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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-175246(P2015-175246A)
(43)【公開日】2015年10月5日
(54)【発明の名称】車室支持構造、車室、タービン
(51)【国際特許分類】
   F01D 25/28 20060101AFI20150908BHJP
   F01D 25/24 20060101ALI20150908BHJP
   F02C 7/20 20060101ALI20150908BHJP
【FI】
   F01D25/28 C
   F01D25/24 L
   F01D25/24 J
   F02C7/20 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-50598(P2014-50598)
(22)【出願日】2014年3月13日
(71)【出願人】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100126893
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】宮本 貴洋
(72)【発明者】
【氏名】近藤 誠
(72)【発明者】
【氏名】大西 智之
(57)【要約】
【課題】被被支持部および支持脚の熱伸びによる回転系の部材に対する静止系の部材の偏心を抑える。
【解決手段】下半車室91と上半車室92とが互いに上下に接合された車室90の支持構造は、車室90の軸端部90sにおいて下半車室91および上半車室92のいずれか一方に設けられ、外方に向けて突出する被支持部10と、被支持部10を支持する支持部11と、車室90の熱変形により被支持部10が変位した際に、支持部11に対して、被支持部10を下半車室91および上半車室92において被支持部10が設けられた側に向かって案内する案内部12Aと、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下半車室と上半車室とが互いに上下に接合された車室の支持構造であって、
前記車室の軸端部において前記下半車室および前記上半車室のいずれか一方に設けられ、外方に向けて突出する被支持部と、
前記被支持部を支持する支持部と、
前記車室の熱変形により前記被支持部が変位した際に、前記支持部に対して、前記下半車室および前記上半車室において前記被支持部が設けられた側に向かって前記被支持部を案内する案内部と、
を備える車室支持構造。
【請求項2】
前記案内部は、前記車室の熱変形により前記被支持部が前記車室の軸方向に変位した際に、前記支持部に対して、前記被支持部を前記軸方向に向かって案内する請求項1に記載の車室支持構造。
【請求項3】
前記案内部は、前記車室の熱変形により前記被支持部が前記車室の径方向に変位した際に、前記支持部に対して、前記被支持部を前記径方向に向かって案内する請求項1または請求項2に記載の車室支持構造。
【請求項4】
前記案内部は、
前記支持部側に形成された第一の傾斜面と、
前記被支持部側に形成され、前記第一の傾斜面に沿って摺動可能な第二の傾斜面と、
を備える請求項1から3のいずれか一項に記載の車室支持構造。
【請求項5】
前記案内部は、前記支持部側に一端が回動自在に連結され、前記被支持部側に他端が回動自在に連結されたリンク部材を備える請求項1から3のいずれか一項に記載の車室支持構造。
【請求項6】
前記リンク部材の回動を拘束可能な拘束部材をさらに備える請求項5に記載の車室支持構造。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の車室支持構造により支持されている車室。
【請求項8】
請求項7に記載の車室と、
前記車室内に前記軸線周りに回転可能に設けられたロータと、
を備えるタービン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タービンの車室支持構造、およびそれを備えた車室、タービンに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、蒸気タービンやガスタービンといったタービンは、発電機等の機械駆動用などに用いられている。タービンは、回転可能に支持されたロータを、タービンの外殻を形成する車室内に備えている。ロータは、車室内に作動流体として蒸気や燃焼ガスが供給されることによって、車室内で回転する。タービンは、このロータの回転により、発電機等を回転駆動させる。
【0003】
タービンの車室は、上半車室と下半車室とから構成されている。床面上に設置された下半車室の上に、上半車室を載せ、これら上半車室と下半車室とをボルト等で締結することによって接合している。
【0004】
タービンの車室は、上半車室または下半車室の外周部に、外方に突出する被支持部を複数備えている。各被支持部の下方には、地盤の基礎に固定された支持脚が設けられている。車室は、各支持脚上に被支持部が支持されることで、車室内の中心軸が地盤と平行となるように設置されている。
一方、タービンのロータは、その両端部が車室を貫通し、車室の外部に設けられた軸受により、回転自在に支持されている。
【0005】
タービンの作動時に車室内やロータの軸受で生じる熱により、支持脚や被支持部が加熱される。すると、支持脚、被支持部が鉛直方向に熱伸びし、車室を持ち上げる。その結果、車室下部では、ロータ側の回転系の部材との鉛直方向での隙間が狭まり、車室上部では、ロータ側の回転系の部材との鉛直方向の隙間が広がる。
このように、回転系の部材に対する静止系の部材の偏心が生じ、静止系の部材と回転系の部材との隙間が狭まると、部材同士が接触して損傷する可能性がある。また、静止系の部材と回転系の部材との隙間が広がると、タービン性能が低下する。
【0006】
特許文献1には、運転中のタービンを停止させたときの車室の変形による回転系の部材に対する静止系の部材の偏心を抑えるため、被支持部を含む下半車室、及び上半車室の表面を、保温材で覆う構成が開示されている。
しかし、このようにすると、被支持部が保温されているために、被支持部からの伝熱により支持脚の熱伸びは顕著となる。その結果、回転系の部材に対する静止系の部材の偏心が大きくなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4347269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
タービン性能の向上は常に検討されており、被支持部および支持脚の熱伸びによる回転系の部材に対する静止系の部材の偏心抑制も、さらなる改善が望まれている。
そこでなされた本発明の目的は、被支持部および支持脚の熱伸びによる回転系の部材に対する静止系の部材の偏心を有効に抑制することのできるタービンの車室支持構造、およびそれを備えた車室、タービンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
この発明に係る車室支持構造は、下半車室と上半車室とが互いに上下に接合された車室の支持構造であって、前記車室の軸端部において前記下半車室および前記上半車室のいずれか一方に設けられ、外方に向けて突出する被支持部と、前記被支持部を支持する支持部と、前記車室の熱変形により前記被支持部が変位した際に、前記支持部に対して、前記下半車室および前記上半車室において前記被支持部が設けられた側に向かって前記被支持部を案内する案内部と、を備える。
【0010】
このように、被支持部を下半車室および上半車室のいずれか一方に設け、車室の熱変形により被支持部および支持脚の熱伸びが発生して被支持部が変位した際に、案内部は、被支持部を、下半車室および上半車室において被支持部が設けられた側に向かって案内する。例えば、被支持部を下半車室に設けた場合、熱伸びにより被支持部が変位した際には、案内部は、被支持部を、下半車室側に案内する。また、被支持部を上半車室に設けた場合、熱伸びにより被支持部が変位した際には、案内部は、被支持部を上半車室側に案内する。
このようにすると、このような車室支持構造を適用したタービンにおいて、車室側の部材と車室内に設けられるロータ側の部材との隙間が過度に狭まったり広がったりするのを抑えることができる。
【0011】
また、前記案内部は、前記車室の熱変形により前記被支持部が前記車室の軸方向に変位した際に、前記支持部に対して、前記被支持部を前記軸方向に向かって案内するようにしてもよい。
このように構成することで、車室の軸方向の変位に対し、車室側の部材と車室内に設けられるロータ側の部材との隙間が過度に狭まったり広がったりするのを有効に抑えることができる。
【0012】
また、前記案内部は、前記車室の熱変形により前記被支持部が前記車室の径方向に変位した際に、前記支持部に対して、前記被支持部を前記径方向に向かって案内するようにしてもよい。
このように構成することで、車室の径方向の変位に対し、車室側の部材と車室内に設けられるロータ側の部材との隙間が過度に狭まったり広がったりするのを有効に抑えることができる。
【0013】
また、前記案内部は、前記支持部側に形成された第一の傾斜面と、前記被支持部側に形成され、前記第一の傾斜面に沿って摺動可能な第二の傾斜面と、を備えるようにしてもよい。
このように、熱変形により被支持部が変位した際に、第一の傾斜面に沿って第二の傾斜面が摺動する。これにより、被支持部を、下半車室および上半車室において被支持部が設けられた側に向かって案内する。
【0014】
また、前記案内部は、前記支持部側に一端が回動自在に連結され、前記被支持部側に他端が回動自在に連結されたリンク部材を備えるようにしてもよい。
このような構成によれば熱変形により被支持部が変位した際に、リンク部材が回動する。これにより、被支持部を、下半車室および上半車室において被支持部が設けられた側に向かって案内する。
【0015】
さらに、前記リンク部材の回動を拘束可能な拘束部材をさらに備えるようにしてもよい。
このように構成することで、車室の設置時には、拘束部材でリンク部材の回動を拘束することで、設置作業を容易に行うことができる。
【0016】
また、この発明に係る車室は、上記の車室支持構造により支持されている。
このように構成することで、熱変形により被支持部が変位した際に、車室側の部材と車室内に設けられるロータ側の部材との隙間が過度に狭まったり広がったりするのを抑えることができる。
【0017】
また、この発明に係るタービンは、上記の車室と、前記車室内に前記軸線周りに回転可能に設けられたロータと、を備える。
このように構成することで、熱変形により被支持部が変位した際に、車室側の部材と車室内に設けられるロータ側の部材との隙間が過度に狭まったり広がったりするのを抑えることができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明に係るタービンの車室支持構造、およびそれを備えた車室、タービンによれば、被支持部および支持脚の熱伸びによる回転系の部材に対する静止系の部材の偏心を有効に抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】この発明の第一実施形態に係るタービンの全体構成を示す模式図である。
図2】上記タービンの車室支持構造を示す側断面図である。
図3図2に示した車室支持構造を、車室の軸線方向から見た図である。
図4】上記第一実施形態で示した案内部の変形例を示す側断面図である。
図5】この発明の第二実施形態に係るタービンの車室支持構造を示す側断面図である。
図6】上記第二実施形態で示した案内部の変形例を示す側断面図である。
図7】この発明の第三実施形態に係るタービンの車室支持構造を示す図であり、車室の軸線方向から見た図である。
図8】上記各実施形態の変形例であり、上半車室にフランジ部を設けた場合のタービンの車室支持構造を示す側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明によるタービンの車室支持構造、およびそれを備えた車室、タービンを実施するための形態を説明する。しかし、本発明はこれらの実施形態のみに限定されるものではない。
【0021】
(第一実施形態)
図1は、この発明の第一実施形態に係るタービンの全体構成を示す模式図である。図2は、上記タービンの車室支持構造を示す側断面図である。図3は、図2に示した車室支持構造を、車室の軸線方向から見た断面図である。
図1に示すように、蒸気タービン100は、蒸気Sのエネルギーを回転動力として取り出す外燃機関であって、発電所における発電機等に用いられるものである。
【0022】
蒸気タービン100は、車室90と、該車室90を貫通するように軸線Oに沿って延びて軸線O回りに回転するロータ30と、車室90に保持された静翼40と、ロータ30に設けられた動翼70と、ロータ30を軸線O回りに回転可能に支持する軸受部60とを備えている。
【0023】
図1図3に示すように、車室90は、下半車室91と、上半車室92とが互いに上下に接合されて構成されている。
下半車室91は、軸線Oに直交する断面形状が半円弧状で、上方に向けて開口している。上半車室92は、軸線Oに直交する断面形状が半円弧状で下方に向けて開口している。この上半車室92は、その下端部を下半車室91の上端部に突き合わせるようにして、下半車室91上に載置されている。下半車室91と上半車室92は、不図示のボルト等によって一体に締結され、車室90を構成している。
そして、車室90において、軸線Oに沿った方向における両側の軸端部90sには、下半車室91と、上半車室92とにより、ロータ30を挿通させる貫通孔95が形成されている。
【0024】
ロータ30は、動翼70が設けられた中間部が車室90内に収容されている。ロータ30は、その両端部が、車室90の軸線Oに沿った方向における両側の軸端部90sにそれぞれ形成された貫通孔95を通して、車室90の外部に突出している。
【0025】
ロータ30は、車室90から外方に突出した両端部が、軸受部60により回転可能に支持されている。
軸受部60は、ロータ30の両端部にそれぞれ設けられたジャーナル軸受61と、ロータ30の一端側に設けられたスラスト軸受62と、を備えている。
【0026】
図2図3に示すように、上記の下半車室91の上端部には、外方に向けて突出するフランジ部(被支持部)10が形成されている。図3に示すように、このフランジ部10は、軸端部90sのそれぞれにおいて、軸線Oを挟んだ両側に配置されている。また、図2に示すように、フランジ部10は、軸端部90sから、それぞれ軸線Oに沿って下半車室91の外方に向かって突出して形成されている。
【0027】
各フランジ部10の下方には、フランジ部10の位置に対応して軸線Oを挟んだ両側に支持脚(支持部)11が設置されている。
支持脚11は、地盤に構築された基礎Gに下端部が固定され、上方に向けて延びるよう設けられている。この支持脚11は、基礎Gに固定された軸受部60(ジャーナル軸受61、スラスト軸受62)とは離れて、独立して基礎Gに固定されている。
【0028】
支持脚11の上端部と、フランジ部10との間には、案内部12Aが設けられている。これにより、支持脚11は、案内部12Aを介してフランジ部10を支持している。
案内部12Aは、支持脚11と一体に形成されたベース部材13と、フランジ部10と一体に形成されたスライド部材14と、を備えている。
【0029】
ベース部材13の上面には、第一の傾斜面13sが形成されている。第一の傾斜面13sは、軸端部90sから離間するにしたがい、フランジ部10を下半車室91および上半車室92においてフランジ部10が設けられた側、つまりこの実施形態では下半車室91側である下方に傾斜している。即ち、第一の傾斜面13sは、軸端部90sから軸方向に沿って離れるにしたがって、軸線Oから下方に向かって離れるように形成されている。
【0030】
スライド部材14の下面には、第二の傾斜面14sが形成されている。第二の傾斜面14sは、第一の傾斜面13sに対向する面であり、第一の傾斜面13sに沿って摺動可能とされている。
【0031】
なお、このような案内部12Aは、車室90の軸線O方向の少なくとも一方の軸端部90sのフランジ部10に設けるのが好ましい。
【0032】
上述したような車室90の支持構造、およびそれを備えた車室90、蒸気タービン100によれば、蒸気タービン100の作動時に発生する熱によって、車室90が熱変形してフランジ部10及び支持脚11が熱伸びし、フランジ部10が軸線Oに沿った方向に変位した場合、案内部12Aのスライド部材14が、ベース部材13に対して軸線Oに沿った方向に相対的に変位する。具体的には、車室90やフランジ部10が軸線Oに沿って外方に向かって延びることで、スライド部材14sは、ベース部材13sに対して軸線Oに沿って外方に向かって移動する。すると、スライド部材14の第二の傾斜面14sが、ベース部材13の第一の傾斜面13sに摺動することで、スライド部材14は、ベース部材13に対して下方に変位する。これにより、熱伸びによってフランジ部10が軸線Oに沿って軸端部90sから離間する方向に変位した場合、フランジ部10は、同時に下方に変位する。したがって、車室90の軸端部90sは、軸線O方向に熱伸びしつつ下方に変位する。
【0033】
これにより、車室90の下部である下半車室91では、ロータ30側の回転系の部材との鉛直方向での隙間が狭まるのを抑え、車室90の上部である上半車室92では、ロータ30側の回転系の部材との鉛直方向の隙間が広がるのを抑える。
その結果、ロータ30側の回転系の部材に対する車室90側の静止系の部材の偏心を抑えることが可能となる。
しかも、案内部12Aは、簡易な構成であるので、低コストで上記効果を得ることができる。さらに、案内部12Aは、何らの制御が不要である。第一の傾斜面13s、第二の傾斜面14sの傾斜角度を、予め検討を行って適切に設定することで、車室90側の部材とロータ30側の部材との隙間を容易に適正に維持できる。
【0034】
また、案内部12Aは、熱伸びにより、フランジ部10に水平面内での車室90の径方向への変位が生じた場合、スライド部材14の第二の傾斜面14sが、ベース部材13の第一の傾斜面13s上で摺動しつつ、上下方向の変位は生じない。
【0035】
また、案内部12Aは、軸受部60とは別に独立して基礎Gに設けられている。これにより、案内部12Aとフランジ部10に相対変位を生じ、上下方向のスライドを可能とする。
【0036】
(第一実施形態の変形例)
なお、上記第一実施形態では、フランジ部10と一体に形成されたスライド部材14に、第二の傾斜面14sを形成したが、これに限らない。
図4は、上記第一実施形態で示した案内部の変形例を示す側断面図である。
図4に示すように、フランジ部10の下面に、第二の傾斜面14sを直接形成しても良い。
【0037】
また、第一の傾斜面13sについても、支持脚11上に設けたベース部材13ではなく、支持脚11の上面に直接形成しても良い。
【0038】
(第二実施形態)
次に、本発明にかかるタービンの車室支持構造、およびそれを備えた車室、タービンの第二実施形態について説明する。なお、以下に説明する第二実施形態においては、上記第一実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
図5は、この発明の第二実施形態に係るタービンの車室支持構造を示す側断面図である。
図5に示すように、この実施形態における蒸気タービン100は、支持脚11の上端部と、フランジ部10との間に、案内部12Bを備えている。これにより、支持脚11は、案内部12Bを介してフランジ部10を支持している。
【0039】
案内部12Bは、リンク部材20を備えている。リンク部材20は、車室90が軸線O方向に熱伸びしていない状態では、支持脚11からフランジ部10に向かって鉛直方向に延びるように配置されている。リンク部材20の一端20aは、支持脚11に回動自在に連結されている。また、リンク部材20の他端20bは、フランジ部10側に設けられた連結部材21に回動自在に連結されている。
【0040】
なお、このような案内部12Bは、車室90の軸線O方向のいずれか一方の軸端部90sのフランジ部10のみに設けるのが好ましい。
【0041】
ここで、リンク部材20は、支持脚11及び連結部材21に対して、軸線O方向を含む鉛直面内で回動可能に設けられている。
また、リンク部材20は、車室90の熱伸びによりフランジ部10が変位した際には、フランジ部10を、フランジ部10が設けられた下半車室91側、つまり下方に変位させるよう設けられている。つまり、リンク部材20の一端20aと他端20bを結ぶ方向の鉛直方向に対する傾斜角度が、車室90が軸線O方向に熱伸びするにしたがって大きくなるようにする。
【0042】
上述したような構成によれば、リンク部材20を備えた案内部12Bにおいて、車室90が熱変形して熱伸びによりフランジ部10が軸線Oに沿って外方に変位した際には、リンク部材20が一端20aを中心に回動することで、フランジ部10を、軸線Oよりも下方に向かって案内する。これにより、熱伸びによりフランジ部10が軸線Oに沿って軸端部90sから離間する方向に変位した場合、フランジ部10は、同時に下方に変位する。したがって、車室90の軸端部90sは、軸線O方向に熱伸びしつつ下方に変位する。
その結果、ロータ30側の回転系の部材に対する車室90側の静止系の部材の偏心を有効に抑制することが可能となる。
しかも、案内部12Bは、簡易な構成であるので、低コストで上記効果を得ることができる。さらに、案内部12Bは、何らの制御が不要である。リンク部材20の長さや傾斜角度を、予め検討を行って適切に設定することで、車室90側の部材とロータ30側の部材との隙間を容易に適正に維持できる。
【0043】
(第二実施形態の変形例)
上記第二実施形態で示した構成に加え、以下に示すような構成を備えるようにしても良い。
図6は、上記第二実施形態で示した案内部の変形例を示す側断面図である。
図6に示すように、リンク部材20に対し、リンク部材20の回動を拘束可能な拘束部材25をさらに備えるようにする。
拘束部材25は、その一端25aがリンク部材20の中間部20cに連結されている。拘束部材25は、他端25bが、リンク部材20の一端20aに対し、軸線Oに沿って外方に離間した位置で、基礎Gに連結されている。
そして、この拘束部材25は、リンク部材20および基礎Gに対し、着脱可能とされている。
【0044】
このように構成することで、車室90の設置時には、拘束部材25を装着すれば、リンク部材20の回動を拘束することができる。これにより、リンク部材20が不用意に回動するのを防ぎ、蒸気タービン100の設置作業を容易に行うことができる。
そして、蒸気タービン100の設置完了後、拘束部材25を取り外す。拘束部材25の取り外し後は、案内部12Bは、図5に示した第二実施形態と同様の挙動を示す。
【0045】
なお、拘束部材25は、一定の負荷がかかることでリンク部材20から脱落したり、他端25bを中心に回転したりする構造としてもよい。このような構造とすることで、車室90の設置後に、拘束部材25を取り外す手間を省略することができる。
【0046】
(第三実施形態)
次に、本発明にかかるタービンの車室支持構造、およびそれを備えた車室、タービンの第三実施形態について説明する。なお、以下に説明する第三実施形態においては、上記第一実施形態と共通する構成については図中に同符号を付してその説明を省略する。
図7は、この発明の第三実施形態に係るタービンの車室支持構造を示す図であり、車室の軸線方向から見た図である。
上記第一、第二実施形態では、案内部12A,12Bは、車室90の軸線O方向の熱伸びが生じたときに、車室90を上下方向に変位させるようにした。これに対し、この第三実施形態では、案内部12Cは、車室90の軸線O方向に直交する径方向の熱伸びが生じたときに、車室90を上下方向に変位させる。
【0047】
図7に示すように、この実施形態における蒸気タービン100は、支持脚11の上端部と、フランジ部10との間に、案内部12Cを備えている。
【0048】
案内部12Cは、ベース部材13の上面に形成された第一の傾斜面13sが、軸線Oから車室90の径方向外方に離間するにしたがい、フランジ部10を下半車室91および上半車室92においてフランジ部10が設けられた側、つまりこの実施形態では下半車室91側である下方に傾斜している。
【0049】
フランジ部10に設けられたスライド部材14の下面には、第一の傾斜面13sに対向するとともに、第一の傾斜面13sに沿って摺動可能とされた第二の傾斜面14sが形成されている。
【0050】
上述したような車室90の支持構造、およびそれを備えた車室90、蒸気タービン100によれば、熱伸びによりフランジ部10が軸線Oに直交する車室90の径方向に変位した場合、案内部12Cのスライド部材14が、ベース部材13に対して径方向に相対的に変位する。具体的には、車室90やフランジ部10が径方向に沿って水平方向の外周側に向かって延びることで、軸線Oを挟んで配置された二つのスライド部材14sは、それぞれベース部材13sに対して水平方向の外周側に向かって移動する。即ち、スライド部材14s同士が離れるように移動する。すると、スライド部材14の第二の傾斜面14sが、ベース部材13の第一の傾斜面13sに摺動することで、スライド部材14は、ベース部材13に対して上下方向に変位する。これにより、フランジ部10は、車室90が熱伸びし、フランジ部10が車室90の径方向に沿って外周側に変位した場合、フランジ部10は、同時に下方に変位する。したがって、車室90の軸端部90sは、径方向に熱伸びしつつ下方に変位する。
その結果、ロータ30側の回転系の部材に対する車室90側の静止系の部材の偏心を有効に抑制することが可能となる。
【0051】
また、案内部12Cは、熱伸びにより、フランジ部10に軸線O方向への変位が生じた場合、スライド部材14の第二の傾斜面14sが、ベース部材13の第一の傾斜面13s上で摺動しつつ、上下方向の変位は生じない。
【0052】
このような構成は、例えば高圧タービンと中圧タービンとが軸線O方向に連結される場合の車室や、軸線O方向の変位が固定された構造の車室に適用することができる。
【0053】
(第三実施形態の変形例)
上記したような第三実施形態の構成は、上記第一実施形態の変形例、第二実施形態およびその変形例の構成を組み合わせることが可能である。
【0054】
(その他の実施形態)
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の各実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
図8は、上記各実施形態の変形例であり、上半車室にフランジ部を設けた場合のタービンの車室支持構造を示す側断面図である。
上記第一実施形態から第三実施形態では、下半車室91にフランジ部10を設けるようにしたが、これに代えて、図8に示すように、上半車室92にフランジ部18を設け、支持脚11とフランジ部18との間に、案内部12Dを備えるようにしても良い。
【0055】
この場合、案内部12Dは、熱伸びによりフランジ部10が変位した際に、フランジ部18を、フランジ部18が設けられた上半車室92側、つまり上方に向かって案内する。
【0056】
このような構成によっても、車室90が熱伸びし、フランジ部10が変位した場合、フランジ部10は、同時に上方に変位する。したがって、車室90の軸端部90sは、熱伸びしつつ上方に変位する。その結果、上半車室92が反ることを抑制し、ロータ30側の回転系の部材との鉛直方向の隙間が広がるのを抑える。これにより、ロータ30側の回転系の部材に対する車室90側の静止系の部材の偏心を有効に抑制することが可能となる。
【0057】
このような構成に対しても、上記第一実施形態の変形例、第二実施形態およびその変形例、第三実施形態の構成を組み合わせることが可能である。
【0058】
また、上記各実施形態および各変形例で示した構成に対し、以下に示す構成を組み合わせることもできる。
すなわち、上記特許文献1と同様に、フランジ部10、18を含む下半車室91、及び上半車室92の表面全体を、不図示の保温材で覆うようにしても良い。
これにより、車室90および支持脚11、案内部12A〜12Dの温度の均一化を図り、車室90に生じる熱変形を軽減し、ロータ30側の回転系の部材に対する車室90側の静止系の部材の偏心をさらに有効に抑制することが可能となる。
【0059】
また、支持脚11に放熱フィンを形成して、支持脚11の不用意な昇温を抑制し、支持脚11の熱膨張を抑制する構造としてもよい。さらに、支持脚11内に空気や水などの冷却流体を送り込み、支持脚11を冷却する構造としてもよい。これらのような構造とすることで、支持脚11に生じる熱伸びを軽減し、車室90の鉛直方向への移動を抑えることができる。
【0060】
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0061】
10 フランジ部(被支持部)
11 支持脚(支持部)
12A,12B,12C,12D 案内部
13 ベース部材
13s 第一の傾斜面
14 スライド部材
14s 第二の傾斜面
18 フランジ部
20 リンク部材
20a 一端
20b 他端
20c 中間部
21 連結部材
25 拘束部材
25a 一端
25b 他端
30 ロータ
40 静翼
60 軸受部
61 ジャーナル軸受
62 スラスト軸受
70 動翼
90 車室
90s 軸端部
91 下半車室
92 上半車室
95 貫通孔
100 蒸気タービン
G 基礎
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8