前記成分(A)がパルミチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン又はベヘニルジメチルアミノ酢酸ベタインである、請求項1〜4の何れかに記載の毛髪用洗浄剤組成物。
前記成分(B)がラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン又はパーム核油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインである、請求項3〜5の何れかに記載の毛髪用洗浄剤組成物。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、泡量、泡質、洗髪時の指通りに優れ、且つ濯ぎ時においても指通りが良好で、乾燥後の髪のまとまり感に優れた毛髪用洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、特定の長鎖アルキルベタイン型界面活性剤を含有させることにより、カチオン化ポリマーなどのコンディショニング剤を配合することを特別に必要とすることなく、泡量、泡質、洗髪時の指通りに優れ、且つ濯ぎ時においても指通りが良好で、乾燥後の髪のまとまり感に優れた毛髪用洗浄剤となること、また同時にその長鎖アルキルベタイン型界面活性剤に特定成分を配合することにより、当該長鎖アルキルベタイン型界面活性剤のハンドリング性を改良できることを見出し、本発明の完成に至った。
【0006】
すなわち本発明は、以下の項目を要旨とする毛髪洗浄剤組成物、界面活性剤組成物及びハンドリング性を向上させる方法を提供するものである。
【0007】
(項1)
アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一種を含有する毛髪用洗浄剤組成物であって、
成分(A):一般式(1)
【化1】
[式中、R1は炭素数16〜22の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基を表す。R2及びR3は、同一又は異なって、それぞれ炭素数1〜3の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はヒドロキシエチル基を表す。]で表される長鎖アルキルベタイン型界面活性剤を含有することを特徴とする毛髪用洗浄剤組成物。
【0008】
(項2)
前記成分(A)が、界面活性剤の全重量に対して0.1%以上含有することを特徴とする項1に記載の毛髪用洗浄剤組成物。
【0009】
(項3)
さらに、成分(B):
一般式(2)
【化2】
[式中、R4は炭素数8〜14の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基を表す。R5及びR6は、同一又は異なって、それぞれ炭素数1〜3の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はヒドロキシエチル基を表す。]で表される中鎖アルキルベタイン型界面活性剤及び/又は
一般式(3)
【化3】
[式中、R7は炭素数7〜21の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基を表す。R8は水素原子又は炭素数1〜3の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。R9及びR10は、同一又は異なって、それぞれ炭素数1〜3の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はヒドロキシエチル基を表す。pは、1〜4の整数を表す。]
で表されるアミドアルキルベタイン型界面活性剤を含有する項1又は項2に記載の毛髪用洗浄剤組成物。
【0010】
(項4)
前記成分(A)と成分(B)の含有量の割合が、(A)/(B)=1/9〜7/3(重量比)の範囲である、項3に記載の毛髪用洗浄剤組成物。
【0011】
(項5)
前記成分(A)がパルミチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン又はベヘニルジメチルアミノ酢酸ベタインである、項1〜4の何れかに記載の毛髪用洗浄剤組成物。
【0012】
(項6)
前記成分(B)がラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン又はパーム核油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインである、項3〜5の何れかに記載の毛髪用洗浄剤組成物。
【0013】
(項7)
成分(A):一般式(1)
【化4】
[式中、R1は炭素数16〜22の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基を表す。R2及びR3は、同一又は異なって、それぞれ炭素数1〜3の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はヒドロキシエチル基を表す。]で表される長鎖アルキルベタイン型界面活性剤及び
成分(B):一般式(2)
【化5】
[式中、R4は炭素数8〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基を表す。R5及びR6は、同一又は異なって、それぞれ炭素数1〜3の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はヒドロキシエチル基を表す。]で表される中鎖アルキルベタイン型界面活性剤及び/又は
一般式(3)
【化6】
[式中、R7は炭素数7〜21の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基を表す。R8は水素原子又は炭素数1〜3の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。R9及びR10は、同一又は異なって、それぞれ炭素数1〜3の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はヒドロキシエチル基を表す。pは、1〜4の整数を表す。]で表されるアミドアルキルベタイン型界面活性剤を含有する界面活性剤組成物。
【0014】
(項8)
前記成分(A)と成分(B)の含有量の割合が、(A)/(B)=1/9〜7/3(重量比)の範囲である、項7に記載の界面活性剤組成物。
【0015】
(項9)
成分(A):一般式(1)
【化7】
[式中、R1は炭素数16〜22の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。R2及びR3は、同一又は異なって、それぞれ炭素数1〜3の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はヒドロキシエチル基を表す。]で表される長鎖アルキルベタイン型界面活性剤に対して、
成分(B):
一般式(2)
【化8】
[式中、R4は炭素数8〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基を表す。R5及びR6は、同一又は異なって、それぞれ炭素数1〜3の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はヒドロキシエチル基を表す。]で表される中鎖アルキルベタイン型界面活性剤及び/又は
一般式(3)
【化9】
[式中、R7は炭素数7〜21の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基を表す。R8は水素原子又は炭素数1〜3の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基を表す。R9及びR10は、同一又は異なって、それぞれ炭素数1〜3の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はヒドロキシエチル基を表す。pは、1〜4の整数を表す。]で表されるアミドアルキルベタイン型界面活性剤を含有せしめることにより、前記成分(A)の長鎖アルキルベタイン型界面活性剤のハンドリング性を向上させる方法。
【0016】
(項10)
成分(A)に対して成分(B)を含有せしめる量の割合が、(A)/(B)=1/9〜7/3(重量比)の範囲である、項9に記載の方法。
【発明の効果】
【0017】
上記項1〜6に記載の発明によれば、本発明の毛髪用洗浄剤組成物は泡量、泡質、洗浄時(洗髪時)の指通りに優れ、且つ濯ぎ時においても指通りが良好で、乾燥後の毛髪のまとまり感に優れるものである。さらに、泡安定性(泡持続性)が良いものとなる。
又上記項7〜8に記載の発明よれば、本発明の界面活性剤組成物は優れたハンドリング性を有するものである。上記項9〜10に記載の発明によれば、本発明の方法により、上記一般式(1)で表される長鎖アルキルベタイン型界面活性剤のハンドリング性を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
上記項1〜6に記載された通り、特定のアルキルベタイン型界面活性剤を含有する毛髪用洗浄剤組成物は、洗浄時に良好な泡性能と洗浄感を与え、濯ぎ時において良好な感触を満足し、乾燥後の毛髪のまとまり感にも優れているものである。
即ち、成分(A)である特定の長鎖アルキル鎖を有するアルキルベタイン型界面活性剤を含有させることにより、泡粘度が増大し、泡密度の高くなり、もっちりとしたクリーミーな泡が得られると共に、洗浄時に優れた指通りや感触、乾燥後に優れた毛髪はまとまり感を得ることができるものとなる。
また、項7〜8に記載された通り、上記成分(A)と成分(B)である特定の中鎖アルキル鎖を有するアルキルベタイン型界面活性剤及び/又は特定のアミドアルキルベタイン型界面活性剤とからなる界面活性剤組成物とすることにより、ハンドリング性が良好な組成物を得ることができる。項9〜10に記載された通り、上記成分(A)長鎖アルキルベタイン型界面活性剤に上記成分(B)を配合することにより、該成分(A)のハンドリング性を向上させることができる。
以下、本発明の構成について詳述する。
【0019】
本発明の毛髪用洗浄剤組成物には、成分(A)の一般式(1)で表される長鎖アルキルベタイン型界面活性剤から選ばれる少なくとも一種を含有し、その成分(A)は泡質の向上及び乾燥後の髪にまとまり感を付与するのに主要な成分である。上記一般式(1)で表される長鎖アルキルベタイン型界面活性剤において、一般式(1)におけるR1は、炭素数16〜22の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基であり、好ましくは炭素数16〜18の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基が推奨される。R2及びR3は、同一又は異なって、それぞれ炭素数1〜3の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はヒドロキシエチル基であり、好ましくはメチル基が推奨される。
【0020】
成分(A)の含有量は、本発明の毛髪用洗浄剤組成物に含有する界面活性剤の全重量に対して、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは1%以上が推奨される。前記含有量の範囲とすることにより、前記効果をより優位に発揮することができる。
【0021】
本発明に係る長鎖アルキルベタイン型界面活性剤としては、具体的には、パルミチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、イソステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アラキドイルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ベヘニルジメチルアミノ酢酸ベタイン、パルミチルジ(ヒドロキシエチル)アミノ酢酸ベタイン、ステアリルジ(ヒドロキシエチル)アミノ酢酸ベタイン、イソステアリルジ(ヒドロキシエチル)アミノ酢酸ベタイン、アラキドイルジ(ヒドロキシエチル)アミノ酢酸ベタイン、オレイルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ベヘニルジ(ヒドロキシエチル)アミノ酢酸ベタインなどが例示される。より好ましくは、パルミチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ベヘニルジメチルアミノ酢酸ベタインが推奨される。これらは、単独で又は2種以上を適宜組み合わせて配合することができる。
これらの中でも、泡質の向上及び乾燥後の髪にまとまり感を付与するという観点からステ
アリルジメチルアミノ酢酸ベタインが特に好ましい。
【0022】
本発明に係る長鎖アルキルベタイン型界面活性剤は、特に限定はなく、市販されているものや公知の方法で製造されたものを使用することができる。市販品としては、商品名「リカビオンA−700」(新日本理化(株)製,ステアリルベタイン)、商品名「アンヒトール86B」(花王(株)製,ステアリルベタイン)などが例示される。また、例えば「2013年版16373の化学商品(発行所;化学工業日報社,発行日2013年1月29日)」にも多くのメーカーが記載されている。
【0023】
本発明に係る成分(B)は、一般式(2)で表される中鎖アルキルベタイン型界面活性剤及び一般式(3)で表されるアミドアルキルベタイン型界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも一種であり、洗髪時の使用感の向上に主に寄与し、また上記成分(A)のハンドリング性を改良することにも寄与する。
【0024】
成分(B)のうち、一般式(2)で表される中鎖アルキルベタイン型界面活性剤において、一般式(2)におけるR4は炭素数8〜14の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基であり、好ましくは炭素数12〜14の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基が推奨される。R5及びR6は、同一又は異なって、それぞれ炭素数1〜3の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はヒドロキシエチル基であり、好ましくはメチル基が推奨される。これらは、単独で又は2種以上を適宜組み合わせて配合することができる。
【0025】
成分(B)のうち、一般式(3)で表されるアミドアルキルベタイン型界面活性剤において、一般式(3)におけるR7は、炭素数7〜21の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基であり、好ましくは炭素数9〜17の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はアルケニル基が推奨される。また、R8は水素原子、炭素数1〜3の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基であり、好ましくは水素原子またはメチル基、より好ましくは水素原子が推奨される。R9及びR10は、同一又は異なって、それぞれ炭素数1〜3の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基又はヒドロキシエチル基であり、好ましくはメチル基が推奨される。pは、1〜4の整数であり、好ましくは2又は3、より好ましくは3が推奨される。
【0026】
成分(B)の一般式(2)で表される中鎖アルキルベタイン型界面活性剤の具体例としては、n−オクチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−エチルヘキシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、n−デシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、イソデシルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジ(ヒドロキシエチル)アミノ酢酸ベタイン等が例示される。
より好ましくは、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタインが推奨される。
これらは、単独で又は2種以上を適宜組み合わせて配合することができる。
【0027】
前記中鎖アルキルベタイン型界面活性剤は、特に限定はなく、市販されているものや公知の方法で製造されたものを使用することができる。市販品としては、商品名「リカビオンA−100」(新日本理化(株)製,ラウリルベタイン)、商品名「リカビオンA−200」(新日本理化(株)製,ミリスチルベタイン)、商品名「アンヒトール20BS」(花王(株)製,ラウリルベタイン)、商品名「ニッサンアノンBL」(日油(株)製,ラウリルベタイン)などが例示される。また、例えば「2013年版16373の化学商品(発行所;化学工業日報社,発行日2013年1月29日)」にも多くのメーカーが記載されている。
【0028】
また、成分(B)の一般式(3)で表されるアミドアルキルベタイン型界面活性剤の具体例としては、n−オクタン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−エチルヘキサン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、n−デカン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、イソデカン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、パルミチン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アラキジン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ベヘニン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、オレイン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、リノール酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、リノレン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、イソステアリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、パーム油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、大豆油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、牛脂脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルジ(ヒドロキシエチル)アミノ酢酸ベタイン、オレイン酸アミドプロピルジ(ヒドロキシエチル)アミノ酢酸ベタイン、ヤシ脂肪酸アミドプロピルジ(ヒドロキシエチル)アミノ酢酸ベタインなどが例示される。
より好ましくは、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、パーム核油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインが推奨される。
これらは、単独で又は2種以上を適宜組み合わせて配合することができる。
【0029】
前記例示の化合物の名称は、本技術分野では種々の慣用名が用いられる。例えば化粧品成分表示名称(日本化粧品工業連合会)によれば、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインはラウラミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインはコカミドプロピルベタインとして表示されている。本明細書及び特許請求の範囲において、化合物の名称として慣用名で記載することがある。
【0030】
前記アミドアルキルベタイン型界面活性剤は、特に限定はなく、市販されているものや公知の方法で製造されたものを使用することができる。市販品としては、商品名「リカビオンB−200」(新日本理化(株)製,ヤシ油脂肪酸アミドプロピル酢酸ベタイン)、商品名「リカビオンB−300」(新日本理化(株)製,ラウリン酸アミドプロピル酢酸ベタイン)、商品名「アンヒトール20AB」(花王(株)製,ラウリン酸アミドプロピル酢酸ベタイン)、商品名「アンヒトール55AB」(花王(株)製,ヤシ油脂肪酸アミドプロピル酢酸ベタイン)、商品名「ニッサンアノンBDF−SF」(日油(株)製,ヤシ油脂肪酸アミドプロピル酢酸ベタイン)、商品名「ニッサンアノンBDC−SF」(日油(株)製,パーム核油脂肪酸アミドプロピル酢酸ベタイン)、商品名「ニッサンアノンBDL−SF」(日油(株)製,ラウリン酸アミドプロピル酢酸ベタイン)などが例示される。また、例えば「2013年版16373の化学商品(発行所;化学工業日報社,発行日2013年1月29日)」にも多くのメーカーが記載されている。
【0031】
成分(B)の一般式(2)で表される中鎖アルキルベタイン型界面活性剤及び/又は一般式(3)で表されるアミドアルキルベタイン型界面活性剤の中でも、アミドアルキルベタイン型界面活性剤が好ましい。前記アミドアルキルベタイン型界面活性剤の中でも、ハンドリング性の改良、濯ぎ時の指通りや感触という観点から、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン及びミリスチン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインが特に好ましい。
【0032】
本発明に係る毛髪用洗浄剤組成物に、より効果的に、泡量、泡質、洗髪時の指通り、濯ぎ時の指通り、乾燥後の髪のまとまり感を与えたい場合、前記成分(A)と成分(B)の含有量の割合が、(A)/(B)=1/9〜7/3(重量比)の範囲にすることにより、優位に前記効果が発揮されやすくなる。好ましくは、(A)/(B)=3/7〜7/3(重量比)の範囲である。
【0033】
本発明にかかるアニオン性界面活性剤として、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン脂肪酸モノエタノールアミドエーテル硫酸塩、コハク酸系界面活性剤(ポリオキシエチレンスルホコハク酸モノアルキルエーテルエステル塩等)、アミノ酸系界面活性剤(N−アシルグリシン塩、N−アシルサルコシン塩、N−アシルアラニン塩、N−アシル−N−メチルアラニン塩、N−アシル−L−グルタミン酸塩、N−アシル−L−アスパラギン酸塩、N−脂肪族アシル−N−メチルタウリン塩等)、イセチオン酸エステル塩、モノアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンモノアルキルエーテルリン酸エステル塩などが挙げられる。
【0034】
具体的には、例えば、アルキル(C8〜22)硫酸塩、ポリオキシエチレン(1〜5)アルキル(C8〜22)エーテル硫酸塩、炭素数8〜18の脂肪族アシル基を有するポリオキシエチレン(1〜5)脂肪酸モノエタノールアミドエーテル硫酸塩、炭素数8〜18のアルキル基(又はアルケニル基)を有するポリオキシエチレン(1〜5)スルホコハク酸モノアルキル(又はアルケニル)エーテルエステル塩、炭素数8〜20の親油基を有するα−オレフィンスルホン酸塩、炭素数8〜18の脂肪酸由来の脂肪酸塩、炭素数8〜18のアルキル基(又はアルケニル基)を有するポリオキシエチレン(1〜7)アルキル(又はアルケニル基)エーテル酢酸塩、炭素数8〜18の脂肪族アシル基を有するポリオキシエチレン脂肪酸モノエタノールアミドエーテル酢酸塩、炭素数8〜18の脂肪酸由来の脂肪族アシルアミノ酸塩(N−アシルグリシン塩、N−アシルサルコシン塩、N−アシルアラニン塩、N−アシル−N−メチルアラニン塩、N−アシル−L−グルタミン酸塩、N−アシル−L−アスパラギン酸塩)、炭素数8〜18の脂肪族アシル基を有するN−脂肪族アシル−N−メチルタウリン塩、炭素数8〜18の脂肪族アシル基を有するイセチオン酸エステル塩、炭素数8〜18のアルキル基を有するモノアルキルリン酸エステル塩、炭素数8〜18のアルキル基を有するポリオキシエチレン(1〜7)モノアルキルエーテルリン酸エステル塩などのアニオン性界面活性剤等が挙げられる。その中でも、ポリオキシエチレン(1〜5)アルキル(C8〜22)エーテル硫酸塩が好ましく、特に好ましくは、ポリオキシエチレン(2〜3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン(2〜3)ラウリルエーテル硫酸カリウムである。前記アニオン性界面活性剤を構成する対カチオンは、アルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリムイオン、カリウムイオン等)、アンモニウムイオン、有機アンモニウムイオン等が例示され、好ましくはナトリムイオン、カリウムイオンが推奨される。なお、本明細書及び特許請求の範囲において、「オキシエチレン」に続く括弧内の数字は、オキシエチレン基の平均付加モル数を意味する。また「アルキル」に続く括弧内の「C数字」は、アルキル基の炭素数を意味する。
【0035】
市販品としては、商品名「シノリンSPE−1300」(新日本理化(株)製,ポリオキシエチレン(3)ラウリル硫酸ナトリウム)、商品名「エマール20C」(花王(株)製,ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)などが例示される。また、例えば「2013年版16373の化学商品(発行所;化学工業日報社,発行日2013年1月29日)」にも多くのメーカーが記載されている。
【0036】
本発明にかかるであるノニオン性界面活性剤として、アルキルグリセリルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシド、アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アルカノールアミドなどが挙げられる。
【0037】
具体的には、例えば、アルキル(C12〜18)グリセリルエーテル、炭素数8〜18の脂肪族アシル基を有するアルカノールアミド、炭素数8〜18の脂肪族アシル基を有するポリオキシエチレン(1〜10)脂肪酸アルカノールアミド、炭素数8〜18のアルキル基を有するポリオキシエチレン(1〜20)アルキルエーテル、炭素数8〜14のアルキル基又はポリオキシエチレン(1〜7)アルキルエーテル基を有するアルキルポリグリコシドなどが挙げられ、炭素数8〜18の脂肪族アシル基を有するアルカノールアミド、炭素数8〜18の脂肪族アシル基を有するポリオキシエチレン(1〜10)脂肪酸アルカノールアミドが好ましく、特に好ましくは、ラウリン酸モノエタノールアミド、ミリスチン酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、パーム核油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ミリスチン酸ジエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸イソプロパノールアミド、ミリスチン酸イソプロパノールアミド、ヤシ油脂肪酸イソプロパノールアミド、パーム核油脂肪酸イソプロパノールアミド、ラウリン酸ポリオキシエチレン(1〜6)モノエタノールアミド、ミリスチン酸ポリオキシエチレン(1〜6)モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレン(1〜6)モノエタノールアミド、パーム核油脂肪酸ポリオキシエチレン(1〜6)モノエタノールアミドが推奨される。
【0038】
市販品としては、商品名「アミゾールCDE」(川研ファインケミカル(株)製,ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド)、商品名「アミノーンL−02」(花王(株)製,ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド)などが例示される。また、例えば「2011年版15911の化学商品(発行所;化学工業日報社,発行日2011年1月25日)」にも多くのメーカーが記載されている。
【0039】
本発明の毛髪用洗浄剤組成物に、より効果的に、泡量、泡質、洗髪時の指通り、濯ぎ時の指通り、乾燥後の髪のまとまり感を与えたい場合、上記成分(A)、成分(B)、アニオン界面活性剤及びノニオン界面活性剤の含有量を、毛髪用洗浄剤組成物の総重量に対して、それぞれ、好ましくは0.1〜20重量%、1〜20重量%、0〜20重量%、0〜10重量%(但し、アニオン界面活性剤とノニオン界面活性剤が同時に0重量%とはならない。)の範囲とし、そして成分(A)と成分(B)とアニオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤の合計の含有量を好ましくは5〜50重量%の範囲とすることにより、より優位に前記効果が発揮されやすくなる。
さらに、前記成分(A)と成分(B)の含有量の割合を、好ましくは(A)/(B)=1/9〜7/3(重量比)の範囲、より好ましくは(A)/(B)=3/7〜7/3(重量比)の範囲とすると、より優位に前記効果が発揮されやすくなる。
【0040】
本発明の毛髪用洗浄剤組成物の剤型は、液状、乳液状、クリーム状、ゲル状、泡状いずれの形態を所望の用法に応じて選択することができる。
【0041】
本発明の毛髪用洗浄剤組成物のpH(25℃)は、4〜8が好ましい。
【0042】
本発明の毛髪用洗浄剤組成物の調製方法としては、特に限定されず、本技術分野で使用されている方法が適用でき、適宜調製方法を選択して調製することができる。例えば、所定量の上記成分(A)、成分(B)、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤と、必要に応じて所望量の水(工程剤,バランス剤)や後述の他の成分とを混合することにより、容易に調製することができる。前記の水とは、水道水、イオン交換水、蒸留水、純水、精製水等を含めた総称である。
より具体的には、(i)アニオン界面活性剤及び/又はノニオン界面活性剤、必要に応じて所望量の水(工程剤,バランス剤)や後述の他の成分とを事前に混合した後、成分(A)と成分(B)を混合して毛髪用洗浄剤組成物とする方法や、(ii)事前に成分(A)と成分(B)を混合して本発明の界面活性剤組成物を調製した後、各種成分を配合して毛髪用洗浄剤組成物とする方法などが例示される。前記(ii)の手順は、成分(A)のハンドリング性が改良される点で推奨される方法である。
【0043】
成分(A)の一般式(1)で表される長鎖アルキルベタイン型界面活性剤に成分(B)を含有せしめた界面活性剤組成物は、ハンドリング性が良好な組成物である。
【0044】
本発明の界面活性剤組成物としては、より効果的に、ハンドリング性を改良させた界面活性剤としたい場合、前記成分(A)と成分(B)の含有量の割合が、好ましくは(A)/(B)=1/9〜7/3(重量比)の範囲、より好ましくは、(A)/(B)=3/7〜7/3(重量比)の範囲が推奨される。前記範囲にとすることにより、より優位に前記効果が発揮されやすくなる。
【0045】
本発明の界面活性剤組成物のpH(25℃)は、4〜8が好ましい。
【0046】
本発明の界面活性剤組成物に係る成分(A)及び成分(B)は前記毛髪用洗浄剤組成物についての上記説明と同義である。
【0047】
本発明の界面活性剤組成物の調製方法としては、特に限定されず、本技術分野で使用されている方法が適用でき、適宜調製方法を選択して調製することができる。例えば、成分(A)の水溶液と成分(B)の水溶液とを加温下で混合し、使用するに適切な温度まで冷却して、界面活性剤組成物を得ることができる。本発明の界面活性剤組成物には、本質的には水が含有しており、特に成分(A)の界面活性剤濃度が10〜80重量%水溶液において、ハンドリング性の改良効果が高い。
【0048】
本発明の一般式(1)で表される長鎖アルキルベタイン型界面活性剤のハンドリング性を向上させる方法は、長鎖アルキルベタイン型界面活性剤に成分(B)の一般式(2)で表される中鎖アルキルベタイン型界面活性剤及び/又は一般式(3)で表されるアミドアルキルベタイン型界面活性剤を含有せしめることである。特に、成分(A)の界面活性剤濃度が10〜80重量%水溶液において、ハンドリング性の向上効果が高い。より効果的に、ハンドリング性を向上させる方法としては、前記成分(A)と成分(B)の含有量の割合が、(A)/(B)=1/9〜7/3(重量比)の範囲、より好ましくは(A)/(B)=3/7〜7/3(重量比)の範囲とすることにより、より優位に前記効果が発揮されやすくなる。
【0049】
本発明の長鎖アルキルベタイン型界面活性剤組成物のハンドリング性を向上させる方法に係る成分(A)及び成分(B)は前記毛髪用洗浄剤組成物についての上記説明と同義である。
【0050】
本発明の毛髪用洗浄剤組成物及び界面活性剤組成物には、本発明に係るアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤及び成分(A)〜(B)の他に、一般的に毛髪用洗浄剤組成物に配合される「他の成分」を、本発明の効果が奏する範囲で配合することができる。
他の成分としては、例えば、本発明に係るアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤及び成分(A)〜(B)を除く、カチオン性界面活性剤、半極性界面活性剤、両性界面活性剤、ポリオール、無機塩類、油性成分、カチオン性ポリマー、高級アルコール、パール化剤、乳化剤、分散剤、保湿剤、増粘剤、減粘剤、粘度調整剤、泡調整剤、溶媒、キレート剤、pH調整剤、酸化防止剤、抗菌・防腐剤、色素(着色剤)、その他ビタミン類、天然エキス、香料、スクラブ剤、精製水などを配合することができる。
【0051】
カチオン性界面活性剤として、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウムなどが挙げられる。
【0052】
半極性界面活性剤として、アミンオキシドが挙げられ、アミンオキシドとして、オクチルジメチルアミンオキシド、デシルジメチルアミンオキシド、ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、パルミチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、オレイルジメチルアミンオキシド、ベヘニルジメチルアミンオキシド、アルキルエーテルジメチルアミンオキシド、高級脂肪酸アミドプロピルアミンオキシド、エチレンオキシド付加アミンオキシド等が挙げられる。
【0053】
両性界面活性剤として、炭素数8〜18を有する脂肪酸由来のイミダゾリニウムベタイン型両性界面活性剤、炭素数8〜18のアルキル基を有するN−アルキルアミノジ酢酸塩、N−アルキルアミノジプロピオン酸塩、N−アルキルジアミノエチルグリシン塩などのN−アルキルアミノ酸型両性界面活性剤、アルキルヒドロキシスルホベタイン、脂肪酸アミドプロピルヒドロキシスルホベタイン等のスルホベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。
【0054】
ポリオールとして、グリセリン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール等が挙げられる。
【0055】
無機塩類としては、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム等が挙げられる。
【0056】
カチオン性ポリマーとして、カチオン化多糖、カチオン化ポリペプチド、アクリルアミド・アクリル酸・塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジニウムなどが挙げられる。
【0057】
油性成分として、多価アルコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン多価アルコール脂肪酸エステル、植物油脂、動物由来油脂、鉱物油などが挙げられる。
【0058】
高級アルコールとして、ステアリルアルコール、コレステロール、フィトステロールなどが挙げられる。
【0059】
高級脂肪酸として、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸などが挙げられる。
【0060】
パール化剤として、エチレングリコールジステアリン酸エステル、マイカなどが挙げられる。
【0061】
保湿剤として、多価アルコール、ムコ多糖、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、キトサン、セラミド、コレステロールなどが挙げられる。
【0062】
増粘剤として、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアガム、ポリビニルアルコール、ポリオキシエチレン(60)セチルステアリルジエーテルなどが挙げられる。
【0063】
溶媒として、エタノール、1,3−ブチレングリコールなどが挙げられる。
【0064】
酸化防止剤として、ブチルヒドロキシトルエン、トコフェロール、フィチン酸などが挙げられる。
【0065】
抗菌・防腐剤として、安息香酸、サリチル酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸エステル、ヘキサクロロフェンなどが挙げられる。
【0066】
その他、グリシン、アラニンなどのアミノ酸又はこれらの塩、ビタミンA及びその誘導体、ビタミンB2及びその誘導体、ビタミンC類及びその誘導体、ビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチンなどのビタミン類、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、γ―オリザノール、アラントイン、グリチルリチン酸(塩)、グリチルレチン酸及びその誘導体などの各種薬剤、センブリ、トウキ、ユーカリなどの有機溶剤、アルコール、多価アルコール、水、水性アルコールなどで抽出した天然エキス、香料、スクラブ剤、精製水などを配合することができる。
【実施例】
【0067】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらに限定されるものではない。なお、各実施例及び比較例における分析・評価は以下の方法で行った。実施例等で使用した組成成分は、市販品、試薬又は下記の調製品を用いた。
【0068】
[pH]
本発明の毛髪用洗浄剤組成物のpHは、pHメーター((株)堀場製作所製F−52、電極型式9615−10D)を用いて、25℃で測定した。
【0069】
[起泡性・泡安定性]
本発明の毛髪洗浄剤組成物をイオン交換水で界面活性剤濃度1重量%に希釈した試験液20gを、ミルサー(岩谷産業(株)製Iwatani IFM−650D)のミル容器(
内径約6cm×高さ約70mm)に取り、10秒間撹拌した。攪拌後そのまま静置し、25℃で1分間後及び5分間後のそれぞれの泡の部分の高さ(mm)を測定した。泡高が高ければ、良好な起泡性があると評価できる。
またそれらの数値から、下記の式(1)を用いて泡保持率を算出した。その泡保持率を泡の安定性の指標とした。泡保持率の数値が大きいほど泡の安定性(泡の持続性)に優れることを示す。
泡保持率(%)=(5分間静置後の泡高/1分間静置後の泡高)×100 (1)
【0070】
[泡密度]
本発明の毛髪洗浄剤組成物をイオン交換水で界面活性剤濃度1重量%に希釈した試験液20gを、ミルサー(岩谷産業(株)製Iwatani IFM−650D)のミル容器
(内径約6cm×高さ約70mm)に取り、10秒間撹拌した。泡の部分を20mlのビーカーに取り出し、25℃で重量を測定し泡密度(g/ml)を算出した。泡密度が高いほど、泡がクリーミーであると評価できる。
【0071】
[泡粘度]
本発明の毛髪洗浄剤組成物をイオン交換水で界面活性剤濃度1重量%に希釈した試験液20gを、ミルサー(岩谷産業(株)製Iwatani IFM−650D)のミル容器(内径約6cm×高さ約70mm)に取り、10秒間撹拌した。泡の部分を20mlビーカーに取り出し、25℃、B型粘度計で粘度(mPa・s)を測定した。泡粘度が高いほど、泡にもっちり感があると評価できる。
【0072】
[毛束試験]
1.洗浄時の泡質・泡量・使用感
毛束(20cm、1.1g)を、本発明の毛髪洗浄剤組成物をイオン交換水で5倍に希釈した試験液に浸し、そこから引き上げた毛束を手で揉み洗っている時の泡質、泡量及び使用感について官能評価を行い、下記のそれぞれの判定基準に従って判定した。判定基準◎のときにそれぞれの官能評価が優れていると判断される。
<泡質の判定基準>
◎:泡質がクリーミー
○:泡質がややクリーミー
△:泡質がやや粗い
×:泡質が粗い
<泡量の判定基準>
◎:泡量が多い
○:泡量がやや多い
△:泡量がやや少ない
×:泡量が少ない
<使用感の判定基準>
◎:洗浄時の感触が滑らかであり、指に引っかかり感がない
○:洗浄時の感触が滑らかであり、指に引っかかり感が少ない
△:洗浄時の感触が滑らかであり、指に引っかかり感がある
×:洗浄時の感触が滑らかでなく、指に引っかかり感がある
【0073】
2.すすぎ時の使用感
上述の洗浄後の毛束を流水(水道水)にてすすぎを行った。そのときの使用感について官能評価を行った。判定基準◎のときが、指通り性が良好と判定され、すすぎ時の使用感が良好と判断される。
<判定基準>
◎:すすぎ時の感触が滑らかであり、指に引っかかり感がない
○:すすぎ時の感触が滑らかであり、指に引っかかり感が少ない
△:すすぎ時の感触が滑らかであり、指に引っかかり感がある
×:すすぎ時の感触が滑らかでなく、指に引っかかり感がある
【0074】
3.乾燥後の使用感・まとまり感
上述のすすぎ後の毛束をタオルで拭き取り、その後、ヘアドライヤーで乾燥した。乾燥後の櫛通り性及びまとまり感について官能評価を行い、下記のそれぞれの判定基準に従って判定した。判定基準◎のときに、それぞれの官能評価が優れていると判断される。
<櫛通り性の判定基準>
◎:乾燥後の感触が滑らかであり、櫛に引っかかり感がない
○:乾燥後の感触が滑らかであり、櫛に引っかかり感が少ない
△:乾燥後の感触が滑らかであり、櫛に引っかかり感がある
×:乾燥後の感触が滑らかでなく、櫛に引っかかり感がある
<まとまり感の判定基準>
◎:乾燥後の髪のまとまり感が非常にある
○:乾燥後の髪のまとまり感がある
△:乾燥後の髪のまとまり感がやや少ない
×:乾燥後の髪のまとまり感が少ない
【0075】
[動摩擦係数測定]
健常毛を長さ76mm×幅26mmのスライドグラスに、1mm間隔で15本設置した。健常毛を設置したスライドグラスを1%ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム水溶液に1時間浸漬した。浸漬後、イオン交換水で十分にすすぎ、25℃、湿度60%の雰囲気下で乾燥させた。これを摩擦感テスター(カトーテック社製KSE−SE)で動摩擦係数を測定し、この操作を3回実施し、その平均値をその健常毛の動摩擦係数の初期値とした。このスライドグラスを、本発明の毛髪洗浄剤組成物をイオン交換水で5倍に希釈した試験液に5分間浸した。その後、イオン交換水にて十分洗い流し、25℃、湿度60%の雰囲気下で乾燥させた。これを摩擦感テスター(カトーテック社製KSE−SE)で動摩擦係数を測定した。この操作を3回実施し、その平均値をその健常毛の動摩擦係数とした。
動摩擦係数が小さいほど、指通り性が良好と評価される。
また、それらの数値から、下記の式(2)を用いて摩擦低減率を算出した。摩擦低減率が
大きいほど、指通りが良いと判断される。
摩擦低減率(%)=
{(初期値の動摩擦係数−洗浄後の動摩擦係数)/初期値の動摩擦係数}×100 (2)
【0076】
[粘度]
本発明の界面活性剤組成物をB型粘度計(東機産業(株)製TV−10M)を使用して30℃で粘度(mPa・s)を測定した。なおローターの形状と回転数の選定は、対象組成物の粘度に適した条件となるようした。粘度が低いほど、ハンドリング性が優れていると評価できる。
【0077】
[実施例1〜3及び比較例1〜2]
表1に記載の組成成分及び組成比率(重量%)の毛髪用洗浄剤組成物を調製した。操作手順としては、成分(B)の水溶液に成分(A)の水溶液を加え、その後、各種成分を添加した。その後、70℃まで加温し、系が均一になるまで混合した後、40℃まで冷却して毛髪用洗浄剤組成物を調製した。毛髪用洗浄剤としての評価の結果を表1に示した。なお「重量%」は、毛髪用洗浄剤組成物における界面活性剤の有効成分を基準とする。
【0078】
[実施例4〜9と比較例3]表2に記載の組成成分及び組成比率(重量%)に従って、調製した。成分(B)の水溶液(リカビオンA−100、B−300又はB−200)に成分(A)のリカビオンA−700の水溶液を加え、70℃まで加温し、系が均一になるまで混合した後、40℃まで冷却して界面活性剤組成物を調製した。その界面活性剤組成物の粘度の測定結果を表2に示した。なお「重量%」は、界面活性剤組成物における界面活性剤の有効成分を基準とする。
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】
表1及び表2に記載の化合物は以下の通りであり、表中の数値は各組成成分の純分を表示している。水溶液の形態の市販品等を使用して本発明の組成物の調製の際には、各組成成分を純分換算して配合し、混合して調製した。
【0082】
・成分(A)・・・ステアリルベタイン;商品名「リカビオンA−700」(新日本理化(株)製,ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)
・成分(B)・・・ラウリルベタイン;商品名「リカビオンA−100」(新日本理化(株)製,ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)
・成分(B)・・・ラウリン酸アミドプロピルベタイン;商品名「リカビオンB−300」(新日本理化(株)製,ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン)
・成分(B)・・・ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン;商品名「リカビオンB−200」(新日本理化(株)製,ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン)
・アニオン性界面活性剤・・・ラウレス硫酸Na;商品名「シノリンSPE−1300」(新日本理化(株)製,ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム)
・ノニオン性界面活性剤・・・ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド;商品名「スタホームDFC」(日油(株)製)
・カチオン化セルロース・・ポリクオタニウム−10;商品名「カチナールHC−200」(東邦化学工業(株)製)
【0083】
表1より、成分(A)長鎖アルキルベタイン型界面活性剤を含有させることにより、カチオン化セルロースなどのコンディショニング成分がなくとも洗浄時や濯ぎ時の指通りに優れ、乾燥後のくし通りやまとまりに優れた毛髪用洗浄剤が得られることがわかる。また泡安定性(泡の持続性)が良いこともわかる。
また表2より、成分(A)長鎖アルキルベタイン型界面活性剤に成分(B)中鎖アルキルベタイン型界面活性剤又はアミドアルキルベタイン型界面活性剤を混合することで、成分(A)長鎖アルキルベタイン型界面活性剤のハンドリング性が改良されることがわかる。