特開2015-176852(P2015-176852A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-176852(P2015-176852A)
(43)【公開日】2015年10月5日
(54)【発明の名称】アース接続構造
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/64 20060101AFI20150908BHJP
   H01R 4/34 20060101ALI20150908BHJP
【FI】
   H01R4/64 C
   H01R4/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-54775(P2014-54775)
(22)【出願日】2014年3月18日
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】特許業務法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】相澤 武史
【テーマコード(参考)】
5E012
【Fターム(参考)】
5E012BA16
(57)【要約】
【課題】接地部における錆の発生を確実に防止する。
【解決手段】アース接続構造Aは、接地部10と、接地部10のアース面10S(表面)を覆う被覆層12と、被覆層12を覆うように配されたアース部材20と、アース部材20の貫通孔21に挿通された雄ネジ部34と、アース部材20を接地部10との間で挟み付ける座面36とを有する締結部材30と、アース面10Sと貫通孔21の内周面と座面36とに囲まれた接続空間40と、接続空間40内に配され、アース面10Sのうち被覆層12で覆われていない領域とアース部材20とを導通させる突起部37(導通部)と、接続空間40の内外を連通させる連通路22,38と、連通路22,38を通して接続空間40内に注入された充填材41とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接地部と、
前記接地部の表面の少なくとも一部を覆うように配された被覆層と、
前記被覆層を覆うように配されたアース部材と、
前記アース部材に形成された貫通孔と、
前記貫通孔に挿通された雄ネジ部と、前記アース部材を前記接地部との間で挟み付ける座面とを有する締結部材と、
前記接地部の前記表面と前記貫通孔の内周面と前記座面とに囲まれた接続空間と、
前記接続空間内に配され、前記接地部の前記表面のうち前記被覆層で覆われていない領域と、前記アース部材とを導通させる導通部と、
前記接続空間の内外を連通させる連通路と、
前記連通路を通して前記接続空間内に注入された充填材とを備えていることを特徴とするアース接続構造。
【請求項2】
前記連通路が、前記座面において前記接続空間に開口する形態で前記締結部材に形成されていることを特徴とする請求項1記載のアース接続構造。
【請求項3】
前記連通路が前記アース部材に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のアース接続構造。
【請求項4】
前記連通路が、複数カ所に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のアース接続構造。
【請求項5】
前記導通部が、前記座面から突出した形態であり、前記締結部材の締付けに伴って前記被覆層を除去するようになっていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のアース接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アース接続構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、表面が塗料や錆止剤等の被覆層で覆われた車体に、アース用端子金具を接続する手段として、アース用端子金具と被覆層との間に、突起を有する導電性の被締結材を介装し、突起が被覆層を突き破って車体に接触することにより、アース用端子金具と車体が接続されるようにしたアース接続構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013−149514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のアース接続構造では、突起が、被覆層を突き破るときに車体の表面も削る。そのため、突起で削られた部分に水分が付着して錆が発生することを防止する手段として、突起が収容される空間に対する外部からの浸水を防止するためのパッキンが設けられている。しかし、パッキンによって外部からの浸水を防いでも、突起が収容されている空間内の空気に含まれる水分によって錆が発生することが懸念される。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、接地部における錆の発生を確実に防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のアース接続構造は、
接地部と、
前記接地部の表面の少なくとも一部を覆うように配された被覆層と、
前記被覆層を覆うように配されたアース部材と、
前記アース部材に形成された貫通孔と、
前記貫通孔に挿通された雄ネジ部と、前記アース部材を前記接地部との間で挟み付ける座面とを有する締結部材と、
前記接地部の前記表面と前記貫通孔の内周面と前記座面とに囲まれた接続空間と、
前記接続空間内に配され、前記接地部の前記表面のうち前記被覆層で覆われていない領域と、前記アース部材とを導通させる導通部と、
前記接続空間の内外を連通させる連通路と、
前記連通路を通して前記接続空間内に注入された充填材とを備えているところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0007】
接続空間内では、接地部の表面のうち被覆層で覆われていない領域は、充填材で覆われているので、接地部の表面における錆の発生を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施例1のアース接続構造の接続前の分離状態をあらわす断面図
図2】アース接続構造の接続状態をあらわす断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
(1)本発明のアース接続構造は、前記連通路が、前記座面において前記接続空間に開口する形態で前記締結部材に形成されていてもよい。この構成によれば、接地部側に連通路を設けるための加工を施す必要がない。
【0010】
(2)本発明のアース接続構造は、前記連通路が前記アース部材に形成されていてもよい。この構成によれば、接地部側に連通路を設けるための加工を施す必要がない。
【0011】
(3)本発明のアース接続構造は、前記連通路が、複数カ所に形成されていてもよい。この構成によれば、いずれかの連通路から充填材を注入する際に、別の連通路から接続空間内の空気を排出されるので、注入作業が円滑に行われる。
【0012】
(4)本発明のアース接続構造は、前記導通部が、前記座面から突出した形態であり、前記締結部材の締付けに伴って前記被覆層を除去するようになっていてもよい。この構成によれば、接地部とアース部材を導通させるための導通部が、被覆層を除去する機能を兼ね備えているので、導通部とは別に専用の被覆層除去手段を設ける場合に比べると、構造の簡素化を図ることができる。
【0013】
<実施例1>
以下、本発明を具体化した実施例1を図1図2を参照して説明する。本実施例1のアース接続構造Aは、自動車のボディ等の接地部10と、接地部10に対し導通可能に接続されるアース部材20と、アース部材20を接地部10に接続した状態に保持するための締結部材30と、防水(防錆)用の充填材を備えて構成されている。尚、以下の説明において、上下方向は、図1,2に表れる向きをそのまま上方、下方と定義する。また、表面の文言を上面と同義で用い、裏面の文言を下面と同義で用いる。
【0014】
<接地部10>
接地部10の表面は、アース部材20を導通可能に接続するためのアース面10Sとなっている。接地部10には、アース面10Sから裏面まで上下方向に貫通した円形のガイド孔11が形成されている。アース面10Sと裏面は平坦面である。アース面10Sには、塗料や錆止め剤等からなる被覆層12が形成されている。この被覆層12は、ガイド孔11の内周面にも形成されている。アース面10Sを覆う被覆層12は、電気的な絶縁性を有するか、電気抵抗が非常に大きい層である。したがって、アース部材20をアース面10Sに接続して安定したアース接続を実現するためには、被覆層12を除去する必要がある。
【0015】
<アース部材20>
アース部材20は、ワイヤーハーネス等の導電路を構成する電線(図示省略)に、直接、接続されるアース用端子金具や、コイル、コンデンサ等のフィルタ素子を備えたノイズフィルタ(図示省略)に取り付けられるアースブラケット等として使用されるものである。
【0016】
アース部材20のうち接地部10と被覆層12に重ねられる部分は、厚さが一定の平板状をなしている。アース部材20には、その表面(図1,2における上面)から裏面(接地部10の被覆層12と対向する面)まで上下方向に貫通する円形の貫通孔21が形成されている。貫通孔21の内径は、ガイド孔11の内径よりも大きい寸法とされている。
【0017】
アース部材20の表面には、ガイド孔11の孔縁部から径方向外向きに延びた溝状をなす第1連通路22が形成されている。ガイド孔11の中心から第1連通路22の最外端までの距離Dは、後述するボルト33の頭部35に外接する仮想円(図示省略)の半径よりも大きい寸法に設定されている。
【0018】
<締結部材30>
締結部材30は、ナット31とボルト33との2つの部品によって構成されている。ナット31は、接地部10の裏面に溶接により固着されている。固着されたナット31は、その雌ネジ孔32がガイド孔11と同心となるように配置されている。ナット31の雌ネジ孔32には、接地部10に形成されていたような被覆層12は形成されていない。
【0019】
ボルト33は、雄ネジ部34と、雄ネジ部34の上端部に一体形成された六角形の頭部35とを備えて構成されている。雄ネジ部34は雌ネジ孔32にねじ込まれるようになっている。頭部35の下面は、雄ネジ部34を雌ネジ孔32にねじ込んで締め付けた時に、アース部材20を接地部10との間で上下に挟み付ける座面36となっている。座面36は、アース部材20の上面と平行な平坦面である。
【0020】
座面36には、複数の突起部37(請求項に記載の導通部)が、周方向に間隔を空けて一体に形成されている。突起部37は、円錐状をなし、座面36から下向きに突出している。座面36からの突起部37の突出寸法は、アース部材20の板厚寸法よりも大きい寸法に設定されている。複数の突起部37は、ボルト33(雄ネジ部34)と同心の単一仮想円周上に配置されている。複数の突起部37に内接する仮想外接円の直径寸法は、接地部10のガイド孔11の内径よりも大きい寸法である。複数の突起部37に外接する仮想外接円の直径寸法は、貫通孔21の内径よりも大きい寸法である。
【0021】
ボルト33には、頭部35を雄ネジ部34の軸線と平行に貫通する第2連通路38が形成されている。つまり、第2連通路38は、頭部の上面から座面36に連通する円形孔である。ボルト33の軸線を中心とする径方向において、第2連通路38は、突起部37に外接する仮想外接円の半径よりも大きく、貫通孔21の半径よりも小さい領域に位置している。
【0022】
<実施例1の作用及び効果>
アース部材20を接地部10に接続する際には、まず、アース部材20の貫通孔21に対し、ボルト33の雄ネジ部34と複数の突起部37を上面側から貫通させ、頭部35をアース部材20の上面に重ねて、座面36の外周縁部をアース部材20の上面のうち貫通孔21の開口縁部に当接させる。そして、頭部35とアース部材20を重ねた状態を保ったままで、接地部10の上方から雄ネジ部34をガイド孔11に挿入する。
【0023】
ここで、座面36からの雄ネジ部34の突出寸法と、座面36からの突起部37の突出寸法との寸法差を、La(図1を参照)とする。また、接地部10のガイド孔11の軸方向寸法と、アース部材20の厚さ寸法とを併せたネジ部貫通寸法を、Lb(図2を参照)とする。雄ネジ部34と突起部37の寸法差Laは、ネジ部貫通寸法Lbよりも小さい寸法に設定されている。したがって、雄ネジ部34の下端部がアース部材20と接地部10を貫通して雌ネジ孔32に到達した時点で、アース部材20を手から離して接地部10(被覆層12)に載置しても、突起部37の下端はアース部材20の上面よりも低い位置にある。つまり、突起部37の下端部が貫通孔21の内部に収容された状態となる。したがって、突起部37が貫通孔21内に確実に収容される。
【0024】
雄ネジ部34の下端が雌ネジ孔32に到達した後は、頭部35に工具(図示省略)を嵌合してボルト33を回転させ、雄ネジ部34を雌ネジ孔32にねじ込んでいく。ねじ込みの過程では、突起部37が頭部35(座面36)と一体となって回転しながら下降し、突起部37の下端部が被覆層12に接近していく。そして、突起部37の下端部が被覆層12に接触した後は、ボルト33のねじ込みが進むのに伴い、突起部37が、被覆層12を引っ掛いて接地部10の表面から剥がすように除去し、更には、突起部37の下端部が接地部10のアース面10Sに接触する。
【0025】
ボルト33のねじ込みが完了した状態では、図2に示すように、突起部37の下端部が被覆層12を突き破ってアース面10Sに食い込む。これにより、突起部37と接地部10が、直接、接触して導通可能となる。また、座面36の外周縁部が、アース部材20の上面のうち貫通孔21を包囲する円環形領域に対し、直接、接触して導通可能となる。これにより、アース部材20は、座面36、頭部35、雄ネジ部34、ナット31を通る経路と、座面36、頭部35、突起部37を通る経路とにより、接地部10に対して導通可能に接続される。
【0026】
接地部10に対するアース部材20の接続工程が完了すると、貫通孔21の内周面と、座面36と、アース面10S及び被覆層12の表面とによって囲まれた接続空間40が構成される。この接続空間40内では、突起部37が被覆層12を除去してアース面10Sの金属を露出させているため、この露出部分に水分が付着すると、錆の発生が懸念される。その対策として、本実施例1では、接続空間40内に防水性の充填材41を注入し、アース面10Sにおける金属の露出部分を、完全に覆い隠している。これにより、アース面10Sの露出部分に水分が付着することを阻止している。
【0027】
充填材41を接続空間40内に注入する際には、第1連通路22と第2連通路38を利用する。即ち、ボルト33の頭部35を上下方向に貫通する第2連通路38内に、粘性の低い状態の充填材41を注入する。注入された充填材41は、第2連通路38内を降下して接続空間内に流れ込む。この間、接続空間40内の空気は、第1連通路22を通って接続空間40の外部へ排出される。そして、充填材41が接続空間40の全体と第1連通路22と第2連通路38に充填されたところで、注入が完了する。尚、充填材41は、第1連通路22から接続空間40内に注入しても良い。この場合、接続空間40内の空気は、第2連通路38を通して排出することができる。
【0028】
本実施例1のアース接続構造Aは、接地部10と、接地部10の表面(アース面10S)の少なくとも一部を覆うように配された被覆層12と、被覆層12を覆うように配されたアース部材20と、アース部材20に形成された貫通孔21と、締結部材30を有する。締結部材30は、貫通孔21に挿通された雄ネジ部34と、アース部材20を接地部10との間で挟み付ける座面36とを有している。アース部材20を接地部10に接続した状態では、接地部10のアース面10Sと貫通孔21の内周面と座面36とに囲まれた接続空間40が構成されている。
【0029】
接続空間40内には、接地部10のアース面10Sのうち被覆層12で覆われていない領域(突起部37で被覆層12が除去された領域)と、アース部材20とを導通させる突起部37が収容されている。また、アース部材20と締結部材30には、接続空間40の内外を連通させる第1連通路22と第2連通路38が形成されている。そして、接続空間40内には、これらの連通路22,38を通して防水用の充填材41が注入されている。
【0030】
かかる構成のアース接続構造Aによれば、接続空間40内において、接地部10のアース面10Sのうち被覆層12で覆われていない領域は、充填材41で覆われている。したがって、接続空間40内に水分を含む空気が残留していたり、外部から接続空間40内に空気が流入したりしたとしても、アース面10Sにおける錆の発生を確実に防止できる。
【0031】
また、第1連通路22はアース部材20に形成されており、第2連通路38は、座面36において接続空間40に開口する形態で締結部材30に形成されている。この構成によれば、接地部10側には充填材41の注入路を形成するための加工を施す必要がない。また、1つの接続空間40の内外を連通させる手段として、第1連通路22と第2連通路38を異なる2カ所に形成しているので、いずれかの連通路22又は38から充填材41を注入する際に、別の連通路38又は22から接続空間40内の空気を排出されるので、注入作業を円滑に行うことができる。
【0032】
また、突起部37は、接続空間40内においてアース面10Sのうち被覆層12で覆われていない領域とアース部材20とを導通させる導通部としての機能を有するものである。それに加え、突起部37を座面36から突出した形態とし、締結部材30の締付けに伴って突起部37が被覆層12を除去するようになっている。このように突起部37は、接地部10とアース部材20を接地部10に導通させる機能と、被覆層12を除去してアース面10Sを露出させる機能を兼ね備えているので、突起部37とは別に被覆層12を除去するための専用手段を設ける場合に比べると、構造の簡素化が実現されている。
【0033】
また、突起部37が被覆層12を除去するのに伴い、被覆層12の削り屑が接地部10の表面から捲れ上がる。しかし、本実施例1では、被覆層12を除去する手段として、複数の突起部37を周方向に間隔を空けて配置しているので、隣り合う突起部37同士の間には、削り屑を収容するためのスペースが確保されている。したがって、被覆層12の削り屑が、突起部37とアース面10Sとの間に噛み込む虞はない。
【0034】
<他の実施例>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施例では、接続空間の全体を充填材で満たすようにしたが、接地部の表面のうち被覆層が除去された領域が、空気に触れないように充填材で覆われていれば、充填材の充填量は接続空間の容積より少なくてもよい。
(2)上記実施例では、連通路を、ボルトの頭部とアース部材の両方に設けたが、連通路は、ボルトの頭部とアース部材のうちいずれか一方のみに形成してもよい。この場合、ボルトの頭部又はアース部材に設ける連通路の数は、1つだけでもよく、複数でもよい。
(3)上記実施例では、座面がボルトの頭部に形成されているが、接地部からスタッドボルトを突出させ、このスタッドボルトにねじ込まれるナットに座面を形成してもよい。この場合、ナットの座面に突起部を形成してもよい。
(4)上記実施例では、ボルトを締め付ける工程で、座面の突起部により被覆層を除去するようにしたが、ボルト締め工程の前に予め被覆層を除去しておいてもよく、あるいは、被覆層を成膜する工程で、接続空間と対応する領域に被膜層が形成されないようにマスキングしておいてもよい。
(5)上記実施例では、座面から突出する突起部を、接地部とアース部材を導通させる導通部として機能させるようにしたが、導通部は、アース部材に形成されていてもよい。
(6)上記実施例では、座面がボルトの頭部に一体に形成されていたが、座面は、ボルトの頭部とは別体のワッシャに形成されていてもよい。この場合、ワッシャに連通路を形成してもよい。
(7)上記実施例では、アース部材に形成した第1連通路を溝状としたが、アース部材の第1連通路は、第2連通路のような孔状(トンネル状)であってもよい。
(8)上記実施例では、ボルトに形成した第2連通路を孔状(トンネル状)としたが、ボルトの第2連通路は、第1連通路のような溝状であってもよい。
(9)上記実施例では、接地部の裏面に固着したナットにボルトをねじ込むようにしたが、接地部の一部を裏面側へ円筒状に叩き出し、この円筒状の叩き出し部分にボルトをねじ込んでもよい。
【符号の説明】
【0035】
10…接地部
10S…アース面(接地部の表面)
12…被覆層
20…アース部材
21…貫通孔
22…第1連通路
30…締結部材
34…雄ネジ部
36…座面
37…突起部(導通部)
38…第2連通路
40…接続空間
41…充填材
図1
図2