【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の態様は、添付の特許請求の範囲に規定される。
本発明の第1の態様では、第1および第2の共振部材を含む共振組立体が提供され、第1および第2の共振部材はそれぞれ、電磁場により励磁されるとき、それぞれの異なる共振周波数で共振するように構成され、少なくとも1つの共振部材は、不連続ループの自由端間に少なくとも1つの容量性要素が接続される不連続ループを含む。
【0012】
本発明の第2の態様では、送信アンテナと受信アンテナとの間の電磁場の近接場結合を特定し、結合に基づいて、第1および第2の部材の共振周波数により共振組立体に関する埋設資産を少なくとも部分的に識別するために、第1の態様による共振組立体、および電磁場を生成するように構成される検出器装置を含むシステムが提供される。
【0013】
本発明の第3の態様では、埋設資産の正体を特定する方法が提供され、本方法は、共振組立体の第1および第2の共振部材を励磁するのに送信アンテナから電磁場を生成するステップであって、第1および第2の共振部材はそれぞれ、それぞれの異なる共振周波数で共振するように構成され、少なくとも1つの共振部材は、ループの自由端間に少なくとも1つの容量性要素が接続される不連続ループを含む、ステップと、電磁場の複数の周波数で受信アンテナへの電磁場の近接場結合を特定するステップと、結合の周波数により共振組立体を少なくとも部分的に識別するステップとを含む。
【0014】
本発明の別の態様では、第1および第2の共振部材を含む共振組立体が提供され、第1および第2の部材はそれぞれ、電磁場により励磁されるとき、それぞれの異なる共振周波数で共振するように構成される。
【0015】
各共振部材は、電磁放射線の2つ以上の周波数(例えば、基本周波数の高調波)の発生源として効果的に働くことにより、電磁場への曝露に応答することができることを理解されたい。しかし、組立体は、振動する電磁場への曝露に対する組立体の2つ以上のそれぞれの共振部材の応答特性が周波数領域において異なるように構成される。このことにより、各組立体は、振動する電磁場に照射されると直ちに、特徴的なサインを供給することを理解されたい。
【0016】
したがって、いくつかの実施形態では、マイクロプロセッサなどの能動要素を有しない、完全な受動組立体である共振組立体が提供される。さらに、本発明のいくつかの実施形態は、強い非線形挙動を示すダイオードの場合のような電気的非線形性を有しない。さらに、本発明のいくつかの実施形態は、データ記憶要素を含まない。
【0017】
さらに、本発明のいくつかの実施形態は、2方向通信に周波数シフト手法を用いない。
本発明の実施形態は、組立体の結合を検出し、検出された周波数間の差を特定するよう
に構成することができる。絶対周波数でなく、周波数間の差を測定することにより、本装置は、例えば土壌状態および他の要因による周波数シフトを計算することができる。
【0018】
したがって、本発明の実施形態は、同時複数周波数電磁応答を有する組立体を提供する。本発明の実施形態は、埋設資産の識別と共に埋設資産の位置を特定することができる。
本発明の実施形態は、地下に資産と共に低コスト共振組立体を埋設することができる。
【0019】
それぞれの異なる共振周波数の複数の共振部材を設けることにより、各資産(および/または資産の各基準位置)は、周波数領域内に構築される固有の識別コードを提供することができる。したがって、検出される埋設資産のタイプは、固有のコードから識別することができる。
【0020】
例えば、管または水に関する他の導管、ガス、電力、電気通信インフラ、または他の任意のサービスなどの埋設された公益事業資産は、外部の電磁場励磁に対する、資産の共振部材の周波数応答により識別することができる。
【0021】
本発明のいくつかの実施形態では、時間領域応答は、地下の資産の深さの測定を行うのに使用することができる。
本発明の実施形態は、漏れの検出、化学物質の検出、および資産の完全性などの埋設資産の状態の監視を可能とする、環境検知および土木工学の適用例を有する。
【0022】
比較的高い周波数(例えばGHz領域)などの周波数範囲の信号に応答するように構成された組立体は、管から水漏れが起こり、組立体の周りの土壌が水に浸かった場合など、高いレベルの水分が存在するとき、検出するのが難しくなる可能性がある。これは、少なくとも部分的には、水が、GHz領域の電磁放射線を反射し、組立体による反射信号が、土壌中の水分による反射信号により妨害されることが知られているためである。
【0023】
したがって、いくつかの適用例では、水によって強く反射されない周波数での動作が好ましい。
これらの適用例において、いくつかの場合には、比較的低い周波数の動作が好ましい。したがって、kHz領域の周波数で共振するように構成された共振部材を有する共振組立体は、そうした適用例で使用することができる。この領域は、10MHz未満などの低MHz領域まで拡張することができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれより多い共振部材を含む組立体を提供することができる。
組立体の各共振部材は、誘導性部分および容量性部分を含むことができる。
【0025】
各共振部材は、直列に結合する誘導性部分および容量性部分を含むことができる。
誘導性部分は、ループの形態の導電部分を含むことが好ましい。
誘導性部分は、複数のループを含む導電部分を含むことが好ましい。
【0026】
ループは、ほぼ同軸とすることができる。
誘導性部分は、ワイヤのコイルを含むことができる。
容量性部分は、誘導性部分の自由端間に結合することができる。
【0027】
共振部材は、ほぼ同軸とすることができる。
あるいは、共振部材の2つおよび3つのうちから選択された1つは、互いにほぼ直交することができる。
【0028】
本発明の第2の態様では、第1の態様による組立体を含む要素が提供される。
この要素は、複数本の管を互いに接続するように構成された継手部材を含むことができる。
【0029】
継手部材は、管内を通過する材料または物質も通過する開口部を含むことができる。
少なくとも1つの共振部材の誘導性部分は、継手部材の開口部の周りに巻きつけるように構成することができる。
【0030】
誘導性部分は、電気融合加熱ワイヤを含むことができる。
コンデンサは、電気融合加熱ワイヤの自由端間に結合することが好ましい。
本発明の別の態様では、第1の態様による組立体を含む埋設資産が提供される。
【0031】
本発明の別の態様では、第1の態様による複数の組立体に結合する支持部材が提供され、支持部材は、埋設資産内に設けられるように構成される。
支持部材は、埋設パイプライン資産の1つまたは複数の隅部の周りで曲がるように構成された柔軟な部材を含むことが好ましい。
【0032】
支持部材は、ケーブルを含むことができる。
本発明の別の態様では、別の態様による組立体と、組立体の複数の共振部材のそれぞれの共振周波数で組立体を励磁するように構成された電磁場を生成するための手段と、前記複数の共振部材のそれぞれの近接場結合を検出するための手段とを含む、埋設資産を検出するための装置が提供される。
【0033】
本装置は、第1および第2の共振部材により応答されるように構成された周波数を有する信号を生成するように構成することができる。
本装置は、検出される電磁信号の周波数に対応する出力を提供するように構成することができる。
【0034】
本装置は、共振組立体の応答にかかる時間、および/または得られる信号の位相に基づいて、組立体の地下深さに対応する出力を提供するように構成することができる。
本装置は、各組立体の応答にかかる時間に基づいて、複数の組立体のそれぞれの相対地下深さに対応する出力を提供するように構成することができる。
【0035】
本発明の別の態様では、第1および第2の共振部材を含む共振組立体を資産と共に埋設するステップであって、第1および第2の共振部材はそれぞれ、対応する周波数で振動する電磁場に曝されるとき、それぞれの異なる共振周波数で共振するように構成される、ステップと、埋設資産を電磁場に曝露するステップと、組立体の結合を検出し、それにより資産の位置を特定するステップとを含む、埋設資産を検出する方法が提供される。
【0036】
本方法は、第1および第2の共振部材に対応する周波数を有する信号が検出され、それにより資産の位置が特定されるまで、異なるそれぞれの位置で電磁場を地中に導くステップを含むことが好ましい。
【0037】
本方法は、信号を地中に導くステップの後、信号が検出されるのに掛かる時間に基づいて、資産の深さを特定するステップをさらに含むことができる。
共振組立体を埋設するステップは、組立体に結合する長尺の柔軟な部材を提供するステップと、柔軟な部材を資産内に取り付けるステップとを含むことができる。
【0038】
本方法は、資産が埋設された後、柔軟な部材を資産内に取り付けるステップを含むことができる。
長尺の柔軟な部材は、ケーブルを含むことができる。
【0039】
資産は、加熱ワイヤを含むことができ、本方法は、加熱ワイヤの自由端間に容量性要素を接続することにより、少なくとも1つの共振部材を形成するステップを含む。
本方法は、第1の態様による複数の共振部材を有する組立体を含む要素を提供するステップを含み、本方法は、要素の加熱ワイヤの自由端間に容量性要素を接続することにより、少なくとも1つの共振部材を形成するステップを含むことができる。
【0040】
したがって、本発明のいくつかの実施形態では、1本の管または継手部材に設けられた導電ループが使用されることを理解されたい。例えば、いくつかの継手部材は、継手部材の壁内に組み込まれた1つまたは複数のワイヤを設けられ、ワイヤの反対の自由端は、接点(電気接点など)をそれと共に形成するように露出する。いくつかの実施形態では、共振部材を形成するように、自由端間にコンデンサが結合する。コンデンサの静電容量の値は、ワイヤの電気抵抗の値に依存する可能性がある。
【0041】
電気ワイヤは、管、継手部材、または電流をワイヤ中に通して構成要素を加熱することによって電気融合継手を形成することを可能にするための他の構成要素を設けることができる。他の目的で設けられた電気ワイヤも、共振部材を形成するときに有効に使用される。
【0042】
いくつかの実施形態では、組立体は、誘導性磁場によりもたらされるものなどの近接場電磁信号に応答するように構成することができることを理解されたい。
本発明の別の実施形態では、第1および第2の共振部材を含む共振組立体を資産と共に埋設するステップであって、第1および第2の共振部材はそれぞれ、対応する周波数の電磁信号により励磁されるとき、それぞれの異なる共振周波数で共振するように構成される、ステップと、電磁信号を地中に発射するステップにおいて、この信号は、第1および第2の共振部材の共振周波数となるように構成された周波数を有する、ステップとを含む、埋設資産を検出する方法が提供される。
【0043】
ここで、本発明の実施形態が、添付の図を参照して説明される。