【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記[1]に記載した従来の技術では、リンクプレートとその両端側の連結ピンとの抜け止めを、連結ピンの両端部をカシメることによって行うので、強固な連結を行える点では有用なものである。しかしながら、この構造では、構成部品の交換や、連結ピンを抜いて分解してメンテナンス作業を行いたい場合に、連結ピンの抜き取りに多大な手数を要するものであり、組み付け分解を行い難いという問題がある。
これに比べて、上記[2]に記載の従来の技術では、リンクプレートの各端側に位置する両連結ピンの一端部にわたって一つのU字状のクリップを装着するものであるから、そのU字状のクリップを係脱操作することで、リンクプレートを含む各部品の分解及び組み付けを簡便に行い易い点で有用なものである。
しかしながら、この構造では、苗押出具の往復駆動に際して、リンクプレートの長手方向に沿い、両端側の連結ピン同士の間隔を、開き側と縮み側とに交互に押し引きする衝撃的な荷重が繰り返し作用するので、U字状のクリップが脱落してリンクプレートが抜け落ちてしまう可能性があり、この点で改善の余地がある。
【0005】
上記[3]に記載した従来の技術では、植付爪支持ケースの内部空間に対して、潤滑剤を注入するためのグリースニップルと、排出を許容するためのグリースニップルとの両方を設けるものであるため、植付爪支持ケースの内部空間に対する適正量の潤滑剤注入作業を容易に行い易い点で有用なものである。しかしながら、このように一つの潤滑剤貯留空間に二つのグリースニップルを設けるためにコスト増となる傾向がある。
このため、上記[4]に記載した従来の技術に示されるように、植付爪支持ケースの内部空間に対して、ゴム製キャップ等で構成される栓体を潤滑剤排出口に装着した構造のものもある。この構造では、栓体を外した状態でグリースなどの潤滑剤を注入し、注入後に栓体で潤滑剤排出口を閉塞するようにして低コスト化を図る得るものであるが、栓体を外し忘れて、排出口閉塞状態のままで潤滑剤注入が行われると、注入中に植付爪支持ケースの内部空間における圧力が高まって、栓体が内圧で飛ばされて紛失したり、多量のグリースが散乱する虞があり、この点で改善の余地がある。
【0006】
上記[5]に記載した従来の技術では、苗押出具や操作アームが内装されている植付爪支持ケースの内部空間を潤滑剤貯留用空間として用いるので、植付爪支持ケースの内部空間を潤滑剤貯留のために有効利用し得る点で有用なものである。しかしながら、苗植付装置が広大な圃場を作業対象としたり、長時間の連続使用を行うような過酷な条件下では、潤滑剤が不足してしまう虞があり、この点で改善の余地がある。
【0007】
上記[6]に記載した従来の技術では、不等速の駆動力を伝達する非円形ギヤ、又は偏心ギヤが、単なる平板状のギヤ、もしくは平板状の面に連動用のカム等を形成した構造のもので構成されている。そして、各ギヤは回転軸心方向視で、その重心位置が回転軸心から外れた位置にある。このため、回転に伴って軸支部に偏荷重が作用する状態となるので、軸支部の偏摩耗を招き易い傾向があり、この点で改善の余地がある。
【0008】
本発明は、苗押出具と操作アームとを、リンクプレートと、その両端部に備えた連結ピンとで構成されるチェーン状継ぎ手で連結した構造のものにおいて、リンクプレートと連結ピンとの分解を可能にして組み付け分解を容易にしながら、連結ピンに対するリンクプレートの抜け止めを確実に行えるようにしようとするものである。
また、潤滑剤貯留空間における潤滑剤の注入を良好に行えながら、潤滑剤排出口側のグリースニップルを省略して低コスト化を図るものである。
また、植付爪支持ケース内での潤滑剤貯留空間を増大しようとするものである。
また、植付爪支持ケース内に不等速の駆動力を伝達するための非円形ギヤ、又は偏心ギヤの軸支部における偏摩耗を低減しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために講じた本発明における苗植付装置の技術手段は、次の点に構成上の特徴、及び作用効果がある。
【0010】
〔解決手段1〕
上記課題を解決するために講じた本発明の技術手段は、苗を載置して往復横移動する苗のせ台と、前記苗のせ台に載置されている苗を取り出して圃場に植え付ける植付爪駆動機構とを備え、前記植付爪駆動機構は、苗取り出し用の植付爪と、前記植付爪に対して圃場への爪突入方向で相対移動する苗押出具と、揺動支軸回りに揺動作動して、前記苗押出具を前記相対移動方向に沿うように押し引き移動させる操作アームと、前記苗押出具と前記操作アームとを連結するリンク連結機構を備えるとともに、前記リンク連結機構は、前記苗押出具と前記操作アームとにわたるリンク部材と、そのリンク部材の一端側で前記苗押出具が連結される連結ピンと、他端側で前記操作アームが連結される連結ピンとを備え、それぞれの連結ピンは、各連結ピン毎に、各連結ピンの端部外周面に形成された周溝に対する径方向からの抜き差し操作で各別に係脱可能に装着した止め輪によって、前記リンク部材に対して抜け止め状態で装着されていることである。
【0011】
〔解決手段1にかかる発明の作用及び効果〕
上記解決手段1にかかる発明によると、各連結ピン毎に、各連結ピンの端部外周面に形成された周溝に対して径方向からの抜き差し操作で各別に係脱可能な止め輪を備え、各連結ピン毎に止め輪の抜き差しを行うことで、連結ピンとリンク部材との抜け止めを行えるようにしてある。このように、抜け止め手段としての止め輪がリンク部材の両端側の連結ピンにわたって装着されるのではなく、個々の連結ピン毎に装着されるので、各止め輪自体には、両側の連結ピン同士の間で生じる微細な距離変化や相対的な姿勢変化による影響が及ばない。
つまり、リンク連結機構では、操作アームと付勢バネとで苗押出具を押し引き方向に往復作動させるものであるが、その苗押出具の往復駆動に際して、リンク部材の両端側の連結ピン同士の間隔を、開き側と縮み側とに交互に押し引きする衝撃的な荷重が繰り返し作用する。この連結ピンに作用する衝撃的な荷重によって両側の連結ピンが振動し、この両側の連結ピンを跨ぐ状態でU字状のクリップを係合させていると、そのU字状のクリップが両側の連結ピン同士の不規則な振動に伴って脱落してしまう虞があったが、本発明のものでは、個々の連結ピン毎に装着される止め輪を用いて各連結ピンとリンク部材との抜け止めを行うようにしているので、両側の連結ピン同士の間における微細な距離変化や相対的な姿勢変化による影響が各止め輪に及ぶ虞がない。
したがって、各連結ピン毎に装着された止め輪は、連結ピンに衝撃的な荷重が作用することによって各連結ピンとともに振動しても、各連結ピンと止め輪との間では前記荷重による微細な距離変化や相対的な姿勢変化による影響が及ぶ虞はなく、連結ピンとの係合状態が維持され、リンク部材が脱落する可能性を低減し得る利点がある。
【0012】
〔解決手段2〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記止め輪は、周方向の一部が切り離された割リング状部材によって構成され、かつ前記連結ピンを軸線方向に沿って二等分する仮想分割面に対して、前記割リング状部材の中間部を前記仮想分割面を挟んで一方側に位置させると、前記割リング状部材の両端部が前記仮想分割面を挟んで他方側に位置するように、前記連結ピンの半周を超える範囲にわたって連続した部分円弧状に形成されていることである。
【0013】
〔解決手段2にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段2にかかる発明によると、止め輪は、周方向の一部が切り離された割リング状部材によって構成され、連結ピンの半周を超える範囲にわたって連続した部分円弧状に形成されているので、連結ピンの最大径部分を超えて係合状態に装着された止め輪が径方向での移動を抑制され、確実な係合状態に維持され易いという利点がある。
【0014】
〔解決手段3〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、苗を載置して往復横移動する苗のせ台と、前記苗のせ台に載置されている苗を取り出して圃場に植え付ける植付爪駆動機構とを備え、前記植付爪駆動機構は、苗取り出し用の植付爪と、前記植付爪に対して圃場への爪突入方向で相対移動する苗押出具と、その苗押出具を前記相対移動方向で移動させるように押し引き操作する操作アームと、前記苗押出具及び前記操作アームが内装される植付爪支持ケースとを備え、前記植付爪支持ケースには、その植付爪支持ケースの内部空間に潤滑剤を注入するためのグリースニップルが設けられているとともに、前記内部空間を密閉状態と外部開放状態とに切換操作可能な開閉部が備えられ、前記開閉部は、前記植付爪支持ケースに形成されたネジ付きの開口、及び、その開口に螺合するネジ付きの栓体が備えられたことである。
【0015】
〔解決手段3にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段3にかかる発明によると、植付爪支持ケースの内部空間に対して潤滑剤の注入及び排出を行うための手段を設けるにあたり、注入用にはグリースニップルを用いるものの、排出用の開閉部としては、植付爪支持ケースに形成されたネジ付きの開口と、その開口に螺合するネジ付きの栓体とを用いたものであるから、排出手段は構造簡単な低コストのもので構成し得る利点がある。
そして、ネジ付きの開口とネジ付きの栓体とで開閉部を構成することにより、植付爪支持ケースの内部空間に潤滑剤が充填されて内圧が高まると、開口と栓体との間のネジ部分同士の隙間を通じて潤滑剤が溢れ出て、適度に圧力抜きが行われた状態となる。したがって、例えば単なるゴム栓を用いて開口を閉塞したままで潤滑剤充填を行った場合のように、植付爪支持ケースの内部空間の内圧の高まりによって栓体が開口から飛び抜けて紛失してしまうような不具合が生じることを避けられる点でも有用である。
【0016】
〔解決手段4〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、苗を載置して往復横移動する苗のせ台と、前記苗のせ台に載置されている苗を取り出して圃場に植え付ける植付爪駆動機構とを備え、前記植付爪駆動機構は、苗取り出し用の植付爪と、前記植付爪に対して圃場への爪突入方向で相対移動する苗押出具と、その苗押出具を前記相対移動方向で移動させるように押し引き操作する操作アームと、前記苗押出具及び前記操作アームが内装される植付爪支持ケースとを備え、前記植付爪支持ケースには、前記植付爪を取り付け可能な爪取付面が形成されているとともに、その植付爪支持ケースの内部空間には、前記爪取付面が存在する仮想平面よりも前記操作アームの揺動支軸が存在する側に近い側で前記苗押出具及び前記操作アームが駆動可能な状態で内装される駆動系内装領域と、前記爪取付面よりも前記操作アームの揺動支軸から遠い側で前記苗押出具及び前記操作アームが存在しない潤滑剤充填用領域とが備えられていることである。
【0017】
〔解決手段4にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段4にかかる発明によると、植付爪支持ケースの内部空間として、苗押出具や操作アームが駆動可能な状態で内装される駆動系内装領域とは別に潤滑剤充填用領域が備えられているので、植付支持ケースの内部における潤滑を長期間にわたって維持することができる。
そして、密閉空間であるところの植付爪支持ケースの内部空間では、苗押出具の出退作動でその内部空間の容積が変化するに伴って、苗押出具の押出作動時に植付爪支持ケースの内部空間が負圧になる傾向がある。このとき、植付爪支持ケースの内部空間が狭くて内圧が低くなりすぎると外部から泥水が侵入し易くなる虞があるが、本発明では、駆動系内装領域とは別に潤滑剤充填用領域を備えたことで、潤滑剤充填用領域を植付爪支持ケース全体の内部空間の拡張のためにも利用でき、苗押出具の押出作動時における植付爪支持ケースの内部空間が負圧になる度合いを低減して、外部からの泥水の浸入を抑制する効果をも期待し得るものである。
また、潤滑剤充填用領域は、爪取付面よりも操作アームの揺動支軸から遠い側に設けられているので、各種駆動機構等に干渉しない箇所の空間を利用して任意の形状や大きさに形成し易い点でも有利である。
【0018】
〔解決手段5〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記駆動系内装領域と前記潤滑剤充填用領域とを区画する隔壁が備えられ、かつ、その隔壁に、前記駆動系内装領域と前記潤滑剤充填用領域とを部分的に連通させる連通部が備えられているということである。
【0019】
〔解決手段5にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段5にかかる発明によると、植付爪支持ケースの内部空間に、駆動系内装領域と潤滑剤充填用領域とを区画する隔壁が備えられ、その隔壁に連通部が備えられているので、植付爪支持ケースの内部空間の全体を広くして、多くの潤滑剤を充填して長期間の潤滑状態の維持が可能であるとともに、苗押出具の作動に伴う内部空間の負圧を軽減でき、かつ、隔壁を備えることで、植付爪支持ケース全体の補強を行える利点もある。
【0020】
〔解決手段6〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記駆動系内装領域が存在する箇所の前記植付爪支持ケースに、潤滑剤を注入するためのグリースニップルが設けられ、前記潤滑剤充填用領域が存在する箇所の前記植付爪支持ケースに、その植付爪支持ケースの内部空間を密閉状態と外部開放状態とに切換操作可能な開閉部が備えられていることである。
【0021】
〔解決手段6にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段6にかかる発明によると、潤滑剤を注入するためのグリースニップルは駆動系内装領域が存在する箇所の植付爪支持ケースに設けられ、植付爪支持ケースの内部空間を密閉状態と外部開放状態とに切換操作可能な開閉部は、潤滑剤充填用領域が存在する箇所の植付爪支持ケースに設けられている。
つまり、苗押出具や操作アームなどの各種駆動機構が存在していて粘度の高い潤滑剤に対する流動抵抗が大きい傾向にある駆動系内装領域に対して、グリースニップルを利用して強制的に潤滑剤を注入し易くしてあり、開閉部近くでは、潤滑剤や空気の流れを阻害する邪魔物が存在しないようにして排出され易くしている。
【0022】
〔解決手段7〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、苗を載置して往復横移動する苗のせ台と、前記苗のせ台に載置されている苗を取り出して圃場に植え付ける植付爪駆動機構とを備え、前記植付爪駆動機構は、苗取り出し用の植付爪と、前記植付爪に対して圃場への爪突入方向で相対移動する苗押出具と、その苗押出具を前記相対移動方向で移動させるように押し引き操作する操作アームと、前記苗押出具及び前記操作アームが内装される植付爪支持ケースとを備え、前記植付爪支持ケースの内部には、前記苗押出具及び前記操作アームが駆動可能な状態で内装される駆動系内装空間と、前記苗押出具及び前記操作アームが存在しない潤滑剤充填用空間と、前記駆動系内装空間と前記潤滑剤充填用空間とを区画する隔壁とが備えられ、かつ、その隔壁に、前記駆動系内装空間と前記潤滑剤充填用空間とを部分的に連通させる連通部が備えられていることである。
【0023】
〔解決手段7にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段7にかかる発明によると、植付爪支持ケースの内部空間として、苗押出具や操作アームが駆動可能な状態で内装される駆動系内装空間とは別に潤滑剤充填用空間が備えられているので、植付支持ケースの内部における潤滑を長期間にわたって維持することができる。
そして、密閉空間であるところの植付爪支持ケースの内部空間では、苗押出具の出退作動でその内部空間の容積が変化するに伴って、苗押出具の押出作動時に植付爪支持ケースの内部空間が負圧になる傾向がある。このとき、植付爪支持ケースの内部空間が狭くて内圧が低くなりすぎると外部から泥水が侵入し易くなる虞があるが、本発明では、駆動系内装空間とは別に潤滑剤充填用空間を備えたことで、潤滑剤充填用空間を植付爪支持ケース全体の内部空間の拡張のためにも利用でき、苗押出具の押出作動時における植付爪支持ケースの内部空間が負圧になる度合いを低減して、外部からの泥水の浸入を抑制する効果をも期待し得るものである。
また、植付爪支持ケースの内部空間に、駆動系内装空間と潤滑剤充填用空間とを区画する隔壁を備えることで、植付爪支持ケース全体の補強を行える利点もある。
【0024】
〔解決手段8〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、苗を載置して往復横移動する苗のせ台と、前記苗のせ台に載置されている苗を取り出して圃場に植え付ける植付爪駆動機構とを備え、前記植付爪駆動機構は、原動側からの動力を伝える動力伝達機構が内装された伝動ケースと、その伝動ケースに備えた駆動軸の軸心周りで回転駆動されるロータリケースと、前記ロータリケースの遊端側で駆動揺動される植付爪支持ケースとを備え、前記ロータリケース内に、前記駆動軸から前記植付爪支持ケースに不等速の駆動力を伝達するように、複数個の非円形ギヤ、又は偏心ギヤで構成される不等速ギヤ機構を内装し、かつ、その不等速ギヤ機構を構成する前記非円形ギヤ、又は前記偏心ギヤの回転軸心方向視での、それぞれの重心が前記回転軸心と一致、もしくは前記回転軸心の近くに位置するように形成されていることである。
【0025】
〔解決手段8にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段8にかかる発明によると、ロータリケース内に備えた不等速ギヤ機構を構成する非円形ギヤ、又は偏心ギヤが、その回転軸心方向視での、それぞれの重心が回転軸心と一致、もしくは回転軸心の近くに位置するように形成されているので、ロータリケース内における各ギヤの無用なトルク変動を少なくすることができる。
これによって、各ギヤの回転を滑らかにし、植付爪支持ケースに対する駆動力を効率良く伝達し得る効果がある。
【0026】
〔解決手段9〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記非円形ギヤ、又は前記偏心ギヤは、その回転軸心から外周縁までの距離が遠い箇所のディスク部分に、前記回転軸心から外周縁までの距離が近い箇所のディスク部分よりも肉厚の薄い部分を形成して、全体の重心を前記回転軸心に近づけるように構成してあることである。
【0027】
〔解決手段9にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段9にかかる発明によると、非円形ギヤ、又は偏心ギヤにおいて、回転軸心から外周縁までの距離が遠い箇所のディスク部分の肉厚を、回転軸心から外周縁までの距離が近い箇所のディスク部分よりも薄くすることにより、非円形ギヤ、又は偏心ギヤの重心を回転軸心に近づけるための構造を簡単に構成することができる利点がある。
【0028】
〔解決手段10〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記非円形ギヤ、又は前記偏心ギヤは、その回転軸心から外周縁までの距離が遠い箇所のディスク部分に、全体の重心を前記回転軸心に近づけるように抜き孔が形成されていることである。
【0029】
〔解決手段10にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段10にかかる発明によると、非円形ギヤ、又は偏心ギヤにおいて、回転軸心から外周縁までの距離が遠い箇所のディスク部分に抜き孔を形成することにより、非円形ギヤ、又は偏心ギヤの重心を回転軸心に近づけるための構造を簡単に構成することができる利点がある。
【0030】
〔解決手段11〕
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記非円形ギヤ、又は前記偏心ギヤは、その回転軸心から外周縁までの距離が遠い箇所のディスク部分に形成された前記抜き孔の総面積を、前記回転軸心から外周縁までの距離が近い箇所のディスク部分に形成された前記抜き孔の総面積よりも大きくして、全体の重心を前記回転軸心に近づけるように構成してあることである。
【0031】
〔解決手段11にかかる発明の作用及び効果〕
上記の解決手段11にかかる発明によると、非円形ギヤ、又は偏心ギヤにおいて、回転軸心から外周縁までの距離が遠い箇所のディスク部分に形成された抜き孔の総面積を、回転軸心から外周縁までの距離が近い箇所のディスク部分に形成された抜き孔の総面積よりも大きくして、全体の重心を回転軸心に近づけるための構造を簡単に構成することができる利点がある。