【課題】 本発明の目的は、吸収性物品およびその展開状態の外観、および、包装構造の外観が良く、かつ、吸収性物品の包装構造の自立時の安定性を良好とすることができる吸収性物品及び吸収性物品の包装構造を提供することにある。
【解決手段】 本発明の吸収性物品は、液透過性の表面シートと、上記表面シートに対向配置され、液不透過性の防漏シートと、上記表面シートと上記防漏シートとの間に配置される長手方向において非対称な吸収体と、を備える吸収性物品であって、複数の折曲部において折り曲げられたものであり、短手方向における上記吸収体の長さが最大となる第1の最大幅部を有し、上記第1の最大幅部は、上記吸収性物品の長手方向の長さの45%以上であって100%以下となるように、長手方向に延びることを特徴とする。
前記第1の最大幅部は、長手方向に50mm以上であって120mm以下連続しており、短手方向の長さが100mm以上であって150mm以下となるように設けられ、前記吸収性物品の長手方向の長さが80mm以上であって120mm以下となるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
前記第2の最大幅部は、前記第1の最大幅部と前記第2の最大幅部との差が前記第1の最大幅部の短手方向の長さの6.7%以上であって80%以下となるように設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の吸収性物品。
厚み方向において、前記第2の領域の少なくとも一部は、前記第1の領域と前記第3の領域との間に挟まれることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
液透過性の表面シートと、前記表面シートに対向配置され、液不透過性の防漏シートと、前記表面シートと前記防漏シートとの間に配置される吸収体であって、第1の領域、長手方向において前記第1の領域と離間して配置された第2の領域、および、展開状態における前記第1の領域と前記第2の領域との間に位置する第3の領域を有する吸収体と、を備える吸収性物品であって、前記吸収性物品は、平面視において、前記第1の領域の少なくとも一部と前記第2の領域の少なくとも一部とが前記第3の領域に重なるように、前記第1の領域、前記第2の領域および前記第3の領域を規定する折曲部において折り畳まれ、前記第1の領域および前記第3の領域の少なくとも一方には、短手方向における前記吸収体の長さが最大となる第1の最大幅部が規定され、前記第2の領域には、前記第2の領域において、短手方向における長さが最も長い第2の最大幅部であって、前記第1の最大幅部よりも短手方向における長さが小さい前記第2の最大幅部を有し、展開状態における前記第1の最大幅部と前記第2の最大幅部との間には、前記吸収体の短手方向の長さが最小となる最小幅部が規定され、前記第1の最大幅部は、前記第1の領域または前記第3の領域における前記第1の最大幅部の長手方向の長さが、前記吸収性物品の長手方向の長さの45%以上であって100%以下となるように、長手方向に延びる吸収性物品と、
前記吸収性物品を複数収納した収納材と、
を備える吸収性物品の包装構造であって、
前記吸収性物品は、前記吸収性物品の長手方向が、前記吸収性物品の包装構造の奥行方向となるように配置されていることを特徴とする吸収性物品の包装構造。
前記吸収性物品は、前記第1の最大幅部が、長手方向に50mm以上であって120mm以下となり、かつ、短手方向に100mm以上であって150mm以下となるように設けられ、前記吸収性物品の包装構造の奥行方向の長さが80mm以上であって110mm以下となるように設けられていることを特徴とする請求項6に記載の吸収性物品の包装構造。
前記吸収性物品は、前記第2の最大幅部は、前記第1の最大幅部と前記第2の最大幅部との差が前記第1の最大幅部の短手方向の長さの6.7%以上であって80%以下となるように設けられていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の吸収性物品の包装構造。
前記吸収性物品は、厚み方向において、前記第2の領域の少なくとも一部が、前記第1の領域と前記第3の領域との間に挟まれることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の吸収性物品の包装構造。
前記吸収性物品は、前記第1の最大幅部が、展開状態において、前記第1の領域から前記第3の領域まで延在していることを特徴とする請求項6ないし9のいずれか1項に記載の吸収性物品の包装構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような場合、吸収性物品の質量バランス、すなわち重心は、他の部分よりも大きく形成した部分に偏位する。吸収性物品の個装体およびその包装構造は、購入時の持ち運び易さや購入後の携帯のしやすさ、更には、店頭陳列の都合により、好ましい寸法や外形が制限される。吸収性物品は、この寸法や形状に合わせて、質量バランスが一部分に偏位した吸収性物品を長手方向に等分して折り畳んで個装体を形成する。この場合、従来の吸収性物品、例えば、男性用吸収性物品の場合、排尿部にあたる部分と他の部分との吸収体の幅の差に由来した厚み方向の凹凸が大きくなることで個装体の外観が損なわれることがあった。さらに、この吸収性物品の個装体を複数集合させて包装材に収納すると、この凹凸によって、包装構造の底面などの平坦性が損なわれ、包装構造の外観が見劣り、かつ、包装構造の自立時の安定性が悪くなることがあった。
【0006】
従って、本発明の目的は、吸収性物品およびその展開状態の外観、および、包装構造の外観が良く、かつ、吸収性物品の包装構造の自立時の安定性を良好とする吸収性物品及び吸収性物品の包装構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の構成によって把握される。
(1) 本発明の一側面に係る吸収性物品は、液透過性の表面シートと、上記表面シートに対向配置され、液不透過性の防漏シートと、上記表面シートと上記防漏シートとの間に配置される吸収体であって、第1の領域、長手方向において上記第1の領域と離間して配置された第2の領域、および、展開状態における上記第1の領域と上記第2の領域との間に位置する第3の領域を有する吸収体と、を備える吸収性物品であって、上記吸収性物品は、平面視において、上記第1の領域の少なくとも一部と上記第2の領域の少なくとも一部とが上記第3の領域に重なるように、上記第1の領域、上記第2の領域および上記第3の領域を規定する折曲部において折り畳まれ、上記第1の領域および上記第3の領域の少なくとも一方には、短手方向における上記吸収体の長さが最大となる第1の最大幅部が規定され、上記第2の領域には、上記第2の領域において、短手方向における長さが最も長い第2の最大幅部であって、上記第1の最大幅部よりも短手方向における長さが小さい上記第2の最大幅部を有し、展開状態における上記第1の最大幅部と上記第2の最大幅部との間には、上記吸収体の短手方向の長さが最小となる最小幅部が規定され、上記第1の最大幅部は、上記第1の領域または上記第3の領域における上記第1の最大幅部の長手方向の長さが、上記吸収性物品の長手方向の長さの45%以上であって100%以下となるように、長手方向に延びることを特徴とする。
(2) 本発明の他側面に係る吸収性物品は、(1)の吸収性物品であって、上記第1の最大幅部は、長手方向に50mm以上であって120mm以下連続しており、短手方向の長さが100mm以上であって150mm以下となるように設けられ、上記吸収性物品の長手方向の長さが80mm以上であって120mm以下となるように設けられていることを特徴とする。
(3) 本発明の他側面に係る吸収性物品は、(1)または(2)の吸収性物品であって、上記第2の最大幅部は、上記第1の最大幅部と上記第2の最大幅部との差が上記第1の最大幅部の短手方向の長さの6.7%以上であって80%以下となるように設けられていることを特徴とする。
(4) 本発明の他側面に係る吸収性物品は、(1)ないし(3)のいずれかに記載の吸収性物品であって、厚み方向において、上記第2の領域の少なくとも一部は、上記第1の領域と上記第3の領域との間に挟まれることを特徴とする。
(5) 本発明の他側面に係る吸収性物品は、(1)ないし(4)のいずれかに記載の吸収性物品であって、上記第1の最大幅部は、展開状態において、上記第1の領域から上記第3の領域まで延在することを特徴とする。
(6) 本発明の一側面に係る吸収性物品の包装構造は、液透過性の表面シートと、上記表面シートに対向配置され、液不透過性の防漏シートと、上記表面シートと上記防漏シートとの間に配置される吸収体であって、第1の領域、長手方向において上記第1の領域と離間して配置された第2の領域、および、展開状態における上記第1の領域と上記第2の領域との間に位置する第3の領域を有する吸収体と、を備える吸収性物品であって、上記吸収性物品は、平面視において、上記第1の領域の少なくとも一部と上記第2の領域の少なくとも一部とが上記第3の領域に重なるように、上記第1の領域、上記第2の領域および上記第3の領域を規定する折曲部において折り畳まれ、上記第1の領域および上記第3の領域の少なくとも一方には、短手方向における上記吸収体の長さが最大となる第1の最大幅部が規定され、上記第2の領域には、上記第2の領域において、短手方向における長さが最も長い第2の最大幅部であって、上記第1の最大幅部よりも短手方向における長さが小さい上記第2の最大幅部を有し、展開状態における上記第1の最大幅部と上記第2の最大幅部との間には、上記吸収体の短手方向の長さが最小となる最小幅部が規定され、上記第1の最大幅部は、上記第1の領域または上記第3の領域における上記第1の最大幅部の長手方向の長さが、上記吸収性物品の長手方向の長さの45%以上であって100%以下となるように、長手方向に延びる吸収性物品と、上記吸収性物品を複数収納した収納材と、を備える吸収性物品の包装構造であって、上記吸収性物品は、上記吸収性物品の長手方向が、上記吸収性物品の包装構造の奥行方向となるように配置されていることを特徴とする。
(7) 本発明の他側面に係る吸収性物品の包装構造は、(6)の吸収性物品の包装構造であって、上記吸収性物品は、上記第1の最大幅部が、長手方向に50mm以上であって120mm以下となり、かつ、短手方向に100mm以上であって150mm以下となるように設けられ、上記吸収性物品の包装構造の奥行方向の長さが80mm以上であって110mm以下となるように設けられていることを特徴とする。
(8) 本発明の他側面に係る吸収性物品の包装構造は、(6)または(7)の吸収性物品の包装構造であって、上記吸収性物品は、上記第2の最大幅部は、上記第1の最大幅部と上記第2の最大幅部との差が上記第1の最大幅部の短手方向の長さの6.7%以上であって80%以下となるように設けられている。
(9) 本発明の他側面に係る吸収性物品の包装構造は、(6)ないし(8)のいずれかに記載の吸収性物品の包装構造であって、上記吸収性物品は、厚み方向において、上記第2の領域の少なくとも一部が、上記第1の領域と上記第3の領域との間に挟まれることを特徴とする。
(10) 本発明の他側面に係る吸収性物品の包装構造は、(6)ないし(9)のいずれかに記載の吸収性物品の包装構造であって、上記吸収性物品は、上記第1の最大幅部が、展開状態において、上記第1の領域から上記第3の領域まで延在することを特徴とする。
(11) 本発明の一側面に係る吸収性物品は、液透過性の表面シートと、上記表面シートに対向配置される防漏シートと、上記表面シートと上記防漏シートとの間に配置される吸収体と、を備える吸収性物品であって、上記吸収体は、第1の領域と、長手方向において上記第1の領域と離間して配置された第2の領域と、上記第1の領域と上記第2の領域との間に位置する第3の領域と、を有し、上記吸収性物品は、平面視において、上記第1の領域の少なくとも一部と上記第2の領域の少なくとも一部とが上記第3の領域に重なるように、上記第1の領域、上記第2の領域および上記第3の領域を規定する折曲部において折り畳まれ、上記第2の領域は、上記第2の領域において、短手方向の長さが最も長い第2の最大幅部を有し、上記第1の領域および第3の領域の少なくとも一方は、上記第2の最大幅部よりも短手方向の長さが長い第1の部分を有し、上記第1の部分と上記第2の最大幅部との間には、上記吸収体の短手方向の長さが最小となる最小幅部を有し、上記第1の領域または第3の領域における上記第1の部分の長手方向の長さは、上記第2の領域の長手方向の長さよりも長く設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の吸収性物品及び吸収性物品の包装構造は、吸収性物品およびその展開状態の外観、および、包装構造の外観が良く、かつ、吸収性物品の包装構造の自立時の安定性を良好にすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[吸収性物品の包装構造]
図1を参照して、本発明の実施形態に係る吸収性物品の包装構造について詳細に説明する。吸収性物品の包装構造10は、複数の吸収性物品20とそれらの包装材11とを有する。なお、吸収性物品20の詳細については、後述する。複数の吸収性物品20は、吸収性物品20の長手方向が包装構造10の奥行方向に向けられて配置され、吸収性物品20の短手方向は包装構造10の高さ方向に向けられて配置される。これにより、包装材11が高さ方向に略沿って取出口となる切断線を有する場合には、吸収性物品20の包装用のテープ部を有する際に、このテープ部を引っ張ることで吸収性物品20を取り出すことができるため、吸収性物品20を1枚ずつ包装材11から取出しやすく、かつ、吸収性物品20を展開しやすい。この場合、複数の吸収性物品20は、包装構造10の幅方向に複数並んで配置される。また、これに限らず、複数の吸収性物品20は、包装構造10の奥行方向および高さ方向に複数並んで配置されてもよい。また、複数の吸収性物品20は圧縮状態と非圧縮状態とを有し、吸収性物品の包装構造10は、圧縮状態の吸収性物品20を包装するものであることが好ましい。
【0011】
図1に示すように、包装材11は、本体12と蓋体14とを含んでもよい。蓋体14は、本体12と蓋体14との間に設けられた切断線16によって、本体12から少なくとも一部が分離する。この切断線16は、包装構造10の高さ方向中央よりもやや上方に、幅方向および奥行き方向の少なくとも一方に沿って設けられる。包装構造10は、切断線16が平面視においてコの字状に設けられることで、背面部においては本体12と蓋体14とが一体接続されたままとなり、分離しないことが好ましい。これにより、吸収性物品20を衛生的に保管することができる。蓋体14には、上面の奥行方向中央に、幅方向に延びる把持部18が設けられている。包装材11は、ビニールや紙などのいずれの公知の材料を含んでよく、その形状は角柱状であることが好ましい。
【0012】
包装構造10は、奥行方向の長さL1が80mm以上であって110mm以下であることが好ましい。これにより、包装構造10は、手に取りやすく、店舗の商品陳列棚などに生じる隙間を小さくすることができる。
【0013】
[吸収性物品]
図2ないし
図8を参照して、本発明の実施形態に係る吸収性物品20およびその製造方法について詳細に説明する。本発明の実施形態に係る吸収性物品20としては、男性用の尿取りパッドが例示されるが、これに限定されるものではなく、吸収体が長手方向において非対称であるものであれば、女性の夜間用の生理用ナプキン、失禁用のライナー等、他の吸収性物品などであってもよい。なお、本明細書の説明において、吸収性物品の長手方向は、吸収性物品が着用されたときに着用者の前後にわたる方向となり、吸収性物品の短手方向は、長手方向に対して横又は直交する方向となる。また、長手方向とは、展開状態の吸収性物品20の長手方向であり、短手方向とは、展開時の吸収性物品20の長手方向に対して横又は直交する方向である。さらにまた、長手方向の長さは、長さ測定対象の短手方向の中央部における長さであり、短手方向の長さは、長さ測定対象の長手方向中央部における長さである。
【0014】
図2ないし
図6に吸収性物品20A、20B、20Cとして示される吸収性物品20は、肌当接面側から、液透過性の表面シート200、210、220、吸収体100、110、120、および液不透過性の防漏シート500、510、520を備える積層体からなっている。これにより、吸収体100、110、120は、表面シート200、210、220と防漏シート500、510、520によって内包された構造となっている。なお、吸収性物品20は、液透過性の表面シート200、210、220と吸収体100、110、120との間に、更に液拡散性シートを含んでもよい。
【0015】
さらにまた、
図2および
図3に示すように、吸収性物品20A、20B、20Cは剥離シート300を含んでもよい。剥離シート300は、吸収性物品20の肌当接面と対向する面側に接着剤や接着テープなどによって固着配置されており、吸収性物品20を使用する際に除去されるものである。剥離シート300は、防漏シート500、510、520に固着されていてもよい。なお、
図4ないし
図7においても、剥離シート300を同様に含むが、図示を省略している。
図2に示すように、この剥離シート300は、剥離シート300の端部がテープ部302によって固定され、吸収性物品20の長手方向の側縁にあたる側縁シーリング部304が加熱や接着などにより形成されることで、吸収性物品20を包装する包装シートであってもよいし、このような包装をせずに、吸収性物品20の肌当接面と対向する面側に接着性を発現させるために剥離されるシートであってもよい。このような剥離シート300の材料には、グラシン紙やパラフィン紙等の紙や不織布等の繊維が用いられる。
【0016】
表面シート200、210、220は、吸収体100、110、120を間にして、防漏シート500、510、520と対向して配置されている。表面シート200、210、220は、肌と当接するシートとなることから、柔らかな感触で、肌に刺激を与えないような不織布等の材料によって形成することが好ましい。また、防漏シート500、510、520は、上述したように液不透過性を有し、吸収体100、110、120に吸収される尿等の液体が下着に漏れないような防水機能を有するようになっている。このような防漏シート500、510、520の材料には、たとえば、ポリエチレン等の薄いプラスチックフィルム等が用いられている。
【0017】
図示はしないが、液拡散性シートは、比較的厚手の親水性の不織布からなり、表面シート200、210、220を介して滴下、流入される人体からの液体(たとえば尿)をたとえば長手方向へ輸送、拡散し、液戻りを減少させるものである。
【0018】
吸収体100、110、120は、
図2、
図4および
図6に示すように、長手方向において非対称な形状を有し、短手方向において対称な形状を有する帯状をなす。吸収体100、110、120は、綿状パルプまたは合成パルプなどのパルプを含むマット状の部材によって構成されている。吸収体100、110、120は、高吸水性樹脂(SAP:Super Absorbent Polymer)などを更に含んでもよい。この吸収体100、110、120は、表面シート200、210、220、防漏シート500、510、520および剥離シート300のそれぞれよりも剛性が高くなるように設けられている。従って、特に圧縮包装状態の吸収性物品20の包装構造10において、吸収体100、110、120の形状は、個装体である吸収性物品20や吸収性物品20の包装構造10に影響しやすい。
【0019】
表面シート200、210、220は、その周辺部において防漏シート500、510、520の周辺部と一体に接合されることによって、防漏シート500、510、520とともに、吸収体100、110、120を内包するようになっている。なお、表面シート200、210、220には、吸収性物品20の長手方向の両側縁に沿って、図示しない一対の立体ギャザーが形成されていてもよい。立体ギャザーは、表面シート200、210、220、表面シート200、210、220側に折り返した防漏シート500、510、520、あるいは、図示しない立体ギャザーシートのいずれか、もしくは、これらを組合せたものの一部を立体的に立脚できるように形成された部分で、たとえば尿の横漏れを防止できるようになっている。
【0020】
表面シート200、210、220、および、吸収体100、110、120の少なくとも一つには、圧搾溝が形成されていてもよい。また、液透過性の表面シート200、210、220、吸収体100、110、120、および、液不透過性の防漏シート500、510、520の各構成部材は、それぞれ隣接する部分において、接着剤等で適宜相互に接着されてもよい。
【0021】
以下、上記実施形態に係る吸収性物品20およびそれらの製造方法を、第1の実施形態、第2の実施形態および第3の実施形態に分けて、さらに詳細に説明する。
【0022】
(第1の実施形態)
まず、
図2および
図3を用いて、第1の実施形態に係る吸収性物品20を説明する。第1の実施形態は、吸収性物品20として、吸収性物品20Aを用いるものである。
図3は、吸収性物品20Aを示す平面図であり、
図2は、その吸収性物品20Aの展開状態における展開図を示す。
【0023】
吸収性物品20Aは、表面シート200、吸収体100、防漏シート500および剥離シート300を備え、折り畳み状態となっている。
図2に示すように、吸収体100には、第1の領域102と、長手方向において第1の領域102に離間して配置された第2の領域106と、展開状態において第1の領域102と第2の領域106との間に位置する第3の領域104と、が規定されている。この吸収性物品20Aは、吸収体100の第1の領域102と第3の領域104を規定する折曲部402、および、第3の領域104と第2の領域106を規定する折曲部404において折り曲げられた状態で、テープ部302や側縁シーリング部304などによって保持されることで吸収性物品20Aとなっている。吸収性物品20Aは、平面視において、第1の領域102の少なくとも一部が、第3の領域104に重なるように折り畳まれ、同様に、第2の領域106の少なくとも一部も、第3の領域104に重なるように折り畳まれている。すなわち、吸収性物品20Aは、三つ折りの状態となっている。
【0024】
吸収体100には、吸収体100の短手方向の長さが最も大きい第1の最大幅部105と、第2の領域106において短手方向の長さが最も大きい第2の最大幅部107と、吸収体100の短手方向の長さの最小幅部108と、が規定されている。第1の最大幅部105と最小幅部108とは、両方とも第3の領域104内に規定される。
【0025】
第2の最大幅部107は、第2の最大幅部107の短手方向の長さが第1の最大幅部105の短手方向の長さよりも小さくなるように設けられており、第1の最大幅部105の短手方向の長さと第2の最大幅部107の短手方向の長さとの差が、第1の最大幅部105の短手方向の長さの6.7%以上であって80%以下になるように設けられることが好ましい。
【0026】
この第3の領域104における第1の最大幅部105の長手方向の長さM1が、吸収性物品20Aの長手方向の長さの45%以上であって100%以下となるように、長手方向に連続して延びる。この第1の最大幅部105は、吸収性物品20Aの長手方向に沿った両側縁が略平行に設けられているものである。第1の最大幅部105は、その略全部が第3の領域104に配置されていてもよい。
【0027】
好ましくは、第1の最大幅部105の短手方向の長さと第2の最大幅部107の短手方向の長さとの差は10mm以上であって80mm以下(短手方向両側それぞれに5mm以上であって40mm以下)であり、最大幅部105の短手方向の長さw1が100mm以上であって150mm以下であり、第1の最大幅部105の長手方向の長さM1が50mm以上であって120mm以下であり、かつ、吸収性物品20Aの長手方向の長さd3が80mm以上であって120mm以下となるように設けられることが好ましい。第1の最大幅部105は、第1の領域102よりも第3の領域104に大きく配置されている。本実施形態では、第1の最大幅部105が、第3の領域104にのみに配置されるように折曲部402が設けられている。前述したとおり、吸収体100の剛性は他の構成部分の剛性よりも高いから、吸収性物品20Aの形状は、第3の領域104の第1の最大幅部105によって保持できる。これにより、吸収性物品20Aおよびその展開状態の外観、および、包装構造10の外観が良く、かつ、吸収性物品の包装構造10の自立時の安定性を良好にするという効果を有する。また、吸収性物品20Aは、吸収性物品20Aの厚み方向に、吸収性物品20Aを複数積み重ねて集合させた状態で圧縮し、包装材11に包装されて、包装構造10が形成されることがあるが、特に、このように圧縮包装がされる場合に、吸収体100の短手方向の長さの差に由来する厚み方向の凹凸が吸収性物品20Aまたはその包装構造10の外観に出やすいので、この効果が高く発揮される。
【0028】
また、前述のとおり、吸収性物品20Aの長手方向における長さd3が80mm以上であって120mm以下となるように設けられることで、この長手方向を包装構造10の奥行方向として吸収性物品20Aを包装材11に包装した際に、手に取りやすく、店舗の商品陳列棚などに生じる隙間を小さくすることができる包装構造10を形成することができる。
【0029】
図3に示すように、吸収性物品20Aは、第1の領域102の一部と第2の領域106の一部とが重なるように折り畳まれている。吸収性物品20Aの厚み方向において、第2の領域106は、第1の領域102と第3の領域104に挟まれるように折り畳まれていることが好ましい。これにより、短手方向の長さが長い第1の領域102および第3の領域104で、短手方向の長さが短い第2の領域106を挟み込めるため、吸収性物品20Aおよびその展開状態の外観、および、包装構造の外観をより良く、かつ、吸収性物品の包装構造の自立時の安定性をさらに向上することができる。
【0030】
第1の領域102および第3の領域104には、第2の最大幅部107よりも短手方向の長さが長い第1の部分109が規定されてもよい。この場合、
図2に示すように、展開状態において、第1の部分109は、その長手方向における長さd1が、第2の領域106の長手方向の長さL2よりも長く設けられる。これにより、吸収性物品20Aの短手方向における長さが長い第1の部分109を、短手方向における長さが短い第2の領域106に十分に重複するように配置できるから、吸収性物品20Aおよびその展開状態の外観、および、包装構造10の外観を良く、かつ、吸収性物品20Aの包装構造10の自立時の安定性を良好とすることができる。また、
図3に示すように、第1の部分109の長手方向における長さd2は、第2の領域106の長手方向における長さd4よりも大きく設けられていることが好ましい。
【0031】
表面シート200は、吸収体100よりも大きい表面積を有し、吸収体100の第1の領域102の肌当接面側に第1の表面シート領域202を有し、吸収体100の第2の領域106の肌当接面側に第2の表面シート領域206を有し、吸収体100の第3の領域104の肌当接面側に第3の表面シート領域204を有する。第1の表面シート領域202、第2の表面シート領域206および第3の表面シート領域204は、
図2に示すように短手方向における長さが略等しくてもよいし、吸収体100の外形と略相似形となるように短手方向における長さが異なってもよい。
【0032】
同様に、防漏シート500は、吸収体100よりも大きい表面積を有し、吸収体100の第1の領域102の肌当接面の裏面側に第1の防漏シート領域502を有し、吸収体100の第2の領域106の肌当接面の裏面側に第2の防漏シート領域506を有し、吸収体100の第3の領域104の肌当接面の裏面側に位置に第3の防漏シート領域504を有する。第1の防漏シート領域502、第2の防漏シート領域506および第3の防漏シート領域504は、
図2に示すように短手方向における長さが略等しくてもよいし、吸収体100の外形と略相似形となるように短手方向における長さが異なってもよい。
【0033】
(第2の実施形態)
次に、
図4および
図5を用いて、第2の実施形態に係る吸収性物品20を説明する。第2の実施形態は、吸収性物品20として、吸収性物品20Bを用いるものである。
図5は、吸収性物品20Bを示す平面図であり、
図4は、その吸収性物品20Bの展開状態における展開図を示す。
【0034】
吸収性物品20Bは、表面シート210、吸収体110および防漏シート510を備え、折畳状態となっている。吸収性物品20Bは、さらに剥離シート300を備えてもよい。なお、
図4および
図5において、剥離シート300は図示を省略している。
図4に示すように、吸収体110には、第1の領域112と、長手方向において第1の領域112に離間して配置された第2の領域116と、展開状態において第1の領域112と第2の領域116との間に位置する第3の領域114と、が規定されている。この吸収性物品20Bは、吸収体110の第1の領域112と第3の領域114を規定する折曲部412、および、第2の領域116と第3の領域114を規定する折曲部414において折り曲げられた状態で、テープや接着剤などによって保持されることで吸収性物品20Bとなっている。吸収性物品20Bは、平面視において、第1の領域112の少なくとも一部が、第3の領域114に重なるように折り畳まれ、同様に、第2の領域116の少なくとも一部も、第3の領域114に重なるように折り畳まれている。すなわち、吸収性物品20Bは、三つ折りの状態となっている。
【0035】
吸収体110には、吸収体110の短手方向の長さが最も大きい第1の最大幅部115と、第2の領域116において短手方向の長さが最も大きい第2の最大幅部117と、吸収体110の短手方向の長さの最小幅部118と、が規定されている。第1の最大幅部115は、第1の領域112から第3の領域114に亘って延在している。これにより、折曲部412に第1の最大幅部115が位置づけられるから、折畳状態における吸収性物品の外観および包装構造の外観が良く、かつ、吸収性物品の包装構造の自立時の安定性をより良好とすることができる。
【0036】
また、最小幅部118は、第3の領域114に規定される。第2の最大幅部117は、第2の最大幅部117の短手方向の長さが第1の最大幅部115の短手方向の長さよりも小さくなるように設けられている。第2の最大幅部117は、第1の最大幅部115の短手方向の長さと第2の最大幅部117の短手方向の長さとのの差が、第1の最大幅部115の短手方向の長さの6.7%以上であって80%以下になるように設けられることが好ましい。
【0037】
この第1の最大幅部115は、その長手方向の長さM2が、吸収性物品20Bの長手方向の長さの45%以上であって100%以下となるように、長手方向に連続して延びる。この第1の最大幅部115は、吸収性物品20Bの長手方向に沿った両側縁が略平行に設けられているものである。
【0038】
好ましくは、第1の最大幅部115の短手方向の長さと第2の最大幅部117の短手方向の長さとの差が10mm以上であって80mm以下(短手方向両側それぞれに5mm以上であって40mm以下)であり、第1の最大幅部115において、吸収体110の短手方向の長さw5が100mm以上であって150mm以下であり、かつ、第1の最大幅部115の長手方向の長さM2が50mm以上であって120mm以下であり、かつ、吸収性物品20Bの長手方向の長さd7が80mm以上であって120mm以下となるように設けられることが好ましい。前述したとおり、吸収体110の剛性は他の構成部分の剛性よりも高いから、第1の最大幅部115が、第3の領域114よりも第1の領域112に大きく規定されていることで、主に第1の領域112の第1の最大幅部115で吸収性物品20Bの形状を保持したものである。これにより、吸収性物品20Bおよびその展開状態の外観、および、包装構造10の外観が良く、かつ、吸収性物品の包装構造10の自立時の安定性を良好にできるという効果を有する。また、吸収性物品20Bは、吸収性物品20Bの厚み方向に、吸収性物品20Bを複数積み重ねて集合させた状態で圧縮し、包装材11に包装されて、包装構造10とされることがあるが、特に、このような圧縮包装がされる場合に、吸収体110の短手方向の長さの差に由来する厚み方向の凹凸が吸収性物品20Bまたはその包装構造10の外観に出やすいので、この効果が高く発揮される。
【0039】
また、前述のとおり、吸収性物品20Bの長手方向における長さd7が80mm以上であって120mm以下となるように設けられていることで、この長手方向を包装構造10の奥行方向として吸収性物品20Bを包装材11に包装した際に、手に取りやすく、店舗の商品陳列棚などに生じる隙間を小さくすることができる包装構造10を形成できる。
【0040】
図5に示すように、第1の領域112の第1の最大幅部115は、第3の領域114に規定される最小幅部118および第2の領域116に重なるように折り畳まれている。これにより、吸収体110の短手方向の長さの差に由来する、吸収性物品20Bの厚み方向の凹凸を低減でき、上記の効果をより高く発揮することができる。
【0041】
図5に示すように、吸収性物品20Bは、第1の領域112の一部と第2の領域116の一部とが重なるように折り畳まれたものである。第1の領域112と第2の領域116とは、第1の領域112が、第3の領域114と第2の領域116との略全面に重なるように折り畳まれていることが好ましい。これにより、吸収体110の短手方向の長さの差に由来する、吸収性物品20Bの厚み方向の凹凸を低減でき、上記の効果をより高く発揮することができる。
【0042】
吸収性物品20Bの厚み方向において、第2の領域116は、第1の領域112と第3の領域114に挟まれるように折り畳まれていることが好ましい。これにより、短手方向の長さが長い部分を有する第1の領域112および第3の領域114で、短手方向の長さが短い第2の領域116を挟み込めるため、吸収性物品20Aおよびその展開状態の外観、および、包装構造の外観をより良く、かつ、吸収性物品の包装構造の自立時の安定性をさらに向上することができる。
【0043】
第1の領域112および第3の領域114には、第2の最大幅部117よりも短手方向の長さが長い第1の部分119が規定されてもよい。この場合、
図4に示すように、展開状態において、第1の部分119は、その長手方向における長さd5が、第2の領域116の長手方向の長さL3よりも長く設けられる。これにより、吸収性物品20Bの短手方向における長さが長い第1の部分109を、短手方向における長さが短い第2の領域116に十分に重複するように配置できるから、吸収性物品20Aおよびその展開状態の外観、および、包装構造10の外観を良く、かつ、吸収性物品20Bの包装構造10の自立時の安定性を良好とすることができる。また、
図5に示すように、長手方向における第1の部分109の長さd6は、長手方向における第2の領域116の長さd8よりも長く設けられたものであることが好ましい。
【0044】
表面シート210は、吸収体110よりも大きい表面積を有し、吸収体110の第1の領域112の肌当接面側に第1の表面シート領域212を有し、吸収体110の第2の領域116の肌当接面側に第2の表面シート領域216を有し、吸収体110の第3の領域114の肌当接面側に第3の表面シート領域214を有する。第1の表面シート領域212、第2の表面シート領域216および第3の表面シート領域214は、
図4に示すように短手方向における長さが略等しくてもよいし、吸収体110の外形と略相似形となるよう短手方向における長さが異なってもよい。
【0045】
同様に、防漏シート510は、吸収体110よりも大きい表面積を有し、吸収体110の第1の領域112の肌当接面の裏面側に第1の防漏シート領域512を有し、吸収体110の第2の領域116の肌当接面の裏面側に位置に第2の防漏シート領域516を有し、吸収体110の第3の領域114の肌当接面の裏面側に第3の防漏シート領域514を有する。第1の防漏シート領域512、第2の防漏シート領域516および第3の防漏シート領域514は、
図4に示すように短手方向における長さが略等しくてもよいし、吸収体110の外形と略相似形となるように吸収性物品20Bの短手方向における長さが異なってもよい。
【0046】
(第3の実施形態)
次に、
図6および
図7を用いて、第3の実施形態に係る吸収性物品20を説明する。第3の実施形態は、吸収性物品20として、吸収性物品20Cを用いるものである。
図7は、吸収性物品20Cを示す平面図であり、
図6は、その吸収性物品20Cの展開状態における展開図を示す。
【0047】
吸収性物品20Cは、表面シート220、吸収体120および防漏シート520を備え、折り畳み状態となっている。吸収性物品20Cは、さらに剥離シート300を備えてもよい。なお、
図6および
図7において、剥離シート300は図示を省略している。
図6に示すように、吸収体120には、第1の領域122と、長手方向において第1の領域122に離間して配置された第2の領域126と、展開状態において第1の領域122と第2の領域126との間に位置する第3の領域124と、第1の領域122に隣接した第4の領域123が規定されている。この吸収性物品20Cは、吸収体120の第1の領域122と第3の領域124を規定する折曲部422、第3の領域124と第2の領域126を規定する折曲部424、および、第1の領域122と第4の領域123を規定する折曲部426において折り曲げられた状態で、テープや接着剤などによって保持されることで吸収性物品20Cとなっている。吸収性物品20Cは、平面視において、第1の領域122の少なくとも一部が、第3の領域124に重なるように折り畳まれ、第2の領域126の少なくとも一部も、第3の領域124に重なるように折り畳まれ、かつ、第4の領域123の少なくとも一部も、第3の領域124に重なるように折り畳まれている。すなわち、吸収性物品20Cは、四つ折りの状態となっている。また、第1の領域122の肌当接面と第2の領域126の肌当接面とは、第3の領域124の肌当接面に対向するように配置されるが、第4の領域123は、その肌当接面の裏面が第3の領域124の肌当接面に対向するように配置されている。
【0048】
吸収体120には、吸収体120の短手方向の長さが最も大きい第1の最大幅部125と、第2の領域126において短手方向の長さが最も大きい第2の最大幅部127と、吸収体120の短手方向の長さの最小幅部128と、が規定されている。第1の最大幅部125は、第1の領域122から第3の領域124に亘って延在している。これにより、折曲部422に第1の最大幅部125が位置づけられるから、折り畳み状態における吸収性物品の外観および包装構造の外観が良く、かつ、吸収性物品の包装構造の自立時の安定性をより良好とすることができる。
【0049】
また、最小幅部128は、第3の領域124に規定される。第2の最大幅部127は、第2の最大幅部127の短手方向の長さが第1の最大幅部125の短手方向の長さよりも小さくなるように設けられている。第2の最大幅部127は、第1の最大幅部125の短手方向の長さと第2の最大幅部127の短手方向の長さとのの差が、第1の最大幅部125の短手方向の長さの6.7%以上であって80%以下になるように設けられることが好ましい。
【0050】
この第1の最大幅部125は、その長手方向の長さM3が、吸収性物品20Cの長手方向の長さの45%以上であって100%以下となるように、長手方向に連続して延びる。この第1の最大幅部125は、吸収性物品20Cの長手方向に沿った両側縁が略平行に設けられているものである。
【0051】
好ましくは、第1の最大幅部125の短手方向の長さと第2の最大幅部127の短手方向の長さとの差が10mm以上であって80mm以下であり、第1の最大幅部125において、吸収体120の短手方向の長さw9が100mm以上であって150mm以下であり、かつ、第1の最大幅部125の長手方向の長さM3が50mm以上であって120mm以下であり、かつ、吸収性物品20Cの長手方向の長さd11が80mm以上であって120mm以下となるように設けられることが好ましい。前述したとおり、吸収体120の剛性は他の構成部分の剛性よりも高いから、第1の最大幅部125が、第1の領域122の全面に規定されていることで、第1の領域122の第1の最大幅部125で吸収性物品20Cの形状を保持したものである。これにより、吸収性物品20Cおよびその展開状態の外観、および、包装構造10の外観が良く、かつ、吸収性物品の包装構造10の自立時の安定性を良好にするという効果を有する。また、吸収性物品20Cには、対向する一対の折曲部422および折曲部426において、第1の最大幅部125が位置づけられており、平面視において、折り畳み状態における吸収体120の外形を略矩形形状とすることができる。これにより、上記効果をさらに向上することができる。
【0052】
図7に示すように、吸収性物品20Cは、第1の領域122の一部と第2の領域126の一部が重なるように折り畳まれている。吸収性物品20Cは、第1の領域122が、第2の領域126、第3の領域124および第4の領域123の略全面に重なるように折り畳まれることが好ましい。これにより、吸収体120の短手方向の長さの差に由来する、吸収性物品20Cの厚み方向の凹凸を低減でき、上記の効果をより高くすることができる。また、吸収性物品20Cの厚み方向において、第2の領域126と第4の領域123とは、第1の領域122と第3の領域124に挟まれるように折り畳まれることが好ましい。
【0053】
第1の領域122および第3の領域124には、第2の最大幅部127よりも短手方向の長さが長い第1の部分129が規定されてもよい。この場合、
図6に示すように、第1の部分129は、その長手方向における長さd9が、第2の領域126の長手方向の長さL3よりも長く設けられる。これにより、吸収性物品20Cの短手方向における長さが長い第1の部分109を、短手方向における長さが短い第2の領域126に十分に重複するように配置できるから、吸収性物品20Aおよびその展開状態の外観、および、包装構造10の外観を良く、かつ、吸収性物品20Cの包装構造10の自立時の安定性を良好とすることができる。また、
図7に示すように、吸収性物品20Cの長手方向における第1の部分109の長さd10は、この長手方向における第2の領域126の長さd12よりも大きく設けられたものであることが好ましい。
【0054】
表面シート220は、吸収体120よりも大きい表面積を有し、吸収体120の第1の領域122の肌当接面側に第1の表面シート領域222を有し、吸収体120の第2の領域126の肌当接面側に第2の表面シート領域226を有し、吸収体120の第3の領域124の肌当接面側に第3の表面シート領域214を有する。第1の表面シート領域222、第2の表面シート領域226および第3の表面シート領域214は、
図6に示すように短手方向における長さが略等しくてもよいし、吸収体120の外形と略相似形となるように短手方向における長さが異なってもよい。
【0055】
同様に、防漏シート520は、吸収体120よりも大きい表面積を有し、吸収体120の第1の領域122の肌当接面の裏面側に第1の防漏シート領域522を有し、吸収体120の第2の領域126の肌当接面の裏面側に位置に第2の防漏シート領域526を有し、かつ、吸収体120の第3の領域124の肌当接面の裏面側に第3の防漏シート領域524を有する。第1の防漏シート領域522、第3の防漏シート領域524および第2の防漏シート領域526は、
図6に示すように短手方向における長さが略等しくてもよいし、吸収体120の外形と略相似形となるように短手方向における長さが異なってもよい。
【0056】
なお、吸収性物品20を男性用の尿取りパッドとして用いるときは、第1の領域102、112、122側が着用者の前部側に配置され、第2の領域106、116、126側が着用者の後部側に配置される。一方、吸収性物品20を女性用の夜間用の生理用ナプキンとして用いるときは、この第2の領域106、116、126側が着用者の前部側に配置され、第1の領域102、112、122側が着用者の後部側に配置される。
【0057】
[吸収性物品およびその包装構造の製造方法]
図8を参照して、本発明の各実施形態にかかる吸収性物品20およびその包装構造10の製造方法を説明する。ここでは、吸収性物品20の製造材料の長手方向に沿って、吸収性物品20の製造材料を搬送しながら、吸収性物品20およびその包装構造10を製造する方法を説明する。
【0058】
まず、吸収材1100をローラ1002から給送し、SAP散布装置1006において吸収材1100上に高吸水性樹脂を配し、高吸水性樹脂を挟みこむように、ローラ1004から給送された吸収材1102を吸収材1100に重ねて配する。これをローラ1008でプレスすることで吸収体原材1104を形成する。この吸収体原材1104をさらに搬送して、カッター1010で吸収体原材1104を切断することで吸収体100、110、120を形成する。この際、吸収体100、110、120は、上述したように、長手方向において非対称な形状を有し、短手方向において対称な形状となるように切断される。
【0059】
次に、
図8に示すように、この吸収体100、110、120をさらに給送して、該吸収体100、110、120の一方の側からは、ローラ1016から給送された表面シート200、210、220となる表面シート原材、または、表面シート原材と液拡散性シート原材とをあてがい、他方の側からはローラ1014から給送された防漏シート500、510、520となる防漏シート原材をあてがうことで、吸収体100、110、120を挟持して、ローラ1012によって圧着する。これらの間には、接着剤などからなる接着層が設けられてもよい。これにより、吸収体100、110、120は、表面シート原材と防漏シート原材の間に挟まれた状態で固着される。その後、表面シート200、210、220と防漏シート500、510、520となる部分を接合させて、カッター1019で切断することで表面シート200、210、220及び防漏シート500、510、520で内包された吸収体100、110、120を形成する。
【0060】
次に、接着剤または接着テープを用いて、防漏シート500、510、520側にローラ1018から給送された包装シート原材を固着し、カッター1022で包装シート原材を切断することで、展開状態の個片に切断された吸収性物品20を形成する。その後、折り畳み機1024によって、上述した各折曲部402等で折り畳むことで吸収性物品20を形成する。
【0061】
次に、包装機1026に給送して、複数の吸収性物品20を吸収性物品20の厚み方向に重ね合わせて、重ね合せた厚みの0.6〜0.8倍になるように圧縮した状態で包装材11に収容する。これにより、圧縮整列状態の吸収性物品20を内包する包装構造10を形成する。
【0062】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態および実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることは当業者に明らかである。また、その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。