特開2015-172489(P2015-172489A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-172489(P2015-172489A)
(43)【公開日】2015年10月1日
(54)【発明の名称】電気化学式センサ
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/416 20060101AFI20150904BHJP
【FI】
   G01N27/46 311A
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-47477(P2014-47477)
(22)【出願日】2014年3月11日
(71)【出願人】
【識別番号】000190301
【氏名又は名称】新コスモス電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】西井 恵里
(72)【発明者】
【氏名】小野 佳徳
(72)【発明者】
【氏名】大橋 佳恵
(72)【発明者】
【氏名】近藤 克典
(57)【要約】
【課題】作用電極および導線の導通状態が解除され難い電気化学式ガスセンサを提供する。
【解決手段】筐体の内部に、作用電極21と、参照電極22と、対向電極23と、これら電極21〜23に接する電解液と、を収容し、作用電極21、参照電極22および対向電極23のそれぞれと各別に接続する複数の導線60を備え、作用電極21と、当該作用電極21に接続する導線60との接触領域の少なくとも一部が、上面視で押圧部材にて押圧される位置にあり、参照電極22と、当該参照電極22に接続する導線60との接触領域が、上面視で押圧部材にて押圧される位置に存在しないように構成してある電気化学式センサ。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の内部に、作用電極と、参照電極と、対向電極と、これら電極に接する電解液と、を収容し、
前記作用電極、前記参照電極および前記対向電極のそれぞれと各別に接続する複数の導線を備え、
前記作用電極と、当該作用電極に接続する前記導線との接触領域の少なくとも一部が、上面視で押圧部材にて押圧される位置にあり、
前記参照電極と、当該参照電極に接続する前記導線との接触領域が、上面視で前記押圧部材にて押圧される位置に存在しない電気化学式センサ。
【請求項2】
前記対向電極と、当該対向電極に接続する前記導線との接触領域が、上面視で前記押圧部材にて押圧される位置に存在しない請求項1に記載の電気化学式センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、筐体の内部に、作用電極と、参照電極と、対向電極と、これら電極に接する電解液と、を備えた電気化学式センサに関する。
【背景技術】
【0002】
電気化学式ガスセンサは、化学反応(酸化還元反応)によって発生するエネルギーを電気エネルギーとして取り出すことによって、ガスを検知するものである。電気化学式ガスセンサは、低消費電力、出力特性がリニア、ガス選択性に比較的優れるなどの特徴を持っていることから、工業用のガス濃度測定機器や、近年では一酸化炭素や硫化水素、酸素などの検知警報器などに広く使用されている。
【0003】
一酸化炭素の場合、作用電極で一酸化炭素の酸化反応がおき、それによって生成する水素イオンと等量の水素イオンが、対向電極で空気中の酸素と反応して水を生成する。この一連の反応によって発生する電流は、作用電極側のガス濃度に対応するため、この電流を測定することでガス濃度を検知することができる。
【0004】
電気化学式ガスセンサは、開口部を設けた筐体と、小孔が形成された蓋部と、を備え、当該筐体の内部に、作用電極、参照電極、対向電極、電極を押圧固定するOリング、電解液、ガス透過膜などがそれぞれ収容されている。
【0005】
上述した電気化学式ガスセンサにおいて、筐体を外側筐体および内側筐体で構成した二重構造とし、電解液を、外側筐体に内包した内側筐体に収容することがあった。この場合、外側筐体および内側筐体の隙間に、作用電極、参照電極および対向電極のそれぞれと各別に接続する導線を挿通させていた。
【0006】
外側筐体は、底側に設けた孔部および前記底側の反対側に設けた開口部を有し、内側筐体は、当該孔部を挿通して電解液を内側筐体に注入可能な筒状部を有する。
【0007】
作用電極、参照電極および対向電極は、それぞれを撥水性を有する多孔質のガス透過膜に積層し、それぞれをグラスウール膜などで絶縁した状態でOリングによって押圧固定されていた。当該Oリングは、外側筐体の開口部を封止する蓋部によって押圧されていた。
【0008】
尚、このような電気化学式ガスセンサは一般的な技術であるため、従来技術は示さない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
作用電極、参照電極および対向電極のそれぞれと各別に接続する導線は、その先端部分が各電極と接続して導通していた。上述したように作用電極では被検知ガスの反応がおき、当該作用電極で発生する電流を測定することでガス濃度を検知することができる。しかし、導線と作用電極との接続が、導線の先端部分のみであるため、不意に当該先端部分の接続が作用電極から外れた場合、作用電極および導線の導通状態が解除されてしまい、被検知ガスのガス濃度を検知することができなくなるという問題点があった。
【0010】
従って、本発明の目的は、作用電極および導線の導通状態が解除され難い電気化学式センサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明に係る電気化学式センサの第一特徴構成は、筐体の内部に、作用電極と、参照電極と、対向電極と、これら電極に接する電解液と、を収容し、
前記作用電極、前記参照電極および前記対向電極のそれぞれと各別に接続する複数の導線を備え、前記作用電極と、当該作用電極に接続する前記導線との接触領域の少なくとも一部が、上面視で押圧部材にて押圧される位置にあり、前記参照電極と、当該参照電極に接続する前記導線との接触領域が、上面視で前記押圧部材にて押圧される位置に存在しない点にある。
【0012】
本構成のように、作用電極と、当該作用電極に接続する導線との接触領域の少なくとも一部が、上面視で押圧部材にて押圧される位置にあるように構成すれば、上面視における押圧部材による押圧位置を作用電極および導線の導通部位とすることができるため、作用電極および導線の導通状態が解除され難い電気化学式センサとなる。
【0013】
本構成では、参照電極と、当該参照電極に接続する導線との接触領域が、上面視で押圧部材にて押圧される位置に存在しない。そのため、被検知ガスが侵入し易いとされる上面視で押圧部材にて押圧される位置には、参照電極と導線との接触領域は存在しないこととなる。従って、参照電極が被検知ガスに接触するのを未然に防止することができるため、参照電極の電位が変化するのを防止できる。
【0014】
本発明に係る電気化学式センサの第二特徴構成は、前記対向電極と、当該対向電極に接続する前記導線との接触領域が、上面視で前記押圧部材にて押圧される位置に存在しない点にある。
【0015】
本構成によれば、被検知ガスが侵入し易いとされる上面視で押圧部材にて押圧される位置には、対向電極と導線との接触領域は存在しないこととなる。従って、対向電極が被検知ガスに接触するのを未然に防止することができるため、所望しない被検知ガスの接触による対向電極の電位の変化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の電気化学式センサの外観の概略図である((a)上面視(b)側面視(c)下面視)。
図2】電気化学式センサの断面概略図である。
図3図2の電気化学式センサの分解概略図である。
図4】各電極の概略図である((a)作用電極(b)参照電極(c)対向電極)。
図5】対向電極の別実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜4に示したように、本発明の電気化学式センサXは、筐体10の内部に、作用電極21と、参照電極22と、対向電極23と、これら電極21〜23に接する電解液31と、を収容している。
【0018】
また、電気化学式センサXは、作用電極21、参照電極22および対向電極23のそれぞれと各別に接続する複数の導線60を備え、作用電極21と、当該作用電極21に接続する導線60との接触領域の少なくとも一部が、上面視で押圧部材56にて押圧される位置にある。
さらに、電気化学式センサXは、参照電極22と、当該参照電極22に接続する導線60との接触領域が、上面視で押圧部材56にて押圧される位置に存在しないように構成してある。
【0019】
当該筐体10は、外側筐体11と、外側筐体11に内包して電解液31を収容する内側筐体12と、外側筐体11を封止する蓋部13と、によって構成される。
【0020】
外側筐体11は、底側に設けた孔部11aおよび当該底側の反対側に設けた開口部11bを有し、内側筐体12は、孔部11aを挿通する筒状部12aを有する。
【0021】
さらに、本発明の電気化学式センサXは、外側筐体11および内側筐体12の接続部位を熱溶着した溶着部40’を有する。本実施形態では、接続部位を、外側筐体11において底側に設けた孔部11a、および、内側筐体12において孔部11aを挿通する筒状部12aとする場合について説明する。尚、本実施形態では、気密性および水密性を確保するべく、孔部11aおよび筒状部12aは溶着部40’において熱溶着してあるが、熱溶着する前は、筒状部12aより電解液31を注入可能となっている。
【0022】
筐体10を構成する外側筐体11、内側筐体12および蓋部13は、例えばプラスティックなどの樹脂製とする。筐体10は外側筐体11および内側筐体12で構成した二重構造とし、外側筐体11および内側筐体12の隙間に、作用電極21、参照電極22および対向電極23のそれぞれと各別に接続する導線60を挿通させている。また、外側筐体11における端子設置穴11cに、導線60と接続する電極端子14を複数備える。
【0023】
導線60は、白金、金およびニッケル等で形成すればよい。また、導線60は、各電極21,22,23と導通するものであれば特にその形状などは限定されないが、各電極21,22,23との接触面積をより広くし、より確実な導通を実現するという点から、例えばリボン状、帯状等の幅広形状とするのがよい。
【0024】
蓋部13には、小孔13aが形成され、当該小孔13aより被検知ガスを取り入れる。小孔13aの数は、適量な被検知ガスを取り入れることができれば特に限定されず、その数は孔径にもよるが、大径の孔を設けることや、多くの数の孔を設けることはセンサ構成上好ましくない。従って、小孔13aは例えば1〜5つ程度の孔で適量の被検知ガスを取り入れられる構成とすればよく、被検知ガスを電気化学式センサXの内部に均等に取り込むという観点から、小孔13aの数は5つとするのが特に好ましい。蓋部13の外側表面には、公知の防水・防塵用フィルター13bを貼着してある。
【0025】
電極21〜23は筐体10の内部に形成された電極収容部20に収容される。
作用電極21、参照電極22および対向電極23は、触媒および疎水性樹脂を含むガス拡散電極からなり、触媒としては、白金(Pt)、金(Au)、ルテニウム(Ru)、酸化ルテニウム(RuO2)、パラジウム(Pd)、カーボン(C)、白金担時カーボン(Pt/C)、金担時カーボン(Au/C)などが好適に用いられ、疎水性樹脂としてはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂などが好適に用いられる。
【0026】
作用電極21、参照電極22および対向電極23は、それぞれ撥水性を有する多孔質(PTFE製)のガス透過膜51〜53に積層し、それぞれを吸水性の絶縁部材(例えばグラスウール膜)54で絶縁し、撥水性を有する多孔性で環状の多孔質シート部材(例えばPTFE製)55a,55bによって電極収容部20の外周を封止した状態で押圧部材であるOリング56によって押圧固定してある(図3)。多孔質シート部材55aは作用電極21および参照電極22の間に介在させ、多孔質シート部材55bは対向電極23の下方に配設してある。当該Oリング56は、作用電極21、参照電極22、対向電極23、ガス透過膜51〜53、絶縁部材54、多孔質シート部材55a,55bを積層した状態で押圧固定する押圧部材であり、蓋部13が外側筐体11の開口部11bを封止したときに当該蓋部13によって押圧力が発生する。
【0027】
Oリング56は、最上部に位置するガス透過膜51の周縁を直接押圧し、蓋部13によって押圧力が発生すると、当該ガス透過膜51の下方に位置する作用電極21、参照電極22、対向電極23、ガス透過膜52,53、絶縁部材54、多孔質シート部材55a,55bは、隣接する各部材と当該押圧力によって密接する。
【0028】
Oリング56は、最上部に位置するガス透過膜51の周縁を直接押圧するため、多孔質シート部材55a,55bの周縁、ガス透過膜53の周縁が、上面視でOリング56にて押圧される位置となる。また、図3,4に示したように、作用電極21、参照電極22および対向電極23のそれぞれと各別に接続する導線60は、その先端部分が各電極21〜23と接続して導通している。このとき、本発明では、作用電極21と、当該作用電極21に接続する導線60との接触領域の少なくとも一部が、上面視でOリング56にて押圧される位置にあるように構成してある。さらに、参照電極22と、当該参照電極22に接続する導線60との接触領域が、上面視でOリング56にて押圧される位置に存在しないように構成してある。
【0029】
例えば、作用電極21は、Oリング56と略同径である円形のガス透過膜51よりも小径の状態で当該ガス透過膜51上に設けられ、その一部(延出部21a)がOリング56で押圧されるガス透過膜51の周縁の領域まで延出するような形状となっている。即ち、Oリング56の押圧力により、作用電極21は、少なくともガス透過膜51の周縁の領域まで延出する延出部21aにおいて導線60と接触するため、作用電極21および導線60を確実に導通させることができる。
【0030】
尚、後述するように、電解液31は、毛管現象によって、順次、対向電極23、参照電極22および作用電極21に到達する。このとき、上面視でOリング56にて押圧される位置はOリング56の押圧力によって電解液31は到達し難い。そのため、上面視でOリング56にて押圧される位置は被検知ガスが侵入し易くなる。作用電極21の延出部21aは、上面視でOリング56にて押圧される位置に存在するため、侵入してきた被検知ガスと接触すると被検知ガスの反応がおき、当該作用電極21(延出部21a)で発生する電流を測定することでガス濃度を検知することができる。
【0031】
また、参照電極22は、Oリング56より小径である円形のガス透過膜52と同径の状態で当該ガス透過膜52上に設けられる。尚、本実施形態では、参照電極22は、対向電極23の中心部分を切り取るようにして形成してある。仮に参照電極22に被検知ガスが接触すると、参照電極22で被検知ガスが反応して参照電極22の電位が変化してしまう。参照電極22は電位が変化しないことが求められる。本発明では、参照電極22と、当該参照電極22に接続する導線60との接触領域が、上面視でOリング56にて押圧される位置に存在しない。そのため、被検知ガスが侵入し易いとされる上面視でOリング56にて押圧される位置には、参照電極22と導線60との接触領域は存在しないこととなる。従って、参照電極22が被検知ガスに接触するのを未然に防止することができるため、参照電極22の電位が変化するのを防止できる。
【0032】
さらに、対向電極23は、Oリング56と略同径である環状のガス透過膜53よりも小径の状態で当該ガス透過膜53上に設けることが可能である。即ち、対向電極23と、当該対向電極23に接続する導線60との接触領域が、上面視でOリング56にて押圧される位置に存在しないように構成してある。
この場合も、被検知ガスが侵入し易いとされる上面視でOリング56にて押圧される位置には、対向電極23と導線60との接触領域は存在しないこととなる。従って、対向電極23が被検知ガスに接触するのを未然に防止することができるため、所望しない被検知ガスの接触による対向電極23の電位の変化を抑制することができる。
【0033】
作用電極21の蓋部13の側にはバッファ用フィルター57が配置してある。
【0034】
ガス透過膜51〜53は、電解液31は透過せずに被検知ガスを透過する材質であればよく、例えば4フッ化エチレン6フッ化プロピレン共重合樹脂(FEP膜)等、従来公知のものが適用可能である。
【0035】
電解液31は、内側筐体12および内側筐体蓋部12bで囲まれた電解液収容空間30に収容されている。また、電解液31には、電解液保持体32および内圧調整部材58が浸漬してあり、電解液31は、吸水性の電解液保持体32に保持される。電解液保持体32は、例えば濾紙状のガラス繊維や、セルロース繊維、発泡プラスティック(例えば発泡ポリエチレン)、グラスウール等で構成されており、この電解液保持体32には、電解質として、硫酸(H2SO4)やリン酸(H3PO4)などの酸性水溶液、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)などのアルカリ性水溶液、常温溶融塩が充分に含浸されている。電解液保持体32は、内側筐体蓋部12bに形成した孔部12cを挿通している。また内圧調整部材58は、例えば多孔質メンブレン(PTFE、PEを含む)で構成される。
【0036】
常温溶融塩としては、常温において液体状態となる、主に窒素含有芳香族カチオンもしくは脂肪族オニウムカチオンとフッ素含有アニオンとから構成される溶融塩が用いられる。当該窒素含有芳香族カチオンとしては、例えばアルキルイミダゾリウムイオンまたはアルキルピリジニウムイオンが用いられる。また上記フッ素含有アニオンは、例えばホウフッ化物イオン、リンフッ化物イオンまたはトリフルオロメタンスルホン酸イオンが用いられる。
【0037】
本実施形態では、図3に示したように、電解液保持体32および内圧調整部材58をそれぞれコ字状に形成し、電解液保持体32および内圧調整部材58を電解液収容空間30の外部(内側筐体蓋部12bの上部)で交差させている。電解液保持体32の両端部32aは電解液31に浸漬させ、中間部32bを絶縁部材54に接触させている。
本構成では、吸水性の電解液保持体32が電解液31を毛管現象によって吸い上げ、当該電解液31が中間部32bに到達する。中間部32bは吸水性の絶縁部材54に接触しており、中間部32bまで吸い上げられた電解液31は、絶縁部材54によって毛管現象により吸い上げられて対向電極23に達する。このようにして電解液31は、毛管現象によって、順次、参照電極22および作用電極21に到達する。
【0038】
〔別実施形態〕
上述した実施形態では、対向電極23は、Oリング56と略同径である環状のガス透過膜53よりも小径の状態となるように形成した。しかし、このような態様に限定されず、対向電極23は、その一部がOリング56で押圧されるガス透過膜53の周縁の領域まで延出する延出部23aを有する形状としてもよい(図5)。この場合、Oリング56の押圧力により、対向電極23は、少なくともガス透過膜53の周縁の領域まで延出する延出部23aにおいて導線60と接触するため、対向電極23および導線60を確実に導通させることができる。
【0039】
また、対向電極23は、ガス透過膜53と略同径となるように形成してもよい。さらに対向電極23は、導線60と接触する領域のみが、Oリング56で押圧される位置には設けられないように形成、即ち接触領域の周辺のみ対向電極23が当該対向電極23の中央側に退避しているように対向電極23の円の一部を切り欠いて形成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、筐体の内部に、作用電極と、参照電極と、対向電極と、これら電極に接する電解液と、を備えた電気化学式センサに利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
X 電気化学式センサ
10 筐体
21 作用電極
22 参照電極
23 対向電極
31 電解液
56 押圧部材
60 導線
図1
図2
図3
図4
図5