【解決手段】光モジュール10は、PCBとFPC16とを有する。PCBは、電極パターン17aと、位置合わせマークとを有する。FPC16は、電極パッド16aと、位置合わせマークとを有する。FPC16は、電極パッド16aを電極パターン17aに電気的に接続する際に位置合わせマークの少なくとも一部が位置合わせマーク近傍に露出する様に形成される。FPC16は、上記位置合わせマークの一部を覆うカバー材を、電極パッド16aとは異なる面に有するものとしてもよい。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願の開示する光モジュールの実施例を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の実施例により本願の開示する光モジュールが限定されるものではない。
【0012】
まず、本願の開示する一実施例に係る光モジュールの構成を説明する。
図1は、本実施例に係る光モジュール10の構成を示す上面図である。
図1に示す様に、光モジュール10は、結晶基板11上に形成された光導波路12近傍に、電極13が設けられることで形成される。結晶基板11は、LiNbO
3(LN)、LiTaO
2等の電気光学結晶により形成される。また、光導波路12は、Ti等の金属膜を形成して熱拡散させる、あるいは、パターニング後に安息香酸中でプロトン交換する、ことにより形成される。光導波路12は、マッハツェンダ干渉系を成し、電極13は、マッハツェンダの平行導波路上に設けられている。
【0013】
また、電極13は、z軸方向の電界による屈折率変化を利用するため、光導波路12の真上に配置される。電極13は、光導波路12上に、信号電極と接地電極とがパターニングされることにより形成されるコプレーナ電極である。光モジュール10は、光導波路12中を伝搬する光が上記信号電極と接地電極とにより吸収されるのを防ぐため、結晶基板11と電極13との間にバッファ層を有する。バッファ層は、厚さ0.2〜2μm程度のSiO
2等により形成される。
【0014】
光モジュール10は、高速で駆動する場合、上記信号電極と接地電極の終端を抵抗により接続して進行波電極とし、入力側からマイクロ波信号を印加する。このとき、電界によって、マッハツェンダを構成する2本の光導波路12(例えば、光導波路12a、12b)の屈折率が、それぞれ+Δna、−Δnbの様に変化し、これに伴い、光導波路12間の位相差が変化する。その結果、マッハツェンダ干渉によって、位相変調された信号光が、光導波路12から出力される。光モジュール10は、電極13の断面形状を変化させることでマイクロ波の実効屈折率を制御して、光とマイクロ波との速度を整合させることにより、高速の光応答特性を得ることができる。
【0015】
光モジュール10では、
図1に示す様に、結晶基板11と光導波路12と電極13とを収容するパッケージ14に、中継基板15を介して、FPC16が設けられている。FPC16上の電極における高周波の伝播損失が大きいと、変調帯域が狭くなり、駆動電圧が上がってしまう。このため、高周波信号を扱う光モジュール10においては、高周波の損失を減らすために、FPC16を極力短くすることが望ましい。また、FPC16にはPCBが接続されるが、この接続部においてインピーダンスのミスマッチが発生すると、高周波信号の反射が大きくなり、伝送周波数帯域が狭くなる。これを防ぐためには、FPC16上の電極パッド16aとPCBの電極パターン17aとの接続部における特性インピーダンスが極力50Ωとなる様にすることが重要である。
【0016】
PCBの電極パターン17aから出力されたRF信号等の電気信号は、パッケージ14に取り付けられたFPC16の電極パッド16aを介して、電極13に入力される。PCB(電極パターン)とFPC16(電極パッド)との間は、半田により接続されるので、同軸アダプタを用いる場合と比較して、電極パッド16aのピッチを狭めることができ、高密度実装が可能となる。
【0017】
図2Aは、PCB17とFPC16との接続部の一例を示す部分断面図である。
図2Aに示す様に、PCB17の電極パターン17aとFPC16の一端(電極パッド16a側)とは、半田S1により接続されている。FPC16は、上向きに延在し、他端において、パッケージ14に接触すると共に、リードピン18a及び半田S2、S3により、パッケージ14上の同軸コネクタ18に固定されている。また、FPC16は、リードピン18aを介して、中継基板15と電極13とに電気的に接続されている。これにより、電極パターン17aから電極パッド16aに入力されたRF信号等の電気信号が、FPC16を経由してリードピン18aに到達した後、中継基板15を経由して電極13を流れる様になっている。
【0018】
図2Bは、PCB17とFPC16との接続部の別の一例を示す部分断面図である。
図2Bに示す様に、PCB17の電極パターン17aとFPC16の一端(電極パッド16a側)とは、半田S1により接続されている。FPC16は、横向きに延在し、他端において、パッケージ14に接触すると共に、リードピン18a及び半田S2、S3により、パッケージ14に挟持された同軸コネクタ18に固定されている。また、FPC16は、リードピン18aを介して、中継基板15と電極13とに電気的に接続されている。これにより、電極パターン17aから電極パッド16aに入力されたRF信号等の電気信号が、FPC16を経由してリードピン18aに到達した後、中継基板15を経由して電極13を流れる様になっている。
【0019】
図2A及び
図2Bに示した何れの形態においても、電気信号の伝搬損失を抑えるため、FPC16の電極パッド16aの長さは、1mm程度に短くすることが望ましい。また、半田付けの作業者は、PCB17とFPC16との接続部の特性インピーダンスを、理想値である50Ωに近付けるために、FPC16の電極パッド16aを、PCB17の電極パターン17aに精度良く合わせることが重要となる。
【0020】
図3は、PCB17とFPC16との接続部におけるずれdxと特性インピーダンスZとの関係を示す図である。
図3において、x軸には、FPC16の電極パッド16aとPCB17の電極パターン17aとの接続部のずれdx(単位はμm)が規定され、y軸には、該接続部の特性インピーダンスZ(単位はΩ)が規定されている。
図3に示す様に、電極パッド16aの上端が電極パターン17aの上端と一致した状態(ずれdx=0μmの状態)では、特性インピーダンスZは、その理想値である50Ωに近似する。しかしながら、ずれdxが0から離れるに連れて、特性インピーダンスZは、50Ωから乖離していく。その結果、高周波での反射が大きくなり、伝送周波数帯域が劣化する。そこで、特性インピーダンスZのずれを極力抑えることが重要となる。例えば、特性インピーダンスZのずれを1Ω以内に抑えるには、上記接続部のずれdxを±100μm程度に抑えることが要求される。
【0021】
本実施例に係る光モジュール10は、PCB17上とFPC16上とに位置合わせマークを設けることで、上記接続部における位置合わせ精度を高め、帯域の劣化を抑制する。
図4は、本実施例に係るPCB17とFPC16との接続部を示す上面図である。
図4に示す様に、PCB17とFPC16との接続部では、裏面の電極パッド16aが表面の電極パターン17a上に半田接続されることにより、シグナルパターンSが形成されている。更に、シグナルパターンSの両側では、別の電極パッド16b、16cが、別の電極パターン17b、17c上にそれぞれ半田接続されることにより、グランドパターンGが形成されている。これら1本のシグナルパターンSと2本のグランドパターンGとが、1つのチャネルを形成する。
【0022】
図4に示す様に、FPC16の表面には、裏面に形成された電極パッド16aと垂直方向に長手方向を有する位置合わせマーク16m−1、16m−2が、両端に1本ずつ形成される。また、これに合わせて、PCB17の表面には、表面に形成された電極パターン17aと垂直方向に長手方向を有する位置合わせマーク17m−1、17m−2、17m−3、17m−4が、両端に2本ずつ形成される。半田付けの作業者は、位置合わせマーク16m−1が、位置合わせマーク17m−1、17m−2の間の位置にくる様に、FPC16の位置を調整する。同様に、半田付けの作業者は、位置合わせマーク16m−2が、位置合わせマーク17m−3、17m−4の間の位置にくる様に、FPC16の位置を調整する。これにより、上記ずれdxが最小化される。なお、作業者による上記調整は、目視によって行ってもよいが、画像等を介してもよい。
【0023】
図5は、本実施例に係るPCB17とFPC16との接続部を示す部分断面図である。
図5に示す様に、本実施例に係る光モジュール10のPCB17とFPC16との接続部では、PCB17の表面に形成された電極パターン17aと、FPC16の裏面に形成された電極パッド16aとが、半田S1を介して、電気的に接続されている。
【0024】
図5に示す様に、FPC16は、PCB17との接続部においてのみ半田接続される。従って、位置合わせマーク16m−1、16m−2は、
図4に示した様に、半田付け作業を困難としない範囲内で、FPC16の表面上の傾斜しない領域(例えば、上記接続部近傍)に形成されるのが望ましい。
【0025】
以上説明した様に、光モジュール10は、PCB17とFPC16とを有する。PCB17は、電極パターン17aと、電極パターン17aと同一の面(例えば、表面)に形成された位置合わせマーク17m−1、17m−2とを有する。FPC16は、電極パッド16aと、電極パッド16aとは異なる面(例えば、表面)に形成された位置合わせマーク16m−1とを有する。FPC16は、電極パッド16aを電極パターン17aに電気的に接続する際に位置合わせマーク17m−1、17m−2の少なくとも一部が位置合わせマーク16m−1近傍に露出する様に形成される。
【0026】
また、光モジュール10では、電極パッド16a及び電極パターン17aと位置合わせマーク16m−1、16m−2、17m−1、17m−2、17m−3、17m−4との相対位置精度が重要である。従って、位置合わせマーク16m−1、16m−2、17m−1、17m−2、17m−3、17m−4は、電極パッド16a及び電極パターン17aと同一または近接する工程で形成可能な様に、電極パッド16a及び電極パターン17aと同一の材料(例えば、銅箔)により形成されることが望ましい。
【0027】
これにより、半田付けの作業者が、電極パッド16aを電極パターン17aに半田付けする際の作業性が改善される。従って、例えば、電極パッド16aと電極パターン17aとの間の位置合わせ精度が向上する。その結果、FPC16とPCB17との接続部におけるインピーダンスのミスマッチが抑制され、該接続部の特性インピーダンスZが、理想値である50Ωに近付く。これにより、FPC16とPCB17との接続部における高周波信号の反射が抑制される。従って、高周波特性が向上する。その結果、伝送周波数帯域の劣化が抑制される。
【0028】
(変形例1)
次に、変形例1について説明する。変形例1に係る光モジュールは、FPC16が表面にカバー材(例えば、カバーレイ)を有する点を除き、上記実施例に係る光モジュール10と同様の構成を有する。従って、変形例1では、上記実施例と共通する構成要素には、同一の参照符号を用いると共に、その詳細な説明は省略する。
【0029】
FPC16は、柔軟性をもたせるため、例えばポリミド等により形成される。このため、FPC16は、PCB17と比較して、表面または裏面に形成された銅箔との密着性が低い。電極パッド16a、電極パターン17a、位置合わせマーク16m−1、16m−2、及び位置合わせマーク17m−1、17m−2、17m−3、17m−4は、例えば銅箔により形成される。このため、特に、FPC16において、電極パッド16aと位置合わせマーク16m−1、16m−2との剥離が起き易い。
【0030】
剥離を抑制する観点から、電極パッド16aや位置合わせマーク16m−1、16m−2は、幅広に形成されることが望ましいが、形成スペースの節減あるいは作成の困難性等のため、通常、幅は100〜300μm程度である。そこで、FPC16の表面から位置合わせマーク16m−1、16m−2が剥離することを防ぐため、変形例1では、FPC16の表面にカバー材が形成される。なお、FPC16の裏面にも、電極パッド16a等が剥離することを防ぐため、カバー材が形成される。
【0031】
図6は、変形例1に係るPCB17とFPC16との接続部を示す上面図である。
図6に示す様に、FPC16の表面には、位置合わせマーク16m−1、16m−2の一部を被覆する様に、カバー材19aが形成されている。これにより、位置合わせマーク16m−1、16m−2の幅が狭くても、半田ごての接触や高温等により、位置合わせマーク16m−1、16m−2がFPC16の表面から剥離してしまうことが抑制される。しかしながら、カバー材19aにより位置合わせマーク16m−1、16m−2を被覆すると、半田付けの作業者は、位置合わせマーク16m−1、16m−2を視認し難くなり、作業性が低下する可能性がある。
【0032】
そこで、
図6に示した様に、カバー材19aは、位置合わせマーク16m−1、16m−2の全体を覆わず、FPC16の内側に近い部分のみを被覆する様にする。すなわち、位置合わせマーク16m−1、16m−2が、FPC16の縁部においてのみ露出する様に、カバー材19aが形成される。これにより、FPC16の輪郭付近では、位置合わせマーク16m−1、16m−2が完全に露出するため、作業者の視認性が向上し、目視が容易となる。従って、光モジュール10は、半田付けの作業性を低下させることなく、位置合わせマーク16m−1、16m−2の剥離を抑制することが可能となる。
【0033】
なお、位置合わせマーク16m−1、16m−2の幅は、必ずしも均一でなくてもよく、カバー材19aで覆われた部分の幅が、他の部分よりも広くなる様に形成されてもよい。また、幅を広くした部分にスルーホールを設けることで、位置合わせマーク16m−1、16m−2がFPC16から剥離する可能性を更に低減することができる。なお、上記スルーホールは、各位置合わせマーク16m−1、16m−2毎に、必ずしも1箇所ずつでなくてもよく、2箇所以上有ってもよい。また、位置合わせマーク16m−1、16m−2を被覆するカバー材19aについても、覆った部分の視認性を阻害しないため、透明または半透明の材料により形成されるものとしてもよい。
【0034】
図7Aは、
図6のA−A’断面図である。
図7Aに示す様に、PCB17の表面の電極パターン17aは、半田S11により、FPC16の裏面の電極パッド16aと接続されている。その際、半田付けの作業者は、位置合わせマーク16m−1、16m−2、17m−1、17m−2、17m−3、17m−4を目視しながら、電極パターン17aの右端部と電極パッド16aの右端部とが揃う様に、電極パターン17a上における電極パッド16aの位置を決定する。また、FPC16の表面には、位置合わせマーク16m−1、16m−2の一部を被覆するカバー材19aが形成されている。同様に、FPC16の裏面には、シグナルパターンS等を被覆するカバー材19bが形成されている。更に、FPC16の電極パッド16aには、FPC16の裏面と表面とを電気的に接続するためのスルーホールT1が形成されている。なお、電極パッド16aのスルーホールT1は、1つに限らず複数あってもよい。
【0035】
図7Bは、
図6のB−B’断面図である。
図7Bに示す様に、PCB17の表面の電極パターン17aは、半田S12により、FPC16の裏面の電極パッド16cと接続されている。その際、半田付けの作業者は、位置合わせマーク16m−1、16m−2、17m−1、17m−2、17m−3、17m−4を目視しながら、電極パターン17aの右端部と電極パッド16cの右端部とが揃う様に、電極パターン17a上における電極パッド16cの位置を決定する。また、FPC16の表面には、位置合わせマーク16m−1、16m−2の一部を被覆するカバー材19aが形成されている。同様に、FPC16の裏面には、グランドパターンG等を被覆するカバー材19bが形成されている。更に、FPC16の電極パッド16cには、FPC16の裏面と表面とを電気的に接続するためのスルーホールT2が形成されている。なお、電極パッド16cのスルーホールT2は、1つに限らず複数あってもよい。
【0036】
(変形例2)
次に、変形例2について説明する。変形例2に係る光モジュールは、位置合わせマークを除き、上述した変形例1に係る光モジュール10と同様の構成を有する。従って、変形例2では、変形例1と共通する構成要素には、同一の参照符号を用いると共に、その詳細な説明は省略する。
【0037】
図8は、変形例2に係るPCB17とFPC16との接続部を示す上面図である。
図8に示す様に、FPC16の表面には、2つの位置合わせマーク16m−3、16m−4が、それぞれ直行する2方向(反転L字型)に形成される。これに合わせて、位置合わせマーク17m−5、17m−6は、PCB17表面の、位置合わせマーク16m−3の右端部を挟む位置に形成される。これに対し、位置合わせマーク17m−7、17m−8は、PCB17表面の、位置合わせマーク16m−3の下端部を挟む位置に形成される。同様に、位置合わせマーク17m−9、17m−10は、PCB17表面の、位置合わせマーク16m−4の左端部を挟む位置に形成される。これに対し、位置合わせマーク17m−11、17m−12は、PCB17表面の、位置合わせマーク16m−4の下端部を挟む位置に形成される。
【0038】
上述の構成により、半田付けの作業者は、PCB17の電極パターン17aとFPC16の電極パッド16aとの縦方向(電極パッド16aの長手方向)の位置合わせと、横方向(FPC16の長手方向)の位置合わせとを、同時に行うことができる。従って、光モジュール10は、縦方向のずれに加えて、横方向のずれにも容易に対応することができる。その結果、位置合わせ精度が更に向上する。
【0039】
なお、カバー材19aは、位置合わせマーク16m−3、16m−4の端部が露出する様に一部を覆っていればよく、位置合わせマーク16m−3、16m−4を被覆する面積は、剥離の抑制が可能な範囲内で、任意である。
【0040】
(変形例3)
次に、変形例3について説明する。変形例3に係る光モジュールは、位置合わせマークを除き、上述した変形例2に係る光モジュール10と同様の構成を有する。従って、変形例3では、変形例2と共通する構成要素には、同一の参照符号を用いると共に、その詳細な説明は省略する。
【0041】
図9は、変形例3に係るPCB17とFPC16との接続部を示す上面図である。
図9に示す様に、FPC16の表面には、2つの位置合わせマーク16m−5、16m−6が、それぞれ直行する2方向(横向きT字型)に形成される。これに合わせて、位置合わせマーク17m−13、17m−14は、PCB17表面の、位置合わせマーク16m−5の右端部を挟む位置に形成される。これに対し、位置合わせマーク17m−15、17m−16は、PCB17表面の、位置合わせマーク16m−5の下端部を挟む位置に形成される。同様に、位置合わせマーク17m−17、17m−18は、PCB17表面の、位置合わせマーク16m−6の左端部を挟む位置に形成される。これに対し、位置合わせマーク17m−19、17m−20は、PCB17表面の、位置合わせマーク16m−6の下端部を挟む位置に形成される。
【0042】
例えば、電極パッド16aの長さが短い等の理由により、位置合わせマーク16m−5の右端部及び位置合わせマーク16m−6の左端部が、FPC16の先端部分に近い場合には、位置合わせマーク16m−5、16m−6は、
図9に示す様に、横向きT字形状に形成されるものとしてもよい。これにより、位置合わせマーク16m−5、16m−6とFPC16との接着部分は、パッケージ側に延伸するため、接着面積が増加する。その結果、接着部分の強度が増大し、剥離の抑制が可能となる。また、PCB17の電極パターン17aやFPC16の電極パッド16aの長さの相違にも、柔軟に対応可能となる。
【0043】
なお、カバー材19aは、位置合わせマーク16m−5、16m−6の端部が露出する様に一部を覆っていればよく、位置合わせマーク16m−5、16m−6を被覆する面積は、剥離の抑制が可能な範囲内で、任意である。
【0044】
また、位置合わせマーク16m−5、16m−6を形成するスペースに余裕のある場合には、2つの位置合わせマーク16m−5、16m−6は、横向きT字形状ではなく、縦向きT字形状(通常のT字型)あるいは十字形状に形成されるものとしてもよい。但し、位置合わせマーク16m−5は、必ずしも直角に交わって形成されなくてもよく、鈍角(くの字型)や鋭角に交わって形成されるものとしてもよい。更に、FPC16の両端に形成される2つの位置合わせマーク16m−5、16m−6は、必ずしも同一の形状でなくてもよく、L字、T字、十字等を適宜組み合わせてもよい。
【0045】
(変形例4)
次に、変形例4について説明する。変形例4に係る光モジュールは、位置合わせマークを除き、上述した変形例3に係る光モジュール10と同様の構成を有する。従って、変形例4では、変形例3と共通する構成要素には、同一の参照符号を用いると共に、その詳細な説明は省略する。
【0046】
図10は、変形例4に係るPCB17とFPC16との接続部を示す上面図である。
図10に示す様に、FPC16の表面には、2つの位置合わせマーク16m−7、16m−8が、FPC16の端部近傍において細く、他の部分(中央側)において太く形成される。これにより、位置合わせマーク16m−7、16m−8の剥離の可能性が更に減少する。また、
図10に示す様に、光モジュール10は、位置合わせマーク16m−7、16m−8の内、太く形成された部分にスルーホールT2を設けることで、FPC16に対する位置合わせマーク16m−7、16m−8の密着性を更に向上させることができる。
【0047】
なお、位置合わせマーク16m−7、16m−8の太さは、段階的(例えば、テーパー状)に太くなるものとしてもよい。
【0048】
(変形例5)
次に、変形例5について説明する。変形例5に係る光モジュールは、カバー材を除き、上述した変形例2に係る光モジュール10と同様の構成を有する。従って、変形例5では、変形例2と共通する構成要素には、同一の参照符号を用いると共に、その詳細な説明は省略する。
【0049】
図11は、変形例5に係るPCB17とFPC16との接続部を示す上面図である。
図11に示す様に、カバー材19aは、位置合わせマーク16m−9の右端部及び下端部と、位置合わせマーク16m−10の左端部及び下端部とに、半円形状の開口部を有する。これにより、カバー材19aのドリル加工が可能となる。従って、光モジュール10は、カバー材19aの外形加工を複雑化させることなく、位置合わせマーク16m−9、16m−10の視認性を維持することができる。
【0050】
なお、カバー材19aは、位置合わせマーク16m−9、16m−10の端部が露出する様に一部を覆っていればよく、位置合わせマーク16m−9、16m−10を被覆する面積は、剥離の抑制が可能な範囲内で、任意である。また、カバー材19aの開口部の形状についても、半径形状に限らず、矩形、三角形、ひし形等、半田付け作業者による視認を阻害しない範囲内で、任意の形状を採ることができる。更に、FPC16の両端に形成される上記開口部は、必ずしも同一の形状でなくてもよく、半円形、矩形、三角形、ひし形等を適宜組み合わせてもよい。
【0051】
(適用例)
上述した光モジュール10を用いた光変調器は、高周波特性の向上と高い実装性とを両立し得ることから、例えば、送信機への適用が有効である。
図12は、上記実施例及び変形例に係る光モジュール10の実装された送信機100の構成を示す図である。
図12に示す様に、送信機100は、データ生成回路101と光変調器102と光ファイバ103とを有する。これら各構成部分は、一方向又は双方向に、各種信号やデータの入出力が可能な様に接続されている。データ生成回路101により生成されたデータは、光変調器102により、電気信号から光信号に変換された後、光ファイバ103を伝送媒体として、装置外部に送信される。なお、光モジュール10は、送信機に限らず受信機(レシーバ)へ適用してもよい。
【0052】
なお、上記実施例及び変形例では、FPCとPCBとの間における半田接続を例に採り、位置合わせ精度を向上する方法を説明した。しかしながら、これに限らず、例えば、FPCとFPC間、PCBとPCB間における半田接続においても、同様の効果を得ることができる。また、本実施例では、光変調器102への適用を例示したが、これに限らず、他の基板と接続される基板を有する他の装置への適用が可能である。
【0053】
また、上記実施例及び変形例では、FPC16上の位置合わせマーク16m−1、16m−2、…、16m−10は、先端部分がカバー材19aから露出するものとした。しかしながら、位置合わせマーク16m−1、16m−2、…、16m−10の露出部分は、先端部分に限らず、例えば中央近傍等、一部であればよい。更に、位置合わせマーク16m−1、16m−2、…、16m−10は、必ずしもFPC16上の両側に形成されなくてもよく、片側のみに形成されるものとしてもよい。また、位置合わせマーク16m−1、16m−2、…、16m−10は、FPC16上の両側にのみ形成されなくてもよく、3箇所以上に形成されるものとしてもよい。
【0054】
また、上記説明では、個々の実施例及び変形例毎に個別の構成、及び動作を説明した。しかしながら、上記実施例及び各変形例に係る光モジュール10は、他の変形例に特有の構成要素を併せて有するものとしてもよい。また、実施例、変形例毎の組合せについても、2つに限らず、3つ以上の組合せ等、任意の形態を採ることが可能である。例えば、変形例3、4に係る光モジュール10が、変形例5に係るカバー材19aを、FPC16の表面上に有するものとしてもよい。更に、1つの光モジュール10が、両立可能な範囲内で、上記実施例及び変形例1〜5において説明した全ての構成要素を併有するものとしてもよい。