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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-173900(P2015-173900A)
(43)【公開日】2015年10月5日
(54)【発明の名称】遊技機用台間機の収納装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20150908BHJP
【FI】
   A63F7/02 352N
   A63F7/02 334
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-53909(P2014-53909)
(22)【出願日】2014年3月17日
(71)【出願人】
【識別番号】304020498
【氏名又は名称】サクサ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】591085972
【氏名又は名称】日本ゲームカード株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】391031225
【氏名又は名称】インターナショナル・カード・システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】東 憲一
(72)【発明者】
【氏名】玉木 慎
(72)【発明者】
【氏名】都築 一郎
(72)【発明者】
【氏名】上村 公志
(72)【発明者】
【氏名】原 明彦
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BC68
(57)【要約】
【課題】所望の収納対象物の振動に対する誤検出を防止する遊技機用台間機の収納装置を提供する。
【解決手段】遊技機と遊技機との間に配置される遊技機用台間機1の内部に設けられた本体部1aと、携帯機器60を収納するための本体部1aに取り付けられたポケット部33と、本体部1aに対するポケット部33の質量を調整するため当該ポケット部33に対して取り付けられた圧縮バネ40、41と、ポケット部33に設けられ携帯機器60が発する振動を検出する振動検出センサ80とを備えるようにする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機と遊技機との間に配置される遊技機用台間機の内部に設けられた本体部と、
所定の収納対象物を収納するための前記本体部に取り付けられた収納部と、
前記本体部に対する前記収納部の質量を調整するため当該収納部に対して取り付けられた質量調整部材と
前記収納部に設けられ前記収納対象物が発する振動を検出する振動検出部と
を備えることを特徴とする遊技機用台間機の収納装置。
【請求項2】
前記本体部に前記収納部が取り付けられる際に介在され、前記本体部を介して外部振動が前記収納部に伝達されることを防止する防振部材を
さらに備えることを特徴とする請求項1に記載の遊技機用台間機の収納装置。
【請求項3】
前記防振部材は、前記収納部の上方および下方に対応する前記本体部に固定されるとともにその外周面に係合溝が形成され、
前記収納部は、当該収納部の上端部および下端部に前記防振部材の前記係合溝と係合するための係合片が設けられ、
前記本体部に固定された前記防振部材の前記係合溝に対して前記係合片が係合された結果、前記本体部に前記防振部材を介して前記収納部が取り付けられる
ことを特徴とする請求項2に記載の遊技機用台間機の収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機用台間機の収納装置に関し、特に遊技機用台間機の前面に設けられ、携帯電話やスマートフォン等の携帯機器を収納する収納装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の前面板に携帯電話機を挿入して載置する携帯電話ポケットが設けられ、その携帯電話ポケットに収納された携帯電話機に着信があった場合、携帯電話機のバイブレータによる振動(以下、これをバイブレータ振動と呼ぶ。)を振動センサにより検出し、アクチュエータを介して遊技機の発射ハンドルを振動させることにより、携帯電話機に対する着信をユーザに通知するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−300024号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで上述した特許文献1の遊技機においては、携帯電話のバイブレータ以外の遊技機内のモータが発する振動の影響を受けて携帯電話ポケットが共振してしまうと、それが携帯機器のバイブレータ振動であると誤検出してしまうという問題があった。
【0005】
本発明は上記した従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、所望の収納対象物の振動に対する誤検出を防止する遊技機用台間機の収納装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明においては、遊技機と遊技機との間に配置される遊技機用台間機の内部に設けられた本体部と、所定の収納対象物を収納するための前記本体部に取り付けられた収納部と、前記本体部に対する前記収納部の質量を調整するため当該収納部に対して取り付けられた質量調整部材と、前記収納部に設けられ前記収納対象物が発する振動を検出する振動検出部とを備えるようにする。
【0007】
本発明においては、前記本体部に前記収納部が取り付けられる際に介在され、前記本体部を介して外部振動が前記収納部に伝達されることを防止する防振部材をさらに備えるようにする。
【0008】
本発明において、前記防振部材は、前記収納部の上方および下方に対応する前記本体部に固定されるとともにその外周面に係合溝が形成され、前記収納部は、当該収納部の上端部および下端部に前記防振部材の前記係合溝と係合するための係合片が設けられ、前記本体部に固定された前記防振部材の前記係合溝に対して前記係合片が係合された結果、前記本体部に前記防振部材を介して前記収納部が取り付けられるようにする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、収納部に対して取り付けられる質量調整部材により、本体部を介して収納部に与えられる外部振動の振動数と、当該収納部の固有振動数とが一致することのないように設定することができるので、収納部が外部振動の影響を受けて共振することがなく、振動検出部により所望の収納対象物の振動に対する誤検出を予め防止することができる。
【0010】
本発明によれば、外部振動の振動数と、防振部材を含んだ収納部の固有振動数とが一致することのないように設定することができるので、防振部材を含んだ収納部が外部振動の影響を受けて共振することがなく、所望の収納対象物の振動に対する誤検出を予め防止することができる。
【0011】
本発明によれば、防振部材は、収納部の上方および下方に対応する本体部に固定されるとともにその外周面に係合溝が形成され、収納部は、当該収納部の上端部および下端部に防振部材の係合溝と係合するための係合片が設けられ、本体部に固定された防振部材の係合溝に対して係合片が係合されることにより、本体部に防振部材を介して収納部が間接的に取り付けられることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施の形態に係る遊技機用台間機の前面構成を示す正面図である。
図2】遊技機用台間機における収納装置の挿入口近傍の拡大図である。
図3】遊技機用台間機の本体部に取り付けられた状態の収納装置の構成を示す図2のA−A断面図である。
図4】フック部と防振ゴムとの係合状態を示す図3のB−B断面図である。
図5】係合片と防振ゴムとの係合状態を示す図3のC−C断面図である。
図6】圧縮バネの装着状態を示す図3のD−D断面図である。
図7】圧縮バネの装着状態を示す図3および図6のE−E断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0014】
<携帯機器収納装置の構成>
図1乃至図7に示すように、図示しない遊技機と遊技機との間に配置される遊技機用台間機1の前面には、エアーカーテンを生成するため当該台間機1に内蔵された空気清浄器(図示せず)のファンからエアーの吹き出しを行う吹出口2、携帯電話機やスマートフォン等の携帯機器を収納する挿入口31が前面に露出された収納装置としての収納装置3、当該収納装置3に収納された携帯機器60に対する充電を行うためのUSB給電口4、および収納装置3に収納された携帯機器60に対してUSB給電口4により充電中である旨を視覚的に表示したり、当該携帯機器60に対して着信等があったことを視覚的に表示する表示部5が設けられている。
【0015】
収納装置3(図3)は、携帯機器60を収納するための開口された直方体形状でなる収納部としてのポケット部33を有している。このポケット部33は、その開口部が携帯機器60を収納する際の挿入口31として用いられる。
【0016】
このポケット部33(図3)には、蓋部33h(図4図5)がその上から取り付けられる際に用いられる雌ネジ孔51a、52aおよび53aを有する取付片51、52および53が形成されている。この取付片51、52および53と対向する蓋部33hの位置には同様の雌ネジ孔を有する取付片が形成されている。したがって、ポケット部33の取付片51、52に蓋部33hの取付片が重ね合された状態でネジ(図示せず)により取り付けられることによって、携帯機器60を収納するための携帯機器収納空間33sが形成される。
【0017】
またポケット部33(図3)は、奥行き方向に向かって所定の角度だけ下方に傾斜されている。これにより、携帯機器収納空間33sに携帯機器60が収納される際、最も奥側まで容易に押し込まれる。ポケット部33の携帯機器60を受け止める底面には、その一部に貫通孔33kが形成されており、その貫通孔33kから携帯機器検出センサ71の検出部71aがポケット部33の携帯機器収納空間33aに一部突出した状態で取り付けられている。
【0018】
またポケット部33の携帯機器60を受け止める底面には、貫通孔33kの近傍奥行き側に圧電素子等でなる振動検出部としての振動センサ80が取り付けられている。したがって、携帯機器60のバイブレータ振動が発生したとき、そのバイブレータ振動がポケット部33全体に伝達し、当該ポケット部33の振動を携帯機器60のバイブレータ振動として振動センサ80により検出する。
【0019】
ポケット部33における上端部の間口側および奥行側には、薄板状のフック34(図3図4)、フック35(図3)が当該ポケット部33と一体に形成されている。フック34は、後術する防振ゴム40、41と係合するため、ポケット部33の間口側が開口された略半円形状の切欠部が形成されている。またフック35は、後術する防振ゴム40、41と係合するため、ポケット部33の奥行側が開口された略半円形状の切欠部が形成されている。
【0020】
ポケット部33における下端部の間口側および奥行側には、薄板状の係合片36(図3図5)、係合片37(図3)が当該下端部から下方へ突出された状態で当該ポケット部33と一体に形成されている。係合片36、37には、後術する防振ゴム40、41と係合するための略半円形状の切欠部が形成されている。
【0021】
遊技機用台間機1の内部に設けられた薄板プレート状でなる本体部1aの側面1mにおいて、ポケット部33のフック34、35間および係合片36、37間と同じ距離だけ互いに離間され、かつ当該フック34、35および当該係合片36、37と対向した位置には、防振ゴム38、39および防振ゴム40、41が固定されている。
【0022】
ポケット部33の上方に固定された防振部材としての防振ゴム38(図4)は、貫通孔38hを有するドーナッツ形状に形成されている。この防振ゴム38は、本体部1aの側面1mに対してかしめにより固定されたボス45に当該防振ゴム38の貫通孔38hを介して嵌め込まれる。その状態で、ボス45の内周面に形成された雌ネジ部に対して雄ネジ部を有するボルト42が螺合される。これにより、防振ゴム38の側面がボルト42の頭部により押さえ付けられるため、当該防振ゴム38がボス45から抜け落ちることなく本体部1aの側面1mに固定されるのである。なお防振ゴム39についても、防振ゴム38と同様の構成であり、かつボルト42により本体部1aの側面1mに固定される。
【0023】
防振ゴム38の周面中央には、収納装置3のポケット部33のフック34が係合されるべき一定の深さの係合溝38aが形成されている。なお、図示しないが防振ゴム39についても防振ゴム38と同様に本体部1aの側面1mに固定されており、当該防振ゴム38と同様にポケット部33のフック35が係合されるべき一定の深さの係合溝39a(図示せず)が当該防振ゴム39の周面中央に形成されている。
【0024】
ポケット部33の下方に固定された防振ゴム40(図5)は、貫通孔40hを有するドーナッツ形状に形成されている。この防振ゴム40は、本体部1aの側面1mに対してかしめにより固定されたボス46に貫通孔40hを介して嵌め込まれる。その状態で、ボス46の内周面に形成された雌ネジ部に対して雄ネジ部を有するボルト42が螺合される。これにより、防振ゴム40の側面がボルト42の頭部により押さえ付けられるため、当該防振ゴム40がボス46から抜け落ちることなく本体部1aの側面1mに固定されるのである。なお防振ゴム41についても、防振ゴム40と同様の構成であり、かつボルト42により本体部1aの側面1mに固定される。
【0025】
防振ゴム40の周面中央には、収納装置3のポケット部33の係合片36が係合されるべき一定の深さの係合溝40aが形成されている。なお、図示しないが防振ゴム41についても防振ゴム40と同様に本体部1aの側面1mに固定されており、当該防振ゴム40と同様にポケット部33の係合片37が係合されるべき一定の深さの係合溝41a(図示せず)が当該防振ゴム41の周面中央に形成されている。
【0026】
したがって、収納装置3のポケット部33は、防振ゴム38〜41に対してフック34、35および係合片36、37が係合されることにより、当該防振ゴム38〜41を介して本体部1aの側面1mに対し間接的に取り付けられることになる。これによりポケット部33は、当該本体部1aを介して伝達される外部振動が防振ゴム38〜41を介して低減された状態で伝達される。
【0027】
なおポケット部33は、フック34、35および係合片36、37が防振ゴム38〜41の係合溝38a〜41aに係合されているため、当該ポケット部33の自重によりその係合状態が維持されている。
【0028】
かかる構成に加えて、ポケット部33における上端部のフック34、35間には、当該フック34と隣接した位置に円形状のバネ設置段部33d1が形成されているとともに、当該フック35と隣接した位置に円形状のバネ設置段部33d2が形成されている。
【0029】
このバネ設置段部33d1および33d2には、略半円筒状のバネ取付部33p1、33p2が上方に突出した状態で形成されており、当該バネ取付部33p1および33p2に対して圧縮バネ40および41が巻き付けられた状態で取り付けられている。
【0030】
このバネ設置段部33d1および33d2と対向する本体部1aの側面1mには、バネ設置突出片33a(図3図6)およびバネ設置突出片33b(図3)が当該本体部1aの側面1mから突出した状態で一体に固定されている。
【0031】
したがって、防振ゴム38〜41に対してフック34、35および係合片36、37を介してポケット部33が取り付けられる際、バネ取付部33p1およびバネ取付部33p2に取り付けられた圧縮バネ40および41が、バネ設置段部33d1および33d2とバネ設置突出片33aおよび33bとの間に装着されることになる。
【0032】
このときバネ設置突出片33aおよび33bは本体部1aの側面1mに固定されているため、圧縮バネ40および41の圧縮力によりポケット部33が太矢印に示すように下方へ押下される。すなわち収納装置3では、圧縮バネ40および41の自重およびその圧縮力により本体部1aに対するポケット部33の質量を増大させることになる。
【0033】
ここで圧縮バネ40および41の圧縮力を利用して本体部1aに対する収納装置3のポケット部33の質量を増大させる理由について以下説明する。収納装置3のポケット部33は、本体部1aの側面1mに対して防振ゴム38〜41を介して間接的に取り付けられているが、本体部1aにはエアーカーテンを生成するための空気清浄器(図示せず)のファンを回転させるモータが取り付けられているため、そのモータの振動が本体部1aを介して携帯機器60の収納されたポケット部33に対して外部振動として伝達され、当該ポケット部33が外部振動の影響を受けて振動する。
【0034】
このとき外部振動の振動数がポケット部33の固有振動数と一致すると当該ポケット部33が共振し、振動の振幅が非常に大きくなるため、あたかもポケット部33に収納されている携帯機器60のバイブレータ振動が発生したかのようになり、振動センサ80がバイブレータ振動であると誤検出してしまう。
【0035】
このときポケット部33の固有振動数ωは、次の式(1)で表される。ここで「k」は圧縮バネ40、41のバネ定数でありその値は固定である。また「m」はポケット部33の質量である。したがって、本体部1aのモータの外部振動の振動数が携帯機器60の収納されたポケット部33の固有振動数と一致しないようにするためには、当該ポケット部33の質量mを変化させればよい。
【0036】
ω=√(k/m)…………………………………………………………………………(式1)
【0037】
そのためポケット部33には、圧縮バネ40、41の圧縮力を利用して本体部1aに対するポケット部33の質量mを増大させることにより、当該圧縮バネ40、41が装着されたポケット部33の固有振動数ω´が圧縮バネ40、41が装着されていないポケット部33の固有振動数ωよりも低下される。これにより、外部振動の振動数と当該圧縮バネ40、41が装着された状態のポケット部33の固有振動数ω´とが一致することを回避することができるのである。
【0038】
この場合、携帯機器60の種類に応じた重量の範囲(例えば100g〜200g)や、挿入口31から携帯機器60の一部が飛び出したような中途半端な状態でポケット部33に収納された場合の携帯機器60の重量の範囲を考慮し、圧縮バネ40の圧縮率を選択する。
【0039】
<収納装置のバイブレータ振動検出動作>
このような構成の収納装置3のポケット部33に携帯機器60が収納されたときのバイブレータ振動検出動作について、圧縮バネ40、41が装着された場合と装着されていない場合について説明する。
【0040】
<圧縮バネが装着されていない場合のバイブレータ振動検出動作>
収納装置3は、防振ゴム38〜41を介して本体部1aの側面1mに対して間接的に取り付けられたポケット部33に圧縮バネ40、41が装着されていない場合、本体部1aに対する当該ポケット部33の質量mに対する調整が何ら行われていない状態にある。
【0041】
このような収納装置3のポケット部33に携帯機器60が収納された状態で、遊技機用台間機1に内蔵された空気清浄器のファンが作動されると、当該ファンのモータの振動が外部振動として、本体部1aおよび防振ゴム38〜41を介して携帯機器60の収納されたポケット部33に伝達される。
【0042】
このとき外部振動の振動数と携帯機器60の収納された状態のポケット部33の固有振動数ωとが一致してしまうと、当該ポケット部33が共振し、振動の振幅が非常に大きくなるため、あたかも携帯機器60のバイブレータ振動が発生したかのように当該ポケット部33が振動し、振動センサ80がバイブレータ振動であると誤検出してしまう。
【0043】
<圧縮バネが装着されている場合のバイブレータ振動検出動作>
収納装置3は、防振ゴム38〜41を介して本体部1aの側面1mに対して間接的に取り付けられたポケット部33に圧縮バネ40、41が装着されている場合、本体部1aに対する当該ポケット部33の質量mが予め増大されている状態にある。
【0044】
このような収納装置3のポケット部33に携帯機器60が収納された状態で、遊技機用台間機1に内蔵された空気清浄器のファンが作動されると、当該ファンのモータの振動が外部振動として、本体部1aおよび防振ゴム38〜41を介して携帯機器60の収納されたポケット部33に伝達される。
【0045】
しかしながら、圧縮バネ40、41の圧縮力を利用して本体部1aに対するポケット部33の質量mが予め増大されており、圧縮バネ40、41が装着された状態のポケット部33の固有振動数ω´が圧縮バネ40、41の装着されていない状態のポケット部33の固有振動数ωとは異なっているため、外部振動の振動数と圧縮バネ40、41が装着された状態のポケット部33の固有振動数ω´とが一致することがない。
【0046】
したがって、携帯機器60の収納されたポケット部33が外部振動の影響を受けた場合でも共振することが無いので、携帯機器60のバイブレータ振動が発生したかのようにポケット部33が振動することがなく、振動センサ80がバイブレータ振動であると誤検出してしまうことが未然に防止される。その後、実際に携帯機器60のバイブレータ振動が発生すると、ポケット部33の振動センサ80によりバイブレータ振動が正確に検出される。
【0047】
<他の実施の形態>
なお、上述した実施の形態においては、質量調整部材としての圧縮バネ40、41を用いてポケット部33の質量mを増大させるようにした場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、圧縮バネ40、41の代わりに質量調整部材としての引張バネ(図示せず)を用いて本体部1aに対するポケット部33を引っ張り上げることにより当該ポケット部33の質量mを減少させるようにしても良い。この場合でも、ポケット部33の質量mが減少するため、質量調整部材が装着されていない状態のポケット部33の固有振動数ωよりも当該ポケット部33の固有振動数ω´´が上昇し、外部振動の振動数と引張バネが装着されたポケット部33の固有振動数ω´´とが一致することを回避することができる。
【0048】
また、上述した実施の形態においては、質量調整部材としての圧縮バネ40、41を用いてポケット部33の質量mを増大させるようにした場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、本体部1aの側面1mに対してポケット部33を下方へ所定の力により押下した状態で、圧縮バネ40、41に代えて質量調整部材としての防振ゴムにより当該ポケット部33をその位置に押し付けながら固定するようにしてもよい。
【0049】
さらに、上述した実施の形態においては、エアーカーテンを生成するための空気清浄器のファンのモータの外部振動の振動数と携帯機器60の収納された状態のポケット部33の固有振動数ωとが一致することのないように当該ポケット部33の質量mを圧縮バネ40、41の圧縮力により調整するようにした場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、ユーザが遊技機や遊技機用台間機1を叩くときの外部振動の振動数とポケット部33の固有振動数ωとが一致することのないように当該ポケット部33の質量mを圧縮バネ40、41の圧縮力により調整するようにしてもよい。
【0050】
さらに、上述した実施の形態においては、エアーカーテンを生成するための空気清浄器のファンのモータの外部振動の振動数と携帯機器60の収納された状態のポケット部33の固有振動数ωとが一致することのないように当該ポケット部33の質量mを圧縮バネ40、41の圧縮力により調整するようにした場合について述べた。しかしながら、本発明はこれに限らず、エアーカーテンを生成するための空気清浄器のファンのモータの外部振動の影響が小さい場合、携帯機器60のバイブレータ振動の振動数と、当該携帯機器60の収納された状態のポケット部33の固有振動数ωとをあえて一致させるように当該ポケット部33の質量mを圧縮バネ40、41の圧縮力または引張バネの引張力により調整するようにしてもよい。この場合、携帯機器60のバイブレータ振動が発生した場合、携帯機器60の収納された状態のポケット部33の振動が共振により一段と大きくなるため、振動センサ80によりバイブレータ振動を更に正確かつ確実に検出することができる。
【符号の説明】
【0051】
1…遊技機用台間機、2…吹出口、3…収納装置(収納部)、4…USB給電口、5…表示部、31…挿入口、33…ポケット部、34、35…フック、36、37…係合片、38〜41…防振ゴム(防振部材)、42…ボルト、40、41…圧縮バネ、51〜53…取付片、60…携帯機器、71…携帯機器検出センサ、80…振動検出センサ(振動検出部)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7