特開2015-176946(P2015-176946A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-176946(P2015-176946A)
(43)【公開日】2015年10月5日
(54)【発明の名称】LED発光装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/60 20100101AFI20150908BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20150908BHJP
【FI】
   H01L33/00 432
   H01L33/00 410
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-51040(P2014-51040)
(22)【出願日】2014年3月14日
(71)【出願人】
【識別番号】000131430
【氏名又は名称】シチズン電子株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズンホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123881
【弁理士】
【氏名又は名称】大澤 豊
(74)【代理人】
【識別番号】100080931
【弁理士】
【氏名又は名称】大澤 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100134625
【弁理士】
【氏名又は名称】大沼 加寿子
(74)【代理人】
【識別番号】100085280
【弁理士】
【氏名又は名称】高宗 寛暁
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 雄亮
【テーマコード(参考)】
5F142
【Fターム(参考)】
5F142AA14
5F142AA26
5F142AA82
5F142BA02
5F142BA32
5F142CA11
5F142CD02
5F142CD44
5F142CD47
5F142CE03
5F142CG03
5F142CG24
5F142DA02
5F142DA14
5F142DA73
5F142DB12
5F142DB16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】LED素子の側面方向への漏光を完全に防止し、且つ反射枠の反射性樹脂に対する固定を、反射枠と反射性樹脂に設けた凹凸形状の組み付けによって固定することにより、組み立て性の容易さと反射枠形状の変化を自在に選択可能とした反射枠形式のLED発光装置を提供する。
【解決手段】回路基板7上にフリップチップ実装されたLED素子1と、LED素子1の発光面上に載置された蛍光体層2と、LED素子1の側面と蛍光体層2の側面とを被覆した反射性樹脂3と、蛍光体層2の上面に開口を有する反射枠9とを有し、反射枠9の下面には突起部9aを設けると共に、反射性樹脂3の上面には凹部が設けられ、反射枠9の突起部9aが、反射性樹脂3の凹部に係合固着されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上にフリップチップ実装されたLED素子と、前記LED素子の発光面上に載置された蛍光体層と、前記LED素子の側面と蛍光体層の側面とを被覆した反射性樹脂と、前記蛍光体層の上面に開口を有する反射枠とを有し、前記反射枠の下面には突起部を設けると共に、前記反射性樹脂の上面には凹部が設けられ、前記反射枠の突起部が、前記反射性樹脂の凹部に係合固着されていることを特徴とするLED発光装置。
【請求項2】
前記反射枠は前記蛍光体層の上面に、円形の湾曲開口を有する請求項1記載のLED発光装置。
【請求項3】
前記蛍光体層と反射性樹脂の上面に拡散樹脂層がさらに積層されており、前記拡散樹脂層には前記反射性樹脂の凹部に対応する位置に貫通孔が設けられ、前記反射枠の突起部が、前記拡散樹脂層の貫通孔を通して前記反射性樹脂の凹部に係合固着されていることを特徴とする請求項1または2項に記載のLED発光装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はLED素子を発光源とするLED発光装置に関するものであり、詳しくは回路基板上にフリップチップ実装された、LED素子の発光面上に蛍光体層を載置し、前記LED素子の側面と前記蛍光体層の側面とを反射性樹脂で充填封止し、さらに前記蛍光体層の上面に開口を有する反射枠とを有するLED発光装置において、側面方向への漏光を防止し、さらに製造方法が容易な構造を有するLED発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、LED素子は半導体素子であるため、長寿命で優れた駆動特性を有し、さらに小型で発光効率が良く、鮮やかな発光色を有することから、カラー表示装置のバックライトやフラッシュ装置や照明等に広く利用されるようになってきた。
【0003】
特に近年、LED素子の周囲を白色樹脂等の反射性樹脂で被覆し、LED素子の側方への発光を上方に反射せることで、上方向への発光を効率良く行わせ、また上面に開口を有する反射枠を組み合わせて上方への集光性を高めるようにした、反射枠形式のLED発光装置が提案されている。(例えば特許文献1、特許文献2)
【0004】
以下従来の反射枠形式のLED発光装置に付いて説明する。なお、理解し易いように発明の趣旨を外さない範囲において図面を一部簡略化し、また部品名称も本願にそろえている。図13は特許文献1におけるLED発光装置100の構成を示す断面図であり、LED発光装置100は、上面側に配線電極105a,105bを有する回路基板107を有し、この配線電極105a,105bは回路基板107の側面電極105cを介して裏面側の電源電極105dに接続されている。
【0005】
回路基板107の上面には配線電極105aにLED素子101がダイボンディングされており、LED素子101の上面電極はワイヤー104によって配線電極105bに接続されている。さらいLED素子101とワイヤー104とは透光性の封止樹脂103(透明樹脂または蛍光樹脂)で被覆されており、さらに回路基板107のLED素子101の実装部分の周囲にはLED素子101の発光を反射集光するための反射枠(リフレクタ)109が接着等の手段によって固定されている。
【0006】
図14は特許文献2におけるLED発光装置200の断面図を示している。
図14に示すLED発光装置200は配線電極205a,205bを有する回路基板207の中央にLED素子201をフリップチップ実装し、そのLED素子201の周囲には上方が広く開口された反射枠209(ホーン型のリフレクタ)が、反射性の白色樹脂等によって形成されて固着されている。
さらに反射枠209の周囲を黒色樹脂等からなる封止樹脂206によって封止し、この封止樹脂206によって反射枠209の開口部に蛍光体層202とレンズ233を固着している。上記構成におけるLED装置200はレンズ233の中心軸とLED素子201の中心軸とを整合して配置しているため、LED素子201から垂直上方に向かう光と、LED素子201から側方に放射されて反射枠209の反射面上で上方に反射された光はレンズ233により良好に集光されて上方に放射される。
【0007】
なお、特許文献1及び特許文献2においては、反射性を有する白色樹脂の役目としてはLEDの側面側から発光された出射光を反射させて、出射面側に戻し出射効率を高める機能を有するものであり、その構成としてはシリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等のコーティング材に反射性のフィラーとして酸化チタン、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニューム、アルミナ、窒化ホウ素等の粒子を混入したものを用いており、形成方法としては樹脂成型や、充填方法としては滴下装置や注入装置を用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−283988号公報
【特許文献2】特開2004−11862号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1や特許文献2に記載されたLED発光装置では反射枠を配線電極等の凹凸を有する回路基板上に直接、接着等の方法で固着しているために、その製造工数が多くなると共に、回路基板上の配線電極等の凹凸によって、隙間が生じ、LED素子からの側面方向への発光部分が反射枠の下方の隙間から漏光したり、反射枠の底面側で反射した出射光が乱れることによって、反射枠によるに集光が十分な状態で出射されない等の問題があった。
【0010】
そこで本発明の目的は、上記問題点を解決しようとするものであり、反射枠形式のLED発光装置において、LED素子の側面と蛍光体層の側面を反射性樹脂で被覆することによって側面方向への漏光を完全に防止し、且つ反射枠の反射性樹脂に対する固定を、反射枠と反射性樹脂に設けた凹凸形状の組み付けによって固定することにより、組み立て性の容易さと、反射枠形状の変化を自在に選択可能としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため本発明におけるLED発光装置の構成は、基板上にフリップチップ実装されたLED素子と、前記LED素子の発光面上に載置された蛍光体層と、前記LED素子の側面と蛍光体層の側面とを被覆した反射性樹脂と、前記蛍光体層の上面に開口を有する反射枠とを有し、前記反射枠の下面には突起部を設けると共に、前記反射性樹脂の上面には凹部が設けられ、前記反射枠の突起部が、前記反射性樹脂の凹部に係合固着されていることを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、LED素子の側面と蛍光体層の側面を反射性樹脂で被覆することによって側面方向への漏光を完全に防止し、且つ反射枠の反射性樹脂との固定を、反射枠と反射性樹脂に設けた凹凸形状の組み付けによって固定することにより、組み立て性の容易さと、反射枠形状の変化を自在に選択可能としたものである。
【0013】
前記反射枠は前記蛍光体層の上面に、円形の湾曲開口を有すると良い。
【0014】
前記蛍光体層と反射性樹脂の上面に拡散樹脂層がさらに積層されており、前記拡散樹脂層には前記反射性樹脂の凹部に対応する位置に貫通孔が設けられ、前記反射枠の突起部が、前記拡散樹脂層の貫通孔を通して前記反射性樹脂の凹部に係合固着されていると良い。
【0015】
上記構成によれば、拡散樹脂層を設けることによって、LED発光装置としての色むらをなくして演色性を良くすることができる。
【発明の効果】
【0016】
上記の如く本発明によれば、反射枠形式のLED発光装置において、全体の構成を樹脂製の板部材と、充填樹脂によって構成し、且つLED素子の側面と蛍光体層の側面を反射性樹脂で充填被覆することによって側面方向への漏光を完全に防止し、また反射枠の反射性樹脂に対する固定を、反射枠と反射性樹脂に設けた凹凸形状の組み付けによって固定することにより、組み立て性の容易さと、反射枠形状の変化を自在に選択可能としたものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1実施形態におけるLED発光装置の断面図である。
図2図1に示すLED発光装置の上面図である。
図3図1に示すLED発光装置の反射枠を外した状態を示す断面図である。
図4図3に示すLED発光装置の反射枠を外した状態を示す上面図である。
図5図1に示すLED発光装置を構成する反射枠の断面図である。
図6図5に示すLED発光装置を構成する反射枠の上面図である。
図7図1示すLED発光装置の製造方法を示す各工程の断面図である。
図8】本発明の第2実施形態におけるLED発光装置の断面図である。
図9図8に示す第2実施形態におけるLED発光装置の上面図である。
図10図8に示すLED発光装置の製造方法を示す各工程の断面図である。
図11】本発明の第3実施形態におけるLED発光装置の断面図である。
図12図11に示す第3実施形態におけるLED発光装置の上面図である。
図13】従来のLED発光装置の断面図である。
図14】従来のLED発光装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施形態)
以下図面により、本発明の実施形態を説明する。図1図7は本発明の第1実施形態におけるLED発光装置を示し、図1は本発明の第1実施形態におけるLED発光装置10の断面図、図2図1に示すLED発光装置10の上面図、図3はLED発光装置10反射枠を取り除いた断面図、図4図3に示す反射枠を取り除いたLED発光装置10の上面図、図5は反射枠の断面図、図6図5に示す反射枠の上面図、図7はLED発光装置10の製造工程を示す工程図である。
【0019】
図1に示すLED発光装置10の断面図において、回路基板7の上面には配線電極5a,5bやスルーホール電極5cが設けられており、配線電極5a,5bにはLED素子1が導電部材6a、6bによりFC実装されており、また各配線電極5a,5bはスルーホール電極5cを介して回路基板7の裏面に設けられた電源電極5dに接続されている。
LED素子1の発光面上にはLED素子1の発光面より少し大きい形状の、蛍光体層2が透明接着剤によって接着される等の手法により載置されている。
【0020】
また回路基板7上に成型金型等を用いてLED素子1の側面と、蛍光体層2の側面とを反射性樹脂3で充填封止している。そして反射性樹脂3の上部には反射枠9が取り付けられており、この反射性樹脂3と反射枠9の取り付け構造は、反射枠9の下面に設けられた突起部9aと反射性樹脂3の上面に設けられた凹部3aとの係合によって固定されている。
【0021】
また図2図1に示すLED発光装置10の上面図であり、反射枠9の中心位置には開口9bがもうけられ、この開口9b内には蛍光体層2が露出している。そして反射枠9の開口9bから上部に向かって反射面9cが形成されている。
【0022】
図3図4はLED発光装置10から反射枠9を取り外した状態の断面図及び上面図であり、図1図2におけるLED発光装置10と同じ要素には同一番号を付し、重複する説明は省略する。図3及び図4は反射性樹脂3に設けた反射枠9を取り付けるための、凹部3aの形状を示しており、凹部3aは図4に示すごとく、蛍光体層2と同心円に形成され、その深さは図3に示す如くT1となっている。
【0023】
図5図6図1に示す反射枠9の断面図及び上面図であり、図5に示すように中心位置に蛍光体層2が露出する開口9bがあり、その周囲に円形の湾曲開口を有する反射面9cが形成されている。そして反射枠9の下面9dには円形状の突起部9aが形成されており、この突起部9aは図6では点線で示している。
なお、本実施形態においては、反射枠9の形状として開口9b、突起部9bを円形にした一例を示したが、これに限定されるものではなく開口9b、突起部9bの形状として、四角や多角形、さらに楕円形等の形状を採用できることは当然である。
【0024】
次に図7により、LED発光装置10の製造方法を説明する。図7の(a)〜(d)はLED発光装置10の製造工程における各断面図であり、(a)は回路基板7にLED素子1をフリップチップ実装した状態、(b)はLED素子1の発光面に蛍光体層2を接着した状態、(c)はLED素子1の側面と、蛍光体層2の側面とを反射性樹脂3で充填封止した状態を示し、反射性樹脂3の上面には凹部3aが形成されているが、この形成方法としては成型金型によって反射性樹脂3の注入時に形成しても良いし、また平面形状に充填した反射性樹脂3の上面に切削加工等によって形成しても良い。
【0025】
(d)は反射性樹脂3の上面に設けた凹部3aに、反射枠9の突起部9aを嵌め込んで固着することにより、図1に示すLED発光装置10が完成する。この反射性樹脂3に対する反射枠9の固着は、反射性樹脂3の凹部3aに反射枠9の突起部9aを圧入するだけで固定しても良いし、また少量の接着剤を用いて固着しても良い。
【0026】
次に上記構成によるLED発光装置10の動作を説明する。
回路基板7の裏面に設けられた電源電極5dに駆動電圧を供給するとLED素子1が青色発光を行い、その青色発光が蛍光体層2によって励起された黄色光と青色光とが混色されて白色光を放射する。このLED素子1から発光された青色光と、蛍光体層2によって励起された黄色光はすべて反射性樹脂3によって反射されることにより全て上方に放射され、反射枠9の湾曲開口を有する反射面9cによって集光されることにより指向性に優れた放射光を放出する。前記図13図14に示す従来例では回路基板表面と反射枠の接着面に出来る間隙を通して側面側へ漏光が発生していたが、LED発光装置10の場合は、反射性樹脂3と反射枠9の接着面に凹部3aと突起部9aを設けて嵌め込んで固着しているため、この接着面の間隙による漏光は発生しない。
【0027】
(第2実施形態)
次に図8図9図10により本発明の第2実施形態におけるLED発光装置を説明する。第2実施形態におけるLED発光装置20の基本的構成は図1図2に示す第1実施形態におけるLED発光装置10と同じであり、同一または対応する要素には同一番号を付し重複する説明は省略する。
【0028】
第2実施形態におけるLED発光装置20が、第1実施形態におけるLED発光装置10と異なるところは、LED発光装置10では反射性樹脂3の上部に直接反射枠9が載置されていたのに対し、LED発光装置20では蛍光体層2と反射性樹脂3の上部に拡散樹脂層8(以後拡散板8と略記する)を介して反射枠9が載置されていることである。
この拡散板8における反射性樹脂3の凹部3aに対応する位置には、凹部3aと同形状の貫通孔8aが設けられている。そして反射枠9の突起部9aが拡散板8の貫通孔8aを通して反射性樹脂3の凹部3aに挿入固定されている。この結果反射枠9の突起部9aの長さは拡散板8の貫通孔8aの深さと、反射性樹脂3の凹部3aの深さを足した長さとなっている。
また図9に示すLED発光装置20の上面図では、反射枠9の中心位置に設けられた開口9bには拡散板8が露出している。
【0029】
次に図10によりLED発光装置20の製造方法を説明する。製造工程(a)(b)までは第1実施形態における図7に示した(a)(b)と同じなので図示を省略した。従って(c)から説明すると、(c)は蛍光体層2と反射性樹脂3との上面に拡散板8を配置した状態を示す。(d)は拡散板8の貫通孔8aと、反射性樹脂3の凹部3aを同時に形成した状態を示す。この形成方法としては切削加工によって同じ位置に設けることができる。(e)は反射枠9の突起部9aを拡散板8の貫通孔8aを通して、反射性樹脂3の凹部3aに嵌めこむことによって反射枠9を組み込んだ状態を示しており、この状態にて図8に示したLED発光装置20が完成する。
【0030】
次にLED発光装置20の動作を説明する。電源電極5dに駆動電圧を供給してLED発光装置20が発光するまでの動作はLED発光装置10と同じであるが、LED発光装置20においてはLED素子1の青色光と蛍光体層2により励起された黄色光との混色された白色光が拡散板8を介して拡散されることによって、演色性の良い放射光が反射枠9によって集光されて出射される。また、LED発光装置10で説明した側方への漏光防止効果に加えて、拡散板8による側方への漏光も反射枠9の突起部9aによって防止することができる。
【0031】
(第3実施形態)
次に図11図12により本発明の第3実施形態におけるLED発光装置を説明する。第3実施形態におけるLED発光装置30の基本的構成は図1図2に示す第1実施形態におけるLED発光装置10と同じであり、同一または対応する要素には同一番号を付し重複する説明は省略する。
【0032】
第3実施形態におけるLED発光装置30が、第1実施形態におけるLED発光装置10と異なるところは、LED発光装置30では反射枠9の湾曲開口を有する反射面9cの開口部分に円形のレンズ33を載置してことである。なお、このレンズ33の反射枠9に対する取り付けは、レンズ部33a(凸レンズまたは凹レンズ)を反射枠9の反射面9cの開口部分に嵌めこんだ状態で、取り付け部33bを反射枠9の上部に接着材等を用いて固定すれば良い。
【0033】
次にLED発光装置30の動作を説明する。電源電極5dに駆動電圧を供給してLED発光装置30が発光するまでの動作はLED発光装置10と同じであるが、LED発光装置30においてはLED素子1の青色光と蛍光体層2により励起された黄色光との混色された白色光が反射枠9によって集光された後に、レンズ33によってさらに集光されるため、優れた集光性に加えて演色性の良い放射光が出射される。
【0034】
上記の如く、本発明のLED発光装置は蛍光体層や拡散板のような板形状の樹脂と反射性樹脂の注入のみによって、側方への漏光が生じない発光部を構成することができ、さらに反射枠を突起部と凹部による嵌め込み構造によって組み立てられるので、製造が容易なLED発光装置を提供することができる。
また、反射枠の取り付けを突起部と凹部の組み合わせで行うようにしたので、突起部形状と凹部の位置とを共通にすれば、色々な形状及び特性の反射枠を作成して、必要に応じて取り替えることができる。
【符号の説明】
【0035】
1、101,201 LED
2、202 蛍光体層
3、 反射性樹脂
3a 凹部
5a、105a、205a 配線電極
5b,105b、205b 配線電極
5d、105d、205d 電源電極
6a,6b 導電部材
7,207 回路基板
8、 拡散板
8a 貫通孔
9、109,209 反射枠
9a 突起部
9b 開口
9c 反射面
10,20,30、100,200 LED発光装置
33,233 レンズ
33a レンズ部
33b 取り付け部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14