特開2015-173022(P2015-173022A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-173022(P2015-173022A)
(43)【公開日】2015年10月1日
(54)【発明の名称】X線イメージ管の撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H01J 31/50 20060101AFI20150904BHJP
   H04N 5/32 20060101ALI20150904BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20150904BHJP
   G01N 23/04 20060101ALN20150904BHJP
【FI】
   H01J31/50 A
   H01J31/50 Z
   H04N5/32
   H04N5/225 Z
   G01N23/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2014-47853(P2014-47853)
(22)【出願日】2014年3月11日
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】503382542
【氏名又は名称】東芝電子管デバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】君島 隆之
【テーマコード(参考)】
2G001
5C024
5C037
5C122
【Fターム(参考)】
2G001AA01
2G001BA11
2G001CA01
2G001DA01
2G001DA09
2G001HA14
5C024AX11
5C024CY44
5C024GX03
5C024GY01
5C024HX05
5C024HX06
5C024HX18
5C024HX58
5C037GG01
5C037GG05
5C037GJ07
5C122DA12
5C122DA17
5C122FB03
5C122FC01
5C122FG13
5C122FH04
5C122HA42
(57)【要約】
【課題】共通化し、安価にできるX線イメージ管の撮像装置を提供する。
【解決手段】X線イメージ管の出力面に結像される可視光像を撮像するX線イメージ管の撮像装置30である。撮像装置30は、所定の画素数の撮像素子を備える。撮像素子で撮像した画像を出力手段で出力する。出力手段から出力する画像の画素数を出力調整手段で可変する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線イメージ管の出力面に結像される可視光像を撮像するX線イメージ管の撮像装置であって、
所定の画素数の撮像素子と、
前記撮像素子で撮像した画像を出力する出力手段と、
前記出力手段から出力する画像の画素数を可変する出力調整手段と
を具備することを特徴とするX線イメージ管の撮像装置。
【請求項2】
画像を補正する補正処理機能、画像の積算による画質向上処理機能、画像の表示を可変する表示処理機能、および撮影用のレンズが有する絞りの制御機能を含む複数の機能部のうちの少なくともいずれか1つを備える
ことを特徴とする請求項1記載のX線イメージ管の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、X線像を可視光像に変換するX線イメージ管の撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、X線イメージ管では、真空外囲器内に入射したX線を入射面で電子に変換し、真空外囲器内に配置された電子レンズを構成する複数の集束電極で電子を加速、集束し、真空外囲器の出力面で電子を可視光像に結像している。
【0003】
そして、X線イメージ管を用いたイメージングシステムでは、X線イメージ管の出力面をCCDカメラ等の撮像装置を用いて撮像し、撮像装置で撮像した画像を処理装置に取り込んで処理し、モニタに映し出してモニタリングしたり、処理、検査、診断を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−256439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
日本国内や欧米各国では、処理装置側のアプリケーションの高機能化に伴い、X線イメージ管用の撮像装置にも高画素化が求められている。
【0006】
これら市場においても顧客の処理装置側のアプリケーションにおける処理能力にはばらつきが大きく、ほぼあらゆる画像処理を処理装置側で行えるケースもあれば、逆に、それら機能は撮像装置側に求め、処理装置側では純粋な診断・検査機能のみを備えたいという要望もある。
【0007】
さらに、新興国市場も昨今大きな広がりを見せているが、これら地域では高機能な高級機よりは、画素数や機能を抑えた安価な装置が求められる。
【0008】
これら広範な市場毎に撮像装置を開発すると、開発費、期間が莫大にかかるのみではなく、品種数も増えてしまい、その結果、撮像装置の価格を抑えることもできない。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、共通化し、安価にできるX線イメージ管の撮像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本実施形態は、X線イメージ管の出力面に結像される可視光像を撮像するX線イメージ管の撮像装置であって、所定の画素数の撮像素子と、前記撮像素子で撮像した画像を出力する出力手段と、前記出力手段から出力する画像の画素数を可変する出力調整手段とを具備する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態を示すX線イメージ管の撮像装置の概念図である。
図2】同上X線イメージ管の撮像装置の側面図である。
図3】同上X線イメージ管の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、一実施形態を、図1ないし図3を参照して説明する。
【0013】
図3に示すように、X線イメージ管10は、金属製の真空外囲器11を有している。真空外囲器11には、X線12の入力窓である入力部13、およびこの入力部13に対して反対側に出力窓である出力部14が形成されている。
【0014】
真空外囲器11内には、入力部13の内側に入力部13から入射するX線12を電子15に変換する入力面16が設けられ、出力部14の内側に入力面16からの電子15を可視光像17に変換して出力部14から出力する出力面18が設けられている。さらに、真空外囲器11内には、入力面16から出力面18に向かって進行する電子15の進路に沿って電子15を加速、集束する電子レンズを構成する複数の集束電極19が設置されている。集束電極19には電源部20から高圧電源が印可される。
【0015】
また、図2に示すように、X線イメージ管10の出力部14には、出力面18から出力される可視光像17を撮像するカメラである撮像装置30が設置されている。撮像装置30は、カメラ本体である撮像装置本体31、および撮像装置本体31に装着されて出力面18に対向されるレンズ32を備えている。撮像装置本体31を支持するアダプタ33により、撮像装置30がX線イメージ管10に設置されている。
【0016】
撮像装置本体31は、CCD等の撮像素子34、撮像装置30を制御する制御部35、撮像装置30を接続する処理装置に撮像素子34で撮像した画像を出力する出力手段36、および出力手段36から出力する画像の画素数を可変する出力調整手段37を備えている。
【0017】
レンズ32は、絞り38を有し、汎用性を考慮してCマウントレンズやCCTVレンズ等が用いられている。絞り38は、電動で開閉する電動絞りであるが、固定絞りでもよい。
【0018】
次に、図1に本実施形態の撮像装置30の概念図を示す。
【0019】
撮像装置30は以下の基本仕様を備えている。
【0020】
基本仕様(1):撮像素子34の画素数は、ハイエンドでの工業用CT装置を想定して500万画素とする。
【0021】
基本仕様(2):出力手段36の出力インターフェースは、カメラリンク規格またはギガネットイーサネット(登録商標)を備える。
【0022】
基本仕様(3):出力手段36の画像を出力するフレームレートは、30f/sとする。
【0023】
基本仕様(4):出力手段36から出力する画素数は、出力調整手段37によって40万画素〜500万画素の範囲で可変設定できる。
【0024】
そして、基本仕様(4)においては、設定ファイル(ギガネットイーサネット(登録商標)ならxmlファイル等)で撮像素子34から500万画素で画像を読み出しながら、設定ファイルによって出力画素数を40万画素から500万画素の画像に可変させる。これによって、新興国等でまだまだ残る40万画素の処理装置にも、最新の高画素を想定した処理装置にも、共通の撮像装置30で対応できる。
【0025】
顧客側で画像処理のノウハウを持っている場合、X線イメージ管用の撮像装置30での画像処理はかけないことを望む場合があることから、このような場合には基本仕様の撮像装置30で対応できる。
【0026】
また、基本仕様の撮像装置30には、以下の機能部40をオプションとして組み合わせ可能とする。
【0027】
機能(1):画像の輪郭を強調する輪郭強調(0〜255、8bit相当)、撮像素子34から読み出す画像のゲインを調整するゲイン調整、画像のノイズ成分を除去するリカーシブ(ノイズ)フィルタ(オフ、弱、中、強)等を含む補正処理機能の機能部40。
【0028】
機能(2):画像の積算による画質の向上を図る画像積算(メモリ搭載、最大512枚分)、次の画像を表示するまで最後の画像を表示させておくLIH(ラストイメージホールド)機能等を含む画質向上処理機能の機能部40。
【0029】
機能(3):画像の左右、上下、白黒を反転させる画像反転機能、画像を回転させる画像回転機能等を含む表示処理機能の機能部40。
【0030】
機能(4):レンズ32の絞り(電動絞り)38の制御機能の機能部40。
【0031】
そして、機能(1)は、撮像装置30側に基本的な画像処理系統を望む場合を想定する。一般的な医療用や工業用の中〜やや高機能な装置、一部のCT装置ではこのようなオプションが有効となる。
【0032】
機能(2)は、ソフト力があまり高くない工業用やアナログカメラからの置き換え(アナログカメラでは外部画像処理装置が珍しくなかった。)の場合、可能な限り処理装置の構成を変えずに、高画素化を図りたい用途等に有効となる。
【0033】
機能(3)は、医療用用途等に有効となる。
【0034】
機能(4)は、X線イメージ管10が、入力面16の所定領域の画像を出力面18に結像する通常モードと、入力面16の所定領域の一部を拡大した画像を出力面18に結像する拡大モードとを有する場合、それらモードに応じて、絞り38を開閉調整し、画像の輝度を調整する場合(特に工業用に多い)に有効となる。
【0035】
これら機能部40は、例えばボックス化または基板化し、撮像装置30に後付け可能に構成する。
【0036】
このように、基本仕様の撮像装置30は、多くの用途に対応可能とすることから、機能面および数量面の両方で価格を抑えることができる。
【0037】
そのうえで、基本仕様の撮像装置30に各機能部40の少なくともいずれか1つをオプションとして組み合わせることでできるため、トータルでのコストは最低限とすることが可能で、かつ顧客のアプリケーションへの個別対応が最大限可能となる。
【0038】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0039】
10 X線イメージ管
18 出力面
30 撮像装置
32 レンズ
34 撮像素子
36 出力手段
37 出力調整手段
38 絞り
40 機能部
図1
図2
図3