具体的には、コントローラ31は、動作開始遅延時間に基づいて、減速パターンを決定する。前述のように減速パターンはあらかじめ複数用意されていてもよいし、毎回生成してもよい。減速条件の決定は、加速を行っている時間内であってもよいし、後述する一定速度の時間内であってもよい。
【0025】
コントローラ31は、次に、一定速度制御を行う(ステップ5)。
コントローラ31は、減速制御を行う(ステップS6)。このときに、先に決定した減速度パターンが用いられる。
【0026】
各減速パターンの減速度は、荷物が積まれていないときに最も大きくなり、荷物の荷重が大きくなるにつれて小さくなる。つまり、荷物が積まれていない場合にはフォーク爪23は短時間で停止する。また、減速度は、荷物が積まれている場合は、当該荷物によって停止時に衝撃が生じない範囲で最も大きくなるように設定される。以上により、フォーク爪23の上昇動作が短時間で完了する。
【0027】
この実施形態では、基準上昇開始時T1で上昇動作を開始した場合は、最も大きい第1減速パターン61が選択される。
また、T2で上昇動作を開始した場合、次に小さい第2減速パターン62が選択される。第2減速パターン62は、第1減速パターン61の減速開始時T6より時間t3早い減速開始時T5が設定されている。
さらに、T3で上昇動作を開始した場合は、最も小さい第3減速パターン63が選択される。第3減速パターン63は、第1減速パターン61の減速開始時T6より時間t4早い減速開始時T5が設定されている。
【0028】
以上に述べたように、コントローラ31は、測定された遅延時間t1又はt2に基づいて、遅延時間測定に用いられた荷物Wがフォーク爪23に搭載された状態で、油圧アクチュエータ25を減速制御する。
【0029】
前記実施形態では、荷物の重量に関する情報を用いて、フォーク爪の上昇動作の減速制御を行っていた。しかし、荷物の重量に関する情報を用いた減速制御の対象は、前記実施形態に限定されず、フォーク爪の下降動作、走行装置の走行動作であってもよい。
【0030】
(3)実施形態の特徴
(A)フォークリフト1(搬送装置の一例)は、荷物W(荷物の一例)を搬送する搬送装置である。フォークリフト1は、昇降装置5(昇降装置の一例)と、コントローラ31とを備えている。
昇降装置5は、荷物Wが搭載されるフォーク爪23(搭載部の一例)と、フォーク爪23を昇降する油圧アクチュエータ25(昇降部の一例)とを有する。
コントローラ31(遅延時間測定部の一例)は、油圧アクチュエータ25が荷物W搭載状態のフォーク爪23を上昇させるときに、基準上昇開始時T1(基準上昇開始時の一例)から実際に上昇動作が開始される時T2又はT3(実際に上昇動作が開始されるまでの一例)までの遅延時間t1又はt2(遅延時間の一例)を測定する。
コントローラ31(減速制御部の一例)は、遅延時間測定に用いられた荷物Wがフォーク爪23に搭載された状態で、測定された遅延時間t1又はt2に基づいて、より重い荷物が搭載される場合により小さな減速度を選んで減速制御を実行する。
この装置では、遅延時間に基づいて、搭載された荷物Wの荷重に関する情報を取得することができ、コントローラ31はその情報に基づいて減速制御を行う。したがって、適切な減速制御が行われる。具体的には、より重い荷物が搭載される場合により小さな減速度が選ばれるので、停止時の衝撃を低減できる。その結果、重量物であっても荷くずれが生じにくく、さらには停止位置の精度も向上する。なお、従来であれば荷物が重い場合は意図通りの動作が出来なくて位置ずれが発生するという問題があったが、この装置では減速度を落とすことでき、その結果、位置決め精度が向上する。
【0031】
(B)この実施形態では、昇降部は、油圧アクチュエータ25(油圧駆動装置の一例)である。
この装置では、遅延時間と荷物Wの荷重との関係が正確に得られる。
【0032】
(C)この実施形態は、コントローラ31が減速制御を行う対象は、油圧アクチュエータ25によるフォーク爪23の上昇動作である。
この装置では、油圧アクチュエータ25がフォーク爪23を上昇させるときに、遅延時間に基づいてフォーク爪23を減速制御できる。
【0033】
(D)フォークリフト1は、油圧アクチュエータ25によるフォーク爪23の上昇動作量を検出する上昇動作量検出センサ37(センサの一例)がさらに備えている。その場合、コントローラ31は、上昇動作量検出センサ37がフォーク爪23の所定量を超えた上方移動を検出すればフォーク爪23が上昇動作を開始したと判定する。
【0034】
(4)他の実施形態
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。特に、本明細書に書かれた複数の実施形態及び変形例は必要に応じて任意に組み合せ可能である。
【0035】
ガイドポストに複数の被検知片であるドッグが設けられて、フォーク爪の高さ位置を検出するセンサは、フォーク部材に設けられたリミットスイッチであってもよい。
フォーク爪の高さ位置を検出するセンサは、巻き取りドラムドラムに巻き取り可能なワイヤをフォーク部材に接続して、さらに巻き取りドラムに回転型ポテンショメータからなる回転量検出器を設けることで実現してもよい。
【0036】
油圧駆動システムの種類は特に限定されない。1ポンプ1モータ形式、1ポンプ2モータ形式、2ポンプ2モータ形式のいずれでもよい。
【0037】
本発明は、油圧シリンダでテーブルを昇降させる油圧リフタにも適用できる。
前記実施形態では油圧駆動システムを用いたが、本発明は各種モータによって駆動されるシステムにも適用できる。
本発明は、自動倉庫に用いられるスタッカクレーンにも適用できる。
【0038】
減速パターンの数は前記実施形態に限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、移載装置を昇降可能な搬送装置に広く適用できる。
【符号の説明】
【0040】
1 :フォークリフト
3 :走行装置
5 :昇降装置
11 :走行モータ
17 :車輪
19 :油圧ポンプ
21 :流量制御装置
23 :フォーク爪
25 :油圧アクチュエータ
27 :ガイドポール
31 :コントローラ
33 :スイッチ
35 :センサ
37 :上昇動作量検出センサ
81 :遅延時間測定部
82 :減速制御部
83 :速度制御部
84 :記憶部
P :パレット
W :荷物
図1
図2
図3
図4
図5