特開2015-173323(P2015-173323A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社メガチップスの特許一覧

<>
  • 特開2015173323-分周クロック生成回路 図000003
  • 特開2015173323-分周クロック生成回路 図000004
  • 特開2015173323-分周クロック生成回路 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-173323(P2015-173323A)
(43)【公開日】2015年10月1日
(54)【発明の名称】分周クロック生成回路
(51)【国際特許分類】
   H03K 23/00 20060101AFI20150904BHJP
   G06F 1/08 20060101ALI20150904BHJP
【FI】
   H03K23/00 Z
   G06F1/04 320A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-47666(P2014-47666)
(22)【出願日】2014年3月11日
(71)【出願人】
【識別番号】591128453
【氏名又は名称】株式会社メガチップス
(74)【代理人】
【識別番号】100080159
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 望稔
(74)【代理人】
【識別番号】100090217
【弁理士】
【氏名又は名称】三和 晴子
(72)【発明者】
【氏名】大倉 俊洋
(72)【発明者】
【氏名】原田 洋明
(72)【発明者】
【氏名】猪又 章生
【テーマコード(参考)】
5B079
【Fターム(参考)】
5B079BA03
5B079CC16
5B079DD03
5B079DD17
(57)【要約】
【課題】入力クロックから所望のデューティ比と分周数を有する分周クロックを容易に生成することができる分周クロック生成回路を提供する。
【解決手段】カウンタ部1のカウント値がH幅値設定端子SHおよびL幅値設定端子SLから設定されたH幅値およびL幅値の和になる毎にHパルス開始トリガTrHが入力クロックCL0の1周期にわたってHレベルになると共にカウント値がリセットされ、カウント値がH幅値になる毎にLパルス開始トリガTrLが入力クロックCL0の1周期にわたってHレベルとなり、Hパルス開始トリガTrHがHレベルになってからLパルス開始トリガTrLがHレベルになるまでHレベルとなり且つLパルス開始トリガTrLがHレベルになってからHパルス開始トリガTrHがHレベルになるまでLレベルとなる分周用データDDが分周用データ作成部2で作成された後、出力部3から分周クロックCL1として出力される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力クロックの1周期を単位として分周クロックのHレベルの期間を示すH幅値およびLレベルの期間を示すL幅値をそれぞれ設定するためのH幅値設定端子およびL幅値設定端子と、
前記入力クロックの数をカウントしてカウント値が前記H幅値設定端子から設定された前記H幅値と前記L幅値設定端子から設定された前記L幅値の和になる毎にカウント値をリセットし、カウント値がリセットされる毎に第1のパルス開始トリガを出力すると共に、カウント値が前記H幅値および前記L幅値のうちの一方になる毎に第2のパルス開始トリガを出力するカウンタ部と、
前記第1のパルス開始トリガが出力されてから次に前記第2のパルス開始トリガが出力されるまで第1のレベルを維持すると共に前記第2のパルス開始トリガが出力されてから次に前記第1のパルス開始トリガが出力されるまで第2のレベルを維持する分周用データを作成する分周用データ作成部と、
前記分周用データを前記入力クロックに同期させて前記分周クロックとして出力する出力部と
を備えたことを特徴とする分周クロック生成回路。
【請求項2】
入力クロックの1周期を単位として分周クロックのHレベルの期間を示すH幅値およびLレベルの期間を示すL幅値のうちの一方を設定するためのレベル幅値設定端子および分周クロックの周期を示す周期値を設定するための周期値設定端子と、
前記入力クロックの数をカウントしてカウント値が前記周期値設定端子から設定された前記周期値になる毎にカウント値をリセットし、カウント値がリセットされる毎に第1のパルス開始トリガを出力すると共に、カウント値が前記レベル幅値設定端子から設定された前記H幅値および前記L幅値のうちの一方になる毎に第2のパルス開始トリガを出力するカウンタ部と、
前記第1のパルス開始トリガが出力されてから次に前記第2のパルス開始トリガが出力されるまで第1のレベルを維持すると共に前記第2のパルス開始トリガが出力されてから次に前記第1のパルス開始トリガが出力されるまで第2のレベルを維持する分周用データを作成する分周用データ作成部と、
前記分周用データを前記入力クロックに同期させて前記分周クロックとして出力する出力部と
を備えたことを特徴とする分周クロック生成回路。
【請求項3】
前記カウンタ部は、前記第1のパルス開始トリガとして、カウント値がリセットされる毎に入力クロック1周期にわたって前記第1のレベルとなり且つその他の期間は前記第2のレベルとなる信号を出力し、前記第2のパルス開始トリガとして、カウント値が前記H幅値および前記L幅値のうちの一方になる毎に入力クロック1周期にわたって前記第1のレベルとなり且つその他の期間は前記第2のレベルとなる信号を出力し、
前記分周用データ作成部は、前記第1のパルス開始トリガが前記第1のレベルになってから次に前記第2のパルス開始トリガが前記第1のレベルになるまで前記第1のレベルを維持すると共に前記第2のパルス開始トリガが前記第1のレベルになってから次に前記第1のパルス開始トリガが前記第1のレベルになるまで前記第2のLレベルを維持する前記分周用データを作成する請求項1または2に記載の分周クロック生成回路。
【請求項4】
前記カウンタ部は、カウント値がリセットされる毎に前記第1のパルス開始トリガとしてHパルス開始トリガを出力し、カウント値が前記H幅値になる毎に第2のパルス開始トリガとしてLパルス開始トリガを出力し、前記第1のレベルは、Hレベルであり、前記第2のレベルは、Lレベルである請求項3に記載の分周クロック生成回路。
【請求項5】
前記カウンタ部は、カウント値がリセットされる毎に前記第1のパルス開始トリガとしてLパルス開始トリガを出力し、カウント値が前記L幅値になる毎に第2のパルス開始トリガとしてHパルス開始トリガを出力し、前記第1のレベルは、Lレベルであり、前記第2のレベルは、Hレベルである請求項3に記載の分周クロック生成回路。
【請求項6】
前記出力部は、前記分周用データをデータ端子に入力すると共に前記入力クロックをクロック端子に入力するフリップフロップからなる請求項1〜5のいずれか一項に記載の分周クロック生成回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、分周クロック生成回路に係り、特に、入力クロックから周波数を低減させた分周クロックを生成する回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種の分周回路が使用されている。
例えば、特許文献1に開示された分周回路では、第1のフリップフロップの出力を第2のフリップフロップのデータ端子に入力すると共に第2のフリップフロップの出力信号の極性を反転して第1のフリップフロップのデータ端子に入力し、入力クロックと第2のフリップフロップの出力信号との排他的論理和をとってこの結果信号を第1および第2のフリップフロップのクロック端子にそれぞれ供給することにより、第1のフリップフロップの出力信号または第2のフリップフロップの出力信号が分周信号として取り出される。
【0003】
また、特許文献2には、2つのフリップフロップを用いて入力クロックを1/2の周波数に分周することにより互いに位相が異なる第1のクロック信号と第2のクロック信号を出力し、第2のクロック信号を遅延素子で遅延させた信号と第1のクロック信号との排他的論理和をとって出力クロック信号とするクロック信号出力装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−83353号公報
【特許文献2】特開2005−322075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の分周回路は、奇数分周を行った場合でもHレベルの期間とLレベルの期間が同一となるデューティ比50%の分周信号を得ようとするもので、デューティ比を調整することはできない。
また、特許文献2のクロック信号出力装置は、デューティ比が劣化した入力クロックから同一の周波数および所定のデューティ比の出力クロック信号を得ることを目的としており、出力クロック信号のデューティ比を変化させるためには、遅延素子として、遅延量の異なる他の遅延素子を使用しなければならなかった。
【0006】
クロック信号に同期した動作を行う回路においては、それぞれ所定の周波数およびデューティ比のクロック信号が必要とされることがあり、入力クロックからデューティ比と分周数を調整可能な分周クロックを生成することが望まれている。
【0007】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、入力クロックから所望のデューティ比と分周数を有する分周クロックを容易に生成することができる分周クロック生成回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明に係る分周クロック生成回路は、入力クロックの1周期を単位として分周クロックのHレベルの期間を示すH幅値およびLレベルの期間を示すL幅値をそれぞれ設定するためのH幅値設定端子およびL幅値設定端子と、入力クロックの数をカウントしてカウント値がH幅値設定端子から設定されたH幅値とL幅値設定端子から設定されたL幅値の和になる毎にカウント値をリセットし、カウント値がリセットされる毎に第1のパルス開始トリガを出力すると共に、カウント値がH幅値およびL幅値のうちの一方になる毎に第2のパルス開始トリガを出力するカウンタ部と、第1のパルス開始トリガが出力されてから次に第2のパルス開始トリガが出力されるまで第1のレベルを維持すると共に第2のパルス開始トリガが出力されてから次に第1のパルス開始トリガが出力されるまで第2のレベルを維持する分周用データを作成する分周用データ作成部と、分周用データを入力クロックに同期させて分周クロックとして出力する出力部とを備えたものである。
【0009】
第2の発明に係る分周クロック生成回路は、入力クロックの1周期を単位として分周クロックのHレベルの期間を示すH幅値およびLレベルの期間を示すL幅値のうちの一方を設定するためのレベル幅値設定端子および分周クロックの周期を示す周期値を設定するための周期値設定端子と、入力クロックの数をカウントしてカウント値が周期値設定端子から設定された周期値になる毎にカウント値をリセットし、カウント値がリセットされる毎に第1のパルス開始トリガを出力すると共に、カウント値がレベル幅値設定端子から設定されたH幅値およびL幅値のうちの一方になる毎に第2のパルス開始トリガを出力するカウンタ部と、第1のパルス開始トリガが出力されてから次に第2のパルス開始トリガが出力されるまで第1のレベルを維持すると共に第2のパルス開始トリガが出力されてから次に第1のパルス開始トリガが出力されるまで第2のレベルを維持する分周用データを作成する分周用データ作成部と、分周用データを入力クロックに同期させて分周クロックとして出力する出力部とを備えたものである。
【0010】
カウンタ部は、第1のパルス開始トリガとして、カウント値がリセットされる毎に入力クロック1周期にわたって第1のレベルとなり且つその他の期間は第2のレベルとなる信号を出力し、第2のパルス開始トリガとして、カウント値がH幅値およびL幅値のうちの一方になる毎に入力クロック1周期にわたって第1のレベルとなり且つその他の期間は第2のレベルとなる信号を出力し、分周用データ作成部は、第1のパルス開始トリガが第1のレベルになってから次に第2のLパルス開始トリガが第1のレベルになるまで第1のレベルを維持すると共に第2のLパルス開始トリガが第1のレベルになってから次に第1のパルス開始トリガが第1のレベルになるまで第2のLレベルを維持する分周用データを作成するように構成することができる。
カウンタ部は、カウント値がリセットされる毎に第1のパルス開始トリガとしてHパルス開始トリガを出力し、カウント値がH幅値になる毎に第2のパルス開始トリガとしてLパルス開始トリガを出力し、第1のレベルは、Hレベルであり、第2のレベルは、Lレベルであるように構成することができる。
あるいは、カウンタ部は、カウント値がリセットされる毎に第1のパルス開始トリガとしてLパルス開始トリガを出力し、カウント値がL幅値になる毎に第2のパルス開始トリガとしてHパルス開始トリガを出力し、第1のレベルは、Lレベルであり、第2のレベルは、Hレベルであるように構成することもできる。
好ましくは、出力部は、分周用データをデータ端子に入力すると共に入力クロックをクロック端子に入力するフリップフロップから形成される。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、カウンタ部は、カウント値がH幅値設定端子から設定されたH幅値とL幅値設定端子から設定されたL幅値の和になる毎にカウント値をリセットして第1のパルス開始トリガを出力すると共にカウント値がH幅値およびL幅値のうちの一方になる毎に第2のパルス開始トリガを出力し、分周用データ作成部が、第1のパルス開始トリガが出力されてから次に第2のパルス開始トリガが出力されるまで第1のレベルを維持すると共に第2のパルス開始トリガが出力されてから次に第1のパルス開始トリガが出力されるまで第2のレベルを維持する分周用データを作成し、出力部が、分周用データを入力クロックに同期させて分周クロックとして出力するので、入力クロックから所望のデューティ比と分周数を有する分周クロックを容易に生成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】この発明の実施の形態に係る分周クロック生成回路の構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態に係る分周クロック生成回路にH幅値=3およびL幅値=2を設定して5分周クロックを生成する際のタイミングチャートである。
図3】実施の形態に係る分周クロック生成回路にH幅値=7およびL幅値=2を設定して9分周クロックを生成する際のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に、実施の形態に係る分周クロック生成回路の構成を示す。分周クロック生成回路は、外部からH幅値およびL幅値をそれぞれ設定するためのH幅値設定端子SHおよびL幅値設定端子SLを有すると共に、外部から入力クロックCL0を入力するための入力端子SIと生成された分周クロックCL1を出力するための出力端子SOを有している。なお、H幅値およびL幅値は、それぞれ、入力クロックCL0の1周期を単位として、生成しようとする分周クロックCL1のHレベルおよびLレベルの期間を示すものである。
【0014】
H幅値設定端子SHおよびL幅値設定端子SLにカウンタ部1が接続され、カウンタ部1に分周用データ作成部2が接続され、分周用データ作成部2に出力部3が接続されている。また、カウンタ部1と分周用データ作成部2と出力部3のそれぞれに入力端子SIが接続され、出力部3に出力端子SOが接続されている。
【0015】
カウンタ部1は、入力端子SIを介して入力された入力クロックCL0の立ち上がりエッジをとらえて入力クロックCL0の数をカウントするもので、カウント値がH幅値設定端子SHから設定されたH幅値とL幅値設定端子SLから設定されたL幅値の和になる毎にカウント値を「1」にリセットする。
また、カウンタ部1は、カウント値が「1」にリセットされる毎にHパルス開始トリガTrHを出力する。Hパルス開始トリガTrHとしては、カウント値が「1」にリセットされる毎に、入力クロックCL0の1周期にわたってHレベルとなり且つその他の期間はLレベルとなる信号が用いられる。
さらに、カウンタ部1は、カウント値がH幅値設定端子SHから設定されたH幅値になる毎にLパルス開始トリガTrLを出力する。Lパルス開始トリガTrLとしては、カウント値がH幅値になる毎に、入力クロックCL0の1周期にわたってHレベルとなり且つその他の期間はLレベルとなる信号が用いられる。
【0016】
分周用データ作成部2は、カウンタ部1からHパルス開始トリガTrHおよびLパルス開始トリガTrLを入力し、入力クロックCL0に同期させて、Hパルス開始トリガTrHがHレベルになってから次にLパルス開始トリガTrLがHレベルになるまでHレベルを維持すると共にLパルス開始トリガTrLがHレベルになってから次にHパルス開始トリガTrHがHレベルになるまでLレベルを維持するような分周用データDDを作成する。
【0017】
ここで、カウンタ部1のカウント値が「1」にリセットされると、Hパルス開始トリガTrHがHレベルとなり、カウント値がH幅値になると、Lパルス開始トリガTrLがHレベルとなり、カウント値がH幅値とL幅値の和になると、「1」にリセットされるため、分周用データDDは、カウンタ部1のカウント値が「1」にリセットされてからH幅値になるまでHレベルを維持し、カウンタ部1のカウント値がH幅値になってからリセットされるまで、すなわち、H幅値になってからH幅値とL幅値の和になるまでLレベルを維持することとなる。その結果、H幅値で示される期間にわたってHレベルとなり、その後、L幅値で示される期間にわたってLレベルとなり、これを繰り返す波形の分周用データDDが作成される。
【0018】
出力部3は、フリップフロップにより形成され、分周用データ作成部2で作成された分周用データDDをデータ端子Dに入力し、入力端子SIからクロック端子に入力された入力クロックCL0に同期させて、分周用データDDを分周クロックCL1として出力端子SOへ出力する。
【0019】
次に、図2のタイミングチャートを参照して、実施の形態に係る分周クロック生成回路の動作を説明する。
ここでは、H幅値として「3」がH幅値設定端子SHを介してカウンタ部1に設定されると共にL幅値として「2」がL幅値設定端子SLを介してカウンタ部1に設定されるものとする。
【0020】
まず、時刻T0に、カウンタ部1による入力クロックCL0の数のカウントが開始されるときには、カウンタ部1から出力されるHパルス開始トリガTrHおよびLパルス開始トリガTrLは、共にLレベルとなっている。カウントの開始から入力クロックCL0の次の立ち上がりエッジに同期して、時刻T1に、カウント値が「1」になると共に、カウンタ部1から出力されるHパルス開始トリガTrHが、入力クロックCL0の1周期Pにわたって時刻T2までHレベルとなる。Hパルス開始トリガTrHは、時刻T2を過ぎるとLレベルに戻される。
【0021】
時刻T1にHパルス開始トリガTrHがHレベルに立ち上がるため、入力クロックCL0の次の立ち上がりエッジに同期して、時刻T2に、分周用データ作成部2で作成される分周用データDDがHレベルとなる。分周用データDDは、次にLパルス開始トリガTrLがHレベルになるまでHレベルを維持する。
【0022】
カウンタ部1におけるカウントが続けられ、時刻T3に、カウント値がH幅値設定端子SHを介してカウンタ部1に設定されたH幅値に等しい「3」になると、入力クロックCL0の次の立ち上がりエッジに同期して、時刻T4に、カウンタ部1から出力されるLパルス開始トリガTrLが、入力クロックCL0の1周期Pにわたって時刻T5までHレベルとなる。Lパルス開始トリガTrLは、時刻T5を過ぎるとLレベルに戻される。
【0023】
時刻T4にLパルス開始トリガTrLがHレベルに立ち上がるため、時刻T2からHレベルを維持してきた分周用データDDは、入力クロックCL0の次の立ち上がりエッジに同期して、時刻T5に、Lレベルとなる。分周用データDDは、次にHパルス開始トリガTrHがHレベルになるまでLレベルを維持する。
【0024】
さらに、時刻T5に、カウント値がH幅値設定端子SHを介して設定されたH幅値とL幅値設定端子SLを介して設定されたL幅値の和に等しい「5」になると、入力クロックCL0の次の立ち上がりエッジに同期して、時刻T6に、カウント値が「1」にリセットされると共に、Hパルス開始トリガTrHが、再び、入力クロックCL0の1周期Pにわたって時刻T7までHレベルとなる。
時刻T6にHパルス開始トリガTrHがHレベルに立ち上がるため、時刻T5からLレベルを維持してきた分周用データDDは、入力クロックCL0の次の立ち上がりエッジに同期して、時刻T7に、再びHレベルとなる。
【0025】
このようにして、カウンタ部1のカウント値がH幅値に等しい「3」になる毎にLパルス開始トリガTrLが入力クロックCL0の1周期PにわたってHレベルとなり、カウント値がH幅値とL幅値の和に等しい「5」になる毎にHパルス開始トリガTrHが入力クロックCL0の1周期PにわたってHレベルになると共にカウント値が「1」にリセットされ、分周用データ作成部2で作成される分周用データDDは、H幅値で示される、入力クロックCL0の3周期分の期間3・PにわたってHレベルを維持した後、L幅値で示される、入力クロックCL0の2周期分の期間2・PにわたってLレベルを維持する信号となる。
【0026】
この分周用データDDは、出力部3に入力され、入力クロックCL0に同期して分周クロックCL1として出力端子SOに出力される。分周クロックCL1は、分周用データDDと同一の波形を有しており、入力クロックCL0の3周期分にわたるHレベルの期間と入力クロックCL0の2周期分にわたるLレベルの期間とを有するデューティ比3:2の5分周クロックである。
【0027】
同様に、H幅値として「7」がH幅値設定端子SHを介してカウンタ部1に設定されると共にL幅値として「2」がL幅値設定端子SLを介してカウンタ部1に設定された場合の、分周クロック生成回路の動作を図3のタイミングチャートに示す。
時刻T0に、カウンタ部1による入力クロックCL0の数のカウントが開始され、入力クロックCL0の次の立ち上がりエッジに同期して、時刻T11に、カウント値が「1」になると共に、カウンタ部1から出力されるHパルス開始トリガTrHが、入力クロックCL0の1周期Pにわたって時刻T12までHレベルとなる。Hパルス開始トリガTrHは、時刻T12を過ぎるとLレベルに戻される。
【0028】
時刻T11にHパルス開始トリガTrHがHレベルに立ち上がるため、入力クロックCL0の次の立ち上がりエッジに同期して、時刻T12に、分周用データ作成部2で作成される分周用データDDがHレベルとなる。分周用データDDは、次にLパルス開始トリガTrLがHレベルになるまでHレベルを維持する。
【0029】
カウンタ部1におけるカウントが続けられ、時刻T13に、カウント値がH幅値設定端子SHを介してカウンタ部1に設定されたH幅値に等しい「7」になると、入力クロックCL0の次の立ち上がりエッジに同期して、時刻T14に、カウンタ部1から出力されるLパルス開始トリガTrLが、入力クロックCL0の1周期Pにわたって時刻T15までHレベルとなる。Lパルス開始トリガTrLは、時刻T15を過ぎるとLレベルに戻される。
【0030】
時刻T14にLパルス開始トリガTrLがHレベルに立ち上がるため、時刻T12からHレベルを維持してきた分周用データDDは、入力クロックCL0の次の立ち上がりエッジに同期して、時刻T15に、Lレベルとなる。分周用データDDは、次にHパルス開始トリガTrHがHレベルになるまでLレベルを維持する。
【0031】
さらに、時刻T15に、カウント値がH幅値設定端子SHを介して設定されたH幅値とL幅値設定端子SLを介して設定されたL幅値の和に等しい「9」になると、入力クロックCL0の次の立ち上がりエッジに同期して、時刻T16に、カウント値が「1」にリセットされると共に、Hパルス開始トリガTrHが、再び、入力クロックCL0の1周期Pにわたって時刻T17までHレベルとなる。
時刻T16にHパルス開始トリガTrHがHレベルに立ち上がるため、時刻T15からLレベルを維持してきた分周用データDDは、入力クロックCL0の次の立ち上がりエッジに同期して、時刻T17に、再びHレベルとなる。
【0032】
このようにして、カウンタ部1のカウント値がH幅値に等しい「7」になる毎にLパルス開始トリガTrLが入力クロックCL0の1周期PにわたってHレベルとなり、カウント値がH幅値とL幅値の和に等しい「9」になる毎にHパルス開始トリガTrHが入力クロックCL0の1周期PにわたってHレベルになると共にカウント値が「1」にリセットされ、分周用データ作成部2で作成される分周用データDDは、H幅値で示される、入力クロックCL0の7周期分の期間7・PにわたってHレベルを維持した後、L幅値で示される、入力クロックCL0の2周期分の期間2・PにわたってLレベルを維持する信号となる。
【0033】
この分周用データDDは、出力部3に入力され、入力クロックCL0に同期して分周クロックCL1として出力端子SOに出力される。分周クロックCL1は、分周用データDDと同一の波形を有しており、入力クロックCL0の7周期分にわたるHレベルの期間と入力クロックCL0の2周期分にわたるLレベルの期間とを有するデューティ比7:2の9分周クロックである。
【0034】
同様にして、H幅値設定端子SHおよびL幅値設定端子SLを介して任意のH幅値およびL幅値を設定することにより、設定されたH幅値およびL幅値に対応したデューティ比と分周数を有する分周クロックを容易に生成することが可能となる。
なお、上記の実施の形態では、カウンタ部1のカウント値がリセットされる毎にHパルス開始トリガTrHを入力クロックCL0の1周期PにわたってHレベルとし、カウント値がH幅値に等しくなる毎にLパルス開始トリガTrLを入力クロックCL0の1周期PにわたってHレベルとしたが、これに限るものではない。逆に、カウンタ部1のカウント値がリセットされる毎にHパルス開始トリガTrHを入力クロックCL0の1周期PにわたってLレベルとし且つその他の期間はHレベルとし、カウント値がH幅値に等しくなる毎にLパルス開始トリガTrLを入力クロックCL0の1周期PにわたってLレベルとし且つその他の期間はHレベルとすることもできる。
【0035】
また、カウンタ部1のカウント値がリセットされる毎にLパルス開始トリガTrLを入力クロックCL0の1周期PにわたってHレベルとし、カウント値がL幅値に等しくなる毎にHパルス開始トリガTrHを入力クロックCL0の1周期PにわたってHレベルとしてもよい。
同様に、カウンタ部1のカウント値がリセットされる毎にLパルス開始トリガTrLを入力クロックCL0の1周期PにわたってLレベルとし且つその他の期間はHレベルとし、カウント値がL幅値に等しくなる毎にHパルス開始トリガTrHを入力クロックCL0の1周期PにわたってLレベルとし且つその他の期間はHレベルとしてもよい。
【0036】
上記の実施の形態では、H幅値設定端子SHおよびL幅値設定端子SLを介してH幅値およびL幅値をそれぞれ設定したが、これに限るものではなく、入力クロックの1周期を単位として分周クロックの周期を示す周期値(H幅値とL幅値の和)を設定するための周期値設定端子と、H幅値およびL幅値のうちの一方を設定するためのレベル幅値設定端子とを備え、周期値設定端子から設定された周期値とレベル幅値設定端子から設定されたH幅値およびL幅値のうちの一方とに基づいて、周期値とH幅値とL幅値を認識しても、同様の動作を行わせることが可能となる。
【符号の説明】
【0037】
1 カウンタ部、2 分周用データ作成部、3 出力部、SH H幅値設定端子、SL L幅値設定端子、SI 入力端子、SO 出力端子、CL0 入力クロック、CL1 分周クロック、TrH Hパルス開始トリガ、TrL Lパルス開始トリガ、DD 分周用データ、P 入力クロックの周期。
図1
図2
図3