【解決手段】 チケット処理方法は、チケットデータをサーバから携帯端末にダウンロードする第1の工程と、携帯端末が、起動したチケット処理アプリケーションプログラムに、ダウンロードしたチケットデータを取り込む第2の工程と、携帯端末が、チケットデータに応じた画面を表示する第3の工程と、携帯端末が、第3の工程で表示した画面上で接触位置の移動を検出し、当該接触位置の移動によって描いた閉曲線により囲まれた領域の面積が、予め定められた面積以上である場合に、当該チケットに対して消込処理を行う第4の工程とを有する。
前記第4の工程において、前記複数の押印欄のうちの一の押印欄に対し閉曲線が描かれた場合に、前記複数の押印欄における他の押印欄のうちの所定のものに対して消込がなされていることを条件に前記一の押印欄への消込を可能とすることを特徴とする請求項3に記載のチケット処理方法。
前記第4の工程において、前記携帯端末はサーバにチケットに対し消込の操作がなされた旨を送信することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載のチケット処理方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態に係るチケット処理システム10を説明する。本実施形態のチケット処理システム10では、チケットの一例として、電子的に配信されるクーポン券を処理する。
【0016】
図1はチケット処理システム10の構成を示す図である。チケット処理システム10は携帯端末20、サーバ30を備える。携帯端末20およびサーバ30は、それぞれ本発明のチケット処理システム10の構成要素として機能するためのアプリケーションを実行する。携帯端末20とサーバ30とは、インターネット等のネットワークを介して通信可能とされる。
【0017】
図2は、携帯端末20の外観図である。携帯端末20は、例えば、スマートホン、タブレットPC、ゲーム端末などの携帯端末である。なお、
図2には、携帯端末20としてスマートホンを図示している。以下、スマートホンを例として携帯端末20について説明するが、本発明は、スマートホン以外の携帯端末にも適用可能である。
【0018】
図2に示すように、携帯端末20は、縦長・矩形状の筐体210にディスプレイ220及び操作ボタン230が設けられている。筐体210は、樹脂や金属などの材質で構成される。ディスプレイ220は、縦長・矩形状であり、液晶パネルなどのディスプレイとタッチパッドなどの位置入力装置とを組み合わせたいわゆるタッチパネルディスプレイである。ディスプレイ220は、縦長の矩形状であり、携帯端末20の操作に必要なアイコンなどが表示される。ユーザは、ディスプレイ220にタッチすることで携帯端末20の操作が可能である。操作ボタン230は、電源のON/OFFなどユーザの操作入力を受け付ける。
【0019】
図3は、携帯端末20の内部構成図である。携帯端末20の筐体210内には、アンテナ201、送受信部202、制御部203、記憶部204、検出部205、スピーカ206、マイク207、撮像部208、電源209などスマートホンとして機能するために必要な構成が収容されている。
【0020】
送受信部202は、アンテナ201で受信した信号(以下、データ)を必要に応じて逆符号化した後、制御部203に出力する。また、送受信部202は、制御部203から入力されるデータを必要に応じて符号化した後、アンテナ201を介して送信する。
【0021】
制御部203は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサであり、操作ボタン230及びディスプレイ220から入力される指示信号に応じて携帯端末200全体を制御する。また、制御部203は、アンテナ201を介して送受信部202で受信したデータを記憶部204に記憶する。さらに、制御部203は、アンテナ201を介して送受信部202で受信したデータが音声データである場合、スピーカ206に出力する。記憶部204は、送受信部202で受信したデータの他、制御部203が実行するアプリケーションやオペレーティングシステム等のプログラムを記憶する。なお、制御部203は、記憶部204に記憶されたプログラムに基づき、携帯端末上で、電子チケットの取得および電子チケットの利用を含む種々の処理を実行する。なお、電子チケットの取得および電子チケットの利用の処理については後述する。
【0022】
図4は、サーバ30の機能ブロック図である。サーバ30は、
図4に示すように、例えば、通信部321、ディスプレイ322、操作部323、メモリ324、制御部325およびデータベース327を有し、これらがデータ線320を介して接続されている。
【0023】
通信部321は、例えば、携帯端末20と通信を行うために用いられる。ディスプレイ322は、制御部325が実行するプログラムが提供する様々な画面を表示する。
【0024】
操作部323は、ディスプレイ322のタッチパネル機能、キーボードやマウス等の操
作手段である。メモリ324は、制御部325が実行するプログラム、制御部325の処理に用いられるデータを一時的に記憶する。制御部325は、プログラムを実行して、サーバ30のチケット関連処理を統括的に制御する。
【0025】
データベース327はクーポンに関する情報(単に「クーポン情報」ともいう)を記憶する。
図5は、データベース327に格納されるクーポン情報の一例を示している。クーポンに関する情報としては、クーポンを識別するクーポン識別情報(クーポンを識別するIDやクーポン名など) 、クーポンで享受できるサービスの内容(たとえば割引券、1品サービス、粗品プレゼントなど)、クーポンを利用できる店舗識別情報(店舗名や店舗を識別するIDなど)、クーポンのステータス情報(登録済み・未登録・期間外など)、クーポン消込処理用スタンプの印影画像が挙げられる。その他に例えば、クーポンを利用出来る枚数情報(たとえば先着○名様など) 、クーポンを利用できる店舗に関する情報(住所、電話番号など)、当該クーポンが対応づけられているイベント情報、イベントが開催されている場所の位置情報、イベントが開催されている場所から店舗までの経路を示す地図情報、クーポンの利用期間、クーポンを利用したユーザの情報(ユーザID、位置情報、利用日時など)などをクーポンIDと紐付けてデータベースに格納してもよい。
【0026】
ユーザがクーポンを利用するには、まずユーザの携帯端末20が未使用クーポンの取得をすること(すなわち、チケットデータをサーバ30から携帯端末20にダウンロードすること)必要がある。未使用クーポンの取得方法はユーザが能動的に取得してもよいし受動的に取得してもよい。
【0027】
能動的な取得方法としては、例えば、携帯端末20をユーザが操作して希望のクーポンを検索・取得することが挙げられる。具体的には、ユーザがクーポンを利用可能な店舗に来店した時に、ユーザの携帯端末20を操作してサーバ30へクーポン取得要求を送信し、この要求に応じてサーバ30がデータベース327に記憶してあるクーポン情報のうち、当該店舗で利用可能なクーポン情報を検索結果としてユーザの携帯端末20へ送信するように構成するとよい。
【0028】
また、受動的な取得方法としては、例えば、サーバ30から強制的に、サーバ30から携帯端末20に未使用クーポンを配信(或いはプッシュ通知)することが挙げられる。サーバ30が携帯端末20にクーポンを配信・通知する際の条件として、携帯端末20からサーバ30に送信される携帯端末20の位置情報等のユーザ情報とデータベース327に記憶されたクーポン情報を突合させ、合致する情報がある場合にユーザの携帯端末20へクーポン情報の通知を送信するように構成するとよい。例えば、携帯端末20の位置情報が渋谷駅前とすると、データベース327が記憶するクーポン情報のうちクーポンを発行している店舗の位置情報が渋谷駅前であるクーポンを携帯端末20へ送信する。その他、ユーザが希望するクーポンの種類(たとえば料理のジャンル(和食、中華、イタリアン、フランス料理など)、飲食店の種類(ファミリーレストラン、ファーストフード、丼屋、居酒屋、割烹、バー、中華料理店、イタリア料理店など)、特定の店舗、飲食店の価格帯など)をあらかじめ登録しておき、それらを検索条件に含めてユーザの嗜好に合ったクーポンを絞り込んで配信するようにしてもよい。
【0029】
なお、以上は携帯端末20が未使用クーポンを取得する手法の一例であり、これ以外の手法で未使用クーポンを取得するようにしてもよいことは言うまでもない。例えば、サーバ30から登録ユーザに電子メール等の手段を利用して、クーポン自体やクーポンのダウンロードページへのアクセス情報(URL等)を配信してもよい。また、この場合に配信先の登録ユーザを登録ユーザの属性情報や過去のクーポン利用履歴等に基づいて絞り込んでもよい。
【0030】
携帯端末20がサーバ30から未使用クーポンを取得すると、携帯端末20のチケット処理システム用アプリケーションを実行することで、例えば
図6に示したように、該当のクーポンがディスプレイ220に表示される。
【0031】
次に
図7に示したフローチャートを参照して、チケット処理システム10により発行されたクーポンに対して消込処理を行い、クーポンを利用するときの動作手順を説明する。まずユーザが携帯端末20にインストールされたクーポン処理アプリケーションを立ち上げる(ステップS100)。携帯端末20の制御部203はユーザの操作に基づき、未使用クーポンをディスプレイ220上に表示する(ステップS110)。続いて、ディスプレイ220に未使用クーポンを表示した状態で、ユーザが携帯端末20を店舗スタッフに提示すると、店舗スタッフは携帯端末20を操作し、
図8の画面例の中に破線矢印で示したように携帯端末20のタッチパネルディスプレイ上に閉曲線を描くことにより、未使用クーポンを使用済みとする消込操作を行う。このとき描かれた閉曲線で囲まれた領域が所定の面積よりも小さい場合には、携帯端末20の制御部203は処理をステップS110に戻す。一方、閉曲線で囲まれた領域が所定の面積以上である場合(ステップS120;Yes)、携帯端末20の制御部203は処理をステップS130に進める。ステップS130において、携帯端末20は、サーバ30に消込操作が実行された旨の情報を送信する。
【0032】
なお、
図8に示したように、ステップS120において判定条件の境界となる所定の面積を有する図形(例えば
図8中で斜線が付された円)を画面中に表示するとよい。このような所定面積を有する図形は、未使用クーポンが表示されているタッチパネルディスプレイ220への接触が検出されているときのみ表示されるようにしてもよい。
【0033】
これに応じてサーバ30の制御部325は、使用しようとするクーポンの情報がデータベース327に利用可能なものか否か(例えば、登録済みのものか否か、利用可能な期間であるか否か等)を照会する(ステップS140)。データベース327にてクーポン情報が突合された結果、利用可能であると判定されると(ステップS140;Yes)、制御部325はデータベース327に記憶されたクーポン情報のステータスを未使用から使用済みに更新する(ステップS150)。また、サーバ30は、クーポンが利用可能である旨の情報を携帯端末20に送信する(ステップS160)。このときサーバ30は消込処理が適切になされたことを示すために、サーバ30のデータベース327に記憶してある使用済みを示すスタンプの印影の画像を、通信部から携帯端末20へ送信する。印影はクーポン毎に異なるものであってもよいし、共通のものであってもよい。携帯端末20は、クーポンが利用可能である旨の情報を受信すると、クーポン未使用の画面をクーポン使用済みの画面に移行させる(ステップS170)。具体的には、
図9に例示したように、サーバ30から提供された印影の画像を、ステップS120にてタッチパネルディスプレイ上に描いた閉曲線の中心点に、クーポンの画像に重ねて配置する。これにより消込処理は完了し、ユーザはクーポンを使用することができる。
【0034】
サーバ30のデータベースに登録済みのクーポンが使用される際に、クーポンを利用したユーザ情報・店舗情報・日時情報などが携帯端末20を通してサーバ30に送信し、データベース327に蓄積してもよい。蓄積した情報を店舗やイベント主催者に提供し、マーケティング活動や販売促進活動などに活用してもらうこともできる。
【0035】
一方、携帯端末20からサーバ30に送信されたクーポン情報が、データベース327に記憶されたクーポン情報と突合され、利用不可である(例えば、未登録、期間外等)と判定された場合(ステップS140;No)、サーバ30は通信部321を介して、当該クーポンが利用できない旨をユーザの携帯端末20に通知し、携帯端末20はこの通知を受信する(ステップS180)。クーポンが利用できない旨の通知を受信すると、携帯端末20は、ディスプレイ220にクーポンが利用できない旨を表示して処理を完了する(ステップS190)。このような表示がなされた場合、ユーザは店舗においてこのクーポンを利用できない。また使用済みのクーポンは消込処理により消込処理後の画面に移行しているため、店舗スタッフにもユーザにも使用済みとの判定が可能である。以上により未登録のクーポンや期間外のクーポン、使用済みクーポン等の不正利用や誤利用を防止することができる。
【0036】
上述のクーポンを利用する手順におけるステップS120において、タッチパネルディスプレイ上に閉曲線を描き、当該閉曲線で囲まれた領域の面積が所定の面積以上である場合に消込処理を行う旨を説明したが、この点について補足して説明する。
【0037】
図10に示したように、タッチパネルディスプレイ上に描いた軌跡が複数の閉じた領域を有する場合、軌跡を描き始めてから最初に形成される閉曲線の面積(
図10中の斜線部)により消込処理に進むか否かを判定するとよい。
【0038】
また、
図11に示したように、タッチパネルディスプレイ上に描いた軌跡が閉曲線とならず両端が開いている場合、制御部203は、軌跡の始点及び終点をそれぞれにおける接線に沿って延長し、延長した直線も含めて閉曲線を描かれたとして扱ってもよい。なお、軌跡は直線ではなく曲線により延長してもよい。
【0039】
印影の表示位置を閉曲線の中心とするとよい旨説明したが、中心とは閉曲線で囲まれた図形の重心位置としてもよいし、閉曲線で囲まれた図形のX座標(横軸)およびY座標(縦軸)のそれぞれについて最大値(Xmax,Ymax)と最小値(Xmin,Ymin)の中間値((Xmax+Xmin)/2,(Ymax+Ymin)/2)を中心としてもよい。
【0040】
また、閉曲線の面積に加え、閉曲線の形状(例えば頂点の数)を消込処理に進むか否かの判定条件に加えてもよい。
【0041】
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。第1実施形態では1つのクーポン・チケットに対して1つの印影を表示して消込を完了していたのに対し、本実施形態に係るチケット処理システムの特徴は、スタンプカードのように1つのチケットに複数のスタンプを押せる点にある。このような構成を採用したことに伴う変更点以外については、上述した第1実施形態と同様なので、ここでの説明を省略する。
【0042】
本実施形態において、サーバ30のデータベース327は、第1実施形態におけるクーポン情報と類似したスタンプカード情報を格納する。スタンプカード情報は、スタンプカード識別情報(スタンプカードIDやスタンプカードの名など)にスタンプカード内の押印欄識別情報(押印欄IDなど)、引き換え欄識別情報(引き換え欄ID)、ユーザ識別情報(ユーザID)が紐づけられている点で第1実施形態におけるクーポン情報と異なる。一つのスタンプカード識別情報に対し、複数の押印欄識別情報が紐づけられてよい。
【0043】
第1実施形態のクーポンは1つのクーポンに対して1つのサービスと交換する。よって消込処理も1枚につき1度である。一方、本実施形態のスタンプカードは、定められた期間中に、定められた店舗で、定められた回数のスタンプを収集するもので、すべてのスタンプを収集することでサービスが受けられるものである。
【0044】
図12は未使用スタンプカードの表示画面の一例である。スタンプカードにはスタンプ押印欄401と引き換え欄402の二種類の消込処理欄が設けられる。スタンプ押印欄401は、スタンプを収集するために消込処理を行う欄であり、店舗側で定めたスタンプを集めなければならない数の分だけ設けられる。引き換え欄402は、スタンプをすべて収集しサービスと引き換える時に、当該スタンプカードを使用済みとするための消込処理欄である。スタンプ押印欄に消込処理を行いスタンプ収集が始まると、
図13のような画面になる。消込処理が行われたスタンプ押印欄401には、データベース327に記憶してある押印欄用のスタンプの印影が配置される。すべてのスタンプが集まり、サービスと引き換える時に、サービス引き換え欄402に消込処理が行われ、
図14のように引き換え欄402にデータベース327に記憶していた消込処理が適切に完了したことを示すスタンプの印影が配置される。
【0045】
以下、図面を参照しつつスタンプカード利用の手順を説明する。下記の手順で利用されるスタンプカードは、予めサーバ30から携帯端末にダウンロードされているものとする。はじめにスタンプ押印欄401へのスタンプ収集の手順から
図15を参照して説明する。まずアプリケーションを起動する(ステップS200)。アプリケーションを起動すると、予めダウンロードしてあるスタンプカードのデータがアプリケーションに取り込まれる。ユーザは携帯端末20に未使用またはスタンプ収集途中のスタンプカードを表示するよう操作し(ステップS201)、当該スタンプカードの利用出来る店舗にて会計時に携帯端末20を店舗スタッフに提示する。店舗スタッフはユーザが1000円以上の買い物をしているか確認する。1000円以上の買い物をしている場合、携帯端末20のスタンプカード上のスタンプ押印欄401所定の面積を満たす閉曲線を描く(ステップS202)。閉曲線が所定の面積未満の場合(ステップS202;No)は処理をステップS201に戻す。閉曲線が所定の面積を満たしている場合(ステップS202;Yes)、携帯端末20は、サーバ30にスタンプ押印欄401への消込操作がなされた旨の情報を送信する(ステップS203)。
【0046】
サーバ30は、スタンプ押印欄401への消込操作がなされた旨の情報を受信すると、制御部325により、データベース327に利用可能な(すなわち登録済みであり利用期間内の)スタンプカードか否かステータスの照会を行う(ステップS204)。スタンプカードが利用可能でない(すなわち未登録もしくは期間外)の場合(ステップS204;No)、サーバ30は携帯端末20にその旨の通知を送信する(ステップS210)。携帯端末20は、スタンプカードが利用可能でない旨の通知を受け取ると、ディスプレイ220上に、スタンプカードが「未登録」もしくは「期間外」であると表示して(ステップS211)、処理を終了する。
【0047】
一方、スタンプカードが利用可能である場合(ステップS204;Yes)には、サーバ30にて当該スタンプカードのスタンプ押印欄401の順番通り、もしくは指示通りに消込処理が行われているかステータスを照会する(ステップS205)。スタンプ押印欄401の順番通りもしくは指示通りに消込処理が行われていない場合(ステップS205;No)、サーバ30は携帯端末20に「不正」である旨の通知を送信する(ステップS220)。「不正」であるとの通知を受けると、携帯端末20はディスプレイ220上に当該スタンプカードのスタンプ押印欄401の消込処理の順番が「不正」である旨を表示して(ステップS221)、処理を終了する。
【0048】
スタンプ押印欄401の順番通りもしくは指示通りに消込処理が行われている場合、制御部325は、データベース327に記憶されたスタンプカードの押印欄情報のステータスを使用済みに更新し(ステップS206)、サーバ30の通信部321から携帯端末20へスタンプ押印欄401用のスタンプの印影の画像を送信(ステップS207)する。携帯端末20は送信された押印欄用のスタンプの印影の画像をディスプレイ220に表示されたスタンプカードのスタンプ押印欄401に配置して(ステップS208)、処理を終了する。
【0049】
上述の手順において、
図13に示した画面例では、スタンプ押印欄401内に閉曲線を描くものとしたが、
図16に示すように、画面内の広範な領域に消込操作のための閉曲線を描くようにし、描かれた閉曲線で囲まれた領域の面積が所定の面積よりも大きい場合に、一度大きく印影を表示し、その状態からスタンプ押印欄401に印影が縮小しつつ配置されるようなアニメーションを表示してもよい。この場合、複数のスタンプ押印欄401のうちの1つをタップすることにより、いずれのスタンプ押印欄401に押印するかを指定するとよい。
【0050】
スタンプ押印欄401の数だけ上述のステップS200〜S208を繰り返す(ステップS209)ことにより、ユーザはスタンプカードに設けられたすべてのスタンプ押印欄401にスタンプ(印影)を集めることができる。
【0051】
次にスタンプカードの引き換え欄402の消込処理について
図17を参照して説明する。まずアプリケーションを起動する(ステップS300)。アプリケーションを起動すると、予めダウンロードしてあるスタンプカードのデータがアプリケーションに取り込まれる。ユーザは携帯端末20を操作して、スタンプ収集済みのスタンプカード画面をディスプレイ220に表示する(ステップS301)。ステップS300はスタンプカードのスタンプ押印欄401のスタンプ収集フローが全て完了し、引き続きそのまま引き換えフローを行うときには省略される場合がある。スタンプカードの引き換え欄402に所定の面積を満たす閉曲線を描く(ステップS302)。閉曲線が所定の面積未満であれば(ステップS302;No)、処理をステップS301に戻す。閉曲線が所定の面積以上であれば(ステップS302;Yes)、携帯端末20は、サーバ30に引き換え欄402への消込操作がなされた旨の情報を送信する(ステップS303)。
【0052】
サーバ30は、引き換え欄402への消込操作がなされた旨の情報を受信すると、制御部325により、サーバ30にてデータベース327に利用可能な(すなわち登録済みであり利用期間内の)スタンプカードであるかステータスを照会する(ステップS304。スタンプカードが利用可能でない(すなわち未登録もしくは期間外)の場合(ステップS304;No)であると判定すると、サーバ30は、携帯端末20にその旨が通知する(ステップS310)。利用可能でない旨の情報を受信すると、携帯端末20は、ディスプレイ220にスタンプカードが「未登録」もしくは「期間外」である旨を表示し(ステップS311)、処理を終了する。一方、スタンプカードが利用可能である場合(ステップS304;Yes)、サーバ30にて当該スタンプカードの引き換え欄情報のステータスを使用済みに更新する(ステップS305)。サーバ30は、データベース327が記憶する適切に消込処理が行われたことを示す引き換え欄402用のスタンプの印影の画像データを携帯端末20に送信する(ステップS306)。携帯端末20はスタンプの印影を引き換え欄402に配置して(ステップS307)、処理を終了する。ステップS307を経ることによりスタンプカードの引き換え欄402の消込処理が適切に完了し、ユーザはスタンプカードをサービスと引き換えることができる。
【0053】
以上で説明したようなスタンプカード形式であれば、何らかのイベントと絡めて活用することもできる。またスタンプを他では手に入らないプレミアム性の高いものにし、スタンプの収集自体を目的にしてもよい。
【0054】
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態のチケット処理システムは、番号の入力と押印位置の指定をすることにより消込処理を行う点に特徴がある。それ以外は、第1実施形態と同様なので、ここでの説明を省略する。
【0055】
図18は、携帯端末20にインストールされたチケット処理アプリケーションを立ち上げて未使用クーポンを表示した画面の一例である。ユーザは当該クーポンを利用できる店舗で未使用クーポンを表示した画面を店舗スタッフに提示する。このクーポンには店舗番号入力欄501が設けられ、この店舗番号入力欄501に、店舗に割り当てられた店舗番号を入力する。店舗番号は店舗ごとに異なる番号が付与されており、その番号とクーポン情報が紐付けられることにより、クーポンがどの店舗で利用されたのかが分かるようになっている。そして店舗スタッフによって携帯端末20のタッチパネルディスプレイ220がタップされると、利用されようとするクーポンの識別情報をサーバ30に送信する。なお、店舗番号が誤って入力されている場合には、制御部203は店舗番号が誤っている旨を画面に表示し、正しい店舗番号の入力を促すとよい。サーバは、携帯端末20から送信された入力された店舗番号とし利用されようとするクーポンの識別情報を受信し、データベース327に記憶されたクーポン情報のステータスを照会する。当該クーポンがサーバ30のデータベースに登録済みのものであれば、サーバ30の制御部325は、データベース327のクーポン情報のステータスを未使用から使用済みに更新するとともに、使用済みを表すスタンプの印影を通信部321を介して携帯端末20に送信する。携帯端末20はそのスタンプを、店舗スタッフがタッチパネルディスプレイをタップした場所を中心点としてクーポンの画面に重ねて表示する。これによりユーザはクーポンを利用出来る。またクーポン情報がサーバ30のデータベース327と突合して未登録または期間外と判定された場合は、その旨がサーバ30から携帯端末20に送信され、ユーザはクーポンを利用できない点は第1実施形態と共通である。
【0056】
画面をタップするという動作により、タップした場所を中心点としてスタンプの印影を配置できるため、スタンプを押す位置を自由に選ぶことができる。この動作はタップに限らず、実施第一形態のように所定の面積以上を満たす閉曲線を描き、その中心点にスタンプの印影を配置するなどでもよい。この場合でもスタンプの印影の場所を選ぶことができる。
【0057】
またユーザの形態端末のディスプレイをタップする動作を省略し、店舗番号入力後すぐにスタンプを描写するようにしてもよい。その場合は予め定められた場所にスタンプの印影が配置されることようにするとよい。
【0058】
〔実施形態の変形〕
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることができることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、請求の範囲の記載から明らかである。
【0059】
例えば、上述の第3実施形態では、第1実施形態と同様に1枚につき1回使うことのできるクーポン券を利用する場合を例に説明したが、第2実施形態と同様に1つのチケットに複数のスタンプを押せるスタンプカードにおける消込に第3実施形態の消込処理時の操作を適用してもよい。
【0060】
また、タッチパネルディスプレイに描いた閉曲線の面積に応じて消込処理を行う場合に、閉曲線を描く消込操作は、店舗スタッフではなくユーザ自身が行ってもよい。
【0061】
また、第1実施形態で述べたような、消込処理によりユーザのインセンティブを減らす態様(つまり、クーポンの利益を消滅させるもの)ではなく、例えばスタンプラリーのようにスタンプを押すことによりユーザのインセンティブを増やすもの(つまり、スタンプを押したり貯めたりすることでユーザに何らかの権利、利益が発生するもの)については、ユーザ自身が簡単に操作をして押印ができてしまうと不正利用が容易となる虞がある。このような不正利用を防止すべく、携帯端末が所定の位置や領域にいるときにのみ押印を可能とするとよい。例えば、携帯端末がGPSのような位置情報把握機構を有する場合には、携帯端末の位置情報に応じて押印の可否を決定するとよい。また、例えば携帯端末がBluetooth(登録商標)による通信機能を有する場合には、押印を許可するエリアに所定のBluetooth機器を配置し、当該Bluetooth機器との通信が確認できた場合にのみ押印を可能とするとよい。また、押印を許可するエリアに超音波発生器を配置し、携帯端末が備えるマイクで超音波を検出できた場合にのみ押印を可能とするとよい。Bluetoothでの通信内容や超音波に、所定のパターン等を埋め込むことにより、不正利用をさらに効果的に防ぐようにしてもよい。