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特開2015-172057窒素含有化合物を含むフォトレジスト
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-172057(P2015-172057A)
(43)【公開日】2015年10月1日
(54)【発明の名称】窒素含有化合物を含むフォトレジスト
(51)【国際特許分類】
   C07C 271/16 20060101AFI20150904BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20150904BHJP
   G03F 7/039 20060101ALN20150904BHJP
   C07D 209/76 20060101ALN20150904BHJP
【FI】
   C07C271/16CSP
   G03F7/004 503B
   G03F7/039 601
   C07D209/76
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【外国語出願】
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-95021(P2015-95021)
(22)【出願日】2015年5月7日
(62)【分割の表示】特願2011-12499(P2011-12499)の分割
【原出願日】2011年1月25日
(31)【優先権主張番号】61/336762
(32)【優先日】2010年1月25日
(33)【優先権主張国】US
(71)【出願人】
【識別番号】591016862
【氏名又は名称】ローム アンド ハース エレクトロニック マテリアルズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Rohm and Haas Electronic Materials LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】特許業務法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コン・リュウ
(72)【発明者】
【氏名】チュンイ・ウー
(72)【発明者】
【氏名】ゲルハルト・ポーラース
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー・ピー.プロコポビッチ
(72)【発明者】
【氏名】チェン−バイ・スー
【テーマコード(参考)】
2H125
4C204
4H006
【Fターム(参考)】
2H125AF16P
2H125AF36P
2H125AG00P
2H125AH17
2H125AH22
2H125AJ14X
2H125AJ65X
2H125AN39P
2H125AN42P
2H125AN57P
2H125BA02P
2H125BA26P
2H125CA12
2H125CB09
2H125CC03
2H125CC15
2H125FA03
4C204BB10
4C204CB19
4C204DB30
4C204EB03
4C204FB33
4C204GB01
4H006AA01
4H006AB76
4H006AB92
4H006RA06
4H006RA54
(57)【要約】      (修正有)
【課題】複数のヒドロキシル部分及び1以上の光酸不安定基を含む、ポジ型及びネガ型フォトレジスト組成物の双方において使用するための新規の窒素含有化合物を提供。
【解決手段】式(I)の1つにより表される化合物。

(R1は、少なくとも2つのヒドロキシル基を含むヒドロキシアルキル基であるか、R2は、少なくとも2つのヒドロキシル基を含むヒドロキシアルキル基であるか、又はR1及びR2少なくとも1つのヒドロキシル基を含むヒドロキシアルキル基であり;ここでR1及びR2は同じかまたは異なっており、かつR1及びR2の少なくとも一方は水素以外であり;又はR1及びR2は一緒になって、少なくとも2つのヒドロキシル基を含む環を形成し;並びにXは、t−ブトキシカルボニル基に代表される光酸不安定基)。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)の1つにより表される化合物:
【化1】
(式中、Rは、場合によって置換された少なくとも2つのヒドロキシル基を含むヒドロキシアルキル基であるか、Rは、場合によって置換された少なくとも2つのヒドロキシル基を含むヒドロキシアルキル基であるか、またはRおよびRはそれぞれ独立して、場合によって置換された少なくとも1つのヒドロキシル基を含むヒドロキシアルキル基であり;ここでRおよびRは同じかまたは異なっており、かつRおよびRの少なくとも一方は水素以外であり;またはRおよびRは一緒になって、少なくとも2つのヒドロキシル基を含む環(その置換基を含む)を形成し;並びに
Xは光酸不安定基を含む)。
【請求項2】
下記構造(IIB)、(IIC)または(IID)によって表される化合物:
【化2】
(式(IIB)において、Rは、場合によって置換された少なくとも2つのヒドロキシル基を含むヒドロキシアルキル基であるか、Rは、場合によって置換された少なくとも2つのヒドロキシル基を含むヒドロキシアルキル基であるか、またはRおよびRはそれぞれ独立して、場合によって置換された少なくとも1つのヒドロキシル基を含むヒドロキシアルキル基であり;RおよびRは同じかまたは異なっており、かつRおよびRの少なくとも一方は水素以外であり;またはRおよびRは一緒になって、少なくとも2つのヒドロキシル基を含む環(その置換基を含む)を形成し;R、RおよびRはそれぞれ独立して、場合によって置換された直鎖、分岐もしくは環式の1〜30個の炭素原子を有する基を表す。)
【化3】
(式(IIC)において、R、RおよびRはそれぞれ独立して、場合によって置換された直鎖、分岐もしくは環式の1〜30個の炭素を有する基を表し;Rは水素、または直鎖、分岐もしくは環式の1〜30個の炭素を有する基を表し;m1、m2およびm3はそれぞれ独立して0〜30の整数であり;n1、n2およびn3はそれぞれ独立して0または1の整数であり;n1、n2およびn3の中の少なくとも2つは1である。)
【化4】
(式(IID)において、R、RおよびRはそれぞれ独立して、直鎖、分岐もしくは環式の1〜30個の炭素を有する基を表し;Rは水素、または場合によって置換された直鎖、分岐もしくは環式の1〜30個炭素を有する基を表し;nは1〜30の整数である。)。
【請求項3】
下記構造:
【化5】
のいずれか1つのよって表される化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のヒドロキシル部分を含む新たな窒素含有化合物、およびこの窒素案有化合物を含むフォトレジスト組成物に関する。好ましい窒素含有化合物は1)複数(すなわち、2以上)のヒドロキシル置換基、および2)1以上の光酸不安定(photoacid−labile)基を含む。
【背景技術】
【0002】
フォトレジストは基体に像を写す感光膜である。フォトレジストはネガまたはポジの像を形成する。基体上にフォトレジストをコーティングした後、この塗膜はパターン形成されたフォトマスクを通して、紫外光のような活性化エネルギー源に露光され、フォトレジスト塗膜中に潜像を形成する。このフォトマスクは下にある基体に写されることが望まれる像を画定する、活性化放射線に対して不透明な領域および透明な領域を有する。
【0003】
既知のフォトレジストは多くの既存の商業的用途に充分な解像度およびサイズを有するフィーチャを提供しうる。
機能的特性の性能を向上させるために、フォトレジスト組成物の構成を変更する様々な試みがなされてきた。とりわけ、フォトレジスト組成物において使用するための様々な塩基性化合物が報告されてきた。例えば、米国特許第6607870号および第7379548号を参照。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6607870号明細書
【特許文献2】米国特許第7379548号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、多くの他の用途については、サブミクロン寸法の高解像の像を提供することができる新たなフォトレジストについての必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一形態においては、本発明者は、ポジ型およびネガ型フォトレジスト組成物の双方において使用するための新規の窒素含有化合物を提供する。本発明のフォトレジストは、1種以上の窒素含有化合物(窒素含有成分)の他に、1種以上の樹脂(樹脂成分)および1種以上の光酸発生剤化合物(光酸発生剤またはPAG成分)を好適に含むことができる。
フォトレジストに使用するための本発明の好ましい窒素含有化合物は、1)2以上のヒドロキシル置換基、および2)1以上の光酸不安定基を含むことができる。典型的な光酸不安定基は、フォトレジストのリソグラフィックプロセス中(例えば、フォトレジスト層の露光後ベーキング中など)にフォトレジスト層中で露光発生酸の存在下で結合開裂を受ける。
【発明の効果】
【0007】
本発明者は驚くべきことに、本明細書に開示されるように、化学増幅型フォトレジスト組成物をはじめとするフォトレジスト組成物中での窒素含有化合物の使用が、レジストのレリーフ像(例えば、微細ライン)の解像度を有意に向上させうることを見いだした。特に、窒素含有化合物が1つしかヒドロキシル部分を有しないが、その他の点で本発明の多ヒドロキシ窒素含有化合物を含むフォトレジストと同じである同等のフォトレジストと比べて、窒素含有化合物上の2つめの(または2より多い)ヒドロキシル基が、有意に向上したリソグラフィ結果をもたらしうることを我々は見いだした。例えば、以下の実施例5および6に示される比較のデータを参照。
理論に拘束されないが、本明細書において開示される窒素含有化合物はフォトレジスト中でクエンチャー成分として機能することができ、(ポジ型レジストの場合には)露光領域から未露光領域への光発生酸の移動(拡散)(この移動はレジスト層にパターン形成された像の解像度を悪化させる場合があった)を制限することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A図1Aは後述の実施例5の結果を示すSEMである。
図1B図1Bは後述の実施例5の結果を示すSEMである。
図2A図2Aは後述の実施例6の結果を示すSEMである。
図2B図2Bは後述の実施例6の結果を示すSEMである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
フォトレジストにおける使用に好ましい本発明の窒素含有化合物はポリマーまたは非ポリマーであることができ、非ポリマー物質が多くの用途のために好ましい。好ましい窒素含有化合物は比較的低い分子量、例えば、3000未満の分子量、またはさらには2500未満、2000未満、1500未満、1000未満、800未満または500未満の分子量を有する。
【0010】
フォトレジストにおける使用に特に好ましい本発明の窒素含有化合物には、下記式(I)で表される窒素含有化合物が挙げられる:
【化1】
【0011】
式中、RおよびRは同じかまたは異なっており、かつRおよびRの少なくとも一方は水素以外であり、かつRおよびRは全体で少なくとも2つのヒドロキシル基を含むか(すなわち、Rが少なくとも2つのヒドロキシル基を含むことができ;Rが少なくとも2つのヒドロキシル基を含むことができ;もしくはRが少なくとも1つのヒドロキシル基を含むことができ、かつRが少なくとも1つのヒドロキシル基を含むことができる)、またはRおよびRは一緒になって、少なくとも2つのヒドロキシル基を含むR/R環(その置換基を含む)を形成することができ;
Xは光酸不安定基、例えば、光酸不安定エステルもしくはアセタール基を含む。
【0012】
好ましいRおよびR基には、水素および場合によって置換されたアルキル、炭素環式アリール(例えば、フェニル、ナフチル)などが挙げられ、この部分はヒドロキシル置換基を含む(例えば、1〜20の炭素原子を有するヒドロキシアルキル)。RおよびRが一緒になって窒素と共に環式構造を形成する場合には、この環式構造は2以上のヒドロキシル基を含む。
【0013】
ある好ましい実施形態においては、RまたはRは水素であり、そして非水素基は少なくとも2つのヒドロキシル基を含み、例えば、下記式(IIA)の窒素含有化合物である:
【化2】
式(IIA)において、R1’は非水素置換基であり、この非水素置換基は少なくとも2つのヒドロキシル基を含み、例えば、例えば2以上のヒドロキシル基を有するC1−25アルキルなどであり;Xは上記式(I)について定義されるのと同じであり、すなわち、光酸不安定基、例えば、光酸不安定エステルもしくはアセタール基である。
【0014】
さらなる好ましい実施形態においては、好ましい窒素含有化合物は光酸不安定エステル基を含み、例えば、下記式(IIB)の化合物である:
【化3】
式(IIB)において、RおよびRは式(I)に定義されるのと同じであり;R、RおよびRはそれぞれ独立して、場合によって置換された直鎖、分岐もしくは環式の1〜30個の炭素原子を有する基を表す。
【0015】
さらなる好ましい窒素含有化合物には、下記式(IIC)の化合物が挙げられる:
【化4】
式中、R、RおよびRはそれぞれ独立して、場合によって置換された直鎖、分岐もしくは環式の1〜30個の炭素を有する基を表し;Rは水素、または直鎖、分岐もしくは環式の1〜30個の炭素を有する基を表し;m1、m2およびm3はそれぞれ独立して0〜30の整数であり;n1、n2およびn3はそれぞれ独立して0または1の整数であり;n1、n2およびn3の中の少なくとも2つは1である。
【0016】
さらに追加の好ましい窒素含有化合物には、下記式(IID)の化合物が挙げられる:
【化5】
式中、R、RおよびRはそれぞれ独立して、直鎖、分岐もしくは環式の1〜30個の炭素を有する基を表し;Rは水素、または場合によって置換された直鎖、分岐もしくは環式の1〜30個炭素を有する基を表し;nは1〜30の整数であり;かつnは正の整数、例えば、1〜20である。
【0017】
フォトレジストにおける使用に好ましい典型的で具体的な窒素含有化合物には、以下の構造およびが挙げられる。当然のことながら、以下の構造および本明細書における他の記載においては、表記「t−BOC」とは−(C=O)OC(CHをいう。
【0018】
【化6】
【0019】
好ましくは、本発明の窒素含有化合物はポジ型またはネガ型化学増幅型フォトレジストに使用される:すなわち、ネガ型レジスト組成物は光酸促進架橋反応を受けてレジストの塗膜層の露光領域を未露光領域よりも現像剤可溶性を低くするものであり;そして、ポジ型レジスト組成物は1以上の組成物成分の酸不安定基の光酸促進脱保護反応を受けてレジストの塗膜層の露光領域を未露光領域よりも水性現像剤中で可溶性にするものである。エステルのカルボキシル酸素に共有結合した第三級非環式アルキル炭素または第三級脂環式炭素を含むエステル基が、本発明のフォトレジストにおいて使用される樹脂の一般的に好ましい光酸不安定基である。アセタール基も好適な光酸不安定基である。
【0020】
本発明のフォトレジストの好ましい像形成波長には、サブ300nmの波長、例えば、248nm、およびサブ200nmの波長、例えば、193nmおよびEUVが挙げられる。
【0021】
本発明の特に好ましいフォトレジストは像形成有効量の1種以上のPAGおよび本明細書に開示される窒素含有成分、および下記の群から選択される樹脂を含む:
1)248nmでの像形成に特に好適な化学増幅ポジ型レジストを提供できる酸不安定基を含むフェノール系樹脂。この種の特に好ましい樹脂には以下のものが挙げられる:i)ビニルフェノールおよびアクリル酸アルキルの重合単位を含むポリマーであって、重合されたアクリル酸アルキル単位が光酸の存在下でデブロッキング反応を受けうるポリマー。光酸誘起デブロッキング反応を受けうる代表的なアクリル酸アルキルには、例えば、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、アクリル酸メチルアダマンチル、メタクリル酸メチルアダマンチル、および光酸誘起反応を受けうる他の非環式アルキルおよび脂環式アクリラートが挙げられ、例えば、米国特許第6,042,997号および第5,492,793号(参照により本明細書に組み込まれる)におけるポリマーが挙げられる;ii)ヒドロキシまたはカルボキシ環置換基を含まない、場合によって置換されたビニルフェニル(例えば、スチレン)、ビニルフェノール、および上記ポリマーi)について記載されるデブロッキング基のようなアクリル酸アルキルの重合単位を含むポリマー、例えば、米国特許第6,042,997号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるポリマー;並びに、iii)光酸と反応できるアセタールまたはケタール部分を含む繰り返し単位を含み、および場合によってフェニルまたはフェノール性基のような芳香族繰り返し単位を含むポリマー;
2)フェニル基を実質的にまたは完全に含まず、サブ200nmの波長、例えば、193nmでの像形成に特に好適な化学増幅ポジ型レジストを提供できる樹脂。特に好ましいこの種の樹脂には次のものが挙げられる:i)非芳香族環式オレフィン(環内二重結合)、例えば、場合によって置換されたノルボルネンの重合単位を含むポリマー、例えば、米国特許第5,843,624号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されたポリマー;ii)アクリル酸アルキル単位、例えば、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、アクリル酸メチルアダマンチル、メタクリル酸メチルアダマンチル、および他の非環式アルキルおよび脂環式アクリラートを含むポリマー;このようなポリマーは米国特許第6,057,083号に記載されている。この種のポリマーは、好ましい形態においては、ヒドロキシナフチルのような特定の芳香族基を含むことができる。
【0022】
本発明のレジストは別個のPAGの混合物、典型的には2または3種の異なるPAGの混合物、より典型的には全部で2種類の別個のPAGからなる混合物を含むこともできる。
【0023】
本発明は、本発明のフォトレジストのレリーフ像を形成する方法、例えば、サブクオーターミクロン寸法以下、例えば、サブ0.2またはサブ0.1ミクロン寸法の高解像パターン化フォトレジスト像(例えば、本質的に垂直の側壁を有するパターン形成されたライン)を形成する方法も提供する。
【0024】
本発明は、本発明のフォトレジストおよびレリーフ像を基体上にコーティングした、マイクロエレクトロニクスウェハまたはフラットパネルディスプレイ基体のような基体を含む製造物品をさらに提供する。本発明の他の形態は以下に開示される。
【0025】
本発明のフォトレジストは広範囲の量で1種以上のヒドロキシル窒素含有化合物を含むことができる。添加されるヒドロキシ窒素含有成分は比較的少量、例えば、PAGに対して約0.5〜10、もしくは15重量パーセント、より典型的には、1〜約5、6、7、8、9もしくは10重量パーセントで好適に使用される。
【0026】
本明細書において開示される窒素含有化合物は容易に合成されうる。例えば、窒素含有ポリオール化合物が反応させられてペンダント光酸不安定エステルもしくはアセタール基を提供することができる。例えば、後述の実施例1および2の合成を参照。所望の窒素含有化合物を形成するための多くの試薬が商業的に入手可能である。
【0027】
本明細書において示される場合、本発明の窒素含有化合物の様々な置換基は場合によって置換されうる。置換される部分は、例えば、F、Cl、Brおよび/もしくはIのようなハロゲン、ニトロ、シアノ、スルホノ、アルキル、例えば、C1−16アルキル(C1−8アルキルが好ましい)、ハロアルキル、例えば、フルオロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)、およびペルハロアルキル、例えば、ペルフルオロC1−4アルキル、アルコキシ、例えば、1以上の酸素結合を有するC1−16アルコキシ(C1−8アルコキシが好ましい)、アルケニル、例えば、C2−12アルケニル(C2−8アルケニルが好ましい)、アルケニル、例えば、C2−12アルケニル(C2−8アルキニルが好ましい)、アリール、例えば、フェニルもしくはナフチル、および置換アリール、例えば、ハロ、アルコキシ、アルケニル、アルキニルおよび/もしくはアルキル置換アリール(好ましくは、対応する基について上で言及された炭素原子の数を有する)によって1以上の可能な位置で好適に置換される。好ましい置換アリール基には、置換フェニル、アントラセニルおよびナフチルが挙げられる。
【0028】
本明細書において使用される場合、アルキル、アルケニルおよびアルキニルという用語は、他に修飾されない限りは、環式基および非環式基のいずれもいうが、当然のことながら、環式基は少なくとも3個の炭素の環メンバーを含んでいる。本発明の化合物のアルケニル基およびアルキニル基は、1以上の不飽和結合を有し、典型的には1から約3または4個の不飽和結合を有する。また、本明細書において使用される場合、アルケニルおよびアルキニルという用語は、環式基および非環式基のいずれもいうが、直鎖または分岐の非環式基が一般的にはより好ましい。本発明のPAG化合物のアルコキシ基は、1以上の酸素結合、典型的には1から約5または6個の酸素結合を有している。本発明のPAGのアルキルチオ基は、1以上のチオエーテル結合、典型的には1から約5または6個のチオエーテル結合を有している。本発明のPAG化合物のアルキルスルフィニル基は、1以上のスルフィニル(SO)結合、典型的には1から約5または6個のスルフィニル結合を有している。本発明のPAG化合物のアルキルスルホニル基は、1以上のスルホニル(SO)結合、典型的には1から約5または6個のスルホニル結合を有している。本発明のPAG化合物の好ましいアルキルアミノ基には、1以上の第一級、第二級および/または第三級アミン基、好ましくは1から約3または4個のアミン基を有する基が挙げられる。好適なアルカノイル基は1以上のカルボニル基、典型的には1から約4または5個のカルボニル基を有している。アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルカノイルおよびその他の基は、好適に直鎖または分岐であってよい。本明細書において使用される場合、炭素環式アリールとは、1〜3個の別々のまたは縮合した環と6〜約18個の炭素環メンバーとを有する非ヘテロ芳香族基をいい、炭素環式アリールには、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アセナフチル、フェナントラシルなどが挙げられうる。フェニルおよびナフチルが好適な場合が多い。好適なヘテロ芳香族またはヘテロアリール基は、1〜3個の環を有し、それぞれの環に3〜8の環メンバーを有し、かつ1〜約3個のヘテロ原子(N、OまたはS)を有しうる。特に好適なヘテロ芳香族またはヘテロアリール基には、例えば、クマリニル、キノリニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリルが挙げられる。
【0029】
論じられるように、本発明のフォトレジストは典型的には、樹脂バインダーおよび上述のような本発明の光活性成分を含む。好ましくは、樹脂バインダーはレジスト組成物に水性アルカリ現像可能性をもたらす官能基を有する。例えば、好ましいのはヒドロキシルまたはカルボキシラートのような極性官能基を含む樹脂バインダーである。好ましくは、樹脂バインダーはレジストをアルカリ水溶液で現像可能にするのに充分な量でレジスト組成物中に使用される。
【0030】
好ましくは、本発明の光酸発生剤化合物は化学増幅ポジ型レジストにおいて使用される。多くのそのようなレジスト組成物が、例えば、米国特許第4,968,581号;第4,883,740号;第4,810,613号および第4,491,628号、並びにカナダ国特許出願公開第2,001,384号に記載されており、これらの文献全ては、化学増幅ポジ型レジストを製造および使用するこれらの教示について、参照により本明細書に組み込まれる。本発明に従って、これら従来のレジスト組成物は、放射線感受性成分としての本発明の光活性成分の置き換えによって改変される。
【0031】
また、本発明のPAGは1種以上の光酸不安定基を含むポリマーと共に好ましくは使用され、本発明のPAGは実質的に、本質的にまたは完全にフェニル基を含まない。このフォトレジスト組成物はサブ200nm放射線、例えば、193nm放射線での像形成に特に有用である。上述のように、好ましい形態においては、この種のこのような樹脂はヒドロキシナフチルのような特定の芳香族基を含むことができる。
【0032】
例えば、好ましいポリマーは約5モルパーセント未満の芳香族基、より好ましくは約1未満または2未満のモルパーセントの芳香族基、より好ましくは約0.1未満、0.02未満、0.04未満、および0.08未満のモルパーセントの芳香族基、さらにより好ましくは約0.01モルパーセント未満の芳香族基を含む。特に好ましいポリマーは芳香族基を完全に含まない。芳香族基はサブ200nmの放射線を高度に吸収することができ、よってこのような短波長の放射線で像形成されるフォトレジストに使用されるポリマーには望ましくない。
【0033】
芳香族基を実質的にまたは完全に含まず、かつ本発明のPAGと配合されてサブ200nm像形成のためのフォトレジストを提供できる好適なポリマーは、シプレイ(Shipley)カンパニーの欧州特許出願公開第930542A1号に開示されている。
【0034】
実質的にもしくは完全に芳香族基を含まない好適なポリマーは、好適に、メチルアダマンチルアクリラート、メチルアダマンチルメタクリラート、エチルフェンシルアクリラート、エチルフェンシルメタクリラートなどの重合により提供されうる光酸不安定アクリラート単位のようなアクリラート単位;ノルボルネン化合物または環内炭素−炭素二重結合を有する他の脂環式化合物の重合により提供されうるような縮合非芳香族脂環式基;無水マレイン酸の重合により提供されうるような無水物;などを含む。
【0035】
好ましい本発明のネガ型組成物は酸への曝露の際に硬化、架橋または固化しうる物質の混合物と本発明の光活性成分とを含む。
【0036】
特に好ましいネガ型組成物は、フェノール系樹脂のような樹脂バインダー、架橋剤成分および本発明の光活性成分を含む。このような組成物およびその使用は欧州特許出願公開第0164248号および第0232972号、並びにThackerayらへの米国特許第5,128,232号に開示されている。樹脂バインダー成分として使用するのに好ましいフェノール系樹脂には、上述のようなノボラックおよびポリ(ビニルフェノール)類が挙げられる。好ましい架橋剤には、アミンベースの物質、例えば、メラミン、グリコールウリル、ベンゾグアナミンベースの物質および尿素ベースの物質が挙げられる。メラミンホルムアルデヒド樹脂は概して最も好ましい。このような架橋剤は市販されており、例えば、メラミン樹脂は、サイメル(Cymel)300、301および303の商品名でアメリカンシアナミド(American Cyanamid)によって販売されている。グリコールウリル樹脂はサイメル1170、1171、1172の商品名でアメリカンシアナミドによって販売されており、尿素ベースの樹脂はビートル(Beetle)60、65および80の商品名で販売されており、ベンゾグアナミン樹脂はサイメル1123および1125の商品名で販売されている。
【0037】
上述のように、本発明において使用するためのフォトレジストは光酸発生剤(すなわち、PAG)も含み、このPAGは、好適には、活性化放射線への露光の際にレジストの塗膜層に潜像を生じさせるのに充分な量で使用される。193nmおよび248nm像形成での像形成に好ましいPAGには、下記式の化合物のようなイミドスルホナートが挙げられる:
【化7】
式中、Rはカンフル、アダマンタン、アルキル(例えば、C1−12アルキル)およびフルオロアルキル、例えば、フルオロ(C1−18アルキル)、例えば、RCF−[Rは場合によって置換されたアダマンチルである]である。
【0038】
上記スルホナートアニオン、特にペルフルオロアルキルスルホナート、例えば、ペルフルオロブタンスルホナートのようなアニオンと複合体を形成したトリフェニルスルホニウムPAGも好ましい。
【0039】
他の既知のPAGも本発明のレジストにおいて使用されうる。特に193nmでの像形成のためには、向上した透明性を提供するために、上記イミドスルホナートのような、芳香族基を含まないPAGが概して好ましい。
【0040】
本発明のフォトレジストにおいて使用するのに好適な他の光酸発生剤には、例えば、オニウム塩、例えば、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホナート;ニトロベンジル誘導体、例えば、2−ニトロベンジルp−トルエンスルホナート、2,6−ジニトロベンジルp−トルエンスルホナート、および2,4−ジニトロベンジルp−トルエンスルホナート;スルホン酸エステル、例えば、1,2,3−トリス(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンゼン、および1,2,3−トリス(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン;ジアゾメタン誘導体、例えば、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン;グリオキシム誘導体、例えば、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、およびビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム;N−ヒドロキシイミド化合物のスルホン酸エステル誘導体、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミドメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホン酸エステル;並びに、ハロゲン含有トリアジン化合物、例えば、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、および2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンが挙げられる。このようなPAGの1種以上が使用されうる。
【0041】
本発明のフォトレジストは他の物質を含むこともできる。例えば、他の任意の添加剤には、化学線およびコントラスト染料(actinic and contrast dye)、ストリエーション防止(anti−striation)剤、可塑剤、速度向上剤、増感剤などが挙げられる。このような任意の添加剤は、充填剤および染料(これらは比較的高濃度、例えば、レジストの乾燥成分の全重量の5〜50重量パーセントの量で存在できる)を除いて、典型的には、フォトレジスト組成物中で低濃度で存在することができる。
【0042】
本発明のレジストの樹脂バインダー成分は典型的には、露光されたレジスト塗膜層を、例えば、アルカリ水溶液で現像可能にするのに充分な量で典型的に使用される。より具体的には、樹脂バインダーは全固形分の50〜約90重量パーセントのレジストを好適に含むことができる。光活性成分はレジストの塗膜層中での潜像の発生を可能にするのに充分な量で存在するべきである。より具体的には、光活性成分はレジストの全固形分の約1〜40重量パーセントの量で好適に存在しうる。典型的には、より少ない量の光活性成分が化学増幅レジストに好適であろう。
【0043】
本発明のフォトレジストは概して既知の手順に従って製造されるが、ただし、このようなフォトレジスト配合物中に使用される従来の光活性性化合物が本発明のPAGに替えられる。例えば、本発明のレジストは、フォトレジストの成分を好適な溶媒に溶解することによりコーティング組成物として製造されることができ、好適な溶媒としては、例えば、グリコールエーテル、例えば2−メトキシエチルエーテル(ジグライム)、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル;ラクタート、例えば、乳酸エチルもしくは乳酸メチル(乳酸エチルが好ましい);プロピオナート、特にプロピオン酸メチルおよびプロピオン酸エチル;セロソルブエステル、例えば、メチルセロソルブアセタート;芳香族炭化水素、例えば、トルエンもしくはキシレン;または、ケトン、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンおよび2−ヘプタノンなどが挙げられる。典型的には、フォトレジストの固形分は、フォトレジスト組成物の全重量の5〜35重量パーセントで変化する。
【0044】
本発明のフォトレジストは既知の手順に従って使用されうる。本発明のフォトレジストはドライフィルムとして適用されうるが、本発明のフォトレジストは好ましくは液体コーティング組成物として基体上に適用され、加熱により乾燥させられ、好ましくは塗膜層が粘着性でなくなるまで溶媒を除去し、フォトマスクを通して活性化放射線に露光され、場合によっては露光後ベークされて、レジスト塗膜層の露光領域と未露光領域との間の溶解度差を作り出すかまたは大きくし、次いで、好ましくは水性アルカリ現像剤で現像されてレリーフ像を形成する。本発明のレジストが適用され好適に処理される基体は、マイクロエレクトロニクスウェハのような、フォトレジストを伴うプロセスに使用されるあらゆる基体であり得る。例えば、基体は、ケイ素、二酸化ケイ素、アルミニウム−酸化アルミニウムマイクロエレクトロニクスウェハでありうる。ガリウムヒ素、セラミック、石英または銅基体も使用されうる。液晶ディスプレイおよび他のフラットパネルディスプレイ用途に使用される基体、例えば、ガラス基体、インジウムスズ酸化物コーティング基体なども好適に使用される。液体コーティングレジスト組成物はスピニング、ディッピング、またはローラーコーティングのようなあらゆる標準的な手段で適用されうる。露光エネルギーは、感放射線システムの光活性成分を効果的に活性化して、レジスト塗膜層にパターン形成された像を生じさせるのに充分であるべきである。好適な露光エネルギーは典型的には約1〜300mJ/cmの範囲である。上述のように、好ましい露光波長には、サブ200nm、例えば、193nmが挙げられる。好適な露光後ベーク温度は約50℃以上、より具体的には約50〜140℃である。酸硬化性ネガ型レジストについては、望まれる場合には、現像により形成されたレリーフ像をさらに硬化させるために約100〜150℃の温度で数分以上で現像後ベークが使用されうる。現像および何らかの現像後硬化の後で、現像によって露出させられた基体表面は、次いで、選択的に処理、例えば、フォトレジストが除かれた基体領域を、当該技術分野で知られている手順に従って化学エッチングまたはめっきすることができる。好適なエッチング剤には、フッ化水素酸エッチング溶液およびプラズマガスエッチング、例えば、酸素プラズマエッチングが挙げられる。
以下の非限定的な実施例は本発明の例示である。
【実施例】
【0045】
実施例1:窒素含有化合物(スキームAにおける化合物4)の合成
標記化合物(スキームAにおける化合物4)の合成が以下のスキームAにおいて記載される。各工程の詳細な合成手順は以下に概説される。
【化8】
【0046】
パート1:化合物(2)の合成
2−アミノ−2−メチル−プロパン−1,3−ジオール(5部)およびドデカナール(8.5部)が90/10塩化メチレン(20部)および(15部)にそれぞれ溶解された。ドデカナール溶液が2−アミノ−2−メチル−プロパン−1,3−ジオール溶液に室温で攪拌しつつ添加された。この混合物が室温で一晩攪拌され、精製することなく次の工程で使用された。
【0047】
パート2:化合物(3)の合成
上記混合物を氷浴中で冷却した。水素化ホウ素ナトリウム(3.8部)を50/50塩化メチレン/メタノール(20部)に溶解し、上記混合物にゆっくりと添加した。得られた混合物を室温で3時間攪拌した。化合物3を通常の水系ワークアップで単離し、次いで溶媒を除去した。
【0048】
パート3:化合物(4)の合成
9.3部の化合物(3)および9.7部のジ−tert−ブチルカルボナートを40部の酢酸エチルに溶解し、これを6.8部のトリエタノール窒素含有で処理した。この混合物を室温で4時間攪拌した。酢酸エチルを移動相として使用するシリカゲルクロマトグラフィーで化合物4が単離された。
【0049】
実施例2:窒素含有化合物(スキームBにおける化合物6)の合成
標記化合物(スキームBにおける化合物6)の合成が以下のスキームBにおいて記載される。各工程の詳細な合成手順は以下に概説される。
【化9】
【0050】
化合物(6)の合成
5部の2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−プロパン−1,3−ジオールを70部の1:1メタノール/tert−ブタノール混合溶媒に溶解する。6.4部のジ−tert−ブチルカルボナートを50部の溶融tert−ブタノールに溶解する。ジ−tert−ブチルカルボナート/tert−ブタノール溶液を、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−プロパン−1,3−ジオール/1:1メタノール/tert−ブタノール溶液にゆっくりと室温で添加し、攪拌しつつ一晩維持する。溶媒を除去する。酢酸エチルから再結晶させる。
【0051】
実施例3:フォトレジスト製造およびリソグラフィー処理
レジスト組成物の全重量を基準にした重量パーセントで表された量で以下の成分を混合することにより本発明のフォトレジストが製造される。
【0052】
【表1】
【0053】
樹脂バインダーはターポリマー(2−メチル−2−アダマンチルメタクリラート/ベータ−ヒドロキシ−ガンマ−ブチロラクトンメタクリラート/シアノ−ノルボルニルメタクリラート)である。光酸発生剤はt−ブチルフェニルテトラメチレンスルホニウムペルフルオロブタンスルホナート化合物である。窒素含有化合物は上記実施例1で示されかつ上記実施例1で製造された、スキームAの化合物4である。溶媒成分は、シクロヘキサノンおよび乳酸エチルと混合されたプロピレングリコールメチルエーテルアセタートである。樹脂、PAG、および窒素含有化合物成分は溶媒成分中で混合される。
配合されたレジスト組成物はHMDS蒸気処理された4インチシリコンウェハ上にスピンコートされ、真空ホットプレートで90℃で60秒間ソフトベークされる。レジスト塗膜層はフォトマスクを通して193nmで露光され、次いで、露光された塗膜層が110℃で露光後ベークされる。コーティングされたウェハは次いで、0.26Nテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で処理され、像形成されたレジスト層を現像する。
【0054】
実施例4:フォトレジスト製造およびリソグラフィー処理
レジスト組成物の全重量を基準にした重量パーセントで表された量で以下の成分を混合することにより本発明のフォトレジストが製造される。
【0055】
【表2】
【0056】
樹脂バインダーはターポリマー(2−メチル−2−アダマンチルメタクリラート/ベータ−ヒドロキシ−ガンマ−ブチロラクトンメタクリラート/シアノ−ノルボルニルメタクリラート)である。光酸発生剤はt−ブチルフェニルテトラメチレンスルホニウムペルフルオロブタンスルホナート化合物である。窒素含有化合物は上記実施例2で示されかつ上記実施例2で製造された、スキームBの化合物6である。溶媒成分は、シクロヘキサノンおよび乳酸エチルと混合されたプロピレングリコールメチルエーテルアセタートである。樹脂、PAG、および窒素含有化合物成分は溶媒成分中で混合される。
配合されたレジスト組成物はHMDS蒸気処理された4インチシリコンウェハ上にスピンコートされ、真空ホットプレートで90℃で60秒間ソフトベークされる。レジスト塗膜層はフォトマスクを通して193nmで露光され、次いで、露光された塗膜層が110℃で露光後ベークされる。コーティングされたウェハは次いで、0.26Nテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で処理され、像形成されたレジスト層を現像する。
【0057】
実施例5:リソグラフィー結果(比較データも含む)
300mmシリコンウェハ上にコーティングされた有機ボトム反射防止層上に、実施例3の配合物に対応するフォトレジスト(フォトレジスト1)がスピンコートされた。このフォトレジスト1の層はソフトベークされて乾燥層厚を提供した。次いで、このフォトレジスト上に有機トップコートが適用された。フォトレジスト1の層は、次いで、193nm ASML 1900i;1.3NA CQUAD 40°0.98/0/78σXY偏光)でパターン形成するように(patternwise)液浸露光された。露光に続いて、像形成されたフォトレジスト1の層は0.26Nテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水性現像剤で現像された。得られた現像されたフォトレジスト1の走査型電子顕微鏡写真(SEM)が図1Aに示される。
【0058】
300mmシリコンウェハ上にコーティングされた有機ボトム反射防止層上に、実施例1の配合物に対応するが、窒素含有化合物が1つのヒドロキシル基を有する比較のフォトレジスト(比較フォトレジスト1)がスピンコートされた。この比較フォトレジスト1の層はソフトベークされて乾燥層厚を提供した。次いで、このフォトレジスト上に有機トップコートが適用された。比較フォトレジスト1の層は、次いで、193nm ASML 1900i;1.3NA CQUAD 40°0.98/0/78σXY偏光)でパターン形成するように液浸露光された。露光に続いて、像形成された比較フォトレジスト1の層は0.26Nテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水性現像剤で現像された。得られた現像された比較フォトレジスト1の走査型電子顕微鏡写真(SEM)が図1Bに示される。図1Aおよび図1Bから認められうるように、フォトレジスト1は、比較フォトレジスト1よりも顕著に向上した解像度(より直線的かつより均一なプリントライン)を有するレリーフ像を提供した。
【0059】
実施例6:リソグラフィー結果(比較データも含む)
300mmシリコンウェハ上にコーティングされた有機ボトム反射防止層上に、実施例4の配合物に対応するフォトレジスト(フォトレジスト2)がスピンコートされた。このフォトレジスト2の層はソフトベークされて乾燥層厚を提供した。次いで、このフォトレジスト上に有機トップコートが適用された。フォトレジスト2の層は、次いで、193nm ASML 1900i;1.3NA CQUAD 40°0.98/0/78σXY偏光)でパターン形成するように液浸露光された。露光に続いて、像形成されたフォトレジスト2の層は0.26Nテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水性現像剤で現像された。得られた現像されたフォトレジスト2の走査型電子顕微鏡写真(SEM)が図2Aに示される。
【0060】
300mmシリコンウェハ上にコーティングされた有機ボトム反射防止層上に、実施例1の配合物に対応するが、窒素含有化合物が1つのヒドロキシル基を有する比較のフォトレジスト(比較フォトレジスト2)がスピンコートされた。この比較フォトレジスト2の層はソフトベークされて乾燥層厚を提供した。次いで、このフォトレジスト上に有機トップコートが適用された。比較フォトレジスト2の層は、次いで、193nm ASML 1900i;1.3NA CQUAD 40°0.98/0/78σXY偏光)でパターン形成するように(patternwise)液浸露光された。露光に続いて、像形成された比較フォトレジスト2の層は0.26Nテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水性現像剤で現像された。得られた現像された比較フォトレジスト2の走査型電子顕微鏡写真(SEM)が図2Bに示される。図2Aおよび図2Bから認められうるように、フォトレジスト2は、比較フォトレジスト2よりも顕著に向上した解像度(より直線的かつより均一なプリントライン)を有するレリーフ像を提供した。
図1A
図1B
図2A
図2B
【外国語明細書】
2015172057000001.pdf
2015172057000002.pdf
2015172057000003.pdf
2015172057000004.pdf