【解決手段】粉粒体排出制御装置1230は、粉粒体を案内する上下方向を向いた案内筒1204と、中空回転軸及び螺旋状の羽根1207Aを有して、案内筒の内部で回転して粉粒体を供給搬送するオーガ1205と、筒状に形成されて、中空回転軸の貫通孔1215と連通して中空回転軸の下端部に設けられ、気体の通過を許容し、かつ筒状内に粉粒体が侵入するのを阻止する粉粒体止め部1220と、を備え、中空回転軸の中空孔を介して粉粒体止め部内の気体を吸引して、案内筒内の粉粒体の気体を吸引し、かつオーガの回転を停止して、案内筒内からの粉粒体の排出を止める。第2の羽根の終端部分の下面に位置する粉粒体を粉粒体止め部に吸着して粉粒体が零れ落ちるのを防止する。
前記粉粒体止め部は、多数の貫通孔が形成された内筒及び外筒と、前記内筒と前記外筒との間に設けられて前記内筒の内部に粉粒体が侵入するのを阻止するフィルタとを備えた、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の粉粒体排出制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態の粉粒体排出制御装置と、この粉粒体排出制御装置を備えた粉粒体供給装置とを図に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態の粉粒体供給装置1001の全体概略図である。粉粒体供給装置1001は、粉粒体貯留部10と、粉粒体搬送部100と、粉粒体供給部1200等で構成されている。
【0015】
粉粒体供給装置1001は、粉粒体貯留部10から粉粒体搬送部100に粉粒体を供給し、その粉粒体を粉粒体搬送部100から粉粒体供給部1200に搬送して、粉粒体供給部1200によって粉粒体を袋Wに供給するようになっている。粉粒体供給装置1001は、粉粒体搬送部100で粉粒体を搬送している間に、粉粒体の空気抜きをした後、粉粒体に不活性ガスとしての窒素を供給して、袋詰めした粉粒体に酸化、変質等が発生するのを少なくしている。
【0016】
なお、粉粒体には、小麦粉、脱脂粉乳、コピー器用の磁性体を含んだトナー等がある。また、不活性ガスには、窒素(N2)、アルゴン、二酸化炭素などの粉粒体に科学反応が生じにくい気体があるが、その他、粉粒体に発酵や腐敗等の生化学的変化が生じにくい気体もある。したがって、不活性ガスは、粉粒体の保存に適した気体であればよい、本実施形態で取り上げる窒素(N2)のみに限定されるものではない。
【0017】
(粉粒体貯留部10)
図1において、粉粒体貯留部10は、粉粒体供給筒11、粉粒体貯留手段としてのホッパ12等を備えている。粉粒体供給筒11は、ホッパ12の上部に設けられており、不図示の粉粒体搬送装置から搬送されてきた粉粒体Pを、シャッタ13を介してホッパ12に供給するようになっている。ホッパ12には、ホッパ12の内周面に沿って回転するスクレーパ14が設けられている。スクレーパ14は、モータM1によって回転して、ホッパ12の内周面12aに付着した粉粒体Pを掻き落すようになっている。また、ホッパ12の中間部分から下端部近くまでの間の外周には、窒素溜め15が設けられている。窒素溜め15には、窒素供給装置50が接続されている。窒素溜め15が設けられているホッパ12の部分には、後述する窒素供給フィルタ筒と同様に、複数の孔があけられた不図示の内筒及び外筒と、内筒と外筒との間に設けられたフィルタとで形成されたフィルタ部が設けられている。
【0018】
したがって、ホッパ12は、供給筒11のシャッタ13が開かれて供給された粉粒体を貯留して、粉粒体搬送部100に供給する。この間に、窒素供給装置50が、窒素溜め15を介してホッパ12内の粉粒体に窒素(N2)を供給する。なお、窒素溜め15は、必ずしも設ける必要がないし、また、ホッパ内の粉粒体に窒素を必ずしも供給する必要もない。
【0019】
(粉粒体搬送部100)
図2は、粉粒体搬送部100の拡大図である。粉粒体搬送部100は、粉粒体Pを案内する案内筒101と、案内筒101の内部で回転して粉粒体Pを供給搬送するオーガ102と、オーガ102を回転させるモータM2(
図1)等を備えている。
【0020】
オーガ102は、回転軸103と、回転軸103の外周に設けられた螺旋状の羽根104,105とを有している。回転軸103は、両端を、案内筒101の両端に設けられたベアリング106に回転自在に支持されている。
【0021】
羽根104は、回転軸103に設けられて、回転軸103の回転にともなって、粉粒体を粉粒体供給部1200の受取り筒1201の方に(
図2の矢印A方向に)搬送するようになっている。羽根104は、後述する符号104a乃至104dで示す4つの羽根で形成されている。羽根104と羽根105は、螺旋方向が互いに逆になっている。羽根105は、回転軸103の端部に設けられて、羽根104によって搬送されてきた粉粒体を粉粒体供給部1200の受取り筒1201の方に(
図2の矢印B方向に)押し返すようになっている。また、回転軸103上で、羽根104と羽根105との間で、かつ粉粒体供給部1200の受取り筒1201の真上の位置には、4枚の回転板107が、回転軸103の回転方向に90度間隔で、放射状に設けられている。
【0022】
したがって、粉粒体搬送部100は、粉粒体貯留部10から供給された粉粒体を案内筒101の開口部101aで受取り、モータM2によって回転するオーガ102によって、粉粒体を粉粒体供給部1200の受取り筒1201の方に搬送する。受け取り筒201の上まで搬送された粉粒体は、回転板107の回転によって受取り筒1201内に落下する。受取り筒1201の上を通過した粉粒体は、羽根105によって押し戻されて、受取り筒1201内に落下する。
【0023】
ところで、粉粒体搬送部100は、粉粒体貯留部10から粉粒体を受け取って、粉粒体供給部1200に搬送する間に、粉粒体の空気(air)を抜いた後、粉粒体に窒素を供給するようになっている。以下、その構造を説明する。
【0024】
回転軸103(
図2)は、中空軸109、空気吸引フィルタ筒113、中空軸110、窒素供給フィルタ筒114、中空軸110、窒素供給フィルタ筒114及び中空軸112で形成され、これらを貫通する貫通孔115によって全体が中空軸状に形成されている。貫通孔115の孔径は、不均一であり、空気吸引フィルタ筒113と、窒素供給フィルタ筒114との部分で大きく、他の部分では小さくなっている。なお、貫通孔115の孔径は、均一であってもよい。貫通孔115の中間部分には、貫通孔を途中で仕切る遮蔽板(遮蔽部材)108が設けられている。回転軸103は、回転軸103の遮蔽板108よりホッパ12側(オーガの粉粒体搬送方向の上流側)は、空気抜きをする部分(空気抜き領域)103Aになっている。また、回転軸103の遮蔽板108より粉粒体供給部1200の受取り筒1201側(オーガの粉粒体搬送方向の下流側)は、窒素を供給する領域(窒素供給領域)103Bになっている。
【0025】
回転軸103の吸引気体案内回転軸としての空気抜き領域103Aは、吸引気体を案内する中空状の気体案内軸としての中空軸109と、中空軸109に接続された円筒状のフィルタ部としての空気吸引フィルタ筒113とで形成されている。中空軸109に形成された空気抜き口109bには、空気抜き領域103A内の空気を吸引する空気吸引装置52が接続されている。
【0026】
図3は、空気吸引フィルタ筒113の図である。(A)は、断面図である。(B)は、(A)のD―D矢視図である。(C)は、(A)の矢印Eで示す部分の拡大図である。
【0027】
空気吸引フィルタ筒113は、全体が金属製の円筒状の部材である。空気吸引フィルタ筒113は、多数の貫通孔121,122が形成された内筒123及び外筒124と、内筒123と外筒124との間に設けられたフィルタ125と、内筒と外筒との両端に設けられた中空状の接続ねじ126とで形成されている。接続ねじ126は雄ねじである。
【0028】
フィルタ125は、非錆金属製の線材を互いに絡ませるようにして形成されており、吸引気体としての空気の通過を許容し、かつ内筒123内(回転軸103としての貫通孔115内)に粉粒体Pが侵入するのを阻止するようになっている。
図3において、右側の接続ねじ126は、中空軸109(
図2)の端部内周に形成された雌ねじ109aにねじ込まれるようになっている。また、
図3において、左側の接続ねじ126は、後述する中空軸110(
図2)の端部の内周に形成された雌ねじ110aにねじ込まれるようになっている。すなわち、空気吸引フィルタ筒113と、中空軸109,110は、接続ねじ126と雌ねじ109a,110aとによって着脱自在になっている。
図3(A)において、左側の接続ねじ126の端部には、空気抜き領域103Aの貫通孔115を塞ぐ遮蔽板108が設けられている。
【0029】
外筒124の外周には、羽根104が補強プレート127を介して設けられている。補強プレート127は、羽根104aの厚みT1(
図3(A))よりやや幅が広い帯状の金属板であり、羽根104aが取付けられる位置の外筒124の外周に、巻き付くようにして設けられている。補強プレート127は、外筒124の部分に設けられて、多数の貫通孔121,122が形成された内筒123及び外筒124を補強するとともに、羽根104aを外筒124に取り付け易くするために設けられている。補強プレート127は、外筒124のみに設けられていてもよいし、外筒124と中空軸109との両方の外周に設けられていてもよい。
【0030】
なお、内筒123と外筒124は、一例として、多数の孔があいたパンチプレートを円筒状に丸めて形成されているが、この場合、パンチプレートの厚み如何によっては、補強プレート127を必ずしも必要としない。
【0031】
また、空気吸引フィルタ筒113の部分に設けられた羽根104aと、中空軸109,110の部分に設けられた羽根104b,104cは、連続した形状になるように、雄ねじ126と雌ねじ109a,110aのねじ山の位置が決められている。
【0032】
図4は、窒素供給領域103Bの図である。
図5は、窒素供給領域103Bの分解拡大図である。(A)は窒素供給フィルタ筒114と中空軸110との断面図である。(B)は、(A)の矢印Fで示す部分の拡大図である。
【0033】
回転軸103のガス供給回転軸としての窒素供給領域103Bは、窒素を供給案内する気体案内軸でありガス案内軸としての3本の中空軸110,110,112と、3本の中空軸110,110,112の各間に接続された2つの窒素供給フィルタ筒(フィルタ部、ガス供給フィルタ部)114,114とで形成されている。中空軸112に形成された窒素受入口112aには、窒素を供給する窒素供給装置50が接続されている。中空軸110は、空気抜き領域103Aの空気吸引フィルタ筒113に接続されており、内部に遮蔽板108が位置している。
【0034】
窒素供給フィルタ筒114は、空気吸引フィルタ筒113と同様な形状をしており、全体が金属製の円筒状の部材である。窒素供給フィルタ筒114は、多数の貫通孔141,142が形成された内筒143及び外筒144と、内筒143と外筒144との間に設けられたフィルタ145と、内筒と外筒との両端に設けられた中空状の接続ねじ146とで形成されている。接続ねじ146は、雄ねじである。
【0035】
フィルタ145は、非錆金属製の線材を互いに絡ませるようにして形成されており、窒素を内部から案内筒内に噴出するのを許容する内筒内(回転軸103としての貫通孔115内)に粉粒体Pが侵入するのを阻止するようになっている。内筒143と外筒144は、一例として、多数の孔があいたパンチプレートを円筒状に丸めて形成されている。
【0036】
なお、窒素供給フィルタ筒114は、内側から外側に向けて窒素を放出するようになっているため、内筒143はフィルタ145の目の粗さ如何によって設けなくても、フィルタを外筒の内周に設けることができる。このため、内筒143は、必ずしも必要としない。
【0037】
図4において、右側の窒素供給フィルタ筒114の右側の接続ねじ146は右隣りの中空軸110の端部内周に形成された雌ねじ110aにねじ込まれており、左側の接続ねじ146は左隣りの中空軸110の雌ねじ110aにねじ込まれている。また、
図4において、左側の窒素供給フィルタ筒114の右側の接続ねじ146は右隣りの中空軸110の端部内周に形成された雌ねじ110aにねじ込まれており、左側の接続ねじ146は左隣りの中空軸112の雌ねじ112aにねじ込まれている。
【0038】
すなわち、窒素供給フィルタ筒114と中空軸110、112は、接続ねじ146と雌ねじ110aとによって着脱自在になっている。このため、オーガ102は、窒素供給フィルタ筒114と中空軸110との接続数を任意に変更して、長さを自由に変えることができるようになっている。
【0039】
図2において、右の中空軸110には、羽根104cが設けられ、左の中空軸110には、羽根104dが設けられている。また、中空軸112には、羽根105と4枚の回転板107とが設けられている。なお、窒素供給フィルタ筒114には、羽根が設けられていないが、空気吸引フィルタ筒113と同様に羽根が設けられていてもよい。
【0040】
(粉粒体搬送部100の動作説明)
空気吸引装置52(
図1)が作動すると、空気抜き領域103A(
図2)の中空軸109及び空気吸引フィルタ筒113の筒状内は、負圧になる。すると、空気吸引フィルタ筒113の貫通孔121、フィルタ125、及び貫通孔121を介して案内筒101内の粉粒体の空気が吸引される。このとき、空気抜き領域103Aと窒素供給領域103Bとの間に遮蔽板108が設けられているので、窒素供給領域103Bの回転軸の筒状内は、負圧にならない。
【0041】
窒素供給領域103Bは、窒素供給装置50(
図1)が作動すると、中空軸112,110(
図2)、及び窒素供給フィルタ筒114内に窒素が供給されて、窒素供給フィルタ筒114の内側から外側に放射状に窒素を噴出して、粉粒体に窒素を含ませる。窒素供給領域103Bに供給された窒素は、遮蔽板108によって、空気抜き領域103Aの回転軸内に流れるのが阻止されている。
【0042】
したがって、粉粒体搬送部100は、空気吸引フィルタ筒113と窒素供給フィルタ筒114が案内筒101の中空軸109,110,112に設けられているので、小型にすることができる。
【0043】
また、粉粒体搬送部100は、粉粒体貯留部10から供給された粉粒体を、オーガ102の回転によって受取り筒1201に搬送する間に、空気抜き領域103Aで粉粒体の空気を抜き取る(脱気する)ようになっている。このため、粉粒体搬送部100は、中空軸109に設けた空気吸引フィルタ筒113で粉粒体の内部から空気を吸引するので、粉粒体が中空軸109に集まり、オーガ102と案内筒101との隙間Gに詰まるのを防止して、粉粒体を円滑に搬送することができる。
【0044】
さらに、粉粒体搬送部100は、空気を抜いた代わりに、窒素供給領域103Bで粉粒体に窒素を供給するようになっている。このため、窒素によって、酸化、変質等を防止されるようになる。また、粉粒体搬送部100は、回転軸103から粉粒体に窒素を供給するようになっているので、粉粒体の中から外側に向けて窒素を放射状に噴出するのを許容して、粉粒体間に窒素を十分に行き渡らせることができる。なお、粉粒体の中から外側に向けて窒素を放射状に噴出すると、粉粒体がオーガ102と案内筒101との隙間Gに積極的に吹き込まれることが考えられる。しかし、本実施形態の粉粒体搬送部100は、従来と異なって、円筒体の周囲から空気を吸引していないので、円筒体の内周に吸着された状態で搬送される粉粒体が無く、従来よりも、粉粒体を円滑に搬送して、粉粒体の搬送効率を向上させることができる。
【0045】
なお、以上の説明では、ホッパ12に空気抜き領域103Aが接続され、空気抜き領域103Aと粉粒体供給部200との間に窒素供給領域103Bが接続されて、粉粒体の空気を吸引した後、粉粒体に窒素を供給するようになっている。しかし、ホッパ12に窒素供給領域103Bが接続され、空気抜き領域103Aと粉粒体供給部200との間に空気抜き領域103Aが接続されて、粉粒体に窒素を供給した後、粉粒体の空気を吸引してもよい。この場合、空気を抜くと、窒素も抜かれるが、粉粒体の酸化を防止できる程度にしか、空気と窒素を抜き取らない。
【0046】
また、粉粒体搬送部100の空気抜き領域103Aは、必ずしも必要としない。回転軸103の全長に渡って、窒素供給領域103Bであってもよい。この場合においても、粉粒体搬送部100は、回転軸103が窒素を粉粒体の中から外側に向けて放射状に噴出するので、粉粒体間に窒素を十分に行き渡らせることができる。
【0047】
さらに、オーガ102の回転軸103は、空気吸引フィルタ筒113と中空軸110とが接続されているが、中空軸109と空気吸引フィルタ筒113とのいずれか一方と、中空軸110と窒素供給フィルタ筒114とのいずれか一方とが接続されていてもよい。さらに、以上の説明において、粉粒体搬送部100は、横向きになっているが縦向きになっていてもよい。
【0048】
(粉粒体供給部1200)
図1に示す粉粒体供給部1200は、粉粒体止め部1220で粉粒体の供給を一旦止めて、上下方向を向いた案内筒1204及びオーガ1205で袋(粉粒体収納体)Wに粉粒体を充填するようになっている。
【0049】
図6は、粉粒体止め部1220の図である。
図7は、粉粒体止め部1220の断面図である。
図8は、
図7の矢印Kで示す部分の拡大図である。
図9は、粉粒体分散リング1240の平面図である。
図10は、粉粒体止め部の動作説明用の図である。
【0050】
粉粒体供給部1200は、受取り筒1201、ホッパ1210、案内筒1204、オーガ1205、粉粒体止め部1220、粉粒体分散リング(分散部材)1240等を備えている。
【0051】
オーガ1205は、中空回転軸1206と、中空回転軸1206に設けられた螺旋状の羽根1207Aとで形成されている。中空回転軸1206には、貫通孔(中空孔)1215(
図7)が形成されている。中空回転軸1206は、ホッパ1210を上方に貫通して、上端が窒素供給装置50と、空気吸引装置52とに接続されている。また、中空回転軸1206は、ホッパ1210に回転自在に支持されて、ホッパ1210の上部に設けられた不図示のモータによって回転するようになっている。中空回転軸1206の部分に設けられた羽根(第1の羽根)1207Aは、後述する粉粒体止め部1220の部分に設けられた羽根(第2の羽根)1207Bと連続した螺旋状の羽根1207を形成するようになっている。
【0052】
図7において、粉粒体止め部1220は、全体が金属製の円筒状の部材である。粉粒体止め部1220は、内筒1223及び外筒1224と、内筒と外筒との間に設けられたフィルタ1225と、内筒と外筒との上端に設けられた接続ねじ1226と、内筒と外筒との下端に設けられた底板1228とで形成されている。
【0053】
内筒1223及び外筒1224には、多数の貫通孔1221,1222が形成されている。接続ねじ1226は、中空回転軸1206の貫通孔1215と連通する貫通孔1229が形成されて、中空状に形成されている。接続ねじ1226は、雄ねじであり、中空回転軸1206の下部の内周に形成された雌ねじ1206aにねじ込まれている。接続ねじ1226は、このため、粉粒体止め部1220は、接続ねじ1226と雌ねじ1206aとによって中空回転軸1206に着脱自在になっている。
【0054】
フィルタ1225は、非錆金属製の線材を互いに絡ませるようにして形成されており、吸引気体としての空気の通過を許容し、かつ内筒1223内に粉粒体Pが侵入するのを阻止するようになっている。底板1228は、内筒1223と外筒1224との下端を塞いでいる。
【0055】
外筒1224の外周には、羽根1207Bが補強プレート1227を介して設けられている。補強プレート1227は、羽根1207Bの厚みT2(
図7)よりやや幅が広い帯状の金属板であり、羽根1207Bが取付けられる位置の外筒1224の外周に、巻き付くようにして設けられている。補強プレート1227は、外筒1224の部分に設けられて、多数の貫通孔1221,1222が形成された内筒1223及び外筒1224を補強するとともに、羽根1207Bを外筒1224に取り付け易くするために設けられている。補強プレート1227は、外筒1224のみに設けられていてもよいし、外筒1224と中空回転軸1206との両方の外周に設けられていてもよい。
【0056】
なお、内筒1223と外筒1224は、一例として、多数の孔があいたパンチプレートを円筒状に丸めて形成されているが、この場合、パンチプレートの厚み如何によっては、補強プレート1227を必ずしも必要としない。
【0057】
また、粉粒体止め部1220の部分に設けられた羽根1207Bと、中空回転軸1206の部分に設けられた羽根1207Aは、連続した螺旋状の羽根1207を形成するように、雄ねじ1226と雌ねじ1206aとのねじ山の位置が決められている。
【0058】
粉粒体分散リング1240は、カップ状に形成されている。粉粒体分散リング1240は、内周に形成された雌ねじ1240aと案内筒1204の下部に形成された雄ねじ1204aとのねじ係合によって、案内筒1204に着脱自在に取り付けられている。粉粒体分散リング1240(
図9)は、桟1241が中心から放射状に設けられている。桟1241は、案内筒1204から排出される粉粒体P(
図1)を分散させて、粉粒体が固まって袋W内に落下しないようにするために設けられている。
【0059】
以上の構成において、案内筒1204(
図1)、オーガ1205、粉粒体止め部1220等は、粉粒体排出制御装置1230を構成している。
【0060】
(粉粒体供給部1200の動作)
粉粒体供給部1200は、粉粒体搬送部100から供給された粉粒体を受取り筒1201の案内によりホッパ1210に貯留する。ホッパ1210内の粉粒体Pは、案内筒1204の案内と、オーガ1205の回転とによって袋Wに充填される。
【0061】
袋Wに所定量の粉粒体が充填されると、オーガ1205の回転が停止するとともに、空気吸引装置52が作動する。すると、空気吸引装置52が中空回転軸1206の貫通孔1215を介して粉粒体止め部1220内の気体を吸引し、案内筒1204内の粉粒体の気体を吸引する。すると、
図10に示すように、粉粒体が、粉粒体止め部1220の外筒1224の外周に吸着されて、粉粒体自体で外筒1224の外周に厚みの薄い2次的なフィルタ層PAを作る。この2次的なフィルタ層PAは、外筒1224の外周に形成された固定層であり、空気吸引装置52の気体吸引量を調節することによって厚みを調節することができる。また、フィルタ1225は、気体が吸引されている限り、2次的なフィルタ層PAによって、粉粒体による目詰まりを防止される。したがって、2次的なフィルタ層PAは、フィルタ1225の目詰まりによってできた層ではなく、むしろ、フィルタ1225の目詰まりを防止して、気体の吸引効率を高めている。
【0062】
このようにして、粉粒体供給部1200の外筒1224の外周に粉粒体が密着して、案内筒1204の下端部で粉粒体の排出流れが止められる。流れを止められた粉粒体は、粉粒体自体が粉粒体の排出を止める弁の役目をするので、後続の粉粒体の排出を停止する。
図10の符号PVで示す領域の粉粒体が弁の役目をしており、符号PBで示す粉粒体が後続の粉粒体である。
【0063】
なお、粉粒体の排出を停止する際に、案内筒1204内の粉粒体の気体を吸引するが、オーガ1205の回転を停止するため、粉粒体搬送部100において粉粒体に含ませた窒素を全部吸引しなくても、粉粒体の排出を停止させることができる。粉粒体の品質を維持できる程度の窒素を粉粒体に残す程度で、粉粒体の排出を停止することができる。
【0064】
さらに、粉粒体止め部1220の下端部が、オーガ1205の羽根1207(1207B)の下端部まで延びている。このため、オーガ1205の羽根1207の下端部、特に、最後の1巻の下面に位置する粉粒体も粉粒体止め部1220の外筒1224に吸着される。したがって、粉粒体止め部1220は、粉粒体の零れ落ちを殆ど無くして、袋に供給する粉粒体の量を正確にすることができる。また、粉粒体止め部1220を案内筒1204の下端部まで延ばして、案内筒1204にねじ係合しているカップ状の粉粒体分散リング1240内に伸ばすことができるので、オーガ1205と案内筒1204との下端部までは、有効に使用される。
【0065】
その後、案内筒の下方に新たな袋Wが位置すると、空気吸引装置52が動作を停止して、オーガ1205が回転をする。そして、窒素供給装置50が作動する。このため、中空回転軸1206の貫通孔1215を介して粉粒体止め部1220内に窒素が供給され、粉粒体止め部1220から案内筒1204の下端部で弁の役目をしている粉粒体PVに窒素が供給される。すると、粉粒体止め部1220の外筒1224の外周に吸着されていた粉粒体の吸着が解除される。これによって、粉粒体は、新たな袋Wに供給される。
【0066】
なお、羽根1207Bは、設けなくても粉粒体を止めることはできる。特に、粉粒体止め部1220の径が小さく、かつ長さが短い場合には、設けなくても、粉粒体を止めることができる場合がある。したがって、羽根1207Bは、必ずしも必要としない。
【0067】
また、中空回転軸1206に窒素供給装置50を必ずしも接続しておく必要がない。空気吸引装置52が動作を停止して、オーガ1205が回転するだけでも、粉粒体を排出することができる。
【0068】
さらに、中空回転軸1206に窒素供給装置を接続していない場合、弁の役目をしている粉粒体PVは、空気吸引装置52によって空気が吸引されたとき、窒素も吸引されて、窒素の量が、後続の粉粒体に含まれている窒素の量よりも少ないままになっている。しかし、弁の役目をする粉粒体PVの量が、袋詰めする全体の粉粒体の量と比較して少量であるため、袋詰めされる粉粒体全体に含まれる窒素の量は殆ど変らない。このため、粉粒体供給装置1001は、中空回転軸1206に窒素供給装置50を接続していなくても、粉粒体の品質を長期間、一定に維持することができる。
【0069】
以上の構成において、
図1に示すように、粉粒体供給装置1001は、粉粒体貯留部10、粉粒体搬送部100、粉粒体供給部1200等で構成されているが、オーガ1205を回転させる不図示のモータ、空気吸引装置52、粉粒体貯留手段としてのホッパ1210、粉粒体排出制御装置1230等で構成されていてもよい。