特開2015-173338(P2015-173338A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特開2015173338-インターホン装置 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-173338(P2015-173338A)
(43)【公開日】2015年10月1日
(54)【発明の名称】インターホン装置
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/02 20060101AFI20150904BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20150904BHJP
【FI】
   H04M1/02 G
   H04R1/02 106
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-47859(P2014-47859)
(22)【出願日】2014年3月11日
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】林 純平
(72)【発明者】
【氏名】高地 正喜
(72)【発明者】
【氏名】羽入 徳子
(72)【発明者】
【氏名】佐山 和也
【テーマコード(参考)】
5D017
5K023
【Fターム(参考)】
5D017BC18
5K023AA05
5K023BB10
5K023EE05
5K023EE07
5K023LL06
5K023MM03
5K023MM25
5K023QQ04
(57)【要約】
【課題】マイクを覆う内筒パッキンと外筒パッキンとの隙間から雑音が侵入することを防止したインターホン装置を提供する。
【解決手段】マイク用透音孔15とが前面に開口された前ケース2と、前記前ケース2の裏側を塞いて電装基板7を収容するための後ケース3と、前記マイク用透音孔15の周囲の前記前ケース2裏側に立設されたマイク保持筒部30と、前記マイク用透音孔15に集音面を向けてマイク9が装着される有底筒状の内筒パッキン31と、透音孔32を底面に有し前記内筒パッキン31の外側に嵌着される有底筒状の外筒パッキン33とから成るヒンジ体34を前記マイク保持筒部30に嵌着するもので、前記外筒パッキン33の先端外周には斜めカットのテーパー部35を形成すると共に、このテーパー部35と接するマイク保持筒部30の角部にはゴム製のOリング36を備えたものである。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイク用透音孔とが前面に開口された前ケースと、前記前ケースの裏側を塞いて電装基板を収容するための後ケースと、前記マイク用透音孔の周囲の前記前ケース裏側に立設されたマイク保持筒部と、前記マイク用透音孔に集音面を向けてマイクが装着される有底筒状の内筒パッキンと、透音孔を底面に有し前記内筒パッキンの外側に嵌着される有底筒状の外筒パッキンとから成るヒンジ体を前記マイク保持筒部に嵌着するものに於いて、前記外筒パッキンの先端外周には斜めカットのテーパー部を形成すると共に、このテーパー部と接するマイク保持筒部の角部にはゴム製のOリングを備えた事を特徴とするインターホン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、給湯機用インターホンリモコン装置などのスピーカーとマイクが同時に作動するインターホン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の給湯機用のインターホンリモコン装置に於いては、特許文献1に示すように、前ケースと後ケースより成るケース本体と、ケース本体の正面を覆うカバーとを備え、前ケースとカバーにはそれぞれスピーカ用透音孔とマイク用透音孔が開口され、前ケースのスピーカー用透音孔とマイク用透音孔の裏面にそれぞれスピーカーとマイクが取り付けられているものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−33494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところがこの従来のものでは、インターホンの通話方式を従来の片方向切替通話方式から近年採用されてきた音声スイッチを用いた双方向同時通話方式に変えた場合、通話中はスピーカーとマイクが双方有効に作動し、前ケースにマイクが取り付けられているものであることから、マイクを覆うパッキンとケースの隙間から雑音が侵入し、これをマイクが拾うことから相手側のスピーカーから雑音が聞こえて聞きづらいと言う課題を有するものであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は上記課題を解決する為に、マイク用透音孔とが前面に開口された前ケースと、前記前ケースの裏側を塞いて電装基板を収容するための後ケースと、前記マイク用透音孔の周囲の前記前ケース裏側に立設されたマイク保持筒部と、前記マイク用透音孔に集音面を向けてマイクが装着される有底筒状の内筒パッキンと、透音孔を底面に有し前記内筒パッキンの外側に嵌着される有底筒状の外筒パッキンとから成るヒンジ体を前記マイク保持筒部に嵌着するものに於いて、前記外筒パッキンの先端外周には斜めカットのテーパー部を形成すると共に、このテーパー部と接するマイク保持筒部の角部にはゴム製のOリングを備えたものである。
【発明の効果】
【0006】
以上のようにこの発明によれば、ゴム製のOリングによって前ケースと外筒パッキンとの間及び外筒パッキンと内筒パッキンとの間の隙間が塞がれることで、これらの隙間から侵入した雑音をマイクが拾い、相手側のスピーカーからこれらの雑音が聞こえる不具合を確実に防止し、常に良好にインターホンを利用することが出来るものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態のインターホンリモコン装置の分解斜視図。
図2】同一実施形態の前ケース裏面の斜視図。
図3】同一実施形態のカバー裏面の斜視図。
図4】同一実施形態のマイク取り付け部分の要部断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次にこの発明の一実施形態のインターホンリモコン装置について、図面に基づいて説明する。
【0009】
図1はインターホンリモコン装置1の分解斜視図で、内蔵部品の前面側を覆う前ケース2と、後面側を覆う後ケース3とで構成される薄い箱状のケース体4に、液晶表示部5や複数のスイッチ6、図示しない音声スイッチなどの電子部品を備えた電装基板7や、スピーカー8、マイク9等を内蔵し、前ケース2の前面側に複数の操作キー10を挟み込んで保持するカバー11が取り付けられている。
【0010】
前ケース2は、透明樹脂で構成されて液晶表示部5の表示内容が視認可能としており、また、電装基板7上の複数のスイッチ6に対応する位置に前後に進退可能な操作子12が設けられ、各操作子12に対応する表面には水の進入を防止する防水フィルム13が貼着されている。
【0011】
また、前ケース2前面の左右両端寄りにスピーカ用透音孔14と、マイク用透音孔15とが開口され、スピーカ用透音孔14の上方には前ケース2とカバー11間の空間に入り込んだ水がスピーカ用透音孔14に直接入るのを阻害するための庇16が立設され、マイク用透音孔15にはマイク防水シート17が貼着されている。
【0012】
また、スピーカ用透音孔14とマイク用透音孔15とを結ぶ直線に直交する方向に渡り前ケース2の表側に突出するように衝立状の表側リブ18が立設されている。この表側リブ18は、前ケース2の液晶表示部5に対応して表側に張り出した部位の両端下方にカバー11裏面と接触しない程度の高さを有して設けられている。
【0013】
カバー11は、不透明樹脂で構成され、液晶表示部5と対応する位置に開口された表示開口部19と、前ケース2のスピーカ用透音孔14と対応する位置に開口されたスピーカ用透音穴20と、前ケース2のマイク用透音孔15と対応する位置に開口されたマイク用透音穴21とが設けられていると共に、操作キー10が露出するように操作キー10に対応する位置が開口され、操作キー10のアーム部10aがカバー11と前ケース2との間に挟まれて固定される。
【0014】
図2は前ケース2裏面の斜視図で、スピーカ用透音孔14の周囲には、スピーカー8取り付け用の筒状のスピーカ保持筒部22が立設され、このスピーカ保持筒部22の周囲には、スピーカ固定ネジ23を螺着させるボス部24と、スピーカ保持筒部22の剛性を向上させる複数の補強リブ25とが放射状(ここでは約45°ごと)に配置されている。
【0015】
スピーカー8は、スピーカー8の前面側周縁部を覆うスピーカパッキン26と共にスピーカ保持筒部22内に装着され、スピーカー8の後端にスピーカ押さえ金具27を介してスピーカ固定ネジ23が螺着されて前ケース2に固定される。
【0016】
また、スピーカー8の背面位置には、後ケース3の円筒部28に装着された多孔性の吸音材29が配置され、スピーカー8の背面からマイク9側への音の回り込みを抑制している。
【0017】
図4に示すように、マイク用透音孔15の周囲には、マイク9の取り付け用の筒状のマイク保持筒部30が立設され、マイク9はマイク用透音孔15に集音面を向けた状態で装着されるゴム製で有底筒状の内筒パッキン31と、透音孔32を底面に有し前記内筒パッキン31の外側に嵌着されるゴム製の有底筒状の外筒パッキン33とから成るヒンジ体34をマイク9が装着されたままの状態で、前記マイク保持筒部30に嵌着されるもので、前記外筒パッキン33の先端外周には斜めカットのテーパー部35が形成されており、マイク保持筒部30の角部に備えられたゴム製のOリング36を、前記テーパー部35で押しつぶしながら、マイク保持筒部30にマイク9を装着したヒンジ体34を嵌着することにより、前ケース2と外筒パッキン33との間及び内筒パッキン31と外筒パッキン33との間のそれぞれの隙間が、Oリング36自体や該Oリング36に押圧されて内筒パッキン31と外筒パッキン33とが密接して塞がれ、これらの隙間からマイク9への雑音の侵入を確実に防止して、インターホンを良好に使用出来るものであり、ヒンジ体34の後端が電装基板7によって押さえられて前ケース2に固定される。
【0018】
そして、スピーカ用透音孔14とマイク用透音孔15とを結ぶ直線に直交する方向に渡り前ケース2の裏側に突出するように衝立状の裏側リブ37が立設されている。この裏側リブ37は、液晶表示部5の左右方向の中央付近に複数本(ここでは2本)設けられ、スピーカー8から距離を有して設けられている。
【0019】
図3はカバー11裏面の斜視図で、表示開口部19の両脇に上下に渡ってカバー11の裏側に突出するように衝立状のカバー側リブ38が設けられている。このカバー側リブ38は、カバー11を前ケース2に取り付けた際に、表側リブ18よりも外側、すなわちスピーカー8側の表側リブ18よりもスピーカー8側になり、マイク9側の表側リブ18よりもマイク9側になる位置に前ケース2表面と接触しない程度の高さを有して設けられている。
【0020】
そして、上記のインターホンリモコン装置1がそれぞれ別の場所に一つずつで一組設置され、インターホンリモコン装置1同士で双方向同時通話方式によるインターホン通話を可能としている。
【0021】
この双方向同時通話方式による通話中はスピーカー8とマイク9が双方有効に作動し、両インターホンリモコン装置1のマイク9から集音した音を音声スイッチにより比較し、大きい音を発している側のインターホンリモコン装置1に送話権が付与される。ここで、最初に送話権が付与されたインターホンリモコン装置1をリモコンAと呼び、最初に送話権が付与されなかったインターホンリモコン装置1をリモコンBと呼ぶこととする。
【0022】
そして、リモコンAのマイク9で集音した音をリモコンBのスピーカー8で発音し、そのとき並行して、リモコンBのマイク9で集音した音は音声スイッチに送られてリモコンAのマイク9で集音した音と比較し続ける。
【0023】
リモコンBのマイク9で集音した音がリモコンAのマイク9で集音した音よりも大きくなると、送話権をリモコンAからリモコンBへ切り替えて付与し、リモコンBのマイク9で集音した音をリモコンAのスピーカー8で発音し、そのとき並行して、リモコンAのマイク9で集音した音は音声スイッチに送られてリモコンBのマイク9で集音した音と比較し続けることで、双方向同時通話方式でのインターホン通話が行われる。
【0024】
従って、送話権が付与されていない側のインターホンリモコン装置1では、スピーカー8での発音がマイク9に回り込む可能性が常に生じるが、スピーカー8は、スピーカパッキン26を介してスピーカ保持筒部22および前ケース2に接していると共に、スピーカ保持筒部22が放射状に配された補強リブ25によって剛性強化されているため、スピーカー8から前ケース2に振動が伝わりにくくなり、スピーカー8と同じく前ケース2に固定されたマイク9へ固体伝播する振動が減少してハウリングが起こりにくくなる。
【0025】
また、前ケース2にスピーカー8から伝わった振動は、スピーカー8からマイク9側への振動の進行方向に直交する方向に剛性強化した裏側リブ37および/または表側リブ18が存在することによって、前ケース2を伝ってスピーカー8から裏側リブ37および表側リブ18を超えてマイク9へ向かう振動が減衰され、マイク9へ固体伝播する振動が減少してハウリングが起こりにくくなる。
【0026】
一方、前ケース2の表面側とカバー11の裏面側との間の空間をスピーカー8から発せられた音がマイク9へ周り込もうとするが、カバー側リブ38と表側リブ18とによる障壁が2本ずつ計4本存在するため、この空間を伝播する音を遮り、スピーカー8からマイク9に回り込む音を減少させてハウリングが起こりにくくなる。
【0027】
更にマイク9は、マイク用透音孔15に集音面を向けた状態で装着されるゴム製で有底筒状の内筒パッキン31と、透音孔32を底面に有し前記内筒パッキン31の外側に嵌着されるゴム製の有底筒状の外筒パッキン33とから成るヒンジ体34をマイク9が装着されたままの状態で、前記マイク保持筒部30に嵌着されるので、外筒パッキン33の先端外周の斜めカットのテーパー部35が、マイク保持筒部30の角部に備えられたゴム製のOリング36を、押しつぶしながら嵌着されることで、前ケース2と外筒パッキン33との間及び内筒パッキン31と外筒パッキン33との間のそれぞれの隙間が、Oリング36自体や該Oリング36に押圧されて内筒パッキン31と外筒パッキン33とが密接して塞がれ、これらの隙間からマイク9への雑音の侵入を確実に防止して、インターホンを良好に使用出来るようにしたものである。
【符号の説明】
【0028】
1 インターホンリモコン装置
2 前ケース
3 後ケース
7 電装基板
8 スピーカー
9 マイク
14 スピーカ用透音孔
15 マイク用透音孔
30 マイク保持筒部
31 内筒パッキン
32 透音孔
33 外筒パッキン
34 ヒンジ体
35 テーパー部
36 Oリング
図1
図2
図3
図4