特開2015-173608(P2015-173608A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-173608(P2015-173608A)
(43)【公開日】2015年10月5日
(54)【発明の名称】ロータリ耕耘装置
(51)【国際特許分類】
   A01B 33/12 20060101AFI20150908BHJP
【FI】
   A01B33/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-50604(P2014-50604)
(22)【出願日】2014年3月13日
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100061745
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
(74)【代理人】
【識別番号】100120341
【弁理士】
【氏名又は名称】安田 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】萩原 智恵
(72)【発明者】
【氏名】黒原 孝仁
【テーマコード(参考)】
2B033
【Fターム(参考)】
2B033AA05
2B033AB01
2B033AB11
2B033AC05
2B033BA01
2B033DA01
2B033DB12
2B033DB17
2B033DB32
2B033DB37
2B033DB47
2B033DB50
(57)【要約】
【課題】大きな重量アップ、コスト高とならずに、上部カバーと後部カバーとの間のヒンジ部分に泥土が付着するのを防止することができるロータリ耕耘装置を提供する。
【解決手段】ロータリ耕耘部の上方を覆う上部カバーと、ロータリ耕耘部の後方を覆う後部カバーとを備え、前記後部カバーの上端側は上部カバーの後端側に左右方向の枢軸を介して回動自在に枢支連結されており、前記枢軸とロータリ耕耘部との間に、枢軸の耕耘部側内面に沿って設けられた弾性カバーを配置し、この弾性カバーは、上部カバーの後端側から後部カバーの上端側にわたって設けられていて、前部を上部カバーの後端の耕耘部側の内面に取り付けると共に後部を後部カバーの上端の耕耘部側の内面に取り付ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータリ耕耘部の上方を覆う上部カバーと、ロータリ耕耘部の後方を覆う後部カバーとを備え、前記後部カバーの上端側は上部カバーの後端側に左右方向の枢軸を介して回動自在に枢支連結されており、前記枢軸とロータリ耕耘部との間に、枢軸の耕耘部側内面に沿って設けられた弾性カバーを配置し、この弾性カバーは、上部カバーの後端側から後部カバーの上端側にわたって設けられていて、前部が上部カバーの後端の耕耘部側の内面に取り付けられると共に後部が後部カバーの上端の耕耘部側の内面に取り付けられていることを特徴とするロータリ耕耘装置。
【請求項2】
前記後部カバーの上端側に、該後部カバーの上端側内面を外方に向けて凹ませることにより形成した左右方向に長いリブを設け、このリブ内に前記弾性カバーの後部を配置したことを特徴とする請求項1に記載のロータリ耕耘装置。
【請求項3】
前記上部カバーの後端側に、該上部カバーの後端側内面を外方に向けて凹ませることにより形成した左右方向に長いリブを設け、このリブ内に前記弾性カバーの前部を配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載のロータリ耕耘装置。
【請求項4】
前記上部カバーの後端側に、該上部カバーの後端側内面を外方に向けて凹ませることにより形成した左右方向に長い第1リブを設け、この第1リブ内に前記弾性カバーの前部を配置し、
前記後部カバーの上端側に、該後部カバーの上端側内面を外方に向けて凹ませることにより形成した左右方向に長い第2リブを設け、この第2リブ内に前記弾性カバーの後部を配置し、
前記第1リブの凹みの深さが前記弾性カバーの厚みより浅く、且つ、前記第2リブの凹みの深さが前記弾性カバーの厚みより深いことを特徴とする請求項1に記載のロータリ耕耘装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータリ耕耘装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ロータリ耕耘装置として特許文献1に記載のロータリ耕耘装置がある。
このロータリ耕耘装置は、ロータリ機枠の下部に左右方向の軸心回りに回転自在に設けられた爪軸と、この爪軸上に取り付けられた多数の耕耘爪とからなるロータリ耕耘部を有する。このロータリ耕耘部の爪軸を回転駆動することにより、耕耘爪が土壌に突入して該土壌を耕起すると共に、該耕起した土塊を後方に放てきする。
【0003】
また、前記ロータリ耕耘装置は、ロータリ耕耘部の上方を覆う上部カバーと、ロータリ耕耘部の後方を覆う後部カバーとを備え、前記後部カバーの上端側は上部カバーの後端側に左右方向の枢軸を介して上下揺動自在に枢支連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−65705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ロータリ耕耘装置にあっては、ロータリ耕耘部で土壌を耕耘する際において、耕耘爪によって耕起された土塊は後方に放てきされて後部カバーに衝当して砕土され、耕耘爪に付着した泥土は耕耘部の回転径方向外方に飛散する。
この耕耘部から飛散した泥土は、後部カバーの揺動中心部分であるヒンジ部分に付着しやすいという問題がある。
【0006】
なお、上部カバーの内面(ロータリ耕耘部側の面)前端から、ヒンジ部分を経て、後部カバーの内面下端にわたって泥土付着防止用のゴム板からなる弾性カバーを設けたものがあるが、この弾性カバーが重量アップとなり、コスト高であるという問題がある。
そこで、本発明は、前記問題点に鑑み、大きな重量アップ、コスト高とならずに、上部カバーと後部カバーとの間のヒンジ部分に泥土が付着するのを防止することができるロータリ耕耘装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記技術的課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
請求項1に係る発明では、ロータリ耕耘部の上方を覆う上部カバーと、ロータリ耕耘部の後方を覆う後部カバーとを備え、前記後部カバーの上端側は上部カバーの後端側に左右方向の枢軸を介して回動自在に枢支連結されており、前記枢軸とロータリ耕耘部との間に、枢軸の耕耘部側内面に沿って設けられた弾性カバーを配置し、この弾性カバーは、上部カバーの後端側から後部カバーの上端側にわたって設けられていて、前部が上部カバーの後端の耕耘部側の内面に取り付けられると共に後部が後部カバーの上端の耕耘部側の内面に取り付けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明では、前記後部カバーの上端側に、該後部カバーの上端側内面を外方に向けて凹ませることにより形成した左右方向に長いリブを設け、このリブ内に前記弾性カバーの後部を配置したことを特徴とする。
請求項3に係る発明では、前記上部カバーの後端側に、該上部カバーの後端側内面を外方に向けて凹ませることにより形成した左右方向に長いリブを設け、このリブ内に前記弾性カバーの前部を配置したことを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る発明では、前記上部カバーの後端側に、該上部カバーの後端側内面を外方に向けて凹ませることにより形成した左右方向に長い第1リブを設け、この第1リブ内に前記弾性カバーの前部を配置し、
前記後部カバーの上端側に、該後部カバーの上端側内面を外方に向けて凹ませることにより形成した左右方向に長い第2リブを設け、この第2リブ内に前記弾性カバーの後部を
配置し、
前記第1リブの凹みの深さが前記弾性カバーの厚みより浅く、且つ、前記第2リブの凹みの深さが前記弾性カバーの厚みより深いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
請求項1に係る発明によれば、枢軸とロータリ耕耘部との間に、枢軸に沿って設けられた弾性カバーによって上部カバーと後部カバーとの間のヒンジ部分に泥土が付着するのを防止することができると共に、弾性カバーは、上部カバーの後端側から後部カバーの上端側にわたって設けられ、その前部が上部カバーの後端側に取り付けられると共に後部が後部カバーの上端側に取り付けられていて、ヒンジ部分及びその近傍だけを覆うので、大きな重量アップ、コスト高とならずに上部カバーと後部カバーとのヒンジ部分を保護することができる。
【0011】
請求項2に係る発明によれば、後部カバーの上端側に、該後部カバーの上端側内面を外方に向けて凹ませることにより形成した左右方向に長いリブを設けることにより、後部カバーの強度を向上させることができると共に、前記リブ内に前記弾性カバーの後部を配置することにより、弾性カバー後部の配置部分の凹凸を少なくすることができ、該部分の泥土付着を少なくすることができる。
【0012】
請求項3に係る発明によれば、上部カバーの後端側に、該上部カバーの後端側内面を外方に向けて凹ませることにより形成した左右方向に長いリブを設けることにより、上部カバーの強度を向上させることができると共に、前記リブ内に前記弾性カバーの前部を配置することにより、弾性カバー前部の配置部分の凹凸を少なくすることができ、該部分の泥土付着を少なくすることができる。
【0013】
請求項4に係る発明によれば、上部カバーの後端側及び後部カバーの上端側に、カバー内面を外方に向けて凹ませることにより形成した左右方向に長いリブを設けることにより、上部カバー及び後部カバーの強度を向上させることができる。
また、上部カバー後端側の第1リブの凹みの深さを弾性カバーの厚みより浅く、後部カバー上端側の第2リブの凹みの深さを弾性カバーの厚みより深く設定することにより、ロータリ耕耘装置のロータリ耕耘部をダウンカット回転させて土壌を耕耘する際の泥土付着防止を有効に図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】ロータリ耕耘装置の側面図である。
図2】ロータリ耕耘装置の背面一部断面図である。
図3】ロータリカバーの展開平面図である。
図4】ロータリカバーのヒンジ部分の側面断面図である。
図5】(a)は他の実施形態のロータリカバーのヒンジ部分の側面断面図、(b)は弾性カバーの前部の取付部分の拡大断面図である。
図6】他の形態のロータリ耕耘装置を示す側面図である。
図7】他の形態のロータリ耕耘装置の後部の側面図である。
図8】センサアームからオートアームが離脱した状態を示す側面図である。
図9】オートアームがセンサアームに係合した状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1、2はロータリ耕耘装置1を示している。このロータリ耕耘装置1は、サイドドライブ式のロータリ耕耘装置1であり、走行車であるトラクタ2の後方に二点リンク3を介して装着されている。
このロータリ耕耘装置1は、左右方向中央部に位置するギヤケース4と、このギヤケース4から左右両側方に突出したサポートアーム5L,5Rと、一方(左側)のサポートアーム5Lの外端に取り付けられた伝動ケース6と、他方(右側)のサポートアーム5Rに取り付けられたサイドフレーム7とを有するロータリ機枠8を有する。
【0016】
このロータリ機枠8の上部には、左右一対の連結アーム9が前方突出状に設けられ、こ
の連結アーム9の前部は、トラクタ2の後下部に設けられた連結ブラケット10に左右軸回りに回動自在に枢支連結されている。前記連結アーム9の中途部は油圧装置11のリフトアーム12とリフトロッド13により連動連結され、リフトアーム12を上下揺動させることで、ロータリ耕耘装置1が昇降自在とされている。
【0017】
前記ロータリ機枠8の下部には、土壌を耕耘するロータリ耕耘部14が設けられている。このロータリ耕耘部14は、伝動ケース6とサイドフレーム7の下部間に左右方向の軸心回りに回転自在に支架された爪軸15と、この爪軸15上に取り付けられた多数の耕耘爪16とから構成されている。
前記ギヤケース4にはPIC軸17が設けられ、このPIC軸17にはトラクタ2のPTO軸からジョイントを介して回転動力が伝達される。このPIC軸17に伝達された動力は、ギヤケース4内のギヤ伝動機構、左サポートアーム5L内の伝動軸及び伝動ケース6内のチェーン伝動手段を介して爪軸15に伝達される。この爪軸15に伝達される動力によって該爪軸15が軸心回りに回転駆動される。本実施形態では、爪軸15は図1に示す矢印A方向に回転駆動(ダウンカット回転)する。
【0018】
ロータリ耕耘部14が矢印A方向に回転駆動することにより、耕耘爪16が土壌に突入して該土壌を耕起すると共に、該耕起した土塊を後方に放てきする。
ロータリ機枠8には、ロータリ耕耘部14を覆うロータリカバー18が設けられている。このロータリカバー18は、図例のものでは、ロータリ耕耘部14の上方を覆う上部カバー19と、ロータリ耕耘部14の後方を覆う後部カバー20とを有する。
【0019】
上部カバー19及び後部カバー20のロータリ耕耘部14側の面(ロータリ耕耘部14の外周に対向する面)を内面といい、ロータリ耕耘部14側の面とは反対側の面を外面という。
図3に示すように、上部カバー19は、板材によって形成され、左右一対の側板21と、メイン上部カバー22と、サブプレート23とを有する。
【0020】
左側の側板21は伝動ケース6の左右方向内方側の面に配置されて該伝動ケース6に固定され、右側の側板21はサイドフレーム7の左右方向内方側の面に配置されて該サイドフレーム7に固定されている。左右各側板21の後端側には、左右方向の軸心を有する円筒部材からなる枢支ボス24が設けられている。
前記メイン上部カバー22及びサブプレート23は左右側板21間にわたって設けられ、それらの左右方向の端部が左右方向で同じ側にある側板21に固着されている。
【0021】
図4に示すように、前記サブプレート23は、上部カバー19の後端側内面を構成する板材であり、メイン上部カバー22よりも板厚が厚い板材で形成されている。このサブプレート23は、その前部がメイン上部カバー22の後端側上面に重ね合わされて該メイン上部カバー22に固着されている。サブプレート23の後部はメイン上部カバー22から後方に突出状とされており、その後端は、側面視で、前記枢支ボス24の近傍に位置している。
【0022】
このサブプレート23の後部には、その内面から外方(上部カバー19内面から外面に向かう方向)に向けて、該サブプレート23を構成する板材を凹ませることにより形成された第1リブ26が形成されている。この第1リブ26は後述する枢軸29の近傍に位置している。また、この第1リブ26は、サブプレート23の左右方向一端側から他端側にわたって長く形成され、左右の側壁26aと前壁26bと上壁26cとを有し、後側及び下側は開放状とされている。
【0023】
なお、この第1リブ26の左右両側は左右方向外方に開放状とされていてもよい。また、メイン上部カバー22を前記枢支ボス24の近傍にまで延長し、このメイン上部カバー22の後端側に第1リブ26を形成してもよい。
前記後部カバー20は板材から形成され、メイン後部カバー27と、補強プレート28とを有する。
【0024】
メイン後部カバー27の上端部には、左右方向の軸心を有する枢軸29が固着されている。このメイン後部カバー27の上端部は、上部カバー19の左右側板21間に配置され、枢軸29の左右両端側は左右方向で同じ側にある枢支ボス24に軸心回りに回転自在に
挿通されている。これによって、後部カバー20が上部カバー19に枢軸29を介して左右方向の軸心回りに回動自在に枢支連結されている。
【0025】
このメイン後部カバー27は、上部カバー19と後部カバー20とにわたって設けられた弾下装置30によって、下端側の接地部が地面に接地する方向にバネ付勢されている。
補強プレート28は、メイン後部カバー27の上部内面側に配置されており、後部カバー20の上端側内面を構成する板材とされている。この補強プレート28は、その下部がメイン後部カバー27の内面に重ね合わされて固着されている。補強プレート28の上部には、その内面から外方(後部カバー20内面から外面に向かう方向)に向けて、該補強プレート28を構成する板材を凹ませることにより形成された第2リブ31が形成されている。この第2リブ31は枢軸29の近傍に位置している。また、この第2リブ31は、サブプレート23の左右方向一端側から他端側にわたって長く形成され、左右の側壁31aと後壁31bと上壁31cとを有し、前側及び下側は開放状とされている。
【0026】
なお、この第2リブ31の左右両側は左右方向外方に開放状とされていてもよい。また、補強プレート28がない場合は、メイン後部カバー27に第2リブ31が形成される。
図1に示すように、前記枢軸29とロータリ耕耘部14との間には、枢軸29に沿って設けられていて、上部カバー19と後部カバー20との間のヒンジ部分32(後部カバー20の揺動中心部分)をロータリ耕耘部14側から覆う弾性カバー33が配置されている。
【0027】
この弾性カバー33は、ゴム板材によって形成され、図4に示すように、上部カバー19の後端側から後部カバー20の上端側にわたって設けられている。
弾性カバー33の前後の端部側には、左右方向に間隔をおいてリベット34を挿通するリベット挿通孔35が貫通形成されている。
また、弾性カバー33の前部33aは第1リブ26内に配置され、該弾性カバー33の後部33bは第2リブ31内に配置され、弾性カバー33の前後部33a,33bがそれぞれリブ26,31内に没入状とされている。
【0028】
弾性カバー33の前部33aは第1リブ26の上壁26c内面に重ね合わされていると共に、該弾性カバー33の前部のロータリ耕耘部14側には、当て板36が接当されており、この当て板36、弾性カバー33及び第1リブ26の上壁26cを貫通するリベット34によって、弾性カバー33の前部33aが上部カバー19の後端側に取り付けられている。
【0029】
この弾性カバー33の前部33aの前端上側の角部69は、第1リブ26の前壁26bと上壁26cとの間の湾曲状コーナー部26dの内面に、リベット34及び当て板36によって押し付けられてひしゃげており、該角部69は、湾曲状コーナー部26dの内面に沿う湾曲状に弾性変形している。
また、弾性カバー33の後部33bは第2リブ31の上壁内面に重ね合わされていると共に、該弾性カバー33の後部のロータリ耕耘部14側には、当て板37が接当されており、この当て板37、弾性カバー33及び第2リブ31の上壁を貫通するリベット34によって、弾性カバー33の後部が後部カバー20の上端側に取り付けられている。
【0030】
また、弾性カバー33の中途部33cは枢軸29から離れるように、また、後部カバー20の枢軸29回りの上下揺動を許容するように、撓ませている。
前記構成のロータリ耕耘装置1にあっては、弾性カバー33によって上部カバー19と後部カバー20との間のヒンジ部分32に泥土が付着するのを防止することができる。また、弾性カバー33は、上部カバー19と後部カバー20との間のヒンジ部分32及びその近傍を覆うので、大きな重量アップ、コスト高とならずに上部カバー19と後部カバー20との間のヒンジ部分32を保護することができる。
【0031】
また、弾性カバー33の前部33aは第1リブ26内に配置され、弾性カバー33の後部33bは第2リブ31内に配置されているので、弾性カバー33の前後部33a,33bの配置部分の凹凸を少なくすることができ、該部分の泥土付着を少なくすることができる。
図5は、他の実施形態に係るロータリカバー18のヒンジ部分32を示している。
【0032】
この実施形態にあっては、第1リブ26の凹みの深さD1が弾性カバー33の厚みTよ
り浅くなっており、第2リブ31の凹みの深さD2が弾性カバー33の厚みTより深くなっている。
本実施形態のロータリ耕耘装置1にあっては、ロータリ耕耘部14を矢印A方向に回転させてダウンカット回転させるが、弾性カバー33の後部33bを第2リブ31内に没入させ、弾性カバー33の前部33aを第1リブ26から若干突出させることにより、ロータリ耕耘部14をダウンカット回転させて土壌を耕耘する際の泥土付着防止を有効に図ることができる。
【0033】
図6は他の形態のロータリ耕耘装置1を示している。
このロータリ耕耘装置1は、後部カバー20の上下動をセンシングして、トラクタ2の油圧装置11を操作し、トラクタ2に対するロータリ耕耘装置1の相対高さを目標耕深になる位置に保つべく、後部カバー20の上下動を検出する耕深検出機構38を有している。
【0034】
また、このロータリ耕耘装置1は、トップリンク39と左右一対のロワーリンク40とからなる三点リンク機構50によってトラクタ2に昇降自在に装着された作業機連結枠41に着脱自在に装着され、トラクタ2の油圧装置11によってロワーリンク40を上げ下げすることによりロータリ耕耘装置1を昇降するタイプのものである。
耕深検出機構38は、回動部材42と、規制リンク43と、伝達ケーブル44と、連動アーム45と、センサアーム46とを有する。
【0035】
図7に示すように、回動部材42は、板材からなり、下端側が後部カバー20の背面の上下中途部に固定された支持ボス47に支軸48を介して左右軸回りに回動自在に支持されている。
規制リンク43の一端側(後端側)は、回動部材42の上部前側に左右軸回りに回動自在に連結され、規制リンク43の他端側(前端側)は、上部カバー19の後端側外面(上面)に固定されたブラケット49に左右軸回りに回動自在に連結されている。この規制リンク43によって、後部カバー20が枢軸29回りに上下動した祭に、該上下動に連動して回動部材42が支軸48回りに揺動する。
【0036】
伝達ケーブル44は、アウタケーブル44aとインナーケーブル44bとからなるプッシュプルケーブル等によって構成されている。この伝達ケーブル44のアウタケーブル44aの一端側は、図7に示すように、後部カバー20背面側の前記支持ボス47の前方に設けられたアウタ受け51に固定されている。伝達ケーブル44のアウタケーブル44aの他端側は、図6に示すように、ロータリ機枠8に設けられた支持ステー52に固定されたアウタ受け53に固定されている。
【0037】
また、伝達ケーブル44のインナーケーブル44bの一端側は、図7に示すように、回動部材42の上部後側に枢支連結されている。伝達ケーブル44のインナーケーブル44bの他端側は、図9及び図8に示すように、連動アーム45の上部に枢支連結されている。
図8に示すように、連動アーム45の下端には回動ボス54が固定され、この回動ボス54はロータリ機枠8に設けられた支軸55に左右軸回りに回動自在に支持されている。
【0038】
センサアーム46はその上端が前記回動ボス54に固定されている。このセンサアーム46には、フック状の係合部56が設けられている。
図8図9に示すように、ロータリ耕耘装置1が作業機連結枠41に連結された状態で、センサアーム46の係合部56に係合するオートアーム57が作業機連結枠41に設けられている。このオートアーム57は、その上端が、作業機連結枠41に設けられたオートブラケット58に支軸59を介して左右軸回りに回動自在に支持された取付ボス60に固定されている。この取付ボス60には、オートリンク61の下端が固定されている。
【0039】
ロータリ耕耘装置1が作業機連結枠41に連結された状態で、支軸55と支軸59とは同心状として配置されている。
このオートリンク61の上部には、インナーケーブル62aとアウタケーブル62bとからなる中継ケーブル62のインナーケーブル62aの一端側が枢支連結されている。この中継ケーブル62のアウタケーブル62bの一端側は、前記オートブラケット58に設
けられたアウタ受け63に固定されている。
【0040】
図6に示すように、中継ケーブル62のアウタケーブル62bの他端側は、トラクタ2に設けられたトップリンクブラケット64に固定のアウタ受け65に固定されている。中継ケーブル62のインナーケーブル62aの他端側は、トップリンクブラケット64に支軸66によって左右軸回りに回動自在に枢支された中継アーム67に連結されている。中継アーム67には、中継レバー68が設けられ、この中継レバー68は、リンク等の連動部材を介して、油圧装置11を制御する制御装置に連動連結されている。
【0041】
このロータリ耕耘装置1にあっては、図7に示すように、後部カバー20が上方揺動すると、回動部材42は支軸48中心に後方側に回動し、伝達ケーブル44のインナーケーブル44bが引動される。伝達ケーブル44のインナーケーブル44bが引動されると、図9に示すように、連動アーム45が仮想線で示す位置から実線で示す位置へと後方揺動すると共に、センサアーム46が仮想線で示す位置から実線で示す位置へと前方揺動する。
【0042】
これに伴って、オートアーム57が仮想線で示す位置から実線で示す位置へと後方揺動して、中継ケーブル62のインナーケーブル62aが引動される。この中継ケーブル62のインナーケーブル62aによって中継アーム67及び中継レバー68が揺動し、この揺動が油圧装置11を制御する制御装置に伝達される。
これによって、耕深の変化が油圧装置11の制御装置に伝えられ、耕深を一定に保つように油圧装置11によってロータリ耕耘装置1が昇降制御される。
【0043】
従来の耕深検出機構では、後部カバー20からセンサアーム46へと、該後部カバー20の動きを伝えるのに、後部カバー20の上下の動きを左右の運動に変換してからセンサアーム46へと伝達させているので、部品点数が多く、後部カバー20の上下の動きを左右の運動に変換する時のヒステリシスが大きいという問題があった。
本実施形態の耕深検出機構38では、後部カバー20の上下の動きをダイレクトにセンサアーム46に伝えることでリンクの数を減らしており、リンクを減らせた分ヒステリシスが減ると共に、回動部材42の左右軸回りの動きを、左右軸回りに動くセンサアーム46にそのまま伝えるので、応答性がよくなる。
【符号の説明】
【0044】
14 ロータリ耕耘部
19 上部カバー
20 後部カバー
29 枢軸
26 第1リブ(リブ)
31 第2リブ(リブ)
33 弾性カバー
33a 弾性カバーの前部
33b 弾性カバーの後部
D1 第1リブの凹みの深さ
D2 第2リブの凹みの深さ
T 弾性カバーの厚み
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9