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特開2015-173141コンデンサ内蔵基板及びコンデンサ内蔵基板の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-173141(P2015-173141A)
(43)【公開日】2015年10月1日
(54)【発明の名称】コンデンサ内蔵基板及びコンデンサ内蔵基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/46 20060101AFI20150904BHJP
【FI】
   H05K3/46 Q
   H05K3/46 S
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-47430(P2014-47430)
(22)【出願日】2014年3月11日
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(72)【発明者】
【氏名】島部 豊高
(72)【発明者】
【氏名】金子 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】古谷 俊樹
【テーマコード(参考)】
5E316
【Fターム(参考)】
5E316AA06
5E316AA15
5E316AA25
5E316AA43
5E316BB20
5E316CC02
5E316CC04
5E316CC08
5E316CC31
5E316CC32
5E316CC37
5E316CC38
5E316DD13
5E316DD22
5E316DD23
5E316DD24
5E316DD32
5E316DD33
5E316EE31
5E316FF07
5E316FF13
5E316FF14
5E316FF28
5E316FF45
5E316GG15
5E316GG17
5E316GG22
5E316GG28
5E316HH08
5E316HH40
5E316JJ13
5E316JJ26
5E316JJ28
5E316JJ29
(57)【要約】
【課題】 電極間でマイグレーションを生じないコンデンサを内蔵するコンデンサ内蔵基板の提供。
【解決手段】 コンデンサの電極は、コンデンサ本体の内部電極に接続されたNiペースト116と、該導電性ペーストを覆う銅めっき114から成る。銅めっき形成に密着性の高いピロリン酸銅めっきを用いても、Niペーストがガラス成分を含まないため、製造工程で内蔵の際に真空状態にされてもカリウムイオンが飛散することが無く、マイグレーションが発生しない。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基材に導体層及び絶縁層を積層して成り、コンデンサを前記絶縁基材に内蔵するコンデンサ内蔵基板であって、
前記コンデンサは、内部電極とセラミック誘電体とを交互に積層して成り、一対の外部電極を備える積層セラミックコンデンサであり、
前記コンデンサは長辺と短辺とを備える立方形状であって、対向する長辺側に前記一対の外部電極が設けられ、
前記一対の外部電極間の距離は、30μm以上、200μm以下であり、
前記外部電極は、前記内部電極に接続された導電性ペーストと、該導電性ペーストを覆う銅めっきから成り、
前記導電性ペーストは、Niペースト又はガラス成分5〜40%のCuペーストである。
【請求項2】
請求項1のコンデンサ内蔵基板であって、
前記銅めっきはピロリン酸銅めっきである。
【請求項3】
請求項1のコンデンサ内蔵基板であって、
前記絶縁基材はコア基板であって、該コア基板のX−Y方向の熱膨張係数は、
前記積層セラミックコンデンサのX−Y方向の熱膨張係数よりも低い。
【請求項4】
請求項1のコンデンサ内蔵基板であって、
前記積層セラミックコンデンサの前記一対の外部電極のそれぞれの表裏に複数のビア導体が接続されている。
【請求項5】
コンデンサ内蔵基板の製造方法であって、
誘電体ペーストと内部電極とを積層した長辺と短辺とを備える立方形状の積層体を形成することと、
前記積層体の長辺にNiペーストを塗布することと、
前記積層体及び前記Niペーストを同時焼成することと、
前記Niペースト上にピロリン酸銅めっきでCuめっき膜を形成して外部電極とし、積層セラミックコンデンサを完成することと、
絶縁層の開口に前記積層セラミックコンデンサを収容することと、
真空状態で、前記絶縁層上に層間樹脂絶縁層を積層することと、
前記層間樹脂絶縁層を貫通し前記電極に至るビア導体を、各外部電極に対して複数個形成することとを備える。
【請求項6】
請求項5のコンデンサ内蔵基板の製造方法であって、
前記一対の外部電極間の距離は30μm以上、200μm以下である。
【請求項7】
基板内蔵用のコンデンサの製造方法であって、
誘電体ペーストと内部電極とを積層した長辺と短辺とを備える立方形状の積層体を形成することと、
前記積層体の長辺にNiペーストを塗布することと、
前記積層体及び前記Niペーストを同時焼成することと、
前記Niペースト上にピロリン酸銅めっきでCuめっき膜を形成して外部電極とすることと、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンデンサを内蔵しているコンデンサ内蔵基板、及び該コンデンサ内蔵基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CPUを搭載するパッケージ基板等においては、CPUへの供給電力を強化するためチップコンデンサ等が表面実装されている。ここで、CPUとチップコンデンサとの配線長を短縮して、更に供給電力の電圧を安定させるため、パッケージ基板内にチップコンデンサを埋め込む構成が採用される。特許文献1は、チップコンデンサを内蔵するコンデンサ内蔵基板を開示している。特許文献1でチップコンデンサの電極は、金属のメタライズ膜からなり、金属のメタライズ膜上に導電性ペーストを設け、更に、めっき膜で被覆している。更に、微小なチップコンデンサでは、メタライズ膜を廃して、ガラス成分を含むCuペーストを設け、該Cuペースト上にめっき膜を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−352141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
メタライズ膜を廃して、ガラス成分を含むCuペーストをコンデンサ本体に直接設け、該Cuペースト上にCuめっき膜を設けた構成のチップコンデンサをコンデンサ内蔵基板に内蔵した場合、電極間の距離が150μm以下に成ると、両電極でマイグレーションが発生することが試験結果から明らかになった。
【0005】
この原因を本発明者が検討したところ、ガラス成分を含むCuペーストを用いた場合、ガラス成分由来の空孔がCuペースト表面にでき、Cuペースト上に密着性の高いピロリン酸銅めっきを形成した際に、該空孔内にカリウムイオンが残り、該チップコンデンサ上に層間樹脂絶縁層を積層する際に、密着性を高めるため真空状態にすると、空孔内からカリウムイオンが引き出され飛散して、電極間のコンデンサ表面に付着し、該カリウムイオンによってマイグレーションが発生するためであることが明らかになった。
【0006】
本発明の目的は、電極間でマイグレーションを生じないコンデンサを内蔵するコンデンサ内蔵基板及び該コンデンサ内蔵基板の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、絶縁基材に導体層及び絶縁層を積層して成り、コンデンサを前記絶縁基材に内蔵するコンデンサ内蔵基板である。そして、前記コンデンサは、内部電極とセラミック誘電体とを交互に積層して成り、一対の外部電極を備える積層セラミックコンデンサであり、前記コンデンサは長辺と短辺とを備える立方形状であって、対向する長辺側に前記一対の外部電極が設けられ、前記一対の外部電極間の距離は、30μm以上、200μm以下であり、前記外部電極は、前記内部電極に接続された導電性ペーストと、該導電性ペーストを覆う銅めっきから成り、前記導電性ペーストは、Niペースト又はガラス成分5〜40%のCuペーストである。
【0008】
本発明のコンデンサ内蔵基板の製造方法は、誘電体ペーストと内部電極とを積層した長辺と短辺とを備える立方形状の積層体を形成することと、前記積層体の長辺にNiペーストを塗布することと、前記積層体及び前記Niペーストを同時焼成することと、前記Niペースト上にピロリン酸銅めっきでCuめっき膜を形成して外部電極とし、積層セラミックコンデンサを完成することと、絶縁層の開口に前記積層セラミックコンデンサを収容することと、真空状態で、前記絶縁層上に層間樹脂絶縁層を積層することと、前記層間樹脂絶縁層を貫通し前記電極に至るビア導体を、各電極に対して複数個形成することとを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明のコンデンサ内蔵基板は、内蔵されるコンデンサが大容量の積層セラミックコンデンサであり、コンデンサは長辺と短辺とを備える立方形状であって、対向する長辺側に一対の電極が設けられたため、電極の長さが長くなり、複数のビア導体を接続することが可能となり、電源配線のインピーダンスを低減できる。ここで、電極間の距離は150μm以下であるが、電極は、コンデンサ本体の内部電極に接続された導電性ペーストと、該導電性ペーストを覆う銅めっきから成り、導電性ペーストはNiペーストから成る。銅めっき形成に密着性の高いピロリン酸銅めっきを用いても、ガラス成分を含まないため、内蔵の際に真空状態にされてもカリウムイオンが飛散することが無く、マイグレーションが発生しない。ここで、電極間の距離が70μm未満になると、絶縁距離が短すぎて信頼性が低下する。また、導電性ペーストとしてCuペーストを用いても、ガラス成分を5〜40%にすることで、カリウムイオンの飛散を抑えることができる。
【0010】
本発明のコンデンサ内蔵基板の製造方法は、積層体の長辺にNiペーストを塗布し、積層体及びペーストを同時焼成し、Niペースト上にピロリン酸銅めっきでCuめっき膜を形成して電極とし、積層セラミックコンデンサを完成する。ピロリン酸銅めっきを用いることで、Niペーストとの密着性の高いCuめっき膜を形成できる。絶縁層の開口に積層セラミックコンデンサを収容し、真空状態で、絶縁層上に層間樹脂絶縁層を積層する。このため、絶縁層と層間樹脂絶縁層との密着性が高い。ここで、導電性ペーストは、Niペーストから成り、ガラス成分を含まないため、積層の際に真空状態にされてもカリウムイオンが飛散することが無く、マイグレーションが発生しない。層間樹脂絶縁層を貫通し電極に至るビア導体を、各電極に対して複数個形成する。ここで、積層体の長辺に電極が設けられたため、電極の長さが長くなり、複数のビア導体を接続することが可能となり、電源配線のインピーダンスを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態に係るコンデンサ内蔵基板の断面図
図2】第1実施形態のコンデンサ内蔵基板の製造工程図
図3】第1実施形態のコンデンサ内蔵基板の製造工程図
図4】第1実施形態のコンデンサ内蔵基板の製造工程図
図5】第1実施形態のコンデンサ内蔵基板の製造工程図
図6】第1実施形態のコンデンサ内蔵基板の製造工程図
図7】第1実施形態のコンデンサの平面図及び断面図
図8】第1実施形態のコンデンサの製造工程図
図9】第2実施形態のコンデンサの平面図及び断面図
図10】第2実施形態のコンデンサの製造工程図
図11】第2実施形態の改変例に係るコンデンサの平面図及び断面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態に係るコンデンサ内蔵基板10の断面が図1に示される。コンデンサ内蔵基板10は、第1面(F)とその第1面と反対側の第2面(S)とを有するコア基板30を有している。
コア基板30はキャビティ(開口部)20を有している。本実施形態では、キャビティ20はコア基板30を貫通している。
キャビティ20の内部には、コンデンサ110が収容されている。キャビティ20の側壁とコンデンサ110との隙間には樹脂50が充填されている。これにより、コンデンサ110がキャビティ20の内部において固定されている。
【0013】
コア基板30の第1面F上には導体層34Fが、第2面S上には導体層34Sが形成されている。コア基板30は、複数の貫通孔31を有しており、貫通孔31の内部には、導体層34F、34Sを接続するスルーホール導体36が形成されている。
スルーホール導体36は、貫通孔31内をめっきで充填することにより形成される。貫通孔31は、コア基板30の第1面Fに開口する第1開口部31fと、第2面Sに開口する第2開口部31sとで形成されている。第1開口部31fは第1面から第2面に向かってテーパしているとともに、第2開口部31sは第2面から第1面に向かってテーパしており、該第1開口部31fと該第2開口部31sはコア基板30の内部で繋がっている。
【0014】
コア基板30の第1面Fとコンデンサ110上に上側のビルドアップ層55Fが形成されている。上側のビルドアップ層は、コア基板30の第1面Fとコンデンサ110上に形成されている絶縁層50Fと、その絶縁層50F上の導体層58Fと、絶縁層50Fの内部に設けられ導体層58Fと導体層34Fとを接続するビア導体60Fとを有する。絶縁層50Fの内部には、さらに導体層58Fと後述するコンデンサ110の電極とを接続するビア導体60Faが設けられている。
上側のビルドアップ層55Fは、さらに絶縁層50F上及び導体層58F上に設けられている絶縁層150Fと、絶縁層150F上の導体パターン158Fと、絶縁層150Fの内部に設けられ導体層58Fと導体パターン158Fとを接続するビア導体160Fとを有する。
【0015】
コア基板30の第2面S上とコンデンサ110上とには、下側のビルドアップ層55Sが形成されている。すなわち、この下側のビルドアップ層55Sの構成は、上側のビルドアップ層55Fと同様であるので、説明は省略する。
【0016】
上側のビルドアップ層55上には、開口71Fを有するソルダーレジスト層70Fが形成され、下側のビルドアップ層上には開口71Sを有するソルダーレジスト層70Sが形成されている。ソルダーレジスト層70F、70Sの開口71F、71Sにより露出している導体パターン158F、158Sは、後述する半田バンプが形成されるパッドとして機能する。パッド上には、Ni/Au又はNi/Pd/Auなどの金属膜72、74が形成され、その金属膜上に半田バンプ76F、76Sが形成されている。上側のビルドアップ層上に形成されている半田バンプ76Fを介してICチップがコンデンサ内蔵基板10に搭載される。下側のビルドアップ層上に形成されている半田バンプ76Sを介してコンデンサ内蔵基板10はマザーボードに搭載される。
【0017】
図7(A)は、コンデンサ内蔵基板に内蔵されたコンデンサの平面図であり、図7(B)は図7(A)のb1−b1断面を示し、図7(C)は図7(A)のc1−c1断面を示す。図7(C)は、図1中のコンデンサの断面に相当する。
コンデンサ110は、小型で容量の大きな積層セラミックコンデンサ(MLCC)からなる。該コンデンサは、BaTiO3から主として成る誘電体層122とNi製の内部電極124とを交互に積層して成る本体部120と、電極112P、112Mとから成る。本体部120は長辺120Lと短辺120Sとを備える立方形状であって、長辺120側に横長の電極112P、112Mが設けられる。電極112P−電極112M間の距離d1は、70μm以上、150μm以下である。第1実施形態では、立方形状の長辺120Lに電極112P、112Mを設けるため、電極が細長くなり、図中に鎖線で示すようにビア導体60Faの底部60Fabが5箇所接続できる(図1参照)。即ち、1つの電極に複数個のビア導体が接続できるので、電源配線のインピーダンスを低減することができる。
【0018】
他方、電極を短辺に設けるのと比較し、同じ大きさのコンデンサでも電極間の距離が短くなる。このため、第1実施形態では、間隔150μm以下でも電極112P、112M間でマイグレーションが生じないように本体部120の端部まで延在している内部電極124と接触するようにNiペースト116が長辺120L側に設けられ、該Niペースト116がCuめっき膜114で被覆されている。
【0019】
図8は第1実施形態のコンデンサの製造工程を示している。
(1)BaTiO3から成る誘電体層122αとNi製の内部電極層124αとが交互に積層され積層体120αが形成される(図8(A))。
(2)積層体120αの端部まで延在している内部電極層124αと接触するようにNiペースト層116αが積層体の長辺120L側に塗布される(図8(B))。Niペースト層は、Ni粉とTiBaベース成分から主として成る。
【0020】
(3)積層体120αとNiペースト層116αが同時焼成され、本体部120とNiペースト116が形成される(図8(C))。
(4)ピロリン酸銅(Cu7 P2 O7)とピロリン酸カリウム(K4 P2 O7)を用いるピロリン酸銅めっきによって、Niペースト116上にCuめっき膜114が被覆され、水洗工程を経てコンデンサ110が完成される(図8(D))。
【0021】
第1実施形態のコンデンサ内蔵基板は、内蔵されるコンデンサ110が大容量の積層セラミックコンデンサである。コンデンサは長辺120Lと短辺120Sとを備える立方形状である。対向する長辺120L側に一対の電極112P、112Mが設けられたため、電極の長さが長くなり、複数のビア導体60Faを接続することが可能となり、電源配線のインピーダンスを低減できる。ここで、電極112P−112M間の距離は150μm以下であるが、電極は、コンデンサ本体の内部電極に接続されたNiペースト116と、該導電性ペーストを覆う銅めっき114から成る。銅めっき形成に密着性の高いピロリン酸銅めっきを用いても、Niペーストがガラス成分を含まないため、後述する製造工程で内蔵の際に真空状態にされてもカリウムイオンが飛散することが無く、マイグレーションが発生しない。ここで、電極間の距離が70μm未満になると、絶縁距離が短すぎて信頼性が低下する。一方、電極間の距離が150μmを越える場合、既存のガラス成分を含む導電ペーストを用いてもマイグレーションが発生し難い。
【0022】
第1実施形態のコンデンサ内蔵基板の製造方法は、積層体120αの長辺にNiペースト層116αを塗布し、積層体及びペーストを同時焼成し、Niペースト116上にピロリン酸銅めっきでCuめっき膜114を形成して電極112P、112Mとし、積層セラミックコンデンサを完成する。ピロリン酸銅めっきを用いることで、Niペースト116との密着性の高いCuめっき膜114を形成できる。後述する工程で、絶縁層の開口に積層セラミックコンデンサを収容し、真空状態で、絶縁層上に層間樹脂絶縁層を積層する。このため、絶縁層と層間樹脂絶縁層との密着性が高い。ここで、Niペーストが用いられ、ガラス成分を含まないため、積層の際に真空状態にされてもカリウムイオンが飛散することが無く、マイグレーションが発生しない。層間樹脂絶縁層50F、50Sを貫通し電極に至るビア導体60Fa、60Saが、各電極112P、112Mに対して複数個形成される。ここで、積層体の長辺に電極が設けられたため、電極の長さが長くなり、複数のビア導体を接続することが可能となり、電源配線のインピーダンスを低減できる。
【0023】
第1実施形態のコンデンサ内蔵基板10の製造方法が図2図6に示される。
(1)絶縁性基材18とその両面に銅箔32が積層されている両面銅張積層板30zが出発材料である。絶縁性基材は第1面Fとその第1面と反対側の第2面Sを有する。銅箔32の表面に図示されない黒化処理が施される(図2(A))。
【0024】
(2)絶縁性基材18の第1面F側へレーザが照射される。絶縁性基材の第1面から第2面に向けて細くなっている第1開口部31fが形成される(図2(B))。
【0025】
(3)絶縁性基材18の第2面S側へレーザが照射される。絶縁性基材の第2面から第1面に向けて細くなっている第2開口部31sが形成される(図2(C))。第2開口部31sは絶縁性基材内で第1開口部31fと繋がりスルーホール導体用の貫通孔31が形成される。
【0026】
(4)無電解めっき処理により無電解めっき膜33が貫通孔31の内壁と銅箔32上に形成される(図2(D))。
【0027】
(5)電解めっき処理により、無電解めっき膜33上に電解めっき膜37が形成される。貫通孔内にスルーホール導体36が形成される。スルーホール導体36は貫通孔の内壁に形成されている無電解めっき膜33と貫通孔を充填している電解めっき膜37で形成される(図2(E))。
【0028】
(6)コア基板30の表面の電解めっき膜37に所定パターンのエッチングレジスト35が形成される(図2(F))。
【0029】
(7)エッチングレジストから露出する電解めっき膜37、無電解めっき膜33、銅箔32が除去される。その後、エッチングレジストが除去され導体層34F、34S及びスルーホール導体36が形成される(図3(A))。
【0030】
(8)絶縁性基材18の中央部にコンデンサを収容するための開口20がレーザにより形成され、コア基板30が完成する(図3(B))。
【0031】
(9)コア基板30の第2面Sにテープ94が貼られる。開口20はテープで塞がれる(図3(C))。テープ94の例としてPETフィルムが挙げられる。
【0032】
(10)開口20により露出するテープ94上にコンデンサ110が置かれる(図3(D))。コア基材の開口20に収容されるコンデンサの厚みはコア基材の厚みの30%〜100%である。
【0033】
(11)真空引きがなされ、コア基板30の第1面F上にB−ステージのプリプレグ50Fαが積層される。加熱プレスによりプリプレグから樹脂が開口内にしみ出て、開口20が充填剤(樹脂充填剤)50で充填される(図3(E))。開口の内壁とコンデンサ間の隙間が充填剤で満たされる。コンデンサがコア基材に固定される。プリプレグの代わりに層間絶縁層用樹脂フィルムが積層されてもよい。プリプレグはガラスクロスなどの補強材を有するが層間樹脂層用樹脂フィルムは補強材を有していない。両者ともガラス粒子などの無機粒子を含むことが好ましい。充填剤はシリカなどの無機粒子を含んでいる。
【0034】
(12)テープ剥離後(図4(A))、真空引きがなされ、コア基板30の第2面S上にB−ステージのプリプレグが積層される。コア基材の第1面と第2面上のプリプレグが硬化される。コア基材の第1面と第2面上に絶縁層(層間樹脂絶縁層)50F、50Sが形成される(図4(B))。ここで、コア基板と層間樹脂絶縁層との積層の際に、真空引きがなされるため、両者の密着性が高い。一方、上述したように、コンデンサの電極にNiペーストが用いられ、ガラス成分を含まないため、積層の際に真空状態においてもカリウムイオンが飛散することが無く、マイグレーションの原因とならない。
【0035】
(13)第1面側からCO2ガスレーザにて絶縁層50Fにコンデンサ110の電極112P、112M(図7(A)参照)、導体層34F、スルーホール導体36に至るビア導体用の開口51Fが形成される。第2面側から絶縁層50Sにコンデンサ110の電極112P、112M(図7(A)参照)、導体層34S、スルーホール導体36に至るビア導体用の開口51Sが形成される(図4(C))。絶縁層50F、50Sに粗面が形成される(図示せず)。
【0036】
(14)無電解めっき処理により、ビア導体用の開口の内壁と絶縁層上に無電解めっき膜52が形成される(図4(D))。
【0037】
(15)無電解めっき膜52上にめっきレジスト54が形成される(図5(A))。
【0038】
(16)次に、電解めっき処理により、めっきレジストから露出する無電解めっき膜上に電解めっき膜56が形成される(図5(B))。
【0039】
(17)続いて、アミン溶液を用いてめっきレジスト54が除去される。その後、電解銅めっき膜から露出する無電解めっき膜52がエッチングにて除去され、無電解めっき膜52と電解めっき膜56からなる導体層58F、58Sが形成される。導体層58F、58Sは複数の導体回路やビア導体のランドを含む。同時に、ビア導体60F、60Sや接続ビア導体60Fa、60Saが形成される(図5(C))。ビア導体60F、60Sはコア基材の導体層やスルーホール導体と絶縁層上の導体層58F、58Sを接続している。接続ビア導体60Fa、60Saは図7(A)に示すコンデンサの電極112P、112Mと絶縁層上の導体層58Fを接続している。
【0040】
(18)図4(A)〜図5(C)の処理が繰り返され、絶縁層50F、50S上に最上と最下の絶縁層150F、150Sが形成される。最上と最下の絶縁層150F、150S上に導体層158F、158Sが形成される。最上と最下の絶縁層150F、150Sにビア導体160F、160Sが形成され、導体層58F、58Sと導体層158F、158Sはそれらのビア導体160F、160Sで接続される(図5(D))。
【0041】
(19)上側のビルドアップ層55F上に開口71Fを有するソルダーレジスト層70Fが形成され、下側のビルドアップ層55S上に開口71Sを有するソルダーレジスト層70Sが形成される(図6(A))。開口71F、71Sは導体層やビア導体の上面を露出する。その部分はパッドとして機能する。
【0042】
(20)パッド上にニッケル層72とニッケル層72上の金層74で形成される金属膜が形成される(図6(B))。ニッケル−金層以外にニッケル−パラジウム−金層からなる金属膜が挙げられる。
【0043】
(21)この後、上側のビルドアップ層のパッドに半田バンプ76Fが形成され、下側のビルドアップ層のパッドに半田バンプ76Sが形成される。半田バンプを有するコンデンサ内蔵基板10が完成する(図1)。
【0044】
半田バンプ76Fを介してICチップがコンデンサ内蔵基板10へ実装される(図示せず)。その後、半田バンプ76Sを介してコンデンサ内蔵基板がマザーボードに搭載される。
【0045】
[第2実施形態]
第2実施形態のコンデンサ内蔵基板のコンデンサは、第1実施形態のコンデンサと異なる。
図9(A)は、コンデンサ内蔵基板に内蔵されたコンデンサの平面図であり、図9(B)は図9(A)のb2−b2断面を示し、図9(C)は図9(A)のc2−c2断面を示す。
コンデンサ110は、小型で容量の大きな積層セラミックコンデンサ(MLCC)からなる。該コンデンサは、BaTiO3から主として成る誘電体層122とNi製の内部電極124とを交互に積層して成る本体部120と、電極112P、112Mとから成る。本体部120は長辺120Lと短辺120Sとを備える立方形状であって、長辺120側に横長の電極112P、112Mが設けられる。電極112P−電極112M間の距離d2は、70μm以上、150μm以下である。第2実施形態では、立方形状の長辺120Lに電極112P、112Mを設けるため、電極が細長くなり、図中に鎖線で示すようにビア導体60Faの底部60Fabが5箇所接続できる。即ち、1つの電極に複数個のビア導体が接続できるので、電源配線のインピーダンスを低減することができる。
【0046】
他方、電極を短辺に設けるのと比較し、同じ大きさのコンデンサでも電極間の距離が短くなる。このため、第1実施形態では、間隔150μm以下でも電極112P、112M間でマイグレーションが生じないように本体部120の端部まで延在している内部電極124と接触するようにCuペースト118が長辺120L側に設けられ、該Cuペースト118がCuめっき膜114で被覆されている。
【0047】
図10は第1実施形態のコンデンサの製造工程を示している。
(1)BaTiO3から成る誘電体層122αとNi製の内部電極層124αとが交互に積層され積層体120αが形成される(図10(A))。
(2)積層体120αが焼成され、本体部120が形成される(図10(B))。
【0048】
(3)本体部120の端部まで延在している内部電極124と接触するようにCuペースト層118が積層体の長辺120L側に塗布される(図10(C))。Cuペースト層は、Cu粉と5〜40%のガラス成分から主として成る。
(4)ピロリン酸銅(Cu7 P2 O7)とピロリン酸カリウム(K4 P2 O7)を用いるピロリン酸銅めっきによって、Cuペースト118上にCuめっき膜114が被覆され、水洗工程を経てコンデンサ110が完成される(図10(D))。
【0049】
第2実施形態のコンデンサ内蔵基板は、内蔵されるコンデンサ110が大容量の積層セラミックコンデンサである。コンデンサは長辺120Lと短辺120Sとを備える立方形状である。対向する長辺120L側に一対の電極112P、112Mが設けられたため、電極の長さが長くなり、複数のビア導体60Faを接続することが可能となり、電源配線のインピーダンスを低減できる。ここで、電極112P−112M間の距離は150μm以下であるが、電極は、コンデンサ本体の内部電極に接続されたCuペースト118と、該導電性ペーストを覆う銅めっき114から成る。銅めっき形成に密着性の高いピロリン酸銅めっきを用いても、Cuペーストがガラス成分を40%以上含まないため、製造工程で内蔵の際に真空状態にされてもカリウムイオンの飛散量が少なく、マイグレーションの原因とならない。なお、Cuペースト中のガラス成分が5%未満になると、Cuペーストと積層セラミックコンデンサ中のBaTiO3から成る誘電体層との密着性が低下する。
【0050】
[第2実施形態の改変例]
図11は、第2実施形態の改変例に係るコンデンサ内蔵基板のコンデンサを示す。
図11(A)は、コンデンサ内蔵基板に内蔵されたコンデンサの平面図であり、図11(B)は図11(A)のb3−b3断面を示し、図11(C)は図11(A)のc3−c3断面を示す。第2実施形態の改変例では、コンデンサの側方のCuペースト118がCuめっき膜114で被覆されていない。
【符号の説明】
【0051】
10 コンデンサ内蔵基板
18 絶縁性基材
20 開口
30 コア基板
50F、50S 層間樹脂絶縁層
60Fa、60Sa 接続ビア導体
110 コンデンサ
112M、112P 電極
114 銅めき膜
116 Niペースト
118 Cuペースト
120 本体部
120L 長辺
120S 短辺
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11