特開2015-177462(P2015-177462A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ジェイ・ティの特許一覧

特開2015-177462撮像表示装置、撮像表示装置の制御方法及びそのプログラム
<>
  • 特開2015177462-撮像表示装置、撮像表示装置の制御方法及びそのプログラム 図000003
  • 特開2015177462-撮像表示装置、撮像表示装置の制御方法及びそのプログラム 図000004
  • 特開2015177462-撮像表示装置、撮像表示装置の制御方法及びそのプログラム 図000005
  • 特開2015177462-撮像表示装置、撮像表示装置の制御方法及びそのプログラム 図000006
  • 特開2015177462-撮像表示装置、撮像表示装置の制御方法及びそのプログラム 図000007
  • 特開2015177462-撮像表示装置、撮像表示装置の制御方法及びそのプログラム 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】特開2015-177462(P2015-177462A)
(43)【公開日】2015年10月5日
(54)【発明の名称】撮像表示装置、撮像表示装置の制御方法及びそのプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/225 20060101AFI20150908BHJP
   G06T 3/40 20060101ALI20150908BHJP
【FI】
   H04N5/225 F
   G06T3/40 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-54107(P2014-54107)
(22)【出願日】2014年3月17日
(71)【出願人】
【識別番号】591007929
【氏名又は名称】株式会社ジェイ・ティ
(74)【代理人】
【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一
(74)【代理人】
【識別番号】100158067
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 基
(72)【発明者】
【氏名】帯津 浩一
【テーマコード(参考)】
5B057
5C122
【Fターム(参考)】
5B057BA02
5B057CD05
5B057DA16
5C122DA04
5C122EA12
5C122FH07
5C122FH19
5C122FK24
5C122GA34
5C122HA03
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】繊細且つ綿密な拡大撮像を表示することが可能な撮像表示装置を提供することが可能となる。
【解決手段】
撮像時に、第一撮像情報と、第一撮像情報よりも高解像度である第二撮像情報と、撮像時刻情報とを撮像手段30で取得し、互いに対応付けた状態で記憶手段40に記憶する。表示手段50に表示する際には、第一撮像情報に基づいて撮像を表示し、拡大撮像を表示する際には、撮像に換えて、第二撮像情報に基づく拡大撮像を表示することにより、撮像にデジタル拡大処理を施す場合と比較して、鮮明且つ繊細な拡大撮像を表示することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学系から入射した光を電気信号に変換した第一撮像情報を含む第一撮像信号と、前記光を前記第一撮像情報よりも高解像度で電気信号に変換した第二撮像情報を含む第二撮像信号と、を出力する撮像手段と、
前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報と、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報が撮像された時刻を示す撮像時刻情報と、をそれぞれ関連付けした状態で記憶する記憶手段と、
前記記憶手段より受信した前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報に基づいて撮像を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された前記撮像の少なくとも一部を拡大して表示する際、前記表示手段に表示された前記第一撮像情報に対応する前記第二撮像情報を前記記憶手段より取得し、前記第二撮像情報に基づいて前記撮像の拡大撮像を前記表示手段に出力する制御手段と、
を備えたことを特徴とする、
撮像表示装置。
【請求項2】
光学系から入射した光を電気信号に変換した第一撮像情報を含む第一撮像信号と、前記光を前記第一撮像情報よりも高解像度で電気信号に変換した第二撮像情報を含む第二撮像信号と、を出力する撮像手段と、
前記撮像手段より、前記第一撮像信号と前記第二撮像信号とを同時に受信し、前記第一撮像情報に基づく撮像又は前記第二撮像情報に基づく拡大撮像の少なくとも一方を表示する表示手段と、
前記表示手段に前記撮像が表示されている場合であって、前記撮像の少なくとも一部を拡大表示する際、前記撮像に代えて前記拡大撮像を前記表示手段に出力する制御手段と、
を備えたことを特徴とする、
撮像表示装置。
【請求項3】
光学系から入射した光を電気信号に変換した第一撮像情報を含む第一撮像信号と、前記光を前記第一撮像情報よりも高解像度で電気信号に変換した第二撮像情報を含む第二撮像信号と、を出力する撮像手段から出力された前記第一撮像信号及び前記第二撮像信号を受信する撮像信号受信手段と、
前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報と、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報が撮像された時刻を示す撮像時刻情報と、をそれぞれ関連付けした状態で記憶する記憶手段と、
前記記憶手段より受信した前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報に基づいて撮像を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された前記撮像の少なくとも一部を拡大して表示する際、前記表示手段に表示された前記第一撮像情報に対応する前記第二撮像情報を前記記憶手段より取得し、前記第二撮像情報に基づいて拡大撮像を前記表示手段に出力する制御手段と、
を備えたことを特徴とする、
撮像表示装置。
【請求項4】
光学系から入射した光を電気信号に変換した第一撮像情報を含む第一撮像信号と、前記光を前記第一撮像情報よりも高解像度で電気信号に変換した第二撮像情報含む第二撮像信号と、を出力する撮像手段と、
前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報と、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報が撮像された時刻を示す撮像時刻情報と、を関連付けした状態で記憶する記憶手段に、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報を送信する送信手段と、
前記記憶手段から前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報を受信する記憶情報受信手段と、
前記記憶手段より受信した前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報に基づいて前記撮像を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された前記撮像の少なくとも一部を拡大して表示する際、前記表示手段に表示された前記第一撮像情報に対応する前記第二撮像情報を前記記憶手段より取得し、前記第二撮像情報に基づいて拡大撮像を前記表示手段に出力する制御手段と、
を備えたことを特徴とする、
撮像表示装置。
【請求項5】
前記撮像時刻情報は、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報が前記記憶手段に記憶された時刻を示す情報又は前記撮像手段における光学系に前記光が入射した時刻を示す情報であることを特徴とする、
請求項1、3、4のいずれか1項に記載の撮像表示装置。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報を記憶する際、前記第一撮像情報と前記撮像時刻情報とを対応付けして記憶し、前記第二撮像情報と前記撮像時刻情報とを対応付けして記憶することを特徴とする、
請求項1、3、4、5のいずれか1項に記載の撮像表示装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記表示手段に表示された前記撮像の少なくとも一部を拡大して表示する際、前記第一撮像情報に対応する前記第二撮像情報を前記記憶手段より読み出し前記表示手段に表示されている前記撮像に代えて前記第二撮像情報に基づいて拡大撮像を表示することを特徴とする、
請求項1、3、4、5、6のいずれか1項に記載の撮像表示装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記表示手段に表示され前記撮像の少なくとも一部を拡大して表示する際、前記第一撮像情報に対応する前記第二撮像情報を前記記憶手段より読み出し、前記表示手段に表示されている前記撮像に代えて、前記第二撮像情報に基づいて前記撮像を拡大した拡大撮像を前記表示手段に表示することを特徴とする、
請求項1、3、4、5、6、7のいずれか1項に記載の撮像表示装置。
【請求項9】
前記撮像手段、前記記憶手段及び前記表示手段は、互いに電気通信回線を介して電気的に接続されており、
前記制御手段は、前記表示手段と電気的に接続されていることを特徴とする、
請求項1、3、4、5、6、7、8のいずれか1項に記載の撮像表示装置。
【請求項10】
前記撮像手段は、光学系から入射した光を電気信号に変換した第一撮像情報を含む第一撮像信号と、前記光を前記第一撮像情報よりも高解像度で電気信号に変換した第二撮像情報含む第二撮像信号と、を出力するデジタルビデオカメラであり、
前記記憶手段は、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報と、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報が撮像された時刻を示す撮像時刻情報と、をそれぞれ関連付けした状態で記憶する情報記憶媒体であり、
前記表示手段は、前記記憶手段より受信した前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報に基づいて前記撮像を表示するモニタであることを特徴とする、
請求項1、3、4、5、6、7、8、9のいずれか1項に記載の撮像表示装置。
【請求項11】
光学系から入射した光を電気信号に変換した第一撮像情報を含む第一撮像信号と、前記光を前記第一撮像情報よりも高解像度で電気信号に変換した第二撮像情報を含む第二撮像信号と、を出力する撮像手段と、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報と、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報が撮像された時刻を示す撮像時刻情報と、をそれぞれ関連付けした状態で記憶する記憶手段と、前記記憶手段より受信した前記第一撮像情報及び第二撮像情報に基づいて撮像を表示する表示手段と、を備えた撮像表示装置をコンピュータ・ソフトウェアで制御する制御方法であって、
前記表示手段に表示された前記撮像の少なくとも一部を拡大して表示する際、前記表示手段に表示された前記第一撮像情報に対応する前記第二撮像情報を前記記憶手段より取得し、前記第二撮像情報に基づいて拡大撮像を前記表示手段に出力するステップ、
を含むことを特徴とする撮像表示装置をコンピュータ・ソフトウェアで制御する制御方法。
【請求項12】
請求項11に記載の撮像表示装置の制御方法のステップを1又は複数のコンピュータに実現させるための制御プログラム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像表示装置、撮像表示装置の制御方法及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、被写体を撮影した撮影画像を表示すると共に、表示した画像を拡大して表示することができる撮像表示装置が知られている。このとき、画像を電子的に拡大した場合には、画像が劣化することが一般に知られているが、この画像の劣化をなるべく少なくする、種々の方法が知られている。これに対して、例えば、特許文献1では、撮影画像より高解像度な所定の解像度でCG画像を作成し、このCG画像と撮影画像とを、拡大率が大きくなるに従ってCG画像の割合が大きくなるようにCG画像と撮影画像とを合成することで、鮮明且つ綿密な拡大画像を作成する画像処理システムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−286395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、こうした画像処理システムでは、拡大時に、CG画像を作成したり、CG画像と撮影画像とを合成したりする必要があるため、画像処理に時間がかかり、スムーズに拡大処理を行うことができないという課題がある。また、拡大率が大きくなるに従ってCG画像の割合が大きくなるため、拡大率が大きくなるに従って、実際の撮影画像との違いが大きくなるという課題がある。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、実際の撮像をスムーズに拡大することができる撮像表示装置を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の主目的の少なくとも1つを達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の撮像表示装置は、
光学系から入射した光を電気信号に変換した第一撮像情報を含む第一撮像信号と、前記光を前記第一撮像情報よりも高解像度で電気信号に変換した第二撮像情報を含む第二撮像信号と、を出力する撮像手段と、
前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報と、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報が撮像された時刻を示す撮像時刻情報と、をそれぞれ関連付けした状態で記憶する記憶手段と、
前記記憶手段より受信した前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報に基づいて撮像を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された前記撮像の少なくとも一部を拡大して表示する際、前記表示手段に表示された前記第一撮像情報に対応する前記第二撮像情報を前記記憶手段より取得し、前記第二撮像情報に基づいて前記撮像の拡大撮像を前記表示手段に出力する制御手段と、
を備えたことを特徴とするものである。
【0008】
この撮像表示装置は、撮像時に、光学系から入射した光を電気信号に変換した第一撮像情報を含む第一撮像信号と、前記光を前記第一撮像情報よりも高解像度である第二撮像情報を含む第二撮像信号と、を撮像手段から出力し、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報と、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報が撮像された時刻を示す撮像時刻情報とが関連付けされた状態で記憶手段に記憶される。そして、撮影された撮像を再生する際には、表示手段は第一撮像情報を記憶手段から受信し、第一撮像情報に基づいて撮像を表示する。このように、撮像手段で撮像された情報のうち、情報量の少ない第一撮像情報に基づいて撮像を表示することにより、第二撮像情報に基づいて撮像する場合と比較して、情報の取得時間を短縮し、スピーディーに撮像を表示することができる。また、表示手段に表示された撮像の少なくとも一部を拡大して表示する際には、選択した撮像に対応する第二撮像情報を記憶手段から取得し、この第二撮像情報に基づいて拡大撮像を表示する。こうすることにより、表示される拡大撮像は、第一撮像情報よりも高解像度の撮像情報に基づいて表示されることになるため、第一撮像を拡大する場合と比較して、鮮明且つ綿密な拡大撮像を表示することができる。
【0009】
本発明の撮像表示装置は、
光学系から入射した光を電気信号に変換した第一撮像情報を含む第一撮像信号と、前記光を前記第一撮像情報よりも高解像度で電気信号に変換した第二撮像情報を含む第二撮像信号と、を出力する撮像手段と、
前記撮像手段より、前記第一撮像信号と前記第二撮像信号とを同時に受信し、前記第一撮像情報に基づく撮像又は前記第二撮像情報に基づく拡大撮像の少なくとも一方を表示する表示手段と、
前記表示手段に前記撮像が表示されている場合であって、前記撮像の少なくとも一部を拡大表示する際、前記撮像に代えて前記拡大撮像を前記表示手段に出力する制御手段と、
を備えたことを特徴とするものである。
【0010】
この撮像表示装置は、撮像時に、光学系から入射した光を電気信号に変換した第一撮像情報を含む第一撮像信号と、前記光を前記第一撮像情報よりも高解像度である第二撮像情報を含む第二撮像信号と、が撮像手段から表示手段に出力され、表示手段によって第一撮像情報に基づいて撮像が表示される。このように、撮像手段で撮像された情報のうち、情報量の少ない第一撮像情報に基づいて撮像を表示することにより、第二撮像情報に基づいて撮像する場合と比較して、情報の取得時間を短縮し、スピーディーに撮像を表示することができる。また、表示手段に表示された撮像の少なくとも一部を拡大して表示する際には、第一撮像情報に基づいて表示された撮像に代えて、前記第二撮像情報に基づいて拡大撮像を表示することにより、表示される拡大撮像は、第一撮像情報よりも高解像度の撮像情報に基づいて表示されることになるため、第一撮像を拡大する場合と比較して、鮮明且つ綿密な拡大撮像を表示することができる。
【0011】
本発明の撮像表示装置は、
光学系から入射した光を電気信号に変換した第一撮像情報を含む第一撮像信号と、前記光を前記第一撮像情報よりも高解像度で電気信号に変換した第二撮像情報を含む第二撮像信号と、を出力する撮像手段から出力された前記第一撮像信号及び前記第二撮像信号を受信する撮像信号受信手段と、
前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報と、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報が撮像された時刻を示す撮像時刻情報と、をそれぞれ関連付けした状態で記憶する記憶手段と、
前記記憶手段より受信した前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報に基づいて撮像を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された前記撮像の少なくとも一部を拡大して表示する際、前記表示手段に表示された前記第一撮像情報に対応する前記第二撮像情報を前記記憶手段より取得し、前記第二撮像情報に基づいて拡大撮像を前記表示手段に出力する制御手段と、
を備えたことを特徴とするものである。
【0012】
この撮像表示装置は、撮像時に、光学系から入射した光を電気信号に変換した第一撮像情報を含む第一撮像信号と、前記光を前記第一撮像情報よりも高解像度である第二撮像情報を含む第二撮像信号と、が撮像手段によって撮像され出力されると、撮像手段から出力された第一撮像信号及び第二撮像信号を撮像信号受信手段によって受信し、第一撮像情報及び第二撮像情報と前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報が撮像された時刻を示す撮像時刻情報とが互いに関連付けされた状態で記憶手段に記憶される。そして、撮影された撮像を再生する際には、表示手段は第一撮像情報を記憶手段から受信し、第一撮像情報に基づいて撮像を表示する。このように、撮像手段で撮像された情報のうち、情報量の少ない第一撮像情報に基づいて撮像を表示することにより、第二撮像情報に基づいて撮像する場合と比較して、情報の取得時間を短縮し、スピーディーに撮像を表示することができる。また、表示手段に表示された撮像の少なくとも一部を拡大して表示する際には、選択した撮像に対応する第二撮像情報を記憶手段から取得し、この第二撮像情報に基づいて拡大撮像を表示する。こうすることにより、表示される拡大撮像は、第一撮像情報よりも高解像度の撮像情報に基づいて表示されることになるため、第一撮像を拡大する場合と比較して、鮮明且つ綿密な拡大撮像を表示することができる。
【0013】
本発明の撮像表示装置は、
光学系から入射した光を電気信号に変換した第一撮像情報を含む第一撮像信号と、前記光を前記第一撮像情報よりも高解像度で電気信号に変換した第二撮像情報含む第二撮像信号と、を出力する撮像手段と、
前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報と、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報が撮像された時刻を示す撮像時刻情報と、を関連付けした状態で記憶する記憶手段に、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報を送信する送信手段と、
前記記憶手段から前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報を受信する記憶情報受信手段と、
前記記憶手段より受信した前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報に基づいて前記撮像を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された前記撮像の少なくとも一部を拡大して表示する際、前記表示手段に表示された前記第一撮像情報に対応する前記第二撮像情報を前記記憶手段より取得し、前記第二撮像情報に基づいて拡大撮像を前記表示手段に出力する制御手段と、
を備えたことを特徴とするものである。
【0014】
この撮像表示装置は、撮像時に、光学系から入射した光を電気信号に変換した第一撮像情報を含む第一撮像信号と、前記光を前記第一撮像情報よりも高解像度である第二撮像情報を含む第二撮像信号と、を撮像手段から出力したのち、送信手段が、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報と、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報が撮像された時刻を示す撮像時刻情報と、を関連付けした状態で記憶する記憶手段に、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報を送信する。光学系に光が入射した時刻に関する情報である撮像時刻情報を含む撮像時刻信号と、そして、撮影された撮像を再生する際には、表示手段は第一撮像情報を記憶手段から受信し、第一撮像情報に基づいて撮像を表示する。このように、撮像手段で撮像された情報のうち、情報量の少ない第一撮像情報に基づいて撮像を表示することにより、第二撮像情報に基づいて撮像する場合と比較して、情報の取得時間を短縮し、スピーディーに撮像を表示することができる。また、表示手段に表示された撮像の少なくとも一部を拡大して表示する際には、選択した撮像に対応する第二撮像情報を記憶手段から取得し、この第二撮像情報に基づいて拡大撮像を表示する。こうすることにより、表示される拡大撮像は、第一撮像情報よりも高解像度の撮像情報に基づいて表示されることになるため、第一撮像を拡大する場合と比較して、鮮明且つ綿密な拡大撮像を表示することができる。
【0015】
本発明の撮像表示装置において、前記撮像時刻情報は、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報が前記記憶手段に記憶された時刻を示す情報又は前記撮像手段における光学系に前記光が入射した時刻を示す情報であることを特徴としてもよい。第一撮像情報及び第二撮像情報は、撮像手段から記憶手段に送られるため、記憶手段に記憶された時刻と光学系に光が入射した時刻のいずれを示す情報であっても、第一撮像情報と第二撮像情報のいずれを撮像した時刻を表す情報として使用することができる。このため、撮像時刻情報に基づいて第一撮像情報とこの第一撮像情報に対応する第二撮像情報とを関連付けることができる。
【0016】
本発明の撮像表示装置において、前記記憶手段は、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報を記憶する際、前記第一撮像情報と前記撮像時刻情報とを対応付けして記憶し、前記第二撮像情報と前記撮像時刻情報とを対応付けして記憶することを特徴としてもよい。こうすれば、第一撮像情報に基づいて表示された撮像の撮像時刻情報から、この撮像時刻情報と同時刻に撮像された第二撮像情報を記憶手段から容易に探し出すことができるため、第一撮像情報及び第二撮像情報が膨大な情報量である場合であっても、第一撮像情報に基づく撮像を拡大表示する際、記憶手段からスピーディーに対応する第二撮像情報を取得することができるため、繊細且つ綿密な拡大撮像をスピーディーに表示することができる。
【0017】
本発明の撮像表示装置において、前記制御手段は、前記表示手段に表示された前記撮像の少なくとも一部を拡大して表示する際、前記第一撮像情報に対応する前記第二撮像情報を前記記憶手段より読み出し、前記表示手段に表示されている撮像に代えて前記第二撮像情報に基づいて拡大撮像を表示することを特徴としてもよい。このように、第一撮像情報に基づいて表示された撮像よりも拡大された拡大画像を表示する際、第二撮像情報に基づいて表示された撮像と入れ替えることにより、撮像の拡大処理を行うことなく拡大された撮像を表示することができる。こうすることにより、繊細且つ綿密な拡大撮像をスピーディーに表示することができる。
【0018】
本発明の撮像表示装置において、前記制御手段は、前記表示手段に表示され前記撮像の少なくとも一部を拡大して表示する際、前記第一撮像情報に対応する前記第二撮像情報を前記記憶手段より読み出し、前記表示手段に表示されている撮像に代えて、前記第二撮像情報に基づいて撮像を拡大した拡大撮像を前記表示手段に表示することを特徴としてもよい。こうすれば、第一撮像情報よりも解像度の高い第二撮像情報に基づいて拡大処理された拡大画像を表示することができるため、第一撮像情報を拡大して表示する場合と比較して、繊細且つ綿密な拡大撮像を表示することができる。
【0019】
本発明の撮像表示装置において、前記撮像手段、前記記憶手段及び前記表示手段は、互いに電気通信回線を介して電気的に接続されており、前記制御手段は、前記表示手段と電気的に接続されていることを特徴としてもよい。本発明の撮像表示装置において、撮像手段、記憶手段及び表示手段は、それぞれか電気通信回線を利用して電気的に接続されている場合であっても、撮像時に、光学系から入射した光を電気信号に変換した第一撮像情報を含む第一撮像信号と、前記光を前記第一撮像情報よりも高解像度である第二撮像情報を含む第二撮像信号と、を撮像手段から出力し、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報と、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報が撮像された時刻を示す撮像時刻情報とが関連付けされた状態で記憶手段に記憶される。そして、撮影された撮像を再生する際には、表示手段は第一撮像情報を記憶手段から受信し、第一撮像情報に基づいて撮像を表示する。このように、撮像手段で撮像された情報のうち、情報量の少ない第一撮像情報に基づいて撮像を表示することにより、第二撮像情報に基づいて撮像する場合と比較して、情報の取得時間を短縮し、スピーディーに撮像を表示することができる。また、表示手段に表示された撮像の少なくとも一部を拡大して表示する際には、選択した撮像に対応する第二撮像情報を記憶手段から取得し、この第二撮像情報に基づいて拡大撮像を表示する。こうすることにより、表示される拡大撮像は、第一撮像情報よりも高解像度の撮像情報に基づいて表示されることになるため、第一撮像を拡大する場合と比較して、鮮明且つ綿密な拡大撮像を表示することができる。
【0020】
本発明の撮像表示装置において、前記撮像手段は、光学系から入射した光を電気信号に変換した第一撮像情報を含む第一撮像信号と、前記光を前記第一撮像情報よりも高解像度で電気信号に変換した第二撮像情報含む第二撮像信号と、を出力するデジタルビデオカメラであり、前記記憶手段は、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報と、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報が撮像された時刻を示す撮像時刻情報と、をそれぞれ関連付けした状態で記憶する情報記憶媒体であり、前記表示手段は、前記記憶手段より受信した前記第一撮像情報及び第二撮像情報に基づいて撮像を表示するモニタであることを特徴としてもよい。こうすれば、撮像時に、光学系から入射した光を電気信号に変換した第一撮像情報を含む第一撮像信号と、前記光を前記第一撮像情報よりも高解像度である第二撮像情報を含む第二撮像信号と、を撮像手段から出力し、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報と、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報が撮像された時刻を示す撮像時刻情報とが関連付けされた状態で記憶手段に記憶される。そして、撮影された撮像を再生する際には、表示手段は第一撮像情報を記憶手段から受信し、第一撮像情報に基づいて撮像を表示する。このように、撮像手段で撮像された情報のうち、情報量の少ない第一撮像情報に基づいて撮像を表示することにより、第二撮像情報に基づいて撮像する場合と比較して、情報の取得時間を短縮し、スピーディーに撮像を表示することができる。また、表示手段に表示された撮像の少なくとも一部を拡大して表示する際には、選択した撮像に対応する第二撮像情報を記憶手段から取得し、この第二撮像情報に基づいて拡大撮像を表示する。こうすることにより、表示される拡大撮像は、第一撮像情報よりも高解像度の撮像情報に基づいて表示されることになるため、第一撮像を拡大する場合と比較して、鮮明且つ綿密な拡大撮像を表示することができる。なお、ここで「情報記憶媒体」とは、ハードディスクドライブ等の磁気記憶装置や、USBメモリやフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ等、記憶形式及び記憶方法によらず、情報を記憶可能な媒体を意味する。
【0021】
本発明の撮像表示装置の制御方法は、
光学系から入射した光を電気信号に変換した第一撮像情報を含む第一撮像信号と、前記光を前記第一撮像情報よりも高解像度で電気信号に変換した第二撮像情報を含む第二撮像信号と、を出力する撮像手段と、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報と、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報が撮像された時刻を示す撮像時刻情報と、をそれぞれ関連付けした状態で記憶する記憶手段と、前記記憶手段より受信した前記第一撮像情報及び第二撮像情報に基づいて撮像を表示する表示手段と、を備えた撮像表示装置をコンピュータ・ソフトウェアで制御する制御方法であって、
前記表示手段に表示された前記撮像の少なくとも一部を拡大して表示する際、表示手段に表示された第一撮像情報に対応する第二撮像情報を前記記憶手段より取得し、前記第二撮像情報に基づいて拡大撮像を前記表示手段に出力するステップ、
を含むことを特徴とするものである。
【0022】
この撮像表示装置の制御方法は、撮像時に、光学系から入射した光を電気信号に変換した第一撮像情報を含む第一撮像信号と、前記光を前記第一撮像情報よりも高解像度である第二撮像情報を含む第二撮像信号と、を撮像手段から出力し、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報と、前記第一撮像情報及び前記第二撮像情報が撮像された時刻を示す撮像時刻情報とが関連付けされた状態で記憶手段に記憶される。そして、撮影された撮像を再生する際には、表示手段は第一撮像情報を記憶手段から受信し、第一撮像情報に基づいて撮像を表示する。このように、撮像手段で撮像された情報のうち、情報量の少ない第一撮像情報に基づいて撮像を表示することにより、第二撮像情報に基づいて撮像する場合と比較して、情報の取得時間を短縮し、スピーディーに撮像を表示することができる。また、表示手段に表示された撮像の少なくとも一部を拡大して表示する際には、選択した撮像に対応する第二撮像情報を記憶手段から取得し、この第二撮像情報に基づいて拡大撮像を表示する。こうすることにより、表示される拡大撮像は、第一撮像情報よりも高解像度の撮像情報に基づいて表示されることになるため、第一撮像を拡大する場合と比較して、鮮明且つ綿密な拡大撮像を表示することができる。
【0023】
本発明の撮像表示装置の制御方法において、撮像表示装置の制御方法は上述したいずれかの撮像処理装置が備えている各種構成を備えていても良いし、また、上述した撮像処理装置の機能を実現するようなステップを追加しても良い。
【0024】
本発明の制御プログラムは、1又は複数のコンピュータに、撮像表示装置の制御方法のステップを実行させるためのプログラムである。このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体(例えば、磁気記憶装置、ROM、CD、DVD、不揮発性メモリ)に記録されていてもよいし、伝送媒体(インターネットや有線又は無線LAN等の電気通信回線)を介してコンピュータから別のコンピュータへ配信されても良いし、そのほかどのような形で授受されても良い。このプログラムを一つのコンピュータに実行させるか又は複数のコンピュータに分担して実行させれば、上述した制御方法と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、撮像表示装置20の電気的な繋がりを示すブロック図である。
図2図2は、記憶手段40に記憶される情報を示す模式図である。
図3図3は、表示手段50の表示画面を示す正面図である。
図4図4は、撮像拡大処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。
図5図5は、撮像拡大処理ルーチンの他の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、撮像拡大処理ルーチンの更に他の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に、本発明の実施の形態の一例として、撮像表示装置20について詳しく説明する。以下に説明する実施の形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。なお、各図において対応する構成要素には同一又は類似の符号を付す。また、撮像拡大処理ルーチン及び画像拡大処理ルーチンを説明することにより、本発明の撮像表示装置の制御方法の一例も明らかにする。
【0027】
撮像表示装置20は、図1に示すように、被写体を撮像する撮像手段30と、撮像手段30で撮像された情報を記憶する記憶手段40と、撮像手段30で記憶された被写体を表示する表示手段50と、撮像手段30、記憶手段40及び表示手段50を制御する制御手段60と、情報を入力する入力手段70と、を主に備えている。この撮像表示装置20では、撮像手段30で撮像された際、第一撮像情報と第一撮像情報より高解像度の情報である第二撮像情報との二種類の撮像情報を出力し、記憶手段40で、第一撮像情報及び第二撮像情報と第一撮像情報及び第二撮像情報が撮像された時刻を示す撮像時刻情報とを関連付けて記憶する。表示手段50は、記憶手段40から受信した第一撮像情報に基づいて撮像を表示し、この撮像を拡大する際には、表示している第一撮像情報と同時刻に撮像された第二撮像情報に基づいて拡大撮像を表示する。こうすることにより、第一撮像情報に基づいて拡大撮像を表示する場合と比較して、鮮明且つ綿密な拡大画像を表示することができる。また、常に第二撮像情報に基づいて拡大撮像を表示する場合と比較して、記憶手段40と表示手段50との通信量を低減することができる。
【0028】
撮像手段30は、光学系から入射した光を電気信号に変換する撮像素子であって、光学系から入射した光を電気信号に変換する際、第一撮像情報を含む第一撮像信号と第二撮像情報を含む第二撮像信号との二種類の電気信号に変換する撮像素子を有している。この撮像手段30では、光学系から入射した光を第一撮像情報と第二撮像情報との解像度の異なる二種類の撮像情報として電気信号に変換する。このとき、第一撮像信号に含まれる第一撮像情報の解像度は、第二撮像信号に含まれる第二撮像情報の解像度より低解像度である。撮像手段30の一例としては、例えば、被写体をCCD素子で撮像し、第一撮像情報として640ドットX480ドットのVGA形式の撮像情報を含む第一撮像信号と、第二撮像情報として1920ドットX1080ドットのフルハイビジョン形式の撮像情報を含む第二撮像信号との2種類の電気信号に変換して出力するビデオカメラが挙げられる。なお、撮像手段30としては、光学系から入射した光を2種類の電気信号に変換できるものであれば、VGA形式やフルハイビジョン形式に限定されるものではないが、変換される電気信号の解像度の差が大きい方が、以下の処理で得られる効果が大きいため好ましい。また、変換される電気信号の種類は2種類に限定されるものではなく、3種類以上であっても良い。この場合も、以下の処理で得られる効果がより大きくなる。
【0029】
記憶手段40は、撮像手段30から出力された第一撮像信号に含まれる第一撮像情報と第二撮像信号に含まれる第二撮像情報と、を撮像時刻情報と関連付けて記憶する記憶媒体である。この撮像時刻情報は、第一撮像情報を含む第一撮像信号及び第二撮像情報を含む第二撮像信号を記憶手段40が受信した際の受信時刻を含む情報であり、第一撮像信号及び第二撮像信号は、第一撮像情報及び第二撮像情報が撮像手段30で撮像された際に記憶手段40に送信される。このため、第一撮像情報及び第二撮像情報を記憶手段40が受信した際の受信時刻を撮像時刻に関する情報として利用することができる。撮像手段30で撮像されると、撮像手段30から出力された第一撮像信号及び第二撮像信号を受信して、第一撮像情報及び第二撮像情報と撮像時刻情報とをそれぞれ対応つけして記憶する。具体的には、図2に示すように、第一撮像情報と撮像時刻情報、第二撮像情報と撮像時刻情報とが関連付けて記憶されている。なお、第一撮像情報と第二撮像情報との関連付けについては、撮像手段30で同時に撮像された第一撮像情報と第二撮像情報とを関連付けすることができる情報であればこれに限定されるものではなく、第一撮影情報及び第二撮影情報の最初の情報が記憶手段40に記憶された時刻であっても良いし、記憶開始時間をゼロとしたカウントであっても良いし、記憶した撮像のフレームナンバーを基準としたものであってもよい。また、撮像手段30が撮像した時刻や、撮像開始時をゼロとした撮像時間を基準としたカウント、撮像した撮像のフレームナンバー等を撮像手段30より受信してもよい。また、このような記憶手段40としては、例えば、大容量磁気ディスクやフラッシュメモリを使用したソリッドステートドライブ、不揮発性メモリ等が挙げられる。
【0030】
表示手段50は、撮像手段30で撮像された第一撮像情報及び第二撮像情報に基づいて、動画又は画像として撮像を表示する表示手段であり、例えば、液晶やCRT等のモニタが挙げられる。この表示手段50は、制御手段60によって制御されており、図3に示すように、表示手段50の画面の16分割し、分画毎に撮像手段30で撮像した大きさよりも小さい大きさで、異なる時刻情報の撮像をそれぞれ初期撮像として表示する。具体的には、第一撮像情報として640ドットX480ドットのVGA形式の撮像情報を撮像手段30で取得した場合には、320ドットX240ドットの大きさとして分画に表示する。また、このときの分画の表示状態としては、図3に示すように、表示手段50の画面を16分割し、それぞれの分画に第一撮像情報の異なる時刻情報の撮像を表示する。具体的には、分画51aには時刻情報が0として関連付けられた第一撮像情報に基づく撮像を、分画51bには、時刻情報が10分として関連付けられた第一撮像情報に基づく撮像を、分画51cには、時刻情報が20分として関連付けられた第一撮像情報に基づく撮像を、と言う具合に、全ての分画に時刻情報が10分ずつずれた状態で第一撮像情報に基づく撮像を表示する。こうすることにより、表示手段50に一度に16種類の時刻情報における第一撮像情報に基づく撮像を表示することができる。このとき、第二撮像情報よりも情報量の小さな第一撮像情報に基づく撮像を表示しているため、多数の撮像を表示する場合であっても、第二撮像情報に基づいて撮像を表示する場合と比較して、表示手段50と記憶手段40との間で授受される情報量を低減することができる。
【0031】
制御手段60は、図1に示すように、CPU61を中心とするマイクロコンピュータであり、第一撮像情報、第二撮像情報及び撮像時刻情報等のデジタルデータを一時的に記憶するRAM62と、後述する撮像拡大処理ルーチンを含む各種制御プログラムを記憶するROM63と、撮像手段30、記憶手段40、表示手段50及び入力手段70との通信を制御するインタフェース64(以下、「I/F64」と言う。)と、によって構成されており、バス65によりそれぞれが電気的に接続されている。
【0032】
入力手段70は、キーボードやマウス等の公知の入力手段であり、マウスで所定の場所を選択したり、キーボードで数字を入力したりすることで、オペレータの拡大要求や拡大倍率に関する情報を電気信号に変換して制御手段60に出力する。
【0033】
次に、この撮像表示装置20において、表示手段50に表示された第一撮像情報に基づく撮像を拡大する、撮像拡大処理について、図4を用いて詳しく説明する。ここで図4は、ROM63に記憶された撮像拡大処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。この撮像拡大処理ルーチンは、入力手段70より拡大命令が制御手段60に入力されると、CPU61によってROM63から読み出され、実行される。
【0034】
CPU61が、入力手段70より拡大命令を受信すると(ステップS110)、入力手段70から入力された拡大倍率に関する情報と値4とを比較し(ステップS120)、拡大倍率が4以下であると判定した場合には、現在表示手段70に表示されている初期撮像を拡大倍率に関する情報に含まれる値倍拡大して表示手段70に初期撮像を拡大した撮像を表示し(ステップS130)、本ルーチンを終了する。初期撮像は、640ドットX480ドットのVGA形式の撮像情報として撮像情報30が撮像したものを320ドットX240ドットの大きさで表示手段50に表示しているため、4倍以下の拡大倍率の場合には、初期撮像を拡大して撮像を表示した場合であっても、第一撮像情報と比較して、解像度が劣化することなく鮮明な撮像を表示することができる。
【0035】
一方、ステップS120において、拡大倍率が4より大きいとCPU61が判断した場合には、CPU61は、表示手段50に出力されている第一撮像情報に基づく撮像に対応する第二撮像情報を記憶手段40より読み出す(ステップS140)。具体的には、入力手段70から拡大命令が出力された際、表示手段50に表示されている第一撮像情報に基づく撮像について、第一撮像情報に対応付けて記憶手段40に記憶されている撮像時刻情報を抽出し、記憶手段40より読み出す。続いて、この撮像時刻情報に基づいて、撮像時刻情報と対応付けて記憶されている第二撮像情報を取得する(ステップS150)。こうすることにより、表示手段50に表示されている初期撮像よりも高画質な画像デジタルデータを得ることができる。
【0036】
続いて、CPU61は、表示手段50に表示されている初期撮像を非表示とし(ステップS160)、記憶手段40より読み出した第二撮像情報に基づいて表示手段50に拡大撮像を表示し(ステップS170)、本ルーチンを終了する。このように、初期撮像を非表示とすると共に拡大撮像を表示することにより、デジタル拡大処理を行うことなく拡大撮像を表示することができる。このとき、表示手段50に表示される第一撮像情報に基づく撮像を第二撮像情報に基づく拡大撮像に代えるというシンプルな動作であるため、高速でかつ鮮明な画像を表示することができる。加えて、情報量の大きな第二撮像情報に基づいて常に撮像を表示する場合と比較して、表示手段50と記憶手段40との情報通信量を低減することができる。
【0037】
この撮像拡大処理は、表示手段50に表示された撮像毎に実行される。このため、分画51aに表示された撮像に対してのみ撮像拡大処理を行った場合には、分画51aには第二撮像情報に基づく撮像を表示し、分画51b等の他の分画には、第一撮像情報に基づく初期撮像がそれぞれ表示することが可能であるし、分画51a及び分画51bには第二撮像情報に基づく拡大撮像を表示し、分画51c等の他の分画には、第一撮像情報に基づく初期撮像をそれぞれ表示することも可能である。このように、表示手段50に解像度の異なる初期撮像と拡大撮像とを混在させた状態で表示することが可能であり、必要に応じて撮像と拡大撮像とを同時に表示することができる。このとき、表示手段50に表示される撮像は、拡大撮像のみ表示するものとしてもよい。具体的には、分画51aについて撮像拡大処理を行った場合には、分画51aの拡大撮像を表示手段50の全面に表示し、分画51aと分画51bについて撮像拡大処理を行った場合には、分画51a及び分画51bの拡大撮像を表示手段50の半面にそれぞれ表示し、分画51a、分画51b及び分画51cについて撮像拡大処理を行った場合には、表示手段50の画面を三分割し、それぞれの拡大撮像を表示するものとしてもよい。こうすることにより、解像度の高い拡大撮像を大きなサイズで表示することにより、拡大画像の細部まで視認しやすくすることができる。
【0038】
なお、拡大撮像は、所定時間だけ表示手段50に表示された後には、再び第一撮像情報に基づく撮像を表示するものとしてもよい。第二撮像情報に基づく拡大撮像を表示している間については、第一撮像情報を記憶手段40が一時的に取得しないようにしてもよいし、取得し続けていてもよい。
【0039】
ここで、本発明の第二の実施の形態の一例として、撮像拡大処理ルーチンの他の一例について、図5を用いて説明する。ここで、図5は、撮像拡大処理ルーチンの他の一例を示すフローチャットである。第二の実施の形態の撮像拡大処理ルーチンは、入力手段70より拡大命令が制御手段60に出力されると、CPU61がROM63より読み出され、実行される。なお、第二の実施の形態において、撮像拡大処理ルーチン以外の構成、すなわち、撮像表示装置20の備える構成については、第一の実施の形態の撮像表示装置20と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0040】
CPU61が、入力手段70より拡大命令を受信すると(ステップS210)、CPU61は、表示手段50に出力されている第一撮像情報に基づく撮像に対応する第二撮像情報を記憶手段40より読み出す(ステップS220)。具体的には、入力手段70から拡大命令が出力された際、表示手段50に表示されている第一撮像情報に基づく撮像について、第一撮像情報に対応付けて記憶手段40に記憶されている撮像時刻情報を抽出し、記憶手段40より読み出す。続いて、この撮像時刻情報に基づいて、撮像時刻情報と対応付けて記憶されている第二撮像情報を取得する(ステップS230)。こうすることにより、表示手段50に表示されている撮像よりも高画質な画像デジタルデータを得ることができる。
【0041】
続いて、CPU61は、表示手段50に表示されている撮像を非表示とし(ステップS240)、記憶手段40より読み出した第二撮像情報に基づいて表示手段50に拡大撮像を表示し(ステップS250)、本ルーチンを終了する。このように、撮像を非表示とすると共に拡大撮像を表示することにより、デジタル拡大処理を行うことなく拡大撮像を表示することができる。このとき、表示手段50に表示される第一撮像情報に基づく撮像を第二撮像情報に基づく拡大撮像に代えるというシンプルな動作であるため、高速でかつ鮮明な画像を表示することができる。また、拡大倍率にかかわらず第一撮像情報に基づく初期撮像を第二撮像情報に基づく拡大撮像に代えることにより、第一の実施の形態と比較して、拡大倍率に関する処理を省略することができるため、よりシンプルに処理することができる。加えて、情報量の大きな第二撮像情報に基づいて常に撮像を表示する場合と比較して、表示手段50と記憶手段40との情報通信量を低減することができる。
【0042】
以上詳述した撮像表示装置20によれば、撮像時に、光学系から入射した光を電気信号に変換した第一撮像情報を含む第一撮像信号と、第一撮像情報よりも高解像度である第二撮像情報を含む第二撮像信号と、を撮像手段30から出力し、第一撮像信号及び第二撮像信号と第一撮像情報及び第二撮像情報が撮像された時刻を示す撮像時刻情報とが互いに関連付けされた状態で記憶手段40に記憶される。そして、表示手段50に撮像を表示する際には、記憶手段40から受信した第一撮像情報に基づいて撮像を表示する。こうすることにより、通常は第一撮像情報に基づく撮像を表示することにより、常に第二撮像情報に基づいて撮像を表示する場合と比較して、撮像情報の通信量を減らすことで情報の取得時間を短縮し、スピーディーに撮像を表示することができる。また、表示手段50に表示された撮像を拡大して表示する際には、選択した撮像に対応する第二撮像情報を含む第二撮像情報を記憶手段40から取得し、この第二撮像情報に基づいて拡大撮像を表示する。具体的には、表示手段50に表示されている撮像に対応する撮像時刻情報と同時刻の撮像時刻情報に対応する第二撮像情報を記憶手段40から読み出し、この第二撮像情報に基づいて拡大撮像を表示手段50に表示する。こうすることにより、第二撮像情報に基づいて拡大されるため、第一撮像情報に基づいて拡大する場合と比較して、繊細且つ綿密な拡大撮像を表示することができる。
【0043】
また、撮像を拡大する際、第一撮像情報に基づいて表示された撮像をデジタル拡大処理することなく、第二撮像情報に基づいた撮像と換えて表示手段50に表示することにより、デジタル拡大処理する場合と比較して、繊細且つ綿密な拡大撮像を表示することができる。
【0044】
次に、本発明の第三の実施の形態の一例として、撮像表示装置120を説明する。この撮像表示装置120は、被写体を撮像する撮像手段30と、撮像手段30で記憶された被写体を表示する表示手段50と、撮像手段30及び表示手段50を制御する制御手段60と、情報を入力する入力手段70と、を主に備えている。この撮像表示装置120では、記憶手段40を有しない点と、撮像手段30で撮像された第一撮像情報及び第二撮像情報が表示手段50に同時に送信されること及び撮像拡大処理ルーチン以外は、第一の実施の形態の撮像表示装置20と同様であるため、同様の部材には同様の符号を付し、ここでは説明を省略する。
【0045】
この撮像表示装置120では、撮像手段30によって光学系から入射した光を電気信号に変換する際、第一撮像情報を含む第一撮像信号と第二撮像情報を含む第二撮像信号との二種類の電気信号に変換され、それぞれが表示手段50に出力される。すなわち、撮像手段30によって同時に撮像された第一撮像情報と第二撮像情報とが同時に表示手段50に出力される。
【0046】
続いて、第三の実施の形態の撮像拡大処理ルーチンの一例を、図6を用いて詳しく説明する。ここで、図6は、第三の実施の形態の撮像拡大処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。第三の実施の形態の撮像拡大処理ルーチンは、入力手段70より拡大命令が制御手段60に出力されると、CPU61がROM63より読み出され、実行される。
【0047】
CPU61が、入力手段70より拡大命令を受信すると(ステップS310)、CPU61は、表示手段50に出力されている第一撮像情報に基づく初期撮像を非表示とし(ステップS320)、初期撮像に代えて、第二撮像情報に基づく拡大撮像を表示し(ステップS330)、本ルーチンを終了する。このように、初期撮像を非表示とすると共に拡大撮像を表示することにより、デジタル拡大処理を行うことなく拡大撮像を表示することができる。このとき、表示手段50に表示される第一撮像情報に基づく初期撮像を第二撮像情報に基づく拡大撮像に代えるというシンプルな動作であるため、高速でかつ鮮明な画像を表示することができる。また、拡大倍率にかかわらず第一撮像情報に基づく初期撮像を第二撮像情報に基づく拡大撮像に代えることにより、第一の実施の形態と比較して、拡大倍率に関する処理を省略することができるため、よりシンプルに処理することができる。
【0048】
なお、本発明は上述した実施の形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0049】
例えば、上述した実施の形態では、撮像表示装置20が撮像手段30、記憶手段40及び表示手段50を有しているものとしたが、撮像手段30が電気通信回線を介して接続されるものであってもよい。このような場合には、電気通信回線を介して撮像手段30と接続するために、第一撮像信号、第二撮像信号及び撮像時刻信号を受信する撮像信号受信手段を設けることにより、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。加えて、撮像手段30を表示手段50から遠く離れた場所に設置することができるため、遠隔地を撮像する場合であっても、利用することができる。
【0050】
上述した実施の形態では、撮像表示装置20が撮像手段30、記憶手段40及び表示手段50を有しているものとしたが、記憶手段50が電気通信回線を介して接続されるものであってもよい。このような場合には、電気通信回線を介して第一撮像信号、第二撮像信号及び撮像時刻信号を記憶手段に送信する送信手段を設けることにより、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。加えて、記憶手段を撮像表示装置20に設ける必要が無いため、記憶手段の記憶容量を気にする必要が無い。また、常に第二撮像情報に基づいて撮像を表示する場合と比較して、表示手段50及び制御手段60と記憶手段40との間で授受されるデータ量を減少させることができるため、表示手段50に同時に多数の撮像を表示させる場合であっても、高速に表示することができる。
【0051】
上述した実施の形態では、表示手段50に第一撮像情報に基づく初期撮像を表示する際、撮像手段30で撮像した大きさよりも小さく初期撮像を表示するものとしたが、第一撮像情報に基づく撮像を表示する際には、撮像手段30で撮像した大きさと同等の大きさで表示してもよい。この場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。
【0052】
上述した実施の形態では、ステップS150において、第二撮像情報に基づく拡大撮像を表示手段50に表示するものとしたが、第二撮像情報に基づき、デジタル拡大処理を行って拡大撮像として表示手段50に表示しても良い。こうすれば、第一撮像情報を第二撮像情報に置き換えた場合よりも更に高倍率な拡大撮像を表示することができ、このとき、第一撮像情報に基づいてデジタル拡大処理を行った場合と比較して、繊細且つ綿密な拡大撮像を表示することができる。
【0053】
上述した実施の形態では、表示手段50の画面を16分割するものとしたが、1画面表示であっても良いし、16分割以外の数で分割しても良い。いずれの場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。また、同時に表示される撮像も、撮像時刻をずらして撮像を表示するものでもよいし、複数の撮像手段30を有している場合には、それぞれの撮像手段30で撮像された撮像を表示するものであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
上述した実施の形態で示すように、撮像処理分野、特に撮像拡大処理が可能な表示装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0055】
20、120…撮像処理装置、30…撮像手段、40…記憶手段、50…表示手段、
60…制御手段、61…CPU、62…RAM、63…ROM、64…I/F、
65…バス、70…入力手段。

図1
図2
図3
図4
図5
図6