【実施例】
【0064】
(実施例1-リファキシミン-PVP複合体(1:2w/w比)の製造)
(製造1)
2gのリファキシミンを、25〜30℃で30mlのエタノールに溶解した。4gのPVP K-30を、40
mlのエタノールに溶解した。PVP K-30の溶液をリファキシミン溶液に加えて攪拌した。反
応塊を、35℃で真空中で乾燥するまで濃縮し、次いで30〜35℃で24時間完全に乾燥させて
、5.4gのリファキシミン-PVP複合体を得た。
【0065】
(製造2)
5gのリファキシミンを、25〜30℃で75mlのエタノールに溶解した。反応塊を35℃に加熱
し、このリファキシミン溶液に10gのPVP K-30を加えて攪拌した。反応塊を、35℃で真空
中で乾燥するまで濃縮し、次いで30〜35℃で24時間完全に乾燥させて、13gのリファキシ
ミン-PVP複合体を得た。
【0066】
(実施例2-リファキシミン-PVP複合体(1:1w/w比)の製造)
(製造1)
2gのリファキシミンを、25〜30℃で30mlのエタノールに溶解した。2gのPVP K-30を、20
mlのエタノールに溶解した。PVP K-30の溶液をリファキシミン溶液に加えて攪拌した。反
応塊を、35℃で真空中で乾燥するまで濃縮し、次いで30〜35℃で24時間完全に乾燥させて
、3.1gのリファキシミン-PVP複合体を得た。
【0067】
(製造2)
5gのリファキシミンを、25〜30℃で75mlのエタノールに溶解した。反応塊を35℃に加熱
し、このリファキシミン溶液に5gのPVP K-30を加えて攪拌した。反応塊を、35℃で真空中
で乾燥するまで濃縮し、次いで30〜35℃で24時間完全に乾燥させて、8.8gのリファキシミ
ン-PVP複合体を得た。
【0068】
(実施例3-リファキシミン-PVP複合体(4:1w/w比)の製造)
(製造1)
10gのリファキシミンを、30〜35℃で150mlのエタノールに溶解した。2.5gのPVP K-30を
25mlのエタノールに溶解することによって、PVP K-30の溶液を製造した。この溶液を、30
〜35℃でリファキシミン溶液に加えた。反応塊を攪拌し、30〜35℃で真空中で濃縮して乾
燥させ、次いで70℃で24〜30時間完全に乾燥させて、12.5gのリファキシミン-PVP複合体
を得た。
【0069】
(製造2)
5gのリファキシミンを、25〜30℃で75mlのエタノールに溶解した。反応塊を35℃に加熱
し、このリファキシミン溶液に1.25gのPVP K-30を加えて攪拌した。反応塊を、35℃で真
空中で乾燥するまで濃縮し、次いで30〜35℃で24時間完全に乾燥させて、5.5gのリファキ
シミン-PVP複合体を得た。
【0070】
(実施例4-リファキシミン-PVP複合体(10:1w/w比)の製造)
(製造1)
10gのリファキシミンを、30〜35℃で150mlのエタノールに溶解した。1gのPVP K-30を15
mlのエタノールに溶解することによって、PVP K-30の溶液を製造した。この溶液を、リフ
ァキシミン溶液に加えた。反応塊を30〜35℃で攪拌し、30〜35℃で真空中で濃縮して乾燥
させ、次いで30〜35℃で24〜30時間完全に乾燥させて、10.3gのリファキシミン-PVP複合
体を得た。
【0071】
(製造2)
5gのリファキシミンを、25〜30℃で75mlのエタノールに溶解した。反応塊を35℃に加熱
し、このリファキシミン溶液に0.5gのPVP K-30を加えて攪拌した。反応塊を、35℃で真空
中で乾燥するまで濃縮し、次いで30〜35℃で24時間完全に乾燥させて、5.0gのリファキシ
ミン-PVP複合体を得た。
【0072】
(実施例5-リファキシミン-β-シクロデキストリン複合体(1:2w/w比)の製造)
(製造1)
2gのリファキシミンを、25〜30℃で30mlのエタノールに溶解した。この溶液に4gのβ-
シクロデキストリンを加えて攪拌した。反応塊を35℃で真空中で濃縮し、20mlのエタノー
ルを用いて揮散させた。この残渣を濃縮して乾燥させ、30〜35℃で真空中で20〜24時間乾
燥させて、5.1gのリファキシミン-βシクロデキストリン複合体を得た。
【0073】
(製造2)
4gのリファキシミンを、25〜30℃で60mlのエタノールに溶解した。反応塊を35℃に加熱
し、このリファキシミン溶液に8gのβ-シクロデキストリンを加えて攪拌した。反応塊を
、35℃で真空中で乾燥するまで濃縮し、次いで30〜35℃で24時間完全に乾燥させて、10.7
gのリファキシミン-βシクロデキストリン複合体を得た。
【0074】
(実施例6-リファキシミンβ-シクロデキストリン複合体(1:1w/w比)の製造)
2gのリファキシミンを、25〜30℃で30mlのエタノールに溶解した。この溶液に2gのβ-
シクロデキストリンを加えて攪拌した。反応塊を35℃で真空中で濃縮し、次いで30〜35℃
で20〜24時間完全に乾燥させて、2.8gのリファキシミン-βシクロデキストリン複合体を
得た。
【0075】
(実施例7-リファキシミン-β-シクロデキストリン複合体(4:1w/w比)の製造)
7gのリファキシミンを、30〜35℃で100mlのエタノールに溶解した。この溶液に1.75gの
β-シクロデキストリンを加えて攪拌した。反応塊を攪拌し、30〜35℃で真空中で濃縮し
て乾燥させ、次いで30〜35℃で24〜30時間完全に乾燥させて、8.1gのリファキシミン-β
シクロデキストリン複合体を得た。
【0076】
(実施例8-リファキシミン-β-シクロデキストリン複合体(10:1w/w比)の製造)
7gのリファキシミンを、30〜35℃で100mlのエタノールに溶解した。この溶液に0.7gの
β-シクロデキストリンを加えて攪拌した。反応塊を攪拌し、30〜35℃で真空中で濃縮し
て乾燥させ、次いで30〜35℃で24〜30時間完全に乾燥させて、6.75gのリファキシミン-β
シクロデキストリン複合体を得た。
【0077】
(固有溶解比較研究)
(実施例9-錠剤の製造)
(リファキシミン複合体を含む錠剤形成用混合物を製造するための一般的プロセス)
実施例1から8のいずれかに従って製造された、リファキシミン複合体のみを含む(すな
わち賦形剤を含まない)錠剤形成用混合物(100mg)を製造し、2.5トンの圧縮圧で5分間操作
する手動のハンドプレスを使用してペレットに圧縮した。
【0078】
(リファキシミンと複合体形成剤との物理的混合物を含む錠剤形成用混合物を製造するた
めの一般的プロセス)
同様に、リファキシミンとそれに見合う割合の複合体形成剤との物理的混合物のみを含
む(すなわち賦形剤を含まない)錠剤形成用混合物(100mg)を、リファキシミンと所望の割
合の複合体形成剤とを乳鉢と乳棒で5分間混合し、かつ2.5トンの圧縮圧で5分間操作する
手動のハンドプレスを使用してペレットに圧縮することによって製造した。
【0079】
(実施例10-リファキシミンとPVPK(ここではPVPKはPVP K-30である)とを含む1:2物理的混
合物の製造)
100mgの投与APIのリファキシミンと200mgのPVPKとを均一に混合して、ペレット調製の
ために使用した(注入体積:30μl)。
【0080】
100mgのペレットについて、LAB INDIA DISSO 2000でインビトロ溶解研究を実施した。
【0081】
該ペレットを、ペレットの表面だけを溶解媒体に接触させるように、PFTEホルダーに固
定した。このPFTE装填ホルダーを、900mlの0.1Mのリン酸二水素ナトリウム(37±0.5℃でp
H7.4)を含有する溶解用容器に入れた。実験計画の各実施に対して、2つのペレットを測定
した。100rpmでパドルを回転させて、攪拌を行った。攪拌を1440分まで行い、指定時間に
10mlの試料を取り出すことによって、試験媒体中に溶解した活性成分、すなわちリファキ
シミンの濃度を決定した。
【0082】
リファキシミン複合体の濃度を、以下に指定する通りの条件下で、最大波長300nmでHPL
C UV法によって定量化した。
【表1】
【0083】
PVPK複合体(1:2w/w)から、並びに物理的混合物(1:2w/w)から放出されたリファキシミン
の割合を、
図1に示す通りに時間に対してプロットした。この曲線の傾きから固有溶解速
度を導いた。表1は、結果を表形式で示すものである。
【表2】
【0084】
(実施例11-リファキシミンとPVPKとを含む1:1物理的混合物の製造)
100mgの投与APIのリファキシミンと100mgのPVPKとをそれぞれ、均一に混合して、ペレ
ット調製のために使用した(注入体積:20μl)。
【0085】
PVP複合体(1:1w/w)から、並びに物理的混合物(1:1w/w)から放出されたリファキシミン
の割合を、
図2に示す通りに時間に対してプロットした。この曲線の傾きから固有溶解速
度を導いた。表2は、結果を表形式で示すものである。
【表3】
【0086】
(実施例12-リファキシミンとPVPKとを含む4:1物理的混合物の製造)
100mgの投与APIのリファキシミンと25mgのPVPKとを均一に混合して、ペレット調製のた
めに使用した(注入体積:15μl)。
【0087】
PVP複合体(4:1w/w)から、並びに物理的混合物(4:1w/w)から放出されたリファキシミン
の割合を、
図3に示す通りに時間に対してプロットした。この曲線の傾きから固有溶解速
度を導いた。表3は、結果を表形式で示すものである。
【表4】
【0088】
(実施例13-リファキシミンとPVPKとを含む10:1物理的混合物の製造)
100mgの投与APIのリファキシミンと10mgのPVPKとを均一に混合して、ペレット調製のた
めに使用した(注入体積:10μl)。
【0089】
PVP複合体(10:1w/w)から、並びに物理的混合物(10:1w/w)から放出されたリファキシミ
ンの割合を、
図4に示す通りに時間に対してプロットした。この曲線の傾きから固有溶解
速度を導いた。表4は、結果を表形式で示すものである。
【表5】
【0090】
(実施例14)
PVPKの代わりにベータシクロデキストリンを使用して、実施例10を再び行い、CD複合体
(1:2w/w)から、並びに物理的混合物(1:2w/w)から放出されたリファキシミンの割合を、図
5に示す通りに時間に対してプロットした。この曲線の傾きから固有溶解速度を導いた。
表5は、結果を表形式で示すものである。
【表6】
【0091】
(実施例15)
PVPKの代わりにベータシクロデキストリンを使用して、実施例11を再び行い、CD複合体
(1:1w/w)から、並びに物理的混合物(1:1w/w)から放出されたリファキシミンの割合を、図
6で示す通りに時間に対してプロットした。この曲線の傾きから固有溶解速度を導いた。
表6は、結果を表形式で示すものである。
【表7】
【0092】
(実施例16)
PVPKの代わりにベータシクロデキストリンを使用して、実施例12を再び行い、CD複合体
(4:1w/w)から、並びに物理的混合物(4:1w/w)から放出されたリファキシミンの割合を、図
7に示す通りに時間に対してプロットした。この曲線の傾きから固有溶解速度を導いた。
表7は、結果を表形式で示すものである。
【表8】
【0093】
(実施例17)
PVPKの代わりにベータシクロデキストリンを使用して、実施例13を再び行い、CD複合体
(10:1w/w)から、並びに物理的混合物(10:1w/w)から放出されたリファキシミンの割合を、
図8に示す通りに時間に対してプロットした。この曲線の傾きから固有溶解速度を導いた
。表8は、結果を表形式で示すものである。
【表9】
【0094】
結果は、それぞれ2回の結果の平均で報告した。
【0095】
下の表9及び10に示す通り、リファキシミン複合体は、リファキシミンと複合体形成剤
との物理的混合物と比較すると、より優れた溶解速度を示した。
【0096】
リファキシミンの実質的放出の割合は、
図1から8で得られる特性データから算出される
。複合体からのリファキシミンの実質的放出の割合を算出するための式を、下に示す。
【数1】
【0097】
【表10】
上のデータは、PVP複合体が物理的混合物よりも、より好都合であることを示している
。この利点は、PVPの濃度がより低い時、すなわち比率が10:1の時に最大である(73:30)が
、高濃度、すなわち比率が1:2又は33.3%の時には、該利点は約1.36倍(92.67:68.05)であ
る。
【0098】
【表11】
上のデータは、CD複合体が物理的混合物よりも、より好都合であることを示している。
この利点は、CDの濃度がより低い時、すなわち比率が10:1の時に最大である(55.55:9.84)
が、高濃度、すなわち比率が1:2又は33.3%の時には、該利点は約3.1倍(79.18:25.52)であ
る。
【0099】
これらの結果により、この技術に従ってリファキシミン複合体が形成されてきたことが
さらに証明された。
【0100】
本発明は、添付の特許請求の範囲内で変更可能であることを理解されたい。